泥酔
暑い。
だけど、残念ながら俺の部屋にはクーラーというぜいたく品などない。
部屋中の窓を全開にし、扇風機でなんとか凌ぐだけだ。
蝉の鳴き声が絶えず響き渡る。
季節は夏真っ盛り、俺は就活真っ盛り中。
しかし、美雪さんの外出中と風呂につかってるときのオナニーはかかさない。
部屋でだらっと寛いでいると・・・
プルルルル
俺のケータイが鳴った。
すかさず、電話に出ると思いがけない相手からだった
「も、もしもし?」
「あ、もしもし、竜也君?楓だよ。」
「か、楓さん!!」
「あっなにか忙しかった?」
「いやいやいやいや、ぜんぜん暇してたとこです。」
俺は彼女からの突然の電話に驚きと、なんの用事だろという期待がこみあがる。
「そっか、よかった。実はね・・・」
彼女の用事に俺の期待は普通に消えていく・・・
「私、サークルの連絡係で、明日みんなで少し遅い新入り歓迎会を兼ねて、私たち4年生を見送る会として飲み会するんだけど、竜也君これそう?」
(はぁ、ま、そうだよなぁ。楓さんが俺なんか・・・)
そうは思ったものの、ふられたときに比べると、まったく気は沈む気配はなかった。
「あ、はい。大丈夫です。」
「わかった。じゃあ、明日の夕方5時くらいに駅近くの吉屋集合で。まってるね。」
「は、はい、わかりました。では、また」
ピッとケータイを切る。
(まぁ、このごろバイトと就活ばかりで息抜きしてなかったからな。たまにはパーってするのもいいだろ)
洗濯物を干していた美雪さんが部屋に入ってきた。
「あら?明日、なにかご予定でもはいりました?」
「ええ、ちょっとサークル仲間と夕方から飲みにいきます。」
「そうですか。わかりました。」
そんなやり取りを交わし、今日も美雪さんの手厚いお世話とともに一日を終える。
あくる日の待ち合わせ時間の一時間前。
「じゃ、駅まで距離あるんで、いまから行ってきますね。夕飯はあっちですますので、かまいませんから。」
「はい、わかりました、きをつけていってらっしゃいませ。」
いつもと同じように彼女は笑顔で見送ってくれた。
(ふ〜さすがに1時間弱自転車に乗ってたら、尻や腰にくるなぁ〜。まあ、日ごろの学校通いで慣れっこだけど)
俺は待ち合わせ時間の5分前にいわれた場所にやってきた。
サークル仲間はもうほとんど来ていた。
「おまたせぇ〜、みんな早いねぇ?」
「あったりめーだろ?ここにいるやつは皆、ヒマなんだからさ」
「そ、そっか。」
(4回生以外はわかるが、そう言うお前も含め俺ら4回生は忙しいだろ?)
そう感じるも、おそらくここにいる4回生も俺と同じように本当は忙しいとおもう・・・。
新入りはどこか緊張しているのか、口数が少ない。
(ま、まぁ、俺も最初は緊張してこんな感じだったかな)
そのまま、俺たちは飲みながら、雑談やこれからのことなどの話で盛り上がり、いよいよ解散時がやってきた。
「んじゃ〜シメはやっぱりサークルから卒業する俺らから例のやつをするか・・・」
俺は息をごくりとのむ。
例のやつとは、毎年行われている、サークルを卒業する人たちから一人選んで、大きめのジョッキ一杯分のビールを一気に飲み干す行事だ。
「じゃ〜この割り箸から一本ずつ引いてくれぇ」
準備よく、卒業メンバーの人数分の割り箸が用意されていた。
俺は無難に一番右端のをとった。
「よ〜し、みんなひいたな?んじゃ、その自分で引いた箸の裏に黒い印があったやつが例のやつな。」
俺はおそるおそる割りばしの裏面をみる。
(ふ〜よかった、何の変哲もない普通の割り箸だった)
「お〜い、だれだぁ?いるだろぉ〜?ちなみに俺ではなかったぜ」
・・・・・・。
誰も名乗り出ない。
「おいおい、隠すつもりか?じゃあ、引いたヤツ、一人ずつ俺に割り箸みせてくれ。」
そう仲間がいい、順番に確認していく。
そして、俺の番がやってきた。
「じゃ、次は竜也だな。渡してくれ。」
俺は堂々と差し出した。
彼の口元がニヤリとわらった。
「ハッハッハ、竜也、お前だったわ。」
!!!
「えっ!!そんなことないぞ?俺もちゃんと見たし・・・」
「いやいや、わりぃ、わりぃ、しるしつけたほうをお前の方に向けてて、多分しるしごと握ってしまったんだろ。だって、ほらよ」
彼はくるっと割り箸を回転させた。
そこには、俺が渡しはずの箸の先に黒い印があった。
「え、えぇぇぇ!!まじかよぉ〜。」
「マジだ。よし、じゃ、よろしくたのむぜ?」
俺の前にジョッキが置かれ、どんどんビールが注がれていく。
「い、いや、俺、あんま酒のまないし・・・」
「はぁ?逃げる気か?我がサークルの伝統を途絶えさせていいのかよぉ?」
逃げるために言ったわけじゃない、本当に酒をあまり飲まないのだ。飲まないというより、初めて飲んだとき、缶一本半でグラグラに酔ってしまったからだ。それで、こんな量をいっきに飲むと・・・
ジョッキ一杯につぎ終わる。
「じゃ、竜也、見せてくれよぉお前の男気ってやつを。」
「い、いやぁ、俺は・・・」
「せんぱぁ〜い、おねがいしますよぉ?」
いつのまにか、口数が少なかったはずの新入りたちも期待でいっぱいなのか、煽ってくる。
(く、くそ、よりにもよって、何で俺が・・・)
ジョッキに手をかけると「お?」と歓声が響く。
しかし、俺の手は止まったままだった。
体全体で、躊躇していたが、
「竜也君、がんばって!」
(か、楓さんまで・・・)
彼女の一言で、もうどうにもなってしまえと一気に口元へ運ぶ。
そうしたときも、周りから「お〜」と歓声が響いたが、俺はもう飲むことだけに集中して、ほとんど耳に入らなかった。
どんどん、俺の喉にビールが流れ込んでゆく。
しかし、一気に飲み干しているため、ほとんど味がしない。
そして・・・
「ブハーーーー!!」
と、泡一つも残らさず、俺は飲みほした!!
「お〜よくやった!!いいのみっぷりだったぜ?最高のシメになったぜ!!」
「先輩、かっこよかったっす!!」
俺は、なにか満足感に浸る。
「んじゃ〜、これでお開きだな!!みんな、これからもがんばれよ!!」
そして、サークルの飲み会は終わった。
「お、おい。そういや、竜也、お前チャリだったな〜?なんか悪いことしたな〜」
「いやいや、いいよ別に。タクシー呼ぶから。」
「そうか。じゃあ、安心だな。おつかれさん!!」
「ああ、おつかれ〜」
そう言って、サークル仲間と別れた。
俺はあんなに飲んだというのに、それほど酔いがなく、自転車で帰れるんじゃ?とまで思えたが、やはり念のためタクシーで帰ることにした。それに、自転車でも飲酒運転は法的にダメだからな。
タクシーで帰ってる途中、徐々に意識が朦朧としていくのがわかった。
(あぁ、いまごろきたかぁ・・・帰ってはやくねよ・・・)
そう考えながら、ぐったりと体の力を抜く。
「お客さん!!お客さん!!着きましたよ!!?お客さん!!」
タクシードライバーに怒鳴られるように、起こされた。
「はぁ・・・つきましたか・・・」
「はい、料金は・・・」
俺は手慣れない手つきで財布からやっとのことで料金をだす。
「まいど。お客さん、かなり酔ってるみたいだけど、大丈夫かい?」
「あ・・あい〜・・・わがはいは・・げんき〜」
「ありゃりゃ、こりゃだめだわ。よし!」
そう言い、彼はタクシーから出てきて、肩をかしてくれた。
「ありまとぉ〜ございやぁ〜す」
「あいあい、お礼なんていいから、部屋番号教えてくれ」
「へ・やば・・・ん?あ〜あ、えぇっと〜・・・に〜まる・・なな〜で〜す」
「はいはい、207ね。んじゃ、いまから行くよ?」
「おねがいしま〜す。あ・・・おだちんはいくらになりますかぁ〜?」
「ははっ、そうだねぇ、100万くらいでももらおうかな〜?」
「ひゃっひゃくまん!!おれ・・そんなにもってないですぅ〜」
「はっはっは、冗談だよ冗談。よいしょっと、ここが207番だね」
彼は部屋の明かりがついているため、中に人がいると考えノックした。
ガチャッとドアが開き、うつくしい女性が出てくると、彼はひとつ息をのんだ。そして、横の酒ででろんでろんの男の代わりに事情を話した。
「こんばんは。こちらのお客さんが酔いつぶれて危なっかしかったので、この部屋だと聞き、連れてまいりました。」
「まぁ〜!本当にすみません。ご苦労様です。」
彼女は静かに頭を下げる。さらさらとした長い黒髪が垂れるのに、ドライバーも心を奪われそうになった。
「い、いえ。それより、かなり酔ってるっぽいので、早めに寝かせてあげてください。では、ここらへんで。」
ドライバーはかぶっていた帽子を脱ぎ、軽くお辞儀して部屋をあとにする。
「はい。ありがとうございました。さようなら。」
彼女もお辞儀を返し、見送る。
そして、フラフラしている竜也の手をとり、部屋へと一緒に入った。
「ふふっ、こんなになっちゃって」
彼女は彼に代って、靴を脱がせてあげた。脱がし終えると
「みゆきさ〜ん、頭がポカポカするぅ〜。なんだか熱いよぉ」
「まぁ、大丈夫かしらぁ?」
彼女は冷たい手を俺の額にあててきた。
「うわぁ〜美雪さんの手はやっぱり冷たくてきもちいぃ〜」
「うふふ、それはよかったです。では、お風呂にはいって、はやく寝ましょうか。」
「うへぇ〜おふろはぁあついよぉ〜。」
「でも、はいらないと、体が汚れたままですよ?」
「それもいやぁ〜。・・・あぁやっぱ、おでこだけじゃ我慢できないぃ〜。」
俺はおもわずそう言うと、彼女の額の手を押しのけ、流れるように顔を白い谷間があらわになっている彼女の胸へと近づけた。
「きゃっ!!りゅ、竜君!!?」
彼女の驚いた声がして、ふと我にかえる。
「あっ!す、すみません。こんないやらしい・・・」
そう言いかけると、彼女は「ふふっ」っと微かに笑うと、自分の手で彼の顔をを胸に押しつけた。
「えっ!?ちょ、み、みゆきさん!!?」
「ふふふ、大丈夫よぉ〜。私が癒してあげますからぁ〜。」
どこか妖艶な声で返事をしてくる。
「い、いやっ、こんなこと・・・やっぱり・・・」
「あら?そう見えるかしら?だったら・・・」
すると、スーとなにかの紐が解かれたような音がした。
「こうしてあげると・・・私が嫌じゃないって証明になるわよね?」
彼女はそのまま身に着けていたワンピースを脱ぎ始めた。
「み、美雪さん!!?」
「うふふ、ちょっと待ってね〜竜君」
ゆっくりと彼女は俺の顔をチラチラみながら、白い肌をさらけだしていく。
そして・・・脱ぎ終えると、女性の秘所以外、裸の状態になった。
彼女は絶えず笑みを俺に向けてくる。
「み、美雪さん!こ、こんなこと・・・」
「あらあら?竜君は私のこと嫌いなの〜?」
「い、いえ!そんなことは・・・で、でも、だからといって」
「そう?残念ねぇ。」
彼女はそう言いながら、腕で胸を下から押し上げる。
俺はその行為で頭が沸騰したように熱くなり、思考がうまくできなくなっていった。
「美雪さん?ですよね?」
俺は、いつもと様子がおかしい彼女に訊いてみた。
「ええ、そうよ?どこか変かしらぁ〜?」
(ハハハ。おそらくこれは俺が妄想する夢だ。だって、いつもの彼女はもっと清楚というか上品というか、まあ、こんなやらしいことを自分からやるような女性ではない。それに、いつもより妖艶さがにじみ出ている。ハハハ、最高の夢だな〜こんなの)
俺は半ば夢かは疑いはあるも、目の前の楽園への入り口のようなものがあって、だれが飛びこまないでいられようか。
俺は一歩、彼女の方へ歩み寄る。
それを見て、彼女は
「ふふ、やっと来てくれるのですね。さぁ、おいで。」
彼女は両手をひろげ、優しく微笑みながら俺を待ってくれている。
(あああ!!もう、夢でも現実でもどうにもなってしまえええ!!)
と、踏ん切りがつき、おもいっきり彼女の体へと飛び込んだ。
「よしよし。竜君は意外と甘えん坊さんなのねぇ。」
「はぅぁ〜美雪さんの体、ヒンヤリとしてて、きもちぃ〜」
お互い抱き合うような姿勢でしばらくそのまま佇んだ。
「竜君、そういえば顔が火照ってるていってましたよね?それじゃあ・・・」
彼女はそう言うと、少し身を引き、背中にあった手を俺の頭に回し、そのまま彼女の胸めがけて押しつけてきた。
「ふふふ、どう?きもちいい?」
彼女の胸で呼吸はしにくかったが、それよりも柔らかくてヒンヤリとしたゼリーのような彼女のおっぱいは言うまでもなく・・・
「はい!!最高です!!」
「ふふっ、よかった。」
俺はだんだんと眠気がやってきて、彼女の胸のなかで意識がとおのいていく・・・
「あらあら?そんなに気持ち良すぎたのかしらぁ?では、こんな狭いとこではなく、リビングで横になりましょうか。」
彼女はそのまま、彼を抱き上げ、リビングへと連れて行った。
そして、彼女は俺をうつぶせに寝かせ、俺の頭の方に身をおいた。
「たしか・・・竜君はこうされるのがお気に入りだったかしら?」
彼女はそう言うと、俺の頭を持ち上げ、生身の白くて柔らかい両太ももで俺の頭をがっちりホールドした。目の前にはパンツで隠されているが彼女の秘所部分がある。
(こ、これは!俺のお気に入りのアダルトビデオの・・・)
「うふふ、きもちいいいかしら?」
彼女は太ももで俺の顔をこすってくる。俺は
「ああ・・・ああ・・・」
としかもう口に出せない。
耳も一緒に挟まれて、あまりうまく聞き取れないが、
彼女のパンツ越しから、クチュクチュと淫らな音が俺を誘うように音を立てている。
「私もきもちいいわ〜。竜君とこんなことできるなんて。」
妖艶な声が頭に響く、それが子守唄のように俺を眠りにいざなう。
「うふふ、眠っていいですよ。私が気持ちよく眠らして差し上げますから。そして・・・この体で・・・あなたを・・」
最後の方はもう聞き取れなかった。
そして、俺は快楽にまみれながら夢にでかける。
(あれ?今も夢の世界では・・・?はは、まあ、目が覚めたら分かることだ・・・おやすみなさい、美雪さん。)
「ふふっ、おやすみなさい、竜君。」
彼女は彼が寝ているのを確認すると、ゆっくりと彼の服を静かに脱がした。
ズボンも脱がし終えると、
「それじゃあ、私があなたの体を洗ってさしあげますね。」
彼女はゆっくりと体を液状化させ、あたりに水たまりをつくった。
その水たまりは、ビチャビチャと音を立てながら、竜也の体全体をどんどん覆っていく。
「ふふふ、これがあなたの汗の味なのね。おいしいわぁ〜。さすが私が好きな・・・」
彼女は「好きな」という単語が口に出た瞬間、体の動きを止めた。
(す、好きって。わ、私が竜君のことを・・・。で、でも、これは美香さんの意志が焼きついたもので・・・。)
彼女は胸がそわそわしている自分が分かった。
(私のこの思いは美香さんのもので・・・けっして私のおもいなんかじゃ・・・。でも、この胸のざわめきは何かしら・・・?く、苦しい。竜君をみていると、ますます苦しくなる。)
彼女は液状化した手で彼の頬をなでる。
すこし気持ちよさそうな顔になったように思えた。
(私はこの子を愛してるのかしら。美香さんの思いだけでなく、私自身でも。けれど、愛するってなに?今まで、そんな思いしたことない。わからない。わからないわ、竜君。教えてよ、この気持ち)
彼女はじーっと彼の顔を見るが、そこにはただの寝顔しかない。答えなど返ってくるはずもない。
そして、彼の萎えてる男性器に彼女の体が到達した。
(もしかしたら、私が求めるているのは・・・これだけなのかもしれない。)
彼女は彼のものに目をやる。
そして、やさしくもむように圧力をかけた。すると、
「うぅ、う〜」
と寝ている彼がすこし反応を示す。
彼女はあっと思ってすぐ、体を人間の姿に戻す。
でも、彼は寝たままで目を開ける気配はなかった。
(ふ〜よかったわぁ。おもわず、彼のあれに手を加えてしまったわ。でも、いずれこの体のことも、あなたの精液を求めているということもあなたに言わないといけませんよね・・・。でも、怖いです。あなたがそれを知って、私のことを・・・。しかし、美香さんとの約束ですし・・・)
彼女は葛藤にとらわれながら、胸のざわめきとともに、胸を抱きかかえる。
(そ、そうよ。美香さんとの約束の通り、私の体のことを竜君に伝えてしまえばいいのよ。それで、彼がどんな反応をとったとしても私はそれを受け入れればいいのよ。たとえ、姿を消さなければならなくなったとしても・・・。でも、それでこの胸の苦しさが消えるなら・・・。そう、いずれ話す時がやってくる、そのときまで・・・)
彼女は再び彼の寝顔を手でゆっくりなでた。
そして、
「もうすぐ、もうすぐあなたに私のことを教えます。だから、せめてそれまで・・・。私もあなたのお世話を精いっぱいさせてもらいますから・・・。おやすみなさい、竜君。」
そう言って、彼女は彼を膝枕し、彼の寝顔をのぞきながら、ゆっくりと目を閉じた。
翌朝。
俺はなにか頭の下に柔らかいものを枕にして寝てたようだ。
目をそっと開けると、そこには「おはようございます」と微笑む美しい美雪さんの顔があった。
俺はしばらくじーっと彼女と目を合わせると、バサッと上体を起こし、
「あ、あわわ!み、美雪さん!!ど、どうして!!!?」
「あらあら?昨夜のことおぼえていないのですか?」
「え、え〜っと、昨日はたしか・・・飲み会があって・・・」
「うふふ、そうです。竜君はそれから酔って帰ってきて、そのまま玄関で寝ちゃったのよぉ?」
俺は徐々に微かな記憶が浮かび上がってきた。
なぜか、美雪さんにやましいことをやったていう記憶が・・・
「あ、あのぉ〜?俺、昨日、美雪さんになにかいやらしいことやりませんでしたか?」
と、念のため尋ねてみる。
「いやらしいことですか?私はとくにそんなことはされてませんが?」
「そ、そうですか。それは良かったです。」
(では、あの記憶はなんだったのだろうか?あんな気持ちいい感じ・・・ああ、そっか夢かな。多分、二度寝して、初めのほうの眠りでみた夢だったんだ!でないと、あんな気持ちいいこと。それにあの美雪さんが・・・)
「私の方こそ、竜君に勝手なことをやらせてもらいました。」
「え?ああ、膝枕ですね。いえいえ、俺の方こそ気持ちよく寝させてもらって・・・」
「あ、いえ、それだけじゃなくて・・・。そ、その勝手にお着替えと体を洗わせてもらいました・・・。すみませんでした・・・。」
彼女は悲しげにそう言う。
よく見ると、服も寝巻に着替えてて、体も風呂でも入ったかのように肌がすべすべとしている。
(って、着替えさしたってことは・・・俺のあそこを・・・それに洗ってくれたってことはなおさら、俺のを目にしたのでは・・・)
「いやいやいや。逆に助かってますよ。それに・・・汚らしい一物をお見せしたことでしょう・・・」
「ふふふ、大丈夫です。さぁ、ご飯の支度をしますね。」
「あ、はい!ありがとうございます。」
そう言い、お互いに立ち上がろうとすると、急に俺の体全体にだるさというか脱力感がおそい、おもわず立ちすくんだ。
「だ、大丈夫ですか?」
彼女はとっさに手で俺の体を支えてくれた。
「あ、ありがとうございます。二日酔いかな?なんだか体がだるくて・・・頭もちょっと重くて、気分が悪いです。」
「二日酔いですか・・・。はぁあよかったです。ほっとしました。今日はベッドでゆっくりしていてください。」
「は、はぁ、そうします。ちょうど今日はバイトも休みですし。いろいろと迷惑かけそうですみません。」
「いえいえ。さぁ、ベッドへ」
そのまま、彼女に支えられながら、ベッドに横になる。
「ありがとうございます。」
「うふふ、ゆっくりしててください。では、消化のいよいお粥でも作りますね。」
「はい、おねがいします。」
彼女は笑顔で返事をし、台所へとむかった。
(はぁ〜やっぱ、俺って美雪さんに頼りっぱなしなダメな男だな〜)
そう自分を責めただすことしか、今はできなかった。
しばらくして・・・
「は〜い、できましたよぉ〜。食べやすいようにぬるめで作っております。それと・・・こちらは二日酔いに効く錠剤です。このコップに入った水と一緒に朝食後飲んで下さい。」
「は、はぁ、ほんとうにすみません。」
「うふふ、いえいえ。では、食べさしてあげますね。」
そういうと、彼女はレンゲでお粥をすくい、いったん口元でフーフーしてから、俺の口元に近づけてきた。
美雪さんの息を吹きかけている姿に、俺はおもわず萌えといおうか、愛おしさを感じた。
「い、いやぁ!!自分で食べれますから!!」
「あらぁ〜、そう?じゃあ、ゆっくりと食べてください。」
彼女はレンゲを俺に渡し、お粥のお盆を俺のそばに置いてくれた。
俺はトロトロのお粥をすくい、口に運ぶ。
口に入った瞬間、じわ〜っと口全体にお粥の味が広がり、いつのまにか喉を通っていた。
「うふふ、おいしいですか?」
「は、はい!口全体においしさが一気に広がってきます!!」
俺はどっちかというとお粥はあまり好きではなかったが、美雪さんが作ってくれたこれに関しては、本当においしく味わえた。
ゆっくりと食べたつもりが、知らぬ間にお粥の入ったお椀は底をついた。
「ごちそうさまでした」 「お粗末さまでした」
「では、お薬をどうぞ」
彼女は片方の手で錠剤を渡してき、もう片方の手で水の入ったコップを渡してきた。
「ど、どうも。」
俺は錠剤を口に含み、コップの中の水を一気に飲み干した。
すると、美雪さんが・・・
「あんっ!」
と甲高い声を出した。
俺はすぐに
「ど、どうされましたか!?」
と尋ねたが、
「い、いえ、なんでもないです。」
と、どこかあわてながら返事した。
そうすると、普通の水道水ではないほどに、喉の奥の方までヒンヤリとした冷たさが腹の中に伝わる。
そして、なんだか眠気まで・・・さっき起きたばかりなのに・・・
「す、すみませんが、急に眠気が襲ってきました。」
「ふふっ、そうですか。では、ゆっくりと眠ってください。」
「は、はい〜・・・うぅ〜」
俺はもう眠りにほとんど落ちていた。
「おやすみなさいませ。」
なんだか嬉しそうに彼女はそう言う。
俺はそのまま真っ暗な世界へ・・・
正午ぐらいだろうか、日が真南から差してきている。
俺は胸のあたりに違和感を抱き目が覚める。
上体を起こすと、そばに美優さんの姿があった。
「お目覚めですか?」
「は、はい、急に胸のあたりがむずむずして・・・。うっ!!」
俺は突然、ものすごい吐き気が胸の方からこみあげてくる。
すぐに、ベッドから飛び起き、トイレへ直行した。
そして、我慢してたおう吐物をトイレに吐き出す。
「ゔぇ〜〜」
お粥しか食べてなかったためだろうか、おう吐物は水のようにほとんど透明で粘り気もなさそうだった。
いつのまにか美雪さんが横まで来てくれて、背中をさすってくれていた。
「大丈夫ですか?吐ける分は吐いたほうが気持ち良くなるはずです。」
「は、はい。どうやら出し切れたようです。」
「ふふっ、そうですか。では、口をゆすいできてください。」
「は、はぁ〜。」
俺は立ち上がり、振り向くと、その瞬間!!
第二波が胸から勢いよくたきあがってくる。
(や、やばい、はやくトイレのほうに・・)
俺は口をおさえながら、ふりむいたが、手を離した途端に吐き出てしまった。おう吐物の一部が便座で飛び散ってしまい、横にいた美雪さんの白い肌の一部を汚してしまった。
「ゔぇ〜〜・・・うぅ、ご、ごめんなさい!す、すぐに拭き取ります!!」
「ふふっ、いいわよ別に。さあ、口をゆすいできてください。」
「で、でも・・・」
「大丈夫ですから。さあ、はやく。」
「は、はぁ〜・・・」
俺は言われるとうり、口をゆすぎに洗面所に向かう。
どうやら、こんどこそ出し切れたようだ。第三波はくる様子がなかった。
彼女は自分の体とトイレを掃除しているのか、しばらく出てこなかった。
トイレに一人残った彼女は・・・
ジュルルゥっと腕に付いた彼のおう吐物を舐めとり始める。
シュルルゥチュパーヂュルルル
淫らな音がトイレに響く。便器の中に彼が吐いたはずのおう吐物もビチャビチャと彼女の体に這い寄ってくる。そして、体と一体化すると、
「ふふふっ、おいし。さすが竜君の体液だわぁ。うふっ、ごちそうさま。」
彼女は妖艶な表情でそう呟く・・・
だが、当の彼はもちろんそんな彼女を知るはずもなかった。
二日酔いのだるさはもうなかったが、まだ残っている眠気に身を任せ、再びベッドに横になり、眠り始める。
「おやすみなさい、竜君。それと・・・ごちそうさま。」
なぜか妖艶な口調でそう言う美雪さんが見えたが、もう意識は眠りの中へ・・・
「もうすぐ、あなたに・・・」
彼女は何かつぶやくが竜也にはきこえない・・・
だけど、残念ながら俺の部屋にはクーラーというぜいたく品などない。
部屋中の窓を全開にし、扇風機でなんとか凌ぐだけだ。
蝉の鳴き声が絶えず響き渡る。
季節は夏真っ盛り、俺は就活真っ盛り中。
しかし、美雪さんの外出中と風呂につかってるときのオナニーはかかさない。
部屋でだらっと寛いでいると・・・
プルルルル
俺のケータイが鳴った。
すかさず、電話に出ると思いがけない相手からだった
「も、もしもし?」
「あ、もしもし、竜也君?楓だよ。」
「か、楓さん!!」
「あっなにか忙しかった?」
「いやいやいやいや、ぜんぜん暇してたとこです。」
俺は彼女からの突然の電話に驚きと、なんの用事だろという期待がこみあがる。
「そっか、よかった。実はね・・・」
彼女の用事に俺の期待は普通に消えていく・・・
「私、サークルの連絡係で、明日みんなで少し遅い新入り歓迎会を兼ねて、私たち4年生を見送る会として飲み会するんだけど、竜也君これそう?」
(はぁ、ま、そうだよなぁ。楓さんが俺なんか・・・)
そうは思ったものの、ふられたときに比べると、まったく気は沈む気配はなかった。
「あ、はい。大丈夫です。」
「わかった。じゃあ、明日の夕方5時くらいに駅近くの吉屋集合で。まってるね。」
「は、はい、わかりました。では、また」
ピッとケータイを切る。
(まぁ、このごろバイトと就活ばかりで息抜きしてなかったからな。たまにはパーってするのもいいだろ)
洗濯物を干していた美雪さんが部屋に入ってきた。
「あら?明日、なにかご予定でもはいりました?」
「ええ、ちょっとサークル仲間と夕方から飲みにいきます。」
「そうですか。わかりました。」
そんなやり取りを交わし、今日も美雪さんの手厚いお世話とともに一日を終える。
あくる日の待ち合わせ時間の一時間前。
「じゃ、駅まで距離あるんで、いまから行ってきますね。夕飯はあっちですますので、かまいませんから。」
「はい、わかりました、きをつけていってらっしゃいませ。」
いつもと同じように彼女は笑顔で見送ってくれた。
(ふ〜さすがに1時間弱自転車に乗ってたら、尻や腰にくるなぁ〜。まあ、日ごろの学校通いで慣れっこだけど)
俺は待ち合わせ時間の5分前にいわれた場所にやってきた。
サークル仲間はもうほとんど来ていた。
「おまたせぇ〜、みんな早いねぇ?」
「あったりめーだろ?ここにいるやつは皆、ヒマなんだからさ」
「そ、そっか。」
(4回生以外はわかるが、そう言うお前も含め俺ら4回生は忙しいだろ?)
そう感じるも、おそらくここにいる4回生も俺と同じように本当は忙しいとおもう・・・。
新入りはどこか緊張しているのか、口数が少ない。
(ま、まぁ、俺も最初は緊張してこんな感じだったかな)
そのまま、俺たちは飲みながら、雑談やこれからのことなどの話で盛り上がり、いよいよ解散時がやってきた。
「んじゃ〜シメはやっぱりサークルから卒業する俺らから例のやつをするか・・・」
俺は息をごくりとのむ。
例のやつとは、毎年行われている、サークルを卒業する人たちから一人選んで、大きめのジョッキ一杯分のビールを一気に飲み干す行事だ。
「じゃ〜この割り箸から一本ずつ引いてくれぇ」
準備よく、卒業メンバーの人数分の割り箸が用意されていた。
俺は無難に一番右端のをとった。
「よ〜し、みんなひいたな?んじゃ、その自分で引いた箸の裏に黒い印があったやつが例のやつな。」
俺はおそるおそる割りばしの裏面をみる。
(ふ〜よかった、何の変哲もない普通の割り箸だった)
「お〜い、だれだぁ?いるだろぉ〜?ちなみに俺ではなかったぜ」
・・・・・・。
誰も名乗り出ない。
「おいおい、隠すつもりか?じゃあ、引いたヤツ、一人ずつ俺に割り箸みせてくれ。」
そう仲間がいい、順番に確認していく。
そして、俺の番がやってきた。
「じゃ、次は竜也だな。渡してくれ。」
俺は堂々と差し出した。
彼の口元がニヤリとわらった。
「ハッハッハ、竜也、お前だったわ。」
!!!
「えっ!!そんなことないぞ?俺もちゃんと見たし・・・」
「いやいや、わりぃ、わりぃ、しるしつけたほうをお前の方に向けてて、多分しるしごと握ってしまったんだろ。だって、ほらよ」
彼はくるっと割り箸を回転させた。
そこには、俺が渡しはずの箸の先に黒い印があった。
「え、えぇぇぇ!!まじかよぉ〜。」
「マジだ。よし、じゃ、よろしくたのむぜ?」
俺の前にジョッキが置かれ、どんどんビールが注がれていく。
「い、いや、俺、あんま酒のまないし・・・」
「はぁ?逃げる気か?我がサークルの伝統を途絶えさせていいのかよぉ?」
逃げるために言ったわけじゃない、本当に酒をあまり飲まないのだ。飲まないというより、初めて飲んだとき、缶一本半でグラグラに酔ってしまったからだ。それで、こんな量をいっきに飲むと・・・
ジョッキ一杯につぎ終わる。
「じゃ、竜也、見せてくれよぉお前の男気ってやつを。」
「い、いやぁ、俺は・・・」
「せんぱぁ〜い、おねがいしますよぉ?」
いつのまにか、口数が少なかったはずの新入りたちも期待でいっぱいなのか、煽ってくる。
(く、くそ、よりにもよって、何で俺が・・・)
ジョッキに手をかけると「お?」と歓声が響く。
しかし、俺の手は止まったままだった。
体全体で、躊躇していたが、
「竜也君、がんばって!」
(か、楓さんまで・・・)
彼女の一言で、もうどうにもなってしまえと一気に口元へ運ぶ。
そうしたときも、周りから「お〜」と歓声が響いたが、俺はもう飲むことだけに集中して、ほとんど耳に入らなかった。
どんどん、俺の喉にビールが流れ込んでゆく。
しかし、一気に飲み干しているため、ほとんど味がしない。
そして・・・
「ブハーーーー!!」
と、泡一つも残らさず、俺は飲みほした!!
「お〜よくやった!!いいのみっぷりだったぜ?最高のシメになったぜ!!」
「先輩、かっこよかったっす!!」
俺は、なにか満足感に浸る。
「んじゃ〜、これでお開きだな!!みんな、これからもがんばれよ!!」
そして、サークルの飲み会は終わった。
「お、おい。そういや、竜也、お前チャリだったな〜?なんか悪いことしたな〜」
「いやいや、いいよ別に。タクシー呼ぶから。」
「そうか。じゃあ、安心だな。おつかれさん!!」
「ああ、おつかれ〜」
そう言って、サークル仲間と別れた。
俺はあんなに飲んだというのに、それほど酔いがなく、自転車で帰れるんじゃ?とまで思えたが、やはり念のためタクシーで帰ることにした。それに、自転車でも飲酒運転は法的にダメだからな。
タクシーで帰ってる途中、徐々に意識が朦朧としていくのがわかった。
(あぁ、いまごろきたかぁ・・・帰ってはやくねよ・・・)
そう考えながら、ぐったりと体の力を抜く。
「お客さん!!お客さん!!着きましたよ!!?お客さん!!」
タクシードライバーに怒鳴られるように、起こされた。
「はぁ・・・つきましたか・・・」
「はい、料金は・・・」
俺は手慣れない手つきで財布からやっとのことで料金をだす。
「まいど。お客さん、かなり酔ってるみたいだけど、大丈夫かい?」
「あ・・あい〜・・・わがはいは・・げんき〜」
「ありゃりゃ、こりゃだめだわ。よし!」
そう言い、彼はタクシーから出てきて、肩をかしてくれた。
「ありまとぉ〜ございやぁ〜す」
「あいあい、お礼なんていいから、部屋番号教えてくれ」
「へ・やば・・・ん?あ〜あ、えぇっと〜・・・に〜まる・・なな〜で〜す」
「はいはい、207ね。んじゃ、いまから行くよ?」
「おねがいしま〜す。あ・・・おだちんはいくらになりますかぁ〜?」
「ははっ、そうだねぇ、100万くらいでももらおうかな〜?」
「ひゃっひゃくまん!!おれ・・そんなにもってないですぅ〜」
「はっはっは、冗談だよ冗談。よいしょっと、ここが207番だね」
彼は部屋の明かりがついているため、中に人がいると考えノックした。
ガチャッとドアが開き、うつくしい女性が出てくると、彼はひとつ息をのんだ。そして、横の酒ででろんでろんの男の代わりに事情を話した。
「こんばんは。こちらのお客さんが酔いつぶれて危なっかしかったので、この部屋だと聞き、連れてまいりました。」
「まぁ〜!本当にすみません。ご苦労様です。」
彼女は静かに頭を下げる。さらさらとした長い黒髪が垂れるのに、ドライバーも心を奪われそうになった。
「い、いえ。それより、かなり酔ってるっぽいので、早めに寝かせてあげてください。では、ここらへんで。」
ドライバーはかぶっていた帽子を脱ぎ、軽くお辞儀して部屋をあとにする。
「はい。ありがとうございました。さようなら。」
彼女もお辞儀を返し、見送る。
そして、フラフラしている竜也の手をとり、部屋へと一緒に入った。
「ふふっ、こんなになっちゃって」
彼女は彼に代って、靴を脱がせてあげた。脱がし終えると
「みゆきさ〜ん、頭がポカポカするぅ〜。なんだか熱いよぉ」
「まぁ、大丈夫かしらぁ?」
彼女は冷たい手を俺の額にあててきた。
「うわぁ〜美雪さんの手はやっぱり冷たくてきもちいぃ〜」
「うふふ、それはよかったです。では、お風呂にはいって、はやく寝ましょうか。」
「うへぇ〜おふろはぁあついよぉ〜。」
「でも、はいらないと、体が汚れたままですよ?」
「それもいやぁ〜。・・・あぁやっぱ、おでこだけじゃ我慢できないぃ〜。」
俺はおもわずそう言うと、彼女の額の手を押しのけ、流れるように顔を白い谷間があらわになっている彼女の胸へと近づけた。
「きゃっ!!りゅ、竜君!!?」
彼女の驚いた声がして、ふと我にかえる。
「あっ!す、すみません。こんないやらしい・・・」
そう言いかけると、彼女は「ふふっ」っと微かに笑うと、自分の手で彼の顔をを胸に押しつけた。
「えっ!?ちょ、み、みゆきさん!!?」
「ふふふ、大丈夫よぉ〜。私が癒してあげますからぁ〜。」
どこか妖艶な声で返事をしてくる。
「い、いやっ、こんなこと・・・やっぱり・・・」
「あら?そう見えるかしら?だったら・・・」
すると、スーとなにかの紐が解かれたような音がした。
「こうしてあげると・・・私が嫌じゃないって証明になるわよね?」
彼女はそのまま身に着けていたワンピースを脱ぎ始めた。
「み、美雪さん!!?」
「うふふ、ちょっと待ってね〜竜君」
ゆっくりと彼女は俺の顔をチラチラみながら、白い肌をさらけだしていく。
そして・・・脱ぎ終えると、女性の秘所以外、裸の状態になった。
彼女は絶えず笑みを俺に向けてくる。
「み、美雪さん!こ、こんなこと・・・」
「あらあら?竜君は私のこと嫌いなの〜?」
「い、いえ!そんなことは・・・で、でも、だからといって」
「そう?残念ねぇ。」
彼女はそう言いながら、腕で胸を下から押し上げる。
俺はその行為で頭が沸騰したように熱くなり、思考がうまくできなくなっていった。
「美雪さん?ですよね?」
俺は、いつもと様子がおかしい彼女に訊いてみた。
「ええ、そうよ?どこか変かしらぁ〜?」
(ハハハ。おそらくこれは俺が妄想する夢だ。だって、いつもの彼女はもっと清楚というか上品というか、まあ、こんなやらしいことを自分からやるような女性ではない。それに、いつもより妖艶さがにじみ出ている。ハハハ、最高の夢だな〜こんなの)
俺は半ば夢かは疑いはあるも、目の前の楽園への入り口のようなものがあって、だれが飛びこまないでいられようか。
俺は一歩、彼女の方へ歩み寄る。
それを見て、彼女は
「ふふ、やっと来てくれるのですね。さぁ、おいで。」
彼女は両手をひろげ、優しく微笑みながら俺を待ってくれている。
(あああ!!もう、夢でも現実でもどうにもなってしまえええ!!)
と、踏ん切りがつき、おもいっきり彼女の体へと飛び込んだ。
「よしよし。竜君は意外と甘えん坊さんなのねぇ。」
「はぅぁ〜美雪さんの体、ヒンヤリとしてて、きもちぃ〜」
お互い抱き合うような姿勢でしばらくそのまま佇んだ。
「竜君、そういえば顔が火照ってるていってましたよね?それじゃあ・・・」
彼女はそう言うと、少し身を引き、背中にあった手を俺の頭に回し、そのまま彼女の胸めがけて押しつけてきた。
「ふふふ、どう?きもちいい?」
彼女の胸で呼吸はしにくかったが、それよりも柔らかくてヒンヤリとしたゼリーのような彼女のおっぱいは言うまでもなく・・・
「はい!!最高です!!」
「ふふっ、よかった。」
俺はだんだんと眠気がやってきて、彼女の胸のなかで意識がとおのいていく・・・
「あらあら?そんなに気持ち良すぎたのかしらぁ?では、こんな狭いとこではなく、リビングで横になりましょうか。」
彼女はそのまま、彼を抱き上げ、リビングへと連れて行った。
そして、彼女は俺をうつぶせに寝かせ、俺の頭の方に身をおいた。
「たしか・・・竜君はこうされるのがお気に入りだったかしら?」
彼女はそう言うと、俺の頭を持ち上げ、生身の白くて柔らかい両太ももで俺の頭をがっちりホールドした。目の前にはパンツで隠されているが彼女の秘所部分がある。
(こ、これは!俺のお気に入りのアダルトビデオの・・・)
「うふふ、きもちいいいかしら?」
彼女は太ももで俺の顔をこすってくる。俺は
「ああ・・・ああ・・・」
としかもう口に出せない。
耳も一緒に挟まれて、あまりうまく聞き取れないが、
彼女のパンツ越しから、クチュクチュと淫らな音が俺を誘うように音を立てている。
「私もきもちいいわ〜。竜君とこんなことできるなんて。」
妖艶な声が頭に響く、それが子守唄のように俺を眠りにいざなう。
「うふふ、眠っていいですよ。私が気持ちよく眠らして差し上げますから。そして・・・この体で・・・あなたを・・」
最後の方はもう聞き取れなかった。
そして、俺は快楽にまみれながら夢にでかける。
(あれ?今も夢の世界では・・・?はは、まあ、目が覚めたら分かることだ・・・おやすみなさい、美雪さん。)
「ふふっ、おやすみなさい、竜君。」
彼女は彼が寝ているのを確認すると、ゆっくりと彼の服を静かに脱がした。
ズボンも脱がし終えると、
「それじゃあ、私があなたの体を洗ってさしあげますね。」
彼女はゆっくりと体を液状化させ、あたりに水たまりをつくった。
その水たまりは、ビチャビチャと音を立てながら、竜也の体全体をどんどん覆っていく。
「ふふふ、これがあなたの汗の味なのね。おいしいわぁ〜。さすが私が好きな・・・」
彼女は「好きな」という単語が口に出た瞬間、体の動きを止めた。
(す、好きって。わ、私が竜君のことを・・・。で、でも、これは美香さんの意志が焼きついたもので・・・。)
彼女は胸がそわそわしている自分が分かった。
(私のこの思いは美香さんのもので・・・けっして私のおもいなんかじゃ・・・。でも、この胸のざわめきは何かしら・・・?く、苦しい。竜君をみていると、ますます苦しくなる。)
彼女は液状化した手で彼の頬をなでる。
すこし気持ちよさそうな顔になったように思えた。
(私はこの子を愛してるのかしら。美香さんの思いだけでなく、私自身でも。けれど、愛するってなに?今まで、そんな思いしたことない。わからない。わからないわ、竜君。教えてよ、この気持ち)
彼女はじーっと彼の顔を見るが、そこにはただの寝顔しかない。答えなど返ってくるはずもない。
そして、彼の萎えてる男性器に彼女の体が到達した。
(もしかしたら、私が求めるているのは・・・これだけなのかもしれない。)
彼女は彼のものに目をやる。
そして、やさしくもむように圧力をかけた。すると、
「うぅ、う〜」
と寝ている彼がすこし反応を示す。
彼女はあっと思ってすぐ、体を人間の姿に戻す。
でも、彼は寝たままで目を開ける気配はなかった。
(ふ〜よかったわぁ。おもわず、彼のあれに手を加えてしまったわ。でも、いずれこの体のことも、あなたの精液を求めているということもあなたに言わないといけませんよね・・・。でも、怖いです。あなたがそれを知って、私のことを・・・。しかし、美香さんとの約束ですし・・・)
彼女は葛藤にとらわれながら、胸のざわめきとともに、胸を抱きかかえる。
(そ、そうよ。美香さんとの約束の通り、私の体のことを竜君に伝えてしまえばいいのよ。それで、彼がどんな反応をとったとしても私はそれを受け入れればいいのよ。たとえ、姿を消さなければならなくなったとしても・・・。でも、それでこの胸の苦しさが消えるなら・・・。そう、いずれ話す時がやってくる、そのときまで・・・)
彼女は再び彼の寝顔を手でゆっくりなでた。
そして、
「もうすぐ、もうすぐあなたに私のことを教えます。だから、せめてそれまで・・・。私もあなたのお世話を精いっぱいさせてもらいますから・・・。おやすみなさい、竜君。」
そう言って、彼女は彼を膝枕し、彼の寝顔をのぞきながら、ゆっくりと目を閉じた。
翌朝。
俺はなにか頭の下に柔らかいものを枕にして寝てたようだ。
目をそっと開けると、そこには「おはようございます」と微笑む美しい美雪さんの顔があった。
俺はしばらくじーっと彼女と目を合わせると、バサッと上体を起こし、
「あ、あわわ!み、美雪さん!!ど、どうして!!!?」
「あらあら?昨夜のことおぼえていないのですか?」
「え、え〜っと、昨日はたしか・・・飲み会があって・・・」
「うふふ、そうです。竜君はそれから酔って帰ってきて、そのまま玄関で寝ちゃったのよぉ?」
俺は徐々に微かな記憶が浮かび上がってきた。
なぜか、美雪さんにやましいことをやったていう記憶が・・・
「あ、あのぉ〜?俺、昨日、美雪さんになにかいやらしいことやりませんでしたか?」
と、念のため尋ねてみる。
「いやらしいことですか?私はとくにそんなことはされてませんが?」
「そ、そうですか。それは良かったです。」
(では、あの記憶はなんだったのだろうか?あんな気持ちいい感じ・・・ああ、そっか夢かな。多分、二度寝して、初めのほうの眠りでみた夢だったんだ!でないと、あんな気持ちいいこと。それにあの美雪さんが・・・)
「私の方こそ、竜君に勝手なことをやらせてもらいました。」
「え?ああ、膝枕ですね。いえいえ、俺の方こそ気持ちよく寝させてもらって・・・」
「あ、いえ、それだけじゃなくて・・・。そ、その勝手にお着替えと体を洗わせてもらいました・・・。すみませんでした・・・。」
彼女は悲しげにそう言う。
よく見ると、服も寝巻に着替えてて、体も風呂でも入ったかのように肌がすべすべとしている。
(って、着替えさしたってことは・・・俺のあそこを・・・それに洗ってくれたってことはなおさら、俺のを目にしたのでは・・・)
「いやいやいや。逆に助かってますよ。それに・・・汚らしい一物をお見せしたことでしょう・・・」
「ふふふ、大丈夫です。さぁ、ご飯の支度をしますね。」
「あ、はい!ありがとうございます。」
そう言い、お互いに立ち上がろうとすると、急に俺の体全体にだるさというか脱力感がおそい、おもわず立ちすくんだ。
「だ、大丈夫ですか?」
彼女はとっさに手で俺の体を支えてくれた。
「あ、ありがとうございます。二日酔いかな?なんだか体がだるくて・・・頭もちょっと重くて、気分が悪いです。」
「二日酔いですか・・・。はぁあよかったです。ほっとしました。今日はベッドでゆっくりしていてください。」
「は、はぁ、そうします。ちょうど今日はバイトも休みですし。いろいろと迷惑かけそうですみません。」
「いえいえ。さぁ、ベッドへ」
そのまま、彼女に支えられながら、ベッドに横になる。
「ありがとうございます。」
「うふふ、ゆっくりしててください。では、消化のいよいお粥でも作りますね。」
「はい、おねがいします。」
彼女は笑顔で返事をし、台所へとむかった。
(はぁ〜やっぱ、俺って美雪さんに頼りっぱなしなダメな男だな〜)
そう自分を責めただすことしか、今はできなかった。
しばらくして・・・
「は〜い、できましたよぉ〜。食べやすいようにぬるめで作っております。それと・・・こちらは二日酔いに効く錠剤です。このコップに入った水と一緒に朝食後飲んで下さい。」
「は、はぁ、ほんとうにすみません。」
「うふふ、いえいえ。では、食べさしてあげますね。」
そういうと、彼女はレンゲでお粥をすくい、いったん口元でフーフーしてから、俺の口元に近づけてきた。
美雪さんの息を吹きかけている姿に、俺はおもわず萌えといおうか、愛おしさを感じた。
「い、いやぁ!!自分で食べれますから!!」
「あらぁ〜、そう?じゃあ、ゆっくりと食べてください。」
彼女はレンゲを俺に渡し、お粥のお盆を俺のそばに置いてくれた。
俺はトロトロのお粥をすくい、口に運ぶ。
口に入った瞬間、じわ〜っと口全体にお粥の味が広がり、いつのまにか喉を通っていた。
「うふふ、おいしいですか?」
「は、はい!口全体においしさが一気に広がってきます!!」
俺はどっちかというとお粥はあまり好きではなかったが、美雪さんが作ってくれたこれに関しては、本当においしく味わえた。
ゆっくりと食べたつもりが、知らぬ間にお粥の入ったお椀は底をついた。
「ごちそうさまでした」 「お粗末さまでした」
「では、お薬をどうぞ」
彼女は片方の手で錠剤を渡してき、もう片方の手で水の入ったコップを渡してきた。
「ど、どうも。」
俺は錠剤を口に含み、コップの中の水を一気に飲み干した。
すると、美雪さんが・・・
「あんっ!」
と甲高い声を出した。
俺はすぐに
「ど、どうされましたか!?」
と尋ねたが、
「い、いえ、なんでもないです。」
と、どこかあわてながら返事した。
そうすると、普通の水道水ではないほどに、喉の奥の方までヒンヤリとした冷たさが腹の中に伝わる。
そして、なんだか眠気まで・・・さっき起きたばかりなのに・・・
「す、すみませんが、急に眠気が襲ってきました。」
「ふふっ、そうですか。では、ゆっくりと眠ってください。」
「は、はい〜・・・うぅ〜」
俺はもう眠りにほとんど落ちていた。
「おやすみなさいませ。」
なんだか嬉しそうに彼女はそう言う。
俺はそのまま真っ暗な世界へ・・・
正午ぐらいだろうか、日が真南から差してきている。
俺は胸のあたりに違和感を抱き目が覚める。
上体を起こすと、そばに美優さんの姿があった。
「お目覚めですか?」
「は、はい、急に胸のあたりがむずむずして・・・。うっ!!」
俺は突然、ものすごい吐き気が胸の方からこみあげてくる。
すぐに、ベッドから飛び起き、トイレへ直行した。
そして、我慢してたおう吐物をトイレに吐き出す。
「ゔぇ〜〜」
お粥しか食べてなかったためだろうか、おう吐物は水のようにほとんど透明で粘り気もなさそうだった。
いつのまにか美雪さんが横まで来てくれて、背中をさすってくれていた。
「大丈夫ですか?吐ける分は吐いたほうが気持ち良くなるはずです。」
「は、はい。どうやら出し切れたようです。」
「ふふっ、そうですか。では、口をゆすいできてください。」
「は、はぁ〜。」
俺は立ち上がり、振り向くと、その瞬間!!
第二波が胸から勢いよくたきあがってくる。
(や、やばい、はやくトイレのほうに・・)
俺は口をおさえながら、ふりむいたが、手を離した途端に吐き出てしまった。おう吐物の一部が便座で飛び散ってしまい、横にいた美雪さんの白い肌の一部を汚してしまった。
「ゔぇ〜〜・・・うぅ、ご、ごめんなさい!す、すぐに拭き取ります!!」
「ふふっ、いいわよ別に。さあ、口をゆすいできてください。」
「で、でも・・・」
「大丈夫ですから。さあ、はやく。」
「は、はぁ〜・・・」
俺は言われるとうり、口をゆすぎに洗面所に向かう。
どうやら、こんどこそ出し切れたようだ。第三波はくる様子がなかった。
彼女は自分の体とトイレを掃除しているのか、しばらく出てこなかった。
トイレに一人残った彼女は・・・
ジュルルゥっと腕に付いた彼のおう吐物を舐めとり始める。
シュルルゥチュパーヂュルルル
淫らな音がトイレに響く。便器の中に彼が吐いたはずのおう吐物もビチャビチャと彼女の体に這い寄ってくる。そして、体と一体化すると、
「ふふふっ、おいし。さすが竜君の体液だわぁ。うふっ、ごちそうさま。」
彼女は妖艶な表情でそう呟く・・・
だが、当の彼はもちろんそんな彼女を知るはずもなかった。
二日酔いのだるさはもうなかったが、まだ残っている眠気に身を任せ、再びベッドに横になり、眠り始める。
「おやすみなさい、竜君。それと・・・ごちそうさま。」
なぜか妖艶な口調でそう言う美雪さんが見えたが、もう意識は眠りの中へ・・・
「もうすぐ、あなたに・・・」
彼女は何かつぶやくが竜也にはきこえない・・・
13/08/21 01:50更新 / sloth
戻る
次へ