連載小説
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伍虫
冷たく、カビ臭い空気が漂う倉庫内でコーイに突き付けられたナイフは鈍い輝きを放っていた、その輝きをセヴィは胸が潰れる思いで見ていた。
どうして自分は「助けて」なんて言ってしまったんだろう、コーイの身の安全を考えるなら「逃げて」と言うべきだったのに、いや、そもそも自分が捕まったりしなければコーイをこんな窮地に追い込む事にもならなかったのに。
「ウッ・・・ゴメ・・・な・・・さ・・・」
罪悪感からまた涙をこぼしてしまうセヴィにコーイは視線を移した、目の前にナイフを突き付ける相手がいるにも関わらず。
それがナイフを持った相手・・・ティートの気に障ったようだった、その顔に浮かんでいた笑みを僅かに歪める。
「・・・えらく余裕なんだね?自分の命運握ってる相手に偉そうに啖呵切ったって状況理解してる?それとも出来ない?」
「・・・一つ、聞くぞ」
セヴィの方に視線を向けたままコーイはぼそりと言う。
「あ?」
「お前の」
コーイが何か言い切る前に物凄い音が倉庫内に響いた、何か爆竹でも破裂したような炸裂音だった、その音に合わせてティートの頭がピンボールのように弾かれ、体がぐにゃりと折り畳まれるように地面に座り込むのを男達は見た。
コーイが何の予備動作も無くいきなりティートの顔面を殴ったのだ、まさしくいきなりだった、完全に不意打ちだった、何しろ視線は別の方を向いており、自分から喋り始めた瞬間なのだ。
座り込んだティートの上半身はゆらりゆらりと揺れた後、下半身が正座した状態のまま仰向けに地面にべたん、と投げ出された、白目を剥いた顔には薄笑いが張り付いたままだ、恐らく倉庫内に響いた音が耳に届く間もなく意識が消失したのだろう、その顔の左半分がみるみる青紫に腫れあがり、口の端からぶくぶくと血の混じった泡がこぼれ始める。
男達の表情は一気に険しくなり、場の空気が張り詰めるがコーイは相変わらず覇気の無い表情をしている、その様は今しがた人一人を殴り倒したとは思えない。
そして奇妙な体勢で崩れ落ちているティートの上を道端のゴミを避けるように跨ぎ、男達の方にのそのそと近付いて来る、視線はまたあらぬ方向に向けられており、男達の方を見ようともしない。
不意にコーイに近い位置にいた一人の男がコーイに突っ込んで行った、姿勢を低くしてコーイの腰付近に頭からぶつかって行く、とにかく組み付いて動きを封じようという考えのようだった、もしくはそのまま押し倒してしまえば袋叩きにできる。
どすん、とコーイの腰にしがみつく形で男はコーイにぶつかった、そして胴体を抱えて持ち上げようと・・・持ち上がらない。
ずんぐりとした体形のその男はいかにも頑強そうで傍目から見てもコーイの方が体重が軽く、容易く投げ倒されそうに見える、しかしコーイは根が生えたように動かない。
男は感じていた、自分の抱きついている相手の身体の内に籠っている見掛けからは想像もしなかった巨大な力を、何か大型の獣と取っ組みあっているような感覚だった。
そして気付く、自分の首を抱え込んでいる腕に徐々に力が籠り、締め上げ始めている事に。
そんな力の動きは傍目からは解らない、男達は怪訝な顔をする、どうしてあの男はコーイに組み付いた後投げもせずにばたばたともがいているのか。
「このっ」
異変を感じた男の一人がコーイに躍りかかり、抱えられている男越しに顔を殴りつけようとする、コーイは男の拳を空いている方の掌で受け止める。
男は受け止められた拳を引こうとする、引けない。
「いっ・・・!野郎、放せっ・・・!」
男はもう片方の拳でコーイの肩や脇腹を何度も殴りつけるがコーイは瞬き一つしない。
「いでででででっ!放しやがれいででででいだだだだだだだああ!!」
そのうち男の声は尋常でない悲鳴に変わり始めた、恥も外見も無く全身を揺さぶってコーイの手から拳を外そうとする、しかし腕が僅かに揺れるだけで拳を握る手はまるで動かない、何かの機械に手を挟まれたかのようだった。
コーイはおもむろに男の頭を抱え込んでいた方の手を放した、腰にしがみついていた男はそのままコーイの足にずりずりと頬を擦り付けるように崩れ落ち、丸太のように地面にごろんと転がってビクビクと痙攣し始める、脇に抱え込むだけの力で締め落とされてしまったのだ。
コーイは自由になった手をぬうっと振り上げる。
「ひぃぃっぃぃぃぃっ」
拳を掴まれている男は悲鳴を上げて逃げ出そうとする、この怪力で殴られたら本当に死んでしまうと思ったからだ、しかし相変わらずコーイの手は万力のように男の手を捕まえて放さない。
倉庫内に二度目の炸裂音が鳴り響いた、男の首が捩じ切れんばかりに仰け反り、掴まれていた腕がびぃんと伸びる。
ようやくコーイが手を解放してやると男は人形のようにぐにゃりと崩れ落ちる、その顔は最初にやられたティートと同じような有様になっている。
武術の心得があるような洗練された動きではない、ただ、ぶっきらぼうで大雑把なその動きに迷いはなく、こういった荒事に慣れている事を伺わせる、そして何よりも力が異様だった、先程からコーイの手は握られていない、ティートをのした時もその手は拳ではなかった、破裂音の様な打撃音はコーイが平手打ちで相手を殴っていたからだった、自分の力で拳を振るうと相手の命にかかわる事を知っているからこその平手打ちだった。
もはや男達に舐めた態度を取る余裕は無かった、自分達が相手にしているのは尋常な相手ではない言う事が三人を犠牲にしてわかった。
七人いた人数は四人に減っている、数の上の有利はまだ動かないがもはや安心できるほど優勢では無い。
焦る四人の心情に構う事無く、コーイは相変わらずのそのそとしたやる気のない歩調で近付いて来る、目線も男達の方では無いどこか別の所を見ている、後ろに転がっている三人を相手にする前とまるで変わらない。
四人の内の一人が隣の一人に思わず目を向けた、どうする?というニュアンスを含んだ視線だった、どうやって戦えばいい?もしくは報酬に見合わない仕事だと判断して逃げ出すか?
その一瞬だった、自分から注意を逸らした男に向かって突然コーイが踏み込んだ、直前のやる気の無い歩き方からは予想もつかない速さだった。
男が慌てて視線を戻した時には踏み込んだ足を軸足にしたコーイの前蹴りが腹部に突き刺さっていた。
男は咄嗟に腕を交差させて腹部を守ったが無意味だった、体がくの字に曲がり、馬の後ろ脚に蹴飛ばされたように体が跳ね上げられる、一瞬空中を舞った後どしん、と地面に落下する。
「ぐぶううううぅぅぅっ」
身悶える男は食い縛った歯の間からごぼごぼと吐瀉物をこぼす。
「この野郎ぉぉお!?」
「ひいいぃ・・・!」
集団に割り込んだコーイの両脇に位置する二人は正反対の反応を示した、左手の男は逆上してコーイに襲いかかり、右手の男は恐慌をきたして逃げ出した。
コーイは左側の男にぬう、と手を伸ばした、男の拳が顔に届く前に大柄なコーイの手の方が先に相手の顔面に届き、鷲掴みにした。
「ん゛ん゛ん゛ぅぅぅ〜〜〜〜!?」
何とそのまま顔を掴んだ片手で相手を軽々しく持ち上げてしまう。
男はめりめりとこめかみを襲う激痛に耐えかねて何とか足を地に付けようとばたばたと足掻くが、体は完全に宙に浮いてしまっており、無駄な足掻きにしかならない。
コーイは逃げ出した男の方を見ると、男を掴んだ方の手で振りかぶるような動きをする。
背を向けて逃げ出した男は背後から何かが迫るのを感じた、何かが風を切って飛んで来る、次の瞬間後頭部に物凄い衝撃を受けた。
投げられた男と投げ付けられた男は激しく衝突すると折り重なって倒れ込み、動かなくなった。
コーイは周囲を見回す、もう一人いた筈の男の姿は既に見えない、いち早く逃げ出したようだった、コーイの傍らには呆然と座り込んでいるセヴィ、そして離れた所にもう一人・・・。
「ひぃぃ・・・ひ、ひ、ひ」
あの中年男性だった、腰が抜けてしまったらしく、四つん這いで少しでもコーイから離れようとしている。
コーイはのそのそと歩いて男の進路を塞ぐ。
「へぃぃっっ・・・!ひっ・・・!な、何だ、何なんだお前は!?ば、ばけ、化け物め・・・!」
恐怖で動けなくなる男にコーイはすっと手を差し伸べた。
「・・・!?」
男は一瞬怯えるが、暫くしてもコーイが手を差し伸べたままなのを見て恐る恐る手を取る。
コーイはぐい、と男を引き起こすと服に付いた汚れをぽんぽんとはたいてやる、一見するとまるで転んだ人を助け起こす好青年のような振る舞いだ。
乱れた襟元まできちんと直してやってからコーイは男に自分の手の平を見せた、先程の喧嘩の最中に一度も握られなかった手だ、その手が男の目の前でゆっくりと握り締められ、拳を形作る、平手打ちの威力から察するに容易に人の命を奪う事が出来る拳だ。
「・・・次、見掛けたら、殴る」
相変わらず怒気も気迫も籠っていない抑揚の無い声だった、脅しでは無くただの事実確認の言葉だった。




結論から言って、その中年男性がおかみさんの宿に近付く事は金輪際無かった。




「・・・大丈夫、ですか」
「・・・エ?・・・ああ、ハイ」
男が逃げ出した後、コーイはセヴィの様子を調べてひとまず安堵した、上着は破られてしまっているが下着はぎりぎり身に付けており、一線を守る事は出来たようだった。
しかしだからといって無事な訳ではない、体よりも心に負った傷の方が深刻な場合があるからだ。
セヴィはふらふらと立ち上がるとそこらじゅうに散らばっている自分の破られた衣服を拾い集め始める。
「・・・セヴィさん」
コーイが呼ぶと振り返り、どこか焦点のあっていない目でコーイを見た。
「・・・ゴメン、なさい」
「セヴィさん?」
「ワタシの、セイで、こんな、こと、に・・・」
俯いてぽつぽつと言い始める。
「ワタシが、ワタシが、いなければ、コーイくん、が、アブないメに、アウこと、も」
「・・・」
コーイは無言でセヴィに近付き、手を広げた。
「・・・?」
訝しげに見るセヴィの前で、コーイはひどくぎこちない動きでセヴィの背に手を回し、抱き締めた。
「ア・・・う・・・?」
「・・・」
コーイは何も言わずにセヴィを抱き締め続けた、その腕には結構な力が籠っている、少し、苦しい位に。
ぎゅううっと体を締め付けられると、胸の奥の肺のあたりから何かが押し出されるような気がする、その押し出されたものはコーイの抱擁の圧力に押されて喉元を通り、鼻の奥につうんとした感覚を残し、目から外に零れ出し始めた。
「ふ・・・う・・・う・・・」
「・・・大丈夫ですから・・・」
「ウッ・・・うぇっ・・・えぅっ・・・」
「もう、大丈夫ですから」
「あっ・・・あっ・・・ああああああああぅええええええええええん」
「大丈夫・・・」
「うぇえええええええええええぇえっえっえっ・・・ひっひくっひっく・・・びぇぇぇぇええええああああああぁぁぁ・・・」
セヴィは堰を切ったように泣き出し、コーイの胸に子供のようにむしゃぶりついた。
コーイは何も言わずにただ強い力でセヴィを抱き締める、セヴィの中の涙を絞り尽くそうとするかのように。
「・・・ぶっ飛ばしますから」
そうして、ぼそりと呟いた。
「・・・セヴィさんを傷付ける奴らは・・・みんな俺がぶっ飛ばしますから」




セヴィは夜というものは世界中が暗くて皆が眠っている時間なのだと思っていたが、一概にそうとも言えないのだと窓の外を眺めて知った、もう夜空に月が輝く時間なのに街は一向に眠る気配を見せず、店や屋台からは温かな灯や魔力灯の妖しい輝きが漏れている。
あの後二人はすぐに宿を取って部屋に入った、セヴィはとりあえず浴室を借りて身を清めた後に部屋の窓からぼんやりと外を眺めている所だった。
コーイはその後ろで荷物の整理をしている、セヴィが泣き止んだ後、二人共まだ一言も言葉を交わしていない。
ぎし、と音がして振り返るとコーイは二つあるうちの一つのベッドに腰かけていた、安くつくという理由で二人分の部屋を取っていたのでベッドは二つある。
「・・・すいません・・・俺の不注意です」
コーイは手を膝の上で組み、俯いてぼそりと言った、セヴィにしかわからないぐらいの変化だが沈痛な面持ちをしている。
「・・・俺が、不用意にセヴィさんを一人にしなかったら・・・」
セヴィはふるふると首を振った、実の所もうショックからは殆ど立ち直っている、コーイの腕の中で思い切り泣いた時に悲しさもストレスも出しきってしまったようだった。
セヴィは窓の前から移動し、コーイの向かいのベッドに座った。
「・・・平気ですか、俺といて」
危うく暴行されそうになった後で男と部屋に二人きりという状況は怖くないか、と聞いているのだ、できれば一人にしておいて欲しいという場合もあるだろう。
セヴィはまたふるふると首を振った。
「・・・あのヒトタチ、と、コーイくんはチガい、ます」
そう言った後、少し躊躇ってから、付け加えた。
「イッショに、いて、ホシイ、です」
「・・・わかりました」
「・・・」
「・・・」
暫く、二人共向かい合って座ったまま何も喋らなかった、外からは祭りの喧騒が遠い世界から聞こえてくる音のように部屋に流れ込んでくる。
「・・・コーイ、くん、は」
「・・・はい?」
「おかみさん、のトコロにクる・・・マエは、どうしてたん、デス、か?」
「・・・」
「アッ、あの、いいたく、なければ、ムリには・・・」
沈黙に耐えかねて、と言う訳ではないが何となく間を持たせたくてセヴィはずっと聞きたかった事を聞いた、しかし聞いた後で不躾な質問だったかと後悔した。
コーイは視線を床に落とした。
「・・・いえ、別に、聞かれて困るような話じゃ・・・ないです」




最も恵まれない生まれ、というのを生きようとする努力さえ許されずに生まれてすぐ、もしくは母親の胎内で終わらされてしまう命の事を指すのだとするなら、コーイは少なくともこの歳まで生き延びてこれただけ最悪の生まれでは無かったと言える。
しかし、客観的に見て最悪から二番目か三番目くらいに恵まれていないとは言えるだろう。
コーイはとある貧民街の中の一軒のあばら家で生を受けた、父親は乱暴者で酒に酔うとさらに狂暴になる男だった、そしていつでも酔っぱらっていた。
母親はコーイに対しては優しかったが弱く、父に依存しきっていた、なのでコーイが虫の息になるほど父に殴られても泣くばかりで助けてはくれなかった。
いつでも餓鬼のようにがりがりに痩せていて空腹を抱えていた、飢餓と暴力に耐えしのぶ日々はコーイの生まれつきの生命力の強さがなければとっくに死んでしまっているほどに過酷だった。
そんな毎日の中でコーイは笑う事と泣く事をしなくなっていった、笑っても泣いても父に殴られるからだ。
永遠に続くかと思われた灰色の日々はある日唐突に終わりを迎える。
コーイの年齢が二桁に届くか届かないかの頃、物乞いをしてから家に帰ってみると父が母の首を絞めていたのだ、いつもの暴力と違い本気の殺意が込められているようだった。
コーイは父の背中に飛び掛って止めようとした、父は振り返ってコーイを殴り飛ばし、咳き込む母の首を尚も締めようとした、コーイは台所にあったナイフを掴んで父親の背中に切り付けた。
激昂した父親ともみ合いになり、気付いた時には血まみれの父親が足元に倒れていて、母はその体に縋って泣きじゃくっていた。
普通なら弱っているコーイに父親がこんな風にされることは無いだろうが、ナイフの当たり所が悪かったらしく、父の出血は止まらなかった。
母は泣きながらコーイに「何もかもお前のせいだ、出ていけ悪魔!」と呪詛の言葉を吐いた、その声を背にしてコーイは家を出た、もう、ここでは生きていけない事を悟ったからだ。
父が死んだのか死んでいないのか、コーイは今も知らないし、知りたいと思わない。




「・・・右目、実はよく見えないんです、その頃の栄養失調だかなんだかが原因で・・・」
コーイは自分の凄惨な生い立ちを語る時も他人事を語るかのように平然としていた、そんな態度が逆にセヴィの胸をえぐった、何をどう言っていいかわからなかった。




家を出た後、コーイは食料と生きていける場所を探して各地を転々とした、物乞いをしてきた中で付けた生き延びるための知識と生まれつきの丈夫さでどうにか命を繋ぎ続け、最終的に傭兵のような家業に落ち付いた、訓練など積んだ事は無いが、常日頃から暴力と共に生きて来たコーイは荒事の場数だけは膨大に踏んでおり、それが財産になった。




「で・・・そんな中で、おかみさんの宿を見つけて・・・こうして、働き始めたんです」
「・・・?」
急に話が飛んだように感じてセヴィは首を傾げる、今までの話を聞く限り、コーイに宿で働きたいと考える動機があるとは思えない。
「・・・そういう、訳、です」
やや強引に話を切り上げようとするコーイにセヴィは聞いた。
「・・・どうして、ヤドで、はたらきタイって・・・?」
「・・・」
コーイの視線が泳いだ、珍しい事だ、人の目を見ようとしないのはいつもの事だが、こうして戸惑ったように視線を彷徨わせる所は見た事がない。
そうしてセヴィの方を一瞬だけ見て、また視線を逸らしつつ言った。
「・・・聞きたい、ですか」
「エ・・・?え・・・ハイ・・・」
「どうしても、ですか」
「アッ・・・い、イエ、ムリには・・・」
「いや・・・言います、言わせて、下さい」
コーイはそう言ってまた視線を左右に散らした、落ち着きが無い。
「・・・・・・下心、です」
「・・・?」
「セヴィさんに、近付きたくて、働き始めました・・・」
「・・・・・・へ?」
セヴィはぽかん、と口を開けてしまった。
12/02/19 10:35更新 / 雑兵
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■作者メッセージ
ちょっとえぐいのでタグに「暴力表現」を追加しました。

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