不思議の国の卵
不思議の国。
ある人は言う。「貴重な魔物の集う固有種の楽園である」と。
またある人は言う。「行く人の帰らぬ魔境である」と。
「誰もが足を踏み入れる場所では無い」それだけが、確かに知られている事であった。
---------------------------今日も１人、この異界に招かれる者が現れた。
青年は今にも泣き出しそうだった。自分が不思議の国に入り込んでしまったと理解してから２度、夜空を仰いでいる。数十時間、ほぼ飲まず食わずの体は限界が近く、その上疲労が足取りを重くしていた。
・・・食べるものが見つからないわけではなかった。木陰にたたずむ無人のテーブルとその上の紅茶。道端に撒き散らされたクッキー。ハート型の艶やかな果実。なりふり構わなければ、青年は今すぐにでも飢えと渇きを癒せただろう。青年は知っていた。不思議の国の食べ物は、人を堕落させる媚毒の塊であると。
世界に魔物娘が溢れて幾星霜、魔界の知識もある程度は普及している。今や、神隠しに合うのは幼子にあらず、若い男性と相場が決まっている。事実、青年もまたそのような話題に接しながら育ってきた。しかし、我が身の事となれば、呆然とするよりはなかったのだ。馴染みの山道で道に迷い、まさかと思った時にはすでに手遅れ。奇怪な景色に囲まれる自分が居た。
「なんで・・・俺なんだよぅ・・・」
鼻声で独り言ち、目を閉じる青年の脳裏に、ここに来て早々に目撃した光景が蘇る。
----------人目も憚らずにまぐわう人間の男と兎の魔物。ぶつかる肉の音。聞くものに羞恥を与える喘ぎ声。獣欲を剥き出しにした男の顔。蕩けた魔物の瞳。------------------
ケダモノの交尾、と言うべき情景は、２０に満たない青年には興奮よりも恐怖をもたらすものだった。
「俺も・・・あんなんになっちまうのか・・・？」
疲れで火照った体に一抹の怖気が走る。どうにか、元の世界に帰らなければ。
やがて、青年の歩みは止まる。
---少しだけ、休もう。そしたらまた、帰り道を探そう。---
まばらに低木の生える開けた草場に投げ出された青年の体はしかし、思いとは裏腹にひたすらに重かった。刹那のうちに、まどろみが訪れた。そして、それが青年の隙となった。
グシャリ。
木の上から何かが落ちる。湿った音を立てて潰れたそれは、卵のようなものだった。ところが、ほどなく動き出したそれは人の形を持っていた。
「ハンプティ・エッグ」。孵化する前に別種の魔物と化したジャブジャブの卵である。青年の背後で、新たな魔物娘が誕生したのであった。
生まれたての魔物は濃橙色のスライム少女だった。少女は半壊した殻と無色半透明の白身を纏い、音もなく青年に近づいていく。傍らににじり寄った少女は青年を一嗅ぎすると、目元を緩めた。やおら、白身が持ち上がった。
「！？・・・・ひっ・・ゃ」
なにかがのしかかる重みで青年は目覚める。見れば、全身にぶよぶよとしたゲルがへばりつき、腹に頬擦りをする少女が居る。それは、いつか書物で見た「スライム」によく似ていた。
「うっ・・わあああああああああああああ！」
青年は暴れる。少女を突き飛ばし、体の白身を剥ぎ取ろうともがいた。だが、その抵抗は直に終わる。
ぷぅ、と少女が頬を膨らますと、途端、白身が固まったのだ。相変わらずぶよぶよと、しかし光を透かさなくなった白身は青年の四肢を容易く拘束してしまった。
「あ〰、う、ぅあ〰♡」
地面に張り付けられた青年に再び少女がすり寄る。すると、小さな手で衣服を脱がし始めた。
あっという間に、青年は全裸に剥かれていく。恐怖と、羞恥に顔をゆがめる青年を尻目に、少女は喜々として体を絡め付けた。太腿で股間をまさぐり、首元をちろり、と舐めた。数分前にこの世に生を受けたはずの少女が、娼婦のように露骨に誘惑を仕掛けていた。
しかし。青年の体は反応できなかった。あまりの疲労と混乱は、異性の媚態に喜ぶ力さえも青年から奪っていたのだ。少女はしばらくして体を起こし、小首を傾げた。その表情はどこか悲し気なものに見えた。その手が青年の腹を撫でたときだった。
ぐううぅぅ〰〰きゅるきゅぅぅ〰
胃腸が唸った。こんな時でも、空腹は容赦なく身を苛んでいた。すると、少女は顔を輝かせ青年の胸元に飛び込む。上から顔を見下ろすと、両手で青年の頭を固定し、ぎゅっと青年に口づけた。
「ぅおんっっ」
声を上げる間もなく唇をふさがれた青年は固く口を噤む。しかし、形状自在のスライム少女はわずかな隙間を力づくでこじあけ、口腔を犯した。
ぐ・・・じゅっぽ・・・
同時に、口内にとろりとしたものが注ぎ込まれる。ほのかに甘く、流動的な物質は半ば意思を持つように、喉へと迫っていった。その勢いに、青年は思わず嚥下してしまった。
その瞬間である。全身に血が巡り、眠気も疲労も跡形なく拭われて行く様を青年は感じた。
頭も、手足も、力が漲る様だった。そして、何よりも。
「きゃはっ♡」
股間を見た少女が歓喜の声を上げる。青年の一物は下腹に張り付かんばかりに屹立していた。きゅぅきゅぅと、脈動のたびに痛みさえ感じられるようだった。開いた股座に少女は座り込み、上体を屈めて一物を持ち上げた。生ぬるく弾力のある掌にゆるゆると握られると、すぐに鈴口から先走りの汁が零れだした。
「うぅ、んっ、ふー、ふーっ」
自身の手のざらざらした感触とは似つかない、滑らかで引っ掛かりのないスライムの柔肌に青年の息は荒くなる。野外で全裸になり、大の字になって勃起している自分に情けなささえ感じられてはいたが、甘い股間の痺れに抗い続けることは最早できそうにも無かった。
突き飛ばされた仕返しなのだろうか。少女の手淫は執拗だった。次第に握力は強まり、片手で玉袋を揉みしだきつつ一物の全長をこすりあげる。しかしあくまで緩やかに、決して早まることなく性器を弄るのだ。生まれる前から盛りのついた魔物の手管に、青年は腰を震わせながら白濁しつつある先走りを垂れ流し続けた。
少女の湿り気と自身の体液とで青年の下腹部がべちゃべちゃになった頃、手が止まった。恐る恐る少女を覗く青年が見たのは、大口を開けた少女に男根が銜え込まれる瞬間だった。
「・・・・・・・・・・ん・・・・・・ん・・・・・・・・・」
その口蓋に青年の一物は大きすぎたと見えて、それきり声を上げなくなった少女。
「あ、はぁ、あ、うぅうう・・・」
一方で青年は口を閉じることもできなくなっていた。
ぐじゅっ
「ひっ！？」
少女の頭が前後した。粘液に満ち、凹凸のある口内が掌よりも尖った快感で青年を焼く。
ぐじゅっぐじゅっぐじゅっぐじゅっぐじゅっぐじゅじゅっ・・・・・・
ひどく単調な動きだった。リズムを刻むように、同じ動作をくりかえし、口内に一物を暴れさせた。それは間違いなく、青年を射精させるためのものだった。
「あ、あ、あ、あ、ああああ、あ、ああっ！！！」
じゅ・・じゅるっ・・じゅるるる・じゅうううぅぅぅ〰〰〰〰・・・ごくっ。
青年が精液をぶちまけると同時に少女は思い切り一物をすすりあげる。淫らな音と共に精液が吸いだされる。少女は一旦喉元に精液を溜め込み、まとめて喉を鳴らして飲み下した。
放心状態の青年を少女が見下ろす。ぼんやりと卵色の少女を見上げていた青年は腰元の重さに我に返った。少女は腰を持ち上げて、その真ん中をそそり立つ青年の一物にあてがっていた。これから何が起こるのか、考えるまでもなかった。
「いや、待って、俺・・・そんな、待
ぐぽっ。
少女は、躊躇いなく腰を打ち付けた。
背徳的な光景が広がる。年の差が明らかな男女が交わっている。青年の肉棒が少女を貫き、半透明の体から膣内に収まるそれが透けて見えた。
少女はだらりと蕩け切った顔をしていた。しばらく身震いしつつ感触を楽しむかのようでもあった。やがて両手を青年の胸元につくと、勢いよく跳ね上がり始めた。
暴力的な快感の嵐が青年を襲う。射精直後の敏感極まる一物がとろける膣に締め付けられて、隈なくしごかれる。亀頭が子宮口に打ち据えられるたび、一瞬意識が焼き切れる。
これまで青年を拘束するばかりだった白身が蠢く。青年の腰回りをすっぽり包むと、激しく振動し始めた。強引に腰を振らされる青年。耐えることさえ許されず、無理矢理に快感を脳髄に刻まれた。
ぐじゅっじゅぱんっじゅぼっぐちゃっぱんっじゅっぷぐっちゃぐっちゃじゅぷ
まさに、青年が先に見た交尾の音だった。肉と肉の打ち付け合い。少女は全身を使って青年とまぐわっていた。やがて両者の全身がガクガクと震え、絶頂の時を知らせた。
「がっ・・あぐっ・はっ、あっ・うぐぅううううっ、がああああっ！！！！」
「あぅ♡あ、ぅや♡♡ひゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ♡♡♡♡♡」
青年は吠える。凄まじい絶頂だった。水鉄砲のような勢いの精液が断続的に噴出し、音もなく少女の胎を満たしてゆく。途切れないオーガズムに曝され、青年は絶叫した。少女は頭を青年に埋め、精液を搾り取っていった。
たっぷり数十秒も続いた射精が終わると、そこにはべたべたの男女が繋がったまま放心状態で倒れていた。２人の周りを白身が取り囲み、ゆりかごのように殻を作っていた。
数日後。まったく同じ場所で、人目も憚らずまぐわう男女があった。
男の目は獣欲に燃え、四つん這いにした少女の後ろから腰を打ち付けていた。
「あんっ♡、それっいいっ♡もっと、もっと♡♡」
少女はだらしなく緩んだ顔で男の突き上げをねだっていた。共に、快感を貪り続けていた。
数日前の青年に今の己を見せられたならば、こう言っただろう。
「あれは、ケダモノだ」と。
不思議の国。
それは固有種の楽園にして行く人の帰らぬ魔境。
そこではだれもがケダモノとなり、卵は生まれる前からオスを求める。
次に訪れるのは、誰だろうか。
ある人は言う。「貴重な魔物の集う固有種の楽園である」と。
またある人は言う。「行く人の帰らぬ魔境である」と。
「誰もが足を踏み入れる場所では無い」それだけが、確かに知られている事であった。
---------------------------今日も１人、この異界に招かれる者が現れた。
青年は今にも泣き出しそうだった。自分が不思議の国に入り込んでしまったと理解してから２度、夜空を仰いでいる。数十時間、ほぼ飲まず食わずの体は限界が近く、その上疲労が足取りを重くしていた。
・・・食べるものが見つからないわけではなかった。木陰にたたずむ無人のテーブルとその上の紅茶。道端に撒き散らされたクッキー。ハート型の艶やかな果実。なりふり構わなければ、青年は今すぐにでも飢えと渇きを癒せただろう。青年は知っていた。不思議の国の食べ物は、人を堕落させる媚毒の塊であると。
世界に魔物娘が溢れて幾星霜、魔界の知識もある程度は普及している。今や、神隠しに合うのは幼子にあらず、若い男性と相場が決まっている。事実、青年もまたそのような話題に接しながら育ってきた。しかし、我が身の事となれば、呆然とするよりはなかったのだ。馴染みの山道で道に迷い、まさかと思った時にはすでに手遅れ。奇怪な景色に囲まれる自分が居た。
「なんで・・・俺なんだよぅ・・・」
鼻声で独り言ち、目を閉じる青年の脳裏に、ここに来て早々に目撃した光景が蘇る。
----------人目も憚らずにまぐわう人間の男と兎の魔物。ぶつかる肉の音。聞くものに羞恥を与える喘ぎ声。獣欲を剥き出しにした男の顔。蕩けた魔物の瞳。------------------
ケダモノの交尾、と言うべき情景は、２０に満たない青年には興奮よりも恐怖をもたらすものだった。
「俺も・・・あんなんになっちまうのか・・・？」
疲れで火照った体に一抹の怖気が走る。どうにか、元の世界に帰らなければ。
やがて、青年の歩みは止まる。
---少しだけ、休もう。そしたらまた、帰り道を探そう。---
まばらに低木の生える開けた草場に投げ出された青年の体はしかし、思いとは裏腹にひたすらに重かった。刹那のうちに、まどろみが訪れた。そして、それが青年の隙となった。
グシャリ。
木の上から何かが落ちる。湿った音を立てて潰れたそれは、卵のようなものだった。ところが、ほどなく動き出したそれは人の形を持っていた。
「ハンプティ・エッグ」。孵化する前に別種の魔物と化したジャブジャブの卵である。青年の背後で、新たな魔物娘が誕生したのであった。
生まれたての魔物は濃橙色のスライム少女だった。少女は半壊した殻と無色半透明の白身を纏い、音もなく青年に近づいていく。傍らににじり寄った少女は青年を一嗅ぎすると、目元を緩めた。やおら、白身が持ち上がった。
「！？・・・・ひっ・・ゃ」
なにかがのしかかる重みで青年は目覚める。見れば、全身にぶよぶよとしたゲルがへばりつき、腹に頬擦りをする少女が居る。それは、いつか書物で見た「スライム」によく似ていた。
「うっ・・わあああああああああああああ！」
青年は暴れる。少女を突き飛ばし、体の白身を剥ぎ取ろうともがいた。だが、その抵抗は直に終わる。
ぷぅ、と少女が頬を膨らますと、途端、白身が固まったのだ。相変わらずぶよぶよと、しかし光を透かさなくなった白身は青年の四肢を容易く拘束してしまった。
「あ〰、う、ぅあ〰♡」
地面に張り付けられた青年に再び少女がすり寄る。すると、小さな手で衣服を脱がし始めた。
あっという間に、青年は全裸に剥かれていく。恐怖と、羞恥に顔をゆがめる青年を尻目に、少女は喜々として体を絡め付けた。太腿で股間をまさぐり、首元をちろり、と舐めた。数分前にこの世に生を受けたはずの少女が、娼婦のように露骨に誘惑を仕掛けていた。
しかし。青年の体は反応できなかった。あまりの疲労と混乱は、異性の媚態に喜ぶ力さえも青年から奪っていたのだ。少女はしばらくして体を起こし、小首を傾げた。その表情はどこか悲し気なものに見えた。その手が青年の腹を撫でたときだった。
ぐううぅぅ〰〰きゅるきゅぅぅ〰
胃腸が唸った。こんな時でも、空腹は容赦なく身を苛んでいた。すると、少女は顔を輝かせ青年の胸元に飛び込む。上から顔を見下ろすと、両手で青年の頭を固定し、ぎゅっと青年に口づけた。
「ぅおんっっ」
声を上げる間もなく唇をふさがれた青年は固く口を噤む。しかし、形状自在のスライム少女はわずかな隙間を力づくでこじあけ、口腔を犯した。
ぐ・・・じゅっぽ・・・
同時に、口内にとろりとしたものが注ぎ込まれる。ほのかに甘く、流動的な物質は半ば意思を持つように、喉へと迫っていった。その勢いに、青年は思わず嚥下してしまった。
その瞬間である。全身に血が巡り、眠気も疲労も跡形なく拭われて行く様を青年は感じた。
頭も、手足も、力が漲る様だった。そして、何よりも。
「きゃはっ♡」
股間を見た少女が歓喜の声を上げる。青年の一物は下腹に張り付かんばかりに屹立していた。きゅぅきゅぅと、脈動のたびに痛みさえ感じられるようだった。開いた股座に少女は座り込み、上体を屈めて一物を持ち上げた。生ぬるく弾力のある掌にゆるゆると握られると、すぐに鈴口から先走りの汁が零れだした。
「うぅ、んっ、ふー、ふーっ」
自身の手のざらざらした感触とは似つかない、滑らかで引っ掛かりのないスライムの柔肌に青年の息は荒くなる。野外で全裸になり、大の字になって勃起している自分に情けなささえ感じられてはいたが、甘い股間の痺れに抗い続けることは最早できそうにも無かった。
突き飛ばされた仕返しなのだろうか。少女の手淫は執拗だった。次第に握力は強まり、片手で玉袋を揉みしだきつつ一物の全長をこすりあげる。しかしあくまで緩やかに、決して早まることなく性器を弄るのだ。生まれる前から盛りのついた魔物の手管に、青年は腰を震わせながら白濁しつつある先走りを垂れ流し続けた。
少女の湿り気と自身の体液とで青年の下腹部がべちゃべちゃになった頃、手が止まった。恐る恐る少女を覗く青年が見たのは、大口を開けた少女に男根が銜え込まれる瞬間だった。
「・・・・・・・・・・ん・・・・・・ん・・・・・・・・・」
その口蓋に青年の一物は大きすぎたと見えて、それきり声を上げなくなった少女。
「あ、はぁ、あ、うぅうう・・・」
一方で青年は口を閉じることもできなくなっていた。
ぐじゅっ
「ひっ！？」
少女の頭が前後した。粘液に満ち、凹凸のある口内が掌よりも尖った快感で青年を焼く。
ぐじゅっぐじゅっぐじゅっぐじゅっぐじゅっぐじゅじゅっ・・・・・・
ひどく単調な動きだった。リズムを刻むように、同じ動作をくりかえし、口内に一物を暴れさせた。それは間違いなく、青年を射精させるためのものだった。
「あ、あ、あ、あ、ああああ、あ、ああっ！！！」
じゅ・・じゅるっ・・じゅるるる・じゅうううぅぅぅ〰〰〰〰・・・ごくっ。
青年が精液をぶちまけると同時に少女は思い切り一物をすすりあげる。淫らな音と共に精液が吸いだされる。少女は一旦喉元に精液を溜め込み、まとめて喉を鳴らして飲み下した。
放心状態の青年を少女が見下ろす。ぼんやりと卵色の少女を見上げていた青年は腰元の重さに我に返った。少女は腰を持ち上げて、その真ん中をそそり立つ青年の一物にあてがっていた。これから何が起こるのか、考えるまでもなかった。
「いや、待って、俺・・・そんな、待
ぐぽっ。
少女は、躊躇いなく腰を打ち付けた。
背徳的な光景が広がる。年の差が明らかな男女が交わっている。青年の肉棒が少女を貫き、半透明の体から膣内に収まるそれが透けて見えた。
少女はだらりと蕩け切った顔をしていた。しばらく身震いしつつ感触を楽しむかのようでもあった。やがて両手を青年の胸元につくと、勢いよく跳ね上がり始めた。
暴力的な快感の嵐が青年を襲う。射精直後の敏感極まる一物がとろける膣に締め付けられて、隈なくしごかれる。亀頭が子宮口に打ち据えられるたび、一瞬意識が焼き切れる。
これまで青年を拘束するばかりだった白身が蠢く。青年の腰回りをすっぽり包むと、激しく振動し始めた。強引に腰を振らされる青年。耐えることさえ許されず、無理矢理に快感を脳髄に刻まれた。
ぐじゅっじゅぱんっじゅぼっぐちゃっぱんっじゅっぷぐっちゃぐっちゃじゅぷ
まさに、青年が先に見た交尾の音だった。肉と肉の打ち付け合い。少女は全身を使って青年とまぐわっていた。やがて両者の全身がガクガクと震え、絶頂の時を知らせた。
「がっ・・あぐっ・はっ、あっ・うぐぅううううっ、がああああっ！！！！」
「あぅ♡あ、ぅや♡♡ひゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ♡♡♡♡♡」
青年は吠える。凄まじい絶頂だった。水鉄砲のような勢いの精液が断続的に噴出し、音もなく少女の胎を満たしてゆく。途切れないオーガズムに曝され、青年は絶叫した。少女は頭を青年に埋め、精液を搾り取っていった。
たっぷり数十秒も続いた射精が終わると、そこにはべたべたの男女が繋がったまま放心状態で倒れていた。２人の周りを白身が取り囲み、ゆりかごのように殻を作っていた。
数日後。まったく同じ場所で、人目も憚らずまぐわう男女があった。
男の目は獣欲に燃え、四つん這いにした少女の後ろから腰を打ち付けていた。
「あんっ♡、それっいいっ♡もっと、もっと♡♡」
少女はだらしなく緩んだ顔で男の突き上げをねだっていた。共に、快感を貪り続けていた。
数日前の青年に今の己を見せられたならば、こう言っただろう。
「あれは、ケダモノだ」と。
不思議の国。
それは固有種の楽園にして行く人の帰らぬ魔境。
そこではだれもがケダモノとなり、卵は生まれる前からオスを求める。
次に訪れるのは、誰だろうか。
15/09/29 20:05更新 / ラッカシャ