光さえ呑まれそうな洞窟の奥底。
その土壁に、なんとも不釣り合いな鉄の扉。

「勇者様！」

重く、軋む扉を開くと…聞こえてきたのは、懐かしく、待ち侘びた声。

踏み入れた先は、まるで洞窟から城へ通じたかのような、煌びやかな部屋の中。
金糸の刺繍を施された真っ赤な絨毯に、一流の彫刻家が尽くしたかの机、
燭台さえ贅沢な装飾に飾られた銀作り…と、彼女には相応しい部屋と言える。

ただ、ひとつだけ…。
一国の姫である彼女が、鉄格子の向こう側にいることを除けば。

「あぁ…、ずっと貴方の助けをお待ちしておりました、勇者様…」

安堵のせいか、声が小さくなり、へなへなと膝を付く姫。
そうなるのも当然だ。自分が不甲斐無いばかりに、１ヶ月も待たせてしまった。
その間、いかに寂しく、辛く、恐ろしい思いをしたことだろう。
姫という身分が通じぬ場所では、彼女は、ただの女性と変わりは無いのだから。
もともと細身であった身体が、ますます細くなってしまったように見える。

…改めて、辺りを見回す。
姫を攫った魔物の姿は無い。道中にも、凶暴化した野獣がいた程度で、
この洞窟内ではまだ魔物を見てはいない。何処に潜んでいるのだろうか。
あるいは、姫を置いて、何処かへ行ってしまったのだろうか…？
いや、さすがにそれは無い。自分がここに向かってきていたことは承知の筈だ。
ならば、きっと自分が姫を救い出す瞬間を狙って仕掛けてくるに違いない。

陛下より賜った剣を抜き、周囲を警戒しながら…檻へ近付く。
私の行動に察した姫が、鉄格子から離れ、心配そうにこちらを見つめる。

張り詰める空気。緊張感。
どこだ？ どこから来る？ 抜け穴の様なものは無い。隠し扉か？
檻の中も、薄暗いものの…奥の壁まで、姫以外の影形はない。
あるものといえば、これまた豪華な食器と、用足しのための排水溝。
排水溝の幅は、例え子供であっても、身を潜めるには狭すぎる。
…仮に入れたとしても、いくら魔物でも、あそこは避けるだろう…。

「勇者様…」

不安げな声を出す姫を見据え、頷き…一閃。
響く金属音と共に、錠前は砕かれ、破片を床へと散らした。

扉を開き、すぐさま自分の背後へ身を寄せる姫。
本当ならば、抱き締め、優しい言葉を掛けて、安心させたいところであるが…
未だ自分達は悪意の腹の中、一瞬たりとも気を抜くワケにはいかない。

「………」

ゆらゆらと揺れる、蝋燭の灯火。

…にじり寄る様に、薄暗い洞窟へ戻る扉へと近付いていく。
意識は壁に、天井に、床に。どこから何が来ようとも、姫を守れるように。
姫と私は、主と従以上の存在であるが故に。一際、その想いを勇気に変えて。

「…勇者様…」

白魚の様な指が、両の肩に添えられて。
大丈夫、と声を掛けて、出口へ手を伸ばす。

後、襲われる危機があるのは、この瞬間だけだ。
一番あり得るのは、扉を開けた向こうからの不意打ち。
次点、扉を開けると同時に、背後からの不意打ち。
その次が、扉を開け切り、何もいないと安堵したところへの不意打ち。
いずれにしろ不意打ちだ。が、洞窟を出るまでは、隙を見せる気はない。

どこからでも来い…！ 返り討ちにしてやる！

「私を疑うことを、お忘れじゃないですか？」

不意に…か細い指が……私の身体を、肩から地べたへ叩き付ける。

一瞬、何が起きたのか分からなかった。
ひっくり返る天地に、気が動転している内に…ガラスの靴が剣を蹴り飛ばし、
シルクのドレスが覆い被さって…足が腕の、手が脚の、自由を押さえつけた。

くすくす…と、今まで見たこともない、悪戯な笑みを浮かべる彼女…。

「愚かな勇者…。変化の魔術も見破れぬとは」

瞬きをすると…その姿はもう、見知った彼女ではなくなっていた。

雄々しい角に、凛々しい翼、深緑色の鱗に覆われた、艶めかしい身体。
手足には、巨岩をも容易く持ち上げ、切り裂いてしまいそうな力と爪。
鞭の様にしなる尻尾を背後に、浮かぶ笑みに覗く鋭い牙。黄金の瞳。

古に、歴史と国、人々を脅かした存在…ドラゴン。

「我が祖先を討ちし勇者の子孫…。平和を貪り、衰えたか？」

勝者の放つ、余裕と、嘲りの言葉。

完全にやられた…。まさか、変化の魔術を使えるなんて…。
いや、もしかしたら魔法薬を使ったのかもしれないが…今重要なのは、そこじゃない。
どうやって、この組み付かれた状態から脱出するかと、本物の姫は何処にいるのか。

全身に力を込め、なんとか解こうともがきながら…彼女は何処か、叫び問う。

「貴様の愛する姫ならば、そこにいる」

魔物が、口から小さな炎を噴き…それは石壁に当たり、炎となった。
そして…炎が消えていくと共に、同じ光景…その声と、その姿が、目の前に。

「勇者様ッ！」

鉄格子の向こうで叫ぶ、姫の姿。
姫、と呼び返す前に…ふと、あることに気付く。

…肥えている。
いや、ひどいと言うほどではない、多少ぽちゃっとした程度だ。
姫は細身の体型だったからこそ、際立って見えてしまうだけで。
お肉がはみ出しているとか、そんなレベルまでもいかない、
こう…お腹周りとか、摘めそうだなぁ…ってくらいの肉付き。

…何故？

「勇者。貴様は痩せた女性が好みと聞く」

頬に尾を添え、視線が絡む様に直す魔物。

「性癖だけでなく、武勇伝も…。勇者の名に恥じぬものだ」

稀にさえ見ぬ端整な顔が…吐息の届く距離まで、近付く…。

「どうだ…、我の夫にならぬか？」

「貴様は、愚かで弱い他の人間とは一線を画す存在だ」

「我の夫となれば…我が財宝も、我が身も、貴様に捧ごう…」

「無論、姫も返そう。夢の様な取引であろう…？」

じっと見つめ…誘惑、甘言を囁く魔物…。

魔物の夫となること。それはつまり…国を…人間を裏切ることに等しい。
身も心も堕落し、インキュバスとなって、魔物の侵略に手を貸す…。
その日々は性欲だけに満ち溢れ、ただただ、停滞した時間を繰り返す。

世界に嫌気がさした者ならば、喜んで身を差し出すだろう。
だが、自分は違う。守りたい国があり、守りたい人がいる。
すぐ傍で、その守りたい人が、私に助けを求めている。

こんな戯言に…惑わされるものかっ！

「ぬっ！？」

力を振り絞り、ドラゴンを払いのけて、姫のいる檻の前まで下がる。
できれば、その過程で剣も拾いたかったが、如何せん、逆方向だ。

「…ふふ。凄まじい力…。やはり、我をも超えるか…」

…さて、どうするか。
まずは姫を檻から出すことだが、剣が使えないとなると、魔術で破壊するしかない。
そうなると、爆発の魔術…。しかし、爆発の魔術は詠唱が長い。十中八九邪魔される。
とはいえ、他に方法は無いのも事実。一か八か、ここは賭けてみるしか…。

「仕掛けておいて、正解であったな」

………？

……………っ！？

「ゆ、勇者様…？」

突如…奥底で鳴り響く、場違いな感情。

身体は熱持ち、鼓動は速く大きく、思考は乱れ、視界は霞み…。
研ぎ澄まされていた神経、込められた力…どちらもがぷっつりと切れ、
姫の前で、情けなくも立っていることさえ難しくなり…身を屈めた。

欲情してしまっている。
苦痛を感じるほどに、ペニスは勃起し…姫の声、ドラゴンの声、
二人の姿に興奮を覚え…今にも襲い掛かりたい欲望に駆られる。

これは…いったい……っ。

「さすがは宝物級の媚香だ…。ふふっ…、我も狂いそうだ…♥」

近付いてくる…姫を攫った魔物。
反射的に、構えなければ…と思うも、それもすぐに塗り潰され、
彼女が歩く度に、映える太腿や、揺れる胸に目が行ってしまう。
何度自分を叱咤し、意識を切り替えようとしても、すぐに、また…。

「さぁ、勇者よ、愉しもう…♥」

気付けば、目の前に……発情した女性の姿……。

「勇者様…」

呼び掛けに、ハッとし、そちらへ振り向く。
姫を、姫を守らなければ。私は姫のことをっ…。

「勇者様ぁ…♥ はっ…♥ んんっ…♥」

…目に映ったのは……淫らに己の身体を貪る、雌の姿。
鉄格子に掴まり、そこへ股を擦り付けて…嬉しそうに…。

愛液に濡れた鉄格子は、にちゃにちゃと粘っこく糸を引き、
滲みて色が変わった下着をぐりぐりと刺激して、快楽を与えている。
恥ずかしげもなく、大股開きで…角度を変え、動きを変え、
艶声を漏らしながら、行為に耽る一国の王女……私の思い人。
なんて浅ましく、なんて愚かしく、なんて自制のない…。

…それは、私も同じで。
その姿に…いつの間にか下を脱ぎ、ペニスを扱いている、私も…。

「自分で慰めるのか？ 勇者…♥」

ふと、ペニスを擦る手を包む…大きな、魔物の手。

ドラゴンの手。見た目とは裏腹に、柔らかく、温かく、優しい手…。

「手を貸そう…♥」

手が添えられたまま、再び動き始める…。

擦っているのは自分の手の筈なのに、動かしている意思がないだけで、
まるで違う誰かの手に奉仕されているかのような錯覚を覚える。
硬く、熱持ち脈打つそれは、愛液をどんどん吐き出して…。
自分の手とドラゴンの手、その両方に絡み、糸を引いて…。

次第に…姫と同じ様に、快楽に呑まれていった…。

「ほう…、こちらも勇者の名に恥じぬな…♥」

空いた手で、亀頭を擦り始める彼女。
鋭い爪に、一瞬腰が引け…襲い来る刺激に、再び腰を引いた。

まるで手の中の小石でも弄るかのようなその手つきは、
時に乱暴に…時に優しく、先端に、辛さと甘さを混濁させた刺激を与える。
辛い時には、目の前に火花が散り、息も詰まるような強烈な快感が…、
甘い時には、意識が蕩け落ち、呼吸さえ忘れそうな柔軟な快感が…。

竜の逆鱗とは逆…、触れられれば触れられるほど、屈服しそうになる気持ちが…。

「勇者様ぁ…♥」

姫の声。見ると…目の前に、火照った彼女の顔。

潤んだ瞳。少し細く。何を求めているのか。言わなくても、分かる。
彼女の癖。彼女の性癖。何度見ただろう。あの日まで、夜を迎える度に。

そっと瞼を閉じ…顎を少し前に出す彼女の唇に……私も……。

「勇者」

と…顎に手を添えられ、その向きが変わる。

「んむ…♥ ちゅっ…♥」

「ぁ……」

触れ合う…唇。

半ば、食べられるような口付けは…すぐに、深いものに。
犬歯が唇を撫でながら、中に送られる濃い唾液。舌と共に。

そして、貪られる口内。
心構えができていない舌は、逃げる間もなく、絡め取られ。
撫でられ、引っ張られ、噛まれ、弄ばれ…敏感に反応する。
歯も、歯茎も、頬肉も、咽奥まで、彼女の舌は余すところなく。
隅から隅まで…丹念に愛撫し……それは、脳を麻痺させるほどの…。

「ふふ…♥ 肥えた姫より、好かろう？ ちゅ…♥」

「ゆ……勇者、様…」

狂おしいほどの快感に、ペニスが弾けんばかりまでに膨れ上がる。

射精る…。その、前兆。
ここまでなってしまえば、後はもう、刺激しなくても出てしまう。
これ以降の刺激は、ただ、出すのを速め、量と快感を増すだけのもの。
それでも、彼女の刺激は止まず、私の心も止めてほしいとは思わない。
もっと強い刺激を。もっと強い快感を。もっと強い欲望を。

それらの想いが、飽く無きまでに高まって………。

「ん…♥」

真っ白になり、弾けた。

「きゃっ！？♥」

「果てたか…♥ どうだ、姫？ 久方の勇者の味は…♥」

腰を震わせ…鉄格子越しの、姫の顔に子種を吐き散らす。
多く、留めなく溢れる精液に、顔が白く染められていく姫…。
その姿に、罪悪感と…それ以上の興奮を覚え、ペニスは更に滾り…。
次々と精子を飛ばしては、昂る気持ちを僅かずつ冷ましていった……。

「あ…ぁ……♥ 勇者様の…♥ はっ……ぺろっ♥ ちゅぅ…♥」

顔に付いた白濁とした液体を掬い、恍惚の笑みを浮かべながら、
片手は口元に、掬ったそれを舐め上げ、片手は股間に、下着をずらし、
濡れそぼった秘部へ指を挿れ…膣内へそれを塗り付ける、堕ちた姫。

…落ち着きを取り戻してきた筈の心が、また、ぐらりと揺らいでいく…。

「貴様への施しは、それだけだ。後は全て…我が頂く…♥」

尻尾を私の首に絡ませて、ドラゴンが身を促す。

身に纏っていたものを脱ぎ、背を床に付け…股を開く彼女。
誘う、淫乱な女。ありきたりで、古典的で、それでも、男の心を乱す姿。
尻尾に引かれてか…自ら動いているのか…それさえも分からぬまま、
細身の彼女に覆い被さって……今だ鎮まらぬそれを、濡れる秘部にあてがった。

「…くぅっ……♥」

何の疑問も、抵抗も抱かぬまま…彼女の中に、ペニスを押し入れる…。
途中、引っ掛かりがあったものの、それにさえも、興奮を覚えて。
処女を突き破って……破瓜の血に心を掻き乱されながら……最奥へ…。

自分の最も敏感なところが…彼女の最も敏感なところに収まる…。

「…♥ 熱、い…っ…♥ これが……交尾……♥」

…とてつもなく……キツい……っ。
狭くはないが、締まりが強過ぎて、千切れそうなほど…。

それでも、痛いという感覚はほんの僅かで、渦巻くのは圧倒的な気持ちよさ。
ペニスを覆う襞は、凹凸が多く細かく、少し動くだけで雁首を撫で上げる。
潤滑も、言うまでもなく、接合部からこぼれるほど溢れて、床には小さな水溜まり。
先端は…一番奥の場所…子宮の口と、キスを交わしては、愛液を流し込んで…。

今まで経験したことのない…極上の膣内…。

「んんっ…♥ 勇者…♥ 早く…動いてくれ…♥」

「我を堕としてくれ…♥ お前の肉棒で……底の底までっ…♥」

………掴んで、ゆっくりと腰を引き……。

「あぁっ…♥」

抜けそうな位置まできて………思いっきり、腰を打ち付けた。

「ふああぁぁっ♥♥♥」

深く、大きいストローク。一度だけじゃない。何度も繰り返す。
打ち付けるたびに、ペニスから全身に響く…脊髄を貫く刺激の電流。
胸に込み上げる、吐き気にも似た感情。揺れる脳。散り飛ぶ汗。

「ひうぅっ♥ こ、こんなっ…♥ くぅんっ♥」

彼女もきっと、自分と似た感覚に襲われている筈。
彼女の膣内を打ち貫く杭。その刺激は、膣を貫き、脳天へまで。
でなければ、こんな表情になるワケがない。先程まで気高かった彼女が。
処女だというのに、自分から腰を振って、狂った魔物…淫靡な雌。

愛おしい。自分の与える刺激に溺れる彼女が、愛おしい。

「勇者様っ…♥ 勇者様ぁっ♥ 私もっ、私もぉ…♥」

…見ると……既に服を脱ぎ捨て、一匹の牝に還った者。
腰を上げ、秘部を広げ、指で掻き混ぜ…ここに挿れてくれと言わんばかりに。

…手を伸ばし…もう一本、涎を垂らす口に、指を突き入れる。

「ひゃひぃっ♥♥♥」

その瞬間、痙攣し…潮を噴く彼女。
しかし、手は休めない。私も、彼女も。キツく締まる膣内を押し広げる。
それに悦びの声を上げて、真っ赤に膨れ上がったクリトリスを摘み、
擦り潰すかの如くゴシゴシと扱く彼女の姿は、未だ見たことのない一面。

まるで…魔物の様な、性欲に身を捧げた姿。

「どうだ、勇者…？♥ んくっ…♥ 魔物との交尾は…♥」

身を捩りながら…問い掛けてくる、もう一匹の牝。

「貴様が望むなら、姫もこのまま、ここに置いてもいい…」

「好きなだけ犯せ…。それが、貴様も、姫も、望む幸せだろう？」

…望む……幸せ……。

「はぁっ…♥ …我は、貴様の幸福、そして我の幸福を求む…」

「それが……んんっ…♥ …それが…我との契りだ…」

「我を至上に愛せ…。あらゆるモノの、最もたる存在として…」

「貴様が姫を愛した以上の愛を…我に……。くぅっ…♥」

……限界が近いことを感じ…動きを、深い場所で、小刻みなものへ移す。
擦り上げ、最奥を突く度に、根元に溜まっていた濁りが上ってくる…。
先程よりも強い締まりが、更にそれを加速させて。思考を、想いを呑み。

その全てを、そこから出してしまいそうに……。

「我も…あっ♥ あぁっ♥ わ…我もっ…♥ んっ♥」

………最後に……もう一度だけ、ゆっくりと腰を引いて……。

「我も…勇者の、守るものに……っ♥」

思いっきり、打ち付けた。

「加え……あああぁぁぁぁぁっっっ♥♥♥♥♥」

………彼女を強く抱き締め………全て、吐き出した。
待ち侘びていたように、彼女の子宮口は自分の先端に吸い付き、
精液を吸い込む様に受け入れて…互いに快感を与えている。
彼女の強い腕と足、尻尾、そして牙は、私を少しでも離すまいと、
がっちりと身体に組み付いて…射精の度に、ぶるりと震えた。

「ぐぅっ…♥ く…ぅぅ…ぅっ……♥ ゆうしゃ…ぁ…♥」

噛み付かれた首筋、爪が喰い込む背に、鈍い痛みが湧き上がる。
それと同時に感じる…そこまで彼女が満足したという、達成感。

一刻にも満たない時の中。いつの間にか、彼女に心奪われる、自分自身。

「はっ…♥ は…♥ ……ぇ…あっ！？♥ やっ♥ ま、まてっ…♥」

そして、渇望する。己の欲望を満たすために。
達し、震える彼女の身体を、まだ治まらぬ欲望で襲い掛かる。

「ゆ、勇者ぁっ♥ あっ♥ うぁっ♥ はぅぅっ♥」

嬌声。淫らな水音。肉のぶつかり合う音。

全ては、洞窟の奥へ消えていった………。

……………

………

…

「勇者ァァァァァッ！！！」

山をも震わせんばかりの怒号で、鉄の扉を蹴破り入ってくる彼女。

「勇者様ぁ…♥ んむっ♥ ちゅっ♥ ぢゅぅ…♥」

それにもお構いなしに、私のペニスを美味しそうにしゃぶる彼女。

「姫とは一日一回までと決めた筈だ！ それを、よくもっ…！」

「勇者様のおちんちん、おいひぃ…♥ んくっ…♥ ぺろぺろ…♥」

二人の彼女が、私を間に、片方は怒り、片方は悦び、感情をぶつける。
当然ながら、言うまでもなく悪いのは私であり、取れる行動と言えば。

…苦笑い。

「この浮気症め…！ 今日という今日は許さん！ 消し炭にして…！」

あっ。

「ひゃうんっ♥ …あ、ドラゴンさんの顔にまで…♥」

「………」

…いやー、よく飛んだなぁ、あそこまで。
我ながら感心な飛距離だ。なんで飛ぶかなぁ。ハハハ。

「…勇者ァァァッ！！」

目にも止まらぬスピードと、抵抗も敵わない力で、あっさり押し倒される。

あぁ、私、死ぬかも。

「５倍だ！ いつもの５倍を出さねば許さんっ！ れろっ♥ ぢゅるっ…♥」

…５倍。つまり、２リットル。

あぁ、やっぱり死ぬかも、私。

「勇者様♥ 私にも、いっぱい出してくださいませ♥」

……あぁ……。

「んぐっ♥ ぢゅっ♥ ぢゅるるっ♥ 勇者…♥ れろ…♥」

「ちゅぅ…♥ ちゅるっ♥ んく…♥ 勇者様…♥ ぺろ…♥」

幸せだなァ……。

……………

………

…