序章1 陥落
「これは…いったいどうなってるの!?」
彼女は唖然じていた。
それもそのはずこのレスカティエに魔物が攻めてきたからである。
魔物が攻めてきたのを知ったのは夜が深まり、就寝していたときだった。外が騒がしく何があったかの程度だった。しかし、兵士の一人が「敵襲ー!」と叫び声を聞いてわかった。魔物が攻めてきたと。
それを聞いてこうしちゃいられないとレスカティエの勇者の一人、ウィルマリナはすぐに勇者の服装に身を包み城の外へでた。
そして今、彼女から見ればまさに地獄絵図のような光景を目の当たりにしているのである。
男性は何のすべもなく犯され、女性は魔物と化したりまさにこの世の終わりを連想させるものだった。
「早く何とかしないと…!」
ウィルマリナは剣を抜き戦闘体制に入った。
しかし、いくら勇者輩出国2位といえど魔物がこんなに攻めてきたら流石にいつまで持つか分からない。そもそも彼女は察していた。いずれ陥落するだろうと。ならば市民を避難させる時間を稼げればと思い彼女は戦っていた。そんな彼女に突然の不安がよぎった。ほかの仲間はどうなっているのかと。
ここレスカティエにはウィルマリナのほかに有名な勇者はたくさんいる。
特に有名なのは
幼い子でありながら魔法の才能に恵まれた魔法少女 ミミル
教会のシスターであり孤児院を運営している サーシャさん
ハーフエルフという生い立ちから常に孤独であり、弓はエルフにも引けを取らない プリメーラ
部隊長であり、かつて世話にもなった メルセ隊長
勇者ではないが病弱の王女であり、昔一緒に遊んでた フランツィスカ様
そして、こちらも勇者ではないがかつて一緒だった幼馴染がいた。
「みんな、大丈夫かしら…」
不安ながらに呟いた。やがてその不安が現実のものになるとは知らずに…
戦ってから何時間かたったある時、一人の兵士があわてながらに報告をした。
「申し上げます!ミミル率いる魔術部隊が壊滅いたしました!」
恐れていたことが起きてしまったのだった。さらに続けてこう言った
「他にサーシャ様は魔物となり、メルセ隊長は主犯と思われるリリムとの戦闘中!プリメーラは不明!」
「フランツィスカ様等国王は!?」
「それに関しては避難は済ませておりますがいずれ持ちません!」
ウィルマリナはまずいと感じていた。
ミミル率いる魔術部隊の壊滅、サーシャさんの魔物化、プリメーラの行方が不明、魔王の娘であるリリムと戦闘中の隊長、フランツィスカ様は避難したとはいえ未だに逃げきれていない。
しかし、彼女にはもう一つ気がかりなことがあった。幼馴染のことである。
彼は今はただの一般兵だが、彼女からすれば彼は特別な存在だった。
彼との出会いは彼女がまだ小さい頃から遡る。
彼女はノースクリム家に生まれ、勇者となるべく育てられた。
勇者になるというからには当然厳しく育てられた。
そんなある日彼女が中庭で泣いていたとき、一人の少年に声をかけられた。
それが彼との出会いだった。
彼の両親はここで使用人として働いていると聞いた。
最初はただ他愛のない話をするぐらいの仲だった。
そしてすぐに仲良くなり、彼と過ごしていくうちに次第に恋心を持ち始めた。
しかし彼女は将来勇者となるべく存在、一方の彼は将来使用人という雲泥の差の身分があった。
彼女はただ恋は実らなくとも一緒に過ごせばいいと思っていた。
しかしそう簡単にいつまでも続かなかった。
最近彼が見なくなってきたと思い彼を探していたある日、使用人からとんでもない話を聞いてしまった。
「かわいそうに…解雇だって」
「旦那様からも信頼していたのに…」
「やはりあの息子さんがお嬢様とかかわっていたからかしらねぇ?」
それを聞いて彼女はすごく悲しんだ。涙が枯れるぐらいに泣いた。
話によると身分が低く政略的にも使えないという理由で辞めさせられたといっていた。
その後、彼女はつらい訓練も頑張った。あの一件を償うかのように
彼は無事か?彼女はとにかく心配だった
今の自分があるのは彼がいたから頑張れた。彼がいたから楽しかったこともたくさんあった。そんな彼が魔物に襲われていたら…
「ちょ、ウィルマリナ様!?どこへ行かれるのですか!?」
彼女はすぐに走った、彼を探すために
彼に何かあったらっと不安だった
探してからしばらくたったが未だに彼はいなかった
彼はどこにいるのだろうか?もしかしたら…
彼女は涙を少し流しながらも必死に探していた。途中で襲ってくる魔物を追い払いながら
そして探し回っているうちに何者かとぶつかった。
彼女は魔物かもしれないと剣を取った。
だがそこにいたのは魔物ではなかった。彼女が探していた彼だった
「だ、誰だ!?ってウィルマリナ様?」
「ええ、そうよオーディ!よかった無事で!!」
オーディという男が無事だと分かったとき、彼女は彼を抱いた
オーディはレスカティエの一般兵士であるが、昔両親がノースクリム家の使用人として働いていたため彼も将来立派な使用人になるために屋敷にいた。
ウィルマリナと出会って以来友達として接していた人物であった。しかし両親がウィルマリナの父に解雇され、同時に両親を事故で亡くすという悲劇を経験してきた人であった。今はサーシャが運営している孤児院のために一般兵士として働いていた。
「ウィルマリナ様…」
彼はウィルマリナの背中を擦った。
彼女もいくら勇者であっても泣くときは泣く。
彼は彼女のことを知っていた。
「そんなことよりウィルマリナ様、早く城へ戻りましょう!」
「ええ、そうね」
オーディが無事だと知ったウィルマリナは城へ戻った
しかし時すでに遅し、城の兵士や聖騎士たちは全滅していた。
「嘘…」
「ダメだったか…」
二人は悟った、もうここはだめかもしれないと
「どうするんだ!このままでは…!」
「そうだ、確か中心部のどこかに避難用の隠し通路があったはずよ!」
「そういえば!とりあえずあるところに急ごう!」
二人はその隠し通路があるところへ向かう。幾多もの魔物を掻い潜りながら
「見つけたわ!ここよ!」
「問題は魔物がいるかどうかだが…進むしかないか」
二人は隠し通路を進んでいった。あまりの静けさに当初は警戒をしていたが幸い魔物が潜んでおらず無事脱出できたのである。
その後二人はレスカティエから逃げ出し、見渡せるところにいた
「レスカティエが…」
「…ウィルマリナ様」
「何?」
「僕はこれでよかったと思います…ここの教団は腐っていますから…」
「…」
「ところでどうしますか?」
「アストリアに行こうと思う。」
アストリアとはレスカティエの隣にある教団国家であり勇者輩出はレスカティエより低いが高い戦闘力と防衛力がある国家で有名である。同時に財政も豊かで貧困層が存在しないというところも魅力がある国である。
「急ぎましょう、新手が来る前に」
二人は陥落するレスカティエを後にした。
しかしその途中
「なんだか疲れが…」
「僕も…です…」
二人は疲労により向かう途中で倒れた。
彼女は唖然じていた。
それもそのはずこのレスカティエに魔物が攻めてきたからである。
魔物が攻めてきたのを知ったのは夜が深まり、就寝していたときだった。外が騒がしく何があったかの程度だった。しかし、兵士の一人が「敵襲ー!」と叫び声を聞いてわかった。魔物が攻めてきたと。
それを聞いてこうしちゃいられないとレスカティエの勇者の一人、ウィルマリナはすぐに勇者の服装に身を包み城の外へでた。
そして今、彼女から見ればまさに地獄絵図のような光景を目の当たりにしているのである。
男性は何のすべもなく犯され、女性は魔物と化したりまさにこの世の終わりを連想させるものだった。
「早く何とかしないと…!」
ウィルマリナは剣を抜き戦闘体制に入った。
しかし、いくら勇者輩出国2位といえど魔物がこんなに攻めてきたら流石にいつまで持つか分からない。そもそも彼女は察していた。いずれ陥落するだろうと。ならば市民を避難させる時間を稼げればと思い彼女は戦っていた。そんな彼女に突然の不安がよぎった。ほかの仲間はどうなっているのかと。
ここレスカティエにはウィルマリナのほかに有名な勇者はたくさんいる。
特に有名なのは
幼い子でありながら魔法の才能に恵まれた魔法少女 ミミル
教会のシスターであり孤児院を運営している サーシャさん
ハーフエルフという生い立ちから常に孤独であり、弓はエルフにも引けを取らない プリメーラ
部隊長であり、かつて世話にもなった メルセ隊長
勇者ではないが病弱の王女であり、昔一緒に遊んでた フランツィスカ様
そして、こちらも勇者ではないがかつて一緒だった幼馴染がいた。
「みんな、大丈夫かしら…」
不安ながらに呟いた。やがてその不安が現実のものになるとは知らずに…
戦ってから何時間かたったある時、一人の兵士があわてながらに報告をした。
「申し上げます!ミミル率いる魔術部隊が壊滅いたしました!」
恐れていたことが起きてしまったのだった。さらに続けてこう言った
「他にサーシャ様は魔物となり、メルセ隊長は主犯と思われるリリムとの戦闘中!プリメーラは不明!」
「フランツィスカ様等国王は!?」
「それに関しては避難は済ませておりますがいずれ持ちません!」
ウィルマリナはまずいと感じていた。
ミミル率いる魔術部隊の壊滅、サーシャさんの魔物化、プリメーラの行方が不明、魔王の娘であるリリムと戦闘中の隊長、フランツィスカ様は避難したとはいえ未だに逃げきれていない。
しかし、彼女にはもう一つ気がかりなことがあった。幼馴染のことである。
彼は今はただの一般兵だが、彼女からすれば彼は特別な存在だった。
彼との出会いは彼女がまだ小さい頃から遡る。
彼女はノースクリム家に生まれ、勇者となるべく育てられた。
勇者になるというからには当然厳しく育てられた。
そんなある日彼女が中庭で泣いていたとき、一人の少年に声をかけられた。
それが彼との出会いだった。
彼の両親はここで使用人として働いていると聞いた。
最初はただ他愛のない話をするぐらいの仲だった。
そしてすぐに仲良くなり、彼と過ごしていくうちに次第に恋心を持ち始めた。
しかし彼女は将来勇者となるべく存在、一方の彼は将来使用人という雲泥の差の身分があった。
彼女はただ恋は実らなくとも一緒に過ごせばいいと思っていた。
しかしそう簡単にいつまでも続かなかった。
最近彼が見なくなってきたと思い彼を探していたある日、使用人からとんでもない話を聞いてしまった。
「かわいそうに…解雇だって」
「旦那様からも信頼していたのに…」
「やはりあの息子さんがお嬢様とかかわっていたからかしらねぇ?」
それを聞いて彼女はすごく悲しんだ。涙が枯れるぐらいに泣いた。
話によると身分が低く政略的にも使えないという理由で辞めさせられたといっていた。
その後、彼女はつらい訓練も頑張った。あの一件を償うかのように
彼は無事か?彼女はとにかく心配だった
今の自分があるのは彼がいたから頑張れた。彼がいたから楽しかったこともたくさんあった。そんな彼が魔物に襲われていたら…
「ちょ、ウィルマリナ様!?どこへ行かれるのですか!?」
彼女はすぐに走った、彼を探すために
彼に何かあったらっと不安だった
探してからしばらくたったが未だに彼はいなかった
彼はどこにいるのだろうか?もしかしたら…
彼女は涙を少し流しながらも必死に探していた。途中で襲ってくる魔物を追い払いながら
そして探し回っているうちに何者かとぶつかった。
彼女は魔物かもしれないと剣を取った。
だがそこにいたのは魔物ではなかった。彼女が探していた彼だった
「だ、誰だ!?ってウィルマリナ様?」
「ええ、そうよオーディ!よかった無事で!!」
オーディという男が無事だと分かったとき、彼女は彼を抱いた
オーディはレスカティエの一般兵士であるが、昔両親がノースクリム家の使用人として働いていたため彼も将来立派な使用人になるために屋敷にいた。
ウィルマリナと出会って以来友達として接していた人物であった。しかし両親がウィルマリナの父に解雇され、同時に両親を事故で亡くすという悲劇を経験してきた人であった。今はサーシャが運営している孤児院のために一般兵士として働いていた。
「ウィルマリナ様…」
彼はウィルマリナの背中を擦った。
彼女もいくら勇者であっても泣くときは泣く。
彼は彼女のことを知っていた。
「そんなことよりウィルマリナ様、早く城へ戻りましょう!」
「ええ、そうね」
オーディが無事だと知ったウィルマリナは城へ戻った
しかし時すでに遅し、城の兵士や聖騎士たちは全滅していた。
「嘘…」
「ダメだったか…」
二人は悟った、もうここはだめかもしれないと
「どうするんだ!このままでは…!」
「そうだ、確か中心部のどこかに避難用の隠し通路があったはずよ!」
「そういえば!とりあえずあるところに急ごう!」
二人はその隠し通路があるところへ向かう。幾多もの魔物を掻い潜りながら
「見つけたわ!ここよ!」
「問題は魔物がいるかどうかだが…進むしかないか」
二人は隠し通路を進んでいった。あまりの静けさに当初は警戒をしていたが幸い魔物が潜んでおらず無事脱出できたのである。
その後二人はレスカティエから逃げ出し、見渡せるところにいた
「レスカティエが…」
「…ウィルマリナ様」
「何?」
「僕はこれでよかったと思います…ここの教団は腐っていますから…」
「…」
「ところでどうしますか?」
「アストリアに行こうと思う。」
アストリアとはレスカティエの隣にある教団国家であり勇者輩出はレスカティエより低いが高い戦闘力と防衛力がある国家で有名である。同時に財政も豊かで貧困層が存在しないというところも魅力がある国である。
「急ぎましょう、新手が来る前に」
二人は陥落するレスカティエを後にした。
しかしその途中
「なんだか疲れが…」
「僕も…です…」
二人は疲労により向かう途中で倒れた。
15/04/06 04:01更新 / Cronus
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