ジャバウォックとの日常
空は、相変わらず七色に光っていた。赤く染まったかと思うと、黄色に変わり、緑色に変貌する。少し空から目を離せば、色は変わっている。雲は、青色になったりオレンジ色になったりしているのだ。
アランは、空から目をそらした。彼は警備の仕事をしているのであり、空を見ていなければならない。だが、見続ければ目がおかしくなりそうだ。時々、目をそらさなくてはならない。
前方には大型の岩が浮いており、その上には建物が建っていた。鳥の魔物であるジャブジャブたちが住んでいるのだ。彼女たちは、アランに向かって桃色の翼を振って挨拶をする。彼も手を振り返す。アランのいる警備所は、ジャブジャブの家同様に空に浮かぶ岩の上に建っている。彼は、そこで警備をしながら暮らしているのだ。
「今のところ異常はないな」
アランの同僚が言った。彼女は、辺りを睥睨している。
「俺には異常だらけに見えるけれどな」
アランは苦笑する。彼は、よその国から流れてきた。この「不思議の国」の日常は、彼にとっては狂気に見える。
彼は、同僚である女を見た。赤紫色の長い髪を持ち、褐色の肌をした大柄な女だ。彫の深い顔立ちをした美女であり、豊かな胸の目立つ肉感的な体をしている。ただ彼女の特色は、それらでは無いだろう。
彼女は、赤色と黒色の角を頭から生やしていた。背には赤と黒の翼が生えており、尻からは黒い尻尾を生やしている。手足は、爬虫類のような鱗で覆われ、赤い爪を生やしている。極めつけは、背から二本の赤紫色の触手が伸びており、それらには口が付いているのだ。
アランは、この魔物そのものの姿をした女の背に左手を回した。彼女は、アランを一瞥する。彼は、そのまま背から腰にかけて撫でる。そして尻を愛撫する。
「痴れ者め。仕事の最中だぞ」
「いつもの事だ。お前だってやりたいだろ」
アランは、尻を揉み解しながら言う。
翼と触手を持つ女は、爬虫類の怪物を思わせる右手を伸ばした。アランの股間に手を当て、ゆっくりと揉み解す。人間離れした手だが、巧みな技によりアランに快楽を与える。
人間の男と魔物の女は、七色の空の下で互いの体を愛撫し合っていた。
アランの暮らす「不思議の国」は、人間たちの暮らす普通の国とは違う。魔力が満ちあふれた国であり、その魔力を異常な形で活用している国だ。人間たちの暮らす国では考えられない事が起こる。
空は七色に輝き、色のついた雨が降り注いでくる。オレンジ色の空からオレンジ色の雨が降っていたかと思うと、紫色の空に変わって紫色の雨が降る。雨が止むと虹の橋が出来て、空に浮かぶ岩と岩を橋渡しする。猫やウサギの耳のついた女たちが、虹の橋を談笑しながら渡っているのだ。
地を見渡すと、豊かな木々ときれいな花畑がある。そこでは歌が響き、踊る者たちがいる。ただ、歌い踊る者が人間とは限らない。赤い花や青い花が合唱し、緑の木々が踊っているのだ。銀色に光っているバラが恋の歌を歌い、青色の葉をした木が飛び跳ねながら体をひねって踊る事も珍しくは無い。
この不思議の国には、人間たちが大勢暮らしている。それ以上に多いのが魔物たちだ。紫色と黒色の耳と尻尾を持った女が歩いている。猫の魔物娘チェシャ猫だ。赤色の長い耳を持ち、桃色の獣毛に覆われている足をしている女が飛び跳ねている。ウサギの魔物娘であるマーチヘアだ。彼女たちのような者は、この不思議の国では当たり前の存在だ。
この奇矯な国で、アランは警備の仕事についている。共に警備をしているのは、ジャバウォックという魔物であるジュリアだ。ジャバウォックとはドラゴンの一種である。角と翼を生やし、強靭な肉体を持っている。体だけではなく優れた頭脳の持ち主であり、不思議の国では高位の魔物として知られている。
二人は、空に浮かぶ岩の上に立っている家に住み、そこから周辺の地域を警備している。ジュリアは、優れた飛翔能力を持っており、住処から広い地域を監視する事が出来る。彼女の働きによって、地域の治安は守られているのだ。
ただ、他の国から見れば、治安が保たれているとは言えないかもしれない。ジャブジャブは、空を飛びながら伴侶と性の交わりをしている。空に浮かぶ数々の岩の上では、チェシャ猫やマーチヘアが飛び跳ねながら性技をひけらかしている。地上では、キノコの魔物であるマッドハッターが、お茶会の場で踊るような動作で性の快楽に耽っているのだ。これらは、不思議の国では問題になるどころか推奨されている。
アランたちも、不思議の国の日常に染まっている。二人は、所かまわず快楽に耽っているのだ。ジュリア達ジャバウォックは、高慢である事で知られるドラゴンだ。だが、不思議の国の女王の手により、普通のドラゴンとは違う性質になっている。他を圧倒する淫らさを持ち、それを誇示する事を誇る存在となっているのだ。
アランは、ジュリアの口に吸い付いていた。彼女の唇を舐め回し、口の中に舌をもぐり込ませる。ジュリアは、彼に応えて舌を絡ませる。二人の舌が絡み合い、二人の口から唾液がこぼれる。
アランの舌は、ジュリアの口からの周りを舐め始めた。そのまま彼女の顔を舐めていく。アランの舌は下りていき、豊かな胸を舐めていく。彼女は、赤色と紫色のドレスのような服を着ている。だが、その服は露出している部分が多く、彼女の胸はかなりの部分があらわとなっている。アランは彼女の服をずらして、かろうじて隠れていた乳首をむき出しにする。そうして左に乳首に吸い付く。
ジュリアは低く声を上げた。その声には艶があり、アランの欲情をかき立てる。ジュリアは香水をつけている。その重く感じる甘い香りは、彼女の体の匂いと混じり合って官能的な香りとなっている。アランは、彼女の胸に顔を埋めながら香りを嗅いだ。ジュリアは、彼の頭を愛撫するように抑えている。
アランは、顔を右に移していった。ジュリアの左腋に顔を押し付け、その甘酸っぱい匂いを嗅ぐ。そして舌を這わせて味わう。彼女は、くすぐったそうに身をよじりながら、彼の顔を腋に挟み込む。
しばらく腋を舐め回した後、アランは舌をジュリアの脇腹へと下ろしていった。身をよじる彼女の体を抑えて、彼女の服を引き下ろしていく。むき出しになった腹に顔をすり寄せる。鍛えられた腹筋の上に脂肪がついており、肉感的な腹をしている。アランは、その腹に頬ずりをして舌を這わせていく。
アランは、ジュリアの服を脱がせて下腹部を露わにした。黒いひものような下着をつけている。ほとんど隠す役目を果たしておらず、彼女のヴァギナは見えている。赤紫色の毛に飾られたヴァギナは、透明な蜜を溢れさせていた。彼女の下腹部には熱気がこもっており、甘酸っぱい匂いが立ち込めている。
男の口は、淫らなドラゴンのヴァギナに吸い付いた。舌で肉襞を舐め回し、豆のような突起部を吸う。雌ドラゴンの体は、けいれんするように震え始めた。彼女の口からは、かすれた喘ぎ声が漏れる。男は、鼻息荒くして淫臭を嗅ぎながら、あふれる蜜をすする。
アランは、ヴァギナから口を離して立ち上がった。上着を脱ぎ捨てて、ズボンを引き下ろす。下履きをはぎ取るように脱いで、放り投げる。彼のペニスは、怒張して戦慄いている。ジュリアは、ペニスを食い入るように見つめた。
裸になってペニスを見せつけている男は、淫獣と言われるドラゴンの角をつかんだ。
「もうがまん出来ねえ。俺の前にひざまずけ。お前を嬲ってやる」
獣じみた男は角を引く。ジュリアは抵抗するそぶりをするが、それは形だけだ。彼女は、やすやすと彼の前にひざまずく。ジュリアの鼻先には、たぎり立ったペニスがある。その肉棒は、戦慄きながら先端から透明な液をあふれさせている。濃厚な臭いが彼女の鼻を犯す。魔物女は、陶然とした顔をした。その目は、霞がかかったようになる。鼻をうごめかして臭いを嗅ぐ。
男は、ジュリアの顔をペニスで嬲り始めた。ペニスを顔に押し付け、亀頭をこすり付ける。先走り汁を顔に塗り付けていく。
「この変態め!こんな臭い物で私の顔を汚す気か!」
「ああ、そうだ。お前の顔に臭いを付けてやる」
雄獣は、鼻息を荒くしながら言い放つ。ペニスをこすりつけて、彫の深い美貌を蹂躙していく。亀頭を押し付けて鼻をひしゃげさせ、唇を押し上げて歯をむき出しにさせる。亀頭で瞼を撫で、竿で頬をこする。ジュリアの褐色の顔は、先走り汁で滑り光る。
「まるで豚だな。鼻を鳴らしてみろよ」
男は、ペニスでジュリアの鼻を押し上げながら言う。
「誰がするか、この変態!こんな臭い物を押し付けるな!」
雌ドラゴンは、罵りながら自分の鼻を押し付ける。そして音を立てて臭いを嗅ぐ。彼女の鼻は、歪みながら濡れ光る。
「たまらねえ、出すぞ。お前の顔にぶちまけてやる」
男は、ペニスに力を入れて激しく蹂躙する。雌ドラゴンは、自分から顔を強く押し付けていく。ペニスと顔は、激しくこすれ合う。濡れた肌がこすれる音が響く。
男のペニスは弾けた。白濁液が褐色の顔にぶちまけられる。顔にぶち当たった精液が飛び散り、雌ドラゴンを汚していく。顔は精液で覆われていき、飛び散った精液は赤紫色の髪を汚す。顔から零れ落ちた白濁液は、褐色の胸に模様をつくる。
男はうなり声を上げながら、ペニスで白濁液を塗り広げた。傲然とした表情の似合う美貌を隅々まで汚していく。淫獣たる魔物女は、目をつぶりながら陶然とした顔をする。彼女の口からは熱い吐息が漏れる。
アランは、自分の前にひざまずくジュリアを据わった眼で見降ろしていた。彼女の顔からは、むせ返るような刺激臭が立ち上っている。アランの鼻と口からは荒い息が漏れる。射精したばかりのペニスを、彼女の口にこすり付ける。口はゆっくりと開いていく。白濁液で汚れた肉棒を、ジュリアの口の中に押し込む。
アランは、彼女の角をつかんで頭を抑えた。ペニスをゆっくりと出し入れして、舌にこすり付ける。ジュリアは、ペニスに舌を絡ませて舐め回す。精液を出したペニスは回復していき、固く大きくなっていく。アランは、彼女の頬の内側を亀頭で押す。右頬が亀頭の形に膨らむ。
ペニスを出し入れする動きが速くなった。男は、ジュリアの角をしっかりとつかんで腰を前後に動かす。奥へ突っ込むと、ペニスの根元が彼女の顔にぶつかる。男の陰毛が、女の鼻に叩きつけられる。ペニスは、舌を押しのけて喉を犯す。狭い喉の感触が男に快楽を与える。
激しい水音が響いた。雌ドラゴンは、ペニスを強く吸い始めたのだ。精液で滑り光る頬は、激しくくぼむ。口とペニスの間からは、よだれが飛沫となって散る。雌ドラゴンは激しく鼻息を出し、鼻についた精液が飛び散る。舌がペニスを強く舐め回す。
男の尻穴に、滑る感触が走った。雌ドラゴンの背についている触手が伸びて、男の尻にすり寄っていた。触手についている舌が、男の尻穴を舐め回している。巧みな舌技により、男の尻から背筋に震えが走る。
男の絶頂が再び近づいてきた。雄獣の腰の奥から、欲望が噴出しようとしている。「出すぞ」と雄獣は呻く。淫獣たる女は、激しくペニスを吸い上げる事で応える。
雄獣のペニスは再び弾けた。大量の精液が、雌ドラゴンの口の中に叩き込まれる。雄はペニスを喉に突っ込み、胃の中に向かって射精する。雌の鼻から白濁液が飛び出した。飲みきれなかった精液が出てしまったのだ。雄は精液を出し続け、雌の鼻からは精液が飛び出し続ける。
やっと射精が終わり、雄獣はペニスを引き抜いた。ペニスと口の間から、白濁液が飛び散る。淫獣たる女は大きく息をつき、口から刺激臭が放たれる。鼻で息をしようとしているが、濁った音が響いて鼻穴の白濁液が泡立つ。汚れた鼻には、アランの陰毛が張り付いている。雌は、繰り返し口から荒い息を吐き、精液の臭いを放つ。
アランは、やっと落ち着きを取り戻した。ジュリアの様子を気がかりそうに見つめる。そんな彼に対して、ジュリアは口の端を釣り上げて笑う。精液で滑るペニスを、豊かな胸の谷間に挟み込む。そして口から桃色の息をペニスに吐きかける。そのとたんに、ペニスはたちまち回復していく。
「この程度で終わるほど、お前は軟弱では無いはずだな」
雌ドラゴンの褐色の胸は、上下に動いてペニスを愛撫する。彼女を見下ろす男の息は荒くなった。
アランとジュリアは、繰り返し快楽に溺れた。彼は、彼女の体中をペニスで嬲った。ペニスを腋にこすり付け、腹に這わせた。ペニスを太ももの間に繰り返し挿入し、ペニスで尻を執拗に撫でまわした。そうして彼女の褐色の体に白濁液をぶちまけ、塗りたくったのだ。
そうしてジュリアの体中を汚した後で、彼女の中を汚した。正常位の体勢でジュリアを責め立て、彼女の子袋を精液で撃ち抜いた。ドラゴンの体を持つ魔物女を四つん這いにさせ、後ろから責めて膣を蹂躙した。そうして彼女の中を精液で汚したのだ。
射精し終わるたびに、ジュリアは桃色の息を吹きかけてきた。その息は媚薬効果があり、アランの精力をたちまち回復させる。アランを雄獣に変えてしまい、目の前の雌ドラゴンに飛びかからせるのだ。
ようやく性の交わりを終えた後、アランはジュリアに抱きしめられていた。力が入らないため、支えられていないと倒れてしまう。十四回も射精したのだ。ジュリアと交わる事でインキュバスとなった身でも、これだけ出せば疲れてしまう。
ジュリアの体は、精液でひどく汚れていた。顔は生渇きの精液で覆われ、胸はぬめり光っている。左腋も精液で濡れており、腹は所々が汚れている。ヴァギナからは白濁液があふれており、尻も精液で犯されている。彼女の体からは刺激臭が放たれており、彼女に抱きしめられていると臭いが叩き付けられる。だが、その臭いは、ジャバウォックを自分のものにしたような充実感をアランに与えるのだ。
ジュリアは、アランを抱きしめながら彼の顔を舐めていた。彼女の背から生えている触手の口からも舌が伸び、彼のペニスと右の太ももを舐めている。ペニスに付いている汚れは残らず舐め取られた。彼女に舐められていると、心地良さと安堵感が体に染み込んでくる。
アランは、ジュリアにもたれかかりながら過去を思い出していた。
彼は、元いた所では農奴だった。彼の住んでいた国は、大半の者が農奴だ。アランは、他の者同様に貧しい暮らしに苦しんでいた。領主の家来に殴られながら、畑を耕していた。出来た作物は、領主に容赦なく奪い取られていた。
そんな苦しい生活は、戦争が起こる事によりさらに悪化した。アランの国は、東の隣国に侵略をしたのだ。彼は無理やり徴兵されて、戦争に駆り出された。激しい暴力と共に、兵としての訓練は行われた。訓練後には、最前線に叩き込まれた。
敵国も農奴を兵に仕立て上げ、最前線に送り込んできた。農奴同士が殺し合いをしたのだ。にわか仕立ての兵は、敵味方関係なく次々に死んでいった。アランは、そのさまを目の当たりにした。彼自身、敵の農奴兵を殺してしまった。
耐えられなくなったアランは、戦場から脱走しようとした。農奴兵を監視する督戦隊の者がおり、この者たちに見つかってしまった。アランは逃げ回るが、督戦隊の者たちの方が兵としての能力が高い。捕まりそうになったアランは、無我夢中で槍を突き出す。その槍は、督戦隊の一人の腹に突き刺さった。
怒り狂った督戦隊の者は、アランをなぶり殺しにしようと襲いかかってくる。アランは追い詰められてしまう。無茶苦茶に槍を突き出すアランに対して、督戦隊の者たちは落ち着いて包囲し、槍を構える。
この時、突如七色の光があたりを覆った。その光に、アランは飲み込まれる。彼には状況が分からない。アランは、絶叫と共に光の中に飲み込まれた。
気が付くと、アランは花畑にいた。彼は辺りを見回す。空を見上げて、彼は腰を抜かしそうになる。空が緑色で、雲は水色に光っているのだ。そんな空は見た事が無い。彼は、狂ったようにあたりを見る。すると金色に輝く花が目に入る。まじまじと見つめるアランの前で、金色の花は歌いだした。
アランは、喚き声を上げながら駆け出す。その足は、突如止まった。彼は、目の前の草地を見つめる。桃色の草が生えた草地なのだ。彼の体は、疫病を患っているように震えだす。
彼の周りから軽やかな笑い声が上がった。何人もの女の笑い声だ。彼は、辺りを獣じみた目でにらみつける。女たちが姿を現した。猫の耳と尻尾を生やした女や、ウサギの耳と尻尾を生やした女がいる。ネズミの耳と尻尾を生やした女は、眠そうな目で彼を見つめている。彼女たちの着ている服は、見た事の無い奇矯な物ばかりだ。
アランは槍を構え、喚きながら突き出した。女たちは驚いたように飛び下がる。アランは、周りに槍を突き出して女たちを近寄らせないようにする。そのさまは、追い詰められた獣のようだ。魔物女たちは、困ったように顔を見合わせる。
その時、上空から羽ばたく音がした。アランは、音のする方を見上げる。彼の後ろ上から、黒い翼を持ったものが迫っていた。アランは目をむく。それは鳥では無い。人の体に翼が生えた者だ。
アランは、向きを変えて槍を突き上げようとする。だが、あせりから体勢を崩して転んでしまう。黒い翼を持った者は、鱗の生えた手で彼を抑え込む。翼を持った魔物は、もがくアランから槍を取り上げて放り投げる。アランは狂ったようにもがくが、魔物から逃れる事は出来ない。
魔物は彼を抱きしめると、翼を広げて羽ばたき始めた。アランは、魔物と共に地面から浮かび上がる。彼は、引きつるような叫び声を上げる。魔物は、そのまま飛び始める。二人は、地面から見る見る離れていく。アランは、魔物にしっかりと抱きしめられている。
アランは絶叫した。彼のペニスから小便が漏れ出し、ズボンを濡らしていく。そのままアランは気を失った。
気が付くと、アランは寝台に横たわっていた。柔らかく滑らかな感触の寝台だ。彼が一度も体験した事の無い快適な寝台だ。アランは、ぼんやりと横たわっている。だが、自分の状況を思い出し、はね起きる。
部屋の中は、見た事の無い物だ。天井、壁、床は、赤紫色と桃色をしており、所々が黒く縁取りされている。天井はモザイクとなっており、子供っぽい模様が描かれている。室内調度は、黒色の物が多い。アランには奇矯に見える部屋だ。
その部屋の中に、彼を捕らえた魔物がいた。黒い翼を持った魔物は、黒い椅子に座って彼を見つめていた。アランは、魔物を食い入るように見つめる。魔物は、人の体に人とは違う体が合わさっている。魔物は人間の女の体をしており、それに吟遊詩人が歌うドラゴンの体が合わさったような恰好をしている。
アランはどうしたら良いのか、何を言えば良いのか分からない。戦場で殺されそうになったら、わけの分からない場所にいた。そして魔物につかまり、どこだか分からない場所に連れてこられた。その魔物は女だ。彼は混乱し、無言のまま見つめるしかない。
「お前に危害を加えるつもりは無い。怪我は手当てしておいた。そのついでに体を清めておいた。今、食事を持ってくる」
魔物女は、低いが良く通る声で言うと、椅子から立ち上がる。そして部屋から出て行った。
アランは、魔物女の言う事がよく分からない。危害を加えるつもりは無いという言葉は分かったが、言葉が上手く頭の中に納まらない。
ふと、彼は自分の下半身を見た。何もはいていない。アランは、自分が裸である事に気が付く。体を清めておいたという、魔物女の言葉を思い出した。彼の顔に血が上ってしまう。
少しして魔物女は戻ってきた。湯気の立つ皿が置いてあるトレイを持っている。彼女は、寝台のかたわらにおいてある台の上に置く。皿の中には、どろりとしたシチューのような物が入っている。
「まずは食べろ。体を回復させなければ、話にもならない」
皿からは、食欲をそそる匂いがする。アランは、おずおずと手を出す。スプーンでシチューをすくって口に運ぶ。
アランの口の中に快楽が走った。それは快楽としか言いようの無いものだ。彼が口にした事の無い刺激を与えてくれる。アランは、警戒心を忘れてシチューを食べていく。彼は、自分の目から涙が流れている事に気が付いていない。たちまちシチューを平らげる。
「今は、それだけにしておけ。急に食べると体を壊す」
魔物女は、皿を取り上げるとトレイに乗せた。そしてアランを寝台に寝かせる。
「もう少し休め。それから話をしよう」
アランは、無言のままうなずく。すでに状況を追う事が出来ない。ただ、彼女の言う通りにしか出来ない。
それから少しして、魔物女は話しを始めた。彼女はジュリアという名であり、ジャバウォックという種族の魔物だ。彼らがいる所は不思議の国のであり、彼女はその国の警備の仕事をしている。ジュリアは、アランを自分の家に連れてきたそうだ。
アランは、彼女の話を飲み込むのに苦労した。ジャバウォックも不思議の国の事も、彼は聞いた事が無い。そんな彼に対して、ジュリアはぶっきらぼうな言い方ではあるが丁寧に教えていく。
ジャバウォックは、不思議の国で暮らすドラゴンだ。元々は普通のドラゴンだったが、不思議の国の支配者である女王の手によって変えられたドラゴンだ。不思議の国とは、アランのいた世界とは違う世界に存在する国だ。彼のいた世界とは環境、そして状況が違う。住む者も違う。最大の違いは、魔力が満ち溢れており、それを女王の好みによって活用している事だ。その魔力の活用により、この世界の環境は創られている。住む者たちは、女王の魔力の影響を強く受けているのだ。
女王は、アランのいる世界の者たちを自分の国に引き入れている。アランは、女王の手によって不思議の国に引き込まれたのだ。一度不思議の国に入った者は、女王が許可しなければ出る事は出来ないのだ。
アランは、ジュリアの話を唖然としながら聞いた。話がうまく自分の中に入ってこないのだ。そんなアランを見て、ジュリアは彼に話が染み込む間を置く。次第に彼の中に話が染み込んでくる。そしてアランは愕然とした。自分が不思議の国から出られないと言われた事を、彼は分かったのだ。
ジュリアは、衝撃を受けているアランの体を抱き起した。彼女は、もがくアランを抱きしめる。「外を見せてやる」と言いながら、彼を抱きかかえながら外へ出る。
七色に変わる空の下で、草地の中に家が建っていた。ジュリアたちが居た家だ。そこから少し歩くと、彼女は足を止めた。アランをしっかりと抱きしめながら、「下を覗いてみろ」と言う。
彼らの先には、地面は無かった。遥か下方に大地がある。アランは、空を飛んだ時の事を思い出して震えだす。ジュリアは、彼の体を抱き寄せながら大丈夫だとなだめる。彼らの前方に巨大な岩が浮かんでいた。その岩の上には、建物が立っている。「この場所は、あの岩と同じく空に浮かぶ岩だ」ジュリアはそう言った。
これでアランは、不思議の国から出られない事が分かった。国から出る前に、この空に浮かぶ岩から出る方法が分からない。空を飛ぶには、翼のあるジュリアの手を借りなくてはならない。だが彼女は、自分の元で暮らせと言い張っている。
こうしてアランは、ジュリアと不思議の国で暮らす事になったのだ。
初めの頃は、アランは毎日を恐れながら暮らしていた。元いた世界とは違い過ぎるのだ。岩が空に浮かんでいて、その上で暮らすなどと想像した事も無かった。空を見上げれば、わけの分からない色に変わる。雲の色までおかしい。時々流星が降ってくるが、その流星には顔があって笑い声をあげているのだ。アランは、自分の気が狂ってしまったのではないかと悩む日々だった。
彼は、ジュリアの警備の仕事を手伝う事になった。岩の上から周囲を監視し、訪れる者から話を聞く。あとはジュリアの身の回りの世話だ。ジュリアと暮らして世話をしていると、彼女が人ならぬ魔物だと実感させられた。彼女の背についている触手が自分にすり寄ってきた時は、危うく飛び跳ねそうになった。
彼らが住む岩を訪れる者たちも、人間とは違う者だ。よく訪れる者は、桃色の翼を持つ魔物娘であるジャブジャブだ。彼女たちの外見も人間離れしているが、行動も人間とは違う。ある時など、自分の伴侶と交わりながら飛んできた。羽ばたくジャブジャブに男が抱き着き、ペニスを中に突っ込んでいた。二人は激しく腰を動かしながら、フラフラと飛んできたのだ。
ジュリアと同じジャバウォックが訪れる事もある。彼女は、ジュリアとは別の地域の警備をしている。二人は、魔術による通信で情報交換をしている。だが、時々直接会って情報交換するのだ。仕事に関するまともな話をしていたかと思うと、伴侶に体中を精液まみれにされた事を自慢し始めるのだ。
アランは、この不思議の国とその住民には呆れてばかりいる。ただ、次第に居心地の良さを感じてきた。不思議の国に来てからは、なめらかな肌触りの温かい服を着る事が出来る。寒さをしのげないぼろを着ていた昔とは違う。飢える事も無くなった。食事は、舌と胃に快楽を与える物だ。腹をすかしながら暮らしてきた農奴時代には考えられない事である。住む家も上等な物だ。彼の住んでいた隙間風の入るぼろ小屋とは違う。
アランの過去は、寒さに凍え、飢えに苦しむ日々だ。過酷な労働を強要され、暴力を叩き付けられる日々だ。疫病が流行れば、神に祈る事しか出来ない境遇だ。そんな過去とは、不思議の国での暮らしは違う。アランは、今の生活が素晴らしいと体で分かったのだ。
そして性欲を満たす事も出来るようになった。ジュリアは、アランと同じ寝台に寝る。アランが介抱されていた寝台は、ジュリアの寝台なのだ。他に寝る場所は無いかと、アランは起き上がる。だが、ジュリアはドラゴンのたくましい腕で引き寄せ、無理やり一緒に寝るのだ。
共に寝るうちに、アランは下半身が落ち着かなくなった。人間離れした外見だとは言え、官能的な肢体を持った美女が隣に寝ているのだ。彼女からは、情欲をそそる甘い匂いがする。アランのペニスは、固くそそり立つ。
共に寝るようになって半月した時に、ジュリアは彼の硬いペニスを右手で愛撫した。
「これだけ硬くなっているのに、何もしないのか?」
彼女は、唇を舌で舐めながら言う。
アランは限界だった。何も言わずにジュリアに覆いかぶさる。ジュリアは、彼を抱き寄せる。アランは、そのまま彼女の体を貪った。焦っている上に経験のない彼を、ジュリアは落ち着いて誘導する。そうして二人は欲望を貪りあう。
この日から二人は、毎日のように体を貪りあった。アランは、歓喜の只中にある。彼は、農奴だったころ女を抱けなかった。彼には伴侶が無く、体を許す女もいなかった。農奴の身で娼婦を買う金も無い。徴兵された時、指揮官が陣地にいる娼婦を抱く事を許可した事があった。だが、娼婦のいる小屋の前まで行くと、古参兵に叩きのめされて追い払われた。アランにとっては、ジュリアが初めての女だ。
アランは、ジュリアを並外れて淫らな女だと思っている。他の女を知らないから比較しにくいが、彼女の性に対する貪欲さは尋常ではない。ジュリアは、毎日のように性の交わりを求めてくる。そして様々な性技を試そうとする。その技は、アランが想像した事すらないものばかりだ。ジュリアは彼を挑発し、自分に襲い掛からせる。全身を白濁液で汚されながら、微笑んでいるのだ。その姿を見ると、アランの体に歓喜の震えが走る。
もはや、アランは不思議の国を出る気は無くなっていた。以前いた国とは、段違いの素晴らしい境遇だ。元の世界には何の未練もない。不思議の国での安楽な生活、そしてジュリアとの快楽の日々が彼にとって至上のものなのだ。
快楽を貪りあった後、アランは一刻ほど寝た。そして強壮剤の入った飲み物を飲む事により、アランはようやく体力を回復した。彼は、なんとか仕事を再開する。アランが休んでいる間も、ジュリアは仕事をしていた。疲れている様子はない。彼女の体力は、彼とは段違いだ。
アランは仕事を再開したが、時折ふらついてしまう。インキュバスでも、荒淫を貪った後では疲労する。ジュリアは、笑いながら彼を支える。
「困ったものだな。ジャバウォックを相手にするのならば、この程度でへたり込んでは話にならないぞ」
アランは反論しようとするが、疲れるから止める。
「仕事が終わったら、風呂で遊ぼう。新しい技を試してみたい。それが終わったら、寝台でお前を貪ってやろう。夜は長いぞ」
ジュリアは、アランの耳に熱い息と言葉をかける。アランは、思わずへたり込みそうになる。確かに、ジュリアを相手にするのならば、並外れた体力と精力が必要だな。彼は、声に出さずに言う。
精力をたっぷりと搾り取られている男は、淫らなドラゴンに抱きしめられていた。
アランは、空から目をそらした。彼は警備の仕事をしているのであり、空を見ていなければならない。だが、見続ければ目がおかしくなりそうだ。時々、目をそらさなくてはならない。
前方には大型の岩が浮いており、その上には建物が建っていた。鳥の魔物であるジャブジャブたちが住んでいるのだ。彼女たちは、アランに向かって桃色の翼を振って挨拶をする。彼も手を振り返す。アランのいる警備所は、ジャブジャブの家同様に空に浮かぶ岩の上に建っている。彼は、そこで警備をしながら暮らしているのだ。
「今のところ異常はないな」
アランの同僚が言った。彼女は、辺りを睥睨している。
「俺には異常だらけに見えるけれどな」
アランは苦笑する。彼は、よその国から流れてきた。この「不思議の国」の日常は、彼にとっては狂気に見える。
彼は、同僚である女を見た。赤紫色の長い髪を持ち、褐色の肌をした大柄な女だ。彫の深い顔立ちをした美女であり、豊かな胸の目立つ肉感的な体をしている。ただ彼女の特色は、それらでは無いだろう。
彼女は、赤色と黒色の角を頭から生やしていた。背には赤と黒の翼が生えており、尻からは黒い尻尾を生やしている。手足は、爬虫類のような鱗で覆われ、赤い爪を生やしている。極めつけは、背から二本の赤紫色の触手が伸びており、それらには口が付いているのだ。
アランは、この魔物そのものの姿をした女の背に左手を回した。彼女は、アランを一瞥する。彼は、そのまま背から腰にかけて撫でる。そして尻を愛撫する。
「痴れ者め。仕事の最中だぞ」
「いつもの事だ。お前だってやりたいだろ」
アランは、尻を揉み解しながら言う。
翼と触手を持つ女は、爬虫類の怪物を思わせる右手を伸ばした。アランの股間に手を当て、ゆっくりと揉み解す。人間離れした手だが、巧みな技によりアランに快楽を与える。
人間の男と魔物の女は、七色の空の下で互いの体を愛撫し合っていた。
アランの暮らす「不思議の国」は、人間たちの暮らす普通の国とは違う。魔力が満ちあふれた国であり、その魔力を異常な形で活用している国だ。人間たちの暮らす国では考えられない事が起こる。
空は七色に輝き、色のついた雨が降り注いでくる。オレンジ色の空からオレンジ色の雨が降っていたかと思うと、紫色の空に変わって紫色の雨が降る。雨が止むと虹の橋が出来て、空に浮かぶ岩と岩を橋渡しする。猫やウサギの耳のついた女たちが、虹の橋を談笑しながら渡っているのだ。
地を見渡すと、豊かな木々ときれいな花畑がある。そこでは歌が響き、踊る者たちがいる。ただ、歌い踊る者が人間とは限らない。赤い花や青い花が合唱し、緑の木々が踊っているのだ。銀色に光っているバラが恋の歌を歌い、青色の葉をした木が飛び跳ねながら体をひねって踊る事も珍しくは無い。
この不思議の国には、人間たちが大勢暮らしている。それ以上に多いのが魔物たちだ。紫色と黒色の耳と尻尾を持った女が歩いている。猫の魔物娘チェシャ猫だ。赤色の長い耳を持ち、桃色の獣毛に覆われている足をしている女が飛び跳ねている。ウサギの魔物娘であるマーチヘアだ。彼女たちのような者は、この不思議の国では当たり前の存在だ。
この奇矯な国で、アランは警備の仕事についている。共に警備をしているのは、ジャバウォックという魔物であるジュリアだ。ジャバウォックとはドラゴンの一種である。角と翼を生やし、強靭な肉体を持っている。体だけではなく優れた頭脳の持ち主であり、不思議の国では高位の魔物として知られている。
二人は、空に浮かぶ岩の上に立っている家に住み、そこから周辺の地域を警備している。ジュリアは、優れた飛翔能力を持っており、住処から広い地域を監視する事が出来る。彼女の働きによって、地域の治安は守られているのだ。
ただ、他の国から見れば、治安が保たれているとは言えないかもしれない。ジャブジャブは、空を飛びながら伴侶と性の交わりをしている。空に浮かぶ数々の岩の上では、チェシャ猫やマーチヘアが飛び跳ねながら性技をひけらかしている。地上では、キノコの魔物であるマッドハッターが、お茶会の場で踊るような動作で性の快楽に耽っているのだ。これらは、不思議の国では問題になるどころか推奨されている。
アランたちも、不思議の国の日常に染まっている。二人は、所かまわず快楽に耽っているのだ。ジュリア達ジャバウォックは、高慢である事で知られるドラゴンだ。だが、不思議の国の女王の手により、普通のドラゴンとは違う性質になっている。他を圧倒する淫らさを持ち、それを誇示する事を誇る存在となっているのだ。
アランは、ジュリアの口に吸い付いていた。彼女の唇を舐め回し、口の中に舌をもぐり込ませる。ジュリアは、彼に応えて舌を絡ませる。二人の舌が絡み合い、二人の口から唾液がこぼれる。
アランの舌は、ジュリアの口からの周りを舐め始めた。そのまま彼女の顔を舐めていく。アランの舌は下りていき、豊かな胸を舐めていく。彼女は、赤色と紫色のドレスのような服を着ている。だが、その服は露出している部分が多く、彼女の胸はかなりの部分があらわとなっている。アランは彼女の服をずらして、かろうじて隠れていた乳首をむき出しにする。そうして左に乳首に吸い付く。
ジュリアは低く声を上げた。その声には艶があり、アランの欲情をかき立てる。ジュリアは香水をつけている。その重く感じる甘い香りは、彼女の体の匂いと混じり合って官能的な香りとなっている。アランは、彼女の胸に顔を埋めながら香りを嗅いだ。ジュリアは、彼の頭を愛撫するように抑えている。
アランは、顔を右に移していった。ジュリアの左腋に顔を押し付け、その甘酸っぱい匂いを嗅ぐ。そして舌を這わせて味わう。彼女は、くすぐったそうに身をよじりながら、彼の顔を腋に挟み込む。
しばらく腋を舐め回した後、アランは舌をジュリアの脇腹へと下ろしていった。身をよじる彼女の体を抑えて、彼女の服を引き下ろしていく。むき出しになった腹に顔をすり寄せる。鍛えられた腹筋の上に脂肪がついており、肉感的な腹をしている。アランは、その腹に頬ずりをして舌を這わせていく。
アランは、ジュリアの服を脱がせて下腹部を露わにした。黒いひものような下着をつけている。ほとんど隠す役目を果たしておらず、彼女のヴァギナは見えている。赤紫色の毛に飾られたヴァギナは、透明な蜜を溢れさせていた。彼女の下腹部には熱気がこもっており、甘酸っぱい匂いが立ち込めている。
男の口は、淫らなドラゴンのヴァギナに吸い付いた。舌で肉襞を舐め回し、豆のような突起部を吸う。雌ドラゴンの体は、けいれんするように震え始めた。彼女の口からは、かすれた喘ぎ声が漏れる。男は、鼻息荒くして淫臭を嗅ぎながら、あふれる蜜をすする。
アランは、ヴァギナから口を離して立ち上がった。上着を脱ぎ捨てて、ズボンを引き下ろす。下履きをはぎ取るように脱いで、放り投げる。彼のペニスは、怒張して戦慄いている。ジュリアは、ペニスを食い入るように見つめた。
裸になってペニスを見せつけている男は、淫獣と言われるドラゴンの角をつかんだ。
「もうがまん出来ねえ。俺の前にひざまずけ。お前を嬲ってやる」
獣じみた男は角を引く。ジュリアは抵抗するそぶりをするが、それは形だけだ。彼女は、やすやすと彼の前にひざまずく。ジュリアの鼻先には、たぎり立ったペニスがある。その肉棒は、戦慄きながら先端から透明な液をあふれさせている。濃厚な臭いが彼女の鼻を犯す。魔物女は、陶然とした顔をした。その目は、霞がかかったようになる。鼻をうごめかして臭いを嗅ぐ。
男は、ジュリアの顔をペニスで嬲り始めた。ペニスを顔に押し付け、亀頭をこすり付ける。先走り汁を顔に塗り付けていく。
「この変態め!こんな臭い物で私の顔を汚す気か!」
「ああ、そうだ。お前の顔に臭いを付けてやる」
雄獣は、鼻息を荒くしながら言い放つ。ペニスをこすりつけて、彫の深い美貌を蹂躙していく。亀頭を押し付けて鼻をひしゃげさせ、唇を押し上げて歯をむき出しにさせる。亀頭で瞼を撫で、竿で頬をこする。ジュリアの褐色の顔は、先走り汁で滑り光る。
「まるで豚だな。鼻を鳴らしてみろよ」
男は、ペニスでジュリアの鼻を押し上げながら言う。
「誰がするか、この変態!こんな臭い物を押し付けるな!」
雌ドラゴンは、罵りながら自分の鼻を押し付ける。そして音を立てて臭いを嗅ぐ。彼女の鼻は、歪みながら濡れ光る。
「たまらねえ、出すぞ。お前の顔にぶちまけてやる」
男は、ペニスに力を入れて激しく蹂躙する。雌ドラゴンは、自分から顔を強く押し付けていく。ペニスと顔は、激しくこすれ合う。濡れた肌がこすれる音が響く。
男のペニスは弾けた。白濁液が褐色の顔にぶちまけられる。顔にぶち当たった精液が飛び散り、雌ドラゴンを汚していく。顔は精液で覆われていき、飛び散った精液は赤紫色の髪を汚す。顔から零れ落ちた白濁液は、褐色の胸に模様をつくる。
男はうなり声を上げながら、ペニスで白濁液を塗り広げた。傲然とした表情の似合う美貌を隅々まで汚していく。淫獣たる魔物女は、目をつぶりながら陶然とした顔をする。彼女の口からは熱い吐息が漏れる。
アランは、自分の前にひざまずくジュリアを据わった眼で見降ろしていた。彼女の顔からは、むせ返るような刺激臭が立ち上っている。アランの鼻と口からは荒い息が漏れる。射精したばかりのペニスを、彼女の口にこすり付ける。口はゆっくりと開いていく。白濁液で汚れた肉棒を、ジュリアの口の中に押し込む。
アランは、彼女の角をつかんで頭を抑えた。ペニスをゆっくりと出し入れして、舌にこすり付ける。ジュリアは、ペニスに舌を絡ませて舐め回す。精液を出したペニスは回復していき、固く大きくなっていく。アランは、彼女の頬の内側を亀頭で押す。右頬が亀頭の形に膨らむ。
ペニスを出し入れする動きが速くなった。男は、ジュリアの角をしっかりとつかんで腰を前後に動かす。奥へ突っ込むと、ペニスの根元が彼女の顔にぶつかる。男の陰毛が、女の鼻に叩きつけられる。ペニスは、舌を押しのけて喉を犯す。狭い喉の感触が男に快楽を与える。
激しい水音が響いた。雌ドラゴンは、ペニスを強く吸い始めたのだ。精液で滑り光る頬は、激しくくぼむ。口とペニスの間からは、よだれが飛沫となって散る。雌ドラゴンは激しく鼻息を出し、鼻についた精液が飛び散る。舌がペニスを強く舐め回す。
男の尻穴に、滑る感触が走った。雌ドラゴンの背についている触手が伸びて、男の尻にすり寄っていた。触手についている舌が、男の尻穴を舐め回している。巧みな舌技により、男の尻から背筋に震えが走る。
男の絶頂が再び近づいてきた。雄獣の腰の奥から、欲望が噴出しようとしている。「出すぞ」と雄獣は呻く。淫獣たる女は、激しくペニスを吸い上げる事で応える。
雄獣のペニスは再び弾けた。大量の精液が、雌ドラゴンの口の中に叩き込まれる。雄はペニスを喉に突っ込み、胃の中に向かって射精する。雌の鼻から白濁液が飛び出した。飲みきれなかった精液が出てしまったのだ。雄は精液を出し続け、雌の鼻からは精液が飛び出し続ける。
やっと射精が終わり、雄獣はペニスを引き抜いた。ペニスと口の間から、白濁液が飛び散る。淫獣たる女は大きく息をつき、口から刺激臭が放たれる。鼻で息をしようとしているが、濁った音が響いて鼻穴の白濁液が泡立つ。汚れた鼻には、アランの陰毛が張り付いている。雌は、繰り返し口から荒い息を吐き、精液の臭いを放つ。
アランは、やっと落ち着きを取り戻した。ジュリアの様子を気がかりそうに見つめる。そんな彼に対して、ジュリアは口の端を釣り上げて笑う。精液で滑るペニスを、豊かな胸の谷間に挟み込む。そして口から桃色の息をペニスに吐きかける。そのとたんに、ペニスはたちまち回復していく。
「この程度で終わるほど、お前は軟弱では無いはずだな」
雌ドラゴンの褐色の胸は、上下に動いてペニスを愛撫する。彼女を見下ろす男の息は荒くなった。
アランとジュリアは、繰り返し快楽に溺れた。彼は、彼女の体中をペニスで嬲った。ペニスを腋にこすり付け、腹に這わせた。ペニスを太ももの間に繰り返し挿入し、ペニスで尻を執拗に撫でまわした。そうして彼女の褐色の体に白濁液をぶちまけ、塗りたくったのだ。
そうしてジュリアの体中を汚した後で、彼女の中を汚した。正常位の体勢でジュリアを責め立て、彼女の子袋を精液で撃ち抜いた。ドラゴンの体を持つ魔物女を四つん這いにさせ、後ろから責めて膣を蹂躙した。そうして彼女の中を精液で汚したのだ。
射精し終わるたびに、ジュリアは桃色の息を吹きかけてきた。その息は媚薬効果があり、アランの精力をたちまち回復させる。アランを雄獣に変えてしまい、目の前の雌ドラゴンに飛びかからせるのだ。
ようやく性の交わりを終えた後、アランはジュリアに抱きしめられていた。力が入らないため、支えられていないと倒れてしまう。十四回も射精したのだ。ジュリアと交わる事でインキュバスとなった身でも、これだけ出せば疲れてしまう。
ジュリアの体は、精液でひどく汚れていた。顔は生渇きの精液で覆われ、胸はぬめり光っている。左腋も精液で濡れており、腹は所々が汚れている。ヴァギナからは白濁液があふれており、尻も精液で犯されている。彼女の体からは刺激臭が放たれており、彼女に抱きしめられていると臭いが叩き付けられる。だが、その臭いは、ジャバウォックを自分のものにしたような充実感をアランに与えるのだ。
ジュリアは、アランを抱きしめながら彼の顔を舐めていた。彼女の背から生えている触手の口からも舌が伸び、彼のペニスと右の太ももを舐めている。ペニスに付いている汚れは残らず舐め取られた。彼女に舐められていると、心地良さと安堵感が体に染み込んでくる。
アランは、ジュリアにもたれかかりながら過去を思い出していた。
彼は、元いた所では農奴だった。彼の住んでいた国は、大半の者が農奴だ。アランは、他の者同様に貧しい暮らしに苦しんでいた。領主の家来に殴られながら、畑を耕していた。出来た作物は、領主に容赦なく奪い取られていた。
そんな苦しい生活は、戦争が起こる事によりさらに悪化した。アランの国は、東の隣国に侵略をしたのだ。彼は無理やり徴兵されて、戦争に駆り出された。激しい暴力と共に、兵としての訓練は行われた。訓練後には、最前線に叩き込まれた。
敵国も農奴を兵に仕立て上げ、最前線に送り込んできた。農奴同士が殺し合いをしたのだ。にわか仕立ての兵は、敵味方関係なく次々に死んでいった。アランは、そのさまを目の当たりにした。彼自身、敵の農奴兵を殺してしまった。
耐えられなくなったアランは、戦場から脱走しようとした。農奴兵を監視する督戦隊の者がおり、この者たちに見つかってしまった。アランは逃げ回るが、督戦隊の者たちの方が兵としての能力が高い。捕まりそうになったアランは、無我夢中で槍を突き出す。その槍は、督戦隊の一人の腹に突き刺さった。
怒り狂った督戦隊の者は、アランをなぶり殺しにしようと襲いかかってくる。アランは追い詰められてしまう。無茶苦茶に槍を突き出すアランに対して、督戦隊の者たちは落ち着いて包囲し、槍を構える。
この時、突如七色の光があたりを覆った。その光に、アランは飲み込まれる。彼には状況が分からない。アランは、絶叫と共に光の中に飲み込まれた。
気が付くと、アランは花畑にいた。彼は辺りを見回す。空を見上げて、彼は腰を抜かしそうになる。空が緑色で、雲は水色に光っているのだ。そんな空は見た事が無い。彼は、狂ったようにあたりを見る。すると金色に輝く花が目に入る。まじまじと見つめるアランの前で、金色の花は歌いだした。
アランは、喚き声を上げながら駆け出す。その足は、突如止まった。彼は、目の前の草地を見つめる。桃色の草が生えた草地なのだ。彼の体は、疫病を患っているように震えだす。
彼の周りから軽やかな笑い声が上がった。何人もの女の笑い声だ。彼は、辺りを獣じみた目でにらみつける。女たちが姿を現した。猫の耳と尻尾を生やした女や、ウサギの耳と尻尾を生やした女がいる。ネズミの耳と尻尾を生やした女は、眠そうな目で彼を見つめている。彼女たちの着ている服は、見た事の無い奇矯な物ばかりだ。
アランは槍を構え、喚きながら突き出した。女たちは驚いたように飛び下がる。アランは、周りに槍を突き出して女たちを近寄らせないようにする。そのさまは、追い詰められた獣のようだ。魔物女たちは、困ったように顔を見合わせる。
その時、上空から羽ばたく音がした。アランは、音のする方を見上げる。彼の後ろ上から、黒い翼を持ったものが迫っていた。アランは目をむく。それは鳥では無い。人の体に翼が生えた者だ。
アランは、向きを変えて槍を突き上げようとする。だが、あせりから体勢を崩して転んでしまう。黒い翼を持った者は、鱗の生えた手で彼を抑え込む。翼を持った魔物は、もがくアランから槍を取り上げて放り投げる。アランは狂ったようにもがくが、魔物から逃れる事は出来ない。
魔物は彼を抱きしめると、翼を広げて羽ばたき始めた。アランは、魔物と共に地面から浮かび上がる。彼は、引きつるような叫び声を上げる。魔物は、そのまま飛び始める。二人は、地面から見る見る離れていく。アランは、魔物にしっかりと抱きしめられている。
アランは絶叫した。彼のペニスから小便が漏れ出し、ズボンを濡らしていく。そのままアランは気を失った。
気が付くと、アランは寝台に横たわっていた。柔らかく滑らかな感触の寝台だ。彼が一度も体験した事の無い快適な寝台だ。アランは、ぼんやりと横たわっている。だが、自分の状況を思い出し、はね起きる。
部屋の中は、見た事の無い物だ。天井、壁、床は、赤紫色と桃色をしており、所々が黒く縁取りされている。天井はモザイクとなっており、子供っぽい模様が描かれている。室内調度は、黒色の物が多い。アランには奇矯に見える部屋だ。
その部屋の中に、彼を捕らえた魔物がいた。黒い翼を持った魔物は、黒い椅子に座って彼を見つめていた。アランは、魔物を食い入るように見つめる。魔物は、人の体に人とは違う体が合わさっている。魔物は人間の女の体をしており、それに吟遊詩人が歌うドラゴンの体が合わさったような恰好をしている。
アランはどうしたら良いのか、何を言えば良いのか分からない。戦場で殺されそうになったら、わけの分からない場所にいた。そして魔物につかまり、どこだか分からない場所に連れてこられた。その魔物は女だ。彼は混乱し、無言のまま見つめるしかない。
「お前に危害を加えるつもりは無い。怪我は手当てしておいた。そのついでに体を清めておいた。今、食事を持ってくる」
魔物女は、低いが良く通る声で言うと、椅子から立ち上がる。そして部屋から出て行った。
アランは、魔物女の言う事がよく分からない。危害を加えるつもりは無いという言葉は分かったが、言葉が上手く頭の中に納まらない。
ふと、彼は自分の下半身を見た。何もはいていない。アランは、自分が裸である事に気が付く。体を清めておいたという、魔物女の言葉を思い出した。彼の顔に血が上ってしまう。
少しして魔物女は戻ってきた。湯気の立つ皿が置いてあるトレイを持っている。彼女は、寝台のかたわらにおいてある台の上に置く。皿の中には、どろりとしたシチューのような物が入っている。
「まずは食べろ。体を回復させなければ、話にもならない」
皿からは、食欲をそそる匂いがする。アランは、おずおずと手を出す。スプーンでシチューをすくって口に運ぶ。
アランの口の中に快楽が走った。それは快楽としか言いようの無いものだ。彼が口にした事の無い刺激を与えてくれる。アランは、警戒心を忘れてシチューを食べていく。彼は、自分の目から涙が流れている事に気が付いていない。たちまちシチューを平らげる。
「今は、それだけにしておけ。急に食べると体を壊す」
魔物女は、皿を取り上げるとトレイに乗せた。そしてアランを寝台に寝かせる。
「もう少し休め。それから話をしよう」
アランは、無言のままうなずく。すでに状況を追う事が出来ない。ただ、彼女の言う通りにしか出来ない。
それから少しして、魔物女は話しを始めた。彼女はジュリアという名であり、ジャバウォックという種族の魔物だ。彼らがいる所は不思議の国のであり、彼女はその国の警備の仕事をしている。ジュリアは、アランを自分の家に連れてきたそうだ。
アランは、彼女の話を飲み込むのに苦労した。ジャバウォックも不思議の国の事も、彼は聞いた事が無い。そんな彼に対して、ジュリアはぶっきらぼうな言い方ではあるが丁寧に教えていく。
ジャバウォックは、不思議の国で暮らすドラゴンだ。元々は普通のドラゴンだったが、不思議の国の支配者である女王の手によって変えられたドラゴンだ。不思議の国とは、アランのいた世界とは違う世界に存在する国だ。彼のいた世界とは環境、そして状況が違う。住む者も違う。最大の違いは、魔力が満ち溢れており、それを女王の好みによって活用している事だ。その魔力の活用により、この世界の環境は創られている。住む者たちは、女王の魔力の影響を強く受けているのだ。
女王は、アランのいる世界の者たちを自分の国に引き入れている。アランは、女王の手によって不思議の国に引き込まれたのだ。一度不思議の国に入った者は、女王が許可しなければ出る事は出来ないのだ。
アランは、ジュリアの話を唖然としながら聞いた。話がうまく自分の中に入ってこないのだ。そんなアランを見て、ジュリアは彼に話が染み込む間を置く。次第に彼の中に話が染み込んでくる。そしてアランは愕然とした。自分が不思議の国から出られないと言われた事を、彼は分かったのだ。
ジュリアは、衝撃を受けているアランの体を抱き起した。彼女は、もがくアランを抱きしめる。「外を見せてやる」と言いながら、彼を抱きかかえながら外へ出る。
七色に変わる空の下で、草地の中に家が建っていた。ジュリアたちが居た家だ。そこから少し歩くと、彼女は足を止めた。アランをしっかりと抱きしめながら、「下を覗いてみろ」と言う。
彼らの先には、地面は無かった。遥か下方に大地がある。アランは、空を飛んだ時の事を思い出して震えだす。ジュリアは、彼の体を抱き寄せながら大丈夫だとなだめる。彼らの前方に巨大な岩が浮かんでいた。その岩の上には、建物が立っている。「この場所は、あの岩と同じく空に浮かぶ岩だ」ジュリアはそう言った。
これでアランは、不思議の国から出られない事が分かった。国から出る前に、この空に浮かぶ岩から出る方法が分からない。空を飛ぶには、翼のあるジュリアの手を借りなくてはならない。だが彼女は、自分の元で暮らせと言い張っている。
こうしてアランは、ジュリアと不思議の国で暮らす事になったのだ。
初めの頃は、アランは毎日を恐れながら暮らしていた。元いた世界とは違い過ぎるのだ。岩が空に浮かんでいて、その上で暮らすなどと想像した事も無かった。空を見上げれば、わけの分からない色に変わる。雲の色までおかしい。時々流星が降ってくるが、その流星には顔があって笑い声をあげているのだ。アランは、自分の気が狂ってしまったのではないかと悩む日々だった。
彼は、ジュリアの警備の仕事を手伝う事になった。岩の上から周囲を監視し、訪れる者から話を聞く。あとはジュリアの身の回りの世話だ。ジュリアと暮らして世話をしていると、彼女が人ならぬ魔物だと実感させられた。彼女の背についている触手が自分にすり寄ってきた時は、危うく飛び跳ねそうになった。
彼らが住む岩を訪れる者たちも、人間とは違う者だ。よく訪れる者は、桃色の翼を持つ魔物娘であるジャブジャブだ。彼女たちの外見も人間離れしているが、行動も人間とは違う。ある時など、自分の伴侶と交わりながら飛んできた。羽ばたくジャブジャブに男が抱き着き、ペニスを中に突っ込んでいた。二人は激しく腰を動かしながら、フラフラと飛んできたのだ。
ジュリアと同じジャバウォックが訪れる事もある。彼女は、ジュリアとは別の地域の警備をしている。二人は、魔術による通信で情報交換をしている。だが、時々直接会って情報交換するのだ。仕事に関するまともな話をしていたかと思うと、伴侶に体中を精液まみれにされた事を自慢し始めるのだ。
アランは、この不思議の国とその住民には呆れてばかりいる。ただ、次第に居心地の良さを感じてきた。不思議の国に来てからは、なめらかな肌触りの温かい服を着る事が出来る。寒さをしのげないぼろを着ていた昔とは違う。飢える事も無くなった。食事は、舌と胃に快楽を与える物だ。腹をすかしながら暮らしてきた農奴時代には考えられない事である。住む家も上等な物だ。彼の住んでいた隙間風の入るぼろ小屋とは違う。
アランの過去は、寒さに凍え、飢えに苦しむ日々だ。過酷な労働を強要され、暴力を叩き付けられる日々だ。疫病が流行れば、神に祈る事しか出来ない境遇だ。そんな過去とは、不思議の国での暮らしは違う。アランは、今の生活が素晴らしいと体で分かったのだ。
そして性欲を満たす事も出来るようになった。ジュリアは、アランと同じ寝台に寝る。アランが介抱されていた寝台は、ジュリアの寝台なのだ。他に寝る場所は無いかと、アランは起き上がる。だが、ジュリアはドラゴンのたくましい腕で引き寄せ、無理やり一緒に寝るのだ。
共に寝るうちに、アランは下半身が落ち着かなくなった。人間離れした外見だとは言え、官能的な肢体を持った美女が隣に寝ているのだ。彼女からは、情欲をそそる甘い匂いがする。アランのペニスは、固くそそり立つ。
共に寝るようになって半月した時に、ジュリアは彼の硬いペニスを右手で愛撫した。
「これだけ硬くなっているのに、何もしないのか?」
彼女は、唇を舌で舐めながら言う。
アランは限界だった。何も言わずにジュリアに覆いかぶさる。ジュリアは、彼を抱き寄せる。アランは、そのまま彼女の体を貪った。焦っている上に経験のない彼を、ジュリアは落ち着いて誘導する。そうして二人は欲望を貪りあう。
この日から二人は、毎日のように体を貪りあった。アランは、歓喜の只中にある。彼は、農奴だったころ女を抱けなかった。彼には伴侶が無く、体を許す女もいなかった。農奴の身で娼婦を買う金も無い。徴兵された時、指揮官が陣地にいる娼婦を抱く事を許可した事があった。だが、娼婦のいる小屋の前まで行くと、古参兵に叩きのめされて追い払われた。アランにとっては、ジュリアが初めての女だ。
アランは、ジュリアを並外れて淫らな女だと思っている。他の女を知らないから比較しにくいが、彼女の性に対する貪欲さは尋常ではない。ジュリアは、毎日のように性の交わりを求めてくる。そして様々な性技を試そうとする。その技は、アランが想像した事すらないものばかりだ。ジュリアは彼を挑発し、自分に襲い掛からせる。全身を白濁液で汚されながら、微笑んでいるのだ。その姿を見ると、アランの体に歓喜の震えが走る。
もはや、アランは不思議の国を出る気は無くなっていた。以前いた国とは、段違いの素晴らしい境遇だ。元の世界には何の未練もない。不思議の国での安楽な生活、そしてジュリアとの快楽の日々が彼にとって至上のものなのだ。
快楽を貪りあった後、アランは一刻ほど寝た。そして強壮剤の入った飲み物を飲む事により、アランはようやく体力を回復した。彼は、なんとか仕事を再開する。アランが休んでいる間も、ジュリアは仕事をしていた。疲れている様子はない。彼女の体力は、彼とは段違いだ。
アランは仕事を再開したが、時折ふらついてしまう。インキュバスでも、荒淫を貪った後では疲労する。ジュリアは、笑いながら彼を支える。
「困ったものだな。ジャバウォックを相手にするのならば、この程度でへたり込んでは話にならないぞ」
アランは反論しようとするが、疲れるから止める。
「仕事が終わったら、風呂で遊ぼう。新しい技を試してみたい。それが終わったら、寝台でお前を貪ってやろう。夜は長いぞ」
ジュリアは、アランの耳に熱い息と言葉をかける。アランは、思わずへたり込みそうになる。確かに、ジュリアを相手にするのならば、並外れた体力と精力が必要だな。彼は、声に出さずに言う。
精力をたっぷりと搾り取られている男は、淫らなドラゴンに抱きしめられていた。
18/08/16 19:42更新 / 鬼畜軍曹