読切小説
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ある教室
「だいたい奥手すぎるのよ」
「お前も大概だと思うがな」
「そうそう相手を誘うんじゃなくて、あなたが奪っちゃいなさいよ」

ある日の放課後、サキュバス・ゲイザー・ファラオがコイバナ(愚痴とノロケ)にいそしんでいる。

「だって!!普通に隙だらけよ!?二人っきりの部室が何回も!お互いスキンシップしまくりだし、彼欲情しまくりだったわ!!魔法なしで!!!」
「でも、何もなしなんだろ?しかもしっかり魔法使わなかったって奥手さ出してんじゃねーか。そこは使えよ?ゴール一歩手前で立ち止まってんじゃねーよ」
「そもそもそこまでいったならあなたからキスするなりナニかしらすればよかったんじゃなくて?受け身では彼を誰かにとられても文句は言えないわよ」

ちなみにゲイザーとファラオのお二人は彼氏持ちだ。休み時間には様々な場所でいちゃついてる。

「でもでもでも!!!強引になんてそんな、もし魔物のこと…私のこと嫌いだったらって思うと…」
「自分でスキンシップしまくりとかノロケたじゃねーか。ありえねーよ。アイツ(ゲイザーの彼氏)にさぐり入れてもらったら気になってるらしーぜ」
「私も彼からあなた達二人をくっつけてあげようよと言われていますし、阻むものは何もありませんよ?一歩踏み出してゴールテープを切ってしまいましょう?」

種族が違えど、恋する乙女。励ます姿は人と変わらずまさに青春といった様子だ。非常にほほえましい。

「ところで、ずっと教室の外で聞き耳たててる君。あまり行儀がよろしくないわ。『こっちにいらっしゃい』」

ファラオの一言で強制的に教室に入る。気づかれてたのかー…
忘れ物取りに教室に戻ったら話してるんだもん。入れねーよ。
かといって定期だから帰れないしさ。

「!!!!」
「あれ?お前さん…」
「あらあら…」

そうです。僕が噂の奥手野郎です。

「さて、あたしはアイツの部活姿でも見に行きますか」
「私もそういたしましょう」

そんなニヤニヤしないでくれよ。
すれ違いざま肩をたたくとか励ますとかいらないよ。
気まずいからここにいてくれ

「ねえ」

ほら、きた。
絶対やばいぞ。顔真っ赤だし大噴火が来る

「部室いこっか」

…ああお互いなかったことにすんのね、それ僕も賛成。
ああ行こうといって彼女と一緒に部室へ向かう。
ゆっくりでいいよね。



















「どっちからいったんだ?」
「何からしたんですか?告白ですか?それともキス?」
「いやもしかしたらナニかもしれないぜ?」
「情熱的ですね〜羨ましいわ」

ゆっくりじゃありませんでした。
昨日のうちにカップルになっちゃいました

「ちょっとやめてよ〜き、私からキスした♥」

いや、なんで答えちゃうのさ。晒し上げだよこんなん…

「まじかよ奥手同士だから告ったの先だと思った…」
「もう最後までされたので!?」

ファラオさん前のめりすぎだから…

「うん♥しちゃった♥」

恥ずかしいからやめろって…

でもまあ、こんな可愛い彼女が出来たんだからこれぐらいはいいかな

「ねえ!」

なんだよ

「部室いってさ…しよ?」

さすがに非童貞暦一日未満にそれはきついって…
14/03/29 17:38更新 / 北山藤 烏

■作者メッセージ
わりと適当になっちゃってかなって
こんな青春送ってみたかった…

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