不確かなる者
バーナードは薬草を取りに来ていた。彼の住む開拓地の東側に川が流れている。その川を少しさかのぼれば、薬草が生えている所があるのだ。開拓地で医者を務めているユニコーンに、薬草を取ってくる事を依頼されたのだ。
幸い、畑仕事の区切りがついたから来る事が出来た。バーナードは、ユニコーンの世話になった事がある。彼は、世話をしてくれた者の依頼はなるべく断りたくはない。
バーナードは、薬草を取り終わると川に近づいた。川面は、日光を反射して白く輝いている。薬草を入れた籠を下ろすと、顔や手足を洗い始めた。水の流れは、彼の熱を持った足を気持ち良く冷やしてくれる。バーナードは心地良げにため息をつく。
バーナードの右後ろの草が鳴った。彼は勢いよく振り返る。深緑の草間に、褐色の女の顔があった。女は、何も言わずに金色の瞳で彼を見つめている。バーナードは、薬草を切るのに使った小刀に手を伸ばす。
男と女は、無言のままにらみ合った。
女は無言のまま動かなかった。ただ、金色の瞳でバーナードを見つめている。こいつは人間では無いな、魔物だな。バーナードは、彼女の瞳を見つめながらそう考える。この辺りで正体不明の魔物が出ると、開拓地の者が言っていた事を思い出す。
出るというだけで被害はない。だから、バーナードは大して警戒していなかった。だが、それは誤りだったと考えている。この無言のまま見つめてくる魔物は、迫力があるのだ。大型の肉食獣を前にしたような感覚だ。バーナードは、小刀を強く握りしめる。
魔物女は、いきなり動き出した。草から体を出し、バーナードの前に全身を露わにする。彼はとっさに飛びのき、小刀を構える。魔物女の姿を見た時、彼はうめき声を上げてしまった。
上半身は人間の女だが、下半身は蛇の体だ。ラミアと似ているが、ラミアよりもかなり大きい。鬼の魔物娘であるオーガを思わせるほどだ。手は白い獣毛で覆われ、蛇体にも鱗があるべき場所が白い獣毛で覆われている。その異様な姿の魔物は、黒目で覆われた金色の瞳でバーナードを見据えている。
こいつはまずいな。話が通用しねえんじゃねえのか?バーナードは無言でつぶやく。彼は後ずさりをする。
魔物女は前に出た。いきなり距離を詰められる。バーナードは小刀を前に突き出す。魔物女は止まり、彼をじっとにらみつける。にらみ返すバーナードの顔には脂汗が浮かぶ。
「あ、あ、あ、あああっ…」
魔物女は声を出した。女にしては低音だ。バーナードは、体を震わせながら小刀を握り締める。魔物女は、言葉になっていない声を出し続ける。
「あ、あの、あの、あの…」
バーナードは、魔物女を怪訝そうに見つめた。もしかして魔物女は話をしたいのではないかと、やっと気が付く。
「何が言いたいんだ」
バーナードが話しかけると、魔物女は体を震わせる。そして険しい表情で彼を見つめる。
「あ、あの、だか、だから、あの…」
彼女の険しい表情は、バーナードに襲い掛かりそうに見える。だが、言葉を注意して聞けば、襲い掛かるとは限らないように思える。
「俺はバーナードという者だ。あんたの名前は?」
「えっ、あっ、その、ああ、バーナード、名前?」
バーナードは唇を噛みしめる。この魔物女に害意は無いかもしれない。だが、話がきちんと通じているのか分からない。
「ワワラグ、あの、そ、そのワワラグ、名前、私の…」
「そうか、あんたの名前はワワラグというんだな」
魔物女は、首を何度も縦に振る。
どうやら魔物女に害意は無いらしい。そう分かったバーナードは、少し警戒を解く。
「俺は、この辺りに薬草を取りに来たんだ。あんたの縄張りに踏み込んでしまったのならば謝るよ。ただ、薬草はもらえないかな」
「い、い、い、いい、いいよ。持って行って…」
「ありがとう」
バーナードは礼を言うと、ワワラグと名乗った魔物女に背を向けようとする。
魔物女は、いきなり突進してきた。バーナードは、反射的に小刀を突き出す。小刀は弾き飛ばされ、銀光を放ちながら宙を舞う。バーナードは地に倒される。魔物女は彼を抱きしめていた。
「な、何のつもりだ!」
「ご、ご、ごめん。で、でも、行かないで…」
「放せよ!」
「ご、ごめん。で、で、でも、行かないで…」
バーナードは、ワワラグの柔らかい感触に包まれた。ワワラグは、胸などをわずかに隠した格好であり、彼女の肌がじかに触れている。バーナードは、彼女の感触に陶然としそうになる。
だが、いきなり抱きしめられて、そのままでいるわけにはいかない。バーナードは、ワワラグを振り放そうとした。だが、人間離れした力で抱きしめられており、振り放す事は出来ない。それどころか、バーナードは息苦しくなってきた。
「は、放せ!お、俺を絞め殺すつもりか!」
「え、え、ええっ?わ、わ、わわわっ、わわわわっ!」
ワワラグは、バーナードが唇をけいれんさせながら喘いでいる事に気が付いた。慌てて力を緩める。だが、バーナードはぐったりとして倒れた。
「わ、わ、わわ、わわわっ!ど、どうしよう!ど、どうすれば…」
ワワラグは、慌てながらバーナードを介抱する。だが、彼はぐったりとしたままだ。
一刻後に、バーナードは目を覚ました。体に別条は無いようだ。ワワラグは、薬草を煎じて彼に飲ませる。憮然とした表情で飲む彼に、ワワラグは這いつくばりそうな様子で謝り続けた。
バーナードは、ため息交じりに許した。そして、また会いに来る事を約束する。ワワラグは食いつきそうな顔をして、しどろもどろの言葉で感謝した。そのまま、また抱きしめそうにする。
バーナードは何とか彼女を止めると、別れの言葉を告げて立ち去った。
開拓地に戻ったバーナードは、そこで働いている一人のラミアと話をした。ワワラグの姿はラミアに近いものであり、ラミア属の魔物娘ではないかと考えたのだ。ラミアならば、ワワラグの事について知っているのではないかと考えたのだ。バーナードは、ワワラグの容姿や言動、出現した場所について話してみた。
推測した通り、ラミアはワワラグについて知っていた。ワワラグは、バニップという魔物娘なのだそうだ。ラミアと同じような姿だが、ラミアよりも大型の魔物娘だ。ラミア属の魔物娘の中では異例だが、手や蛇体に獣毛が生えている。川や湖などの水辺で暮らしているそうだ。
ただ、バニップは不明な所の多い魔物娘であり、ラミアでも分からない所があるのだそうだ。話してくれているラミアは、バニップとは数年前に開拓地近くで会った。それ以来、お互いに物々交換したり、話をするようになったそうだ。ただワワラグは、自分の事をあまり話さない。ラミアは開拓地に来るように誘っているが、ワワラグは来ようとはしないそうだ。
バーナードは、ワワラグの言動を思い浮かべた。確かに、あの有様だとまともに交流する事は難しいだろう。開拓地に誘っても来ないかもしれない。その一方で、バーナードを引き留めようとして、また会う事を約束させた。人と交流する気はあるが、まともに交流する事は出来ないのだろう。
バーナードは、ラミアに礼を言うと彼女から離れた。彼は、首をひねりながら開拓地を歩き回る。奇妙な女と知り合いになってしまった。魔物娘でさえもよく分からない魔物娘と顔見知りになったのだ。
魔物娘か…、数年前には同じ場所で暮らすとは思わなかったな。バーナードは、開拓地を見渡しながら声に出さずにつぶやく。開拓地には畑が広がり、そこでは人間と魔物が働いている。鬼の魔物娘オーガ、豚の魔物娘オーク、半人半馬の魔物娘ケンタウロスが働いている。建物の中に入れば、鍛冶の得意な単眼の魔物娘サイクロプスと出会えるだろう。これらの魔物娘は、人間と共に働いている。
魔物娘か…、面白い連中に会ったものだな。バーナードは苦笑した。
バーナードは、元は北にある国で暮らしていた農奴だ。領主の苛政に苦しんでいた農奴たちは、地代や賦役の減免を領主に訴えた。バーナードもその一人だ。領主は、訴えた農奴を根こそぎ捕らえて罪人とした。そして南にある流刑地に流した。
「罪人」たちは、船で流刑地へと運ばれた。劣悪な食料と衛生状態のために、流刑地に着く前に同じ船の「罪人」が何十人も死んだ。彼らの屍は海に捨てられた。流刑地に着くと、荒れ地で強制的に労働をさせられた。開拓のための土木工事に従事させられたのだ。この開拓地から上がる収益は、王と流刑にした領主、そして彼らと結び付いている商人のものになるのだ。
過酷な労働と劣悪な衣食住で、「罪人」は次々と死んだ。このままでは自分も死ぬと思ったバーナードは、看守を殺して流刑地を脱走した。荒れ地を駆け、草地を進み、道ならぬ道を進んだ。草や木の根を食べながら飢えをしのいだ。そのために下痢に苦しめられた。
脱走して11日後に、ついにバーナードは倒れた。そのまま野垂れ死ぬか、追っ手に嬲り殺しにされるところだった。彼は、計画的に逃げたのではなく、追い詰められて逃げ出したのだ。当然の結果だと言える。
だが、予想もしなかった者が彼を助けてくれた。手足に獣毛を生やし、狼のような耳と尻尾を生やした女が助けてくれた。彼女は、狼の魔物娘であるワーウルフだ。人間と魔物娘が共同で開拓している土地で暮らしており、ここには猟にやってきたそうだ。バーナードは、彼女から食料と薬を与えられた。そして彼女によって人魔の開拓地に連れてこられたのだ。
バーナードは、開拓地に受け入れられてそこで働くこととなった。元農奴だったために、農業については知っている。だが、故郷とは環境が違うために苦労した。開拓地の人間や魔物娘の助けを得て、何とか仕事をこなして暮らしてきた。
バーナードは、時間を作ってワワラグに会いに行くようになった。表向きの口実は、開拓地で医者をしているユニコーンが、ワワラグの住処付近に生えている薬草を欲しがっているからだ。薬草の代価として、開拓地の衣類や食料をワワラグに渡す。
本当の理由は、バーナードが彼女と会いたいからだ。バーナードは、女と一緒に居たいのだ。開拓地には魔物娘などの女はいるが、バーナードの回りの女はいずれも男がいた。バーナードは手を出すわけにはいかない。それで、わざわざワワラグの所まで来ているのだ。
魔物娘の実年齢は分かりにくいが、ワワラグは若いように見える。彼女は、不愛想な表情だが整った顔立ちだ。その顔を白銀色の髪が飾っている。大柄な体は豊かな胸が目立ち、官能的な魅力がある。褐色の肌は、彼女に健康的な魅力を与えている。彼女は露出度の高い服を着ており、その魅惑的な体を露わにしていた。健康な男であるバーナードにはたまらない体だ。下半身の蛇体も、バーナードには魅力的に映る。
ワワラグは、おかしな言動をするが温厚で気の良い性格だと分かった。初めは、彼女の話し方の拙さから白痴ではないかと疑った。だが、話をしているうちに彼女は理知的だと分かった。動じやすいために言葉の配列がおかしくなってしまうのだ。そして素性がよく分からない魔物娘だという事は、バーナードの好奇心を刺激した。
ワワラグは、自分の所に来るバーナードを歓迎した。一見すると喜んでいるとは思えない表情だが、ぎこちない動作や言葉の中には彼に対する歓迎が現れている。そして時折変わる表情からも、彼の来訪を喜んでいる事が分かった。魅力のある女が自分を歓迎する事は、バーナードには嬉しい事だ。
バーナードは、ワワラグと話をした。ぎこちない上にしどろもどろになりがちな彼女の話に合わせる。そうして彼女の事を知ろうとする。
ワワラグは、話せば話すほど不思議な女だ。彼女の話す言葉は、バーナードの国の言葉と同じだ。だが、彼女の故郷がバーナードと同じだとは限らない。彼女の発音は、バーナードの国の者とは違うのだ。
ワワラグについて教えてくれたラミアは、現地の魔物娘かもしれないと言っていた。移住してきた魔物娘の中には、バニップはいないそうだ。そもそもバニップの生息地は、川や湖に住むという事くらいしか分からないらしい。
ワワラグは、この地で生まれ育った魔物娘だろうか?移住してきたバーナードの故郷の者から言葉を教わったのだろうか?この地は、バーナードの国にとっては流刑地だ。罪人が逃亡して隠れて暮らし、その者からワワラグが言葉を教わったという事はあり得る。
ワワラグに直接聞いてみたが、明確な答えは無かった。
「ああ、あの、それ、それについては、その、色々あって…。ど、どう言ったらいいかな?うまく話せない、話せない事がある。だ、だめ、ご、ごめん…」
結局、事情を聴く事はあきらめるしかなかった。
ワワラグは、正体が不明な魔物娘だ。もし彼女が人間だったら、バーナードはそのような怪しげな者からは離れようとするだろう。だが、彼女は魔物娘だ。バーナードは、魔物娘ならば信用する。
バーナードは、故郷の人間たちを思い出した。農奴を虐げる権力者とその犬、農奴でありながら農奴を虐げる者たちばかりだ。そして囚人船や流刑地にいた人間を思い出す。あれをけだものと言ったら、けだものに失礼だろう。
魔物娘は人間とは違った。行き倒れていたバーナードを、見返りを求めずに助けて自分たちの所へ受け入れてくれた。バーナードが暮らしていけるように様々な配慮をしてくれた。ワワラグと会い続けているうちに、彼女は開拓地の魔物娘と同じような性質だと分かってきた。それならば、ワワラグと共にいたい。
バーナードは、正体の分からない魔物娘の前でくつろいでいた。
バーナードは、座っていた草から立ち上がった。ワワラグとの話は一区切りつき、そろそろ開拓地に戻った方が良い時間だ。日暮れまでには帰りたい。また来る事を約束して、ワワラグに別れを告げる。
風を切る音がしたかと思うと、バーナードは地面に押し倒されていた。ワワラグが彼に圧し掛かっている。バーナードは、彼女の相変わらずの素早さと唐突さに呆れる。
「いい加減にしてくれ!いきなり押し倒したり、抱き付いたりしないでくれと言っただろ」
「わ、わ、わか、分かっている。でも、でも、もうがまん出来ない」
いいからどいてくれ、とバーナードは言おうとした。その口を、ワワラグは自分の口でふさいだ。柔らかく滑った感触が、バーナードの口に押し付けられる。人ならざる長い舌が、彼の口の中に潜り込んでくる。舌は舌と絡み合い、唾液を流し込んでくる。
ワワラグの口が離れた。舌が口から引き抜かれて、唾液が飛び散る。ワワラグは、上気した顔でバーナードを見つめている。
「も、も、もっと、一緒に居たい。だ、抱きしめたい。く、く、口付けもしたい。が、がまん出来ない!」
ワワラグは早口でまくし立てた。バーナードを抱きしめている腕に力を入れると、頬ずりをしてくる。バーナードの無精ひげの映えた頬に、なめらかな頬を押し付けてくる。
バーナードは、自分の体の奥から欲情がわき上がってくるのを自覚した。体の大半を露わにした女が、自分を抱きしめているのだ。豊かな胸の弾力となめらかな肌の感触が伝わってくる。ワワラグは、蛇体をバーナードに巻き付けていた。彼女の獣毛は、極上の毛並みである事が分かる。バーナードの体は快感に浸ってしまう。
「バ、バーナードはしたいんだね。か、固くなっているよ」
ワワラグの言う通り、バーナードのペニスは硬くなっていた。ズボン越しに彼女の腹を押し上げている。ワワラグは、バーナードの服を脱がし始める。
「ねっ、ねっ、し、しよう。わ、私としよう。き、気持ちのいいことをしよう」
ワワラグの手つきは、脱がすというよりは引き剥がすという手つきだ。彼女の目は座っており、唇と頬はけいれんしている。
「ヒャウッ!」
ワワラグは悲鳴を上げた。バーナードの手が彼女の胸を揉んでいるのだ。胸をわずかに隠していた服がずらされ、乳首をつまんでいる。
「よし、たっぷりと気持ちいいことをしよう。今さらやめると言うなよ」
バーナードは、胸を揉み解しながら彼女の首筋をなめた。少し汗の匂いと味がしたが、それは彼の欲情をかき立てる。バーナードは、犬のように鼻を鳴らしながら匂いをかぐ。そのまま顔を下げていき、胸に顔を埋めながらなめ回す。そのまま顔を右にずらして、彼女の腋に舌をはわせる。
「わ、わ、わ、わっ!だ、だ、だめっ!そ、そこ、汚い!」
ワワラグは、悲鳴のような声を上げた。だがバーナードは、わざとらしく鼻を鳴らして匂いをかぎ、舌を執拗にはわせる。ワワラグは、かすれた声を上げながら目をさ迷わせる。
バーナードは立ち上がり、ズボンをはぎ取るように脱いだ。そして怒張したペニスをワワラグの鼻先に突き出す。ワワラグは、目を見開いたまま固まってしまう。
「なあ、俺のチンポを胸ではさんでくれないか」
ワワラグは、何を言われたのか分からないようだ。バーナードの顔とペニスを交互に見る。彼がもう一度言うと、ぎこちない態度でペニスを胸ではさむ。バーナードは、彼女の手の上から胸をつかむ。そしてしっかりとペニスを胸にはさませて、腰を前後に動かしてペニスで胸を蹂躙する。
ワワラグは戸惑ったような、困ったような顔をしていた。胸から顔を出す亀頭を見つめたり、鼻先を突こうとする亀頭から逃げようとしたりする。鼻先に漂う雄の臭いをかいで、変な声を上げたりする。
バーナードは、快感にあえいでいた。ワワラグの胸は豊かであり、そして肌はなめらかだ。亀頭の先端からは透明な液が漏れて、胸の谷間の汗と混ざる。それは、ペニスと胸の摩擦をなめらかなものとするのだ。ペニスから陰嚢、腰の奥にかけて快楽に支配される。
「な、なあ、このまま胸に出していいか?」
ワワラグは、わけが分からないという顔をした。だが、すぐに慌てた表情をする。
「ま、ま、待って!それは…、えーと…。い、いいよ。あ、でも、ちょ、ちょっと待って!」
だが、もう遅かった。バーナードのペニスは弾けてしまった。ペニスの先端から白濁液の塊が噴き出す。ワワラグの褐色の胸は白く汚れていく。勢い良く飛び出した白濁液は、彼女の鼻を直撃してしまう。ワワラグは悲鳴を上げる。
激しい射精が終わった後、バーナードは大きく息をついた。紅潮した顔で白く汚れたワワラグを見る。彼女は、鼻を鳴らしながら顔を振っていた。精液の臭いと感触で混乱しているようだ。
バーナードは、再びペニスを動かして胸を嬲り始めた。まだまだ、やり足りない。この魔物女の体を貪りたい。彼のペニスは、次第に回復していく。ペニスの先端から、白濁液交じりの先走り液をあふれさせる。
バーナードは、ワワラグの胸から離れた。そして彼女の下腹部に顔を近づける。そこは、褐色の人間女の腹と黒い蛇体の間にある。白い獣毛で覆われていて、彼女のヴァギナは見えない。だが、そこからはチーズのような匂いが漂ってくる。
男は、ワワラグの下腹部に顔を埋めた。柔らかい獣毛が彼の顔を包む。顔で獣毛をかき分けていくと、毛の根元が濡れている事がわかる。褐色の肉襞があり、そこから液がわき上がってきているのだ。
バーナードの舌は、魔物女の肉襞をなめた。その瞬間に、ワワラグの体は震える。舌をはわせるたびに震えが走り、肉襞からは液があふれてくる。バーナードは、そのねっとりとした液の味と匂いを貪る。
男は、顔を上げて腰を突き出した。ペニスは怒張して震えている。そのペニスを、バニップと言われる魔物娘の肉襞に押し当てる。ゆっくりと中へと沈めていく。
熱い肉襞がペニスを包み込んだ。濡れた肉襞はペニスを愛撫し、そして絞り上げる。その圧迫感は、ペニスに快感を叩きつけてくる。バーナードは、腰を動かしてワワラグの中を貪る。彼女に痛みを与えないようにゆっくりと動かす。だが、快楽に突き動かされて動きは早くなる。
ワワラグの腰が動き始めた。バーナードの動きに合わせようとする。そして上半身の人間の体と、下半身の蛇体で彼を抱きしめる。人間男の体を、全身で確かめようとする。
バーナードは絶頂に近づいた。ワワラグのヴァギナの気持ち良さに加えて、彼女のなめらかな肌と獣毛が快感を与えるのだ。精液で汚れた彼女の臭いは、男を欲望へと突き動かす。
「このままだと出てしまう。外に出すから離れてくれ」
だがワワラグは、さらに強く抱きしめた。ヴァギナはペニスを捕らえている。
「おい!このままだと中に出しちまう!放してくれ!」
「だ、出して!な、中に出して!」
バーナードは、これ以上は耐えられない。男のペニスは、魔物女の中で弾けた。子種汁を子宮へと叩きこむ。バーナードのペニスから頭頂へと快感が叩き付けられる。彼の全身が震え出す。その震えに魔物娘の震えが重なる。雄と雌は歓喜の声を上げる。
気が付くと、バーナードはワワラグの体に沈みこんでいた。ワワラグは、微笑みながら抱きしめている。ワワラグの肌と獣毛は、男の体を包んでいる。バーナードのペニスは、ワワラグの中に入ったままだ。彼は、深いため息をつく。
バーナードのペニスがしめ付けられた。ワワラグのヴァギナがしめ付けているのだ。バーナードは彼女の顔を見る。魔物女の顔は欲情に染まっている。
「ま、ま、まだ、出来るよね。が、が、がんばって。私、まだやり足りない。もっと、もっとしたい」
ワワラグは、バーナードを抱きしめていた。逃げる事は出来ない。魔物女は腰を動かして、男の体を貪り始める。
川辺には、人間男の喘ぎ声と魔物女の嬌声が響き渡った。
すでに日は落ちて、辺りは暗くなっていた。月が川を照らしている。バーナードは、繰り返しワワラグと交わった。お互いに満足するまで貪り合ったら、夜になってしまったのだ。夜に歩く事は危険であり、バーナードは開拓地に戻れない。今晩は、ワワラグと共にいる事にした。
ワワラグは、相変わらずバーナードを抱きしめていた。蛇体をバーナードに巻き付けて、腕で彼を抱きしめている。バーナードは、彼女の体の心地よさを堪能していた。特に、獣毛のなめらかさを楽しんでいる。ワワラグの体は、生渇きの精液で汚れている。だが、それはバーナードには、彼女を自分のものにしたような満足感を与えてくれる。
ワワラグは、嬉しそうに尾をゆすっていた。そのさまは大型犬のようだ。バーナードは、不器用な大型犬になつかれたような気がしている。
「あ、あ、あ、あの、あの…」
ワワラグは、突然話し始めた。いつもの事なので、バーナードは慣れている。どうした、と答える。
「こ、こ、これ、これから、ずっと、い、一緒に居られるかな?い、居たいんだけど」
ワワラグは、大柄な体を屈めながら上目遣いに見上げてきた。彼女の金色の瞳は、じっと見つめてくる。
「バ、バーナードは、開拓地で仕事がある。そ、それは知っている。で、でも、私も開拓地で暮らせばいい。め、迷惑?だ、だったら、バーナードはここで暮らせば…。でも、仕事が…。わ、私が開拓地に通う?バ、バーナードがここへ通う?で、でも、ずっと一緒に居たい。あ、あ、あ、無理、無理かな…」
ワワラグは、目をさ迷わせながらしどろもどろになって言った。
バーナードとしては、このままワワラグの所に通う方が都合が良い。だが、彼女が一緒に暮らしたいというのならば、そうした方が良いだろう。開拓地にも川は流れており、ワワラグが暮らせる環境はある。開拓地には魔物娘がおり、ワワラグを受け入れるだろう。彼女には薬草の知識があり、薬師として働けるかもしれない。
ただ、開拓地の者たちの了承を得る必要があり、今、確約する事は出来ない。これから話を通さなければならない。
「俺は、開拓地の者に話してみるよ。もしかしたら、一緒に開拓地で暮らせるかもしれない」
今の時点で、バーナードに言える事はこれだけだ。
ワワラグは無表情だが、その尾は嬉しそうに動いていた。「あ、ありがとう」と言うと、彼女はじっとバーナードを見つめ続ける。
「あ、あの、い、一緒になったら、家族になれるかな?ふ、夫婦、け、結婚。つ、つまり、そういう事なんだけど…」
「ああ、そうだな。夫婦になろう」
バーナードは、魔物娘と性の交わりを結んだらどのような関係になるか知っていた。彼は、前からワワラグと交わろうと思っていたし、交わったらどうなるかも想定していた。
ワワラグは、弾かれたように身を起こした。そしてバーナードを強く抱きしめる。
「う、う、嬉しい、嬉しいよ!そ、それなら、こ、子育て、子作りをしよう!ああ、違った。こ、子作り、子育てをしよう!」
ワワラグの蛇体は、バーナードの体を音が出るほど締め付けた。バーナードの口から、潰されたカエルのような声がほとばしる。口の端から泡がこぼれる。
「わ、わ、わわっ、わ、わわっ!し、しまった!ご、ごめん!締めすぎた。わ、わ、だ、大丈夫?大丈夫じゃないみたい…。わ、わっ、わあああっ!ど、どうしよう…」
バーナードは、薄れゆく意識の中で、結婚する前に神に召されるのだろうかと思った。
幸い、畑仕事の区切りがついたから来る事が出来た。バーナードは、ユニコーンの世話になった事がある。彼は、世話をしてくれた者の依頼はなるべく断りたくはない。
バーナードは、薬草を取り終わると川に近づいた。川面は、日光を反射して白く輝いている。薬草を入れた籠を下ろすと、顔や手足を洗い始めた。水の流れは、彼の熱を持った足を気持ち良く冷やしてくれる。バーナードは心地良げにため息をつく。
バーナードの右後ろの草が鳴った。彼は勢いよく振り返る。深緑の草間に、褐色の女の顔があった。女は、何も言わずに金色の瞳で彼を見つめている。バーナードは、薬草を切るのに使った小刀に手を伸ばす。
男と女は、無言のままにらみ合った。
女は無言のまま動かなかった。ただ、金色の瞳でバーナードを見つめている。こいつは人間では無いな、魔物だな。バーナードは、彼女の瞳を見つめながらそう考える。この辺りで正体不明の魔物が出ると、開拓地の者が言っていた事を思い出す。
出るというだけで被害はない。だから、バーナードは大して警戒していなかった。だが、それは誤りだったと考えている。この無言のまま見つめてくる魔物は、迫力があるのだ。大型の肉食獣を前にしたような感覚だ。バーナードは、小刀を強く握りしめる。
魔物女は、いきなり動き出した。草から体を出し、バーナードの前に全身を露わにする。彼はとっさに飛びのき、小刀を構える。魔物女の姿を見た時、彼はうめき声を上げてしまった。
上半身は人間の女だが、下半身は蛇の体だ。ラミアと似ているが、ラミアよりもかなり大きい。鬼の魔物娘であるオーガを思わせるほどだ。手は白い獣毛で覆われ、蛇体にも鱗があるべき場所が白い獣毛で覆われている。その異様な姿の魔物は、黒目で覆われた金色の瞳でバーナードを見据えている。
こいつはまずいな。話が通用しねえんじゃねえのか?バーナードは無言でつぶやく。彼は後ずさりをする。
魔物女は前に出た。いきなり距離を詰められる。バーナードは小刀を前に突き出す。魔物女は止まり、彼をじっとにらみつける。にらみ返すバーナードの顔には脂汗が浮かぶ。
「あ、あ、あ、あああっ…」
魔物女は声を出した。女にしては低音だ。バーナードは、体を震わせながら小刀を握り締める。魔物女は、言葉になっていない声を出し続ける。
「あ、あの、あの、あの…」
バーナードは、魔物女を怪訝そうに見つめた。もしかして魔物女は話をしたいのではないかと、やっと気が付く。
「何が言いたいんだ」
バーナードが話しかけると、魔物女は体を震わせる。そして険しい表情で彼を見つめる。
「あ、あの、だか、だから、あの…」
彼女の険しい表情は、バーナードに襲い掛かりそうに見える。だが、言葉を注意して聞けば、襲い掛かるとは限らないように思える。
「俺はバーナードという者だ。あんたの名前は?」
「えっ、あっ、その、ああ、バーナード、名前?」
バーナードは唇を噛みしめる。この魔物女に害意は無いかもしれない。だが、話がきちんと通じているのか分からない。
「ワワラグ、あの、そ、そのワワラグ、名前、私の…」
「そうか、あんたの名前はワワラグというんだな」
魔物女は、首を何度も縦に振る。
どうやら魔物女に害意は無いらしい。そう分かったバーナードは、少し警戒を解く。
「俺は、この辺りに薬草を取りに来たんだ。あんたの縄張りに踏み込んでしまったのならば謝るよ。ただ、薬草はもらえないかな」
「い、い、い、いい、いいよ。持って行って…」
「ありがとう」
バーナードは礼を言うと、ワワラグと名乗った魔物女に背を向けようとする。
魔物女は、いきなり突進してきた。バーナードは、反射的に小刀を突き出す。小刀は弾き飛ばされ、銀光を放ちながら宙を舞う。バーナードは地に倒される。魔物女は彼を抱きしめていた。
「な、何のつもりだ!」
「ご、ご、ごめん。で、でも、行かないで…」
「放せよ!」
「ご、ごめん。で、で、でも、行かないで…」
バーナードは、ワワラグの柔らかい感触に包まれた。ワワラグは、胸などをわずかに隠した格好であり、彼女の肌がじかに触れている。バーナードは、彼女の感触に陶然としそうになる。
だが、いきなり抱きしめられて、そのままでいるわけにはいかない。バーナードは、ワワラグを振り放そうとした。だが、人間離れした力で抱きしめられており、振り放す事は出来ない。それどころか、バーナードは息苦しくなってきた。
「は、放せ!お、俺を絞め殺すつもりか!」
「え、え、ええっ?わ、わ、わわわっ、わわわわっ!」
ワワラグは、バーナードが唇をけいれんさせながら喘いでいる事に気が付いた。慌てて力を緩める。だが、バーナードはぐったりとして倒れた。
「わ、わ、わわ、わわわっ!ど、どうしよう!ど、どうすれば…」
ワワラグは、慌てながらバーナードを介抱する。だが、彼はぐったりとしたままだ。
一刻後に、バーナードは目を覚ました。体に別条は無いようだ。ワワラグは、薬草を煎じて彼に飲ませる。憮然とした表情で飲む彼に、ワワラグは這いつくばりそうな様子で謝り続けた。
バーナードは、ため息交じりに許した。そして、また会いに来る事を約束する。ワワラグは食いつきそうな顔をして、しどろもどろの言葉で感謝した。そのまま、また抱きしめそうにする。
バーナードは何とか彼女を止めると、別れの言葉を告げて立ち去った。
開拓地に戻ったバーナードは、そこで働いている一人のラミアと話をした。ワワラグの姿はラミアに近いものであり、ラミア属の魔物娘ではないかと考えたのだ。ラミアならば、ワワラグの事について知っているのではないかと考えたのだ。バーナードは、ワワラグの容姿や言動、出現した場所について話してみた。
推測した通り、ラミアはワワラグについて知っていた。ワワラグは、バニップという魔物娘なのだそうだ。ラミアと同じような姿だが、ラミアよりも大型の魔物娘だ。ラミア属の魔物娘の中では異例だが、手や蛇体に獣毛が生えている。川や湖などの水辺で暮らしているそうだ。
ただ、バニップは不明な所の多い魔物娘であり、ラミアでも分からない所があるのだそうだ。話してくれているラミアは、バニップとは数年前に開拓地近くで会った。それ以来、お互いに物々交換したり、話をするようになったそうだ。ただワワラグは、自分の事をあまり話さない。ラミアは開拓地に来るように誘っているが、ワワラグは来ようとはしないそうだ。
バーナードは、ワワラグの言動を思い浮かべた。確かに、あの有様だとまともに交流する事は難しいだろう。開拓地に誘っても来ないかもしれない。その一方で、バーナードを引き留めようとして、また会う事を約束させた。人と交流する気はあるが、まともに交流する事は出来ないのだろう。
バーナードは、ラミアに礼を言うと彼女から離れた。彼は、首をひねりながら開拓地を歩き回る。奇妙な女と知り合いになってしまった。魔物娘でさえもよく分からない魔物娘と顔見知りになったのだ。
魔物娘か…、数年前には同じ場所で暮らすとは思わなかったな。バーナードは、開拓地を見渡しながら声に出さずにつぶやく。開拓地には畑が広がり、そこでは人間と魔物が働いている。鬼の魔物娘オーガ、豚の魔物娘オーク、半人半馬の魔物娘ケンタウロスが働いている。建物の中に入れば、鍛冶の得意な単眼の魔物娘サイクロプスと出会えるだろう。これらの魔物娘は、人間と共に働いている。
魔物娘か…、面白い連中に会ったものだな。バーナードは苦笑した。
バーナードは、元は北にある国で暮らしていた農奴だ。領主の苛政に苦しんでいた農奴たちは、地代や賦役の減免を領主に訴えた。バーナードもその一人だ。領主は、訴えた農奴を根こそぎ捕らえて罪人とした。そして南にある流刑地に流した。
「罪人」たちは、船で流刑地へと運ばれた。劣悪な食料と衛生状態のために、流刑地に着く前に同じ船の「罪人」が何十人も死んだ。彼らの屍は海に捨てられた。流刑地に着くと、荒れ地で強制的に労働をさせられた。開拓のための土木工事に従事させられたのだ。この開拓地から上がる収益は、王と流刑にした領主、そして彼らと結び付いている商人のものになるのだ。
過酷な労働と劣悪な衣食住で、「罪人」は次々と死んだ。このままでは自分も死ぬと思ったバーナードは、看守を殺して流刑地を脱走した。荒れ地を駆け、草地を進み、道ならぬ道を進んだ。草や木の根を食べながら飢えをしのいだ。そのために下痢に苦しめられた。
脱走して11日後に、ついにバーナードは倒れた。そのまま野垂れ死ぬか、追っ手に嬲り殺しにされるところだった。彼は、計画的に逃げたのではなく、追い詰められて逃げ出したのだ。当然の結果だと言える。
だが、予想もしなかった者が彼を助けてくれた。手足に獣毛を生やし、狼のような耳と尻尾を生やした女が助けてくれた。彼女は、狼の魔物娘であるワーウルフだ。人間と魔物娘が共同で開拓している土地で暮らしており、ここには猟にやってきたそうだ。バーナードは、彼女から食料と薬を与えられた。そして彼女によって人魔の開拓地に連れてこられたのだ。
バーナードは、開拓地に受け入れられてそこで働くこととなった。元農奴だったために、農業については知っている。だが、故郷とは環境が違うために苦労した。開拓地の人間や魔物娘の助けを得て、何とか仕事をこなして暮らしてきた。
バーナードは、時間を作ってワワラグに会いに行くようになった。表向きの口実は、開拓地で医者をしているユニコーンが、ワワラグの住処付近に生えている薬草を欲しがっているからだ。薬草の代価として、開拓地の衣類や食料をワワラグに渡す。
本当の理由は、バーナードが彼女と会いたいからだ。バーナードは、女と一緒に居たいのだ。開拓地には魔物娘などの女はいるが、バーナードの回りの女はいずれも男がいた。バーナードは手を出すわけにはいかない。それで、わざわざワワラグの所まで来ているのだ。
魔物娘の実年齢は分かりにくいが、ワワラグは若いように見える。彼女は、不愛想な表情だが整った顔立ちだ。その顔を白銀色の髪が飾っている。大柄な体は豊かな胸が目立ち、官能的な魅力がある。褐色の肌は、彼女に健康的な魅力を与えている。彼女は露出度の高い服を着ており、その魅惑的な体を露わにしていた。健康な男であるバーナードにはたまらない体だ。下半身の蛇体も、バーナードには魅力的に映る。
ワワラグは、おかしな言動をするが温厚で気の良い性格だと分かった。初めは、彼女の話し方の拙さから白痴ではないかと疑った。だが、話をしているうちに彼女は理知的だと分かった。動じやすいために言葉の配列がおかしくなってしまうのだ。そして素性がよく分からない魔物娘だという事は、バーナードの好奇心を刺激した。
ワワラグは、自分の所に来るバーナードを歓迎した。一見すると喜んでいるとは思えない表情だが、ぎこちない動作や言葉の中には彼に対する歓迎が現れている。そして時折変わる表情からも、彼の来訪を喜んでいる事が分かった。魅力のある女が自分を歓迎する事は、バーナードには嬉しい事だ。
バーナードは、ワワラグと話をした。ぎこちない上にしどろもどろになりがちな彼女の話に合わせる。そうして彼女の事を知ろうとする。
ワワラグは、話せば話すほど不思議な女だ。彼女の話す言葉は、バーナードの国の言葉と同じだ。だが、彼女の故郷がバーナードと同じだとは限らない。彼女の発音は、バーナードの国の者とは違うのだ。
ワワラグについて教えてくれたラミアは、現地の魔物娘かもしれないと言っていた。移住してきた魔物娘の中には、バニップはいないそうだ。そもそもバニップの生息地は、川や湖に住むという事くらいしか分からないらしい。
ワワラグは、この地で生まれ育った魔物娘だろうか?移住してきたバーナードの故郷の者から言葉を教わったのだろうか?この地は、バーナードの国にとっては流刑地だ。罪人が逃亡して隠れて暮らし、その者からワワラグが言葉を教わったという事はあり得る。
ワワラグに直接聞いてみたが、明確な答えは無かった。
「ああ、あの、それ、それについては、その、色々あって…。ど、どう言ったらいいかな?うまく話せない、話せない事がある。だ、だめ、ご、ごめん…」
結局、事情を聴く事はあきらめるしかなかった。
ワワラグは、正体が不明な魔物娘だ。もし彼女が人間だったら、バーナードはそのような怪しげな者からは離れようとするだろう。だが、彼女は魔物娘だ。バーナードは、魔物娘ならば信用する。
バーナードは、故郷の人間たちを思い出した。農奴を虐げる権力者とその犬、農奴でありながら農奴を虐げる者たちばかりだ。そして囚人船や流刑地にいた人間を思い出す。あれをけだものと言ったら、けだものに失礼だろう。
魔物娘は人間とは違った。行き倒れていたバーナードを、見返りを求めずに助けて自分たちの所へ受け入れてくれた。バーナードが暮らしていけるように様々な配慮をしてくれた。ワワラグと会い続けているうちに、彼女は開拓地の魔物娘と同じような性質だと分かってきた。それならば、ワワラグと共にいたい。
バーナードは、正体の分からない魔物娘の前でくつろいでいた。
バーナードは、座っていた草から立ち上がった。ワワラグとの話は一区切りつき、そろそろ開拓地に戻った方が良い時間だ。日暮れまでには帰りたい。また来る事を約束して、ワワラグに別れを告げる。
風を切る音がしたかと思うと、バーナードは地面に押し倒されていた。ワワラグが彼に圧し掛かっている。バーナードは、彼女の相変わらずの素早さと唐突さに呆れる。
「いい加減にしてくれ!いきなり押し倒したり、抱き付いたりしないでくれと言っただろ」
「わ、わ、わか、分かっている。でも、でも、もうがまん出来ない」
いいからどいてくれ、とバーナードは言おうとした。その口を、ワワラグは自分の口でふさいだ。柔らかく滑った感触が、バーナードの口に押し付けられる。人ならざる長い舌が、彼の口の中に潜り込んでくる。舌は舌と絡み合い、唾液を流し込んでくる。
ワワラグの口が離れた。舌が口から引き抜かれて、唾液が飛び散る。ワワラグは、上気した顔でバーナードを見つめている。
「も、も、もっと、一緒に居たい。だ、抱きしめたい。く、く、口付けもしたい。が、がまん出来ない!」
ワワラグは早口でまくし立てた。バーナードを抱きしめている腕に力を入れると、頬ずりをしてくる。バーナードの無精ひげの映えた頬に、なめらかな頬を押し付けてくる。
バーナードは、自分の体の奥から欲情がわき上がってくるのを自覚した。体の大半を露わにした女が、自分を抱きしめているのだ。豊かな胸の弾力となめらかな肌の感触が伝わってくる。ワワラグは、蛇体をバーナードに巻き付けていた。彼女の獣毛は、極上の毛並みである事が分かる。バーナードの体は快感に浸ってしまう。
「バ、バーナードはしたいんだね。か、固くなっているよ」
ワワラグの言う通り、バーナードのペニスは硬くなっていた。ズボン越しに彼女の腹を押し上げている。ワワラグは、バーナードの服を脱がし始める。
「ねっ、ねっ、し、しよう。わ、私としよう。き、気持ちのいいことをしよう」
ワワラグの手つきは、脱がすというよりは引き剥がすという手つきだ。彼女の目は座っており、唇と頬はけいれんしている。
「ヒャウッ!」
ワワラグは悲鳴を上げた。バーナードの手が彼女の胸を揉んでいるのだ。胸をわずかに隠していた服がずらされ、乳首をつまんでいる。
「よし、たっぷりと気持ちいいことをしよう。今さらやめると言うなよ」
バーナードは、胸を揉み解しながら彼女の首筋をなめた。少し汗の匂いと味がしたが、それは彼の欲情をかき立てる。バーナードは、犬のように鼻を鳴らしながら匂いをかぐ。そのまま顔を下げていき、胸に顔を埋めながらなめ回す。そのまま顔を右にずらして、彼女の腋に舌をはわせる。
「わ、わ、わ、わっ!だ、だ、だめっ!そ、そこ、汚い!」
ワワラグは、悲鳴のような声を上げた。だがバーナードは、わざとらしく鼻を鳴らして匂いをかぎ、舌を執拗にはわせる。ワワラグは、かすれた声を上げながら目をさ迷わせる。
バーナードは立ち上がり、ズボンをはぎ取るように脱いだ。そして怒張したペニスをワワラグの鼻先に突き出す。ワワラグは、目を見開いたまま固まってしまう。
「なあ、俺のチンポを胸ではさんでくれないか」
ワワラグは、何を言われたのか分からないようだ。バーナードの顔とペニスを交互に見る。彼がもう一度言うと、ぎこちない態度でペニスを胸ではさむ。バーナードは、彼女の手の上から胸をつかむ。そしてしっかりとペニスを胸にはさませて、腰を前後に動かしてペニスで胸を蹂躙する。
ワワラグは戸惑ったような、困ったような顔をしていた。胸から顔を出す亀頭を見つめたり、鼻先を突こうとする亀頭から逃げようとしたりする。鼻先に漂う雄の臭いをかいで、変な声を上げたりする。
バーナードは、快感にあえいでいた。ワワラグの胸は豊かであり、そして肌はなめらかだ。亀頭の先端からは透明な液が漏れて、胸の谷間の汗と混ざる。それは、ペニスと胸の摩擦をなめらかなものとするのだ。ペニスから陰嚢、腰の奥にかけて快楽に支配される。
「な、なあ、このまま胸に出していいか?」
ワワラグは、わけが分からないという顔をした。だが、すぐに慌てた表情をする。
「ま、ま、待って!それは…、えーと…。い、いいよ。あ、でも、ちょ、ちょっと待って!」
だが、もう遅かった。バーナードのペニスは弾けてしまった。ペニスの先端から白濁液の塊が噴き出す。ワワラグの褐色の胸は白く汚れていく。勢い良く飛び出した白濁液は、彼女の鼻を直撃してしまう。ワワラグは悲鳴を上げる。
激しい射精が終わった後、バーナードは大きく息をついた。紅潮した顔で白く汚れたワワラグを見る。彼女は、鼻を鳴らしながら顔を振っていた。精液の臭いと感触で混乱しているようだ。
バーナードは、再びペニスを動かして胸を嬲り始めた。まだまだ、やり足りない。この魔物女の体を貪りたい。彼のペニスは、次第に回復していく。ペニスの先端から、白濁液交じりの先走り液をあふれさせる。
バーナードは、ワワラグの胸から離れた。そして彼女の下腹部に顔を近づける。そこは、褐色の人間女の腹と黒い蛇体の間にある。白い獣毛で覆われていて、彼女のヴァギナは見えない。だが、そこからはチーズのような匂いが漂ってくる。
男は、ワワラグの下腹部に顔を埋めた。柔らかい獣毛が彼の顔を包む。顔で獣毛をかき分けていくと、毛の根元が濡れている事がわかる。褐色の肉襞があり、そこから液がわき上がってきているのだ。
バーナードの舌は、魔物女の肉襞をなめた。その瞬間に、ワワラグの体は震える。舌をはわせるたびに震えが走り、肉襞からは液があふれてくる。バーナードは、そのねっとりとした液の味と匂いを貪る。
男は、顔を上げて腰を突き出した。ペニスは怒張して震えている。そのペニスを、バニップと言われる魔物娘の肉襞に押し当てる。ゆっくりと中へと沈めていく。
熱い肉襞がペニスを包み込んだ。濡れた肉襞はペニスを愛撫し、そして絞り上げる。その圧迫感は、ペニスに快感を叩きつけてくる。バーナードは、腰を動かしてワワラグの中を貪る。彼女に痛みを与えないようにゆっくりと動かす。だが、快楽に突き動かされて動きは早くなる。
ワワラグの腰が動き始めた。バーナードの動きに合わせようとする。そして上半身の人間の体と、下半身の蛇体で彼を抱きしめる。人間男の体を、全身で確かめようとする。
バーナードは絶頂に近づいた。ワワラグのヴァギナの気持ち良さに加えて、彼女のなめらかな肌と獣毛が快感を与えるのだ。精液で汚れた彼女の臭いは、男を欲望へと突き動かす。
「このままだと出てしまう。外に出すから離れてくれ」
だがワワラグは、さらに強く抱きしめた。ヴァギナはペニスを捕らえている。
「おい!このままだと中に出しちまう!放してくれ!」
「だ、出して!な、中に出して!」
バーナードは、これ以上は耐えられない。男のペニスは、魔物女の中で弾けた。子種汁を子宮へと叩きこむ。バーナードのペニスから頭頂へと快感が叩き付けられる。彼の全身が震え出す。その震えに魔物娘の震えが重なる。雄と雌は歓喜の声を上げる。
気が付くと、バーナードはワワラグの体に沈みこんでいた。ワワラグは、微笑みながら抱きしめている。ワワラグの肌と獣毛は、男の体を包んでいる。バーナードのペニスは、ワワラグの中に入ったままだ。彼は、深いため息をつく。
バーナードのペニスがしめ付けられた。ワワラグのヴァギナがしめ付けているのだ。バーナードは彼女の顔を見る。魔物女の顔は欲情に染まっている。
「ま、ま、まだ、出来るよね。が、が、がんばって。私、まだやり足りない。もっと、もっとしたい」
ワワラグは、バーナードを抱きしめていた。逃げる事は出来ない。魔物女は腰を動かして、男の体を貪り始める。
川辺には、人間男の喘ぎ声と魔物女の嬌声が響き渡った。
すでに日は落ちて、辺りは暗くなっていた。月が川を照らしている。バーナードは、繰り返しワワラグと交わった。お互いに満足するまで貪り合ったら、夜になってしまったのだ。夜に歩く事は危険であり、バーナードは開拓地に戻れない。今晩は、ワワラグと共にいる事にした。
ワワラグは、相変わらずバーナードを抱きしめていた。蛇体をバーナードに巻き付けて、腕で彼を抱きしめている。バーナードは、彼女の体の心地よさを堪能していた。特に、獣毛のなめらかさを楽しんでいる。ワワラグの体は、生渇きの精液で汚れている。だが、それはバーナードには、彼女を自分のものにしたような満足感を与えてくれる。
ワワラグは、嬉しそうに尾をゆすっていた。そのさまは大型犬のようだ。バーナードは、不器用な大型犬になつかれたような気がしている。
「あ、あ、あ、あの、あの…」
ワワラグは、突然話し始めた。いつもの事なので、バーナードは慣れている。どうした、と答える。
「こ、こ、これ、これから、ずっと、い、一緒に居られるかな?い、居たいんだけど」
ワワラグは、大柄な体を屈めながら上目遣いに見上げてきた。彼女の金色の瞳は、じっと見つめてくる。
「バ、バーナードは、開拓地で仕事がある。そ、それは知っている。で、でも、私も開拓地で暮らせばいい。め、迷惑?だ、だったら、バーナードはここで暮らせば…。でも、仕事が…。わ、私が開拓地に通う?バ、バーナードがここへ通う?で、でも、ずっと一緒に居たい。あ、あ、あ、無理、無理かな…」
ワワラグは、目をさ迷わせながらしどろもどろになって言った。
バーナードとしては、このままワワラグの所に通う方が都合が良い。だが、彼女が一緒に暮らしたいというのならば、そうした方が良いだろう。開拓地にも川は流れており、ワワラグが暮らせる環境はある。開拓地には魔物娘がおり、ワワラグを受け入れるだろう。彼女には薬草の知識があり、薬師として働けるかもしれない。
ただ、開拓地の者たちの了承を得る必要があり、今、確約する事は出来ない。これから話を通さなければならない。
「俺は、開拓地の者に話してみるよ。もしかしたら、一緒に開拓地で暮らせるかもしれない」
今の時点で、バーナードに言える事はこれだけだ。
ワワラグは無表情だが、その尾は嬉しそうに動いていた。「あ、ありがとう」と言うと、彼女はじっとバーナードを見つめ続ける。
「あ、あの、い、一緒になったら、家族になれるかな?ふ、夫婦、け、結婚。つ、つまり、そういう事なんだけど…」
「ああ、そうだな。夫婦になろう」
バーナードは、魔物娘と性の交わりを結んだらどのような関係になるか知っていた。彼は、前からワワラグと交わろうと思っていたし、交わったらどうなるかも想定していた。
ワワラグは、弾かれたように身を起こした。そしてバーナードを強く抱きしめる。
「う、う、嬉しい、嬉しいよ!そ、それなら、こ、子育て、子作りをしよう!ああ、違った。こ、子作り、子育てをしよう!」
ワワラグの蛇体は、バーナードの体を音が出るほど締め付けた。バーナードの口から、潰されたカエルのような声がほとばしる。口の端から泡がこぼれる。
「わ、わ、わわっ、わ、わわっ!し、しまった!ご、ごめん!締めすぎた。わ、わ、だ、大丈夫?大丈夫じゃないみたい…。わ、わっ、わあああっ!ど、どうしよう…」
バーナードは、薄れゆく意識の中で、結婚する前に神に召されるのだろうかと思った。
18/05/19 23:04更新 / 鬼畜軍曹