読切小説
[TOP]
魔物娘に剃毛してもらおう
 俺は、部屋の中で裸になった。室内照明は、俺の体を明るく照らす。目の前には、全身を映す鏡がある。別に、俺はナルシストではない。脂肪の目立つ醜い体を見て喜ぶほどおかしくはない。毛を剃るために、鏡の前で裸になったのだ。
 俺のかたわらには、湯で濡らしたタオル、シェービングジェル、T字型カミソリ、アフターシェーブローションがある。俺は、道具を見て笑みを浮かべてしまう。剃る快楽を思い出したからだ。
 突然、ノックも無しにドアが開けられた。金色の翼と褐色の肌を持つ女が飛び込んでくる。
「ファッッック!」
 部屋中に怒号が響き渡る。
 俺は、放送禁止用語を喚く妻をうんざりしながら見つめた。

「男のくせに毛を剃らないでよ!恥ずかしいでしょ!」
 神鳥ガンダルヴァである妻、ラクシュミはまくしたてる。赤い髪を振り、黄金の翼をばたつかせながら俺を責め立てる。
 そうは言っても、俺は自分の毛を剃ることが好きなのだ。
 初めは臭い対策だった。俺は、自分の体臭にうんざりしていた。特に、腋の臭いには辟易していた。丁寧に石鹼を付けて洗っても、一日も経たない内にきつい臭いを放つ。俺は、臭い対策について少し調べた。すると、腋毛があるために臭いがきつくなることが分かった。臭いを抑えたければ、腋毛を剃れば良いのだ。
 俺は、さっそく腋毛を剃った。臭いは、少しだがマシになった。きちんと効果があった訳だ。そして無秩序な毛で覆われていた腋は、肌が見える状態となった。見苦しい物が無くなったのだ。剃った後の腋を見た時、おれは嬉しくて仕方がなかった。もっと早く剃れば良かったと思ったものだ。
 そして予想外の効果があった。剃ると気持ちが良いのだ。シェービングジェルを塗ると、腋の肌がスース―して気持ちが良い。そして剃ると、かゆい所をかいているような気持ちの良さがある。カミソリに付いている剃れた毛を見ていると、奇妙な満足感を味わえる。そして、アフターシェーブローションを塗ると、さわやかな感触が腋を覆うのだ。腋毛を剃ると快楽を味わえるのだ。
 それ以来、俺は毛を剃る快楽に取りつかれた。まずは腕の毛を剃った。太っているくせに毛深いのだ。サルと言うよりはゴリラだ。見苦しい腕の毛は、快感と共に無くなっていった。胸毛もひどかった。とても日本人の胸とは思えない有様だ。アメリカ西部の田舎のおっさんのような胸毛だ。これは最初にはさみで切って、それから剃った。
 腹の毛も剃った。俺の腹は毛で覆われており、陰毛との境界が分からない有様だ。俺は、トランクスのひもの所の跡を境界として、腹の毛を剃った。腹の皮膚は弱いから、アフターシェーブローションは欠かせない。慣れない内は、剃って半日くらい間をおいて、剃りあとに軟膏を塗っていた。
 そして足の毛も剃った。毛を剃る前の俺の足を見た人は、人間の足だとは思わないだろう。ゴリラの足そのものだ。これもはさみで切った後、カミソリで剃った。シェービングジェルで濡れた足の毛を剃る快楽に悶えたものだ。危うく脛を切ってしまうところだった。その姿を見た人は、俺を変態だと思うだろう。当然、太ももの毛も剃った。
 さて、こうして剃っていくと、残っている場所が存在する。剃毛と言えば、そこを剃ることを意味すると思っている人もいるだろう。つまり俺は、股間も剃ることにしたのだ。
 俺の股間は、もしかしたら腋以上に臭いかもしれない。俺は太っているために脂肪が多く、腹が突き出ている。そのために熱がこもりやすく、汗をかきやすいのだ。スラックスを脱ぐとこもった熱気が立ち上る。夏以外でも、トランクスは汗で濡れている。剛毛としか言いようのない陰毛は、熱と臭いを増していた。
 さすがに俺は、初めはためらった。ここの毛を剃ると、戻れないような気がする。だが、俺の陰毛はあまりにも見苦しかった。臭いもひどいものだ。それに剃る快楽は、俺の体に染み込んでいる。水泳選手が股間の毛を剃っているということを知り、俺は剃ることを決意した。
 俺は、快楽とは何なのか知った。股間から全身に快楽の奔流がほとばしった。温かい濡れタオルで拭った後の股間の心地良さ。シェービングローションの涼やかな感触が染み渡る股間。そして剃った瞬間、毛の剃れる硬質な感触と共に、カミソリの確かな硬さが皮膚のかゆみをかいていく快楽。
 そう、快楽だ!快楽なのだ!快楽こそすべてだ!
 剃毛とは何か?見苦しい毛と言う存在、臭いを増す毛という不潔な存在、皮膚をかく快楽を妨げる毛という存在。その毛という確かな存在を、自分の手で自分から取り除く行為。確かな存在を取り除く時に、肉体が上げる歓喜の声を聴く行為。自分の体の根幹にかかわり、自分の存在の深奥を突き詰める行為。それが剃毛だ。
 俺の中に映像が浮かび上がる。底へと降り、地獄を見た。その地獄の底へと降りていった。そこには存在の根源というべき深淵があった。俺は、その深淵を覗き込んだ。あれは何だったのか?深淵にうごめくあれは、何だったのか?
 次の瞬間、俺は光輝く天上へと俺は登っていく。俺の周りでは、天使たちが賛美歌を歌いながら俺を導く。俺の下に世界が見える。俺は世界を見渡す。苦しみと悲しみに満ちた世界だ。だが、俺はそこから解放されようとしている。向かう先には、光そのものというべき存在がある。その輝ける存在は、手を広げて俺を迎え入れようとする。俺は、歓喜の声ともに飛び込む。光は、俺を抱きとめる。
 あの映像が何だったのかは分からない。ただ、俺は存在の根源に触れた気がする。そして神を見たような気がする。
 ただ、股間の所が少し切れてしまったことはまずかった。慌てて消毒して薬を塗った。痛かった。
 剃る前は、ペニスの周りの毛は残すつもりだった。だが、全部剃ってしまった。陰嚢の毛も剃ってしまった。正真正銘のパイパンだ。
 陰嚢と尻穴の間、つまり蟻の門渡りも毛は濃い。毛に汗がたまりやすく、不潔な場所だ。ここの毛も剃ってしまう。尻穴の毛も剃った。この毛は、不必要な存在そのものだ。尻の穴は、体で最も汚い場所だ。毛があることで不潔さが増している。クソをした後に拭いても、毛のために取りにくい。清潔のためには、ケツの穴の毛を剃るべきなのだ。そして、やはり剃ると気持ちが良い。
 こうして俺は、体中の毛を剃った。ほとんど毎日のように毛を剃った。毛は毎日伸びてくるから、剃ることが面倒だという人がいる。だが、俺は面倒だとは思わない。気持ちの良いことを毎日できるのだ。これほどの幸福はあるだろうか?

 ただ、俺の妻であるラクシュミは、俺が毛を剃ることに反対なのだ。毛を剃ることは女がやることだ、男のやることでは無いというのだ。バカバカしい言い草だ。現在では、剃毛する男は多い。毛を処理することは、男にとっても当たり前のことになっているのだ。
 第一、ラクシュミが剃毛に反対する最大の理由は、別にある。そのことを、本人がきちんと言っている。
「毛が無いと、あなたの臭いが薄まるじゃない!私の楽しみを奪わないでと、何回言ったら分かるの!」
 こういう理由を、恥ずかしげも無く言ってくれる。
 ガンダルヴァは、極上の香りをまとう魔物娘として知られる。香りの元となっているガンダルヴァの体液は、最高級の香水の原料となっている。そのような体質から、ガンダルヴァは香りや匂いに敏感だ。ラクシュミも、調香師として化粧品会社で働いている。
 彼女たちガンダルヴァの特徴の一つは、伴侶の体臭を好むことだ。恋人や夫の全身の臭いを嗅ごうとする。それこそ、体中の隅々まで嗅ごうとする。普通なら嫌がる部分の臭いまで嗅ごうとするのだ。
 ガンダルヴァの中には、セックスをする前に、相手に運動をさせて汗をかかせる者がいる。風呂に入らせない者もいるのだ。そうして相手の濃厚な体臭を貪りながら、性欲を満たすわけだ。
 ラクシュミは、「男に毛を生やさせる会」のメンバーだ。その会は、ガンダルヴァ、あかなめ、蠅の魔物娘ベルゼブブなど、男の臭いに執着する魔物娘によって結成されている。恋人や夫である男に毛を生やさせて、臭いを濃くさせようというのだ。このようなフェチをむき出しにしている連中の集まりに参加しているのだ。
「私はね、あなたの濃い臭いがあれば、ご飯は三杯いけるのよ!毛を剃るのは止めなさい!」
「剃ることは、俺の存在にかかわる快楽だ!断固として続ける!」
 俺たちは、こんなことを喚きながら口論を続けた。

 結局、俺たちは妥協しあうことにした。俺は剃毛を続ける。ただし、俺の剃毛を行うのはラクシュミだ。その剃毛の際に、ラクシュミは俺の臭いを嗅ぐというのだ。この案は、ラクシュミが出して俺が承諾した。毎日剃ることが出来るのならば、彼女に剃らせてよいと考えたのだ。
 裸で床に座り込む俺の前に、ラクシュミはしゃがみ込む。ラクシュミの格好も露出度が高い。紫の薄物で、胸と下腹部をわずかに覆っているだけの格好だ。人間と同じような首や腕、胸や下腹部を、金製の装飾品で飾っている。それらの装飾品は、彼女の淫猥さを増している。特に胸の装飾品は、乳首を強調するために尖った形状をしているのだ。
 この格好は、ガンダルヴァにとって愛の女神に仕える時の正装なのだそうだ。俺とセックスをする時に、この格好をすることが多い。ただ、髪飾りは付けていない。セックスの時に、俺の体を傷つける恐れがあるからだ。
 ラクシュミは、化粧のよく似合う派手な顔立ちの美女だ。目鼻立ちがはっきりしており、肉感的な顔だ。愛の女神に仕える魔物娘に伝わる化粧の技術を、惜しみなく使っている。豊かな胸は、紫の薄物で強調されている。腰のくびれはさらけ出され、なめらかな下腹部は薄物により淫猥なものとなっている。褐色の肌は、彼女の官能的な肢体を引き立てている。
 ラクシュミは、俺の胸を金色の翼で愛撫した。羽のなめらかな感触は、俺を快感で震わせる。彼女たちガンダルヴァは、腕の代わりに翼が付いている。その翼を手のように使うのだ。人間とは違うが、魅惑的な体を彼女は持っている。彼女からは、ガンダルヴァ特有の官能的な甘さのある香りが漂ってくる。俺は、愛撫と香りに陶然とする。
 彼女は、俺の胸に舌を這わせ始めた。伸び始めている胸毛を、丁寧になめていく。そうして胸一面を舌で愛撫する。愛撫しながら、鼻をこすりつけて臭いを嗅ぐ。俺は、彼女の舌の感触に体を震わせる。乳首をなめられた時は、声を上げそうになった。
 俺の胸を唾液で十分に濡らすと、ラクシュミはT字型カミソリを取る。そしてゆっくりと毛を剃っていく。乳首の周りは、特に注意して剃る。剃り終わると、湯で濡らしたタオルで優しく拭いていく。剃った毛をタオルで取り除くと、剃り跡にねっとりと舌を這わせていく。彼女になめられる快感は、俺はよく知っている。その快感を、いつもとは違うシチュエーションで楽しむ。
 なめ終わった後、ラクシュミは翼で自分の体をこする。そして、その翼で俺の胸を愛撫した。その瞬間に、俺の胸から彼女のかぐわしい香りが立ち上る。ガンダルヴァは、自分の体液を翼で拭い、俺の胸に塗りつけたのだ。極上の香りに包まれて、俺の頭はもうろうとなりそうになる。
 彼女は、腕と腋も同様に剃っていく。俺に腕を上げさせて、腋をむき出しにさせる。鼻息を立てながら臭いを嗅ぎ、同じところを繰り返しなめ回す。俺は、くすぐったさに悶える。彼女は、俺を取り押さえると慎重に剃る。剃り終わると、執念深さを感じる舌遣いで、俺の腋をなめしゃぶる。そして、俺の腋にガンダルヴァの香りをなすり付けたのだ。俺の腋は、かぐわしい香りを放つ。蹂躙されて香気を放つことにより、俺は茫然としてしまう。
 腹を剃られ、足も剃られる。この時に、俺は勃起してしまった。ラクシュミの扇情的な格好を見ながら、彼女に胸や腋をなめられていたのだ。官能をかき立てるガンダルヴァの香りも嗅いでいる。すでに半勃ちだったのだ。太ももの敏感な部分を愛撫され、なめられることにより、ペニスが完全にそり返ってしまったのだ。俺のペニスを見て、彼女は嫣然と微笑む。
 ラクシュミは、俺の股間に顔をうずめた。下腹部に鼻を押し付けて深呼吸をする。臭いを吸い込むと、唾液をたっぷりと乗せて舌を這わせる。彼女はペニスの周りをなめて、慎重に剃っていく。ペニスと太ももの間の狭い空間も丁寧になめ、小刻みにカミソリを動かす。毛を剃りながら、絶えず鼻を鳴らして臭いを嗅ぐ。
 彼女は、ペニスそのものには舌を這わせない。だが彼女は、柔らかい髪で俺のペニスを愛撫する。なめらかな頬をすり寄せて、俺のペニスに愛情を伝える。ペニスの根元には、熱い息が吹きかけられる。俺のペニスは繰り返し震え、先端からは先走り汁が漏れる。透明な液は、彼女の髪や頬を濡らす。
 ペニスの周りを剃り終えると、ラクシュミは顔を上げた。カミソリを床に置き、俺を陶然とした顔で見つめる。彼女は、俺のペニスの先端に鼻を押し付けた。鼻息を立てながら亀頭の臭いを嗅ぐ。尿道口から先走り汁が次々と溢れ、形の良い鼻を滑らせる。亀頭の臭いを十分に嗅ぐと、今度はペニスのくびれに鼻を押し付ける。ペニスで一番汚れのたまる場所を鼻で愛撫し、臭いを堪能している。俺は、快楽と興奮で震えを止められない。
 ラクシュミは、ペニスから顔を離した。彼女の鼻と俺のペニスの間に、先走り汁で出来た透明な橋がかかる。その橋は、室内照明を反射して輝く。ゆっくりと垂れ下がっていきながら、橋は切れた。彼女はおかしそうに笑う。俺の呼吸は荒くなっている。
 顔に欲情を浮かべた魔物女は、舌なめずりをする。ルージュを塗った口からピンク色の舌を出し、俺のペニスをねっとりとなめ始めた。怒張したペニスに快楽が走る。魔物娘は、先走り汁をなめ取りながら、唾液をペニスに塗り込んでいく。亀頭、くびれ、裏筋、竿とねちっこく舌を這わせる。汚れを舐め取りながら、唾液を染み込ませて臭いを付ける。震えるペニスに鼻をすり付けて、臭いを嗅ぎ回す。
 ラクシュミは、胸の飾りと服をずらした。褐色の丘と赤い突起があらわとなる。彼女は、体を俺の股に寄せる。豊かで張りがある胸で、俺のペニスを挟み込む。そうして翼で胸を抑え、胸を上下に動かしてペニスを揉む。震える尿道口から、先走り汁が絶え間なく湧き上がる。彼女は顔をうずめて、胸から出るペニスの先端をなめる。唾液を垂らして先走り汁と混ぜ合わせ、パイズリをなめらかなものにする。
 体中をなめられ、愛撫されていた俺は、早くも果てそうになった。腰に力を入れてがまんし、快楽をもっと堪能しようとする。だが、巧みなパイズリとフェラチオに、俺の限界は近づく。俺の反応を敏感に察知したラクシュミは、胸の圧迫を強め、動きを早くする。亀頭を口に含み、強く吸い上げる。舌は絶え間なく動く。
 激しいバキュームを続ける女の口の中で、俺のペニス弾けた。腰の奥から精液がほとばしる。精を糧とする魔物女の口の中で、思う存分に欲望の液をぶちまける。褐色の頬が膨れ上がり、口の端から白濁液が漏れる。魔物女は、こぼさないように口をすぼめ、のどを鳴らしながら飲み込む。俺は、さらに欲望を放つ。彼女は、口の中で受け止め続ける。そして口内に精液をためる。
 体の奥からの射精が終わり、俺はため息をつく。ラクシュミは、俺のペニスから口を離す。俺を見上げると、ゆっくりと口を開ける。濃厚な精液の臭いがあふれだす。口の中には、重たそうな白濁液が溜まっている。彼女は、ピンク色の舌で白濁液を転がす。口の中で、ぬめり光るピンクと白が混ざり合う。たっぷりと見せつけた後、彼女は口を閉ざす。喉を鳴らす音が響く。再び口を開けると、口の中には精液は残っていない。濃い臭いは残っている。
 ラクシュミは、再び俺の股間に顔をうずめた。柔らかな羽で陰嚢を押し上げると、その裏に鼻を付けて臭いを嗅ぎ始める。音を立てて臭いを嗅いだ後、陰嚢に舌を這わせ始める。唾液を陰嚢のしわに塗り込み、玉を愛撫する。そうして陰嚢全体を唾液でふやかすと、カミソリで毛を剃っていく。欲望を放ったばかりのペニスは、ヒクヒクとうごめく。
「ちょっと持ち上げるから、我慢してね」
 彼女は、いったんカミソリを床に置くと、両方の翼で俺の尻を抑える。そのまま俺を、ちん繰り返しの格好にした。ラクシュミの前に、俺のアヌスが露わとなる。俺の太ももの間から、彼女の微笑む顔が見える。俺は羞恥をかき立てられ、思わず目をそらしそうになる。
 ラクシュミは、俺の蟻の門渡りをなめ始めた。陰嚢とアヌスの間を、繰り返し舌を往復させる。その合間に、舌を丸めて突っつく。もちろん臭いを嗅いでおり、陰嚢に鼻息がかかる。唾液を塗り込むと、左の翼でしっかりと俺の足を抑える。右の翼をゆっくりと動かし、毛を剃っていく。俺は、自分の顔が紅潮していることが分かる。
「男のお尻の穴に生えている毛は、みっともないわね。でも、興奮するわ」
 どこかうつろな表情で、ラクシュミは言う。カミソリを床に置くと、彼女はアヌスに鼻を付ける。鼻息がアヌスにかかってくすぐったい。繰り返し鼻息がかけられる。すでに回復しているペニスが震える。アヌスも震えているのだろうか?
 鼻を離すと、彼女は舌に唾液をためる。俺の最も汚い場所にピンク色の舌を付ける。そうして唾液を塗り込んでいく。初めはくすぐるように小刻みに動かし、次第に強く愛撫するようになめる。その後で、しわの一本一本をねちっこくなめていく。円を描くように、なめる範囲を広げる。俺は、身もだえしそうになった。だが彼女は、両翼で俺の太ももをしっかりと抑えている。
 ラクシュミはカミソリを取り、俺の尻の毛を剃り始めた。ちん繰り返しされた格好で、俺はケツ穴の毛を剃られているのだ。俺は、かつてない恥ずかしさを覚える。だが、動くわけにはいかない。俺は、熱を持った顔から汗が流れることを自覚する。剃り終わっても、その恰好は続く。剃った跡を、魔物女は執拗になめしゃぶるのだ。
 俺は、床にあおむけになっていた。疲れていた。これほど疲れる剃毛は初めてだ。だが、気持ちが良かった。自分だけで剃るよりも、はるかに悦楽を得ることが出来た。そして、かつてない興奮を味わえた。俺の前に、新しい世界の扉が開いたような気がする?興奮と充実感が、俺の中で交差する。
「さあ、剃るのは終わったけれど、セックスはまだ始まったばかりよ」
 ラクシュミは、俺の股間の上に腰を下ろしていた。俺のペニスは、痙攣しながら先走り汁を溢れさせている。アヌスなめを始めとする性技により、俺のペニスは猛り狂っている。俺は、腰を動かして彼女を促す。
 ラクシュミは、濡れそぼったヴァギナの中に俺を飲み込む。そのとたんに、鮮烈な快楽がペニスから腰へと走った。彼女は、腰を動かし始める。その動きは次第に激しくなり、快楽も比例して激しくなる。彼女の体から汗の粒が飛び、俺の体にかかる。俺は、彼女の匂いに包まれる。
 俺たちは、部屋中に響く声を上げながら快楽を貪りあった。

 ラクシュミと体を貪りあった後、俺は剃毛の跡を見た。自分でやった以上にきれいな剃り跡になっている。それこそツルツルだ。しかもガンダルヴァの体液を剃り跡に付けているために、体中から極上の香りがする。俺は、甘い香りの中で恍惚としてしまう。
 俺は、ラクシュミを見る。彼女は、俺の体を満足そうに見ていた。自分の成果が俺の体に現れているのを喜んでいるらしい。あたかも一仕事終えた職人のような顔だ。
 俺は、思わず笑ってしまう。ただ、俺の予想以上の成果があったことは確かだ。俺は、新たな剃毛の快楽を知った。それは性の快楽と結びついた、まさに根源的な快楽だ。性と生の喜びを味わえたと言っていい。
 これからも毎日剃毛してくれないかと、俺はラクシュミに頼む。彼女は、嫣然とした笑みを浮かべながら了承してくれた。
 俺たち夫婦は、新たなる快楽の日々を始めるのだ。

 この剃毛プレイは、予想外の騒動を起こすこととなった。剃毛プレイをめぐって、「男に毛を生やさせる会」が、賛成派と反対派に分かれて抗争を始めたのだ。ラクシュミが、会の集まりでプレイについて話したために起こったのだ
 ガンダルヴァは、大半が賛成派に回った。彼女たちは伴侶の臭いは好きだが、きつい臭いが好きだとは限らない。臭いを嗅ぐ新たなプレイが出来るのならば、やってみたいそうだ。
 あかなめは、賛成派と反対派が拮抗した。彼女たちは、きつい臭いが好きだ。だが、同じくらい伴侶の体をなめることが好きだ。剃毛プレイでは体をなめることが出来るために、賛成派と反対派に分かれたのだ。
 ベルゼブブは、大半が反対派に回った。彼女たちは、きつい臭いと味を好む。毛を剃ることは言語道断なのだ。なめたければ毛ごとなめて、臭いと味を堪能すればよい。そう言って反対した。
 その結果、「男に毛を生やさせる会」は、激しい内ゲバを始めたそうである。

16/11/28 22:41更新 / 鬼畜軍曹

TOP | 感想 | RSS | メール登録

まろやか投稿小説ぐれーと Ver2.33