蜜月冬蕾
「…目、覚めちゃった?」
雪舞う空よりも静かな蕾の中。
狭く、暖かく。どれくらい眠っていただろう。
やわらかに微笑む彼女。
花弁は開いていない。春はまだ訪れていないようだ。
緊張した筋肉を解こうと、無意識に身体が背伸びしようとしたけれど…
腕が、僕の全身を絡める彼女の蔓を引っ張ってしまったのに気付き、やめた。
そんな些細な動作にさえ、彼女は気付き、また微笑みを浮かべる。
「ごめんね。まだ、眠っていていいよ…」
ふんわりとした声で、囁きながら…僕の頭を撫でる。
初芽よりも柔らかな手が、心地良さを運んでくれる。
彼女…アルラウネに捕らえられてから、もう3つの季節が過ぎた。
僕は彼女の花の中から一歩も外に出られなくなり…いつしか、出なくなり。
抵抗も出来ぬまま堕ちた僕を、彼女はいつも優しく包んでくれた。
蜜を腰まで浸し、蔓を身体中に絡め、花を心深くまで香らせ…。
今では、それをとても幸せに感じる。
「…あのね…」
話し掛ける彼女に、僕は目を瞑って、たわわに実る胸に甘えかかる。
「キミが眠っている間…30回くらいかな…」
潤いある肌。瑞々しい。
普段ならば、ドキドキして、エッチな気分になって、
彼女にねだるところだけれど…寝起きだと、そんなやましい気分は湧かない。
また、うとうととした眠気に沈んでいく…。
「エッチなコト、しちゃった…♥ 気付いてた…?」
夢心地の中で、頷く。
聞こえてくるのは、小さく、無邪気な笑い声。
「えへへっ…♥ いっぱい出してたんだよ、キミ…♥ でも、起きなくって」
うなじを軽く掻く彼女の爪。少しくすぐったい。
「なのに、軽いキスで目を覚ますなんて…。何かの童話みたい」
…僅かに顔を上げて、寝惚け眼で彼女を見る。
僕を見下ろす彼女の頬は、包む花弁と同じ色。
「………ね…」
何かを促すような、呟き。
なんとなく…そうかなと思い、胸から顔を出して、目を瞑る。
「…♥ ……んっ…♥ ちゅっ…♥」
抱き寄せと共に、唇に柔らかな感触…。
互いの身体の動きに、蜜がちゃぷんと波を立てる。
夢の中で幾度と感じた口愛。
触れ合いを好む彼女の愛し方は、貪りも、求めもせず。
唇が閉じていれば、何度も啄み、僅かに口を開けば、吐息を送り、
もう少し開けば、舌で上下の唇を撫で、舌を突き出せば、その全身を愛撫し。
僕の動きに合わせて、彼女は動きを変える。奉仕するかのように…。
「ちゅぅ…♥ ちゅ…♥ …可愛い…♥ ぺろっ…♥ 」
彼女の艶めかしい口付けを、ただ受け止めるだけの僕。
僕は女性を抱いたことがない。抱かれたことだって、彼女が初めて。
だから、どうすれば気持ちよくさせてあげることができるか、分からない。
分かるのは、彼女がこうして僕を好きにしている時が、とても幸せそうなこと。
それを見て、僕は、彼女にされるがままが一番良いんじゃないかと思った。
彼女にとっても。僕にとっても。この形が、今の僕にできる愛し方。
「ちゅっ…♥ 眠っていいよ…♥ 眠いでしょう…?♥」
快感の中でまどろむ僕の気持ちに気付いてか、そう囁く彼女。
「可愛い声と、表情を見せてくれれば、私はいいから…♥ ちゅ…♥」
…好意に甘えて…彼女の愛に包まれながら、夢へ落ちていく…。
その終着までエスコートするかのように、止め処ない快感を与えてくれる彼女。
「ん…♥ 蜜…、またいっぱい塗ろうね…♥」
唇が離れ…替わりに触れるのは、甘い指先。
蜜を絡めたその指を、僕の口の中に挿れ…舌に塗り込ませて…抜き、
また唇を絡めて…流し込まれる唾液で…蜜ごと飲み込まされる。
…すぐに熱くなってくる、僕の身体…。
それを冷ますかのように…でも、実際は逆、両手いっぱいに掬った蜜を、
首下から垂らし…肩から、腕や胸…お腹…浸かっているお尻まで、丹念に塗り込む。
それはもう、丹念に…お尻に指を挿れて、その奥まで塗り込んで…
まだ半勃ちなあそこにも、皮を剥いて、雁首の裏まで、丁寧に…。
繰り返しになるけれど、腰から下は、彼女に捕まってから、ずっと浸かったまま。
今更塗り込む必要はないのに、几帳面なのか、愉しいのか、いつもこうして…。
その顔は、とても嬉しそうで…。
「そう…♥ その顔…、その切なそうで、恥ずかしそうな顔…♥」
塗り終えたところで…べたべたな両の手は、まず僕の胸を愛撫に掛かる。
軽く一撫でした後…胸肉を持ち上げるかのように、ふにふに摘み上げたり、
乳首を指先でくりくり弄ったり、ぷにぷに押したり、かりかり掻いたり…。
普通ならくすぐったいだけのそれが、今の僕の身体には、痺れるほどの快感。
抑え切れない声が漏れて、身体を捩り、自然と快感を逃がそうとする。
「女の子みたいに鳴いてしまうその声…♥ 可愛い♥ 可愛いの♥ とっても…♥」
悶える僕の全身を、蔓がくすぐる中…彼女の口が、ぱくんと僕の胸を食べる。
その刺激に背筋を張ると、今度はあそこを掴む指に、反射的に腰を引いて…。
忙しく動く僕の身体とは対照的に、ゆったりと愛撫を続ける彼女の身体。
「また、精子…出したいんだ…♥ 元気なオチンチン…♥」
人差し指と中指、そして親指のリングが、蜜の海の中で優雅に滑る。
眠りに落ちゆく身体に響く、気持ちよさの限界の合図。射精感。
震える声で、たどたどしくも彼女にそれを告げると…微笑みが返り、
左胸を弄っていた手が移って…ぱんぱんに膨れた亀頭を、ごしごしと擦った。
大きく震え……真っ白に………っ。
「…あっ…♥ ………♥ …出てるよ…♥ 蜜と混じって……ほら…♥」
まだ射精の止まない先端を、指先がこちょこちょと撫でる。
釣られるかのように飛び出す精液は、何回かの痙攣の後……少しずつ治まって…。
「…次は、飲んであげる…♥ んしょっ…♥」
もう少しで治まるかというところで、蔓が動き、僕の身体を持ち上げ…
頭は僕達を覆う花弁の天井近くまで届き、あそこは彼女の顔の前に。
足は膝を曲げる形で広げられ…あられもない…鏡を見たくない格好。
「小さくなっちゃったね…♥ これはこれで、可愛いけれど…♥」
…また、あの場所に……指が入ってくる感触…。
まるで咽に何かが詰まったかのように、息苦しくなり、呼吸が辛い。
なのに、お尻だけは悦んで…意思とは無関係に、ぐにぐにと指を貪り、
もっと触れてと、もっと奥へと言わんばかりに…快楽に酔い痴れている…。
それに合わせるかのように…あそこも、またどんどん大きく…硬く…。
「…♥ キミって、どこを弄っても悦んでくれるから、嬉しい…♥」
「ねぇ、そんなにお尻や胸を弄られるの、好き?♥ もっと弄ってあげる…♥」
中指を動かし、空いた手でお尻を撫でながら…彼女が問い掛ける。
僕にそれを答える余裕はなく、蜜や汗、唾液、愛液を滴らせながら、ただ喘ぐばかり。
いじらしく、悪戯に動く彼女の指は。
僕の内側を撫でながら、ある一点を重点的に責めてくる。
そこを指が押し広げる度に、撫でる度に、押し上げる度に、焦らす度に、
僕の身体…特にあそこは敏感に反応し、心はめちゃめちゃに塗り潰されていく。
そして、更にそこへ加わる…彼女の、口。
「ちゅ…♥ れろっ…♥ ぺろ、ぺろ…♥ ぬるぬるだね…♥ ちゅるっ…♥」
垂れる滴を掬いあげる様に、あそこを這う舌。
電流が走り、つま先がぴんっと跳ね上がる。
「どくどくって、脈打ってる…♥ あむ…♥ 裏筋も、ぴくぴくして…♥」
幹を横から咥える彼女。動きを封じられるあそこ。
跳ねることで快感が逃げていたのに、それもできず、のたうつ魚の様に。
急激に降り注ぐ欲悦に、無意識に力が入り、余計ナカの指を締め上げて。
快感から逃げられない僕を襲う…二度目の、射精感。
「んぐっ…♥ ぢゅっ…♥ いっぱい、だひて…♥ ぢゅるっ…♥」
先端から、一気に根元まで滑り込む、濃厚なフェラチオ。
その、糸を引く愛液と蜜と唾液の混合液、響き渡る水音が、
僕の蕩けきった心に、まだ止まない熱を注いでは、焦がしていく。
お尻の指も、まるで僕が彼女とセックスをしている時のように、
激しく僕のナカを出し入れしては、速さと刺激を増していく。
僕自身も、指と、口の動きに合わせて、腰を動かして、蔓を揺らし、
彼女の名前を呼んで……ねだって……白く溶けていく………。
「ふ…ぅっ…♥ ぢゅ…♥ ぢゅううぅぅぅっ♥♥♥」
根元まで飲み込まれたあそこが、強く吸われ…同時に、指に奥を突かれて………っ。
「んんっ…!♥ んっ…♥ んくっ…♥ ごくっ…♥」
「ぢゅる…っ♥ ごく…♥ ごくんっ…♥ はっ…♥ こくん…♥」
「ん…♥ ちゅっ……ぢゅ…♥ こくっ…♥ ……ちゅぅぅぅっ…♥ こく…♥」
「………はぁっ…♥ …キミの精子って、いつもどろどろ…♥」
「濃くって…咽に絡んで…♥ 普通は、薄くなるか、出なくなるものなのに…」
「そんなに、いつも気持ちいいの? …それとも……私だから…?」
「もしそうなら…嬉しい…♥ キミを選んで、よかった…♥」
…蔓が下がって…その間に、花弁の壁に手を付き、お尻を突き出す彼女。
ぷりんとしたそれの隙間に覗く、女性のエッチな…二つの穴。
その上側を、指で広げながら…。
「こっちに…入れるね♥ 今、そんな気分なの…♥」
誘惑する彼女の、その場所へ導くように、蔓が動き…その内の一本が、
僕のあそこに絡んで、擦り、大きさを保ちながら、ずれないよう支え…少しずつ……。
「ぁ…♥」
彼女の背に覆い被さって、新緑色の髪…森の中の様な香りに顔を埋めながら、
先端があてがわれ…腰を支える蔓が、ゆっくりと前に押し……。
「あぁっ♥♥♥」
つぷん…と、やさしく受け入れられた…。
「あ……ぁっ…♥ 熱…ぃ…♥ おしり……やけどしちゃう…っ♥」
それは、僕も同じで…あそこが、ひどく熱く…感覚が無くなりそうなまでに…。
眠っているのか、起きているのか分からない頭の中に、火花が散り飛ぶ。
「ぇ……あっ…?♥ ひゃうっ!?♥♥♥ やっ…、そんな、もうっ…♥」
急に、声を上げ、ぶるぶると身体を震わせる彼女。
何が起きたのか…そう思う余裕さえ、今、僕には無い。
「でてる…っ♥ あっ…♥ とけちゃうっ…♥ 精子で、おしり…っ…♥」
気持ちよかった。僕が僕じゃなくなりそうなほど。
今まで見た夢の中でも、一番。夢ごと溶け消えてしまいそうなほど。
「くぅんっ…♥ …う、動かす…ね…っ♥ その方が…気持ちいい、よね…♥」
しなやかに、蔓が、破裂しそうな僕の身体を動かす。
身体がぶつかる度に、脳内に響く耳鳴り。弾け飛びそうな身体。
蕾の中が、まるで夏の夜のように蒸し暑い。
「はうぅっ♥ きもちいっ…♥ きもちいいっ…♥ 射精されながら…♥」
「射精されながらのアナルセックスッ…♥ きもちいいっ…♥ やぁっ…♥」
彼女の身体に絡まっていた蔓が蠢き…解かれ、蜜のプールへ沈む。
そして、その身にたっぷりと纏わせて…二人の身体へ、妖しく絡まる。
二人の耳や胸をくすぐり、二人のお腹やお尻を撫で、二人を密に浸して…。
違うのは、僕のお尻を犯す一本と、彼女のアソコを広げ、弄る三本。
「んぅっ♥ せいしっ♥ もっとっ♥ おしりっ♥ おしり、どろどろにしてぇっ♥」
淫ら乱れ、蜜滴らせ、彼女は喘ぐ。
僕は彼女の意思のまま、突き入れ、犯し、同じに喘ぐ。
永遠に続きそうなほどの狂宴。静寂の世界を花弁の向こうに。
不意に、その幕は色を変える。
「あっ♥ やぁっ♥ も…もれ、ちゃっ……っ♥ きゃうぅぅんっ♥♥♥」
ちょろちょろと…大きな水音と共に、蜜に降り注がれる液体。
彼女のアソコを弄る蔓が、ぷっくり膨らんだ部分を刺激したせいか…
そこを擦られながら、彼女は膝を折り、がくがくと震え…おもらしをしていた。
「だめっ…♥ だめぇぇ…♥ みないでっ……♥」
……無意識に、動かないはずの身体が動いた。
「きゃうっ!?♥♥♥」
蔓に逆らい、お尻から抜いて…。
「ひゃああああぁぁぁんっっっ♥♥♥♥♥♥♥」
広げられたそこへ、一気に奥まで突き入れた。
「っ…♥ ひぅっ…♥ あ…ぁっ♥ やっ…ぁぁぁぁっ…♥」
太腿に感じる、熱い液体。
おもらしなのか…別の何かなのか…分からない。
ようやく、視界が暗く…意識が落ちていく……。
「い…いっぱい…っ♥ いっぱい流れてきてるっ…♥ あはっ…♥」
「受精、してね…♥ 春になったら…いっぱい、飛ばそうね……っ♥」
最後に…大きく、どくりと吐き出して…。
「いっぱい…♥」
僕はまた、眠りについた…。
……………
………
…
「…おはよう♥」
目を覚ますと、彼女の微笑み。
「今度は、すぐ起きちゃったね。疲れてない?」
寝惚けた頭で、言葉を理解して、頷く。
「…私も、少しだけ寝ようかな…」
僕の頭を抱えながら、瞳を閉じる彼女。
「…次に目が覚めたら、春になっているかもね…」
雪積もる中、花弁に囲まれ、身を寄せ合う二人。
「でも、私は…」
蕾の中でふたりきり。
「もう少しだけ…冬がいいな…♥」
僕らは春を思い描く。
……………
………
…
雪舞う空よりも静かな蕾の中。
狭く、暖かく。どれくらい眠っていただろう。
やわらかに微笑む彼女。
花弁は開いていない。春はまだ訪れていないようだ。
緊張した筋肉を解こうと、無意識に身体が背伸びしようとしたけれど…
腕が、僕の全身を絡める彼女の蔓を引っ張ってしまったのに気付き、やめた。
そんな些細な動作にさえ、彼女は気付き、また微笑みを浮かべる。
「ごめんね。まだ、眠っていていいよ…」
ふんわりとした声で、囁きながら…僕の頭を撫でる。
初芽よりも柔らかな手が、心地良さを運んでくれる。
彼女…アルラウネに捕らえられてから、もう3つの季節が過ぎた。
僕は彼女の花の中から一歩も外に出られなくなり…いつしか、出なくなり。
抵抗も出来ぬまま堕ちた僕を、彼女はいつも優しく包んでくれた。
蜜を腰まで浸し、蔓を身体中に絡め、花を心深くまで香らせ…。
今では、それをとても幸せに感じる。
「…あのね…」
話し掛ける彼女に、僕は目を瞑って、たわわに実る胸に甘えかかる。
「キミが眠っている間…30回くらいかな…」
潤いある肌。瑞々しい。
普段ならば、ドキドキして、エッチな気分になって、
彼女にねだるところだけれど…寝起きだと、そんなやましい気分は湧かない。
また、うとうととした眠気に沈んでいく…。
「エッチなコト、しちゃった…♥ 気付いてた…?」
夢心地の中で、頷く。
聞こえてくるのは、小さく、無邪気な笑い声。
「えへへっ…♥ いっぱい出してたんだよ、キミ…♥ でも、起きなくって」
うなじを軽く掻く彼女の爪。少しくすぐったい。
「なのに、軽いキスで目を覚ますなんて…。何かの童話みたい」
…僅かに顔を上げて、寝惚け眼で彼女を見る。
僕を見下ろす彼女の頬は、包む花弁と同じ色。
「………ね…」
何かを促すような、呟き。
なんとなく…そうかなと思い、胸から顔を出して、目を瞑る。
「…♥ ……んっ…♥ ちゅっ…♥」
抱き寄せと共に、唇に柔らかな感触…。
互いの身体の動きに、蜜がちゃぷんと波を立てる。
夢の中で幾度と感じた口愛。
触れ合いを好む彼女の愛し方は、貪りも、求めもせず。
唇が閉じていれば、何度も啄み、僅かに口を開けば、吐息を送り、
もう少し開けば、舌で上下の唇を撫で、舌を突き出せば、その全身を愛撫し。
僕の動きに合わせて、彼女は動きを変える。奉仕するかのように…。
「ちゅぅ…♥ ちゅ…♥ …可愛い…♥ ぺろっ…♥ 」
彼女の艶めかしい口付けを、ただ受け止めるだけの僕。
僕は女性を抱いたことがない。抱かれたことだって、彼女が初めて。
だから、どうすれば気持ちよくさせてあげることができるか、分からない。
分かるのは、彼女がこうして僕を好きにしている時が、とても幸せそうなこと。
それを見て、僕は、彼女にされるがままが一番良いんじゃないかと思った。
彼女にとっても。僕にとっても。この形が、今の僕にできる愛し方。
「ちゅっ…♥ 眠っていいよ…♥ 眠いでしょう…?♥」
快感の中でまどろむ僕の気持ちに気付いてか、そう囁く彼女。
「可愛い声と、表情を見せてくれれば、私はいいから…♥ ちゅ…♥」
…好意に甘えて…彼女の愛に包まれながら、夢へ落ちていく…。
その終着までエスコートするかのように、止め処ない快感を与えてくれる彼女。
「ん…♥ 蜜…、またいっぱい塗ろうね…♥」
唇が離れ…替わりに触れるのは、甘い指先。
蜜を絡めたその指を、僕の口の中に挿れ…舌に塗り込ませて…抜き、
また唇を絡めて…流し込まれる唾液で…蜜ごと飲み込まされる。
…すぐに熱くなってくる、僕の身体…。
それを冷ますかのように…でも、実際は逆、両手いっぱいに掬った蜜を、
首下から垂らし…肩から、腕や胸…お腹…浸かっているお尻まで、丹念に塗り込む。
それはもう、丹念に…お尻に指を挿れて、その奥まで塗り込んで…
まだ半勃ちなあそこにも、皮を剥いて、雁首の裏まで、丁寧に…。
繰り返しになるけれど、腰から下は、彼女に捕まってから、ずっと浸かったまま。
今更塗り込む必要はないのに、几帳面なのか、愉しいのか、いつもこうして…。
その顔は、とても嬉しそうで…。
「そう…♥ その顔…、その切なそうで、恥ずかしそうな顔…♥」
塗り終えたところで…べたべたな両の手は、まず僕の胸を愛撫に掛かる。
軽く一撫でした後…胸肉を持ち上げるかのように、ふにふに摘み上げたり、
乳首を指先でくりくり弄ったり、ぷにぷに押したり、かりかり掻いたり…。
普通ならくすぐったいだけのそれが、今の僕の身体には、痺れるほどの快感。
抑え切れない声が漏れて、身体を捩り、自然と快感を逃がそうとする。
「女の子みたいに鳴いてしまうその声…♥ 可愛い♥ 可愛いの♥ とっても…♥」
悶える僕の全身を、蔓がくすぐる中…彼女の口が、ぱくんと僕の胸を食べる。
その刺激に背筋を張ると、今度はあそこを掴む指に、反射的に腰を引いて…。
忙しく動く僕の身体とは対照的に、ゆったりと愛撫を続ける彼女の身体。
「また、精子…出したいんだ…♥ 元気なオチンチン…♥」
人差し指と中指、そして親指のリングが、蜜の海の中で優雅に滑る。
眠りに落ちゆく身体に響く、気持ちよさの限界の合図。射精感。
震える声で、たどたどしくも彼女にそれを告げると…微笑みが返り、
左胸を弄っていた手が移って…ぱんぱんに膨れた亀頭を、ごしごしと擦った。
大きく震え……真っ白に………っ。
「…あっ…♥ ………♥ …出てるよ…♥ 蜜と混じって……ほら…♥」
まだ射精の止まない先端を、指先がこちょこちょと撫でる。
釣られるかのように飛び出す精液は、何回かの痙攣の後……少しずつ治まって…。
「…次は、飲んであげる…♥ んしょっ…♥」
もう少しで治まるかというところで、蔓が動き、僕の身体を持ち上げ…
頭は僕達を覆う花弁の天井近くまで届き、あそこは彼女の顔の前に。
足は膝を曲げる形で広げられ…あられもない…鏡を見たくない格好。
「小さくなっちゃったね…♥ これはこれで、可愛いけれど…♥」
…また、あの場所に……指が入ってくる感触…。
まるで咽に何かが詰まったかのように、息苦しくなり、呼吸が辛い。
なのに、お尻だけは悦んで…意思とは無関係に、ぐにぐにと指を貪り、
もっと触れてと、もっと奥へと言わんばかりに…快楽に酔い痴れている…。
それに合わせるかのように…あそこも、またどんどん大きく…硬く…。
「…♥ キミって、どこを弄っても悦んでくれるから、嬉しい…♥」
「ねぇ、そんなにお尻や胸を弄られるの、好き?♥ もっと弄ってあげる…♥」
中指を動かし、空いた手でお尻を撫でながら…彼女が問い掛ける。
僕にそれを答える余裕はなく、蜜や汗、唾液、愛液を滴らせながら、ただ喘ぐばかり。
いじらしく、悪戯に動く彼女の指は。
僕の内側を撫でながら、ある一点を重点的に責めてくる。
そこを指が押し広げる度に、撫でる度に、押し上げる度に、焦らす度に、
僕の身体…特にあそこは敏感に反応し、心はめちゃめちゃに塗り潰されていく。
そして、更にそこへ加わる…彼女の、口。
「ちゅ…♥ れろっ…♥ ぺろ、ぺろ…♥ ぬるぬるだね…♥ ちゅるっ…♥」
垂れる滴を掬いあげる様に、あそこを這う舌。
電流が走り、つま先がぴんっと跳ね上がる。
「どくどくって、脈打ってる…♥ あむ…♥ 裏筋も、ぴくぴくして…♥」
幹を横から咥える彼女。動きを封じられるあそこ。
跳ねることで快感が逃げていたのに、それもできず、のたうつ魚の様に。
急激に降り注ぐ欲悦に、無意識に力が入り、余計ナカの指を締め上げて。
快感から逃げられない僕を襲う…二度目の、射精感。
「んぐっ…♥ ぢゅっ…♥ いっぱい、だひて…♥ ぢゅるっ…♥」
先端から、一気に根元まで滑り込む、濃厚なフェラチオ。
その、糸を引く愛液と蜜と唾液の混合液、響き渡る水音が、
僕の蕩けきった心に、まだ止まない熱を注いでは、焦がしていく。
お尻の指も、まるで僕が彼女とセックスをしている時のように、
激しく僕のナカを出し入れしては、速さと刺激を増していく。
僕自身も、指と、口の動きに合わせて、腰を動かして、蔓を揺らし、
彼女の名前を呼んで……ねだって……白く溶けていく………。
「ふ…ぅっ…♥ ぢゅ…♥ ぢゅううぅぅぅっ♥♥♥」
根元まで飲み込まれたあそこが、強く吸われ…同時に、指に奥を突かれて………っ。
「んんっ…!♥ んっ…♥ んくっ…♥ ごくっ…♥」
「ぢゅる…っ♥ ごく…♥ ごくんっ…♥ はっ…♥ こくん…♥」
「ん…♥ ちゅっ……ぢゅ…♥ こくっ…♥ ……ちゅぅぅぅっ…♥ こく…♥」
「………はぁっ…♥ …キミの精子って、いつもどろどろ…♥」
「濃くって…咽に絡んで…♥ 普通は、薄くなるか、出なくなるものなのに…」
「そんなに、いつも気持ちいいの? …それとも……私だから…?」
「もしそうなら…嬉しい…♥ キミを選んで、よかった…♥」
…蔓が下がって…その間に、花弁の壁に手を付き、お尻を突き出す彼女。
ぷりんとしたそれの隙間に覗く、女性のエッチな…二つの穴。
その上側を、指で広げながら…。
「こっちに…入れるね♥ 今、そんな気分なの…♥」
誘惑する彼女の、その場所へ導くように、蔓が動き…その内の一本が、
僕のあそこに絡んで、擦り、大きさを保ちながら、ずれないよう支え…少しずつ……。
「ぁ…♥」
彼女の背に覆い被さって、新緑色の髪…森の中の様な香りに顔を埋めながら、
先端があてがわれ…腰を支える蔓が、ゆっくりと前に押し……。
「あぁっ♥♥♥」
つぷん…と、やさしく受け入れられた…。
「あ……ぁっ…♥ 熱…ぃ…♥ おしり……やけどしちゃう…っ♥」
それは、僕も同じで…あそこが、ひどく熱く…感覚が無くなりそうなまでに…。
眠っているのか、起きているのか分からない頭の中に、火花が散り飛ぶ。
「ぇ……あっ…?♥ ひゃうっ!?♥♥♥ やっ…、そんな、もうっ…♥」
急に、声を上げ、ぶるぶると身体を震わせる彼女。
何が起きたのか…そう思う余裕さえ、今、僕には無い。
「でてる…っ♥ あっ…♥ とけちゃうっ…♥ 精子で、おしり…っ…♥」
気持ちよかった。僕が僕じゃなくなりそうなほど。
今まで見た夢の中でも、一番。夢ごと溶け消えてしまいそうなほど。
「くぅんっ…♥ …う、動かす…ね…っ♥ その方が…気持ちいい、よね…♥」
しなやかに、蔓が、破裂しそうな僕の身体を動かす。
身体がぶつかる度に、脳内に響く耳鳴り。弾け飛びそうな身体。
蕾の中が、まるで夏の夜のように蒸し暑い。
「はうぅっ♥ きもちいっ…♥ きもちいいっ…♥ 射精されながら…♥」
「射精されながらのアナルセックスッ…♥ きもちいいっ…♥ やぁっ…♥」
彼女の身体に絡まっていた蔓が蠢き…解かれ、蜜のプールへ沈む。
そして、その身にたっぷりと纏わせて…二人の身体へ、妖しく絡まる。
二人の耳や胸をくすぐり、二人のお腹やお尻を撫で、二人を密に浸して…。
違うのは、僕のお尻を犯す一本と、彼女のアソコを広げ、弄る三本。
「んぅっ♥ せいしっ♥ もっとっ♥ おしりっ♥ おしり、どろどろにしてぇっ♥」
淫ら乱れ、蜜滴らせ、彼女は喘ぐ。
僕は彼女の意思のまま、突き入れ、犯し、同じに喘ぐ。
永遠に続きそうなほどの狂宴。静寂の世界を花弁の向こうに。
不意に、その幕は色を変える。
「あっ♥ やぁっ♥ も…もれ、ちゃっ……っ♥ きゃうぅぅんっ♥♥♥」
ちょろちょろと…大きな水音と共に、蜜に降り注がれる液体。
彼女のアソコを弄る蔓が、ぷっくり膨らんだ部分を刺激したせいか…
そこを擦られながら、彼女は膝を折り、がくがくと震え…おもらしをしていた。
「だめっ…♥ だめぇぇ…♥ みないでっ……♥」
……無意識に、動かないはずの身体が動いた。
「きゃうっ!?♥♥♥」
蔓に逆らい、お尻から抜いて…。
「ひゃああああぁぁぁんっっっ♥♥♥♥♥♥♥」
広げられたそこへ、一気に奥まで突き入れた。
「っ…♥ ひぅっ…♥ あ…ぁっ♥ やっ…ぁぁぁぁっ…♥」
太腿に感じる、熱い液体。
おもらしなのか…別の何かなのか…分からない。
ようやく、視界が暗く…意識が落ちていく……。
「い…いっぱい…っ♥ いっぱい流れてきてるっ…♥ あはっ…♥」
「受精、してね…♥ 春になったら…いっぱい、飛ばそうね……っ♥」
最後に…大きく、どくりと吐き出して…。
「いっぱい…♥」
僕はまた、眠りについた…。
……………
………
…
「…おはよう♥」
目を覚ますと、彼女の微笑み。
「今度は、すぐ起きちゃったね。疲れてない?」
寝惚けた頭で、言葉を理解して、頷く。
「…私も、少しだけ寝ようかな…」
僕の頭を抱えながら、瞳を閉じる彼女。
「…次に目が覚めたら、春になっているかもね…」
雪積もる中、花弁に囲まれ、身を寄せ合う二人。
「でも、私は…」
蕾の中でふたりきり。
「もう少しだけ…冬がいいな…♥」
僕らは春を思い描く。
……………
………
…
12/05/11 19:07更新 / コジコジ