咎幸護者
大切な人を、この手で護りたい。
それは私にとって、唯一の願いだったのに。
「駄目…。ソラ、見ないで…っ」
掠れた声。言葉すらまともに発せない。
手も、足も、指さえも動かせない。視界はおぼろげ。意識は虚ろ。
私の身体は、もう、私のものではないのだと。そう示すかのように。
しばらくすれば、この思考さえも、魔物に奪われてしまうのだろう。
あぁ、私はなんて無力なんだ。
優秀な騎士だと持て囃され、その気になっていた。
師をも負かした剣の腕を前に、敵などいないと思っていた。
自惚れだったのだ。全て。
その結果が、これだ。たった一匹のスライムに、いいようにされている。
唯一の肉親の…弟の前で、痴態を晒してしまっている。情けない。恥ずかしい。
「お願い…。こんな…こんなお姉ちゃんを見ないで…」
でも、全部私のせいだ。私が情けを掛けたから。
積み荷に紛れていたこいつを、逃がしてしまった私のせい。
時代に乗り遅れたスライム一匹、危害はないだろうと思ってしまった。
そんなことはなかった。こいつもまた、新たな魔王の力により進化していたのだ。
隙あらば襲い掛かり、甘い誘惑や、淫らな行為によって人を堕す、邪悪な魔物。
愚かにも、それを見抜けなかった私は、こうして敵の手中に落ちてしまった。
「逃げて…、ソラ…。はやく……っ」
これは罰だ。魔物を見逃した私に、主神様が下された罰。
なら、甘んじて受けるべきだろう。そして、処されるべきだろう。
どうせ、この魔物は街から出られない。逃げ切れるはずがないんだ。
私からの定時報告がなければ、遅かれ早かれ、仲間が様子を見に来る。
そうすれば、魔物は私もろとも、騎士達の剣に貫かれ、命を落とすだろう。
私の穢れた御魂も、神父様の祈りによって浄化され、天に昇ることができるかもしれない。
なら、それでいい。騎士になると決めた時から、覚悟はしていた。
これは戦争なのだ。人間と魔物、互いの生き残りを賭けた戦争。
ならば、屈辱的な最後もありうる。それを承知の上で剣を取った。
護りたいもののためならば、捨て駒となるのも怖くなかった。
「や、ぁ…っ♥ おっぱい…揉まないで…ぇ…♥」
…でも。それも出来ない状況になってしまった。
目の前に、弟がいる。ソラがいる。私が護りたい、ただひとりの人が。
仲間が来るのを、悠長に待ってなどいられない。事は一刻を争う。
私がこの手で、彼を襲ってしまうかもしれないという現状。
嫌だ。そんなこと、耐えられるはずがない。死んだ方がマシだ。
こうして、震える彼を見ているだけで、息が詰まるほど辛いというのに。
もし、そんな最悪の事態が起こってしまえば、私は、私は…。
「あぁ…♥」
しかし、そのような胸中を知ってか知らずか。
魔物は私を抱えたまま、ずりずりとソラの方へと近付いていった。
恐怖で腰が抜け、立つことすら出来ない、哀れな弟の傍らへと。
やめて…。やめて。やめて!
私は何度も叫んだ。だが、口から漏れるのは、甘い喘ぎ声ばかり。
表情は蕩け落ち、身体は火照り、汗が滲み、愛液が太腿を伝う。
それは、騎士の威厳など微塵も感じられない、痴女の姿そのものだった。
誇りは砕かれ。恥に塗れ。自身の悲痛な叫びが、頭の中で響き渡る。
泣きたくとも、涙も出ない。改めて感じる。私はもう、私ではないのだと。
「…ソ、ラ……」
ソラ。私の可愛い弟。たったひとりの家族。
お父さんも、お母さんも、御国のために、遠い戦地へ行ってしまった。
月々届くお金が、残された私達と両親とを結ぶ、唯一の繋がりだった。
それも三年前、一枚の手紙とともに途絶えてしまった。帰らぬ人となった。
私は両親の意思を継ぎ、騎士となった。生活のため。ソラのため。
騎士として過ごす日々は、とても辛いものだった。自分が女だということを忘れるほどに。
手にはいくつもの血豆ができ、小さい頃から綺麗に整えていた爪は、三日でボロボロになった。
給料も、入りたての頃は、その日暮らしが精一杯…という程度にしか貰えなかった。
友達にお金を借りたこともあった。生まれて初めて、土下座というものをした。
戦地送りを見逃してもらうため、隊長にも頭を下げた。その分、給料を減らされた。
弟にだけは不自由させまいと、三日間、何も食べずに過ごしたこともあった。
一転する生活。両親の死を境に始まった、辛く苦しい日々。
それでも、私は頑張った。周りから認めてもらえるよう、死に物狂いで努力した。
どんどん地位を上げ、いくつもの勲章を貰い、剣の腕は国内で一、二を争うほどになった。
結果、生活は少しずつ豊かになった。両親を失い、泣いてばかりいたソラに、笑顔が戻った。
…嬉しかった。弟の笑顔だけが、私の生き甲斐だった。
七つも歳の離れたソラは、甘えん坊で、いつも私にひっついていた。
お姉ちゃん、お姉ちゃんと、事あるごとに私を呼ぶ彼は、小犬のようで。
でも、我慢強い一面もあって。私と剣の稽古をする時、弟は決して根を上げなかった。
私が勤めに出ている間、家でひとりぼっちにされても、文句ひとつ言わない。
率先して家事を手伝ってくれて、最近では、私よりも料理が上手になった。
自慢の弟だ。どこに出しても恥ずかしくない、立派な弟。
彼は幸せになるべきだ。苦労に見合う対価を得ていいのだ。
主神様に代わって、彼に大いなる祝福を与えるのが、私の役目だ。
笑顔を与えたかったんだ。
ずっと、ずっと、彼に笑顔を。
こんな…、こんな悪夢なんかじゃなく…。
「…ごめん、ね…」
どうして、道を誤ってしまったのだろう。
一時の気の迷いが、再び闇を招き入れてしまった。
そのせいで今、私は自らの裸体を、こうして弟の眼前に晒している。
弟に裸を見られたのは、初めてではないとはいえ、それは小さい頃の話だ。
互いの背を流し合ったのは、もう五年も前のこと。私が十二になると同時に卒業した。
今でもたまに、一緒にお風呂に入ることはあるが、ちゃんとタオルを巻いて隠している。
私はもちろん、ソラも、もう異性の裸を気にする年頃なのだ。当然の配慮だろう。
言うまでもなく、恥ずかしかった。顔から火が出そうなほどに。
胸はあの頃よりも膨らみを増し、走れば揺れるほどに成長していた。
下は、年配の騎士達から、安産型だとからかわれるような代物だ。
どちらも、恐らくは充分に、女性として望ましい発育を遂げているだろう。
だからこそ、恥ずかしい。弟に、私の女としての部分を見られているのが。
人間には三つの欲がある。それは教本によると、食欲、睡眠欲、そして性欲だ。
これらは本能との結び付きが強く、表に出さずにいるのが難しいと云われている。
つまりだ。空腹になると、お腹の虫が鳴くように。眠いと、あくびが出るように。
性欲もまた、表に出てしまうのだ。それは、その性別だけが持つ箇所に、顕著に表れる。
男性で言うなら、勃起がそうだ。それは神の教えに反する、恥ずべき反応である。
だが、生理現象は抑えられない。だから、下着で覆う等をして、それを隠すのだ。
その点、今の私はどうだろう。
服ははだけ、下着を剥かれ、女性の部分がありありと表に出ている。
本能が…心が剥き出しになっているのと同じだ。隠し事などできない。
全部見透かされてしまう。私を見ている人に…ソラに、私の全てを。
「ごめんね…、ソラ…」
懺悔する。目に前にいる弟に、ひたすら許しを乞う。
朦朧とする思考を叱咤し、せめてもの償いの言葉を述べる。
「ごめん……ね…」
…何を? 私は何のことに対して、彼に謝っているのだろう。
こうして、痴態を晒していること? 魔物を逃がしてしまったこと?
今にも彼に襲い掛かろうとしていること? 頼りない姉のこと?
そうだ、全部そう。でも、違う。
それら以上に、私には、彼に謝るべきことがあった。
誰にも…弟にさえも打ち明けていない秘密があった。
そう、私は…。
「ソラ…ぁ…♥」
私は、ずっと前から。
弟を愛してしまっていたのだ。
「あんっ♥ ふぁ…っ、ぁ…♥ ソラ…♥」
その愛は、家族としてのものではない。姉弟としてのものでも。
異性として、だ。私は彼を、ひとりの男として愛してしまったのだ。
当然ながら、それは教団の教えに反する、禁断の愛だ。
だが、私は自分の想いに逆らえなかった。溺れてしまった。
いつからそのような感情が湧いたのか、正確には自分でも分からない。
ただ、二年ほど前から、私は弟を性欲の捌け口とし始めたのは覚えている。
夢の中で、恥ずかしがる弟を押し倒し、何度となく彼の貞操を奪った。
そうして自分を抑えないと、現実でも、彼に襲い掛かってしまいそうだったから。
しかし、劣情は治まるどころか、激化する一方だった。
弟の汗が染み込んだ、服やシーツの匂いを嗅ぐのは、もはや日常茶飯事。
彼の部屋のくずかごを漁り、精が染み付いた紙屑を拾い集めたこともあった。
他にも、ソラが愛用していた羽ペンを拝借し、それで自身を慰めたりもした。
留守の時を狙って、弟のベッドで行為に及んだ時は、我ながら変態だと思った。
だが、事実だ。私はそれほどまでに、弟を愛していた。
だから…だから、こうして今にも、愛する弟に襲い掛からんとする現状に。
愛するソラに、自身の女性である部分を、余すところなく見られている現状に。
私は、恥ずかしいと同時に…興奮してしまっていたのだ。
「見ちゃダメ…。やっ♥ むこう…向いて……きゃうっ♥」
死にたい。今すぐ死にたい。死ねるものならば。
私は弟に裸を見られて、興奮している。愛液を流している。
そんな姉を見て、ソラは幻滅するだろう。愛していることを知られれば、もっとだ。
しかし、隠そうにも隠せない。乳首は痛いほどに硬くなり、アソコはひどく熱い。
魔物による呪いの影響が、どれほどのものなのか、私には分からない。
ただ、仮に今、魔物が私を解放しようとも、この熱が治まることはないだろう。
間違いなく、彼を襲ってしまう。夢と同じように、弟の初めてを奪ってしまう。
だから…だから、私はこの状態を、悔しく思う反面。
同時に、喜んでいた。これで弟を襲っても、言い訳が立つ…と。
「やぁ…っ♥ さきっぽ…弱いの…ぉ♥ ひぅんっ♥」
酷い姉だ。きっと両親も、天国で私を侮蔑しているに違いない。
でも、いい。弟にさえ気付かれなければ、それでいい。
魔物のせいだ。全部、この魔物のせい。これは私の意志じゃない。
…それに、ほら。
「ぁ…♥」
ソラも、逃げるどころか…オナニーを始めていた。
私の裸を見て、皮被りのオチンチンを、一生懸命扱いていた。
可愛い。可愛い。可愛い。世界一可愛い。
お姉ちゃん、お姉ちゃん…って、切ない声で私を呼ぶのが可愛い。
前屈みになって、顔を真っ赤にして、必死に擦っているのが可愛い。
目尻に涙を溜めて、申し訳なさそうに私の裸を見ているのが可愛い。
分かるよ。分かる。ソラも、自分の意思でしているんじゃないんだよね?
魔物のせい…ううん、お姉ちゃんのせいなんだよね。お姉ちゃんがはだかんぼだから。
お姉ちゃんの裸を見て、エッチな気分になっちゃったから、そうしているんだよね。
「ソラ…♥」
愛する人の名を呼び、右手を前へ伸ばそうとする。
すると、つい先程まで、テコでも動かなかった手が、するりとスライムの身体を通り抜けた。
自由になったのだ。この束縛から、脱出するチャンスが訪れた。千載一遇の機。
「………」
…が、しかし。
「…お姉ちゃんが、シてあげるね…♥」
私は、そのまま弟へと手を伸ばし…彼の小さなペニスを掴んだ。
その刺激に、小さく呻き、身体を震わせるソラ。可愛い。
なぜ、自由になった手で、魔物を振り払おうとしなかったのか。
打撃は効きそうにないから? 剣がスライムに取り込まれたままだったから?
違う。弟が可愛かったからだ。それ以上の理由なんてない。あるワケがない。
ソラが…あのソラが、私でオナニーをしているのだ。私が彼にしたのと同じように。
千載一遇の機とは、むしろこちらの方だ。弟と、お互い望み合いながらエッチができる今だ。
どうして私が、それを見逃せるというのだろう。二年以上も燻らせた、この想いを抱えながら。
王国の騎士としての肩書きも、ひとりの人間としての尊厳もいらない。
私は今、このチャンスをものにしたい。ものにしたいのだ。
「ふふっ…♥ 縮こまっちゃったね、恥ずかしいのかな?」
滾る私、対して、手の中でしおしおと小さくなっていくオチンチン。
緊張しているのだろう。このような状況下では、それも致し方ない。
「大丈夫だよ…。お姉ちゃんが、気持ちよくしてあげるからね…♥」
私は彼を安心させるため、笑顔を向けながら、五本の指を動かし始めた。
やわやわと動く指に、ペニスはすぐに反応し、ムクムク膨らみを増していく。
続けざま、睾丸に手をやると、どっぷりとした重みが返ってきた。かなり溜まっているようだ。
「おおきくなぁれ…、おおきくなぁれ…♥」
びくん、びくんと。最初は小指ほどもなかったオチンチンが、どんどん大きくなっていく。
熱も、硬さも、まるでサラマンダーの尾のよう。手のひらが火傷してしまいそう。
膨張を続けるオチンチンは、終いには人差し指ほどの大きさとなって、逞しく反り返った。
先端から覗く亀頭は、綺麗なサクランボ色。まだ穢れを知らない、無垢そのものだった。
「うふふっ♥」
ぷるぷる震える先端から、とろぉり滴るカウパー液。
そこからほのかに香る雄の匂いに、私はお腹の奥底が疼くのを感じた。
「…剥いたこと、ある?」
不意に、私がソラへと問うと、彼はビクンと身体を跳ねさせた。
なぜ驚いたのか。それはさほど考えずとも、答えが見えた。
弟としては、このまま会話もなく、終わることを望んでいたのだろう。
そうすれば、私を私と深く認識せずに、事を終えることが出来たから。
しかし、問い掛けられれば、答えを返す必要が出てくる。
そうなれば、相手を見る。相手のことを考える。私を姉と認識する。
今の震えは、まさにそれだ。今、エッチなことをしている相手を、姉と認識した。
触覚、聴覚、嗅覚に加え、視覚で私を認識した。五感のうちの四つで、だ。
ここからは、もう、弟も私と同罪だ。目の前の存在を、姉と認識した上での行為。
それはつまり、つまりだ。弟は私とのエッチを、望んだということだ。
私が夢にまで見た行為を、弟もまた望んだのだ。そう、両想いだ。
「…♥ そっか♥ 痛いもんね、自分で剥こうとすると…」
しばしの沈黙の後、おずおずと答える弟。瞳を潤ませながら。
可愛い。鼻血が出そう。我ながら、よく今まで我慢できたものだ。
「じゃあ…お姉ちゃんが、おクチで剥いてあげる…♥」
弟に向けるは優しい笑顔。心の中では舌舐めずり。
急く胸の内をなんとか抑えながら、私は彼のモノに顔を近付けた。
成長期のオチンチン。鼻腔をツンと突く、雄の香り。甘いフェロモン。
私は口先を尖らせ、そのままゆっくりと、弟のペニスを口に含んだ。
「あむっ…♥ っ……ふぅ…、ぅ…♥」
瞬間、舌先を痺れさせる、濃ゆい雄の味。ソラのオチンチンの味。
おいしい。唾液がこぼれる。涎が止まらない。一気にむしゃぶりつきたい。
だが、駄目だ。焦ってはいけない。落ち着け。
私がしたいのは、自分勝手なエッチじゃない。弟が悦ぶエッチだ。
こうして、舌を皮の隙間に入れて、潤滑油代わりに唾液を塗りつけ、
皮を、少しずつ、少しずつ唇で剥いていく…そういうエッチだ。
ほら。そうすると、ソラは気持ち良さそうに鳴いてくれる。喘いでくれる。
これだ。これが私のしたいエッチだ。これが私の悦びなんだ。
「ちゅ、ぺろ…っ♥ …んふふ、剥けちゃったね…♥」
深く、熱い吐息を漏らしながら、口を離すと。
そこには、立派に大人のオチンチンとなった、ソラのモノがあった。
きっとこの先端は、とても敏感で、触れただけで達してしまうに違いない。
触ってみたい。いや、しゃぶってみたい。そのまま口内で精液を受け止めたい。
「はぁ…っ♥ ソラ…、ソラのオチンチン…♥」
あぁ、涎が。涎が垂れ落ちる。
スライムの身体に、ぽたぽたと私の欲望が垂れ落ちる。
なんて可愛いペニスなんだ。皮を剥いても、なおこの愛おしさ。
これほどまでに私を惹き付ける、魔性の宝具。呪いのアイテム。
舌に残る彼の味が、私の本能に訴え掛ける。舐めろ、咥えろ、と。
山々だ。それは山々。だが、手でも愛したい。この手で扱いてあげたい。
胸も好い。鎧を着るのに邪魔だったこの駄肉も、ソラのモノを包む分には大活躍だ。
足はどうだ。マニアックすぎるだろうか。だが、ちょっといじめる感じも悪くない。
踏んであげると、ソラは女の子みたいに鳴くんだろうな。可愛いからな。
そこいらの女の子より、ずっと可愛い。ソラが一番だ。ミス・ナンバー1だ。
「うふ…、うふふふふ……♥」
…いかん、なんて短絡的な思考だ。脳までスライムにやられたか。
だが、悪くない。ソラが可愛いというのには、全面的に同意する。
それから私は、少し考えた末、まずは口ですることにした。
どうしても、舌にこびりついたソラの味が忘れられなかったからだ。
甘く、少ししょっぱい、弟のオチンチン。その味に、私は病みつきになった。
「んちゅ…♥ ちゅっ、ぢゅるっ…、あむ……れろ…っ♥」
唾液、カウパー、汗…。まるごと飲み込む。
舌を這わせ、垢すら舐め取る勢いで、彼のペニスを刺激する。
その快感に、弟は私の予想通りの声を上げ、身を捩らせた。
ビクビクと跳ねるペニス。すぐにでも達してしまいそう。
しかし、私は彼の限界を越える刺激を送り込み、それを先送りにした。
一種の麻痺。過ぎた快感により、神経を過熱させ、その働きを鈍らせる。
自身はもう射精しているつもりでも、中々ペニスまで指令が届かない。
長い絶頂。永遠にも思える射精感。それが今、ソラの身を狂わせている。
「ちゅぅぅぅ…っ♥ ちゅ、ちゅっ…、ちゅ♥」
鈴口に吸い付き、何度も先端にキスを交わす。
外気に晒されたばかりの亀頭を、これでもかと虐め抜く。
弟とキスする前に、彼のペニスと口付けを交わしてしまった私。
存外、悪い気分ではない。もちろん、普通のキスも、後でめいっぱいするつもりだ。
「ちゅぴっ…♥ ソラ、どう? もう、ピュッピュが出ちゃいそう?」
口を離し、ペニスに頬擦りしながら、彼に問い掛ける。
頬越しに伝わる、尿道の脈動。睾丸から子種が昇ってきている。
溜まりに溜まった、ネバネバと濃ゆい精液。まるでこの身を纏うスライムのよう。
狭い管の中を、我先にと精子達が駆け上がっているせいで、詰まり気味のようだ。
このまま何もしなくとも、数秒後には爆発するだろう。まるで、噴火直前の活火山。
「どうする? 顔にかけたい? それとも…ぺろっ♥ 飲んでほしい…?」
しかし、ただ待つのは勿体無い。
ソラと私、ふたりのエッチにおける、初めての射精だ。
私としては、顔中に浴びるのも、喉の奥で受け止めるのも大歓迎ではある。
だが、ソラはどうだろう。どちらの方が好きなのか。
私としては、彼が望むようにしてあげたい。顔でも、口でも。
膣内で出したいと言うのなら、すぐにでも挿入しよう。
まだ我慢したいのならば、スライムを使って、鈴口に栓をしてもいい。
さぁ、ソラ。ソラはどうしてほしい?
私は、ソラがしてほしいことをしてあげたいんだ。
ソラの幸せが、私の幸せなんだ。さぁ、ソラ…。
「…ふふ♥ あーん……ぱくっ♥」
私の身体で、幸せを感じてくれ。
「んぐぅ…っ♥♥♥ ふぅっ…ぅ…♥」
再び口に含むと同時に、勢いよく放たれる精子。
跳びはねるペニスの先端から、ドロドロとした白濁液が吐き出される。
それは私の口内を焼き、舌を焼き、咽を焼き…お腹の中へと下っていった。
そのあまりの粘り気と、鼻腔を突き抜ける匂いに、むせ返りそうになる。
「ちゅっ…ちゅぅぅ…っ♥ こくん…♥ ぺろっ、れろれろ…♥ ちゅ…っ♥」
だが、息が苦しくとも、私は一滴もこぼすことなく、彼の欲望を飲み干した。
尿道に残っているものは全て吸い上げ、ペニスにこびりついたものまで舐め取った。
全部、全部の精子が、私の口の中、胃の中だ。誰にも渡さない。私のものだ。
「ふは…っ♥ ソラの赤ちゃんミルク、すごいね…♥ お姉ちゃん、クラクラしちゃった♥」
口内に残った精液を咀嚼しながら、その味をじっくりと愉しむ。
弟の子種は、思った以上に苦味が少なく、その分、甘味が強かった。
まるでココアミルクのようだ。とことん可愛い。精液まで可愛い。
一方で、活きに関しては、野性味溢れる若さを感じる。
雄としての機能が働き出したペニスの、新鮮かつ濃厚な精子。
プルプルと震え、噛み応えのある弾力は、ゼリーかと見紛うほど。
これが膣内に注がれれば、雌は間違いなく妊娠してしまうだろう。
「…ふふっ…♥」
そして、その栄誉ある雌とは、私のことだ。
私だけが、ソラの精子を注がれる権利を持っている。
愛しているからだ。愛し合っているからだ。それ以上の理由はない。いらない。
「ねぇ、ソラ…」
渡すものか。彼の子種。この身を纏う魔物にさえ。
私のものだ。ソラは私のもの。愛していいのは私だけ。
誰かが触れてみろ。絶対にその者は許さんぞ。剣の錆にしてくれる。
「お姉ちゃん、なんだかうずうずしてきちゃったなぁ…♥」
そうだろう、ソラ? ソラも、お姉ちゃんが好いに決まっている。
このおっぱいに吸い付きたいよな? アソコに挿れてみたいよな?
私のことを考えながら、あんなにいっぱい、オナニーをしていたんだよな?
お姉ちゃんは嬉しい。すごく嬉しいぞ。
ソラを産んでくれた両親には、感謝してもしきれない。
私達も、お父さんとお母さんみたいに、いっぱい子作りしような。
二人なんて言わず、十人は作ろう。もっと沢山でもいい。どんと来い、だ。
「ここがね…♥ ほら、広げて見せてあげる…♥」
実はな、お姉ちゃんも、ソラでいっぱいオナニーしたんだ。
この前なんてすごかったぞ。ソラ、いきなりお尻に挿れるもんだからさ。
お姉ちゃん、びっくりしちゃったよ。でも、すぐに気持ちよくなって鳴いちゃった。
ソラもアンアン鳴いてたな。そのままお尻の中に、三回も射精するんだもんな。
まったく、お前の性欲には呆れ帰るよ。何? 人のことを言えない? ははっ、それもそうだな。
「こっちが、おしっこの穴…。そして、こっちが…」
…なぁ、ソラ。私、実はな、ちょっと後悔しているんだ。
こんな事態になる前に、ちゃんと告白しておけばよかったなって。
もちろん、そんなことをしたら、騎士の肩書きは剥奪される。
主神様もお怒りになる。私達は、再び貧しい暮らしを強いられる。
でも、ソラが許してくれるなら、それでもよかった。
ソラにとっては、どっちが幸せだったんだろう…って考えたんだ。
お互いの気持ちに蓋をして、今までの生活を続けるのと。
お互いに本音を伝え合って、新しい生活を始めるのと。
なぁ…。教えてくれ、ソラ。
「ソラが…今からオチンチンを挿れる穴…♥」
どっちが…お前の幸せなんだ?
「きゃっ!?」
不意に。突然ソラが前のめりになり、私を押し倒してきた。
あまりに予想外の出来事に、背中から床に…いや、スライムの上に倒れる私。
「そ、ソラ…?」
馬乗りになり、私を見下ろす弟の姿は。
飢えが限界に達し、獲物を前に、荒く息を吐く獣のそれだった。
弟も、れっきとした男だ。雄だ。
欲に逆らえるはずもない。彼もまた、狼の一匹。
目の前に転がるウサギを前にして、牙を見せないはずがない。
「…うふふ…♥」
私は、弟の変貌に胸を高鳴らせた。
これほどまでに、私を求めてくれるのが嬉しかった。
愛しいソラ。ソラにならば、この身を引き裂かれても構わない。
噛み付かれたっていい。お尻を叩かれたようとも、私は幸せだ。
彼という狼のために、私は赤頭巾にでも、子ヤギにでもなろう。
「……?」
…だが、しかし。それでいて、なお。
彼は、ペニスを秘部に押し当てたまま、じっと固まってしまったのだ。
その潤む瞳を、私の方へと向けながら。何かを訴え掛けるように。
「…ソラ…」
そう。彼は、私の言葉を待っているのだ。
ソラは、どこまでも優しかった。無理矢理、私を犯そうとはしなかった。
私とは違う。彼は、人間であり続けた。
魔物に堕した姉の気持ちを、汲んでくれると。
責任をなすりつけ、襲い掛かった姉を、気遣ってくれると。
「っ…! ソラ…ぁ…っ」
それに気付いた瞬間。
溢れた。色々なものが、私の中から溢れ出た。
勿体無い。私には勿体無さすぎる弟だ。
私は、これほどの男性に愛されて、いいのだろうか。
こんなに大きな幸せを得てしまって、いいのだろうか。
私が彼を、いつまでも幸せにしてあげるつもりだったのに。
気付けば、逆転していた。彼の方が、私を幸せにしてくれた。
いつの間にか、弟は、一人前の大人になっていたのだ。
「…ごめんね。ううん、なんでもない。大丈夫…」
誇らしい。騎士としての誇りではない。姉としての誇りだ。
弟をここまで見守り、育ててきた、姉としての私の誇りだ。
こんな駄目な姉でも、これほど立派な弟を育てることが出来た。
それは百の勲章すら霞む功績だ。名誉だ。私の一生の自慢だ。
心から思う。
私はソラの姉で、本当に良かった。
「…おいで、ソラ」
涙を拭い、秘部を指で広げ、恋人を呼ぶ。
甘えん坊で、我慢強くて、優しい彼を。
「お姉ちゃんを……ママにして…♥」
………ぁ…っ。
「ふああぁぁっ♥♥♥」
にゅるん…と、細く小さなソラのペニスが、膜を突き破って入ってくる。
痛みはない。快感しかない。今にも死にそうなくらいの快感しかない。
意識が吹き飛びそう。下半身が溶け落ちそう。スライムになっちゃいそう。
「あ……ぁ、ぁ…っ♥ ソラの、が…♥」
私の処女を貫いた、弟の童貞オチンチン。交わされた、雌雄の契り。
弟のオチンチンによって印を刻まれた肉壁は、蠢き、その形を変えていく。
彼だけを受け入れる形へ。恋人とだけ感じ合うことができる膣へ。
ソラのペニスから精液を搾り取る、淫靡で貪欲な搾精器官へと。
「私のお腹の中でっ…ピクピク、してるぅ…♥」
私は自らの下腹部を撫でながら、そこにある彼のモノを実感した。
狭い襞の中で、ビクン、ビクンと跳ねて、自らの存在を伝えるオチンチン。
その刺激に合わせ、私の身体も小さく跳ねた。一体化してしまったかのように。
それはきっと、弟と私が、ひとつになったからだろう。
身体だけでなく、心も、だ。身体も心も、彼と共有している。
嬉しい。同調しているんだ、私達は。快感も、想いも、全てが。
「かわいい…♥ かわいいよぉ…♥ かわいすぎるよぉっ…♥」
私の中にソラがいる。ソラの中に私がいる。
狂おしい。狂おしいほどに幸せだ。夢じゃなかろうか。
私の望むことが、すなわちソラの望みでもあるなんて。
つまり、なんだ。ということは、だ。
ソラはこの後、私に何度も、種付けセックスをしてくれるということか。
お姉ちゃんの耳をはむはむしながら、大好きって囁いてくれるのか。
おっぱいに吸い付いたら、病み付きになって、ずっとチュパチュパしちゃって。
七回戦あたりから、おしりにも興味が出てきて、おっかなびっくりで触ってきて。
途中から、前よりも後ろでするほうが好きになっちゃって、アナルセックス漬けになって。
でも、してもらうのも大好きだから、真っ赤になってお姉ちゃんにおねだりして。
騎乗位とか、フェラチオとか、パイズリとか、あらゆる御奉仕を堪能しちゃったりして。
でも、最後の最後は、正常位で締めるんだよな。キスしながら、たっぷり中出しして。
それでもって、手を握り締めて、ソラの方から私に告白してくれるんだよな。
『僕、ずっと前からお姉ちゃんが大好きでした。僕と結婚してください』って。
私が涙を流しながら頷くと、ソラはにっこり笑って、もう一度キスをしてくれて。
で、ピロートークを楽しんだ後、いつしか、ふたりはそのまま手を繋ぎながら眠るんだよな。
翌朝、私が目を覚ますと、そこにはいつものように、朝食を作るソラの後ろ姿があって…。
「っ…♥ うぁ…っ…♥ あ、はっ…♥」
あぁ…、凄い。凄過ぎるぞ。お姉ちゃんにとって、夢のフルコースだ。
想像しただけで、子宮にキュンキュン響く。排卵してしまう。
「ソラ…♥ ソラ…ぁ…♥」
ねだるような、甘ったるい声を上げ、私は恋人の名を呼んだ。
早く犯してくれ、早く夢のようにしてくれ、と。顔を蕩かせて。
対して、ソラはというと。
彼もまた、私と同じように、その身を震わせていた。
「ぁ…♥」
が、彼は私と、いささか状況が違うようだった。
ソラもまた、今にも動きたくてたまらないといった様子ではあったが。
しかし、そうしたくともできない…とばかりに、私の身体にしがみついていた。
歯を食いしばり、爪を立てて。彼は必死に、何かを抑えているようだった。
その何かとは。分かる。私には分かる。
射精だ。挿入しただけで、彼は限界まで昇り詰めてしまったのだ。
つい先程、あれほど出したというのに、今にも張り裂けそうなオチンチン。
早漏なのか、あるいは、それほど私の中を気持ちいいと感じてくれたのか。
どちらも好い。どちらでも、私は嬉しい。弟が幸せを感じているのならば。
「…ふふっ♥」
それに、もうひとつ。私は気付いたことがある。
その気付いたこととは、ソラが勘違いをしている、ということだ。
「…ね、ソラ」
ソラの勘違い。彼は、セックスが、この一回で終わるものと考えている。
どう考えたら浮かんできた勘違いか。恐らく、まだ幼いが故の発想だろう。
終わりはしない。終わらせはしないのに。彼にはそれが分からない。
分からないから、この一度を、とても大事にしようとしている。
少しでも長く、私を感じていたいと、懸命に射精を堪えている。
ソラは、この幸せな時間が終わることを、誰よりも拒んでいるのだ。
「大丈夫…。これで、終わりじゃないよ」
可愛い。もう何度、この感情を弟に対して抱いたことだろう。
私は一生、彼を可愛いと思いながら生き、死んでいくに違いない。
「ソラが望む限り、何度でもできるから…」
可愛いソラ。私の大切な人。一生、私が護ってみせる。
亡き両親に代わり、私の生涯を賭けて。
「…だから、お願い」
それが…私の生き甲斐だ。
「めちゃくちゃに……シて…ッ♥」
瞬間。彼は私の名を呼びながら。
その腰を、思いきり前へと突き上げた。
「ふにゃああぁぁぁっ♥♥♥」
脳天まで響く、快感の衝撃波。
喉から飛び出る嬌声。絶叫。こだまする。
「あっ♥ ひぁっ♥ にゃっ♥ は、はげし…っ♥ きゃうんっ♥」
止まない。すぐに次の衝撃が、私を襲う。
一突き毎に、指先までジンジンするほどの電流が走る。
呂律が回らない。身体がいうことをきかない。何も考えられない。
「そこっ…♥ そこ、弱いのぉっ♥ そんなに突かれたら…くぅんっ♥」
溶ける。溶ける。溶ける。溶けてしまう。
彼と繋がった部分から、どんどん溶けていくような錯覚。
感覚だけが宙に残り、彼と繋がり続けているような、不可思議な感覚。
これが、これがセックス。私が彼と望んでいた行為。
なんて素晴らしいんだろう。なんて幸せなんだろう。
「っぁ…♥ そ、ソラッ…♥」
不意に、私の耳を食み、何かを囁いてくるソラ。
それは夢のフルコースの、あのワンシーン。同じ言葉。同じ愛。
「っ…♥ 私も…♥ 私も、好き…っ♥ 大好きっ♥」
両の手、両の足を伸ばし、彼の身体を抱き締める。
私の身体に纏わりつくスライムのように、私も彼に絡みつく。
離さない。絶対に離すものか。私のものだ。
魔物であろうと、王であろうと、神であろうと。
誰にもこの子は渡さない。私の恋人は渡さない。
「あぁっ♥ だめっ♥ だめぇっ♥ おねえちゃん…も、もうっ…♥」
ソラも。ソラも、私を離さない。抱き締めてくれている。
どこにも逃すまいと、誰にも渡すまいと、この身を抱き締めて。
「だしてっ…♥ ソラ、なかに…っ♥ ぜんぶ、ぜんぶっ…なかにだして…っ♥」
ソラ。大丈夫、大丈夫だよ。
もう、ひとりぼっちになんてしない。ずっと傍にいるから。
だから、こうしていよう。明日も、明後日もエッチしよう。
誰にも邪魔させないから。ソラが望むなら、時間だって止めてみせる。
嘘じゃないよ。お姉ちゃん、ソラのためなら、何だって出来るんだから。
空を飛んだり、ドラゴンを呼んだり、世界をソラのものにすることだって。
「だしてぇ…っ♥ ひあぁっ♥ ソラの…っ、ソラのあかちゃんのもと…♥ ひゃうっ♥」
…でも、しなくていいよね? そんなこと。
いつまでも、こうしているだけでいいよね?
「おく、に…ぃっ♥ あっ♥ あぁぁ…っ♥」
これが、私達の、一番の幸せなんだから。
「イくっ♥ イッ…にゃっ♥ やぁっ♥ イっちゃうっ♥ やっ♥ はっ♥ イくぅぅっ♥」
ソラ。世界一可愛い、私の弟。
愛してる。ずっと、ずっと、ずっと…。
「ぁっ……ひにゃああぁぁぁ〜〜〜〜〜〜〜〜っっっ♥♥♥♥♥♥♥♥」
ずぅっと………。
永遠に…♥
それは私にとって、唯一の願いだったのに。
「駄目…。ソラ、見ないで…っ」
掠れた声。言葉すらまともに発せない。
手も、足も、指さえも動かせない。視界はおぼろげ。意識は虚ろ。
私の身体は、もう、私のものではないのだと。そう示すかのように。
しばらくすれば、この思考さえも、魔物に奪われてしまうのだろう。
あぁ、私はなんて無力なんだ。
優秀な騎士だと持て囃され、その気になっていた。
師をも負かした剣の腕を前に、敵などいないと思っていた。
自惚れだったのだ。全て。
その結果が、これだ。たった一匹のスライムに、いいようにされている。
唯一の肉親の…弟の前で、痴態を晒してしまっている。情けない。恥ずかしい。
「お願い…。こんな…こんなお姉ちゃんを見ないで…」
でも、全部私のせいだ。私が情けを掛けたから。
積み荷に紛れていたこいつを、逃がしてしまった私のせい。
時代に乗り遅れたスライム一匹、危害はないだろうと思ってしまった。
そんなことはなかった。こいつもまた、新たな魔王の力により進化していたのだ。
隙あらば襲い掛かり、甘い誘惑や、淫らな行為によって人を堕す、邪悪な魔物。
愚かにも、それを見抜けなかった私は、こうして敵の手中に落ちてしまった。
「逃げて…、ソラ…。はやく……っ」
これは罰だ。魔物を見逃した私に、主神様が下された罰。
なら、甘んじて受けるべきだろう。そして、処されるべきだろう。
どうせ、この魔物は街から出られない。逃げ切れるはずがないんだ。
私からの定時報告がなければ、遅かれ早かれ、仲間が様子を見に来る。
そうすれば、魔物は私もろとも、騎士達の剣に貫かれ、命を落とすだろう。
私の穢れた御魂も、神父様の祈りによって浄化され、天に昇ることができるかもしれない。
なら、それでいい。騎士になると決めた時から、覚悟はしていた。
これは戦争なのだ。人間と魔物、互いの生き残りを賭けた戦争。
ならば、屈辱的な最後もありうる。それを承知の上で剣を取った。
護りたいもののためならば、捨て駒となるのも怖くなかった。
「や、ぁ…っ♥ おっぱい…揉まないで…ぇ…♥」
…でも。それも出来ない状況になってしまった。
目の前に、弟がいる。ソラがいる。私が護りたい、ただひとりの人が。
仲間が来るのを、悠長に待ってなどいられない。事は一刻を争う。
私がこの手で、彼を襲ってしまうかもしれないという現状。
嫌だ。そんなこと、耐えられるはずがない。死んだ方がマシだ。
こうして、震える彼を見ているだけで、息が詰まるほど辛いというのに。
もし、そんな最悪の事態が起こってしまえば、私は、私は…。
「あぁ…♥」
しかし、そのような胸中を知ってか知らずか。
魔物は私を抱えたまま、ずりずりとソラの方へと近付いていった。
恐怖で腰が抜け、立つことすら出来ない、哀れな弟の傍らへと。
やめて…。やめて。やめて!
私は何度も叫んだ。だが、口から漏れるのは、甘い喘ぎ声ばかり。
表情は蕩け落ち、身体は火照り、汗が滲み、愛液が太腿を伝う。
それは、騎士の威厳など微塵も感じられない、痴女の姿そのものだった。
誇りは砕かれ。恥に塗れ。自身の悲痛な叫びが、頭の中で響き渡る。
泣きたくとも、涙も出ない。改めて感じる。私はもう、私ではないのだと。
「…ソ、ラ……」
ソラ。私の可愛い弟。たったひとりの家族。
お父さんも、お母さんも、御国のために、遠い戦地へ行ってしまった。
月々届くお金が、残された私達と両親とを結ぶ、唯一の繋がりだった。
それも三年前、一枚の手紙とともに途絶えてしまった。帰らぬ人となった。
私は両親の意思を継ぎ、騎士となった。生活のため。ソラのため。
騎士として過ごす日々は、とても辛いものだった。自分が女だということを忘れるほどに。
手にはいくつもの血豆ができ、小さい頃から綺麗に整えていた爪は、三日でボロボロになった。
給料も、入りたての頃は、その日暮らしが精一杯…という程度にしか貰えなかった。
友達にお金を借りたこともあった。生まれて初めて、土下座というものをした。
戦地送りを見逃してもらうため、隊長にも頭を下げた。その分、給料を減らされた。
弟にだけは不自由させまいと、三日間、何も食べずに過ごしたこともあった。
一転する生活。両親の死を境に始まった、辛く苦しい日々。
それでも、私は頑張った。周りから認めてもらえるよう、死に物狂いで努力した。
どんどん地位を上げ、いくつもの勲章を貰い、剣の腕は国内で一、二を争うほどになった。
結果、生活は少しずつ豊かになった。両親を失い、泣いてばかりいたソラに、笑顔が戻った。
…嬉しかった。弟の笑顔だけが、私の生き甲斐だった。
七つも歳の離れたソラは、甘えん坊で、いつも私にひっついていた。
お姉ちゃん、お姉ちゃんと、事あるごとに私を呼ぶ彼は、小犬のようで。
でも、我慢強い一面もあって。私と剣の稽古をする時、弟は決して根を上げなかった。
私が勤めに出ている間、家でひとりぼっちにされても、文句ひとつ言わない。
率先して家事を手伝ってくれて、最近では、私よりも料理が上手になった。
自慢の弟だ。どこに出しても恥ずかしくない、立派な弟。
彼は幸せになるべきだ。苦労に見合う対価を得ていいのだ。
主神様に代わって、彼に大いなる祝福を与えるのが、私の役目だ。
笑顔を与えたかったんだ。
ずっと、ずっと、彼に笑顔を。
こんな…、こんな悪夢なんかじゃなく…。
「…ごめん、ね…」
どうして、道を誤ってしまったのだろう。
一時の気の迷いが、再び闇を招き入れてしまった。
そのせいで今、私は自らの裸体を、こうして弟の眼前に晒している。
弟に裸を見られたのは、初めてではないとはいえ、それは小さい頃の話だ。
互いの背を流し合ったのは、もう五年も前のこと。私が十二になると同時に卒業した。
今でもたまに、一緒にお風呂に入ることはあるが、ちゃんとタオルを巻いて隠している。
私はもちろん、ソラも、もう異性の裸を気にする年頃なのだ。当然の配慮だろう。
言うまでもなく、恥ずかしかった。顔から火が出そうなほどに。
胸はあの頃よりも膨らみを増し、走れば揺れるほどに成長していた。
下は、年配の騎士達から、安産型だとからかわれるような代物だ。
どちらも、恐らくは充分に、女性として望ましい発育を遂げているだろう。
だからこそ、恥ずかしい。弟に、私の女としての部分を見られているのが。
人間には三つの欲がある。それは教本によると、食欲、睡眠欲、そして性欲だ。
これらは本能との結び付きが強く、表に出さずにいるのが難しいと云われている。
つまりだ。空腹になると、お腹の虫が鳴くように。眠いと、あくびが出るように。
性欲もまた、表に出てしまうのだ。それは、その性別だけが持つ箇所に、顕著に表れる。
男性で言うなら、勃起がそうだ。それは神の教えに反する、恥ずべき反応である。
だが、生理現象は抑えられない。だから、下着で覆う等をして、それを隠すのだ。
その点、今の私はどうだろう。
服ははだけ、下着を剥かれ、女性の部分がありありと表に出ている。
本能が…心が剥き出しになっているのと同じだ。隠し事などできない。
全部見透かされてしまう。私を見ている人に…ソラに、私の全てを。
「ごめんね…、ソラ…」
懺悔する。目に前にいる弟に、ひたすら許しを乞う。
朦朧とする思考を叱咤し、せめてもの償いの言葉を述べる。
「ごめん……ね…」
…何を? 私は何のことに対して、彼に謝っているのだろう。
こうして、痴態を晒していること? 魔物を逃がしてしまったこと?
今にも彼に襲い掛かろうとしていること? 頼りない姉のこと?
そうだ、全部そう。でも、違う。
それら以上に、私には、彼に謝るべきことがあった。
誰にも…弟にさえも打ち明けていない秘密があった。
そう、私は…。
「ソラ…ぁ…♥」
私は、ずっと前から。
弟を愛してしまっていたのだ。
「あんっ♥ ふぁ…っ、ぁ…♥ ソラ…♥」
その愛は、家族としてのものではない。姉弟としてのものでも。
異性として、だ。私は彼を、ひとりの男として愛してしまったのだ。
当然ながら、それは教団の教えに反する、禁断の愛だ。
だが、私は自分の想いに逆らえなかった。溺れてしまった。
いつからそのような感情が湧いたのか、正確には自分でも分からない。
ただ、二年ほど前から、私は弟を性欲の捌け口とし始めたのは覚えている。
夢の中で、恥ずかしがる弟を押し倒し、何度となく彼の貞操を奪った。
そうして自分を抑えないと、現実でも、彼に襲い掛かってしまいそうだったから。
しかし、劣情は治まるどころか、激化する一方だった。
弟の汗が染み込んだ、服やシーツの匂いを嗅ぐのは、もはや日常茶飯事。
彼の部屋のくずかごを漁り、精が染み付いた紙屑を拾い集めたこともあった。
他にも、ソラが愛用していた羽ペンを拝借し、それで自身を慰めたりもした。
留守の時を狙って、弟のベッドで行為に及んだ時は、我ながら変態だと思った。
だが、事実だ。私はそれほどまでに、弟を愛していた。
だから…だから、こうして今にも、愛する弟に襲い掛からんとする現状に。
愛するソラに、自身の女性である部分を、余すところなく見られている現状に。
私は、恥ずかしいと同時に…興奮してしまっていたのだ。
「見ちゃダメ…。やっ♥ むこう…向いて……きゃうっ♥」
死にたい。今すぐ死にたい。死ねるものならば。
私は弟に裸を見られて、興奮している。愛液を流している。
そんな姉を見て、ソラは幻滅するだろう。愛していることを知られれば、もっとだ。
しかし、隠そうにも隠せない。乳首は痛いほどに硬くなり、アソコはひどく熱い。
魔物による呪いの影響が、どれほどのものなのか、私には分からない。
ただ、仮に今、魔物が私を解放しようとも、この熱が治まることはないだろう。
間違いなく、彼を襲ってしまう。夢と同じように、弟の初めてを奪ってしまう。
だから…だから、私はこの状態を、悔しく思う反面。
同時に、喜んでいた。これで弟を襲っても、言い訳が立つ…と。
「やぁ…っ♥ さきっぽ…弱いの…ぉ♥ ひぅんっ♥」
酷い姉だ。きっと両親も、天国で私を侮蔑しているに違いない。
でも、いい。弟にさえ気付かれなければ、それでいい。
魔物のせいだ。全部、この魔物のせい。これは私の意志じゃない。
…それに、ほら。
「ぁ…♥」
ソラも、逃げるどころか…オナニーを始めていた。
私の裸を見て、皮被りのオチンチンを、一生懸命扱いていた。
可愛い。可愛い。可愛い。世界一可愛い。
お姉ちゃん、お姉ちゃん…って、切ない声で私を呼ぶのが可愛い。
前屈みになって、顔を真っ赤にして、必死に擦っているのが可愛い。
目尻に涙を溜めて、申し訳なさそうに私の裸を見ているのが可愛い。
分かるよ。分かる。ソラも、自分の意思でしているんじゃないんだよね?
魔物のせい…ううん、お姉ちゃんのせいなんだよね。お姉ちゃんがはだかんぼだから。
お姉ちゃんの裸を見て、エッチな気分になっちゃったから、そうしているんだよね。
「ソラ…♥」
愛する人の名を呼び、右手を前へ伸ばそうとする。
すると、つい先程まで、テコでも動かなかった手が、するりとスライムの身体を通り抜けた。
自由になったのだ。この束縛から、脱出するチャンスが訪れた。千載一遇の機。
「………」
…が、しかし。
「…お姉ちゃんが、シてあげるね…♥」
私は、そのまま弟へと手を伸ばし…彼の小さなペニスを掴んだ。
その刺激に、小さく呻き、身体を震わせるソラ。可愛い。
なぜ、自由になった手で、魔物を振り払おうとしなかったのか。
打撃は効きそうにないから? 剣がスライムに取り込まれたままだったから?
違う。弟が可愛かったからだ。それ以上の理由なんてない。あるワケがない。
ソラが…あのソラが、私でオナニーをしているのだ。私が彼にしたのと同じように。
千載一遇の機とは、むしろこちらの方だ。弟と、お互い望み合いながらエッチができる今だ。
どうして私が、それを見逃せるというのだろう。二年以上も燻らせた、この想いを抱えながら。
王国の騎士としての肩書きも、ひとりの人間としての尊厳もいらない。
私は今、このチャンスをものにしたい。ものにしたいのだ。
「ふふっ…♥ 縮こまっちゃったね、恥ずかしいのかな?」
滾る私、対して、手の中でしおしおと小さくなっていくオチンチン。
緊張しているのだろう。このような状況下では、それも致し方ない。
「大丈夫だよ…。お姉ちゃんが、気持ちよくしてあげるからね…♥」
私は彼を安心させるため、笑顔を向けながら、五本の指を動かし始めた。
やわやわと動く指に、ペニスはすぐに反応し、ムクムク膨らみを増していく。
続けざま、睾丸に手をやると、どっぷりとした重みが返ってきた。かなり溜まっているようだ。
「おおきくなぁれ…、おおきくなぁれ…♥」
びくん、びくんと。最初は小指ほどもなかったオチンチンが、どんどん大きくなっていく。
熱も、硬さも、まるでサラマンダーの尾のよう。手のひらが火傷してしまいそう。
膨張を続けるオチンチンは、終いには人差し指ほどの大きさとなって、逞しく反り返った。
先端から覗く亀頭は、綺麗なサクランボ色。まだ穢れを知らない、無垢そのものだった。
「うふふっ♥」
ぷるぷる震える先端から、とろぉり滴るカウパー液。
そこからほのかに香る雄の匂いに、私はお腹の奥底が疼くのを感じた。
「…剥いたこと、ある?」
不意に、私がソラへと問うと、彼はビクンと身体を跳ねさせた。
なぜ驚いたのか。それはさほど考えずとも、答えが見えた。
弟としては、このまま会話もなく、終わることを望んでいたのだろう。
そうすれば、私を私と深く認識せずに、事を終えることが出来たから。
しかし、問い掛けられれば、答えを返す必要が出てくる。
そうなれば、相手を見る。相手のことを考える。私を姉と認識する。
今の震えは、まさにそれだ。今、エッチなことをしている相手を、姉と認識した。
触覚、聴覚、嗅覚に加え、視覚で私を認識した。五感のうちの四つで、だ。
ここからは、もう、弟も私と同罪だ。目の前の存在を、姉と認識した上での行為。
それはつまり、つまりだ。弟は私とのエッチを、望んだということだ。
私が夢にまで見た行為を、弟もまた望んだのだ。そう、両想いだ。
「…♥ そっか♥ 痛いもんね、自分で剥こうとすると…」
しばしの沈黙の後、おずおずと答える弟。瞳を潤ませながら。
可愛い。鼻血が出そう。我ながら、よく今まで我慢できたものだ。
「じゃあ…お姉ちゃんが、おクチで剥いてあげる…♥」
弟に向けるは優しい笑顔。心の中では舌舐めずり。
急く胸の内をなんとか抑えながら、私は彼のモノに顔を近付けた。
成長期のオチンチン。鼻腔をツンと突く、雄の香り。甘いフェロモン。
私は口先を尖らせ、そのままゆっくりと、弟のペニスを口に含んだ。
「あむっ…♥ っ……ふぅ…、ぅ…♥」
瞬間、舌先を痺れさせる、濃ゆい雄の味。ソラのオチンチンの味。
おいしい。唾液がこぼれる。涎が止まらない。一気にむしゃぶりつきたい。
だが、駄目だ。焦ってはいけない。落ち着け。
私がしたいのは、自分勝手なエッチじゃない。弟が悦ぶエッチだ。
こうして、舌を皮の隙間に入れて、潤滑油代わりに唾液を塗りつけ、
皮を、少しずつ、少しずつ唇で剥いていく…そういうエッチだ。
ほら。そうすると、ソラは気持ち良さそうに鳴いてくれる。喘いでくれる。
これだ。これが私のしたいエッチだ。これが私の悦びなんだ。
「ちゅ、ぺろ…っ♥ …んふふ、剥けちゃったね…♥」
深く、熱い吐息を漏らしながら、口を離すと。
そこには、立派に大人のオチンチンとなった、ソラのモノがあった。
きっとこの先端は、とても敏感で、触れただけで達してしまうに違いない。
触ってみたい。いや、しゃぶってみたい。そのまま口内で精液を受け止めたい。
「はぁ…っ♥ ソラ…、ソラのオチンチン…♥」
あぁ、涎が。涎が垂れ落ちる。
スライムの身体に、ぽたぽたと私の欲望が垂れ落ちる。
なんて可愛いペニスなんだ。皮を剥いても、なおこの愛おしさ。
これほどまでに私を惹き付ける、魔性の宝具。呪いのアイテム。
舌に残る彼の味が、私の本能に訴え掛ける。舐めろ、咥えろ、と。
山々だ。それは山々。だが、手でも愛したい。この手で扱いてあげたい。
胸も好い。鎧を着るのに邪魔だったこの駄肉も、ソラのモノを包む分には大活躍だ。
足はどうだ。マニアックすぎるだろうか。だが、ちょっといじめる感じも悪くない。
踏んであげると、ソラは女の子みたいに鳴くんだろうな。可愛いからな。
そこいらの女の子より、ずっと可愛い。ソラが一番だ。ミス・ナンバー1だ。
「うふ…、うふふふふ……♥」
…いかん、なんて短絡的な思考だ。脳までスライムにやられたか。
だが、悪くない。ソラが可愛いというのには、全面的に同意する。
それから私は、少し考えた末、まずは口ですることにした。
どうしても、舌にこびりついたソラの味が忘れられなかったからだ。
甘く、少ししょっぱい、弟のオチンチン。その味に、私は病みつきになった。
「んちゅ…♥ ちゅっ、ぢゅるっ…、あむ……れろ…っ♥」
唾液、カウパー、汗…。まるごと飲み込む。
舌を這わせ、垢すら舐め取る勢いで、彼のペニスを刺激する。
その快感に、弟は私の予想通りの声を上げ、身を捩らせた。
ビクビクと跳ねるペニス。すぐにでも達してしまいそう。
しかし、私は彼の限界を越える刺激を送り込み、それを先送りにした。
一種の麻痺。過ぎた快感により、神経を過熱させ、その働きを鈍らせる。
自身はもう射精しているつもりでも、中々ペニスまで指令が届かない。
長い絶頂。永遠にも思える射精感。それが今、ソラの身を狂わせている。
「ちゅぅぅぅ…っ♥ ちゅ、ちゅっ…、ちゅ♥」
鈴口に吸い付き、何度も先端にキスを交わす。
外気に晒されたばかりの亀頭を、これでもかと虐め抜く。
弟とキスする前に、彼のペニスと口付けを交わしてしまった私。
存外、悪い気分ではない。もちろん、普通のキスも、後でめいっぱいするつもりだ。
「ちゅぴっ…♥ ソラ、どう? もう、ピュッピュが出ちゃいそう?」
口を離し、ペニスに頬擦りしながら、彼に問い掛ける。
頬越しに伝わる、尿道の脈動。睾丸から子種が昇ってきている。
溜まりに溜まった、ネバネバと濃ゆい精液。まるでこの身を纏うスライムのよう。
狭い管の中を、我先にと精子達が駆け上がっているせいで、詰まり気味のようだ。
このまま何もしなくとも、数秒後には爆発するだろう。まるで、噴火直前の活火山。
「どうする? 顔にかけたい? それとも…ぺろっ♥ 飲んでほしい…?」
しかし、ただ待つのは勿体無い。
ソラと私、ふたりのエッチにおける、初めての射精だ。
私としては、顔中に浴びるのも、喉の奥で受け止めるのも大歓迎ではある。
だが、ソラはどうだろう。どちらの方が好きなのか。
私としては、彼が望むようにしてあげたい。顔でも、口でも。
膣内で出したいと言うのなら、すぐにでも挿入しよう。
まだ我慢したいのならば、スライムを使って、鈴口に栓をしてもいい。
さぁ、ソラ。ソラはどうしてほしい?
私は、ソラがしてほしいことをしてあげたいんだ。
ソラの幸せが、私の幸せなんだ。さぁ、ソラ…。
「…ふふ♥ あーん……ぱくっ♥」
私の身体で、幸せを感じてくれ。
「んぐぅ…っ♥♥♥ ふぅっ…ぅ…♥」
再び口に含むと同時に、勢いよく放たれる精子。
跳びはねるペニスの先端から、ドロドロとした白濁液が吐き出される。
それは私の口内を焼き、舌を焼き、咽を焼き…お腹の中へと下っていった。
そのあまりの粘り気と、鼻腔を突き抜ける匂いに、むせ返りそうになる。
「ちゅっ…ちゅぅぅ…っ♥ こくん…♥ ぺろっ、れろれろ…♥ ちゅ…っ♥」
だが、息が苦しくとも、私は一滴もこぼすことなく、彼の欲望を飲み干した。
尿道に残っているものは全て吸い上げ、ペニスにこびりついたものまで舐め取った。
全部、全部の精子が、私の口の中、胃の中だ。誰にも渡さない。私のものだ。
「ふは…っ♥ ソラの赤ちゃんミルク、すごいね…♥ お姉ちゃん、クラクラしちゃった♥」
口内に残った精液を咀嚼しながら、その味をじっくりと愉しむ。
弟の子種は、思った以上に苦味が少なく、その分、甘味が強かった。
まるでココアミルクのようだ。とことん可愛い。精液まで可愛い。
一方で、活きに関しては、野性味溢れる若さを感じる。
雄としての機能が働き出したペニスの、新鮮かつ濃厚な精子。
プルプルと震え、噛み応えのある弾力は、ゼリーかと見紛うほど。
これが膣内に注がれれば、雌は間違いなく妊娠してしまうだろう。
「…ふふっ…♥」
そして、その栄誉ある雌とは、私のことだ。
私だけが、ソラの精子を注がれる権利を持っている。
愛しているからだ。愛し合っているからだ。それ以上の理由はない。いらない。
「ねぇ、ソラ…」
渡すものか。彼の子種。この身を纏う魔物にさえ。
私のものだ。ソラは私のもの。愛していいのは私だけ。
誰かが触れてみろ。絶対にその者は許さんぞ。剣の錆にしてくれる。
「お姉ちゃん、なんだかうずうずしてきちゃったなぁ…♥」
そうだろう、ソラ? ソラも、お姉ちゃんが好いに決まっている。
このおっぱいに吸い付きたいよな? アソコに挿れてみたいよな?
私のことを考えながら、あんなにいっぱい、オナニーをしていたんだよな?
お姉ちゃんは嬉しい。すごく嬉しいぞ。
ソラを産んでくれた両親には、感謝してもしきれない。
私達も、お父さんとお母さんみたいに、いっぱい子作りしような。
二人なんて言わず、十人は作ろう。もっと沢山でもいい。どんと来い、だ。
「ここがね…♥ ほら、広げて見せてあげる…♥」
実はな、お姉ちゃんも、ソラでいっぱいオナニーしたんだ。
この前なんてすごかったぞ。ソラ、いきなりお尻に挿れるもんだからさ。
お姉ちゃん、びっくりしちゃったよ。でも、すぐに気持ちよくなって鳴いちゃった。
ソラもアンアン鳴いてたな。そのままお尻の中に、三回も射精するんだもんな。
まったく、お前の性欲には呆れ帰るよ。何? 人のことを言えない? ははっ、それもそうだな。
「こっちが、おしっこの穴…。そして、こっちが…」
…なぁ、ソラ。私、実はな、ちょっと後悔しているんだ。
こんな事態になる前に、ちゃんと告白しておけばよかったなって。
もちろん、そんなことをしたら、騎士の肩書きは剥奪される。
主神様もお怒りになる。私達は、再び貧しい暮らしを強いられる。
でも、ソラが許してくれるなら、それでもよかった。
ソラにとっては、どっちが幸せだったんだろう…って考えたんだ。
お互いの気持ちに蓋をして、今までの生活を続けるのと。
お互いに本音を伝え合って、新しい生活を始めるのと。
なぁ…。教えてくれ、ソラ。
「ソラが…今からオチンチンを挿れる穴…♥」
どっちが…お前の幸せなんだ?
「きゃっ!?」
不意に。突然ソラが前のめりになり、私を押し倒してきた。
あまりに予想外の出来事に、背中から床に…いや、スライムの上に倒れる私。
「そ、ソラ…?」
馬乗りになり、私を見下ろす弟の姿は。
飢えが限界に達し、獲物を前に、荒く息を吐く獣のそれだった。
弟も、れっきとした男だ。雄だ。
欲に逆らえるはずもない。彼もまた、狼の一匹。
目の前に転がるウサギを前にして、牙を見せないはずがない。
「…うふふ…♥」
私は、弟の変貌に胸を高鳴らせた。
これほどまでに、私を求めてくれるのが嬉しかった。
愛しいソラ。ソラにならば、この身を引き裂かれても構わない。
噛み付かれたっていい。お尻を叩かれたようとも、私は幸せだ。
彼という狼のために、私は赤頭巾にでも、子ヤギにでもなろう。
「……?」
…だが、しかし。それでいて、なお。
彼は、ペニスを秘部に押し当てたまま、じっと固まってしまったのだ。
その潤む瞳を、私の方へと向けながら。何かを訴え掛けるように。
「…ソラ…」
そう。彼は、私の言葉を待っているのだ。
ソラは、どこまでも優しかった。無理矢理、私を犯そうとはしなかった。
私とは違う。彼は、人間であり続けた。
魔物に堕した姉の気持ちを、汲んでくれると。
責任をなすりつけ、襲い掛かった姉を、気遣ってくれると。
「っ…! ソラ…ぁ…っ」
それに気付いた瞬間。
溢れた。色々なものが、私の中から溢れ出た。
勿体無い。私には勿体無さすぎる弟だ。
私は、これほどの男性に愛されて、いいのだろうか。
こんなに大きな幸せを得てしまって、いいのだろうか。
私が彼を、いつまでも幸せにしてあげるつもりだったのに。
気付けば、逆転していた。彼の方が、私を幸せにしてくれた。
いつの間にか、弟は、一人前の大人になっていたのだ。
「…ごめんね。ううん、なんでもない。大丈夫…」
誇らしい。騎士としての誇りではない。姉としての誇りだ。
弟をここまで見守り、育ててきた、姉としての私の誇りだ。
こんな駄目な姉でも、これほど立派な弟を育てることが出来た。
それは百の勲章すら霞む功績だ。名誉だ。私の一生の自慢だ。
心から思う。
私はソラの姉で、本当に良かった。
「…おいで、ソラ」
涙を拭い、秘部を指で広げ、恋人を呼ぶ。
甘えん坊で、我慢強くて、優しい彼を。
「お姉ちゃんを……ママにして…♥」
………ぁ…っ。
「ふああぁぁっ♥♥♥」
にゅるん…と、細く小さなソラのペニスが、膜を突き破って入ってくる。
痛みはない。快感しかない。今にも死にそうなくらいの快感しかない。
意識が吹き飛びそう。下半身が溶け落ちそう。スライムになっちゃいそう。
「あ……ぁ、ぁ…っ♥ ソラの、が…♥」
私の処女を貫いた、弟の童貞オチンチン。交わされた、雌雄の契り。
弟のオチンチンによって印を刻まれた肉壁は、蠢き、その形を変えていく。
彼だけを受け入れる形へ。恋人とだけ感じ合うことができる膣へ。
ソラのペニスから精液を搾り取る、淫靡で貪欲な搾精器官へと。
「私のお腹の中でっ…ピクピク、してるぅ…♥」
私は自らの下腹部を撫でながら、そこにある彼のモノを実感した。
狭い襞の中で、ビクン、ビクンと跳ねて、自らの存在を伝えるオチンチン。
その刺激に合わせ、私の身体も小さく跳ねた。一体化してしまったかのように。
それはきっと、弟と私が、ひとつになったからだろう。
身体だけでなく、心も、だ。身体も心も、彼と共有している。
嬉しい。同調しているんだ、私達は。快感も、想いも、全てが。
「かわいい…♥ かわいいよぉ…♥ かわいすぎるよぉっ…♥」
私の中にソラがいる。ソラの中に私がいる。
狂おしい。狂おしいほどに幸せだ。夢じゃなかろうか。
私の望むことが、すなわちソラの望みでもあるなんて。
つまり、なんだ。ということは、だ。
ソラはこの後、私に何度も、種付けセックスをしてくれるということか。
お姉ちゃんの耳をはむはむしながら、大好きって囁いてくれるのか。
おっぱいに吸い付いたら、病み付きになって、ずっとチュパチュパしちゃって。
七回戦あたりから、おしりにも興味が出てきて、おっかなびっくりで触ってきて。
途中から、前よりも後ろでするほうが好きになっちゃって、アナルセックス漬けになって。
でも、してもらうのも大好きだから、真っ赤になってお姉ちゃんにおねだりして。
騎乗位とか、フェラチオとか、パイズリとか、あらゆる御奉仕を堪能しちゃったりして。
でも、最後の最後は、正常位で締めるんだよな。キスしながら、たっぷり中出しして。
それでもって、手を握り締めて、ソラの方から私に告白してくれるんだよな。
『僕、ずっと前からお姉ちゃんが大好きでした。僕と結婚してください』って。
私が涙を流しながら頷くと、ソラはにっこり笑って、もう一度キスをしてくれて。
で、ピロートークを楽しんだ後、いつしか、ふたりはそのまま手を繋ぎながら眠るんだよな。
翌朝、私が目を覚ますと、そこにはいつものように、朝食を作るソラの後ろ姿があって…。
「っ…♥ うぁ…っ…♥ あ、はっ…♥」
あぁ…、凄い。凄過ぎるぞ。お姉ちゃんにとって、夢のフルコースだ。
想像しただけで、子宮にキュンキュン響く。排卵してしまう。
「ソラ…♥ ソラ…ぁ…♥」
ねだるような、甘ったるい声を上げ、私は恋人の名を呼んだ。
早く犯してくれ、早く夢のようにしてくれ、と。顔を蕩かせて。
対して、ソラはというと。
彼もまた、私と同じように、その身を震わせていた。
「ぁ…♥」
が、彼は私と、いささか状況が違うようだった。
ソラもまた、今にも動きたくてたまらないといった様子ではあったが。
しかし、そうしたくともできない…とばかりに、私の身体にしがみついていた。
歯を食いしばり、爪を立てて。彼は必死に、何かを抑えているようだった。
その何かとは。分かる。私には分かる。
射精だ。挿入しただけで、彼は限界まで昇り詰めてしまったのだ。
つい先程、あれほど出したというのに、今にも張り裂けそうなオチンチン。
早漏なのか、あるいは、それほど私の中を気持ちいいと感じてくれたのか。
どちらも好い。どちらでも、私は嬉しい。弟が幸せを感じているのならば。
「…ふふっ♥」
それに、もうひとつ。私は気付いたことがある。
その気付いたこととは、ソラが勘違いをしている、ということだ。
「…ね、ソラ」
ソラの勘違い。彼は、セックスが、この一回で終わるものと考えている。
どう考えたら浮かんできた勘違いか。恐らく、まだ幼いが故の発想だろう。
終わりはしない。終わらせはしないのに。彼にはそれが分からない。
分からないから、この一度を、とても大事にしようとしている。
少しでも長く、私を感じていたいと、懸命に射精を堪えている。
ソラは、この幸せな時間が終わることを、誰よりも拒んでいるのだ。
「大丈夫…。これで、終わりじゃないよ」
可愛い。もう何度、この感情を弟に対して抱いたことだろう。
私は一生、彼を可愛いと思いながら生き、死んでいくに違いない。
「ソラが望む限り、何度でもできるから…」
可愛いソラ。私の大切な人。一生、私が護ってみせる。
亡き両親に代わり、私の生涯を賭けて。
「…だから、お願い」
それが…私の生き甲斐だ。
「めちゃくちゃに……シて…ッ♥」
瞬間。彼は私の名を呼びながら。
その腰を、思いきり前へと突き上げた。
「ふにゃああぁぁぁっ♥♥♥」
脳天まで響く、快感の衝撃波。
喉から飛び出る嬌声。絶叫。こだまする。
「あっ♥ ひぁっ♥ にゃっ♥ は、はげし…っ♥ きゃうんっ♥」
止まない。すぐに次の衝撃が、私を襲う。
一突き毎に、指先までジンジンするほどの電流が走る。
呂律が回らない。身体がいうことをきかない。何も考えられない。
「そこっ…♥ そこ、弱いのぉっ♥ そんなに突かれたら…くぅんっ♥」
溶ける。溶ける。溶ける。溶けてしまう。
彼と繋がった部分から、どんどん溶けていくような錯覚。
感覚だけが宙に残り、彼と繋がり続けているような、不可思議な感覚。
これが、これがセックス。私が彼と望んでいた行為。
なんて素晴らしいんだろう。なんて幸せなんだろう。
「っぁ…♥ そ、ソラッ…♥」
不意に、私の耳を食み、何かを囁いてくるソラ。
それは夢のフルコースの、あのワンシーン。同じ言葉。同じ愛。
「っ…♥ 私も…♥ 私も、好き…っ♥ 大好きっ♥」
両の手、両の足を伸ばし、彼の身体を抱き締める。
私の身体に纏わりつくスライムのように、私も彼に絡みつく。
離さない。絶対に離すものか。私のものだ。
魔物であろうと、王であろうと、神であろうと。
誰にもこの子は渡さない。私の恋人は渡さない。
「あぁっ♥ だめっ♥ だめぇっ♥ おねえちゃん…も、もうっ…♥」
ソラも。ソラも、私を離さない。抱き締めてくれている。
どこにも逃すまいと、誰にも渡すまいと、この身を抱き締めて。
「だしてっ…♥ ソラ、なかに…っ♥ ぜんぶ、ぜんぶっ…なかにだして…っ♥」
ソラ。大丈夫、大丈夫だよ。
もう、ひとりぼっちになんてしない。ずっと傍にいるから。
だから、こうしていよう。明日も、明後日もエッチしよう。
誰にも邪魔させないから。ソラが望むなら、時間だって止めてみせる。
嘘じゃないよ。お姉ちゃん、ソラのためなら、何だって出来るんだから。
空を飛んだり、ドラゴンを呼んだり、世界をソラのものにすることだって。
「だしてぇ…っ♥ ひあぁっ♥ ソラの…っ、ソラのあかちゃんのもと…♥ ひゃうっ♥」
…でも、しなくていいよね? そんなこと。
いつまでも、こうしているだけでいいよね?
「おく、に…ぃっ♥ あっ♥ あぁぁ…っ♥」
これが、私達の、一番の幸せなんだから。
「イくっ♥ イッ…にゃっ♥ やぁっ♥ イっちゃうっ♥ やっ♥ はっ♥ イくぅぅっ♥」
ソラ。世界一可愛い、私の弟。
愛してる。ずっと、ずっと、ずっと…。
「ぁっ……ひにゃああぁぁぁ〜〜〜〜〜〜〜〜っっっ♥♥♥♥♥♥♥♥」
ずぅっと………。
永遠に…♥
14/03/11 20:42更新 / コジコジ