傷付け、癒し、求め合う。
それが私達の愛の形。

「ぁ…」

冷たい石造りの床の上で、裸ん坊の彼。
蝋燭に灯る小さな火が、傷だらけの身体を淡く照らす。

ここは、私達だけの世界。愛の巣と言ってもいい。
あるのは、燭台と、毛布が一枚だけ。他には何もない。
まるで牢獄のような空間。それでも、この場所は天国よりも心地良い。

「………」

肘膝を付き、彼は四つん這いの体勢。
僅かに震えているけれど、泣きも喚きもしない。
それでいい。それがいい。耐える姿こそ愛おしい。

―ピシッ！

鞭を振るい、小さな身体へ打ち付ける。
銃声のように響く音。紅く刻まれる一筋の痣。

彼は鳴かない。動きもしない。
でも、私が一歩、彼の方へ歩み寄ると、ゆっくりとその顔を上げた。

潤んだ瞳。こぼれ落ちそうなまでに涙を蓄えて。
被虐的な彼の表情に、ぞくりと、背筋を快感が駆け上がる。
なんて好い顔をするんだろう。痛みに屈してしまいそうな、その顔。
どんどん崩れて、最後、泣いてしまった時に…私はどうなってしまうだろう。

そんな妄想を愉しみながら、彼の前で、そっと膝を付く。
ラバーを纏う指先で触れるのは…生まれたばかりの傷口。
瞬間、びくりと震える彼。よほど敏感になっている様子。
傷口は、血は出ていないものの、熱帯び、赤く腫れ上がっている。

「ごしゅじん……さま…」

か細い声。乞いか、期待か、懇願か。
ほくそ笑み、恭しく…傷口に舌を這わせる。

「あっ…ぅ…♥」

舌先に感じる、彼の身体の味。若い雄の味。
玉のような汗が流れ、私の舌にこぼれ落ちる。

傷口を癒す快感に、彼は悦びの声を上げる。
傷付けることで快感を得る私。癒されることで快感を得る彼。
どちらの方が変態だろう。きっと、恐らく、どちらも…。

「はっ…♥ ぁ…っ♥」

彼は依然、動かない。それが彼なりの愛し方。
まだ私の１０分の１も生きていない少年。当然、経験は少ない。
どうすれば女性が悦ぶのかというのを、よく分かっていない。

でも、ひとつだけ、彼は理解している。
私に従うこと。逆らわないこと。それが私の悦びだと。
だから、いくら傷付けられようとも、逃げたりはしない。
私を悦ばせようと、必死に痛みに耐えている。幼く、柔らかい身体で。

これに応えずして、何が愛だろう。
私は彼に対し、鞭を振るうことを躊躇わない。めいっぱい打つ。
その代わり…丹念に、その傷を癒す。それが彼への返礼。愛の証。

そうして倒錯していく恋は、彼に幾重もの傷を刻んでいく…。

「…あっ…」

唾液の糸を残して、舌を離し…立ち上がる。
心残りがありそうな声を上げるも、また床を見つめる彼。

不意に、無防備なうなじが私を誘う。
ヴァンパイアも涎を垂らしそうな首筋。でも、私のものだ。
この場所も、好きにしていいのは私だけ。彼は私だけの玩具。

手を伸ばし…少し硬い首の肉を、きゅうっと抓り捻る。

「っ…！」

親指と人差し指を、肉越しに擦り合わせるように。
触れた部分を白く、挟まれた部分を赤く染め、肉がＳ字に曲がっていく。

痛み自体は、それほど感じない筈。痛覚が鈍い部分だから。
ただ、鈍い痛覚というのは、沁み渡って全身へと広がっていく。
それは痛みの際に伴う、熱も同じ。火照る身体に、更に熱がくべられて…。

「ゃ…っ」

…彼の卑しい部分が、それを顕著に表している。
傍から見れば、虐待とも取れる行為。少年を虐める悪女。
でも、彼の勃起したペニスが、そうじゃないと語っている。
僕は悦んでいるのだ、と。虐められて、感じてしまっているのだ、と。

「………」

床に溜まる水滴は、涙じゃない。涙はそんなところに落ちはしない。
彼の愛液。ぽたり…ぽたりと、雨上がりの屋根際のように。

何より興奮するのは、彼がそれに羞恥を感じていること。
私に全てを捧げている彼でも、未だに恥ずかしさだけは残している。
性欲が滲み出る己が身を、無視することができない。気にしてしまう。

それこそがエロティックなんだと、私は思う。
欲に塗れる自分に、恥を感じること。それが人間のエロシズム。

「ひゃぅ…っ♥」

膨らんだ亀頭を掌で包み、揉み潰す。
待ち望んでいた刺激に、彼が発したのは女の子の様な鳴き声。

手に込める力は、彼が快感だけでなく、僅かな痛みを感じるほどに。
ここで快感だけを与えてしまっては、私が面白くない。
痛みを加えるからこそ、彼の表情は歪み、苦しそうになる。
それでこそ面白い。宝物というのは、ボロボロになるほど愛着が湧く。

「はっ…ぅ…♥ ごしゅじん、さまっ…♥」

彼もそれが分かっているからこそ、文句のひとつも発さない。
私が彼に与えているのは、間違いなく愛なのだから。
どんなに辛くとも、どんなに苦しくとも、彼はそれを受け止めてくれる。
だからこそ私は、彼を愛している。私の愛を理解してくれる、彼を。

「んんっ…♥ あっ…♥」

とろとろと溢れ、にちゃにちゃと水音を響かせる、彼の情欲。

耳に口を寄せ…囁き、問い掛ける。

「っ…♥ で……でそう、です…っ♥ あぁっ…♥」

切なく。でも、その願いを叶わない。

上着の胸元を留める紐を、一本、解き取り、滾るペニスに掛ける。
それが何を意味するのか…察した彼の表情を横目に。
くるくると二重に巻き、きつく縛り上げ…蝶々結びを作る。

「そん、な…っ…♥」

血管を浮き立て、苦しそうに悶える彼のモノ。
私は満足する心を胸に、再び刺激を送り込む。

「ひぅっ♥」

先程よりも、敏感な反応。
縛られたことで興奮したのか、イケなくなったことへの恐怖か。
どちらにせよ、彼はより可愛くなった。表情も、反応も、姿も。

興が乗り、空いた手で睾丸を弄り回す。
手の上で転がる、ふたつの玉。皮の中で、ころころと。
愉しむ私に反して、辛そうに悶える彼。とても気持ち良さそう。

「でるっ…♥ でちゃいますっ♥ ごしゅじんさまぁっ♥」

どうやって？ 貴方のそこは縛られているのに。
出せるというのなら、出して御覧なさいな。

ほら、ほら、ほら、ほら、ほらぁっ♥

「あっ……ぁっ、あぁぁ〜〜〜〜っっっ♥♥♥♥♥」

…びくっ、びくっ…と跳ね上がる、膨れ上がったペニス。
お尻を上げ、嬌声を響かせ達する彼。がくがくと震えている。

でも…当然、精液は出てこない。出そうと、必死にもがいているだけ。
ペチペチと自らのお腹を叩くほど、激しく射精の運動を繰り返しているけれど。
いくら膨らみ、刺激を受ける面積を増やそうとも…その分、苦しくなるだけ。

「う……ぅぅ…っ…♥」

耐え切れず、彼が額を床に押し付ける。
好いわ。すごく好い。その屈服した姿…ゾクゾクしちゃう♥

もっとよ。もっと見せて。
私に、性欲に、服従してしまう貴方の姿。
無心に私の愛を求める、貴方の姿。余すところなく…。

「ぅ…♥ …きゃんっ！？」

犬みたいな鳴き声。彼が驚き、振り返る。

視線の先には…お尻に挿し込まれた、私の中指。
ゆっくりと沈んでいき…彼の尻肉は、それを美味しそうに咥え込んでいく。

「ぁ…っ、ぁ…♥」

涙をこぼし、何かを訴えかけるように、こちらを見つめてくる彼。
それに対して、加虐的な笑みを返す私。心から、愛を込めて。

彼の尻穴を犯すのは、これが初めてじゃない。７回目。
あの目は、やめてほしいという目ではなく、恐怖と期待が混じったもの。
まだこの場所の快楽を覚え始めたばかりの彼には、不安が残っているらしい。

「ごしゅじんさまっ…、くるし……です…っ♥」

なら、その不安を拭うのが主人の務め。

「はっ…♥」

例えば…それを覆い隠してしまうほどの、恥辱をもって。

「…？ ごしゅじんさま…？」

ねえ、ソラ。
ソラはお尻に指を挿れられて、感じてしまうの？

「っ！？」

変態ね…。ここはウンチをするための穴なのに。
気持ち良くなるための場所なんかじゃないわ。ただの排泄の穴。

「やっ…♥ ご、ごしゅじんさま…♥」

まるで女のコみたいに、穴の中をヌルヌルにしちゃって…。
オチンチンも、そんなに大きくして…。本当に、変態。

「ちがっ…、ちがうんですっ、ぼく、ぼく…っ♥」

違くないわ。凄い締めつけてくるもの。抜かないで、って。
美味しそうに、モグモグしているもの。気持ち良いんでしょう？

そうよね、ソラはどうしようもない変態だもの。
オチンチンの紐、自分で解けるのに、そうしようとしない。
縛られていて、射精できないのが、気持ち良いから。違う？

「ち…、ちが……っ♥」

鞭で叩かれて、オシッコを漏らしちゃったこともあったわね？
そうそう、オシッコと言えば、貴方が裸のまま外に出た時…。
首輪を付けて、犬みたいになって、裏路地を歩いた時よ。
片足を上げて…誰かの家の柵に、オシッコをかけたでしょう。
しかも、知らない人に見られながら、いっぱい…。くすくす♥
覚えているでしょう？ あの時見ていた、リザードマンの顔…♥

「あ、あれはごしゅじんさまが、むりやり…♥」

なら、その後すぐ、私にセックスをせがんだのは何故？
私がソラに、セックスしたいか訊いたから？ いいえ、違うわ。
ソラが、セックスしたそうな顔をしていたから。だから尋ねたの。
案の定、好きにしていいって言ったら、本当に犬みたいに犯してきたじゃない。
見知らぬリザードマンが見ている前で。必死に私へ腰を打ち付けて。

「や…ぁぁっ…♥」

ソラは変態よ。変態。変態…。
お尻の穴で感じてしまう男のコ。素直になりなさい。

「ぁ……♥」

そうすれば…もっと気持ち良くしてあげる…♥

「っ…♥」

…言って御覧なさい。
『僕は変態です。お尻の穴で感じちゃう変態です』って…。

「……ゃ…♥」

…ほら。

「ひゃうぅっ♥」

『僕は変態です。お尻の穴で感じちゃう変態です』…。

「…っ……♥」

……………。

「………ぼ…、ぼく、は…っ♥」

うん…♥

「ヘン…タ……、やっ…、や…ぁ…っ♥」

ソラ…、『変態です』…。

「っ…ヘンタ…イ、ですっ…♥」

『お尻の穴で感じちゃう変態です』…。

「おしりのあな…で……かんじちゃう…、……ヘンタイ……です…っ♥」

…うふふふふ♥

「っ……ご、ごしゅじんさま…ぁ…っ♥」

そうね…。しっかり言えたコには、ご褒美をあげましょう…♥

「あっ…♥ ひゃんっ♥ ふぁっ♥ きゃぅぅっ♥」

すっかりほぐれた彼のナカを、乱暴に掻き回す。
胸まで地に伏せ、お尻を突き上げて乱れる少年。

熱を宿しているのは、彼ばかりじゃない。私もだ。
先程の、彼の恥辱に塗れた姿を見れば、そうなるのも当たり前。
下着の中はグシュグシュに熟れて、ひどくむず痒さを感じる。

「ごしゅじんさまっ♥ ごしゅじんさまぁっ♥」

でも、まだ。まだそちらの渇きを癒すのは早い。まずは心を満たしてから。

「はひんっ…♥」

指を引き抜き…彼のお尻を軽く叩いて、休憩のサイン。
ぐったりと崩れ落ちる彼を、目で味わいながら…服を脱いでいく。

今日はひとつ、ステップを進める。彼の、尻穴に対する快楽の。
そのために、これを持ってきたのだから。使わないなんてありえない。

「……ぇ…？」

私がそれを穿き終えたところで、彼が気付く。
その瞳は、驚きで見開いて…。とても望ましい反応。

「ご、ごしゅじんさま…？ それ…」

彼の視線を釘付けにしているのは…私の股間にある、張り型。
いわゆるペニスバンド。何故これを穿いているかは、言うまでもない。

これから行われるであろう艶事に…つい緩んでしまう口元。

「っ…♥」

幼い顔が、言い様のない恐怖と…微かな欲望に、染まる。
私は胸を高鳴らせながら、彼のお尻へ、休憩の終わりを告げるスラップ。

「ひんっ♥」

軽く鳴き…おずおずとお尻を突き出す彼。
彼の好いトコロ。どんなに恐くとも、私に従ってくれる。
そんな彼へ私ができることは、目も眩むほどの快感を与えてあげること。

…張り型の先端を、ヒクついた尻穴にあてがう。
形は細身ながら、彼の小さな穴よりは幾分か大きい。長さもある。
とはいえ、これが一番小さいサイズなのだから仕方がない。
もし彼が本気で痛がったら、その時は諦めて、次の機会に回せばいい。
もちろん、そうならないよう、念入りな下準備はしたつもり。

「…ぁ……♥」

床に手を合わせる彼の甲へ、私の手を重ね…指を絡める。

…ぐい、と、腰を前に押し出した。

「ひぐっ…♥」

……思ったよりは、抵抗なく…彼のナカへ呑み込まれていく張り型。
ヌプヌプとした弾力が、偽物のペニス越しに響いてくる。

「ぅ…っ…、ぁ…♥ はっ…♥」

……もう、少し……。

「っっ…♥ っぁ……♥ ぁ…♥」

…入った。全部…、根元まで…。

半分まで入れば…と思っていたけれど、全部入ってしまった。
まだ７回とはいえ、丹念に開発していたのが実を結んだらしい。

ほら、彼も、とても気持ち良さそう…。

「っ…ぁ……ごしゅ、じっ……あっ、あぁっ♥」

…？

「ぁっ……ああぁぁぁぁ〜〜〜〜〜〜っっっ♥♥♥♥♥♥♥」

と…急に大きな声を上げ、身体を震わせる彼。
突然のことに、私も驚く。そのあまりの絶頂ぶりに。

ただ…少し様子がおかしい。
射精の絶頂とは違う。ペニスが痙攣していない。
イッている時間も妙に長い。まるで女性のそれ。

…もしかして…ドライオーガズム？

「ぁぁっ…♥♥♥ ひぅ…ぅっ…♥♥♥」

…すごい。すごい、すごいっ！
この子には、やっぱり素質がある。お尻で感じる素質が。
そうじゃなければ、こんな短期間でドライになんて達せない。

うふ…♥ うふふっ♥
本当に、どこまでも愛しいコ…。虐めがいのあるコ…。
もっと。もっと虐めてあげる。もっと…愛してあげる…♥

「きゃうぅんっ！？♥」

彼の背に覆い被さり、激しく腰を打つ。
急なストロークにナカを掻き回され、吠える雄雛。

ぱんっ、ぱんっ…と、肉のぶつかり合う音が響いて。
錯乱する愛の形に、お互い、止め処なく汁を滴らせる。
彼の小さく、柔らかいお尻は、どんな魔物のそれよりも魅力的で。
肉を張り型に絡めては、絶え間ないドライで自身を溺れさせていく。

「やぁっ♥ やぁんっ♥ きゃんっ♥ きゃぅんっ♥」

腰が止まらない。まるで私自身が、盛る雄になったかのよう。
目の前の青い果実を、容赦無く貪り尽くす。何度も、何度も…。

「だめっ♥ だめっ♥ だめぇぇっ♥♥♥」

首筋を噛み、胸を抓り上げる。
締まりを増すナカ。更に力を込めて、突き入れる。

熱と汗で身体が染まり、浮かび上がってくる傷口。鮮明に。
初めて付けた傷。童貞卒業記念に付けた傷。さっき付けた傷。
私と彼の思い出。ひとつひとつが宝物。大切な傷跡。
思い返すように、慈しむように…撫で、愛でていく…。

「ごしゅじんさまぁっ♥ くるしっ…♥ くるしいよぉっ♥」

彼の言葉に、見ると…今までにないほど膨らんだ、彼のペニス。
蝶々結びの締め玉が、これ以上にないくらい小さくなってしまっている。

…そっと、ペニスに手を添え……しかし、まだ解かない。
ぎゅっと握ると、まるで神経を直接鷲掴みにされたような反応を返す彼。
慰めるように擦るも、彼は鳴き叫んで止まない。昂りが止まらない。

「やぁぅぅっ♥ ひっ♥ ひぅっ♥ ぅ…っ……ぅぅ〜〜〜っっ♥♥♥♥♥」

何度目かのドライ。手も、腰も休めない。
癒す。癒し続ける。癒しを求める彼を、癒し浸す。
尻穴が壊れるほどに。ペニスが破裂するほどに。癒して、癒して……。

…もう、限界だった。

「きゃんっ！？」

張り型を引き抜き、彼を仰向けに転がす。
驚く彼に構わず、ペニスバンドを脱ぎ捨てて……挿入した。

「きゃううぅぅぅぅぅっ♥♥♥」

待ち侘びた快感に、鳴く。彼も、私も。
ぐちゃぐちゃに濡れたアソコは、すんなりとペニスを受け入れ…
奥まで達したところで、がっちりと咥え込んだ。もう逃さぬと。

「あっ♥ はっ♥ やっ♥ あぁっ♥」

彼の平たい胸を鷲掴み、乱暴に腰を振るう。
飛び散る愛液。情緒など無い。ただ快感を求め狂う。

ペニスが襞を抉る度に、悦楽が津波のように押し寄せる。
押し流されていく思考。そんなもの、もう要りはしない。
ただ、ただ、彼のペニスに犯される今があれば。この瞬間があれば。

「ごしゅじん…さまっ♥ だしたいっ♥ ださせてっ♥ ださせてぇっ♥」

彼の言葉に、必死で首を横に振り、手を後ろに伸ばす。
辿り着く先は…彼の尻穴。指を押し入れ、再びナカを犯す。

「ひぐっ…ぅ♥♥♥」

腸の壁越しに感じる、ぽっこりと膨らんだ前立腺。
虐め抜く。押して、掻いて、撫でて、叩いて。

戻り来るドライの波に、表情を蕩けさせる彼。

「ひあぁぁっ♥♥♥ やっ♥ ごしゅじんさまぁっ♥」

昇っていく快感。高く、高く、高く……。

「あぁっ…♥」

…イっちゃ…う……っ！

「ひぅっ！？♥♥♥ ゃ…っ、キツ、い……っ♥」

…っっ……っ……♥

……脳を突き抜けて、全身を快楽が支配する…。
震える身体。指先が落ち着かない。漏れる息が止まらない…。

「ごしゅじ…っ……さ、ま…♥」

…余韻を感じながら………紐を、摘み…。

「ぁ…♥」

……………。

…しゅるりと、その戒めを解いた。

「あっ…、あっ、ああぁぁぁ〜〜〜〜〜〜っっっ♥♥♥♥♥♥♥」

瞬間、どぷんっ…と私の子宮を突く、熱いモノ。
その衝撃で、再度達する私の身体。跳ねて。身体も、心も。

「ぁ…っ…、ぁ〜っ……、ぁっ…♥」

うわ言の様に呻き、射精を続ける彼。
下唇を噛み締め、彼の精液を受け止める私。

どくり、どくりと注ぎ込まれ、少しずつ満たされていく…。
彼が私に刻む、唯一の傷跡。乱暴で、容赦無く、いくつも…。

「…っ……♥」

……腰を捻り……最後の一滴まで、搾り尽くす。

疲れ果てたのか、目を閉じ、眠りに落ちようとする彼。
それを微笑み見ながら…ゆっくりと腰を引き抜き、行為を終える。

「ふぁ…っ♥」

…違った。まだ終わっていない。

もう眠ってしまったかもしれない彼の顔に、そっと近付く私。

「……んっ…♥」

そして、おしまいのキス。

おやすみなさい、ソラ。

……………

………

…

「ごしゅじんさま…」

ふと、声に振り返ると、彼の姿。
目が覚めたらしく、扉の隙間から、申し訳なさそうに覗いている。

私は書きかけの日記を置いて、席を立ち…扉に近付いた。
私の部屋には、何故か入ろうとしない彼。可愛いから良いのだけれど。
もしかして、遠慮しているのだろうか。だとしても、やっぱり可愛い。

「あの…」

何かを言い掛け…彼は口噤み、下を向いてしまう。

膝を落として、目線を合わせ、どうしたのかと問い掛ける。

「………」

…？

「…おしり…」

お尻…？

「……きもち…よかった、です…♥」

……………。

「…え、えっと……」

…よし。

「わっ！？」

彼をお姫様抱っこし、部屋の中へ戻る。
驚くものの…身体を丸め、抵抗しない彼。
本当に、何から何まで、私好みな男のコ。

「ご…、ごしゅじんさま…」

いくつもの傷を受け、ひとつの癒しを求める彼。
いくつもの癒しを受け、ひとつの傷を求める私。

それが…私達の愛の形。
誰のでもない、私達のセックスの形。

「…その…」

さあ、また傷跡を刻みましょう。

「…だいすき、です♥」

お互いに♥