読切小説
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スパム
魔界国家レスカティエ。
かつて教団勢力の中でも指折りの戦力を有していたレスカティエ教国はリリム・デルエラの手により魔界へと変貌した。禁欲的で秩序だった教国はいまや欲望と快楽に満ち満ちている。
そんなレスカティエの一角ブロムリー区のミジェット家が今回の物語の舞台である。

この家の主グレアムはふと物音に気づき、まどろみから覚醒した。寝室のダブルベッドには彼しかいない。しばらくして彼は物音のする所に愛する妻がいると結論付け、ダイニングルームに向かった。
「おはよう、テリ。」
「おはよう、あなた。今日も素敵よ。」
お目当ての相手を見つけグレアムは挨拶をした。彼の妻、サキュバスのテリも挨拶を返した。
「今日の朝食はなんだい?」
「卵とスパム、卵にベーコンとスパム、卵にベーコン・ソーセージ・スパム、スパム・ベーコン・ソーセージ・スパム、スパム・卵・スパム・スパム・ベーコン・スパム、スパム・スパム・スパム・卵・スパム、スパム・スパム・スパム・スパム・スパム・スパム・豆・スパム・スパム・スパム・スパム。」
「スパムって何?」
「外国の言葉でザーm「よく解った。」。」
「で、なんでそんなにスパムだらけなんだ?」
「私が食べたいからに決まっているじゃない。」
彼は呻きながら尋ねた。
「スパム無しはあるのか。」
「なら、スパム・卵・ソーセージ・スパムが少なめね。」
「よし、卵・ベーコン・スパム・ソーセージのスパム抜きで。」
「ええぇ〜」
「自分の精液がかかった料理なんか食えるかっ!」
「卵・ベーコン・スパム・ソーセージのスパム抜きは無いわ。卵・ベーコン・スパム・ソーセージでいいじゃない。」
「絶対に食わないっ!」
「あなた、落ち着いて。私が食べてあげる。大好物なの。さぁ、スパム・スパム・スパム・スパム、今なら私のお豆も付くわよ。」
「豆はもらうが、他はいらない。」
「じゃあ、スパム・スパム・スパム・スパム・スパム・スパムね。」
「もう、それでいいよ。」
グレアムが諦めの境地に達すると、どこからともなく禍々しくも美しい白い翼と尾を持った淫魔が乱入してきた。
「おいしそうなお話ね。私もお腹にスパムをた〜っぷりと詰められたいわぁ。」
「はいはい、お城に帰りましょう。」
もっとも、すぐに水色の髪の淫魔に回収されてしまったが。
「あん、変なとこ掴まないで。乳首立っちゃった。」

ミジェット家ではよくある光景である。彼らの朝はいつも同じである。ベッドを出て廊下を渡り、ダイニングルームで朝食。スパム朝食のため特製スパムをスパム用意して、スパム・スパム・スパム・スパム・スパム…。

おしまい
14/09/14 01:56更新 / 重航空巡洋艦

■作者メッセージ
皆様、はじめまして。
重航空巡洋艦です。

今回の作品は空飛ぶモンティ・パイソンのスパムがもとになっていますスパム。
スパム拙い作品ではスパムありますが、皆様のスパム息抜きにスパムなりましたら幸いスパムですスパム。

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