ひェ〜、参った参った。やっと酒にありつける。
今は浴びるほど飲みたいね。大将、とりあえず一杯。

お兄さん…おっと、お嬢さんだったか。
お隣、失礼しますよっと。へへ…。

いやァ、しかし本当に参った。
もう俺は人間の姿を見ることがないんじゃないかと思ったよ。
ちったァ良い思いもしたけどな、でもよォ、酒が飲めないんじゃなァ。

おっと、ありがとよ大将。
ん、何の話かって？ そりゃァ俺の冒険譚よ。
ああ、待て待て。まずは咽を潤してから…。

ングッ、ングッ……プハーッ！

うまいっ！ やっぱり酒は良いねェ。
これがなきゃ、人生ってモンはやってらんないよ。
ブドウ酒や蜂蜜酒なんてのはお子ちゃまの飲み物だ。
やっぱりよ、酒っていったらビール。間違いないね。

さてと、俺の冒険譚だったか。
俺は砂漠の遺跡を専門としているトレジャーハンターなんだ。
黄金のミイラが眠っていると聞きゃ、朽ちた棺も根こそぎ開ける。
ガイコツの墓守が目覚めたと聞きゃ、荷物をまとめてスタコラ逃げる。
それこそ夢とロマンの毎日よ。酒に宝に冒険に。熱くならなきゃ漢じゃない。

しかしなァ、宝探しなんて、１００回潜って１回見つかれば良い方だ。
まァ、そうじゃなきゃ宝だなんて呼べないんだけどな。それはさておきだ。

お察しの通り、今から話すのは、千を超えた俺の失敗談のひとつだ。
それも、つい昨日までのな。いやァ、まさに九死に一生モンだった。
気になるかい？ 気になるだろう。でもよ、続きはまだ話せねェ。
見ろよ、俺のジョッキが空っぽだ。これじゃあ咽が乾いちまう。
大将がここに命の水を注いでくれたら、続きの始まりってワケさ。

悪いねェ、大将。ここの酒は美味いよ。
で、どこまで話したんだったかな。いや、まだ話してもなかったか。
悪い悪い、酒を飲むと、嫌なことなんて綺麗サッパリ忘れちまうもんで。

大丈夫、覚えてるよ。まだ酔っちゃいねェ。
あれだけ恐ろしい日々を味わったんだ、忘れられねェさ。

トロケオチ砂漠って知ってるだろう？
羽の生えた悪魔の石像が、そこかしこに立っているところだ。
あそこにある遺跡…おっと、さすがに名前は教えられねェぞ？
なんてったって、俺はまだあそこに眠るお宝を諦めちゃいないからな。

で、だ。そこの遺跡に俺は潜ったわけだ。
遺跡っていうと、おたくら、石畳の通路を想像するんじゃないか？
とんでもねェ。中まで砂がビーッシリなのよ。それこそ外と変わらない。
いや、天井はついてねェな、お外には。ハハッ。あぁ、酒が美味い。

それでな、遺跡って言ったらやっぱりアレよ。魔物。
うじゃうじゃいてなァ。特にゾンビとマミー。ほんと、腐るほど。
あと罠だな。ありゃ面白ェぞォ、死ぬ前に一度は味わった方がいい。
上から大岩がゴロゴロ転がってきたりしやがんの。まったく感心するね。
何がって、お前さん、昔の人間があんな大岩をわざわざ用意してよ、
それも使い切りの罠で。おまけに俺、生きてる。愉快痛快ってモンだろう。

でもな、やっぱり楽しんでばかりもいられねェんだ。
矢が鼻先を掠ったこともあれば、フンコロガシを踏んづけたこともある。
フンだけに、ってな。大将、今のギャグだよ？ ガハハハッ。

いけねえ、いけねえ。久々の酒は、どうにも酔いが回る。
話はここからが佳境…っつうか、本番なんだ。心して聞けよ。

お宝はどこかと、松明を片手に歩き回っていた時だ。
遺跡は奥に潜りゃ潜るほど暗くなる。当然、周りはよく見えない。
ベテランの俺でさえ慎重になって、一歩々々、罠はないか踏みしめる。
しかしよ、これは注意しているようで、実はそうじゃあないんだ。
この時、俺の意識は罠だけにいっちまっていたんだ。他は無防備。

その隙が命取りだった、ってやつだ。
突然、俺の足元から大きな何かが飛び出してきたんだ。

「危ねぇ！」って思った時には、もう後の祭りよ。
ホレ、そこの剣士の兄ちゃん、お前さんなら分かるだろう。
そんなことを考えたら、どんな奴だろうとお陀仏だってコト。
俺も一緒よ。逃げる間もなけりゃ、避ける暇もなかった。
鋭いブツで、背中をブスリと刺された俺は、そのまま気を失っちまった。

ん？ 何が飛び出してきたか…って、そりゃ後のお楽しみよ。
俺だってその時、それが何なのか分からねェ内にやられちまったんだ。
目線は合わせた方が、リアリティってモンがあって面白いだろう？

さァ、舌が調子付いてきやがったぞ。大将、ツマミを適当に。

それからどれくらい時間が経ったんだろうな。
気が付くと、俺は身体をロープでグルグル巻きにされていたんだ。
これがまた厄介なことに、そのロープは俺が持っていた頑丈なヤツでな、
クマが引っ掻こうが、ゾウがぶらさがろうがビクともしない一級品だ。
おまけに手垢が充分に擦り込まれていてなァ、いや臭いのなんの。

鼻をひん曲げながらも、俺は辺りを見回した。
身体が縛られてるってコトは、縛った奴がいるってことだからな。
だけどよ、そこは小さな部屋の中だったんだが、誰もいなかった。
部屋っていっても、遺跡の一室だ。隠れる場所なんてどこにもねェ。
砂と、壁と、松明だけ。俺を捕まえた野郎は、何を考えているんだか。

とりあえず、目先にすることは決まってるな。
そう、脱出だ。鬼の居ぬ間に、スタコラサッサを決め込むワケさ。
スタコラは俺の十八番だからな。逃げ足は冒険者の命っていうだろう？

俺は壁に身体を支えられながら、なんとか立ち上がった。
そんでもって、出入り口に向かって一目散に駆け出したんだ。
縛られていたのは上半身だけだったからな、足は動かせたのよ。
なかなか格好悪ィ逃げ方だったが、そんな贅沢言ってる場合じゃなし。

だがよ、次の瞬間、俺は心底肝を冷やした。
いたんだよな、実は。部屋の中に。誰がって、俺を捕まえた野郎さ。
勘が良い奴なら、ピンと来る話だろう。同じだよ、襲われた時と。

砂の中だ。足下から、ニョッキリ腕が生えてきやがった。
そして手に持った何かで、俺の身体を切り付けてきたんだ。
日頃の行いが良いおかげかね、運良くそれは、ロープを切るだけに留まった。
偉いモンだよ、俺は。それを見て、小便チビらなかったんだから。
それでもなァ…、さすがに腰は抜かしちまったよ。不意打ち過ぎた。
地面から生えた手に、俺は足首を掴まれて、またもや捕まっちまったのさ。

大将、このスルメ硬いな。スルメってこんなに硬かったか？
まァいいか、美味けりゃ問題ナシだ。こう見えて歯は丈夫なんだ。

さてと、哀れにも再び捕らわれてしまった主人公の俺。
ブルッちまいながらも、帽子の縁を持ち上げて、奴さんの顔を拝もうとした。
自分をハメた野郎の顔ぐらい、冥土まで持っていかないと損ってモンだろう。
そうじゃねェと、暇なあの世で、奴さんを呪うってことが出来ないしな。ハハッ。

しかしな、地獄に仏という言葉があるだろう。
ありゃ本当だ。その時ほど、この言葉を信じたことはない。

べっぴんなお嬢さんだった。褐色肌の、綺麗なお嬢さん。
俺を捕まえた相手っていうのがだぞ？ 嘘みたいな本当の話。
お隣さん、あんたみたいにな。この後、別の店で一杯どう？

冗談、冗談だよ。ほれ大将、俺ったら笑われちまったよ。
フラれた悲しい男に、もう一杯お酒を恵んじゃくれませんかねェ。
分かってる、分かってる、飲み過ぎやしないさね。ほんの少しだ。
まだ話は終わっちゃいないからな。で、どこからだったか…。

そうそう、べっぴんさんね、べっぴんさん。
ありゃァ美人だった。そこは何度褒めたっていい。
砂漠には似合わねェ、新緑色のサラッとした髪。麗しの瞳。
口元は布で隠されてたが、見えなくたって整ってるって分かる。
そんでもって、グンバツのスタイル。こう、ボンッ、と。ボンッ、と。

俺はよォ、巨乳のおねェちゃんには弱いのよ。
鼻の下だけじゃなく、つい手まで伸びちまう。悪い癖だ。
あれだな、股ぐらのムスコと同じよ。条件反射ってやつ。

おっと、ここからは俺達エロジジイ共だけの話だ。
お子ちゃまは耳を塞ぎながら、大人しく蜂蜜酒を飲んでいるんだぞ。

で、大将、気になるだろう？ 揉んだ感想よ、感想。
いやァ〜柔らかかった。今までの女の中で、一番の上級品だ。
極上の乳っていうのは、あんなにも柔らかいモンなんだねェ。
指が沈むのよ、オッパイの中に。パンの生地を揉む時みたいに。
あまりにも良くてな、ついつい状況を忘れて揉んじまった。

気付いたらよ、首筋にキラリと光るモンがあったのさ。
ナイフ。紫色の、いかにも毒のような汁が塗り付けられたナイフ。
さっき俺の身体を切り付けようとしたのも、その毒塗れのブツだったんだろう。
元気に起き上がったムスコも、さすがにそれを見て縮こまっちまった。
ハッキリ言って、死ぬと思ったよ。俺の冒険も、ここで終わりか…ってな。

しかし、そのおねェちゃんは、とんでもないことを口にしたんだ。
「もっと強く揉め」って。最初、何の聞き間違いかと思ったよ。

でも、俺の頭が恐怖にやられたワケじゃなかった。
べっぴんさんは俺の手を掴んで、グイグイ自分の胸に押し付けてきてなァ。
こりゃ、どう見ても誘ってるだろう。とんでもねェ淫乱のおねェちゃんだ。
そこが娼婦の館の一室で、おねェちゃんの下半身がアレでなけりゃ、
俺は喜んでパンツを脱いで、頭からナイスバディに飛び込んでいたね。

そう、下半身がな。蠍と同じだったんだ。
べっぴんのおねェちゃんの正体は、魔物だったってこと。

だけどねェ、俺も男だから、ムスコは正直なのよ。
どうしてなんだか、魔物っていうのはすべからく淫乱だろう？
こんな美人なおねェちゃんと、最後にイイコトができるならと思うと、
死ぬことへの恐さなんて、一発ヤることへの期待で吹き飛んじまうんだ。

そんな俺の下心はさておいて、だ。
おねェちゃんは俺に胸を揉まれながら、満足そうに喘ぎ始めた。
下半身は蠍といっても、尻から上は人間と変わらないからな。
絶景だったさ。腰をクネクネさせて、目はトロンとしてよ。
艶っぽい姿を見せつけられて、男が我慢できるはずないだろう。
そうだよなァ、大将。教団のヤツにこの話がバレた時は、庇ってくれよ。

それでだ、興奮した俺は、おねェちゃんの服を剥ぎ取った。
目付きが鋭くてちと恐かったが、怒りもしなければ抵抗もなかった。
さすがは魔物だな。エロいことはなんでも受け入れてくれるらしい。
その時の俺の行動は、自殺行為以外の何物でもないんだけどな。笑えねェ。

そうだ、大将。大将は、褐色肌の女を抱いたことってあるかい？
嫁さん一筋？ そりゃいいねェ、お熱いお熱い。ビールおかわり。

良かったよォ、褐色肌。同じ女の身体でも、違って見えるもんだ。
薄茶色の肌に浮かぶ桃色の乳首っていうのは、なんとも可愛いね。
映えたその部分を弄ってやると、もっと可愛い声を上げるから堪らない。
弄りに弄ったよ。指で摘まんだり、引っぱったり、噛んだりもしたかな。
すると汗が噴き出てくるワケだが、それもまたエロチック。一味違う。
白肌の女と違って、まるでオイルを塗った後みたいにテカるのよ。
たまんないだろう？ あれのおかげで、しばらくのオカズには困らんね。

その後は、しっぽりと。最後まで楽しんださ。
ん？ あァ、付いてたな、人間のモノと同じのが。股もあったし。
そりゃァ大将、いくら俺だって、蠍のソレに挿れる勇気はないよ。
怪しいって？ へへ、ごもっとも。魔物に挿れてることに違いはねェ。

そうそう、ナカも一級品だった。娼婦も真っ青の名器だ。
砂漠だけにな、まさに蟻地獄。一度呑まれたら逃げられず、だ。
特にさきっちょへの締め付けが強くてねェ、千切れんばかり。
血が止まるんじゃないかってくらいで、いやァ、あっという間の昇天さ。

ただな、奴さん、何もしてこなかったんだ。
俺が好き勝手に動くだけ。マグロといえばマグロだな。
いや、乱れてはいるんだ。アンアン喘いで、愉しんではいた。
もっとこう、魔物っていうのは、無理矢理…ってイメージだろう？
だから俺もさ、変だな〜とは思っていたんだ。腰振りながらな。

驚けよ、大将。それはな、なんとおねェちゃんの作戦だったんだ。
その時俺は、おねェちゃんに覆い被さって、いわゆる正常位の状態だった。
張り切って腰を振るから、とても疲れる。出した後は、もっと疲れる。
体力が無くなっちまった俺は、当然、オッパイの上に倒れ込むワケだ。

おねェちゃんは、その瞬間を待っていたんだよ。俺が疲れ果てる時を。
それまでテコでも動かなかった奴さんが、いきなり俺に抱き付いてきたんだ。
腕だけじゃねェ。蠍の足も絡めてきて、全身がっちりと掴まれちまった。
今度は俺が動けなくなったところに、そのおねェちゃん、何をしてきたと思う？
クイズだよ、クイズ。聞いてる奴らを飽きさせないためのな。粋な計らいだろう？

針だよ。蠍の尻に付いた、でっかい針。
あれをさ、いきなり俺のケツに刺してきやがったんだ。
おい、そこのお前。何笑ってんだ、穴にじゃねェ、肉にだ、肉。
そんなに掘ってほしけりゃ、そこの便所に入ってケツ出して待ってろ。

でだ、大将…。あァ、もう酒はいい。これ以上は金が足りねェ。
蠍の毒といえば、普通なら人間なんて軽くおっちんじまう猛毒だ。
でもよ、俺はこうして生きている。それは死ぬ毒じゃァなかったんだ。
媚薬ってあるだろう？ 純な田舎の娘さんも、喜んで股を開くようになる薬。
あれさ。あの蠍の魔物は、とんでもなく強力な媚薬を俺に刺したんだよ。

それからはもう、天国のような悪夢の始まりだ。
毒はすぐに俺の全身を回って、身体を内側から蒸してきた。
頭の中はお花畑。エロいこと以外、何ひとつ考えられやしない。
ムスコもすぐに、グッドモーニング、ってな。絶倫の俺様、誕生だ。

冗談はまだまだ続くぞ。ここからが更に過酷だ。
俺の身体を抱き締めたまま、おねェちゃんは尻尾を使って、
コロンと二人の身体を転がして、上下を入れ替えたんだ。
俺を根こそぎ搾り取るためにな。反撃開始、ってところか。

だがよ、酷い話でなァ、腕を離してくれないんだ。
蠍の足で、キッチリ掴んだままでな。とんでもない力だった。
目の前でたわわなオッパイが揺れてるのに、生殺しもいいところだ。
そんな俺を見て、おねェちゃんはクスクス笑いやがる。ありゃサドだな。
その後も、何度と針を刺されたか分からねェ。まァ、痛くはなかったけどよ。

さておき、俺の滾ったムスコを咥えたまま、おねェちゃんは動き始めた。
媚薬のせいか、本気を出したのか、またそれが一段と気持ち良いんだ。
思わず声を上げちまったよ。それを聞いて、またおねェちゃんが悦ぶワケ。
男としちゃ情けねェけどな、大将、ありゃダメだ。耐えられるハズがねェ。
遅漏気味な俺でさえ、１分も保たなかったんだ。早漏じゃ５秒が関の山だ。

それだけでも充分苦しいってのに、魔物は更に俺を責めてくる。
この俺のウブな乳首さんを、こともあろうか、つねってきたんだ。
その刺激で、またおねェちゃんの中に出しちまう。量も半端じゃない。
言っておくが、俺はマゾじゃねェぞ。媚薬のせいで感じちまうんだ。

後はもう、ずーっとおねェちゃんにされるがままよ。
何されたっけな…。ショックがでかかった順から言っていくと、
まずな、毛を剃られた。ムスコのな。御丁寧に、玉裏までキレイにな。
で、尻と脇も剃られて、剃り後を執拗に舐められた。もう変態だな。
後はなァ、こっぱずかしい台詞を言わされたり、尻穴弄られたり、
お預けくらったり、かと思えば１０回連続で搾り取られたり…。
こう挙げていくと、一番の驚きは、俺が生きて帰ってこれたことだな。ハハハッ。

あァ、なに、ちょっと頭を使ったのさ。
トレジャーハンターってのは、取引のための話術だって必要だ。
女っていうのは、ちょいとおだててやれば、すぐに喜ぶだろう？
あんな堅物そうな魔物でも、褒めれば顔を真っ赤にして照れたりするんだ。
嬉しくなると気が大きくなるのは、人間も魔物も変わらんね。
俺はその隙を突いて、まんまとここまで逃げだしてきたってワケよ。

と、ここまでが俺の冒険譚だ。御清聴どうも。
どうだい、大将。良い話の種が増えただろう。

ん？ あ〜…。さァなァ、確かに魔物はそういうものだとは聞くけどなァ。
そりゃァ俺だって、酷い目にはあったけれど、悪くはないと思ったよ。
アッチの方はともかく、普段は尽くしてくれたしな。飯やら風呂やら…。
おだてた言葉だって、あのおねェちゃんに対しては、あながち嘘でもない。
今思えば、勿体無いような気もするな。美人で、家事も出来て、床上手…。

でもなァ、大将よォ。
酒がないんじゃァなァ〜？ ガハハハッ。

そうそう、これを見てくれよ。
ちょうど心臓のところだ。ココよ、ココ。刺し傷があるだろう？
この傷はなァ、〆の時に、いっつもその魔物が刺してくるところなんだ。
回りが良いのかね、俺が出す時に、ここからありったけの毒を入れてくるんだ。
そうすると、やっぱり出したモンにも毒が混じるのかもしれないな、
魔物の方までトロケ顔になって、震え上がるほどに達しちゃうワケよ。
いやァ〜、あの顔は本当にたまらんね。大将にも見せてやりたいよ、ホント。

おっと、お嬢さん悪いねェ。こんなエロオヤジが隣に座っちゃって。
俺も久々の酒にあり付けたもんだからね、つい鬱憤を吐き出しちゃったのよ。

しかしお嬢さん、ずいぶんと厚手のローブを羽織ってどうしたんだい。
せっかく綺麗なお顔をしているんだ、隠すのはもったいないってモンだぞ。
あァ、それともアレか、エロオヤジの前で肌を晒すのは危ないってか。
そりゃ違ェねェな。ほーれ、おじちゃん襲っちゃうぞ〜。へへへっ。

さてと、大将、御馳走さんだ。
美味い酒だった。またいつか来るよ。

…ん？ なんだい、お嬢さん。俺の汚い手なんか掴んだりして。
ひょっとして、俺と一晩過ごしたいなんて言うんじゃないだろうね。
え？ 本当に？ こりゃ驚いた。お嬢さん、娼婦だったのか。
だがなァ、非常に残念なお話で、今はおじちゃんスカンピン…。

無料で？ そりゃ本当かい？ 美人局かと疑っちまうよ。
まァ、その時はお嬢さんを持って、恐いお兄さんから逃げればいいな。
スタコラは俺の十八番だ。お宝のためなら、砂嵐からだって逃げ切るさ。
よし決まった。行こうか、お嬢さん。いやァ、モテる男は辛いねェ。

おや、意外と足が短い…。いやいや、そんなところも可愛いよ。
お尻は大きいし、俺好みだ。こりゃァ朝まで張り切っちゃうぞ。
褐色肌なところも良い。ちょうど俺の中でシーズンというやつだ。

それじゃァ、邪魔したな、大将。
次に俺が寄った時も、輝かしい冒険譚を聞いてくれよ。

どんな話かは、その時までのお楽しみ、ってな。