読切小説
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甘味中毒
岩肌が荒々しく、寒い太陽の光と北風を乱反射させる険しさではこの地方指折りの山岳地帯。見渡せば寒い雲に覆われ、雷がいかにも落ちそうな山々には白粉で化粧しているところもある。
そんな此処は標高千メートル。もっと高そうな山が奥の奥に静かに佇む、名前も無き山には人間はおろか、動物の鳴き声さえ響かないこんな冬山。起きたて全裸の僕の正面にいるのは笑顔のバロメッツ。
「おはようっ!」
「あ、うん……冬山は本当に寒いね」
くるんとした羊の角が目印の、白い獣の耳をぴこっと動かして僕が起きたことに気付いた彼女は今日も元気に僕の起きたてほやほやの顔を眺める。
「でも、私はあったかいでしょ?ほらぁっ」
挨拶もろくに返せず寝ぼける僕に身体をぎゅうっと抱きしめる。彼女の上半身、髪、肩、腕……もこもこと温かい天然由来百パーセントの綿で覆われているので抱かれた瞬間、自然と力が抜け、癒される感覚が全身ダイレクトに伝わってくる。
「はふぅ……」
橙色の果実の中、そしてその上では身体から甘い液を分泌する彼女の身体と僕の筋肉も少ないなよなよした身体が密着し、柔らかで温もりたっぷりの綿が全身を包んでくれればそこは二人だけの布団。目の前には蕩けた彼女の顔しか見えない。
「えへへ……♥」
甘い匂いが僕らを包みこむ。この果実に包まれているだけでも僕は幸せを感じているのに人間というものは貪欲である。彼女の身体に最接近した口から朝ご飯を、と舌をつきだした。

――今の状態になったのはつい三日前。
「本当にこんなところにあるのか?」
実は僕は貴族の四男。教団の只管高潔に、高潔にという規則が苦手な僕は国を飛び出して呑気に旅をしていた。人間だもの少し遊んでもいいじゃないか。
少し旅をしたら戻る気ではいた。でも貧しい村々、魔物の本来の知見を得れば、華やかで傲慢な家庭と魔物を未だに悪と排除する教団で育った僕はそれですべてが空しく感じて、僕は死んだことにした。金品を通りすがりにあげた時にそのお礼に温泉が湧くという情報を教えてもらったのだ。
しかしそこは大絶壁。戻ることを考えると背筋が凍るほどの、険しい道なき道。野の草もあまり生えておらず、木々は落葉している寒い季節。
「あーあったかい温泉が今すぐほしい。」
貴族の威光の欠片もないぼろきれ一枚。温泉に入ってから後々どうしようか考えようとしていたが……どこからともなく漂ってくる、ほんわかと甘い匂いが思考を邪魔する。
とても上品で強欲な自然に存在するとしては異常すぎる甘い匂い。蕩けるようなふわふわとした、ずっと嗅いでいたい、魔性の匂い。
先に進めば進むほど甘い匂いは強くなっている。しかしこんなところにそんな甘いものが?屋敷では甘い砂糖菓子等は沢山食べたが、そんなものよりもっと甘い、身体全身が甘い匂いに敏感に反応する。大きなイチモツも隠すことができないほどにその匂いに虜になっていった。
一歩進めば甘く、二歩進めば甘く。何かの糸が首につけられそれに引っ張られていくような感覚を感じるが、自ら進んでその場所に歩み寄る。もっと、もっと濃いそれを味わいたい一心で。
そして木々のトンネルを抜け、少し開けた場所、そこに『温泉』はあった。
「わぁ、初めての人間さんだぁ!ようこそぉ♪」
身体全身がワーシープ……いや、違う。毛が無い下半身はゼリー状の果実に包まれ、身体には葉っぱ等植物の意匠がある。
旅中で沢山魔物夫婦を見てきたのでやはりそんな食われるとは思わないし怖くはない。だけど僕は今では恥ずかしいが、この魔物を知らなかった。
「……温泉?」
「私のこの果実が温泉にみえたかな?確かにこの中はあったかいけどこれは私の果実だよぉ」
てっきり地下から湧くアッツアツの効能を持ったH2Oを期待していた僕の目の前にはぷるぷるゼリー。それを揺らしながら彼女は己の身体で誘惑してくる。
「ほらぁ私あったかいよっ♪怖がらず、おいでおいで♥」
確かに今、とても寒い。乱気流の通り、寒い風がすべての方向から熱を奪いに来るので僕は少し震えている。しかし彼女の上半身は確かにもっこもこした、いかにも包まれたらあったかそうな綿。下半身は糸一つない綺麗な肢体を女性、そのままの姿がゼリーの中。ゼリーが冷たいものだったら彼女も当然寒いだろう。ということは、この中に入れば彼女と二人あつあつ露天風呂……男として、そそる。
しかし、彼女にはもっと恐ろしい誘惑がある。そう、この芳醇に彼女の身体全体から香る、あの甘さである。その甘い匂いは戻れなくなったら、とかささやかなネガティブな思考を吹き飛ばして、彼女を欲しいという気持ちを強く頭の奥へと染み込ませる。
なら、折角甘い匂いに釣られて此処に来たんだ。まずは。
「まずは、このぷるぷるした風呂というかゼリー、食べてもいい?」
「勿論!ぜひぜひー♪おいしいよ!」
彼女は待ってました、と言わんばかりに得意げな赤く熟した顔でお腹のそばにあるゼリーを両手で掬って僕に差し出した。
「はい、どーぞ♪バロメッツのとれたて召し上がれ♪」
そうか、彼女はバロメッツという魔物なのか。ということを此処で知る。そんなことより差し出されたこのぷるぷるゼリーだ。
手のひらからさえも甘い匂いが鼻腔を貫き、気が付けばまるごと犬のようにバクリと口にしていた。歯に触れた瞬間、しゅるっと溶け口内全体にふわっと綿のように蕩ける果肉。そして溶けたところからじゅわりとあの甘い匂いが口内全体に広まり、味蕾はとにかくバカになりそうなぐらいに『甘い』を感知した。
「ふぁっ……なにこれ……」
下界でこんなものは食べたことない。絶妙な、最高級果実・彼女。
「どう?美味しい?」
無言で首を何度も縦に振る。彼女の一部を食べただけでもう僕は彼女の虜になったのに、さらにその甘い果実の中から僕をメスの顔で誘惑してくる。
「よかったぁ♪でも、もっとおいしいものがあるんだ……♥」
彼女は自分を指す。それは甘い匂いの源。迸る果汁。甘い後香を白い息で出しながら、僕は彼女のことしか考えられなくなっている。こんな険しい山を数時間登ったんだ、そこに入る権利は独り占めだろう。
「この果実に一緒に入ろうよぅ♪ねぇ♪」
ぷるりと身体を動かしながら彼女は急かす。僕の考える能力は全て甘い匂いの前に溶け尽くし、こくりと頷くと、服を脱ぎ捨てた。
裸になると、増して寒いはずだった。しかし身体は彼女をみればみるほど熱い。もう先走りの汁が男根の先から出てしまっているのを見て彼女は目を反らすどころかこちらをまじまじ見つめる。
「うわぁ……おっきぃなぁ……♪」
恥ずかしくてその男根を隠そうとすると彼女はゼリーをぬるりと移動して僕の元へと近づく。
「ほら、早く早く♥そうしないと風邪ひいちゃうからぁ♪」
植物製の両腕から伸びるもこもこの綿が僕に差し出されていた。相変わらずぷるりぷるりと弾む果実と僕の心臓。
意志を決めて甘いゼリーの中に僕はおそるおそる右足を踏み入れれば、にゅるりと僕の足を果実が包み込む。甘い。暖かい。お湯とも言い難い、ぬるりとしながらもどろどろやねばねばとしていない、純粋なる果実に足を置く深くまで差し込めば、嗚呼、香りの網が僕の身体に覆いかぶさる。もう一本の足もぬるりと入れれば、次はもこっとした綿が僕の背中へと周り、彼女はにっこり笑う。
「えへへ……ようこそ♥」
この甘さは愛の味、と名を表すようなハート型の果実のくぼみ、彼女が鎮座する場所に僕は下半身をぬぷーっと沈めた。とろりとしていた果実まみれの下で彼女は僕の足を絡めとる。お腹で感じるその褐色の肌とその肉付きは確かに妖艶な、人の形。しかし目の前にいるのはやっと人間を見つけた羊の角が生えた魔物。ぎゅぎゅっと抱きしめられて僕もぎゅうっと抱きしめれば甘い匂いは芳醇に果実から、身体から、ほわりほわりとこちらにその漏れる甘い汁を刷り込まれる。抱きしめられた彼女の顔は幸福で満ちていた。
「えへー……♥」
甘い彼女の甘えに僕の顔も甘く蕩ける。ああ、なんて可愛いのだこの娘は。一緒に居たいと思った瞬間とろとろしていた果実が急にぷるりんっと僕と彼女を一つにしたままゼリー状に固まり、そのぷにぷにの果実の姿はまるで二人の湯壺。
「もう……戻れないね♥」
果実の虜囚となった蕩けた僕の顔を見つめて。ご満悦の彼女は今にも僕を性的に食べんとした顔でこちらを見つめながら呟いた。
……冗談じゃない。
「戻る……?やだ、戻りたくない……」
麓の世界に比べればこの甘い果実の世界はまさに『天上の楽園』。ぷるっぷると振動する彼女の魔力に欲望があふれ出てわがままになっている僕がいた。この子と一蓮托生の生活……それは求めていた平穏な生活そのものなのだろう。彼女に抱き着く僕を彼女は受け止めてくれ、頭をその手で撫でてくれる。
「よぉーしよぉーし……もう、一緒だよ♪」
絡みつく足がさらにからみつく。大きくなっている股間のものが直接彼女の下腹部に伝わる。そしておなかとおなかがぬるりとしながらもぷにりとしっかりと僕と彼女を結び付ける。彼女のもこもこした毛が僕の胸から肩甲骨まで覆いつくし、僕の腕は彼女背中のの綿毛に埋まりながら彼女と僕は互いを果実のみならずその腕で求め、果実のように蕩けた僕と彼女の顔が向かい合う。
「んぅ……」
「んっ……」
ぷるりんと可愛い彼女の口が僕の唇と重なり合う。その空間からは強大な吐息の甘さが鼻を逆流してまでも甘味を伝えてくる。しかしそれだけではない。とろーり、とろりと彼女の肉厚な舌が僕の口の中でじゅぷ、ずぶりと慰めれば、彼女のたっぷり濃厚果汁が僕の舌の味蕾を全て甘味にせんとコーティングを施す。
「んはぁ……」
とろん、と彼女の口から口を離しても、口から出るものは彼女の体液が僕の吐息で溶けだした甘味が僕の鼻を無限ループし始める。嗅覚、味覚が欲しいという欲望を脳に只管刺激を繰り返す。
「うぅんっ!」
すれば僕の身体は自然に彼女の口へと向かう。彼女の唇はそれでも僕を受け入れてその舌の果実の部分をたっぷり、たーっぷりと僕の舌に覚えさせる。舌と舌がねじりあい、人間の涎が彼女の喉へ、バロメッツの果汁は僕の喉へと互いの濃厚な汁を互いに貪りあう果実の沼。
「じゅるり、じゅるるるっ!んっ!!」
「ずるるるっれろぉ……っ!」
呑めば飲むほど甘さの濃度は増していく。息継ぎをすれば僕の口から出る甘い彼女に染められた甘い吐息と彼女の口から出る僕を染め上げた甘い吐息で甘い甘い空気が僕と彼女の皮膚と綿毛を覆いつくす。
「れぅ……」
それに耐え切れず僕はまるで餌を欲しがる犬のように舌を彼女の前でだらしなく垂らした。すると彼女は僕の舌をするりと掬いあげ、口の外でも僕の舌に汁を叩き込む。
「ずぱ、ずぱぁ……ん、ぁ……」
彼女の舌がしゅるりと抜ければ、満足した舌はどろりと果汁を垂らす。彼女はそれを見て荒い息を吐きながらにっこりと赤く微笑む。
「えへへ……満足してくれてうれしい♥でもね……」
ぷるりと果実が動く。彼女の腰が艶めかしく動けばその動きは果実を伝導して僕の腰を刺激する。それで彼女が何を言いたいかが自然と頭の中で理解した。
「もっと、もっとおいしいところあるんだ……♥」
果実の柔らかさがとろりと入った時の動ける状態になる。これは彼女の特権のようだ。すると彼女は腕を果実の中にいれ、僕のそのギンギンに勃つ食器を手に取った。
「ねぇ……このフォークで……たっぷり食べて♥」
いやらしく僕のそれを綿毛でなでなでされる度、おぅ、と淫らな声が僕の口からこぼれた。果実でべっとべとになった僕のそれは潤滑で、挿すには絶好のモノと化としている。下を見たら彼女のつっるつるで、毛が一つもない彼女の密壺の入り口が果実越しにわかる。
「えへ、えへ♥」
彼女はフォークをあろうことか自分の入り口につん、つん、と突く。果実の中でも亀頭にそのすじの入り口を強制的に感じさせれば口から零れ出るのはあっ、あっ、という僕の声。
「遠慮せずに♥」
下から見えたのは彼女が桃色にひくひくとしている密壺を開ける姿。この甘美な肉体のその場所に僕の情けないソレを挿れてもよいものなのだろうか、と考える間もなく、漂う甘い空気とにやにやと笑うおねだりする笑顔で僕の頭は既に彼女が考えていることを実行させてしまう、一匹の獣と化としていた。
「じゃぁ……」
おそるおそるそのフォークの先をその壺の入り口に合わせて、ゆっくり、ゆっくり照準を合わせ、小さな膣にゆっくりと大きな亀頭をふれさせればぷにぷにの果実じゃない、むにむにの人ではない人の温もりが敏感な部分からぬくりと、びくんと感じる。
「ぅぁっ……」
「んぅっ♥」
そこからゆっくり、ゆっくり、そのピンク色の部分を彼女の肉を大きく拡げながらフォークを進ませた。むちり、むちりとこれでもか、と締め付けてくる彼女の器。しかし彼女は痛がることすらしていない。
「んっあぅっ♥すっごくおっき……♥」
「締め付けがしゅごいぃぃ……んはぁっ」
しかし僕はその人間では味わえない芳醇で豊潤なぬっぷぬぷな果実のどっろどろな果汁で肉棒を進められるものの、その締め付けでもう本番が出てしまいそうになる早漏と化としている。なるほど、魔物に人間が勝てないわけだ。
でもゆっくりすれば奥まで自我は持つだろう。そうやっと亀頭をいれた、その時である。
「えへ……♥」
彼女ががばりと力強く僕の腰を持ったのは。
「果実っていうのはねぇ、一気に食べた方が美味しく味わえるよね……♪」
なんだろう。彼女の顔が今までにない魔物としての顔を見せている。甘い舌をじゅるりと己の唇を舐めまわし、赤面しながら緊張の汗という果汁をどろどろと流している。何をされるかわからない、その僕の汗が果実に落ちる。
「……えいっ♥」
一気に己の方向へと押し付けたのだ。ぱんっっ!と勢いに彼女の胸や綿毛が衝撃で揺れ、僕のそれはこれから一分以上分はあった彼女の道を時速百キロで突き抜けさせられたのだ。
「ああああああああああああああ♥♥♥♥♥♥」
「んんんんんんんんんんんんんん!!!!」
快楽数分分を一気に圧縮された、恐ろしい締め付け、肉壁、奥の膜まですべてが男性器へ一度に襲い掛かってくれば、その全ての快楽が一気にたどり着く頭に快楽ロケットが突き抜ける。あががががががとしか言いようがない、普段人間同士だと絶対できないそれは人間の頭の許容範囲を超えた何かである。しかし、これで終わるわけがなかった。
「ふぁぅあああああああんっ♥♥♥♥♥♥」
「あああぅぅぅぅぅぅぅぅ!!!」
次は一気に彼女の道を逆走する。当然来た道は締め付け、肉壁、ひだ、彼女の道は勿論そのまま僕の男性器にぐいぐいと襲い掛かってくるのだ。突き抜けたロケットが次は180度空中で大回転して僕の頭の中を爆撃する果実逆バンジー。彼女は腰を押すときに果実を絶妙にぷるっと固めていた。しかも、反動で亀頭が彼女の外へと飛び出さない、絶妙な固さで。
じゃあ亀頭がひっかかったら?勿論腰にぷるんと衝撃を受け止めた果実が、またぐいーっ僕の腰を彼女の奥へと押し付けるのだ。そう!それはまさに腰の打ち付けピストン運動快楽バンジー無限ループ!!
「ふぁっ!!しゅごいのおおおおおお!!」
「んんぁっ!んんんんんんんんんふぁぅんんんんん!!」
続く、彼女か僕が果てるまで終わらない果実の戯れに山奥に二人の嬌声が響き渡る。背筋をそり上げ、僕のそれを受け止めることに喘ぐめしべと、彼女に差し出すのに必死なおしべの嬌声が。
「あああああああんしゅきいいいいいいい!」
「しゅっ!しゅきいぃぅんあああ!!」
皮膚がくっつき離れあう、ぷるんぷるんと動く果実の中で僕は彼女を抱きしめた。彼女も僕を綿で抱きしめる。腰だけは相変わらず艶めかしく動くその淫らな果実の中で、ぎゅうっと上半身だけは触れ合わせた。
「しゅきっ♥んっ♥しゅきっ♥んっ♥」
唇をじゅぱじゅぱと吸えば口からも、ちんこからも彼女を沢山味わえる。このフルコースで僕の何かは既に壊れていた。
「ひゃぅぅぅっ♥んはぁっ!気にいっ!てっ♥んぁぁぁっ!うれひぃぃぃ♥」
お口でお互いを舌で求めあう。とろーりとろりといつまでもぷよんぷよんと僕と彼女の果実に任せた堕落の戯は僕の頭も、彼女の頭もどろどろに好き好き好き好き好き好き好き好き大好きとお互いの果実にならんとしか考えられなくなる魔の遊戯。
ぱっつんぱつんといつまでも繰り返されると堰はいつか切れるもの。ついにクライマックスのそれが僕の尿道を駆け上がった。
「あっ♥ああああっ♥でりゅううううっ♥うけろめれえええええええ♥♥」
「だしてええええええ♥♥らくさん♥らしれええええええええ♥♥」
下半身で何百、何千回と受粉を行う僕の果実の先がついに彼女の奥で白濁の果汁を爆発的に噴出する。身体に駆け巡るのは雲の頂を突きぬける最頂点の悦楽。それに耐え切れない僕らは身体を大きくのけぞらせれば、上下反対の山の景色が虚ろに見えた。
「あううううううっ!イきゅうううううううううっ!!」
「あぅううぅぅぅぅっ!!」
ぶしゃああああああと肢体の果実にまで僕の果汁がまざった。最高点に達した饗宴の跡、身体と意識はふわりと甘い果実の中に堕ちていった。
「……しゅき」
「えへへ……」

――と、このように僕と彼女は結ばれた。

「んぅ……」
「んっ……」
ぺろり、ぺろりと舐める音が果実の上から響き渡る。喉に通るモノといえば彼女の甘い蜜。それを三日一心不乱に舐めているものだから僕も狂っている。いや、この濃密な山の奥でこの女体を舐め続けられるのは僕しかいないだろう。
「ひゃうぅぅ、腋はらめぇ♥」
「えへへ、美味しいの、美味しいの……」
口の中は濃厚に熟成された甘い香りが美味しく、腋の裏は滲んだ果汁がむんむんと濃縮で甘く、小さな乳首は彼女のエキスが濃縮された禁断のおしゃぶりであり、お腹はぬるっと皿に盛りつけられた蜂蜜を一気になめるがごとし豪快な果実。
つまり、彼女全身全体が僕を虜にする甘い甘い果実なのである。舐められるたびに見せる緋捕食者のヤられる顔と捕食者のヤる顔が合わさった願望成就の顔も美しい。
「あぁ可愛い、可愛い……ずるるるる……」
「ずっと独りぼっちだったから……こんなに私の身体気に入ってくれてうれしいのぉ……♥」
このまま舐め続けるのも勿論良いし、彼女と突き合うのも最高に美味しい果実の愉しみである。しかし、僕にはとても舐めたくて仕方がないところがまだあるのだ。
「ねぇ……?」
僕は下のゼリーを覗き込んだ。相変わらず萎えを知らない僕のイチモツと綺麗な彼女の魅惑の肢体が橙色のフィルターがかかって見える。そのゼリーをぷにっとつつけば人差し指にはぷるんと跳ね返る果実の牢獄を改めて知る。
「なぁに?」
脱獄なんてとんでもない。微笑む彼女の中でずっと囚われていたいのが本望である。だから、この牢獄の奥へと進みたかった。
「このね、果実の下……どんな味が、しちゃうのかな……?」
「この中……味わいたいの……?貪欲な人……♥」
もこ、もこと彼女の手が僕の頭を撫でてくる。綿にかかれば僕のお顔もイチコロでふにゃあっと蕩ける副交感神経に暴力的な刺激を与える快楽兵器の一つである。
「えへ……♥」
歳も幼げな彼女に甘える僕も相当なダメ男である。でも彼女は不満一つ垂らさず僕をぎゅうっと抱きしめ、蕩ける果実に僕の身体も蕩ける。
「勿論、たーっくさん、食べて?」
果実の拘束がどろっと蕩け、僕の上半身、顔も果実の下へと潜り込まされた。ぬるんと今まで散々やみつきになっていた下半身で味わっていた感触が上半身に伝わり、甘い匂い、汁、味、全てが身体へと染み込んでいくのをとびっきりの甘い空間で味わう。視界は橙色に埋まり、これが彼女の中かぁ、と思うと自然に口はにへりと嬉しさでいっぱいになる。そして目の前には小さな褐色の肢体とつるっつるのまんこがある。まるで女湯に潜ったような背徳感はあった。が、それよりも好奇心の方が遥かに上であった。どろり、どろりと彼女をかきわけ、むにりと肉がほどよくついたむちむちの贅沢な太腿をじゅるりと舐めた。
「ひゃぁんっ♥」
ゼリーの上から喘ぐ声。その声の伝導さえ耳に心地良い。その声をもっと聞かんと太腿から膝の裏、かかと、足の裏へと僕の顔は舐めながら進む。その味は秘宝とでもいうべきほどに贅沢な甘味で、彼女のモノになるしか味わえない、ぐっしょりどろどろの甘味の暴力が身体全体を襲う。口の中にぶわりぶわりと甘味がひっきりなしに飛び込んでくれば息も荒くたえたえとなる。
「ひやあああっ♥かかとぉ♥くすぐったいのぉっさらにあふれひゃうううううっ♥」
そして僕は果汁の中で両足を掴んだ。目の前に広がるそれは今まで股間のフォークでついていたモノ……それを口のフォークで味わうならどんな味が襲い掛かってくるのだろうか。ぺろりと舐めるのに躊躇はしなかった。
「ひゃうううううううううっ♥」
淫靡な濃厚な嬌声が耳に、じゅわあと彼女の液が口に飛び込んでくる。無毛のソレは舐めるには艶やかで、心地の良い舌触り。割れ目の部分は流石に甘味がどこよりも増していてそこを口で舐めているのはもったいないような気もしなくないほどに甘美で贅沢な女の蜜の味。
「おみゃんこぉぉぉっ!おみゃんこなめられてりゅううっ♥」
その時、僕の両足も掴まれた。そしてぷるんっと果実は牢獄に変貌したのだ。果実の中でそれを舐めるしかできない僕に彼女の声が果実から聞こえる。
「えへへ……私もこの太く大きな果実、舐めてもいいよね?」
この弾力は間違いなく、動いたら延々と往復運動をしてしまうあの弾力だ。となるとこれから来るものは間違いなく彼女の口による延々なフェラチオである。僕はクンニをしながら、これから起こる悦楽の嵐に蜜を飲んだ。
17/01/22 02:40更新 / しおうめ

■作者メッセージ
初めまして。塩梅と書いてしおうめです。よろしくおねがいします!

バロメッツちゃんのぷにぷに果実に埋もれたい。埋もれて暮らしたい。

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