這いつくばる堕落者
日に照らされた街を、夫婦が散歩をしていた。辺りは談笑する人々が行きかい、夫婦も彼ら同様に談笑している。これだけなら、平凡で平和な光景と言えるかもしれない。
だが彼らの姿は、平凡とはかけ離れている光景だった。まずは妻の容姿だ。顔を初めとする肌の色は、人間ではありえない青い肌だ。背には黒い翼が生えている。彼女は、赤色で縁取られた黒い鎧をまとっている。
次に、妻のやっている事が平凡とはかけ離れていた。妻は犬のように這いつくばり、手を前足の様に動かして歩いている。首には黒い首輪をはめ、それは夫の手に握られている鎖と繋がっている。
さらに、周りの人々の反応も普通では無い。異常な事をしている夫婦を気に留めている者は、ほとんどいない。時折、夫婦に向かって微笑みを浮かべながら挨拶をするくらいだ。
妻は、這いつくばりながら夫の足に体を摺り寄せた。妖艶な顔に欲情を浮かべて見上げてくる。夫は、銀色の髪に覆われた妻の頭を撫でてやる。彼女は、陶然とした表情で愛撫に身を任せていた。
フェルナンドとジークルーネは、堕落神の信者が暮らす隠里に住んでいた。普通の堕落神の信者は、堕落神のいる万魔殿で暮らしている。だがこの街の者達は、世界に堕落神の教えを広める為に活動していた。フェルナンドとジークルーネも、布教のためにこの街にいる。
もっともこの街の人々は、布教活動よりは交わり合う事の方が多い。フェルナンドとジークルーネの夫婦も、性の快楽に浸る日々を過ごしている。例えば、人前で交わり、犬の様に四つん這いになって街を散歩する。
フェルナンドは人間であり、元は騎士だった。ジークルーネは、天界の戦士ヴァルキリーであり、フェルナンドを導いていた。現在は、二人とも堕落している。
「ねえ、あなた。そろそろはじめましょうよ」
ジークルーネは、這いつくばりながらフェルナンドの足に体を摺り寄せて懇願する。
「だったら、俺に奉仕しろよ」
フェルナンドは、ジークルーネの頬を愛撫しながら命じる。
「もう、こんな所で恥ずかしいわ」
ジークルーネは、上気した顔で見上げながら身をよじった。フェルナンドは手に持った鎖を引き、首輪を軽く引っ張る。
「今更恥ずかしがることは無いだろ。さあ、手を使わずに奉仕するんだ」
フェルナンドは、鎖を引きながら命じる。
ジークルーネは、笑いながら体を伸ばし、フェルナンドの股間に頬ずりをした。たちまちフェルナンドの股間は、固く盛り上がり始める。ジークルーネは、フェルナンドのズボンのひもを口でほどく。そのままズボンを口でくわえて引き下げる。下穿きも口で引き下ろす。
怒張したペニスがさらけ出され、ジークルーネは歓喜の声を上げた。そして、いたずらっぽい表情でペニスに繰り返し口付ける。先端に、くびれに、竿に唇を押し付ける。ついばむように口付けたかと思うと、ねっとりと押し付けるように口付ける。
フェルナンドは、ペニスを素早く動かした。ジークルーネの唇は、ペニスをかすっただけだ。フェルナンドが動かし続けるペニスを、ジークルーネの唇は追い続ける。だが、ペニスの動きが速すぎて、唇はかすめるばかりだ。
「もう、動かないでよ」
ジークルーネは、ペニスに顔を押し付けて抑え込む。そのまま愛おしげに頬ずりをする。ジークルーネは、頬だけでなく鼻もペニスに押し付ける。鼻を鳴らしながらペニスの臭いを嗅ぎ、舌を出して喘ぎ声を上げる。
「まるで雌犬だな」
フェルナンドは、歓喜の声を上げながらペニスでジークルーネの顔を嬲った。彫りの深い美貌が、赤黒い肉棒によって蹂躙される。興奮のあまり、フェルナンドは先走り汁を先端から溢れさせ、ジークルーネの顔に塗りたくる。かつての気高さが残る麗貌は、男の欲望の液で汚されていく。
日中の街中の通りで繰り広げられる痴態に、通りを歩く人々は驚かない。この街では普通の事なのだ。フェルナンドとジークルーネに影響され、性の交わりを始める者達もいた。堕落したシスターであるダークプリーストは、夫のペニスをしゃぶり始める。堕落した天界の住人であるダークエンジェルは、夫にヴァギナを舐めさせている。
ジークルーネは、胸を覆う鎧を外し、服をずらして胸を露わにした。フェルナンドは、鎧姿のダークヴァルキリーを犬のように這わせる事を好み、ジークルーネに鎧を着せたのだ。鎧姿の女が胸をはだけさせる姿は、独特の卑猥さがある。
ジークルーネは、豊かで張りのある胸の谷間にペニスを挟み込んだ。ペニスを捕えながら上下に動かして愛撫する。胸の谷間から、赤黒いペニスの先端が顔をのぞかせる。ジークルーネは、ペニスに何度も口付け、舌で撫でまわす。ジークルーネの胸の谷間は、先走り汁と唾液が混ざり合って滑る。
「そろそろ出る。飲んでくれ」
フェルナンドが呻きながら言うと、ジークルーネはペニスを口に含む。胸と舌を激しく動かして射精を促す。
フェルナンドは、ジークルーネの口の中で精を放った。濃厚な欲望の液が激しくぶちまけられる。ジークルーネの頬は膨れ上がり、喉は激しく動きながら精液を飲み込んでいる。射精している間も胸を動かして、放出を助けている。
長く激しい射精が終わって、フェルナンドは溜息をつく。ジークルーネは、口の中の精液を飲み下していく。飲み終わると、ペニスの中に残っている精を激しい音を立てて吸い上げる。フェルナンドは、背を震わせながら呻く。
「今度は俺のケツの穴を舐めろ。俺のチンポをまた大きくするんだ」
フェルナンドは、荒い息をつきながら命じた。ジークルーネは、微笑みを浮かべながらフェルナンドの後ろに回る。鎧の籠手を外して、形の良い手を露わにする。尻に口付けをしながら、手で尻を広げていく。尻の穴をむき出しにすると、笑みを浮かべながら尻の穴に口付けた。
ジークルーネは、くり返し尻の穴に口付けた。さらに舌を這わせて皺を丁寧になめ解す。ほぐれた尻の穴に舌を潜り込ませて、中を舐め回す。右手で竿を愛撫しながら、左手で陰嚢をくすぐる。
「こんな事は、恥知らずな娼婦でもやらないぞ。お前は雌犬以下だ」
フェルナンドは、加虐心を露わにして言い放つ。ジークルーネは、舌をさらに尻の穴に潜り込ませる事で応える。尻の奥のコリコリした部分を、舌で繰り返し愛撫する。
「もういいぞ、このままではまた出てしまう。這いつくばったまま尻を俺に向けろ」
ジークルーネは、尻の穴に音を立てて口付けた。そしてゆっくりと尻の穴から舌を抜いていく。ジークルーネは、フェルナンドの前に四つん這いで回る。腰を覆う鎧をぬぎ、服をずらす。ジークルーネの張りのある尻が露わとなった。その尻を揺すり動かしてフェルナンドを誘う。
フェルナンドは、ジークルーネの尻を掴み、むき出しになっているヴァギナにペニスを当てた。ヴァギナはすでに濡れそぼり、蠢きながらペニスを飲み込もうとしている。フェルナンドは、熱い泉の中にペニスを押し入れた。たちまち肉と蜜がペニスに纏わり付き、渦を巻いて奥へと引き込む。
フェルナンドは、ジークルーネの汗ばんだ尻を揉みながら、ペニスを奥へと突き込んだ。尻と下腹部が激しくぶつかり、高い音が辺りに響き渡る。ペニスとヴァギナが立てる水音も、規則的に高い音を響かせる。
ジークルーネは、尻と腰を激しく動かしながら喘いでいた。四つん這いの格好で舌を出して喘いでいる。その姿は、雌犬の姿そのものだ。汗ばんだ美貌には髪が張り付き、口から垂れ流すよだれは地面を濡らしている。
フェルナンドは、限界に達して精を中で放つ。同時に、ジークルーネも絶頂を迎えて体を震わせる。ジークルーネの中で、精液と愛液がぶつかり合う。精液は愛液を押し戻し、子宮を蹂躙する。子宮を撃たれる衝撃に、ジークルーネはまなじりを開いて歓喜に震える。
ジークルーネは、フェルナンドの腰から離れた。ヴァギナからは白濁液が溢れ出し、刺激臭を振りまく。ジークルーネは、四つん這いのままフェルナンドの方を向く。白濁液で汚れたペニスに顔を寄せて、液を舐め取っていく。上目づかいに見上げながら微笑む。
「さあ、始まったばかりよ。街の人達にたっぷりと見せ付けてやりましょう」
これが二人にとっての日常だ。二人は、堕落神の僕として退廃的な日々を楽しんでいた。街の人々と、どちらがより堕落しているかを競い合う。そして町の人々から堕落の技を学んで実践していく。
堕落した元騎士は、天から堕ちた戦士と共に全身を汚しながら悦楽に溺れていた。
二人はたっぷりと人前で交わり合った後、家へと向かっていた。ジークルーネは四つん這いで歩いており、フェルナンドに鎖で引かれている。ジークルーネの体中は精液で汚れており、激しい臭いがする。堕戦士ダークヴァルキリーは、男の性欲を強める力を持つ。フェルナンドは、ジークルーネと交わり続けたおかげで、強い性欲を持つようになった。その性欲をぶつけたのだ。
ジークルーネは、フェルナンド以外は近寄れないほど精液臭い。それほど汚れながら、ジークルーネは楽しそうに四つん這いで歩いている。精液で滑り光る顔は、歓喜に輝いている。尻を振りながら、ヴァギナと尻の穴からこぼれる精液を見せ付ける。
自分の欲望で汚したジークルーネを見ながら、フェルナンドは昔の事を思い出していた。
フェルナンドは没落した騎士の息子だ。既に騎士達の活躍した華やかな時代は終わり、フェルナンド一家の実態は、田舎の小地主に過ぎない。フェルナンドは、王や諸侯に仕える事も出来ずに、田舎でさえない日々を送っていた。
長年の魔物や異教徒との戦いは、主神教団、諸侯、そして騎士を没落させた。変わって力を強めたのが王だ。王は法と官僚制を整備し、中央集権を進めた。商人達を保護して経済力を強めた。
現在、力をつけて来ている者達は、王に仕える軍人、官僚、新興の商人達だ。騎士は、時代遅れのものとして相手にされなくなっている。要領の良い騎士ならば、生き残る事は出来る。例えば、フェルナンドの弟は王の軍に入る事が出来た。要領の悪いフェルナンドは、田舎の小地主として生きている。
フェルナンドは、自分の分をわきまえて小地主としての生活を送っていた。だが、次第に耐えられなくなってきた。弟は王の軍に入って活躍し、上司の娘を妻にした。それに対して、さえないフェルナンドに嫁ごうとする者は誰もいない。
フェルナンドにとっての唯一の安らぎは、騎士の物語を読む事だ。かつての騎士の栄光を、脚色しながら描いた物語に夢中になった。
物語を読み続けるうちに、フェルナンドの頭に一つの考えが宿った。狂ったふりをして、騎士物語の主人公を演じてみようと思いついたのだ。
フェルナンドは、時代遅れの仰々しい鎧と剣を入手し、馬に乗って「騎士道修行」の旅に出立した。そして行く先々で騒動を起こした。ごろつきと立ち回りをしたり、評判の悪い商人の家で暴れた。成金の息子を悪党呼ばわりして、結婚式会場に殴り込んで新婦をさらった事もある。囚われの姫を助ける演技をしたわけだ。
フェルナンドの家族は、フェルナンドを狂ったとして役所と主神教団に届けた。家督は弟が次ぐ事とした。彼らは、処理を終えた後にフェルナンドとは無関係を装った。
フェルナンドを連れ戻そうとする家族はいない。付き従う従者もいない。役人達は、狂人、お尋ね者としてフェルナンドを追っている。フェルナンドは、孤独のまま道化騎士を演じ続けた。
このままであれば、フェルナンドの人生は本人にとっては悲劇、他人にとっては喜劇として終わっただろう。だが、天界の戦士ジークルーネの登場で大きく変わる事となった。
ジークルーネと出会った時は、フェルナンドは商人の雇ったごろつきとやり合って負傷していた。ごろつきから何とか逃げる事が出来て、剣で切られた腕に布を巻きつけて呻いている所へ、光り輝く天界の戦士が降臨した。
白い翼を広げて青く輝く鎧をまとった戦士は、フェルナンドを神に選ばれた騎士だと呼んだ。フェルナンドには神の騎士として戦う使命があり、自分はフェルナンドを導くために来たのだと告げた。
フェルナンドは初め、自分はとうとう本当に狂ってしまい、幻覚を見るようになったのかと思った。幻覚でない事を確認すると、天界の戦士と称する女は狂女ではないかと疑う。だが、ジークルーネは自分の力をフェルナンドに見せ付け、自分が天界の戦士であると証明した。
フェルナンドは、自分に神の騎士になる力量が無い事は分かっていた。フェルナンドは、物語の主人公を演じていただけである。現実と物語の区別はついている。
だが、フェルナンドは、ジークルーネに賭ける事にした。どうせ自分の人生はろくなことにはならない。だったら、せいぜい派手に暴れてやろう。そう居直った。
その日から、フェルナンドとジークルーネは共に戦った。二人は、王に保護された商人達を襲撃して金を奪う。その金を貧民達に与えた。義賊まがいの事を始めたのだ。
やがて貧民達は二人を支持するようになり、二人に付き従う者達が大勢出て来た。王の商人保護政策は、王の経済力を高めた。その一方で貧富の差が激しくなり、貧民達は苦しんでいた。貧民達の間では不満が高まっていたのだ。フェルナンドとジークルーネは、付き従う貧民達を組織して反乱勢力へと育て上げた。
反乱勢力の長となった二人は、政治工作を始めた。まずは主神教団へ接触する。自分達は、神の王国を作るために活動している。その為に、天界の戦士であるジークルーネが降臨したのだ。この国を王から奪い、教団に献上するつもりだ。そう主神教団に話す。そして、どっち付かずの態度を取る事を主神教団に頼み込んだ。
主神教団はこの取引に応じた。教団は、自分達が弱体化して王が力をつけている事態を苦々しく思っていたのだ。王は、フェルナンド達を異端者として破門する事を教団に要請していた。それに対して教団は、現在調査中と答えるばかりで異端者の烙印を押さない。
次に、二人は諸侯達に接触した。自分達は、古くて高貴な家柄を尊重している。自分達の敵は、なり上がりの商人達とその後ろにいる王だ。自分達は、諸侯の領土では何もしない。あくまで王の領土で活動するのだ。そう諸侯達に話す。そして、王に協力しない事を頼み込んだ。
諸侯達はこの取引に応じた。諸侯達は、自分達が王に滅ぼされるという危機感を持っていた。王の要請を様々な口実を設けて応じない。それどころか、フェルナンド達に利益供与をしたり、軍事顧問を送る者も現れ始めた。
こうしてフェルナンド達は、国を揺るがす勢力にまで成長した。そして、その事は王を本気にさせたのだ。王は、四万の軍を動員して反乱鎮圧に乗り出した。王は常備軍を整備し、それを支える財力も手にしている。法と官僚制の網は、国を覆わんとしている。反乱が成功する要素は無かったのだ。
フェルナンド達反乱軍も四万いた。だが、いずれもにわか兵士だ。相手は訓練を積んだ軍事の専門家達だ。ジークルーネが有能な指揮官でも、勝てるはずが無かった。ジークルーネは、守りに入って王の軍を迎え撃とうとした。確かに攻める事は難しく、守る事はやり易い。それでも勝てる戦では無かった。
破滅を迎えようとするフェルナンド達を、思わぬ者が救い出した。
フェルナンド達の軍と王の軍は、坂で対峙していた。坂の上にフェルナンド達の軍がおり、坂の下に王の軍がいる。王の軍をなだらかで長い坂を上って来させて疲れさせ、それをフェルナンド達が迎え撃とうというのだ。
もっとも、こんな手を使ってもフェルナンド達が負ける事は分かっている。フェルナンドとジークルーネは、死を覚悟していた。フェルナンドは、望み通りの破滅だと自分に言い聞かせながら震えを抑え込む。
両軍がにらみ合いを続ける中、突如、戦場に紫の光と闇が広がり始めた。紫の光は生き物のように明滅し、闇は意志を持つかのように広がる。紫の光と闇は、渦を巻きながら拡大している。
フェルナンドとジークルーネは、浮足立つ兵達を鎮めようと必死になる。だが、光と闇の渦がフェルナンド達を飲み込もうとすると、もはや兵達の動揺は抑えられなくなった。闇と光の渦の中で、怒号と悲鳴が交差する。
やがて渦の中から声が聞こえなくなった。同時に、渦も消え失せる。フェルナンド達の軍は、戦場から一人残らず消えていた。ただ、誰もいない陣地の跡が残っている。敵の消え失せた戦場を、王の軍が呆然とした顔で見つめていた。
気が付くと、フェルナンド達は万魔殿にいた。堕落神が支配する時が止まった所だ。闇と薄明りが広がる場所だ。フェルナンド達は、堕落神によって救われたのだ。
堕落神とその僕達は、フェルナンド達の活動を観察していた。地上に神の王国を築く事は反対だ。だが、虐げられた者を救う事には協力したい。そう考えた堕落神達は、破滅寸前のフェルナンド達を根こそぎ万魔殿へ連れて来たのだ。
堕落神は、フェルナンド達に保護を約束し、万魔殿で暮らす事を許した。そして堕落した生活を送る事を誘う。フェルナンド達の前に、ダークプリースト、ダークエンジェル、そしてダークヴァルキリーなどの堕落した魔物達が現れて誘惑してきた。
フェルナンドは、堕落神の誘いを喜んで受け入れた。フェルナンドは、人生を諦めており堕落には抵抗は無い。むしろ安逸と快楽の日々に沈みたいと思っていたところだ。
フェルナンドに付き従っていた軍の者も、堕落神の申し出を喜んで受け入れた。彼らは、元々は安定した生活を求めていたのだ。貧しさゆえに暴れていただけだ。安定した生活を手に入れる事が出来て、しかも魔物達と快楽に満ちた生活が出来るのだ。喜んで受け入れる事は、当たり前かもしれない。
ただ、主神を強く信仰する者もおり、その者達は堕落神に従う事をためらった。ジークルーネが堕落神側に転向した事で、彼らは堕落神に従う事に決めた。意外な事に、ジークルーネは堕落神の申し出を受け入れたのだ。不思議がるフェルナンドに、ジークルーネは理由を話す。
ジークルーネは、天界から左遷されて地上に降りて来たのだ。権力闘争に巻き込まれたそうだ。ジークルーネは自棄になり、道化を演じるフェルナンドを利用して騒動を起こそうとしたのである。ジークルーネは天界に愛想を尽かしており、堕落する事に抵抗は無いそうだ。
フェルナンドは、苦笑しながらジークルーネの話を聞いていた。自分が神の戦士に選ばれた理由が分かったからだ。結局、自分は最後まで道化だったわけだ。そう、苦く笑うしかない。
自分を笑うフェルナンドに、ジークルーネは共に堕落を楽しもうと誘ってきた。今更、意地も矜持もどうでもいい。ただ快楽に浸る生活を共に楽しもうと。嫣然とした表情で、そう誘ってきた。
妖しく微笑むジークルーネの姿は変わっていた。金色だった髪は、銀色に変わっている。白く輝いていた肌は、鈍く光る青色に変わっている。純白の翼は、漆黒へと変わっていた。ジークルーネは、青氷色から深紅へと色を変えた目でフェルナンドを見つめて微笑む。
ジークルーネは、フェルナンドの前に跪き、ペニスを口で奉仕した。さらに這いつくばって尻を向け、フェルナンドを誘った。
フェルナンドは、ジークルーネを激しく貪った。男の欲望の象徴である器官で、這いつくばる堕落した神の戦士を嬲る。そして白濁した欲望の液で、完成された肢体を汚す。顔を、口を、髪を、胸を、腋を、手を、腹を、ヴァギナを、尻を、足を嬲り、汚した。
欲望を出し切った道化騎士は、疲れ切って座り込む。そしてぼんやりと止まった砂時計のオブジェを眺める。かつては神の戦士だった女は、オブジェの前で四つん這いとなっている。自分が利用し奉仕した道化騎士に対して、汚液まみれの顔で微笑みかけた
この日から二人は夫婦となり、共に退廃と悦楽の日々を過ごして来た。
辺りは夕日が照らしていた。赤く染まる街と人々を見て、フェルナンドは過去の回想を終える。
ジークルーネの体も赤く染まり、生渇きの精液が日を反射していた。胸や尻をむき出しにした鎧姿で、首輪をつけて四つん這いで歩いている。ジークルーネの淫猥な姿に、大量に欲望を放ったはずのペニスが回復してくる。
そうだ、俺達は何処までも堕落すれば良い。悦楽に沈んでいけば良い。その幸福を、他の人々にも伝えるのだ。
二人は、万魔殿から出てこの堕落神の街に来た。万魔殿に引きこもるのも良いが、世界中に堕落神の信徒を増やす事の方が楽しそうだ。そう二人は考えて、この街に来たのだ。二人は、良くも悪くも行動的だ。そこが他の堕落神の信徒とは少し違う。
もっとも布教活動よりも、二人で快楽を追及する事の方が多い。その点は、やはり堕落神の信者だ。
フェルナンドは、這いつくばり尻を振りながら歩くジークルーネを見ながら、彼女を嬲る段取りを考えていた。
家に着くと、フェルナンドとジークルーネは風呂へと入った。ジークルーネの体は汚れきっており、洗わなくてはならない。もっとも、ジークルーネは風呂に入る事を嫌がった。
「もう少し体を洗わないでおきたいの。あなたに汚された体を楽しみたいの」
むせ返りそうになる精液の臭いを漂わせながら、ジークルーネは懇願する。
「風呂で遊びたいのだ。たっぷりと可愛がってやるよ」
フェルナンドは、鎖を引いてジークルーネを風呂へと誘う。
この堕落神の街では、大抵の家に風呂が付いている。衛生目的と言うよりは、快楽の追求のためだ。フェルナンドとジークルーネも、風呂で互いの体を貪る事が多い。
フェルナンドは、まず自分の服をぬいだ。既に回復しているペニスが、天に向かってそり返っている。ジークルーネは、たくましいペニスを見て歓喜の声を上げる。
フェルナンドは、ジークルーネの鎧を脱がしていった。鎧にも精液が付着して汚れている。ダークヴァルキリーは、自分の黒い鎧を白濁した精液で汚される事を好む者が多い。ジークルーネもその一人だ。鎧を脱がし、その下の露出度の高い服も脱がす。引き締まり均整の取れた裸体が露わとなる。その素晴らしい体は、乾きかけの精液で汚れて臭いを放っていた。
フェルナンドは、ジークルーネに湯をかけて体を洗っていく。ジークルーネは四つん這いになっている為、まるで犬を洗うような状態だ。手でこすりながら汚れを落としていく。ジークルーネは、犬のように喘ぎながら喜んでいる。
ジークルーネを洗い終わると、次はフェルナンドの番だ。ジークルーネは、フェルナンドの体を恭しく洗っていく。古代の女奴隷が、王に奉仕しているような姿だ。跪きながら、フェルナンドの下半身を清めていく。
ジークルーネは、自分の体に香油を塗り付けた。体を滑らせると、フェルナンドの体に自分の体をすり付けてマッサージしていく。弾力と柔らかさを持つ体が、香油のぬめりと共にフェルナンドの体に快楽を与える。ジークルーネの豊かな胸が、フェルナンドの股間や太腿、ふくらはぎを愛撫しながら揉み解す。
「さあ、犬のように這いつくばるのだ。かわいがってやる」
フェルナンドは、マッサージを止めさせて命じる。
フェルナンドは、這いつくばるジークルーネの尻にペニスを当てた。引き締まり形の良い尻は、香油で滑り光っている。既に先走り汁が漏れているペニスを尻にこすり付け、液を塗り付けていく。滑りが増して、ペニスの快楽は強くなる。
ジークルーネのヴァギナは、愛液を漏らして床を濡らしていた。尻の穴とは思えぬほどきれいな窄まりは、物欲しげにヒクヒクと蠢いている。
フェルナンドは、自分のペニスに香油を塗り付けた。そしてジークルーネの窄まりに押し当てる。そのままゆっくりと中へと押し入れていく。ジークルーネの中は、きつく温かい。フェルナンドの物を激しく締め付けてくる。そうかと思うと、ゆっくりと締め付けを緩めて愛撫してくる。
フェルナンドは、四つん這いになって尻で快楽を貪る雌犬を蹂躙した。奥へと突き上げ、雌犬を喘がせる。突けば突くほど、雌犬は歓喜の声を上げながら涎を垂らす。
俺は、堕落した騎士だ!雌犬を尻で犯す背徳者だ。この雌犬は、堕落した天界の戦士だ!快楽に溺れて獣に堕ちた。これが俺の、この雌犬の幸福なのだ!俺は、この幸福を世界に広めてやる!
堕落した騎士と雌犬に堕ちた天界の戦士は、興奮と快楽の渦の中で酔い痴れていた。
だが彼らの姿は、平凡とはかけ離れている光景だった。まずは妻の容姿だ。顔を初めとする肌の色は、人間ではありえない青い肌だ。背には黒い翼が生えている。彼女は、赤色で縁取られた黒い鎧をまとっている。
次に、妻のやっている事が平凡とはかけ離れていた。妻は犬のように這いつくばり、手を前足の様に動かして歩いている。首には黒い首輪をはめ、それは夫の手に握られている鎖と繋がっている。
さらに、周りの人々の反応も普通では無い。異常な事をしている夫婦を気に留めている者は、ほとんどいない。時折、夫婦に向かって微笑みを浮かべながら挨拶をするくらいだ。
妻は、這いつくばりながら夫の足に体を摺り寄せた。妖艶な顔に欲情を浮かべて見上げてくる。夫は、銀色の髪に覆われた妻の頭を撫でてやる。彼女は、陶然とした表情で愛撫に身を任せていた。
フェルナンドとジークルーネは、堕落神の信者が暮らす隠里に住んでいた。普通の堕落神の信者は、堕落神のいる万魔殿で暮らしている。だがこの街の者達は、世界に堕落神の教えを広める為に活動していた。フェルナンドとジークルーネも、布教のためにこの街にいる。
もっともこの街の人々は、布教活動よりは交わり合う事の方が多い。フェルナンドとジークルーネの夫婦も、性の快楽に浸る日々を過ごしている。例えば、人前で交わり、犬の様に四つん這いになって街を散歩する。
フェルナンドは人間であり、元は騎士だった。ジークルーネは、天界の戦士ヴァルキリーであり、フェルナンドを導いていた。現在は、二人とも堕落している。
「ねえ、あなた。そろそろはじめましょうよ」
ジークルーネは、這いつくばりながらフェルナンドの足に体を摺り寄せて懇願する。
「だったら、俺に奉仕しろよ」
フェルナンドは、ジークルーネの頬を愛撫しながら命じる。
「もう、こんな所で恥ずかしいわ」
ジークルーネは、上気した顔で見上げながら身をよじった。フェルナンドは手に持った鎖を引き、首輪を軽く引っ張る。
「今更恥ずかしがることは無いだろ。さあ、手を使わずに奉仕するんだ」
フェルナンドは、鎖を引きながら命じる。
ジークルーネは、笑いながら体を伸ばし、フェルナンドの股間に頬ずりをした。たちまちフェルナンドの股間は、固く盛り上がり始める。ジークルーネは、フェルナンドのズボンのひもを口でほどく。そのままズボンを口でくわえて引き下げる。下穿きも口で引き下ろす。
怒張したペニスがさらけ出され、ジークルーネは歓喜の声を上げた。そして、いたずらっぽい表情でペニスに繰り返し口付ける。先端に、くびれに、竿に唇を押し付ける。ついばむように口付けたかと思うと、ねっとりと押し付けるように口付ける。
フェルナンドは、ペニスを素早く動かした。ジークルーネの唇は、ペニスをかすっただけだ。フェルナンドが動かし続けるペニスを、ジークルーネの唇は追い続ける。だが、ペニスの動きが速すぎて、唇はかすめるばかりだ。
「もう、動かないでよ」
ジークルーネは、ペニスに顔を押し付けて抑え込む。そのまま愛おしげに頬ずりをする。ジークルーネは、頬だけでなく鼻もペニスに押し付ける。鼻を鳴らしながらペニスの臭いを嗅ぎ、舌を出して喘ぎ声を上げる。
「まるで雌犬だな」
フェルナンドは、歓喜の声を上げながらペニスでジークルーネの顔を嬲った。彫りの深い美貌が、赤黒い肉棒によって蹂躙される。興奮のあまり、フェルナンドは先走り汁を先端から溢れさせ、ジークルーネの顔に塗りたくる。かつての気高さが残る麗貌は、男の欲望の液で汚されていく。
日中の街中の通りで繰り広げられる痴態に、通りを歩く人々は驚かない。この街では普通の事なのだ。フェルナンドとジークルーネに影響され、性の交わりを始める者達もいた。堕落したシスターであるダークプリーストは、夫のペニスをしゃぶり始める。堕落した天界の住人であるダークエンジェルは、夫にヴァギナを舐めさせている。
ジークルーネは、胸を覆う鎧を外し、服をずらして胸を露わにした。フェルナンドは、鎧姿のダークヴァルキリーを犬のように這わせる事を好み、ジークルーネに鎧を着せたのだ。鎧姿の女が胸をはだけさせる姿は、独特の卑猥さがある。
ジークルーネは、豊かで張りのある胸の谷間にペニスを挟み込んだ。ペニスを捕えながら上下に動かして愛撫する。胸の谷間から、赤黒いペニスの先端が顔をのぞかせる。ジークルーネは、ペニスに何度も口付け、舌で撫でまわす。ジークルーネの胸の谷間は、先走り汁と唾液が混ざり合って滑る。
「そろそろ出る。飲んでくれ」
フェルナンドが呻きながら言うと、ジークルーネはペニスを口に含む。胸と舌を激しく動かして射精を促す。
フェルナンドは、ジークルーネの口の中で精を放った。濃厚な欲望の液が激しくぶちまけられる。ジークルーネの頬は膨れ上がり、喉は激しく動きながら精液を飲み込んでいる。射精している間も胸を動かして、放出を助けている。
長く激しい射精が終わって、フェルナンドは溜息をつく。ジークルーネは、口の中の精液を飲み下していく。飲み終わると、ペニスの中に残っている精を激しい音を立てて吸い上げる。フェルナンドは、背を震わせながら呻く。
「今度は俺のケツの穴を舐めろ。俺のチンポをまた大きくするんだ」
フェルナンドは、荒い息をつきながら命じた。ジークルーネは、微笑みを浮かべながらフェルナンドの後ろに回る。鎧の籠手を外して、形の良い手を露わにする。尻に口付けをしながら、手で尻を広げていく。尻の穴をむき出しにすると、笑みを浮かべながら尻の穴に口付けた。
ジークルーネは、くり返し尻の穴に口付けた。さらに舌を這わせて皺を丁寧になめ解す。ほぐれた尻の穴に舌を潜り込ませて、中を舐め回す。右手で竿を愛撫しながら、左手で陰嚢をくすぐる。
「こんな事は、恥知らずな娼婦でもやらないぞ。お前は雌犬以下だ」
フェルナンドは、加虐心を露わにして言い放つ。ジークルーネは、舌をさらに尻の穴に潜り込ませる事で応える。尻の奥のコリコリした部分を、舌で繰り返し愛撫する。
「もういいぞ、このままではまた出てしまう。這いつくばったまま尻を俺に向けろ」
ジークルーネは、尻の穴に音を立てて口付けた。そしてゆっくりと尻の穴から舌を抜いていく。ジークルーネは、フェルナンドの前に四つん這いで回る。腰を覆う鎧をぬぎ、服をずらす。ジークルーネの張りのある尻が露わとなった。その尻を揺すり動かしてフェルナンドを誘う。
フェルナンドは、ジークルーネの尻を掴み、むき出しになっているヴァギナにペニスを当てた。ヴァギナはすでに濡れそぼり、蠢きながらペニスを飲み込もうとしている。フェルナンドは、熱い泉の中にペニスを押し入れた。たちまち肉と蜜がペニスに纏わり付き、渦を巻いて奥へと引き込む。
フェルナンドは、ジークルーネの汗ばんだ尻を揉みながら、ペニスを奥へと突き込んだ。尻と下腹部が激しくぶつかり、高い音が辺りに響き渡る。ペニスとヴァギナが立てる水音も、規則的に高い音を響かせる。
ジークルーネは、尻と腰を激しく動かしながら喘いでいた。四つん這いの格好で舌を出して喘いでいる。その姿は、雌犬の姿そのものだ。汗ばんだ美貌には髪が張り付き、口から垂れ流すよだれは地面を濡らしている。
フェルナンドは、限界に達して精を中で放つ。同時に、ジークルーネも絶頂を迎えて体を震わせる。ジークルーネの中で、精液と愛液がぶつかり合う。精液は愛液を押し戻し、子宮を蹂躙する。子宮を撃たれる衝撃に、ジークルーネはまなじりを開いて歓喜に震える。
ジークルーネは、フェルナンドの腰から離れた。ヴァギナからは白濁液が溢れ出し、刺激臭を振りまく。ジークルーネは、四つん這いのままフェルナンドの方を向く。白濁液で汚れたペニスに顔を寄せて、液を舐め取っていく。上目づかいに見上げながら微笑む。
「さあ、始まったばかりよ。街の人達にたっぷりと見せ付けてやりましょう」
これが二人にとっての日常だ。二人は、堕落神の僕として退廃的な日々を楽しんでいた。街の人々と、どちらがより堕落しているかを競い合う。そして町の人々から堕落の技を学んで実践していく。
堕落した元騎士は、天から堕ちた戦士と共に全身を汚しながら悦楽に溺れていた。
二人はたっぷりと人前で交わり合った後、家へと向かっていた。ジークルーネは四つん這いで歩いており、フェルナンドに鎖で引かれている。ジークルーネの体中は精液で汚れており、激しい臭いがする。堕戦士ダークヴァルキリーは、男の性欲を強める力を持つ。フェルナンドは、ジークルーネと交わり続けたおかげで、強い性欲を持つようになった。その性欲をぶつけたのだ。
ジークルーネは、フェルナンド以外は近寄れないほど精液臭い。それほど汚れながら、ジークルーネは楽しそうに四つん這いで歩いている。精液で滑り光る顔は、歓喜に輝いている。尻を振りながら、ヴァギナと尻の穴からこぼれる精液を見せ付ける。
自分の欲望で汚したジークルーネを見ながら、フェルナンドは昔の事を思い出していた。
フェルナンドは没落した騎士の息子だ。既に騎士達の活躍した華やかな時代は終わり、フェルナンド一家の実態は、田舎の小地主に過ぎない。フェルナンドは、王や諸侯に仕える事も出来ずに、田舎でさえない日々を送っていた。
長年の魔物や異教徒との戦いは、主神教団、諸侯、そして騎士を没落させた。変わって力を強めたのが王だ。王は法と官僚制を整備し、中央集権を進めた。商人達を保護して経済力を強めた。
現在、力をつけて来ている者達は、王に仕える軍人、官僚、新興の商人達だ。騎士は、時代遅れのものとして相手にされなくなっている。要領の良い騎士ならば、生き残る事は出来る。例えば、フェルナンドの弟は王の軍に入る事が出来た。要領の悪いフェルナンドは、田舎の小地主として生きている。
フェルナンドは、自分の分をわきまえて小地主としての生活を送っていた。だが、次第に耐えられなくなってきた。弟は王の軍に入って活躍し、上司の娘を妻にした。それに対して、さえないフェルナンドに嫁ごうとする者は誰もいない。
フェルナンドにとっての唯一の安らぎは、騎士の物語を読む事だ。かつての騎士の栄光を、脚色しながら描いた物語に夢中になった。
物語を読み続けるうちに、フェルナンドの頭に一つの考えが宿った。狂ったふりをして、騎士物語の主人公を演じてみようと思いついたのだ。
フェルナンドは、時代遅れの仰々しい鎧と剣を入手し、馬に乗って「騎士道修行」の旅に出立した。そして行く先々で騒動を起こした。ごろつきと立ち回りをしたり、評判の悪い商人の家で暴れた。成金の息子を悪党呼ばわりして、結婚式会場に殴り込んで新婦をさらった事もある。囚われの姫を助ける演技をしたわけだ。
フェルナンドの家族は、フェルナンドを狂ったとして役所と主神教団に届けた。家督は弟が次ぐ事とした。彼らは、処理を終えた後にフェルナンドとは無関係を装った。
フェルナンドを連れ戻そうとする家族はいない。付き従う従者もいない。役人達は、狂人、お尋ね者としてフェルナンドを追っている。フェルナンドは、孤独のまま道化騎士を演じ続けた。
このままであれば、フェルナンドの人生は本人にとっては悲劇、他人にとっては喜劇として終わっただろう。だが、天界の戦士ジークルーネの登場で大きく変わる事となった。
ジークルーネと出会った時は、フェルナンドは商人の雇ったごろつきとやり合って負傷していた。ごろつきから何とか逃げる事が出来て、剣で切られた腕に布を巻きつけて呻いている所へ、光り輝く天界の戦士が降臨した。
白い翼を広げて青く輝く鎧をまとった戦士は、フェルナンドを神に選ばれた騎士だと呼んだ。フェルナンドには神の騎士として戦う使命があり、自分はフェルナンドを導くために来たのだと告げた。
フェルナンドは初め、自分はとうとう本当に狂ってしまい、幻覚を見るようになったのかと思った。幻覚でない事を確認すると、天界の戦士と称する女は狂女ではないかと疑う。だが、ジークルーネは自分の力をフェルナンドに見せ付け、自分が天界の戦士であると証明した。
フェルナンドは、自分に神の騎士になる力量が無い事は分かっていた。フェルナンドは、物語の主人公を演じていただけである。現実と物語の区別はついている。
だが、フェルナンドは、ジークルーネに賭ける事にした。どうせ自分の人生はろくなことにはならない。だったら、せいぜい派手に暴れてやろう。そう居直った。
その日から、フェルナンドとジークルーネは共に戦った。二人は、王に保護された商人達を襲撃して金を奪う。その金を貧民達に与えた。義賊まがいの事を始めたのだ。
やがて貧民達は二人を支持するようになり、二人に付き従う者達が大勢出て来た。王の商人保護政策は、王の経済力を高めた。その一方で貧富の差が激しくなり、貧民達は苦しんでいた。貧民達の間では不満が高まっていたのだ。フェルナンドとジークルーネは、付き従う貧民達を組織して反乱勢力へと育て上げた。
反乱勢力の長となった二人は、政治工作を始めた。まずは主神教団へ接触する。自分達は、神の王国を作るために活動している。その為に、天界の戦士であるジークルーネが降臨したのだ。この国を王から奪い、教団に献上するつもりだ。そう主神教団に話す。そして、どっち付かずの態度を取る事を主神教団に頼み込んだ。
主神教団はこの取引に応じた。教団は、自分達が弱体化して王が力をつけている事態を苦々しく思っていたのだ。王は、フェルナンド達を異端者として破門する事を教団に要請していた。それに対して教団は、現在調査中と答えるばかりで異端者の烙印を押さない。
次に、二人は諸侯達に接触した。自分達は、古くて高貴な家柄を尊重している。自分達の敵は、なり上がりの商人達とその後ろにいる王だ。自分達は、諸侯の領土では何もしない。あくまで王の領土で活動するのだ。そう諸侯達に話す。そして、王に協力しない事を頼み込んだ。
諸侯達はこの取引に応じた。諸侯達は、自分達が王に滅ぼされるという危機感を持っていた。王の要請を様々な口実を設けて応じない。それどころか、フェルナンド達に利益供与をしたり、軍事顧問を送る者も現れ始めた。
こうしてフェルナンド達は、国を揺るがす勢力にまで成長した。そして、その事は王を本気にさせたのだ。王は、四万の軍を動員して反乱鎮圧に乗り出した。王は常備軍を整備し、それを支える財力も手にしている。法と官僚制の網は、国を覆わんとしている。反乱が成功する要素は無かったのだ。
フェルナンド達反乱軍も四万いた。だが、いずれもにわか兵士だ。相手は訓練を積んだ軍事の専門家達だ。ジークルーネが有能な指揮官でも、勝てるはずが無かった。ジークルーネは、守りに入って王の軍を迎え撃とうとした。確かに攻める事は難しく、守る事はやり易い。それでも勝てる戦では無かった。
破滅を迎えようとするフェルナンド達を、思わぬ者が救い出した。
フェルナンド達の軍と王の軍は、坂で対峙していた。坂の上にフェルナンド達の軍がおり、坂の下に王の軍がいる。王の軍をなだらかで長い坂を上って来させて疲れさせ、それをフェルナンド達が迎え撃とうというのだ。
もっとも、こんな手を使ってもフェルナンド達が負ける事は分かっている。フェルナンドとジークルーネは、死を覚悟していた。フェルナンドは、望み通りの破滅だと自分に言い聞かせながら震えを抑え込む。
両軍がにらみ合いを続ける中、突如、戦場に紫の光と闇が広がり始めた。紫の光は生き物のように明滅し、闇は意志を持つかのように広がる。紫の光と闇は、渦を巻きながら拡大している。
フェルナンドとジークルーネは、浮足立つ兵達を鎮めようと必死になる。だが、光と闇の渦がフェルナンド達を飲み込もうとすると、もはや兵達の動揺は抑えられなくなった。闇と光の渦の中で、怒号と悲鳴が交差する。
やがて渦の中から声が聞こえなくなった。同時に、渦も消え失せる。フェルナンド達の軍は、戦場から一人残らず消えていた。ただ、誰もいない陣地の跡が残っている。敵の消え失せた戦場を、王の軍が呆然とした顔で見つめていた。
気が付くと、フェルナンド達は万魔殿にいた。堕落神が支配する時が止まった所だ。闇と薄明りが広がる場所だ。フェルナンド達は、堕落神によって救われたのだ。
堕落神とその僕達は、フェルナンド達の活動を観察していた。地上に神の王国を築く事は反対だ。だが、虐げられた者を救う事には協力したい。そう考えた堕落神達は、破滅寸前のフェルナンド達を根こそぎ万魔殿へ連れて来たのだ。
堕落神は、フェルナンド達に保護を約束し、万魔殿で暮らす事を許した。そして堕落した生活を送る事を誘う。フェルナンド達の前に、ダークプリースト、ダークエンジェル、そしてダークヴァルキリーなどの堕落した魔物達が現れて誘惑してきた。
フェルナンドは、堕落神の誘いを喜んで受け入れた。フェルナンドは、人生を諦めており堕落には抵抗は無い。むしろ安逸と快楽の日々に沈みたいと思っていたところだ。
フェルナンドに付き従っていた軍の者も、堕落神の申し出を喜んで受け入れた。彼らは、元々は安定した生活を求めていたのだ。貧しさゆえに暴れていただけだ。安定した生活を手に入れる事が出来て、しかも魔物達と快楽に満ちた生活が出来るのだ。喜んで受け入れる事は、当たり前かもしれない。
ただ、主神を強く信仰する者もおり、その者達は堕落神に従う事をためらった。ジークルーネが堕落神側に転向した事で、彼らは堕落神に従う事に決めた。意外な事に、ジークルーネは堕落神の申し出を受け入れたのだ。不思議がるフェルナンドに、ジークルーネは理由を話す。
ジークルーネは、天界から左遷されて地上に降りて来たのだ。権力闘争に巻き込まれたそうだ。ジークルーネは自棄になり、道化を演じるフェルナンドを利用して騒動を起こそうとしたのである。ジークルーネは天界に愛想を尽かしており、堕落する事に抵抗は無いそうだ。
フェルナンドは、苦笑しながらジークルーネの話を聞いていた。自分が神の戦士に選ばれた理由が分かったからだ。結局、自分は最後まで道化だったわけだ。そう、苦く笑うしかない。
自分を笑うフェルナンドに、ジークルーネは共に堕落を楽しもうと誘ってきた。今更、意地も矜持もどうでもいい。ただ快楽に浸る生活を共に楽しもうと。嫣然とした表情で、そう誘ってきた。
妖しく微笑むジークルーネの姿は変わっていた。金色だった髪は、銀色に変わっている。白く輝いていた肌は、鈍く光る青色に変わっている。純白の翼は、漆黒へと変わっていた。ジークルーネは、青氷色から深紅へと色を変えた目でフェルナンドを見つめて微笑む。
ジークルーネは、フェルナンドの前に跪き、ペニスを口で奉仕した。さらに這いつくばって尻を向け、フェルナンドを誘った。
フェルナンドは、ジークルーネを激しく貪った。男の欲望の象徴である器官で、這いつくばる堕落した神の戦士を嬲る。そして白濁した欲望の液で、完成された肢体を汚す。顔を、口を、髪を、胸を、腋を、手を、腹を、ヴァギナを、尻を、足を嬲り、汚した。
欲望を出し切った道化騎士は、疲れ切って座り込む。そしてぼんやりと止まった砂時計のオブジェを眺める。かつては神の戦士だった女は、オブジェの前で四つん這いとなっている。自分が利用し奉仕した道化騎士に対して、汚液まみれの顔で微笑みかけた
この日から二人は夫婦となり、共に退廃と悦楽の日々を過ごして来た。
辺りは夕日が照らしていた。赤く染まる街と人々を見て、フェルナンドは過去の回想を終える。
ジークルーネの体も赤く染まり、生渇きの精液が日を反射していた。胸や尻をむき出しにした鎧姿で、首輪をつけて四つん這いで歩いている。ジークルーネの淫猥な姿に、大量に欲望を放ったはずのペニスが回復してくる。
そうだ、俺達は何処までも堕落すれば良い。悦楽に沈んでいけば良い。その幸福を、他の人々にも伝えるのだ。
二人は、万魔殿から出てこの堕落神の街に来た。万魔殿に引きこもるのも良いが、世界中に堕落神の信徒を増やす事の方が楽しそうだ。そう二人は考えて、この街に来たのだ。二人は、良くも悪くも行動的だ。そこが他の堕落神の信徒とは少し違う。
もっとも布教活動よりも、二人で快楽を追及する事の方が多い。その点は、やはり堕落神の信者だ。
フェルナンドは、這いつくばり尻を振りながら歩くジークルーネを見ながら、彼女を嬲る段取りを考えていた。
家に着くと、フェルナンドとジークルーネは風呂へと入った。ジークルーネの体は汚れきっており、洗わなくてはならない。もっとも、ジークルーネは風呂に入る事を嫌がった。
「もう少し体を洗わないでおきたいの。あなたに汚された体を楽しみたいの」
むせ返りそうになる精液の臭いを漂わせながら、ジークルーネは懇願する。
「風呂で遊びたいのだ。たっぷりと可愛がってやるよ」
フェルナンドは、鎖を引いてジークルーネを風呂へと誘う。
この堕落神の街では、大抵の家に風呂が付いている。衛生目的と言うよりは、快楽の追求のためだ。フェルナンドとジークルーネも、風呂で互いの体を貪る事が多い。
フェルナンドは、まず自分の服をぬいだ。既に回復しているペニスが、天に向かってそり返っている。ジークルーネは、たくましいペニスを見て歓喜の声を上げる。
フェルナンドは、ジークルーネの鎧を脱がしていった。鎧にも精液が付着して汚れている。ダークヴァルキリーは、自分の黒い鎧を白濁した精液で汚される事を好む者が多い。ジークルーネもその一人だ。鎧を脱がし、その下の露出度の高い服も脱がす。引き締まり均整の取れた裸体が露わとなる。その素晴らしい体は、乾きかけの精液で汚れて臭いを放っていた。
フェルナンドは、ジークルーネに湯をかけて体を洗っていく。ジークルーネは四つん這いになっている為、まるで犬を洗うような状態だ。手でこすりながら汚れを落としていく。ジークルーネは、犬のように喘ぎながら喜んでいる。
ジークルーネを洗い終わると、次はフェルナンドの番だ。ジークルーネは、フェルナンドの体を恭しく洗っていく。古代の女奴隷が、王に奉仕しているような姿だ。跪きながら、フェルナンドの下半身を清めていく。
ジークルーネは、自分の体に香油を塗り付けた。体を滑らせると、フェルナンドの体に自分の体をすり付けてマッサージしていく。弾力と柔らかさを持つ体が、香油のぬめりと共にフェルナンドの体に快楽を与える。ジークルーネの豊かな胸が、フェルナンドの股間や太腿、ふくらはぎを愛撫しながら揉み解す。
「さあ、犬のように這いつくばるのだ。かわいがってやる」
フェルナンドは、マッサージを止めさせて命じる。
フェルナンドは、這いつくばるジークルーネの尻にペニスを当てた。引き締まり形の良い尻は、香油で滑り光っている。既に先走り汁が漏れているペニスを尻にこすり付け、液を塗り付けていく。滑りが増して、ペニスの快楽は強くなる。
ジークルーネのヴァギナは、愛液を漏らして床を濡らしていた。尻の穴とは思えぬほどきれいな窄まりは、物欲しげにヒクヒクと蠢いている。
フェルナンドは、自分のペニスに香油を塗り付けた。そしてジークルーネの窄まりに押し当てる。そのままゆっくりと中へと押し入れていく。ジークルーネの中は、きつく温かい。フェルナンドの物を激しく締め付けてくる。そうかと思うと、ゆっくりと締め付けを緩めて愛撫してくる。
フェルナンドは、四つん這いになって尻で快楽を貪る雌犬を蹂躙した。奥へと突き上げ、雌犬を喘がせる。突けば突くほど、雌犬は歓喜の声を上げながら涎を垂らす。
俺は、堕落した騎士だ!雌犬を尻で犯す背徳者だ。この雌犬は、堕落した天界の戦士だ!快楽に溺れて獣に堕ちた。これが俺の、この雌犬の幸福なのだ!俺は、この幸福を世界に広めてやる!
堕落した騎士と雌犬に堕ちた天界の戦士は、興奮と快楽の渦の中で酔い痴れていた。
15/04/28 00:10更新 / 鬼畜軍曹