報復
美雪さんと暮らし始め約一カ月を迎えようとしていた。
久しぶりの十分な休暇をとることのできるゴールデンウィークが明日から始まろうとしていた。
だが、俺の今年のゴールデンウィークはバイトのシフトでいっぱいだった。
店側がそう仕向けたわけじゃなく、俺の方から頼んだのだった。
俺にはある目的があったためだ。
「あら?今日もバイトですか?せっかくの休みですのに。」
「ちょっと、お金がいるようになってしまって、この連休で稼げるだけ稼がないといけないから。」
「そ、そうですか・・・。くれぐれもお体には注意をしてくださいね。お金が手に入っても、病気で倒れてしまっては元も子もないですし。」
「は〜い。わかってま〜す。では、いってきます!」
「いってらっしゃいませ。お気をつけて。」
彼女は心配そうな言い方だったが、それでも優しく微笑みながら見送ってくれた。
そう、俺はこうやって優しく微笑んでくれる女性、つまり美雪さんのために、連休をシフトまみれにしたのだ。
かなり前の風邪の時のお礼も内心したかったし、なによりもうすぐ一カ月もお世話になる彼女にお礼の一つくらいしようと考えたのだ。
なにをプレゼントしようかはまだ未定だけど、稼げるだけ稼いだ方がいいと考えていた。
そして、連休中、いつも美雪さんに心配されながらもバイト地獄を乗り切った。生活費分を引けば、5万円の稼ぎだ。
(これぐらいあれば、十分だろう)
という思えるくらいの稼ぎだった。
(さて、肝心の何をプレゼントするかだ。明後日でちょうど1カ月を迎えるということで、今日中に決めて、明日それを買いに行きたいものだが・・・。)
なかなかいい案が思い浮かばない。
そのまま今日も夕方をむかえてしまった。
(あ〜あ、はやく決めないといけないのに・・・なにも思い浮かばない)
そんなイライラした気持ちをスッキリさせるべく、俺は洗面所に向かった。
洗面所に行くドアを開けた瞬間、なにか甘い香りがした。
俺は反射的に目をつむり、その香りを吟味していると、目の前から
「あら?竜君、どうしたんですか?」
そう美雪さんの声がして目を見開くと、そこには!!
バスタオル1枚で体を覆っている美雪さんがいた。
薄紫のバイオレットをしたバスタオルは彼女の大人びた美しさにうまくとけあってる。
(実に美しい・・・)
そう嗅覚と視覚で彼女を味わっていると、
「うふふ、わたしの体になにかついてますの?」
と、彼女の声が聞こえた。
(あ!そうだった、この状況、まるで俺は変態みたいじゃないか!)
「い、いえ。そ、そのちょっと立ちくらみがして、じっとしてしまいました。風呂上がりでした?すみま・」
言いかけてる途中に、彼女の手が俺の額にかぶさる。やはりヒンヤリとして心地いい。
「熱はなさそうですねぇ。過剰なバイトの疲れでしょうかねぇ。今日は念のため早く寝ましょう。」
彼女はそう言い終わると、手を額からはなした。だんだんと彼女が残した心地よさも消えてゆく。
「あ、はい。そうします。」
俺は彼女の今のバスタオル姿を見て、プレゼントしようか決めた。
(この薄紫色のような色をしたワンピースにしよう。ワンピースなら、着やすそうだし、家事もきっとしやすいだろう。それに、胸の上がさらけだしてる彼女を見ていられると思うと胸が高鳴って仕方がない。色も彼女の美をよりいっそうひきたててくれるだろう。)
俺は答えを見つけられた安心感だろうか、達成感だろうか、眠気に襲われた。
ちょうど美雪さんも寝る準備をしてくれていた。
そして、今日も美雪さんに優しくされながら、眠りにつく。
「おやすみなさい、美雪さん。」
「ええ、おやすみなさい、竜君。」
翌朝、連休も明け、いつものように美雪さんのおいしい料理を絶えらげ、大学へ行こうとする。
「今日もバイトあるから、帰るのは夕方過ぎると思います。」
「わかりました。いってらっしゃいませ。」
いつも笑顔で見送っている彼女を今日もだますことになる。
昨日、考えていたように、今日のうちに彼女へのプレゼントを用意するつもりだ。プレゼントというのはもちろん、薄紫のワンピースだ。
大学の講義が終わり、昼を軽く済まし、俺は街に出かけた。
前に彼女と一緒に来た時に立ち寄った服屋の中でも、一番おおきく種類が多そうな店を選んだ。
そして、店に入ると
「いらっしゃいませーーー!!」
と、若い女性定員さんが出迎えてくれた。
「今日は何かお買い求めにいらっしゃいましたか?」
「あ、はい。薄紫色のワンピースなんてあります?」
「はいはーい、少々お待ちを〜。」
そういって店員はサッと俺の前から消えた。
しばらくすると・・・
「お客様のお求めしたワンピースですが、こちらの4種類ございました。」
4着とも色はほとんど変わらないが、柄があったり、裾がふんわりしてたりと多少違う。
俺は迷いながらも、彼女の谷間がよく見えそうな、胸のあたりがV字になってるものを選んだ。
「これで。」
「はいはーい、こちら55000円になりま〜す!!。」
(げっ、足りねーじゃん!!)
「あ、やっぱりもうすこし安いほうで・・・」
「嘘ですよ。彼女さんへのプレゼントですか?」
「は、はぁ。一応そうですが・・・。」
「恋する人を、私は応援したいんです!!だから、店長に内緒で55000円のところ45000円にしちゃいます。」
「え!ほんとですか!!?」
「ふふ、お買い上げなさりますか?」
「あ、はい。おねがいします」
「はいはーい、お買い上げありがとうございます。彼女さんの伸長を教えていただけますか?丈を調整するので。」
「あ、えっと・・・170センチ弱くらいかな?」
「承知しました。では、こちらへ。」
店員はレジに連れて行き、レジ裏にあるミシンなどを素早く使って、俺の買おうとしていたワンピースの丈を調整した。
「はーい、出来上がりました。お会計は45000円になりまーす!!」
(いざ払うとなると、なんだかもともとその値段だったのに、俺を買う気にさせるために、誘導したのでは・・・)
と思いつつも、美雪さんがこれを身につけた姿を見ると、仕方ないなと感じた。俺はきっちり45000円払った。
「お買い上げありがとうございまーーす!!こちらは恋する人たちを応援する私からのサービスです。」
そう言うと、店員は青いバラのコサージュのはいったケースを渡してきた。
「こ、これは。」
「コサージュですよ。きっと彼女も喜びますよ!」
「いいんですか?ありがとうございます!!」
「いえいえ、恋、がんばってくださいね!!応援してます!!」
「はい!必ず成功させます!!」
(っていいながら、俺と美雪さんは別にカップルじゃないんだけどね・・・)
この女性にも嘘をついてしまったのは残念だったが、コサージュをもらえたのはラッキーだった。
俺はワンピースの入ってる袋にコサージュのケースをいれ、家へと帰る。
「おかえりなさい。」
「ただいま〜。」
「あら?その大きな袋は?お買い物してきたのですか?」
「あ、ああ。ちょっと、大学のレポートで使う資料をなどを買ってきました。」
「そうですか。では、部屋に置いときますので、こちらへ。」
そう言い、美月さんは袋の方に手を差し伸べてくる。
当然、俺は間違えて中身を見られちゃいけないので、
「ああ!!いえいえ。自分でしまいますから。」
「あら、そう?じゃあ、夕飯の支度の続きやるわね。」
「はい!」
俺は美雪さんが、こっちに向いていないことを確認してから、袋をベッドの下に隠した。
シャワーを浴び、湯船につかる。
俺は最近、この時間を有意義に過ごすことができていた。
エッチなビデオはまれにしか見れないが、こうやって一人で湯船につかっている時に妄想をするのだった。
美雪さんには言えないが、妄想の内容は彼女と交わるようなことばかりしていた。やわらかく冷たい彼女の体と俺の体が抱き合ったまま横になったり、彼女が俺の体のいたるところを舌でなでまわしたり・・・・
そう妄想していると、俺のあそこはギンギンに硬く立ってしまう。
風呂をあがって着替えをすましても、俺のは元気なままなときがたまにある。
そんな状態で彼女の前には出れないので、しばらくゆっくりと深呼吸をし、心を落ち着かす。そうすれば、なんとかしおれてくれる。
今日も同じように、あそこの元気を失わせてから彼女のところへ行く。
「ふ〜いい湯加減でしたよぉ〜。」
「ふふっどうも。最近、お風呂が長いようですが疲れているのですか?」
「は、はい。ちょっと疲れてるのか、湯につかってると気持ちよく感じて・・・。つい長湯してしまいます。」
「そうですか。のぼせないようにお気を付け下さいね。ご飯の支度ができてますよ。」
「はい。では、さっそく、いただきまーす!」
おいしい料理を食べ終わり、洗い物してる美雪さんにふと尋ねてみる。
「あ、あの〜美雪さん?明日って何の日かおわかりですか・・・?」
「え?明日ですか?そうですねぇ、う〜ん・・・・・。すみませんが、心当たりないです。なにか特別な日なのですか?でしたら、お料理にもいつもより力をいれますが。」
「い、いえ。なんでもないです。なぜか明日の日付を見ると不思議な感じがして・・・。昔の友人の誕生日とかかもしれません。」
彼女はどうやら自分のお世話してる期間なんかは気にしていないようだ。
(やっぱり苦痛じゃないのかな〜?俺のお世話が苦痛だったら、すこしはどのくらい続けているか気になるところだろうし・・・。快くそうしてくれるているのなら、なによりだけど。)
俺は願いながら、ベッドに向かった。
そして、明日彼女に俺の下に隠しているプレゼントを渡した時の嬉しそうな表情や、実際にきてくれている姿を想像しながら、夢へと旅立った。
「美雪さん、これ、受け取ってください!!」
「あら?この袋は・・・たしか竜君のレポートの・・・。」
「ははっ、中を見てください。」
俺は目が覚め、朝食の支度をし終わった美雪さんに例のものを渡した。
「まぁ、きれいなワンピースにコサージュ。どうされたのですか?こんなものを?」
「そ、その〜1か月もお世話になってる人に、なにもお礼しないのはわるいので、勝手にこちらで用意させてもらいました!!」
「こ、これを、私にですか!?いいのですか?お高かったでしょう?」
「いえ〜ゴールデンウィークで稼いだ分の品ですから。美雪さんなら、こんなもの何着も買えると思いますが・・・。ですが、少しでもお礼したくて。そ、その・・・こんなものですみません!」
俺はすこしうつむきながらそう言うと、彼女はクスクスと笑った。
「ふふふ、こんなものだなんて。十分嬉しいですよ。それに・・・値段がどうであろうと、あなたのそういう感謝の気持ちの方がずっと嬉しいです。こちらこそありがとうございます。」
「いやいや、感謝してもしきれませんよ〜。」
「ふふっ、ちょっと着てみていいかしら?」
「あ、はい!」
彼女は俺の返事を聞くと、席をはずしリビングの方へと向かった。
そして、ゆっくりと帰ってきた。
「ど、どうですか・・・?似合ってますか?」
顔を少し赤らめながら、胸の谷間があらわになってる上に両手を置き、恥ずかしそうに尋ねてくる。
想像した通りに、いやそれ以上に美雪さんの美しさがひきたっているように見える。さらに、左胸に着けたコサージュもなかなかワンポイントとして機能していてよかった。
もちろん、その姿は
「はい、とても似合ってますよ。俺の独断で選ばせてもらいましたが・・・そ、その、お気に召されましたか?」
「ふふっそれはよかったです。ええ、とっても気にいってますよ。」
そう微笑み、胸の手をのけると、俺の期待していた白い谷間があらわになった。俺はその立派な谷間に固唾をのんだ。
(ああ、これを眺めながら飯を食ったりしたら・・・)
など、お得意の妄想がはじまるのだった。
その日から、美雪さんは俺の渡したワンピースとコザージュをいつも身に着けてくれていた。
大事に扱っているのか、あれだけの家事を続けても彼女はシミ一つつけなかった。もしかしたら、汚れても念入りに洗っているのだろうか?彼女が着ていた服を今思い返すと、どれも汚れひとつなかったのだ。
(洗濯も上手なんだな〜)
と思いつつ、俺は今日、父さんのいる実家に1泊しにいく。
俺は大学の夏休みに入ったばかりで、たまたま今日と明日のバイトが休みということもあって、少し早い帰省をするのだった。
「じゃあ、美雪さん、家のこと頼みます。明日の夕方には帰ってくると思いますから。」
「はい。ゆっくりしてきてください。」
彼女はやはりあのワンピース姿で優しく微笑みながら、手を振ってくれる。
(はぁ、あの白い谷間を離れて、汗臭い男のところに向かうのは、少々残念なことでもあったが、久しぶりに父親に顔を合わすためには仕方ない)
そう思いながら、俺は電車に乗って故郷へと帰るのだった・・・
家に一人残った美雪は、彼を見送った後、玄関に飾ってある彼の家族写真を手に取る。
「美香さん、私は彼にちゃんとお世話をできているのでしょうか?あなたが私に残した意志を引き継げていますでしょうか?最近、彼が家からいなくなると胸が痛くなるのはなぜでしょうか?今だって・・・こう・・・なんだか苦しいです。いつかこの痛みのわけをを知りたいです。」
そして、やさしく元の位置に戻す。
(なにかしら?この・・・胸苦しさは。寂しさというものでしょうか・・・。)
彼女は胸に手をあて、その胸苦しさを沈めようとする。
ようやく、だいぶおさまり、家のことをし始めた。
時刻は深夜2時を回り、アパートの前に怪しげな一人の男の影があった。
男はスタスタと静かに階段を上り、竜也の部屋のドア前で立ち止まった。
「ウシシ、この部屋の住人はどうやら出かけたまま帰ってくる気配がない。それに、たまに見る家政婦らしき女はアパートから出てくるのは見ていないが、さすがにこの時間にもなると仕事を終えて、帰っているだろう。もし・・・中に彼女がいても・・・この切れ味抜群のナイフで・・・」
(ウシシ、それは本当に最終手段だけどな)
そのまま、男はドアのカギに手を加え始めた。
「ウシシ、ここのアパートのカギの構造など攻略済みだぜ。ここをこうして・・・最後に・・・」
ガチャッ!
(あ、あんれ〜?最後の仕上げをする前に開いちゃったじゃないか!ま、まさか、人がいるのか!!?)
しかし、男がそう疑っても中からはドアを開ける気配はない。
おそるおそるドアを開けてみると・・・
(な、なんだよ、だれもいないじゃないか。ビビらすなよ。もっと頑丈なカギにしといてくれよ〜。)
そして、はぁ〜とため息をつき、
(さてと、金目の物をいただこうとするか)
そう、男はこの付近で何度か盗みを働いている泥棒だった。
部屋を見渡して、ベッドの中も確認して、人がいないのを確認すると、
男はタンスや棚の引き出しをどんどん開けては閉めていく。
そして・・・
(く、くそ!!全然金目のものなんかねーじゃねーか!)
やれやれと思い、帰ろうとすると、背後から・・・
「ふふっ」
と笑い声が聞こえた。誰かが男の背後にいる。
「だ、だれだっ!!?」
男はとっさに振り向きながら怒鳴る。
「あらあら?こんな時間にお客さんかしら?ちょうどさびしく思ってたとこでしたの。ふふふ」
そこには、暗くてよく見えないが、薄気味笑いながら立っている、薄紫色のワンピースを着た大人の女性の姿があった。
「く、くそ!!家政婦か?こんな時間までいるとはなぁ、思いもよらなかったぜ。押し入れにでも隠れていたのか?」
「ふふっ、私はずっとあなたの後ろにいましたよ?」
(な、なんだと!!?かなり部屋をぶっしょくしてたはずなのに・・・俺としたことがきづかなかった・・・。)
「そ、そうか、きづかなかったぜ。」
「なにか探しものですか?お飲み物はどうですか?」
あざ笑うかのように、彼女は訊いてくる。
「ははっ、生憎にも俺の探してたものは見つからなかったぜ、金目のものはなぁ!!」
そう言い放ち、男は携えていたナイフを女の方に向ける。
「あらあら、そんな危ないものは人に向けてはいけませんよぉ?」
「うるさい!俺は逃げるためには、女だろうが容赦しないぜ?」
「ふふふ、ゆっくりお話でもしませんか?」
女はナイフに驚きもせず、不気味に微笑みながら話しかけてくる。
「だ、だまれぃ!俺は本気だぞ?」
そう男が言うも、彼女は笑みを浮かべたままであった。
男はとうとうその笑みに不気味さを感じ、
グスッ!
と、彼女の左胸めがけて、ナイフを突き刺した。
彼女は「きゃっ!」と奇声をはっし、驚いたように目を見開いたまま、ぐったりと地面に倒れこんだ。胸に着けていたコサージュの一部にも突き抜けたのか、その青いバラの花びらが一枚ヒラヒラと床に落ちた。
「悪いな、だが、俺は捕まるわけにゃいかねーんだ。」
と言いながら、人形のように動かなくなった彼女に手を出し、金目のものはないか探り始めた。そして・・・
(ほぉ〜これはなかなか値がつきそうなイヤリングだな〜。)
と、彼女の両耳についていたイヤリングを無理やり抜き取った。
「まぁ、これだけ手にはいりゃあ十分だろ。お嬢さん、悪いことしたが、これも俺が生き抜くには仕方ないことなんだ。あばよ。」
彼女は目を見開いたままで、微塵も動かない。
男はそういい、部屋を出て、アパートの近くの空き地に停めてあった自分の車に逃げ込んだ。
「ウシシ、かなりかわいそうなことしたが、しょうがねぇ。今日の報酬はこんなもんなんだしな。」
そういって、ポケットに入れていたイヤリングを男は手のひらに乗せる。
「ウシシ、こうしてゆっくりみると、けっこうきれいだな〜。」
男はうっとりとそれを眺めていると、突然!!
「な、なんだ!!?」
手の上にあったイヤリングは氷が溶けるように、あっという間に溶けて指の隙間から滴が垂れ落ち、ズボンの股の近くを濡らす。
そして・・・
「ふふっ、お気に召されて嬉しいです。私がデザインしたオリジナルものなんです。」
と、女の声が・・・
男は「あっ!」と声をあげ、いつの間にか、さっきナイフで突き刺し仕留めたはずの女が助手席に乗っていた。
彼女の手にはあのナイフが握られていた。
「ヒ、ヒェェーー!」
男はあわてて外に飛び出したが、石につまずき、転んでしまう。
振り向くと、あの女がナイフをもってこちらにゆっくり近づいてきている。
「く、くるなあああ!!」
男はしりもちをつきながら、後ずさりする。
だが、むなしくも彼女はもう男の目の前までやってきていた。
そして、しゃがみ込み、ナイフを男の目の前までもってくる。」
「ダメじゃない、こんな危ないものをあんなことに使っては・・・・・・・。痛かったわぁ・・・身も・・・心も」
男はあっけにとられたまま、何も返事ができない。
「ああいうことする人にはおしおきが必要よねぇ。」
彼女がそう言うと、月明かりに反射して、ナイフの先がキラーンと光る。
そこで、男はナイフも女の胸も血で汚れてないことが奇妙に思われたが、そんなことよりも・・・
(こ、殺される!)
男はとっさにそう思い、かみしめるように声をあげた。
「こ、殺さないでくれぇ!頼む、死にたくない!!助けてくれぇ!!」
彼女は緊迫した男の様子を見ると、クスクスと笑いはじめた。
「ふふっ。大丈夫よ。私はあなたの命なんか奪わないわ。」
そう言い、ナイフを地面に置く。
(・・・ウシシ、バカめぇ。)
すると、男はナイフを置いたのを見計らい、彼女の隙をつき、彼女に「ドリャーー!」と体当たりした。彼女は無言で地面に倒れた。
「ハァハァ、悪いが俺はこんなところで人生をおわらしたくないんでな。」
そう言い残し、男は彼女に背を向け、また逃げ出そうと走り始める。
しかし、8,9歩も進まないうちに前に進まなくなった。いや、進めなくなった。前に進もうとするが、胴体にからみついたなにかによって後ろに引っ張られる。見ると。胴体には何本かのの触手状の管みたいなものが、強くからみついていた。
「な、なんだっ!こ、これは!!」
男は触手が伸びてきている後ろほうに目をやると、あの女が立ち上がり、こっちを見ながら微笑んでいる。
「逃げないで〜」
男はやっと、この管の発信源が彼女の腕からだと分かった。
分かったところでなにもできないが・・・
(な、なんだコイツ、化け物か?)
男はどんどん女の方に引っ張られ、とうとう元の位置にまでもどってしまった。すぐそばで彼女の笑みが目に入る。
「つ・か・ま・え・た」
「う、うわーーー!!たすけてくれええ!!」
「あなたに私の大事な宝物を傷つけられた心の痛みがわかるかしらぁ?」
彼女は男の返事を待たずに、そのまま胴体をキツク締めあげる。
ギュィッギュッっと締め上げる音が無残にあたりに響く。
「ぐ、ぐっ。た、たす・・けて・くれぇ。お、お願いだ。たすけてくれぇぇぇーー!! ッッッ!!ゴボッゴボボッ」
そう叫ぶ男の口に管の一つが入り込んでくる。
「ふふふ、大丈夫。叫ばないで〜。命はとらないっていったでしょう?代わりに・・・」
男はさきほど、濡れてしまったズボンの股のあたりにムズムズと何かがうごめく感覚に襲われた。
「ふふ、あらあら、皮で覆われていて、中に入れませんねぇ。でしたら・・・」
そう言うと、その股のざわめきは一気に男の男性器へと集中し、マッサージするようにクチュクチュと音を立て、刺激する。
男の男性器はもう我慢できず、元気よく硬く立ちあがった。
「うふふ、準備できたみたいね。では、いただきます。」
彼女は拘束していないもう片方の腕を男の男性器に伸ばし、液状化させる。
男は、射精とはまったくちがう、尿道を逆流してくる感覚に絶頂をむかえそうになった。奇声をあげようとしても、口は彼女の体で埋めまれている。男はなにも抵抗できないまま、その快楽に酔いしれるしかなかった。
「ふふっ、ありました。・・・ふふっやっぱりこってりとしてておいしいです。あなたも気持よさそうですねぇ。では、どんどんいきますね〜。」
彼女は送り込む勢いを増し、男の精巣を破裂せんばかりに彼女の液体でいっぱいにした。
「一滴残らず、いただきますね。私の大事なものに傷をつけた復讐です。たーっぷり吸いつくしてあげますねぇ〜?うふふ」
彼女はどんどん男の精液を自分の体にとりいれていく。
男は不安、痛み、快楽と同時にいろいろな刺激を受ける。しかし、体は動かせない、声もあげれないと彼女に抵抗できないまま、身を捧げるしかなかった。
彼女は精液を吸い終わると、男の体全身を液状化させた自分の体で包み込み、車の中まで連れて行った。そして、ようやく男は彼女から解放される。
「ごちそうさま。私の大事な彼からのプレゼントを傷つけたことは残念でしたが・・・。おわびの精液は十分おいしかったですから、許して差し上げます。」
そう言われても、男は魂が抜けたようにぐったりとしているだけだった。
「もうあんなことしてはいけませんよ?うふふ、では、さようなら。」
そして、彼女はバタンッと車のドアを閉め、ゆっくり部屋へと戻るのであった・・・
翌朝。
「午前8時を回りました。ニュースの時間です。今日未明、山渕市内で男性が女性に襲われたと通報がありました。被害者の男性は軽い脱水症状がみられ、男性の供述にはいくつか不明な点があるようですが、容疑者の女性は今も逃走中のようです。続いてのニュースです・・・・」
彼女は「ふふっ」と笑いながらコーヒーをすする。
すると、ピンポーンとインターホンが鳴った。
「おはようございま〜す。こちら山渕市警察です。ちょっとお聞きしたいことがありまして。」
彼女は「あら?」とコーヒーを置き、ドアをあけにいった。
「うふふ、おはようございます。なにかご用ですか?」
「す、すみません、こんな朝から訪問してしまい・・。」
そう言うと、一人の警察がヒソヒソともう一人の連れの警察になにか話し始めた。
「お、おい!男の供述と違うぞ?身長は170センチくらいで、長い黒髪に一重の目ときいていたんだが?どうみたって、身長は160あるかないかだし、髪だって黒ではあるが、ショートじゃないか。しかも、はっきりとした二重目してますし。」
「知りませんよ〜。管理人さんが言うには、この部屋には家政婦の女性一人が勤めているらしいですけど?やっぱり、男性が一人の女性に襲われるっていう時点でおかしいことですよ。」
美雪はドアを開ける前に姿を別の容姿の女性に変えていたのだ。
話が済むと、チラッとまた二人の警察たちは彼女の方に向きなおし、
「す、すみません!昨日の深夜にこの部屋にいた女性に襲われたっていう男性がいまして、しかし、その男性のいう供述の女性の見かけとあなた様の容姿が全く一致してませんでしたので、おそらく彼の勘違いなのかもしれません。
しかし、一応写真と電話番号をお願いしてもいいですか?」
「え、ええ。かまいませんよ。」
彼女はそのまま写真をとられ、電話番号を教えた。
「ご協力ありがとうございました!真相が分かり次第、ご連絡をいれます。」
「はい。捜査がんばってくださいね。うふふ」
彼女は微笑みながら、警察たちにそう挨拶してドアを閉めた。
そして、昼を過ぎたくらいに
プルルルルプルルルッ ガチャッ
電話がかかってき、彼女は受話器をとった。
「はい、もしもし。」
「あ、こちら朝にお伺いした警察の者です。どうやら、貴方様と事件とは関係ないようです。被害者の男性に貴方様の写真を見せると、この女性じゃないって言い張りました。それに、被害者の車から薬物反応が検知され、さらにここ最近の空き巣被害の容疑が彼にかけられているようなんで。貴重な時間をつぶしてしまい、すみませんでした。また、ご協力ありがとうございました。では。」
「ふふっそうですか。わかりました。はい、では。」
電話を切ると、彼女はニュルっとまた元の姿に体を戻した。
ふふっとまた笑い、コーヒーをすする。
そして、夕方にかえってくる彼のために夕飯の支度をし始めるのだった。
「たっだいま〜!!」
「おかえりなさい、竜君。」
彼女は笑顔で俺を迎えてくれる。
「お風呂沸いてますよ?どうぞ、汗を流してきて下さい。」
「お〜たすかります。ちょうど入りたかったとこです。」
夕飯時には久しぶりの里帰り、父親との久しぶりの再会などこの一泊の出来事を談笑しながら食べた。
「・・・でさぁ、そこで父さんがさぁ、・・・」
「ふふふ、おもしろいですね。竜君のお父様は。」
「あ、そういえば。今日ここに帰ってくる途中、そこの空き地に警察がなにか捜査してたけど、事件でもありました?」
「うふふ」
なぜか彼女は笑うだけだ。
「え、え〜っと、美雪さんとなにか関係が・・・?」
「いえいえ、なんでもないですよ。安心して下さい。うふふ」
しかし、そう言うも彼女の笑いは止まらない。
俺はすこし奇妙に思えたが、なにかあったらあったときに考えようとことづけた。
「ふ、ふわぁ〜あ。今日も疲れたぁーー。お先に寝ますね。」
「は〜い。」
また、いつもどおり美雪さんは俺の寝る支度をしてくれる。
そして、いつもの・・・おなかポンポンが・・・
たたき始めはちゃんとへその上の方を叩いてくれていたが、だんだんと俺のあそこに迫っていってるように感じる。
(でも、まさか美雪さんがこんなこと狙ってするはずが・・・)
そう言いきかせ、俺は眠りに就く。
意識がとおのいていくと、横から美雪さんの声が聞こえたように感じた。
「ふふふ、さびしかったですよ〜。このさびしさを埋めるくらい、竜君の・・・」
後の方は上手く聞き取れなかった。
(俺が留守で、さびしかったのだろうか?まぁ、どんな人も一人でいるよりも二人でいたほうがさびしくないしなぁ。ちゃんと、明日あやまr・・・)
俺の意識はさらにとおのいてゆく・・・
「おやすみなさい、竜君。」
久しぶりの十分な休暇をとることのできるゴールデンウィークが明日から始まろうとしていた。
だが、俺の今年のゴールデンウィークはバイトのシフトでいっぱいだった。
店側がそう仕向けたわけじゃなく、俺の方から頼んだのだった。
俺にはある目的があったためだ。
「あら?今日もバイトですか?せっかくの休みですのに。」
「ちょっと、お金がいるようになってしまって、この連休で稼げるだけ稼がないといけないから。」
「そ、そうですか・・・。くれぐれもお体には注意をしてくださいね。お金が手に入っても、病気で倒れてしまっては元も子もないですし。」
「は〜い。わかってま〜す。では、いってきます!」
「いってらっしゃいませ。お気をつけて。」
彼女は心配そうな言い方だったが、それでも優しく微笑みながら見送ってくれた。
そう、俺はこうやって優しく微笑んでくれる女性、つまり美雪さんのために、連休をシフトまみれにしたのだ。
かなり前の風邪の時のお礼も内心したかったし、なによりもうすぐ一カ月もお世話になる彼女にお礼の一つくらいしようと考えたのだ。
なにをプレゼントしようかはまだ未定だけど、稼げるだけ稼いだ方がいいと考えていた。
そして、連休中、いつも美雪さんに心配されながらもバイト地獄を乗り切った。生活費分を引けば、5万円の稼ぎだ。
(これぐらいあれば、十分だろう)
という思えるくらいの稼ぎだった。
(さて、肝心の何をプレゼントするかだ。明後日でちょうど1カ月を迎えるということで、今日中に決めて、明日それを買いに行きたいものだが・・・。)
なかなかいい案が思い浮かばない。
そのまま今日も夕方をむかえてしまった。
(あ〜あ、はやく決めないといけないのに・・・なにも思い浮かばない)
そんなイライラした気持ちをスッキリさせるべく、俺は洗面所に向かった。
洗面所に行くドアを開けた瞬間、なにか甘い香りがした。
俺は反射的に目をつむり、その香りを吟味していると、目の前から
「あら?竜君、どうしたんですか?」
そう美雪さんの声がして目を見開くと、そこには!!
バスタオル1枚で体を覆っている美雪さんがいた。
薄紫のバイオレットをしたバスタオルは彼女の大人びた美しさにうまくとけあってる。
(実に美しい・・・)
そう嗅覚と視覚で彼女を味わっていると、
「うふふ、わたしの体になにかついてますの?」
と、彼女の声が聞こえた。
(あ!そうだった、この状況、まるで俺は変態みたいじゃないか!)
「い、いえ。そ、そのちょっと立ちくらみがして、じっとしてしまいました。風呂上がりでした?すみま・」
言いかけてる途中に、彼女の手が俺の額にかぶさる。やはりヒンヤリとして心地いい。
「熱はなさそうですねぇ。過剰なバイトの疲れでしょうかねぇ。今日は念のため早く寝ましょう。」
彼女はそう言い終わると、手を額からはなした。だんだんと彼女が残した心地よさも消えてゆく。
「あ、はい。そうします。」
俺は彼女の今のバスタオル姿を見て、プレゼントしようか決めた。
(この薄紫色のような色をしたワンピースにしよう。ワンピースなら、着やすそうだし、家事もきっとしやすいだろう。それに、胸の上がさらけだしてる彼女を見ていられると思うと胸が高鳴って仕方がない。色も彼女の美をよりいっそうひきたててくれるだろう。)
俺は答えを見つけられた安心感だろうか、達成感だろうか、眠気に襲われた。
ちょうど美雪さんも寝る準備をしてくれていた。
そして、今日も美雪さんに優しくされながら、眠りにつく。
「おやすみなさい、美雪さん。」
「ええ、おやすみなさい、竜君。」
翌朝、連休も明け、いつものように美雪さんのおいしい料理を絶えらげ、大学へ行こうとする。
「今日もバイトあるから、帰るのは夕方過ぎると思います。」
「わかりました。いってらっしゃいませ。」
いつも笑顔で見送っている彼女を今日もだますことになる。
昨日、考えていたように、今日のうちに彼女へのプレゼントを用意するつもりだ。プレゼントというのはもちろん、薄紫のワンピースだ。
大学の講義が終わり、昼を軽く済まし、俺は街に出かけた。
前に彼女と一緒に来た時に立ち寄った服屋の中でも、一番おおきく種類が多そうな店を選んだ。
そして、店に入ると
「いらっしゃいませーーー!!」
と、若い女性定員さんが出迎えてくれた。
「今日は何かお買い求めにいらっしゃいましたか?」
「あ、はい。薄紫色のワンピースなんてあります?」
「はいはーい、少々お待ちを〜。」
そういって店員はサッと俺の前から消えた。
しばらくすると・・・
「お客様のお求めしたワンピースですが、こちらの4種類ございました。」
4着とも色はほとんど変わらないが、柄があったり、裾がふんわりしてたりと多少違う。
俺は迷いながらも、彼女の谷間がよく見えそうな、胸のあたりがV字になってるものを選んだ。
「これで。」
「はいはーい、こちら55000円になりま〜す!!。」
(げっ、足りねーじゃん!!)
「あ、やっぱりもうすこし安いほうで・・・」
「嘘ですよ。彼女さんへのプレゼントですか?」
「は、はぁ。一応そうですが・・・。」
「恋する人を、私は応援したいんです!!だから、店長に内緒で55000円のところ45000円にしちゃいます。」
「え!ほんとですか!!?」
「ふふ、お買い上げなさりますか?」
「あ、はい。おねがいします」
「はいはーい、お買い上げありがとうございます。彼女さんの伸長を教えていただけますか?丈を調整するので。」
「あ、えっと・・・170センチ弱くらいかな?」
「承知しました。では、こちらへ。」
店員はレジに連れて行き、レジ裏にあるミシンなどを素早く使って、俺の買おうとしていたワンピースの丈を調整した。
「はーい、出来上がりました。お会計は45000円になりまーす!!」
(いざ払うとなると、なんだかもともとその値段だったのに、俺を買う気にさせるために、誘導したのでは・・・)
と思いつつも、美雪さんがこれを身につけた姿を見ると、仕方ないなと感じた。俺はきっちり45000円払った。
「お買い上げありがとうございまーーす!!こちらは恋する人たちを応援する私からのサービスです。」
そう言うと、店員は青いバラのコサージュのはいったケースを渡してきた。
「こ、これは。」
「コサージュですよ。きっと彼女も喜びますよ!」
「いいんですか?ありがとうございます!!」
「いえいえ、恋、がんばってくださいね!!応援してます!!」
「はい!必ず成功させます!!」
(っていいながら、俺と美雪さんは別にカップルじゃないんだけどね・・・)
この女性にも嘘をついてしまったのは残念だったが、コサージュをもらえたのはラッキーだった。
俺はワンピースの入ってる袋にコサージュのケースをいれ、家へと帰る。
「おかえりなさい。」
「ただいま〜。」
「あら?その大きな袋は?お買い物してきたのですか?」
「あ、ああ。ちょっと、大学のレポートで使う資料をなどを買ってきました。」
「そうですか。では、部屋に置いときますので、こちらへ。」
そう言い、美月さんは袋の方に手を差し伸べてくる。
当然、俺は間違えて中身を見られちゃいけないので、
「ああ!!いえいえ。自分でしまいますから。」
「あら、そう?じゃあ、夕飯の支度の続きやるわね。」
「はい!」
俺は美雪さんが、こっちに向いていないことを確認してから、袋をベッドの下に隠した。
シャワーを浴び、湯船につかる。
俺は最近、この時間を有意義に過ごすことができていた。
エッチなビデオはまれにしか見れないが、こうやって一人で湯船につかっている時に妄想をするのだった。
美雪さんには言えないが、妄想の内容は彼女と交わるようなことばかりしていた。やわらかく冷たい彼女の体と俺の体が抱き合ったまま横になったり、彼女が俺の体のいたるところを舌でなでまわしたり・・・・
そう妄想していると、俺のあそこはギンギンに硬く立ってしまう。
風呂をあがって着替えをすましても、俺のは元気なままなときがたまにある。
そんな状態で彼女の前には出れないので、しばらくゆっくりと深呼吸をし、心を落ち着かす。そうすれば、なんとかしおれてくれる。
今日も同じように、あそこの元気を失わせてから彼女のところへ行く。
「ふ〜いい湯加減でしたよぉ〜。」
「ふふっどうも。最近、お風呂が長いようですが疲れているのですか?」
「は、はい。ちょっと疲れてるのか、湯につかってると気持ちよく感じて・・・。つい長湯してしまいます。」
「そうですか。のぼせないようにお気を付け下さいね。ご飯の支度ができてますよ。」
「はい。では、さっそく、いただきまーす!」
おいしい料理を食べ終わり、洗い物してる美雪さんにふと尋ねてみる。
「あ、あの〜美雪さん?明日って何の日かおわかりですか・・・?」
「え?明日ですか?そうですねぇ、う〜ん・・・・・。すみませんが、心当たりないです。なにか特別な日なのですか?でしたら、お料理にもいつもより力をいれますが。」
「い、いえ。なんでもないです。なぜか明日の日付を見ると不思議な感じがして・・・。昔の友人の誕生日とかかもしれません。」
彼女はどうやら自分のお世話してる期間なんかは気にしていないようだ。
(やっぱり苦痛じゃないのかな〜?俺のお世話が苦痛だったら、すこしはどのくらい続けているか気になるところだろうし・・・。快くそうしてくれるているのなら、なによりだけど。)
俺は願いながら、ベッドに向かった。
そして、明日彼女に俺の下に隠しているプレゼントを渡した時の嬉しそうな表情や、実際にきてくれている姿を想像しながら、夢へと旅立った。
「美雪さん、これ、受け取ってください!!」
「あら?この袋は・・・たしか竜君のレポートの・・・。」
「ははっ、中を見てください。」
俺は目が覚め、朝食の支度をし終わった美雪さんに例のものを渡した。
「まぁ、きれいなワンピースにコサージュ。どうされたのですか?こんなものを?」
「そ、その〜1か月もお世話になってる人に、なにもお礼しないのはわるいので、勝手にこちらで用意させてもらいました!!」
「こ、これを、私にですか!?いいのですか?お高かったでしょう?」
「いえ〜ゴールデンウィークで稼いだ分の品ですから。美雪さんなら、こんなもの何着も買えると思いますが・・・。ですが、少しでもお礼したくて。そ、その・・・こんなものですみません!」
俺はすこしうつむきながらそう言うと、彼女はクスクスと笑った。
「ふふふ、こんなものだなんて。十分嬉しいですよ。それに・・・値段がどうであろうと、あなたのそういう感謝の気持ちの方がずっと嬉しいです。こちらこそありがとうございます。」
「いやいや、感謝してもしきれませんよ〜。」
「ふふっ、ちょっと着てみていいかしら?」
「あ、はい!」
彼女は俺の返事を聞くと、席をはずしリビングの方へと向かった。
そして、ゆっくりと帰ってきた。
「ど、どうですか・・・?似合ってますか?」
顔を少し赤らめながら、胸の谷間があらわになってる上に両手を置き、恥ずかしそうに尋ねてくる。
想像した通りに、いやそれ以上に美雪さんの美しさがひきたっているように見える。さらに、左胸に着けたコサージュもなかなかワンポイントとして機能していてよかった。
もちろん、その姿は
「はい、とても似合ってますよ。俺の独断で選ばせてもらいましたが・・・そ、その、お気に召されましたか?」
「ふふっそれはよかったです。ええ、とっても気にいってますよ。」
そう微笑み、胸の手をのけると、俺の期待していた白い谷間があらわになった。俺はその立派な谷間に固唾をのんだ。
(ああ、これを眺めながら飯を食ったりしたら・・・)
など、お得意の妄想がはじまるのだった。
その日から、美雪さんは俺の渡したワンピースとコザージュをいつも身に着けてくれていた。
大事に扱っているのか、あれだけの家事を続けても彼女はシミ一つつけなかった。もしかしたら、汚れても念入りに洗っているのだろうか?彼女が着ていた服を今思い返すと、どれも汚れひとつなかったのだ。
(洗濯も上手なんだな〜)
と思いつつ、俺は今日、父さんのいる実家に1泊しにいく。
俺は大学の夏休みに入ったばかりで、たまたま今日と明日のバイトが休みということもあって、少し早い帰省をするのだった。
「じゃあ、美雪さん、家のこと頼みます。明日の夕方には帰ってくると思いますから。」
「はい。ゆっくりしてきてください。」
彼女はやはりあのワンピース姿で優しく微笑みながら、手を振ってくれる。
(はぁ、あの白い谷間を離れて、汗臭い男のところに向かうのは、少々残念なことでもあったが、久しぶりに父親に顔を合わすためには仕方ない)
そう思いながら、俺は電車に乗って故郷へと帰るのだった・・・
家に一人残った美雪は、彼を見送った後、玄関に飾ってある彼の家族写真を手に取る。
「美香さん、私は彼にちゃんとお世話をできているのでしょうか?あなたが私に残した意志を引き継げていますでしょうか?最近、彼が家からいなくなると胸が痛くなるのはなぜでしょうか?今だって・・・こう・・・なんだか苦しいです。いつかこの痛みのわけをを知りたいです。」
そして、やさしく元の位置に戻す。
(なにかしら?この・・・胸苦しさは。寂しさというものでしょうか・・・。)
彼女は胸に手をあて、その胸苦しさを沈めようとする。
ようやく、だいぶおさまり、家のことをし始めた。
時刻は深夜2時を回り、アパートの前に怪しげな一人の男の影があった。
男はスタスタと静かに階段を上り、竜也の部屋のドア前で立ち止まった。
「ウシシ、この部屋の住人はどうやら出かけたまま帰ってくる気配がない。それに、たまに見る家政婦らしき女はアパートから出てくるのは見ていないが、さすがにこの時間にもなると仕事を終えて、帰っているだろう。もし・・・中に彼女がいても・・・この切れ味抜群のナイフで・・・」
(ウシシ、それは本当に最終手段だけどな)
そのまま、男はドアのカギに手を加え始めた。
「ウシシ、ここのアパートのカギの構造など攻略済みだぜ。ここをこうして・・・最後に・・・」
ガチャッ!
(あ、あんれ〜?最後の仕上げをする前に開いちゃったじゃないか!ま、まさか、人がいるのか!!?)
しかし、男がそう疑っても中からはドアを開ける気配はない。
おそるおそるドアを開けてみると・・・
(な、なんだよ、だれもいないじゃないか。ビビらすなよ。もっと頑丈なカギにしといてくれよ〜。)
そして、はぁ〜とため息をつき、
(さてと、金目の物をいただこうとするか)
そう、男はこの付近で何度か盗みを働いている泥棒だった。
部屋を見渡して、ベッドの中も確認して、人がいないのを確認すると、
男はタンスや棚の引き出しをどんどん開けては閉めていく。
そして・・・
(く、くそ!!全然金目のものなんかねーじゃねーか!)
やれやれと思い、帰ろうとすると、背後から・・・
「ふふっ」
と笑い声が聞こえた。誰かが男の背後にいる。
「だ、だれだっ!!?」
男はとっさに振り向きながら怒鳴る。
「あらあら?こんな時間にお客さんかしら?ちょうどさびしく思ってたとこでしたの。ふふふ」
そこには、暗くてよく見えないが、薄気味笑いながら立っている、薄紫色のワンピースを着た大人の女性の姿があった。
「く、くそ!!家政婦か?こんな時間までいるとはなぁ、思いもよらなかったぜ。押し入れにでも隠れていたのか?」
「ふふっ、私はずっとあなたの後ろにいましたよ?」
(な、なんだと!!?かなり部屋をぶっしょくしてたはずなのに・・・俺としたことがきづかなかった・・・。)
「そ、そうか、きづかなかったぜ。」
「なにか探しものですか?お飲み物はどうですか?」
あざ笑うかのように、彼女は訊いてくる。
「ははっ、生憎にも俺の探してたものは見つからなかったぜ、金目のものはなぁ!!」
そう言い放ち、男は携えていたナイフを女の方に向ける。
「あらあら、そんな危ないものは人に向けてはいけませんよぉ?」
「うるさい!俺は逃げるためには、女だろうが容赦しないぜ?」
「ふふふ、ゆっくりお話でもしませんか?」
女はナイフに驚きもせず、不気味に微笑みながら話しかけてくる。
「だ、だまれぃ!俺は本気だぞ?」
そう男が言うも、彼女は笑みを浮かべたままであった。
男はとうとうその笑みに不気味さを感じ、
グスッ!
と、彼女の左胸めがけて、ナイフを突き刺した。
彼女は「きゃっ!」と奇声をはっし、驚いたように目を見開いたまま、ぐったりと地面に倒れこんだ。胸に着けていたコサージュの一部にも突き抜けたのか、その青いバラの花びらが一枚ヒラヒラと床に落ちた。
「悪いな、だが、俺は捕まるわけにゃいかねーんだ。」
と言いながら、人形のように動かなくなった彼女に手を出し、金目のものはないか探り始めた。そして・・・
(ほぉ〜これはなかなか値がつきそうなイヤリングだな〜。)
と、彼女の両耳についていたイヤリングを無理やり抜き取った。
「まぁ、これだけ手にはいりゃあ十分だろ。お嬢さん、悪いことしたが、これも俺が生き抜くには仕方ないことなんだ。あばよ。」
彼女は目を見開いたままで、微塵も動かない。
男はそういい、部屋を出て、アパートの近くの空き地に停めてあった自分の車に逃げ込んだ。
「ウシシ、かなりかわいそうなことしたが、しょうがねぇ。今日の報酬はこんなもんなんだしな。」
そういって、ポケットに入れていたイヤリングを男は手のひらに乗せる。
「ウシシ、こうしてゆっくりみると、けっこうきれいだな〜。」
男はうっとりとそれを眺めていると、突然!!
「な、なんだ!!?」
手の上にあったイヤリングは氷が溶けるように、あっという間に溶けて指の隙間から滴が垂れ落ち、ズボンの股の近くを濡らす。
そして・・・
「ふふっ、お気に召されて嬉しいです。私がデザインしたオリジナルものなんです。」
と、女の声が・・・
男は「あっ!」と声をあげ、いつの間にか、さっきナイフで突き刺し仕留めたはずの女が助手席に乗っていた。
彼女の手にはあのナイフが握られていた。
「ヒ、ヒェェーー!」
男はあわてて外に飛び出したが、石につまずき、転んでしまう。
振り向くと、あの女がナイフをもってこちらにゆっくり近づいてきている。
「く、くるなあああ!!」
男はしりもちをつきながら、後ずさりする。
だが、むなしくも彼女はもう男の目の前までやってきていた。
そして、しゃがみ込み、ナイフを男の目の前までもってくる。」
「ダメじゃない、こんな危ないものをあんなことに使っては・・・・・・・。痛かったわぁ・・・身も・・・心も」
男はあっけにとられたまま、何も返事ができない。
「ああいうことする人にはおしおきが必要よねぇ。」
彼女がそう言うと、月明かりに反射して、ナイフの先がキラーンと光る。
そこで、男はナイフも女の胸も血で汚れてないことが奇妙に思われたが、そんなことよりも・・・
(こ、殺される!)
男はとっさにそう思い、かみしめるように声をあげた。
「こ、殺さないでくれぇ!頼む、死にたくない!!助けてくれぇ!!」
彼女は緊迫した男の様子を見ると、クスクスと笑いはじめた。
「ふふっ。大丈夫よ。私はあなたの命なんか奪わないわ。」
そう言い、ナイフを地面に置く。
(・・・ウシシ、バカめぇ。)
すると、男はナイフを置いたのを見計らい、彼女の隙をつき、彼女に「ドリャーー!」と体当たりした。彼女は無言で地面に倒れた。
「ハァハァ、悪いが俺はこんなところで人生をおわらしたくないんでな。」
そう言い残し、男は彼女に背を向け、また逃げ出そうと走り始める。
しかし、8,9歩も進まないうちに前に進まなくなった。いや、進めなくなった。前に進もうとするが、胴体にからみついたなにかによって後ろに引っ張られる。見ると。胴体には何本かのの触手状の管みたいなものが、強くからみついていた。
「な、なんだっ!こ、これは!!」
男は触手が伸びてきている後ろほうに目をやると、あの女が立ち上がり、こっちを見ながら微笑んでいる。
「逃げないで〜」
男はやっと、この管の発信源が彼女の腕からだと分かった。
分かったところでなにもできないが・・・
(な、なんだコイツ、化け物か?)
男はどんどん女の方に引っ張られ、とうとう元の位置にまでもどってしまった。すぐそばで彼女の笑みが目に入る。
「つ・か・ま・え・た」
「う、うわーーー!!たすけてくれええ!!」
「あなたに私の大事な宝物を傷つけられた心の痛みがわかるかしらぁ?」
彼女は男の返事を待たずに、そのまま胴体をキツク締めあげる。
ギュィッギュッっと締め上げる音が無残にあたりに響く。
「ぐ、ぐっ。た、たす・・けて・くれぇ。お、お願いだ。たすけてくれぇぇぇーー!! ッッッ!!ゴボッゴボボッ」
そう叫ぶ男の口に管の一つが入り込んでくる。
「ふふふ、大丈夫。叫ばないで〜。命はとらないっていったでしょう?代わりに・・・」
男はさきほど、濡れてしまったズボンの股のあたりにムズムズと何かがうごめく感覚に襲われた。
「ふふ、あらあら、皮で覆われていて、中に入れませんねぇ。でしたら・・・」
そう言うと、その股のざわめきは一気に男の男性器へと集中し、マッサージするようにクチュクチュと音を立て、刺激する。
男の男性器はもう我慢できず、元気よく硬く立ちあがった。
「うふふ、準備できたみたいね。では、いただきます。」
彼女は拘束していないもう片方の腕を男の男性器に伸ばし、液状化させる。
男は、射精とはまったくちがう、尿道を逆流してくる感覚に絶頂をむかえそうになった。奇声をあげようとしても、口は彼女の体で埋めまれている。男はなにも抵抗できないまま、その快楽に酔いしれるしかなかった。
「ふふっ、ありました。・・・ふふっやっぱりこってりとしてておいしいです。あなたも気持よさそうですねぇ。では、どんどんいきますね〜。」
彼女は送り込む勢いを増し、男の精巣を破裂せんばかりに彼女の液体でいっぱいにした。
「一滴残らず、いただきますね。私の大事なものに傷をつけた復讐です。たーっぷり吸いつくしてあげますねぇ〜?うふふ」
彼女はどんどん男の精液を自分の体にとりいれていく。
男は不安、痛み、快楽と同時にいろいろな刺激を受ける。しかし、体は動かせない、声もあげれないと彼女に抵抗できないまま、身を捧げるしかなかった。
彼女は精液を吸い終わると、男の体全身を液状化させた自分の体で包み込み、車の中まで連れて行った。そして、ようやく男は彼女から解放される。
「ごちそうさま。私の大事な彼からのプレゼントを傷つけたことは残念でしたが・・・。おわびの精液は十分おいしかったですから、許して差し上げます。」
そう言われても、男は魂が抜けたようにぐったりとしているだけだった。
「もうあんなことしてはいけませんよ?うふふ、では、さようなら。」
そして、彼女はバタンッと車のドアを閉め、ゆっくり部屋へと戻るのであった・・・
翌朝。
「午前8時を回りました。ニュースの時間です。今日未明、山渕市内で男性が女性に襲われたと通報がありました。被害者の男性は軽い脱水症状がみられ、男性の供述にはいくつか不明な点があるようですが、容疑者の女性は今も逃走中のようです。続いてのニュースです・・・・」
彼女は「ふふっ」と笑いながらコーヒーをすする。
すると、ピンポーンとインターホンが鳴った。
「おはようございま〜す。こちら山渕市警察です。ちょっとお聞きしたいことがありまして。」
彼女は「あら?」とコーヒーを置き、ドアをあけにいった。
「うふふ、おはようございます。なにかご用ですか?」
「す、すみません、こんな朝から訪問してしまい・・。」
そう言うと、一人の警察がヒソヒソともう一人の連れの警察になにか話し始めた。
「お、おい!男の供述と違うぞ?身長は170センチくらいで、長い黒髪に一重の目ときいていたんだが?どうみたって、身長は160あるかないかだし、髪だって黒ではあるが、ショートじゃないか。しかも、はっきりとした二重目してますし。」
「知りませんよ〜。管理人さんが言うには、この部屋には家政婦の女性一人が勤めているらしいですけど?やっぱり、男性が一人の女性に襲われるっていう時点でおかしいことですよ。」
美雪はドアを開ける前に姿を別の容姿の女性に変えていたのだ。
話が済むと、チラッとまた二人の警察たちは彼女の方に向きなおし、
「す、すみません!昨日の深夜にこの部屋にいた女性に襲われたっていう男性がいまして、しかし、その男性のいう供述の女性の見かけとあなた様の容姿が全く一致してませんでしたので、おそらく彼の勘違いなのかもしれません。
しかし、一応写真と電話番号をお願いしてもいいですか?」
「え、ええ。かまいませんよ。」
彼女はそのまま写真をとられ、電話番号を教えた。
「ご協力ありがとうございました!真相が分かり次第、ご連絡をいれます。」
「はい。捜査がんばってくださいね。うふふ」
彼女は微笑みながら、警察たちにそう挨拶してドアを閉めた。
そして、昼を過ぎたくらいに
プルルルルプルルルッ ガチャッ
電話がかかってき、彼女は受話器をとった。
「はい、もしもし。」
「あ、こちら朝にお伺いした警察の者です。どうやら、貴方様と事件とは関係ないようです。被害者の男性に貴方様の写真を見せると、この女性じゃないって言い張りました。それに、被害者の車から薬物反応が検知され、さらにここ最近の空き巣被害の容疑が彼にかけられているようなんで。貴重な時間をつぶしてしまい、すみませんでした。また、ご協力ありがとうございました。では。」
「ふふっそうですか。わかりました。はい、では。」
電話を切ると、彼女はニュルっとまた元の姿に体を戻した。
ふふっとまた笑い、コーヒーをすする。
そして、夕方にかえってくる彼のために夕飯の支度をし始めるのだった。
「たっだいま〜!!」
「おかえりなさい、竜君。」
彼女は笑顔で俺を迎えてくれる。
「お風呂沸いてますよ?どうぞ、汗を流してきて下さい。」
「お〜たすかります。ちょうど入りたかったとこです。」
夕飯時には久しぶりの里帰り、父親との久しぶりの再会などこの一泊の出来事を談笑しながら食べた。
「・・・でさぁ、そこで父さんがさぁ、・・・」
「ふふふ、おもしろいですね。竜君のお父様は。」
「あ、そういえば。今日ここに帰ってくる途中、そこの空き地に警察がなにか捜査してたけど、事件でもありました?」
「うふふ」
なぜか彼女は笑うだけだ。
「え、え〜っと、美雪さんとなにか関係が・・・?」
「いえいえ、なんでもないですよ。安心して下さい。うふふ」
しかし、そう言うも彼女の笑いは止まらない。
俺はすこし奇妙に思えたが、なにかあったらあったときに考えようとことづけた。
「ふ、ふわぁ〜あ。今日も疲れたぁーー。お先に寝ますね。」
「は〜い。」
また、いつもどおり美雪さんは俺の寝る支度をしてくれる。
そして、いつもの・・・おなかポンポンが・・・
たたき始めはちゃんとへその上の方を叩いてくれていたが、だんだんと俺のあそこに迫っていってるように感じる。
(でも、まさか美雪さんがこんなこと狙ってするはずが・・・)
そう言いきかせ、俺は眠りに就く。
意識がとおのいていくと、横から美雪さんの声が聞こえたように感じた。
「ふふふ、さびしかったですよ〜。このさびしさを埋めるくらい、竜君の・・・」
後の方は上手く聞き取れなかった。
(俺が留守で、さびしかったのだろうか?まぁ、どんな人も一人でいるよりも二人でいたほうがさびしくないしなぁ。ちゃんと、明日あやまr・・・)
俺の意識はさらにとおのいてゆく・・・
「おやすみなさい、竜君。」
13/08/21 06:37更新 / sloth
戻る
次へ