水舞星歌
ぼくらは水と共に生きる。
渇いた欲を癒すために。
大地を蹴って 踊れババンガ 風と舞って 踊れボボンガ
月照る砂漠に唄が響く。
満天の星を照明に、オアシスの上で僕は舞う。
水の胎動と自分の鼓動、ふたつのリズムを合わせながら。
炎と叫べ 唄えババンガ 水よ波立て 唄えボボンガ
傍らで唄う、僕の姉さん。
炎のように情熱的で、風のように響き渡り。
言霊を乗せて奏でる唄は、蠍達も聴き惚れる。
恵みを賜え 祀り崇めよ 声なき声に 耳を澄ませよ
袖を振るって、鈴を鳴らし。
水は舞い飛び、飛沫となって。
感じる。彼女がそこにいる。
姉さんの唄に呼び寄せられて。
僕の踊りに誘い釣られて。
我らと共に唄い踊ろう 星に契りて一つとなろう
僕の踊り立つ足元で、渦巻き始める小さな泉。
渦は次第に天へと昇り、柱となって僕を囲む。
大地を蹴って 踊れババンガ 風と舞って 踊れボボンガ
声が聞こえる。彼女の声。
僕だけに聞こえる彼女の声が。
壁は力を失くして崩れ、全てが僕へ降り注ぐ。
炎と叫べ 唄えババンガ 水よ波立て 唄えボボンガ
今、契約が交わされる。
……………
………
…
「まあ。可愛らしい御方」
…目を開くと、そこには…裸の女性。
青く透き通った身体。手には水瓶。耳は魚のヒレのよう。
彼女こそ、水の精霊…ウンディーネ。
「懐かしい唄と踊り…。全ての人間が、私達の存在を感じていた頃のものです」
白い空間の中を、ゆっくりと…泳ぐようにして近付いてくる彼女。
ここは、精霊と人間が契約を交わす、特殊な場所。
僕も入ったのは初めてで、知識だけは姉さんの受け売り。
どこまでも白い景色が広がっていて、右も左も、上も下も分からない空間。
そこには、心地良い風が吹いていたり…数多もの火の粉が舞っていたり…
精霊によって、様々な特徴があるらしい。僕の場合は…水の中、だろうか。
この場所で、いくつかの条件の下、精霊に認められることで契約が交わされる。
それは自らが抱く理想であったり、彼女らが望む捧げ物であったり、あるいは…。
「…ソラ」
小さな呟き。
名乗ってもいないのに、ウンディーネが僕の名前を言い当てる。
「分かります…。貴方が、私に全てを許してくれているのを…」
「記憶…心…その全て…。水のように、全てを透かして…」
そう言いながら…僕の手を取り、くすりと笑う。
「…男の子だったのですね。巫女の衣装は、恥ずかしくありませんか？」
巫女の衣装。
いつか見たジパングの巫女衣装とは、清楚さがまるで真逆。
白い布地が隠すのは、胸と股間だけ。残りは、振り袖と、鈴の袖飾りのみ。
踊子のそれと同じ…舞に特化した衣装。それがぼくらの巫女姿。
「語らずとも分かります。何故、貴方がその様な衣装を纏っているのか…」
開き掛けた口を、指先が抑え…そっとなぞり。
彼女の瞳が、僕の瞳を見据えながら、言葉が紡がれていく。
「何故、私との契約を必要としているのか…」
水瓶を浮かせ…細い腕が、僕の首に絡まる。
穏やかで、麗しさを感じる表情が、目の前で微笑みを浮かべる。
小さく高鳴る、胸の鼓動。
「ソラ…。貴方は、私が欲しい物が何か…御存知なのですね」
彼女の問いに、頷き応える。
僕が巫女の衣装を授けられた日から、唄も、踊りも…
そして彼女が望むものの練習も、姉さんと一緒に励んできた。
既に火と風の精霊を、その身に宿した姉さん。母さんと同じ様に。
そして、僕も母さんと同じ様に…水と土の精霊を宿さなくてはならない。
ぼくらの望む場所へ、辿り着くために。
「ならば、ソラ、教えてください…」
額が触れ合い、吐息が届く。水の中の筈なのに。
彼女の肌はぬるま湯のように、温かく、優しく、浸かりくる。
「恋愛とは…どういうものなのですか？」
…震える手を抑え…そっと、肩に触れて…抱き寄せる。
目を閉じて、胸に顔を擦り寄せ…僕を受け入れてくれるウンディーネ。
ドキドキする…。
姉さんと初めてした時と、同じくらい緊張している。
柔らかさも、匂いも、可愛さも、綺麗さも…似ているようで、違うようで。
女の人は、誰もがこんな風なのかな…と、ふと考える。
「………」
うっすらと目を開き…自分の胸に手を当て、何かを確かめるような動作。
きっと、彼女も僕と同じ。ドキドキして…胸が、苦しいんだろう。
…不意に、顔が上がり…視線が混じり合う。
「好き合う者同士は、互いの好むところを語り合う…。そうですね？ ソラ」
僕の思い出を覗き見たのか、そう問いかけてくる彼女。
…どこまで覗かれてしまっているのだろう…。
いや、きっと、何もかも。彼女はもう、僕を通して、恋愛が何かを見たのだろう。
だから、あとは体験して、実感したい…。そういうことかもしれない。
「…ソラから、お願いします…」
そう言って、また瞳を伏せて…顔を埋める。
髪に隠れた表情は…心なしか、紅く染まっているように見える。
…彼女の好きなところ。
まだ、出会ってから、僅かな会話しか交わしていない、彼女の…。
彼女がどういう人柄なのか、まだ、なんとなくでしか分からない、
でも、だからといって嘘やお世辞を並べても、見透かされてしまう。
正直に言うしかない。なんとなくでも、感じたまま、思うがまま。
彼女の内面、外面…。
それに対し僕が抱く…友誼、親愛、好意。
何一つ…包み隠さず…。
「…♥」
頷きながら…時に、ぴくんと身体を震わせながら。
彼女は、僕の一つ一つの言葉に反応を示しながら、聴き入っている。
優しい人。
丁寧で、穏やか。
身体が細くて、綺麗。
微笑んだ顔が可愛い。
柔らかくて、温かい。
髪が水みたいに溶けていて、不思議。
こうしていると、ドキドキする。
初めて精霊に会えて、嬉しい。
語り並ぶ、いくつもの正直な気持ち。
その最後の想いを聞いた後に…彼女は、ぼそりと…小さく呟いた。
「…ソラ」
僕を呼ぶ彼女。
「それだけ…ですか？」
え？と…思わず問い返す。
意外な返答。喜んでくれると思ったから。
「………」
胸に耳を当て…彼女は、その一つを言葉に出す。
「…ほぼ裸で、なんだかエッチな姿…」
瞬間、心臓が、破裂しそうな音を響かせる。
彼女が口に出している言葉。それは、僕が彼女に抱く…下心。
止める間もなく、次々と漏れだす、僕の欲情。
「毛が生えていない、つるつるのアソコ…」
「お腹に押し当たる胸が、きもちいい…」
「エッチのとき、ペニスを舐めてくれたら嬉しいな…」
僕自身も、いつ思ったのか分からないような言葉が続く。
でも、どれも否定できない…確かな僕の気持ち。
気まずさと、恥ずかしさで、何も言えない僕。
そんな僕を…今度は逆に、胸へと埋めながら…言葉を掛けるウンディーネ。
「…今度は、私の番ですね…」
柔らかなものに包まれながら…彼女の告白が、耳に届く。
「素直…、大人しい子。女の子のように、可愛らしい…」
感じる。言葉の奥…胸の奥に、彼女の、本当の気持ちを。
その言葉、次に続く言葉、その次…。どれもが、嘘でないことが伝わってくる。
「私が貴方の初めての契約者で、嬉しい…。抱かれて、ドキドキする…」
少しずつ、艶を帯びてくる声。
彼女の高まる気持ち…今思う、強い気持ちが何なのかを、伝えるように。
胸が、苦しい。息が詰まりそう。
「…私を見て、興奮している…。こんなに勃起させて…♥」
と…不意に、僕のあそこを…何かが撫でる。
驚いて、胸から顔を離し、その場所を見やる。
指。彼女の透き通った指が…布越しに、僕のそれを撫でている。
「舐めてあげたい…♥ 何度でも…貴方が満足するまで…♥」
甘く、痺れる快感。伝わってくる想いが、その刺激をより高めている。
…ここで彼女に、身体を預けてしまってはいけない…。
姉さんが言っていた。僕達は、今までも、これからも、
彼女達から多くの物を貰って生きていくんだ、って。
だから、契約の際に、その恩を少しでも返すことが、僕達の務めだ、って。
「あっ…♥」
酔い堕ちそうになる自分を戒めながら、彼女の手を取り、指を絡める。
思い出す。
どうすれば、女性は喜んでくれるのか。
どこに触れれば、気持ち良いと感じてくれるのか。
どんな言葉を囁けば、僕をもっと愛してくれるのかを。
ウンディーネに、僕の知るもう一人の女性を重ねながら…その唇に、キスをする。
「ん…♥ …ちゅ……♥ ちゅっ…♥」
触れ合うそれは、ゼリーのような潤いを纏って。
交わる度に、互いの吐息と唾液を交換し、煽情を宿す。
「ちゅっ…♥ ぁ…っ？♥ んくっ……ぺろ、ぺろ…♥」
彼女の小さな唇に、僕の舌を滑り込ませる。
その中で待っていたのは、不安げに引っ込む、臆病な舌。
僕は、舌先を突き合わせながら、ゆっくりとその不安を解いていく…。
ちょん、ちょんと触れて、くるくると撫でる様に舐めて…
彼女の舌が、僕の舌に興味を持って、その身体を伸ばしてくれるまで。
「ぺろっ……れろ…♥ ちゅ…ぢゅるっ…♥ れろ…ちゅぅ……っ♥」
そうしたら、今度は、抱き合うような…ねっとりと互いを絡めたキス。
味わうように、丹念に…唾液を絡めて、音を立てて…。
時折、離れては…歯茎や、上顎、舌の裏側にも、舌を這わせる。
口の中…隅々まで、唾液で浸していく。僕の味に変えていく。
彼女がたまらず僕の舌を突いたら、引っ込めて…同じ様にしてもらう。
おずおずと…僕の口内を犯していく、淫らな舌。痺れ上がる脳。
高鳴っていく僕の鼓動。速まっていく彼女の鼓動。
ふつふつと湧き上がってくる熱は、まるで煮えたぎる熱湯のように。
「はっ…♥ キスって…こんなに、エッチなものだったのですね…♥ んんっ…♥」
目尻に涙を溜めて、更に唇を貪る彼女。
しおらしくも情熱的な彼女の行為に、乱れていく平常心。
狂っては駄目だと思いながらも、欲望をぶつけたいと心がざわめく。
「ふぁっ♥ ソラ…♥ そこ…っ♥」
絡めた指を解いて…起伏した胸に、そっと手を添える。
指先から、より強く伝わってくる…激しく胸打つ、彼女の想い。
…中指を滑らせ…余った指で、左右から胸を揉みしだく。
ふにふにと形を変え、その度に彼女の口から洩れる、切ない吐息。
「やぁっ…♥ きもちっ…♥ きもち…いいです…っ♥」
水風船のような双丘。その先端を、中指でこねる。
姉さんと違って、乳首が胸の中に隠れている彼女。
どうすれば出てくるのだろうと悩みながら…その入り口をくすぐる。
「きゃっ♥ あぅっ♥ だ、だめっ♥ そこはっ…敏感、でっ…♥」
刺激には反応しているものの…なかなか出てこない。
もしかしたら、引っ張り出してあげないとダメなのかもしれない。
指の動きを止めて、その周囲を摘み…指に刺さった棘を抜く要領で、
患部を隆起させ…ほじくりだそうと、僅かな隙間に舌を這わせる。
途端、大人しかった彼女が豹変する。
「やああぁぁっ♥♥♥ だめっ♥ 乳首だめぇぇっ♥♥♥」
身体がピンと張り、驚くほどの嬌声が上がる。
ぶるぶると震えて…まるで達したみたいに痙攣するウンディーネ。
アソコには、身体よりも少し濃い色の液体がじわじわと集まってきて、
体外に出ると、透明の液体…愛液となって、白い空間の中に消えていく…。
「あっ…♥ ひぁっ…♥ ぁ…♥」
放心する彼女…。そして、ぷっくりと顔を出した、乳首。
…様子を見ながら…表に出てきたそれを、舌で舐め上げる。
「ひぅっ！？♥♥♥」
また…先程よりは抑え目ながらも、顕著な反応。
余程感じてしまうらしい。でも、僕にとっては、好都合。
剥き出しの性感をぱくりと咥え、ころころと舌先で転がしながら吸い上げる。
「そ、ソラッ…♥ だめですっ♥ だめ…きゃうぅんっ♥♥♥」
僕より幾分も大人びて見える彼女が、エッチな声と姿を晒して。
僕の愛撫に涙を流して、涎を垂らして、鳴いて喚いて。
攻めているのは僕の筈なのに。心奪われていくのも僕の方で。
見惚れ、赤ん坊のように、夢中におっぱいにしゃぶりつく僕…。
「まってっ…♥ ソラ、まってください…っ♥」
と…きゅぅ、と雁首を撫で上げる、稲妻のような刺激。
思わず呻いて、口を離すと…僕を見つめる、艶帯びた表情。
「はぁっ…♥ はっ…♥ ん…っ♥ はっ…♥」
肩で息をしながら、真っ赤に頬を染めた彼女。
全身に浮いた水滴は…汗だろうか。火照った身体を、つぅっと流れて…。
…息を整えながら…彼女は、僕に問い掛ける。
「ソラ…♥ はっ…♥ …ペニス…、舐めて、ほしいんですよね…？♥」
その言葉に、びくりと反応する…身体、脳、胸、…あそこ。
「今度は…私の番、です…♥」
ゆらりと、身体を動かして…あそこの高さまで、身体を降ろす彼女。
見つめられるそれは、期待で、もう…服を破りかねない勢いで、大きな天幕を張っている。
先端は、先走りの液で湿ったのか、うっすらと透け…ピンク色に……。
「苦しそう…♥ 今、慰めてあげますね…♥」
子猫を撫でるかのように、それを愛おしく扱って…。
…そして、彼女の唇が……ぴとりと、亀頭に吸い付いた。
「ちゅ…ん…♥ んむっ…♥ …ちゅるっ…♥ ちゅぅ…♥」
下唇をくにくにと動かして、滲み出る愛液を吸うようなフェラチオ。
尿道を通る愛液も吸い出され、それが中を撫でる刺激となって響く。
布越しに伝わる、柔らかで淫靡な刺激に、耐え切れず腰を引く僕。
でも、彼女はそれを逃がすまいと、背筋を伸ばして吸い付いてくる。
その姿は、穏やかで、優しく、妖美的。エッチに溺れた、猥らな魔物。
「ちゅぅぅ…っ♥ ぢゅっ…♥ ぢゅるっ♥ こくん…♥ ちゅ…♥」
美味しそうに愛液を飲み干していく彼女を前に、限界と戦う僕。
儀式を前にして１週間おあずけだったこと、フェラチオしてもらえたこと、
ウンディーネがあまりにもエッチなこと、この後の行為を待望していること…。
あらゆる要因が重なって…三擦り半さえ耐え切れない、今の僕のペニス。
容赦無い彼女の攻めに…我慢する心もぽっきりと折れて、
泣き付くように、出てしまうことを彼女に訴える。
「んくっ…♥ ちゅぅ…♥ …ちゅぅぅぅぅ〜〜〜っっっ♥♥♥」
それに応えるように…一段と長く、強い吸い上げ。
頭の中が真っ白になり………不意に、どくん、と。
「んぅぅっ！？♥♥♥」
衣装越しに…彼女の口の中へ、どろどろと濁った精液を流し込んだ。
「んむ…♥ はむっ…♥ …ぢゅるるっ…♥ ごくっ…♥ こくん…♥」
少し深く咥え直して、滲み溢れる精液を飲み込んでいくウンディーネ。
透き通った彼女の身体の中を、白く、どろどろとしたものが流れていくのが見える。
「おいひ…♥ ちゅぅ…♥ こくん…♥ ちゅっ…♥ ぢゅる…♥」
尿道に残った精液まで吸いこんで…なお吸い付きは止まらない。
衣服に浸み込んだ精液を、勿体無いと思っているのか…
それとも愛液まで飲み尽くすつもりなのか…彼女は口を離さない。
舌先で鈴口をチロチロとくすぐりながら、出てくるものを待ち侘びて。
「…ふふっ…♥」
不意に…手が伸びてきて…胸を隠す衣服の中へと滑り込み…。
お返しとばかりに…きゅっ、と僕の乳首を摘む、彼女の指。
誰にも弄られたことがない場所に感じる、初めての刺激。
むず痒さとも、きもちよさとも分からない刺激に、高い声が咽を通る。
「これが付いていないと、本当に女の子ですね…♥ ちゅ…♥」
未だ鎮まらないその場所へ、口付けをしながら…ウンディーネが微笑む。
僕らの頭上で行き場なく回る水瓶が、どろりと濃い色の水を吐き出す。
「ソラ…♥」
再び、互いの顔が近付き…視線が交差する。
僕らを覆うように、溢れた水が取り巻いていく。
「素直で、大人しい子…♥」
繰り返される…彼女の想い。
でも、違う。何かが違う。
先程聞いた時とは違う…疼くような何かを、感じる。
「女の子のように、可愛らしい…♥」
乳首をこねくり回しながら、囁く彼女。
今までに感じたことのない…切なさにも似た、
胸の奥を締めつける様な何かが、僕の中で渦巻く。
分からない。よくは分からないけれど。
もっと…もっと弄ってほしいという気持ちが、湧いてくる…。
「私が貴方の初めての契約者で、嬉しい…♥」
空いた手が、僕のペニスを掴み…ゆっくりと…その場所へ導いていく…。
「抱かれて、ドキドキする…♥」
先端が…濡れそぼった彼女の秘部に、触れる…。
「…ソラ…♥」
向き合い…微笑む彼女。
「ひとつになりましょう…♥」
万感の想いを受けて。
つぷり、と…僕のものが、彼女のナカへと呑み込まれた…。
「ふぁっ…ぁ…♥」
小さく呻きながら、繋がりを深めていく…僕と彼女。
ぬるぬると…愛液と襞を絡めながら、彼女の奥底まで…。
「っ…♥♥♥」
そして…何かに、トン、と触れて…動きが止まった。
蕩けきった表情を浮かべながら、語り掛けてくるウンディーネ。
「ソラにも…今のを、教えてあげます…♥」
今の…？
そう問い返す前に…つぷん、と。
僕の背筋を貫く衝撃と…お尻に感じる、異物感。
「あぁっ…♥ ソラ…、なんてエッチな顔…♥」
悦ぶ彼女の前で、口をぽっかりと開けて痙攣する僕。
何…？ 何かが、僕のお尻の中に入ってきている…。
それは、どんどん肉をかき分けて、奥へと滑り込み…。
そして…。
「…っ♥」
ぐいっ、と僕を内側から押し上げて…弾けそうなほどの快感を呼び起こした。
「さぁ…ソラ、分かち合いましょう…♥」
「これがセックス…、これが、恋愛なのでしょう…？♥」
未知の悦楽に達する僕を、愛おしげに見つめながら…身体を動かし始める彼女。
ペニスを包む襞が、抽送に合わせて…吸い付いたり、絡んだり…。
ゆっくりとした動きなのに、駆け巡る刺激は、狂いそうなくらい強烈で。
僕のそれを、押し潰すようでもあり、包むようでもあって…
その機微が僕の全身を溶かし、ぞくぞくするほどの快感を走らせる。
「んぅっ…♥ ソラのペニス…この様な動きをしていますよ…♥ んっ…♥」
それを覚ますかのように、お尻に挿れられた指が、ナカを掻き混ぜる。
ぐちゅぐちゅと…同じ様に、出たり入ったりを繰り返して…
稀に、指先で中をカリカリと引っ掻きながら、刺激に波をつけて…。
そんな異物を、僕のお尻は、さもおいしそうに…きつく締め上げている。
ヒクヒクと震えているのが自分でも分かって…恥ずかしさがこみ上げて…。
「はっ…♥ 私は…ソラが例え女の子でも、愛しています…♥ ちゅ…♥」
彼女が腰を捻れば、ナカの指も左右に捻られ。
彼女が前後に動けば、ナカの指も押し広げるように。
入口近くで焦らすような動きも、奥深くを突く動きも、
根元まで呑み込んで休むのも、急に速く動くのも…。
彼女のナカの動きが、僕のお尻のナカで、全て再現されていく…。
「ソラ…♥ 可愛い子…♥ んんっ…♥ もっと…貴方の声を聞かせて…♥」
「恥ずかしい姿を見せて…♥ エッチな心を…覗かせて…♥ んくぅっ♥」
濁った水を身に纏い、発情する人と精霊。
水に溶けていく嬌声。艶やかな想い。淫らな姿。
全て。全て。全て。
僕の全てが、雫となって、溶けていく…。
「ふぁっ…♥ ソラ…♥ 愛しています…♥ あんっ…♥」
僕の感覚が。彼女の感覚が。混じり合っていく。
どちらの刺激をも、どちらもが感じている。
ひとつになっていく。僕と彼女。ひとつに…。
「ぁ…っ♥ ソラ…？♥」
…足りない…。
「ひゃっ…！？♥♥♥ そ、ソラ、そこはっ……やあぁぁっ♥♥♥」
お尻に指を這わせ…穴へと挿し入れる。
僕のナカを掻き混ぜる、２本の指。
長さも、弄る場所も違う、でも、同じ指。
一層の刺激を運んで、弾かせ、狂わせて。
でも、まだ。まだ、足りない。
「ソラ…ッ♥ ぁ……ひぃんっ！？♥♥♥ ら、らめぇっ♥♥♥ おっぱいらめえぇっっ♥♥♥」
電気を流された様な痺れが、乳首を襲う。
これが、これが彼女の感じていた快感。彼女だけが感じていた気持ちよさ。
でも、これでひとつ。ぼくらはひとつ。
隠し事なんて無い。記憶も、心も、全て、全て分かる。
嬉しいことも、悲しいことも、楽しいことも、辛いことも…。
そして…きもちいいことも…。
「やぁぁ…っ♥ イッちゃうっ♥ ソラッ♥ わたしっ…♥ わたし…っ…もうっ…♥♥♥」
大丈夫。言わなくても分かる。
きもちよくなろう。ぼくらが満足するまで。
ずっと。ずっと…。
「ソラッ…♥ ソラァ…♥」
ゆっくり…抜けそうな位置まで、ペニスを引いて……。
「あぁっ…♥」
思いっきり、彼女の奥を突き上げた。
「ふあああぁぁぁぁぁーーーーっっっ♥♥♥♥♥♥♥」
……………
………
…
「…おかえり。おめでとう、ソラ」
目を覚ますと…月夜を背景に、優しい笑顔。
「契約、うまくいったんだね。分かるよ」
僕のお腹を撫でながら、微笑み掛けてくれる姉さん。
僕も、なんとなくだけれど…分かる。
この身体の中に、彼女がいるのを。姉さんと同じ様に。
「疲れたでしょう？ もう少し、眠っていていいよ」
言葉に甘え…目を瞑る。
「後は、ノームだけ…。がんばろう、ソラ」
瞼に浮かぶのは、ぼくらの目指す場所。
この砂だらけの大地に、緑を宿すもの。
ユグドラシル。この星を支える大樹。
「………」
母さんが成し得られなかった夢。
ぼくらが叶える。火と、水と、風と、土。
全てが共に生きるために。全てがひとつになるために。
この大地に、新たな命を宿すために。
大地を蹴って 踊れババンガ 風と舞って 踊れボボンガ
唄を紡ぐ。水のように穏やかに。
生命の目覚めの唄。星の子守唄。
炎と叫べ 唄えババンガ 水よ波立て 唄えボボンガ
僕と彼女に続いて、姉さんと彼女達も、口ずさむ。
恵みを賜え 祀り崇めよ 声なき声に 耳を澄ませよ
教えておくれ、ユグドラシルの眠る地を。
目覚めておくれ、新たな生命の種子達よ。
我らと共に唄い踊ろう 星に契りて一つとなろう
燻ぶる想いを焦がすために。
渇いた欲を癒すために。
惑う気持ちを飛ばすために。
狂う心を諭すために。
大地を蹴って 踊れババンガ 風と舞って 踊れボボンガ
炎と叫べ 唄えババンガ 水よ波立て 唄えボボンガ
星よ。ぼくらとひとつになろう。
渇いた欲を癒すために。
大地を蹴って 踊れババンガ 風と舞って 踊れボボンガ
月照る砂漠に唄が響く。
満天の星を照明に、オアシスの上で僕は舞う。
水の胎動と自分の鼓動、ふたつのリズムを合わせながら。
炎と叫べ 唄えババンガ 水よ波立て 唄えボボンガ
傍らで唄う、僕の姉さん。
炎のように情熱的で、風のように響き渡り。
言霊を乗せて奏でる唄は、蠍達も聴き惚れる。
恵みを賜え 祀り崇めよ 声なき声に 耳を澄ませよ
袖を振るって、鈴を鳴らし。
水は舞い飛び、飛沫となって。
感じる。彼女がそこにいる。
姉さんの唄に呼び寄せられて。
僕の踊りに誘い釣られて。
我らと共に唄い踊ろう 星に契りて一つとなろう
僕の踊り立つ足元で、渦巻き始める小さな泉。
渦は次第に天へと昇り、柱となって僕を囲む。
大地を蹴って 踊れババンガ 風と舞って 踊れボボンガ
声が聞こえる。彼女の声。
僕だけに聞こえる彼女の声が。
壁は力を失くして崩れ、全てが僕へ降り注ぐ。
炎と叫べ 唄えババンガ 水よ波立て 唄えボボンガ
今、契約が交わされる。
……………
………
…
「まあ。可愛らしい御方」
…目を開くと、そこには…裸の女性。
青く透き通った身体。手には水瓶。耳は魚のヒレのよう。
彼女こそ、水の精霊…ウンディーネ。
「懐かしい唄と踊り…。全ての人間が、私達の存在を感じていた頃のものです」
白い空間の中を、ゆっくりと…泳ぐようにして近付いてくる彼女。
ここは、精霊と人間が契約を交わす、特殊な場所。
僕も入ったのは初めてで、知識だけは姉さんの受け売り。
どこまでも白い景色が広がっていて、右も左も、上も下も分からない空間。
そこには、心地良い風が吹いていたり…数多もの火の粉が舞っていたり…
精霊によって、様々な特徴があるらしい。僕の場合は…水の中、だろうか。
この場所で、いくつかの条件の下、精霊に認められることで契約が交わされる。
それは自らが抱く理想であったり、彼女らが望む捧げ物であったり、あるいは…。
「…ソラ」
小さな呟き。
名乗ってもいないのに、ウンディーネが僕の名前を言い当てる。
「分かります…。貴方が、私に全てを許してくれているのを…」
「記憶…心…その全て…。水のように、全てを透かして…」
そう言いながら…僕の手を取り、くすりと笑う。
「…男の子だったのですね。巫女の衣装は、恥ずかしくありませんか？」
巫女の衣装。
いつか見たジパングの巫女衣装とは、清楚さがまるで真逆。
白い布地が隠すのは、胸と股間だけ。残りは、振り袖と、鈴の袖飾りのみ。
踊子のそれと同じ…舞に特化した衣装。それがぼくらの巫女姿。
「語らずとも分かります。何故、貴方がその様な衣装を纏っているのか…」
開き掛けた口を、指先が抑え…そっとなぞり。
彼女の瞳が、僕の瞳を見据えながら、言葉が紡がれていく。
「何故、私との契約を必要としているのか…」
水瓶を浮かせ…細い腕が、僕の首に絡まる。
穏やかで、麗しさを感じる表情が、目の前で微笑みを浮かべる。
小さく高鳴る、胸の鼓動。
「ソラ…。貴方は、私が欲しい物が何か…御存知なのですね」
彼女の問いに、頷き応える。
僕が巫女の衣装を授けられた日から、唄も、踊りも…
そして彼女が望むものの練習も、姉さんと一緒に励んできた。
既に火と風の精霊を、その身に宿した姉さん。母さんと同じ様に。
そして、僕も母さんと同じ様に…水と土の精霊を宿さなくてはならない。
ぼくらの望む場所へ、辿り着くために。
「ならば、ソラ、教えてください…」
額が触れ合い、吐息が届く。水の中の筈なのに。
彼女の肌はぬるま湯のように、温かく、優しく、浸かりくる。
「恋愛とは…どういうものなのですか？」
…震える手を抑え…そっと、肩に触れて…抱き寄せる。
目を閉じて、胸に顔を擦り寄せ…僕を受け入れてくれるウンディーネ。
ドキドキする…。
姉さんと初めてした時と、同じくらい緊張している。
柔らかさも、匂いも、可愛さも、綺麗さも…似ているようで、違うようで。
女の人は、誰もがこんな風なのかな…と、ふと考える。
「………」
うっすらと目を開き…自分の胸に手を当て、何かを確かめるような動作。
きっと、彼女も僕と同じ。ドキドキして…胸が、苦しいんだろう。
…不意に、顔が上がり…視線が混じり合う。
「好き合う者同士は、互いの好むところを語り合う…。そうですね？ ソラ」
僕の思い出を覗き見たのか、そう問いかけてくる彼女。
…どこまで覗かれてしまっているのだろう…。
いや、きっと、何もかも。彼女はもう、僕を通して、恋愛が何かを見たのだろう。
だから、あとは体験して、実感したい…。そういうことかもしれない。
「…ソラから、お願いします…」
そう言って、また瞳を伏せて…顔を埋める。
髪に隠れた表情は…心なしか、紅く染まっているように見える。
…彼女の好きなところ。
まだ、出会ってから、僅かな会話しか交わしていない、彼女の…。
彼女がどういう人柄なのか、まだ、なんとなくでしか分からない、
でも、だからといって嘘やお世辞を並べても、見透かされてしまう。
正直に言うしかない。なんとなくでも、感じたまま、思うがまま。
彼女の内面、外面…。
それに対し僕が抱く…友誼、親愛、好意。
何一つ…包み隠さず…。
「…♥」
頷きながら…時に、ぴくんと身体を震わせながら。
彼女は、僕の一つ一つの言葉に反応を示しながら、聴き入っている。
優しい人。
丁寧で、穏やか。
身体が細くて、綺麗。
微笑んだ顔が可愛い。
柔らかくて、温かい。
髪が水みたいに溶けていて、不思議。
こうしていると、ドキドキする。
初めて精霊に会えて、嬉しい。
語り並ぶ、いくつもの正直な気持ち。
その最後の想いを聞いた後に…彼女は、ぼそりと…小さく呟いた。
「…ソラ」
僕を呼ぶ彼女。
「それだけ…ですか？」
え？と…思わず問い返す。
意外な返答。喜んでくれると思ったから。
「………」
胸に耳を当て…彼女は、その一つを言葉に出す。
「…ほぼ裸で、なんだかエッチな姿…」
瞬間、心臓が、破裂しそうな音を響かせる。
彼女が口に出している言葉。それは、僕が彼女に抱く…下心。
止める間もなく、次々と漏れだす、僕の欲情。
「毛が生えていない、つるつるのアソコ…」
「お腹に押し当たる胸が、きもちいい…」
「エッチのとき、ペニスを舐めてくれたら嬉しいな…」
僕自身も、いつ思ったのか分からないような言葉が続く。
でも、どれも否定できない…確かな僕の気持ち。
気まずさと、恥ずかしさで、何も言えない僕。
そんな僕を…今度は逆に、胸へと埋めながら…言葉を掛けるウンディーネ。
「…今度は、私の番ですね…」
柔らかなものに包まれながら…彼女の告白が、耳に届く。
「素直…、大人しい子。女の子のように、可愛らしい…」
感じる。言葉の奥…胸の奥に、彼女の、本当の気持ちを。
その言葉、次に続く言葉、その次…。どれもが、嘘でないことが伝わってくる。
「私が貴方の初めての契約者で、嬉しい…。抱かれて、ドキドキする…」
少しずつ、艶を帯びてくる声。
彼女の高まる気持ち…今思う、強い気持ちが何なのかを、伝えるように。
胸が、苦しい。息が詰まりそう。
「…私を見て、興奮している…。こんなに勃起させて…♥」
と…不意に、僕のあそこを…何かが撫でる。
驚いて、胸から顔を離し、その場所を見やる。
指。彼女の透き通った指が…布越しに、僕のそれを撫でている。
「舐めてあげたい…♥ 何度でも…貴方が満足するまで…♥」
甘く、痺れる快感。伝わってくる想いが、その刺激をより高めている。
…ここで彼女に、身体を預けてしまってはいけない…。
姉さんが言っていた。僕達は、今までも、これからも、
彼女達から多くの物を貰って生きていくんだ、って。
だから、契約の際に、その恩を少しでも返すことが、僕達の務めだ、って。
「あっ…♥」
酔い堕ちそうになる自分を戒めながら、彼女の手を取り、指を絡める。
思い出す。
どうすれば、女性は喜んでくれるのか。
どこに触れれば、気持ち良いと感じてくれるのか。
どんな言葉を囁けば、僕をもっと愛してくれるのかを。
ウンディーネに、僕の知るもう一人の女性を重ねながら…その唇に、キスをする。
「ん…♥ …ちゅ……♥ ちゅっ…♥」
触れ合うそれは、ゼリーのような潤いを纏って。
交わる度に、互いの吐息と唾液を交換し、煽情を宿す。
「ちゅっ…♥ ぁ…っ？♥ んくっ……ぺろ、ぺろ…♥」
彼女の小さな唇に、僕の舌を滑り込ませる。
その中で待っていたのは、不安げに引っ込む、臆病な舌。
僕は、舌先を突き合わせながら、ゆっくりとその不安を解いていく…。
ちょん、ちょんと触れて、くるくると撫でる様に舐めて…
彼女の舌が、僕の舌に興味を持って、その身体を伸ばしてくれるまで。
「ぺろっ……れろ…♥ ちゅ…ぢゅるっ…♥ れろ…ちゅぅ……っ♥」
そうしたら、今度は、抱き合うような…ねっとりと互いを絡めたキス。
味わうように、丹念に…唾液を絡めて、音を立てて…。
時折、離れては…歯茎や、上顎、舌の裏側にも、舌を這わせる。
口の中…隅々まで、唾液で浸していく。僕の味に変えていく。
彼女がたまらず僕の舌を突いたら、引っ込めて…同じ様にしてもらう。
おずおずと…僕の口内を犯していく、淫らな舌。痺れ上がる脳。
高鳴っていく僕の鼓動。速まっていく彼女の鼓動。
ふつふつと湧き上がってくる熱は、まるで煮えたぎる熱湯のように。
「はっ…♥ キスって…こんなに、エッチなものだったのですね…♥ んんっ…♥」
目尻に涙を溜めて、更に唇を貪る彼女。
しおらしくも情熱的な彼女の行為に、乱れていく平常心。
狂っては駄目だと思いながらも、欲望をぶつけたいと心がざわめく。
「ふぁっ♥ ソラ…♥ そこ…っ♥」
絡めた指を解いて…起伏した胸に、そっと手を添える。
指先から、より強く伝わってくる…激しく胸打つ、彼女の想い。
…中指を滑らせ…余った指で、左右から胸を揉みしだく。
ふにふにと形を変え、その度に彼女の口から洩れる、切ない吐息。
「やぁっ…♥ きもちっ…♥ きもち…いいです…っ♥」
水風船のような双丘。その先端を、中指でこねる。
姉さんと違って、乳首が胸の中に隠れている彼女。
どうすれば出てくるのだろうと悩みながら…その入り口をくすぐる。
「きゃっ♥ あぅっ♥ だ、だめっ♥ そこはっ…敏感、でっ…♥」
刺激には反応しているものの…なかなか出てこない。
もしかしたら、引っ張り出してあげないとダメなのかもしれない。
指の動きを止めて、その周囲を摘み…指に刺さった棘を抜く要領で、
患部を隆起させ…ほじくりだそうと、僅かな隙間に舌を這わせる。
途端、大人しかった彼女が豹変する。
「やああぁぁっ♥♥♥ だめっ♥ 乳首だめぇぇっ♥♥♥」
身体がピンと張り、驚くほどの嬌声が上がる。
ぶるぶると震えて…まるで達したみたいに痙攣するウンディーネ。
アソコには、身体よりも少し濃い色の液体がじわじわと集まってきて、
体外に出ると、透明の液体…愛液となって、白い空間の中に消えていく…。
「あっ…♥ ひぁっ…♥ ぁ…♥」
放心する彼女…。そして、ぷっくりと顔を出した、乳首。
…様子を見ながら…表に出てきたそれを、舌で舐め上げる。
「ひぅっ！？♥♥♥」
また…先程よりは抑え目ながらも、顕著な反応。
余程感じてしまうらしい。でも、僕にとっては、好都合。
剥き出しの性感をぱくりと咥え、ころころと舌先で転がしながら吸い上げる。
「そ、ソラッ…♥ だめですっ♥ だめ…きゃうぅんっ♥♥♥」
僕より幾分も大人びて見える彼女が、エッチな声と姿を晒して。
僕の愛撫に涙を流して、涎を垂らして、鳴いて喚いて。
攻めているのは僕の筈なのに。心奪われていくのも僕の方で。
見惚れ、赤ん坊のように、夢中におっぱいにしゃぶりつく僕…。
「まってっ…♥ ソラ、まってください…っ♥」
と…きゅぅ、と雁首を撫で上げる、稲妻のような刺激。
思わず呻いて、口を離すと…僕を見つめる、艶帯びた表情。
「はぁっ…♥ はっ…♥ ん…っ♥ はっ…♥」
肩で息をしながら、真っ赤に頬を染めた彼女。
全身に浮いた水滴は…汗だろうか。火照った身体を、つぅっと流れて…。
…息を整えながら…彼女は、僕に問い掛ける。
「ソラ…♥ はっ…♥ …ペニス…、舐めて、ほしいんですよね…？♥」
その言葉に、びくりと反応する…身体、脳、胸、…あそこ。
「今度は…私の番、です…♥」
ゆらりと、身体を動かして…あそこの高さまで、身体を降ろす彼女。
見つめられるそれは、期待で、もう…服を破りかねない勢いで、大きな天幕を張っている。
先端は、先走りの液で湿ったのか、うっすらと透け…ピンク色に……。
「苦しそう…♥ 今、慰めてあげますね…♥」
子猫を撫でるかのように、それを愛おしく扱って…。
…そして、彼女の唇が……ぴとりと、亀頭に吸い付いた。
「ちゅ…ん…♥ んむっ…♥ …ちゅるっ…♥ ちゅぅ…♥」
下唇をくにくにと動かして、滲み出る愛液を吸うようなフェラチオ。
尿道を通る愛液も吸い出され、それが中を撫でる刺激となって響く。
布越しに伝わる、柔らかで淫靡な刺激に、耐え切れず腰を引く僕。
でも、彼女はそれを逃がすまいと、背筋を伸ばして吸い付いてくる。
その姿は、穏やかで、優しく、妖美的。エッチに溺れた、猥らな魔物。
「ちゅぅぅ…っ♥ ぢゅっ…♥ ぢゅるっ♥ こくん…♥ ちゅ…♥」
美味しそうに愛液を飲み干していく彼女を前に、限界と戦う僕。
儀式を前にして１週間おあずけだったこと、フェラチオしてもらえたこと、
ウンディーネがあまりにもエッチなこと、この後の行為を待望していること…。
あらゆる要因が重なって…三擦り半さえ耐え切れない、今の僕のペニス。
容赦無い彼女の攻めに…我慢する心もぽっきりと折れて、
泣き付くように、出てしまうことを彼女に訴える。
「んくっ…♥ ちゅぅ…♥ …ちゅぅぅぅぅ〜〜〜っっっ♥♥♥」
それに応えるように…一段と長く、強い吸い上げ。
頭の中が真っ白になり………不意に、どくん、と。
「んぅぅっ！？♥♥♥」
衣装越しに…彼女の口の中へ、どろどろと濁った精液を流し込んだ。
「んむ…♥ はむっ…♥ …ぢゅるるっ…♥ ごくっ…♥ こくん…♥」
少し深く咥え直して、滲み溢れる精液を飲み込んでいくウンディーネ。
透き通った彼女の身体の中を、白く、どろどろとしたものが流れていくのが見える。
「おいひ…♥ ちゅぅ…♥ こくん…♥ ちゅっ…♥ ぢゅる…♥」
尿道に残った精液まで吸いこんで…なお吸い付きは止まらない。
衣服に浸み込んだ精液を、勿体無いと思っているのか…
それとも愛液まで飲み尽くすつもりなのか…彼女は口を離さない。
舌先で鈴口をチロチロとくすぐりながら、出てくるものを待ち侘びて。
「…ふふっ…♥」
不意に…手が伸びてきて…胸を隠す衣服の中へと滑り込み…。
お返しとばかりに…きゅっ、と僕の乳首を摘む、彼女の指。
誰にも弄られたことがない場所に感じる、初めての刺激。
むず痒さとも、きもちよさとも分からない刺激に、高い声が咽を通る。
「これが付いていないと、本当に女の子ですね…♥ ちゅ…♥」
未だ鎮まらないその場所へ、口付けをしながら…ウンディーネが微笑む。
僕らの頭上で行き場なく回る水瓶が、どろりと濃い色の水を吐き出す。
「ソラ…♥」
再び、互いの顔が近付き…視線が交差する。
僕らを覆うように、溢れた水が取り巻いていく。
「素直で、大人しい子…♥」
繰り返される…彼女の想い。
でも、違う。何かが違う。
先程聞いた時とは違う…疼くような何かを、感じる。
「女の子のように、可愛らしい…♥」
乳首をこねくり回しながら、囁く彼女。
今までに感じたことのない…切なさにも似た、
胸の奥を締めつける様な何かが、僕の中で渦巻く。
分からない。よくは分からないけれど。
もっと…もっと弄ってほしいという気持ちが、湧いてくる…。
「私が貴方の初めての契約者で、嬉しい…♥」
空いた手が、僕のペニスを掴み…ゆっくりと…その場所へ導いていく…。
「抱かれて、ドキドキする…♥」
先端が…濡れそぼった彼女の秘部に、触れる…。
「…ソラ…♥」
向き合い…微笑む彼女。
「ひとつになりましょう…♥」
万感の想いを受けて。
つぷり、と…僕のものが、彼女のナカへと呑み込まれた…。
「ふぁっ…ぁ…♥」
小さく呻きながら、繋がりを深めていく…僕と彼女。
ぬるぬると…愛液と襞を絡めながら、彼女の奥底まで…。
「っ…♥♥♥」
そして…何かに、トン、と触れて…動きが止まった。
蕩けきった表情を浮かべながら、語り掛けてくるウンディーネ。
「ソラにも…今のを、教えてあげます…♥」
今の…？
そう問い返す前に…つぷん、と。
僕の背筋を貫く衝撃と…お尻に感じる、異物感。
「あぁっ…♥ ソラ…、なんてエッチな顔…♥」
悦ぶ彼女の前で、口をぽっかりと開けて痙攣する僕。
何…？ 何かが、僕のお尻の中に入ってきている…。
それは、どんどん肉をかき分けて、奥へと滑り込み…。
そして…。
「…っ♥」
ぐいっ、と僕を内側から押し上げて…弾けそうなほどの快感を呼び起こした。
「さぁ…ソラ、分かち合いましょう…♥」
「これがセックス…、これが、恋愛なのでしょう…？♥」
未知の悦楽に達する僕を、愛おしげに見つめながら…身体を動かし始める彼女。
ペニスを包む襞が、抽送に合わせて…吸い付いたり、絡んだり…。
ゆっくりとした動きなのに、駆け巡る刺激は、狂いそうなくらい強烈で。
僕のそれを、押し潰すようでもあり、包むようでもあって…
その機微が僕の全身を溶かし、ぞくぞくするほどの快感を走らせる。
「んぅっ…♥ ソラのペニス…この様な動きをしていますよ…♥ んっ…♥」
それを覚ますかのように、お尻に挿れられた指が、ナカを掻き混ぜる。
ぐちゅぐちゅと…同じ様に、出たり入ったりを繰り返して…
稀に、指先で中をカリカリと引っ掻きながら、刺激に波をつけて…。
そんな異物を、僕のお尻は、さもおいしそうに…きつく締め上げている。
ヒクヒクと震えているのが自分でも分かって…恥ずかしさがこみ上げて…。
「はっ…♥ 私は…ソラが例え女の子でも、愛しています…♥ ちゅ…♥」
彼女が腰を捻れば、ナカの指も左右に捻られ。
彼女が前後に動けば、ナカの指も押し広げるように。
入口近くで焦らすような動きも、奥深くを突く動きも、
根元まで呑み込んで休むのも、急に速く動くのも…。
彼女のナカの動きが、僕のお尻のナカで、全て再現されていく…。
「ソラ…♥ 可愛い子…♥ んんっ…♥ もっと…貴方の声を聞かせて…♥」
「恥ずかしい姿を見せて…♥ エッチな心を…覗かせて…♥ んくぅっ♥」
濁った水を身に纏い、発情する人と精霊。
水に溶けていく嬌声。艶やかな想い。淫らな姿。
全て。全て。全て。
僕の全てが、雫となって、溶けていく…。
「ふぁっ…♥ ソラ…♥ 愛しています…♥ あんっ…♥」
僕の感覚が。彼女の感覚が。混じり合っていく。
どちらの刺激をも、どちらもが感じている。
ひとつになっていく。僕と彼女。ひとつに…。
「ぁ…っ♥ ソラ…？♥」
…足りない…。
「ひゃっ…！？♥♥♥ そ、ソラ、そこはっ……やあぁぁっ♥♥♥」
お尻に指を這わせ…穴へと挿し入れる。
僕のナカを掻き混ぜる、２本の指。
長さも、弄る場所も違う、でも、同じ指。
一層の刺激を運んで、弾かせ、狂わせて。
でも、まだ。まだ、足りない。
「ソラ…ッ♥ ぁ……ひぃんっ！？♥♥♥ ら、らめぇっ♥♥♥ おっぱいらめえぇっっ♥♥♥」
電気を流された様な痺れが、乳首を襲う。
これが、これが彼女の感じていた快感。彼女だけが感じていた気持ちよさ。
でも、これでひとつ。ぼくらはひとつ。
隠し事なんて無い。記憶も、心も、全て、全て分かる。
嬉しいことも、悲しいことも、楽しいことも、辛いことも…。
そして…きもちいいことも…。
「やぁぁ…っ♥ イッちゃうっ♥ ソラッ♥ わたしっ…♥ わたし…っ…もうっ…♥♥♥」
大丈夫。言わなくても分かる。
きもちよくなろう。ぼくらが満足するまで。
ずっと。ずっと…。
「ソラッ…♥ ソラァ…♥」
ゆっくり…抜けそうな位置まで、ペニスを引いて……。
「あぁっ…♥」
思いっきり、彼女の奥を突き上げた。
「ふあああぁぁぁぁぁーーーーっっっ♥♥♥♥♥♥♥」
……………
………
…
「…おかえり。おめでとう、ソラ」
目を覚ますと…月夜を背景に、優しい笑顔。
「契約、うまくいったんだね。分かるよ」
僕のお腹を撫でながら、微笑み掛けてくれる姉さん。
僕も、なんとなくだけれど…分かる。
この身体の中に、彼女がいるのを。姉さんと同じ様に。
「疲れたでしょう？ もう少し、眠っていていいよ」
言葉に甘え…目を瞑る。
「後は、ノームだけ…。がんばろう、ソラ」
瞼に浮かぶのは、ぼくらの目指す場所。
この砂だらけの大地に、緑を宿すもの。
ユグドラシル。この星を支える大樹。
「………」
母さんが成し得られなかった夢。
ぼくらが叶える。火と、水と、風と、土。
全てが共に生きるために。全てがひとつになるために。
この大地に、新たな命を宿すために。
大地を蹴って 踊れババンガ 風と舞って 踊れボボンガ
唄を紡ぐ。水のように穏やかに。
生命の目覚めの唄。星の子守唄。
炎と叫べ 唄えババンガ 水よ波立て 唄えボボンガ
僕と彼女に続いて、姉さんと彼女達も、口ずさむ。
恵みを賜え 祀り崇めよ 声なき声に 耳を澄ませよ
教えておくれ、ユグドラシルの眠る地を。
目覚めておくれ、新たな生命の種子達よ。
我らと共に唄い踊ろう 星に契りて一つとなろう
燻ぶる想いを焦がすために。
渇いた欲を癒すために。
惑う気持ちを飛ばすために。
狂う心を諭すために。
大地を蹴って 踊れババンガ 風と舞って 踊れボボンガ
炎と叫べ 唄えババンガ 水よ波立て 唄えボボンガ
星よ。ぼくらとひとつになろう。
12/05/29 19:57更新 / コジコジ