マモムステイカー
私は魔王の娘であるリリムである。
先日、とある男性から熱烈なプロポーズを受けてめでたく結婚した。
一夫多妻制として...
「私は魔王の娘!リリムであるぞ!!」
「お...おう、そうだな...」
彼こそが私の夫であり、大柄でサングラスをかけており、いかつい印象を受ける。しかし、実際は面倒見がいい性格で得意料理はパンケーキ、基本エプロンを付けているほどかわいらしいところがある。話によると、夢の中で「魔物娘とハーレムを作りなさい!」と啓示を受けたらしく、単身で魔王城に乗り込んでは出会った子を片っ端から口説いて行ったらしい。いや、行動派過ぎるだろ、並みの勇者よりもすごいのではないか!?最近では「魔界を連れたもの」とか言った二つ名までつけられているらしい。彼の魅力は、まだまだ語り足りないが、今回ばかりは日頃の不満による我慢の限界である。
「もっと私とイチャイチャしろ!ほかの女ばかりかまうな!」
「そうしたいのは、山々なんだが...ほかの子が中々...」
「えぇい、よせ!今はほかの女の話をするではない!」
「す、すまん...どうしたら許してくれるかい?」
「ふん!分かっておるだろうに...」
「...分かった。」
そう一言呟くとおもむろに彼は立ち会があり、私をその見た目とは裏腹にガラス細工が割れないように優しくそっと抱きしめた。
わわわ!!確かにこういうのを期待していたけれど、いきなりだなんて...大丈夫かな、私?にやけてないかな?口臭くないかな?やばいやばい!顔がこんな近くに!
「すまなかったな...」
不器用にボソッと彼はつぶやくと凛々しい顔の整った唇を私の唇に重ね.....
「「「主殿!!本日のお稽古に付き合ってくださいませ!!」」」
まぁ、そうなるわよね!何たって私たちは一夫多妻ですし!一夫多妻ですし!
雰囲気を打ち壊していただいた鎌鼬は私の優秀な部下であり、東の国で培った連携は、武闘、事務のいずれにも素晴らしいものである。ただ、今はその見事な連携を活かして、私と彼がイイ感じなったところになったところで現れては、阻止していく。
「気にするな!!早く続きだ!!」
「いや...でも...」
「「「稽古!!稽古!!稽古!!」」」
こうなってしまっては私の催淫をもってしても、もうだめだ。彼は未だ人としての倫理観は持ち合わせているらしく、他人に見られているときにはこういった行為は一切しない。私もほかの女との行為は見たことはなく、彼なりの気遣いであるのだろうが、実に惜しい。
「もういい!!私から行く!!」
今までの恥じらいをかなぐり捨てて、唇を強引に近づけようとするが、
「すまん!!後で埋め合わせはする!!」
と言って顔を真っ赤にしたのち部屋から出て行ってしまった。
「「「稽古!!稽古!!稽古!!」」」
彼女たちも彼を追いかけて嵐のように去っていった。部屋に残された私はひどく落胆しもう何もする気力もおきず、彼とのキスハメをオカズにオナニーをしてふて寝した。
日は改まり、今日は絶好のイチャイチャ日和。鎌鼬には山ほど仕事を押し付けてきたためしばらくは大丈夫であろう。今日こそ彼をメロメロにして私に溺れさせれ所存である。そうと決まれば、さっそく彼が午前中の家事が終わったであろう時間を見計らって、部屋を訪ねる。
「私は魔王の娘!リリムであるぞ!」
2,3回ノックをしても返事がないため疑問に思う。
この時間はいつもいるはずなのに...!?まさか!?
慌ててドアを開けてもそこに彼の姿はなくただきれいに整えられたベットが横たわっているだけだった。
しまった...時すでに遅し。せめて私の計画の邪魔をしたやつの邪魔をしてやる!!私は城中を駆け回り、ようやくある部屋の前にたどり着いた。
「本当に俺でいいのか...?」
「今さら何言ってんだ。お前とじゃなきゃ無理に決まってんだろ!」
「お姉さんとかいるじゃないか?」
「はぁ!?あいつとしろってか?無茶言うなよ!」
「そういうもんなのか?」
「当たり前だろ!もういいだろ!さっさと始めるぞ!」
ビンゴだ!標的はこの部屋の中にいる。行為が始まったところで勢いよくドアを開けてやれば彼はあまりの恥ずかしさで、そいつと顔を合わせるたびに気まずい空気になり、しばらくは疎遠になるだろう。フハハハハハ!我ながら悪魔のような考えだ。いや私は悪魔だったなぁ!フハハハハハ!と声には出さず笑いをこらえた。
「もうそろそろきつくなってきた。出していいか?」
「まじか、まぁそんな感じだな。あとちょっとだけ我慢してくれないか?」
「善処するが、もしもの時は勘弁してくれ...」
「ったく、しょうがねえな。確かにこれはやばいな。」
「我慢は良くないぞ。」
「どの口が言うか。まぁいい頃合いだ。イクぞ!!」
よし来た!待ってましたといわんばかりにドアを開け突撃する。
「私は魔王の娘!リリムであるぞ!」
「「ファイナルダイナミックスペシャル!!」」
「へ?」
画面越しの敵が派手な爆発とともに吹き飛び4桁のダメージ数が表示される。
逆側を見るとコントローラーを持った彼、酒瓶を持って画面を指さしたままのサテュロスと目が合う。
「「...どうした?」」
「あ...いや...別に...」
残念それはゲームでした!紛らわしいわ!
どうしよう、盗み聞きしてたなんて正直に言えるわけないし...
エッチしてると思って、とかも部屋に入ってきた理由にならないし...
「声うるさかったか?」
「少し熱が入りすぎてたしな。」
「そ、そう!部屋の外まで声漏れてたから...」
「それは申し訳ない。」
「きーつける。」
「そうしてちょうだい。それと、あなた?」
「...なんだ?」
「それ、あとどのくらいかかりそう?終わったら部屋に行きたいのだけれど...」
なんとかごまかせたぜ!やってたのはただのゲームだし、まだ私にもチャンスはあるわ!先に約束を付けてしまえばこっちのものよ!
「わからない。どのくらいだ?」
「そうだなー?」
彼女は私を見てにやりと悪い笑みを浮かべると、え、待ってその顔何?
「全キャラレベル99になるまでだから1日以上だな。」
「「は?」」
彼女はいったい何を言っているのだろうか。彼も初耳だったのか驚いて目を丸めている。
「大丈夫だろ、お前もうインキュバスだしよゆーよゆー。」
「そんなに、できるわけ...」
「おっと、口出しは無用だぜ。俺はこいつにゲームに付き合えって言ったんだ。そしたらこいつは「分かったやろう」って返事したんだ。」
「ぐぬぬぬぬ。」
彼女の正論にぐうの音も出ない。彼も彼で割り切ってしまった。
「まぁ、怒るなって返さないわけじゃないからよ。」
「食事の時には顔出すのよ。」
「分かってるって。」
最後に威張ったように言葉を吐き捨てるも、彼女は生返事で彼と一緒にゲームを再開していた。私はその後、自分の部屋には戻らず、長時間の主が不在と彼の部屋に行き、彼のニオイをオカズにしてオナニーをしてふて寝した。
さらに明くる日、彼はついにゲームの呪縛から解放され、泥に沈むように寝ている。こちとらその間、保健実技女子シングルしかしていなかったため、疲労困憊、遅漏おっぱいである。何言ってんだか。しかし、部屋に行く約束した以上、保健実技男女混合ミックスダブルスにすべく部屋に突る。
予定だった。
彼の部屋の前に一人私の苦手なやつがいなければ...
「おう!なんだ魔王の娘さんじゃないか!」
そこにいたのは先日のサテュロスではなくその姉、ゲームで引きこもりがちな妹とは対照的に、日中は意味もなくただ外をぶらぶらしている。ってたばこの煙をナチュラルに吹きかけるな!口論になると確実に負けるほど口喧嘩が強く、説き伏せられた苦い思い出しか出てこない。なので、ここは...
「悪いけど、魔王の娘はあの人とロマンチックな夜を過ごす約束があるの。あなたもあの人目当てかもしれないけど後にしてちょうだいな。」
「そうか、そりゃこまったな。」
必要以上に会話はせずそそくさとドアノブに手を掛ける。
「そういえば...これは俺の独り言なんだが...」
ギクッ!彼女がこの話し方で始まるときは相手の弱みを握っており、ゆすりをかける時だ。ここで動揺するとさらに餌にされる恐れがあるため、動きを止め話を聞くだけにとどまる。
「鎌鼬のやつが、あんたがいちゃつくためだけの理由で仕事を押し付けられたとか嘆いていたなー。」
「・・・」
「あいつはどう思うだろうなー、自分の嫁が公私混同のまま仕事してるって知ったら、どう思うだろうなー?」
「...あー、そう言えばー仕事があったの思い出したー。」
畜生、まさか鎌鼬の連中、私の意図に気づいていたとは...
唇を強くかみしめながら、未練たらたらにその場を引き返す。
「あっ、そう?ラッキー!独り言いってただけなのになーw」
お前が脅したんだろが...
「まぁ、譲ってもらったお礼に、あいつが作った俺の分のパンケーキ食っていいぞー。」
...本当にお前は苦手だ。
そんな同情には、耳を貸さずただ八つ当たりという名目のもと彼女のパンケーキをおいしく平らげて、彼からの言葉責めをオカズにオナニーしてふて寝した。
「はぁー。」
最後に彼に抱いてもらったのはいつだろうか。1時間前、1日前、1週間前、1年前それすらもわからくなってきてしまっている。
「はぁー。」
もう何度目になるかもわからない、ため息を吐きつつ思いをはせる。
「どうかしたでありますか?」
そんなブルーな私に話しかけるもの好きな人もいたもんだ。いや、彼女はエンジェルか。探求心をつかさどる天使である彼女は、魔界の調査をするために私の作った魔界を選んだらしい。この程度のエンジェルであれば、ほっといても勝手に堕落してダークエンジェルになるだろうから、余計な手出しはしないつもりだ。
「少し、考え事をしていたのよ。」
相手が敵対する存在でも、話せば少しはすっきりすると思い。胸の内をさらけ出した。
「なるほど、魔物でも悩み事があるでありますか。これは新しい発見であります!」
「あなた良くまじめって言われない?」
「天使はみんなこんなものであります。」
「そう...」
「それよりも、続きをお願いします。」
「あなた私の愚痴聞いてて面白い?いつもみたいに同い年のサキュバスのところへ行けばいいじゃない?」
「研究対象は多いほうが良いであります。」
「あっそう。」
話せば話すほど不平不満は出てくるもので、今までたまりにたまったものを私は言葉にして吐き出し続けた。それにしても、この子、とても真剣に聞いてくれるわね。最近一人だったからついつい会話が盛り上がってしまうわ。
「この2人が一緒なんて珍しいな。」
そこへ、彼が食器を洗い終えたのかエプロンで手をふきながら会話に混ざる。
「ねぇ聞いてこの子、すごい真剣に私の話を聞いてくれるから、つい楽しくなっちゃって。」
「そうか。それは良かったな。お前もありがとな。」
「いえいえ、どの話も勉強になるであります。」
「またまたぁ、口がうまいんだからー」
この子と話してるだけで、気分転換となり、新しい話題が次々と出てくる。
「そうそう、久しぶりに誰とも約束してないから、よかったらこの後...」
「それでね!ここからが少し複雑でねー」
「複雑な話は大歓迎であります!」
「どうやら、邪魔したようだな。」
私たちの会話を止めないように気を使って彼は席を外してくれた。
「そう!彼はそういう風に気遣いもできるイイ男なのよー」
「あー、それは分かるであります。」
「でしょでしょ、でも少し引きすぎるのも難点なのよねー」
「いや、でもそれは一つの謙虚さと考えることはできませんか?」
「その発想はなかったわね。」
「あえて、一歩引くことで愛し合ったときの充実感が大きくなるというか...」
「なるほどねー」
彼女は私との会話は発見だというけれど、私も発見の連続である。
「あれ?今日は彼女と愛し合うという話ではなかったのか?」
「そのつもりだったんだかあの雰囲気を壊すわけにはいかなくてな...」
距離感って難しいわね、くっつきすぎてもマンネリ化してしまうし、遠いと不安になるし...
「あー、あれは確かに割って入るのは厳しいな...」
「まぁ、時間の使い方はいくらでもあるからな。」
「それなら、少し私に付き合ってくれないか?」
「あぁ、かまわない。」
「実に君は優しいな。惚れ直してしまうよ。」
「からかうなよ。」
「からかってないさ、私はいつも本気だよ。」
遠くで彼と私と長年の付き合いで元魔王軍将軍のデュラハンが仲睦まじく会話をしているが、天使との会話に夢中になっている私には些細なことではない。
「距離感の話をしたら、彼と近づいてイチャイチャしたくなってきちゃった。」
「それならさっき、彼からのお誘いが来ていましたよ。」
「え!!気づかなかったわ!ちょっと今からヤってくるわ!」
ついに来たかこの時が!今まで長かった暗黒時代に暗黒時代が来るのよ!離れた距離感の分だけうめてもらわなくっちゃ!!この子と話しているといいことだらけだわ!さすが天使!
「それは無理でありますよ?」
「?どうして?」
「たった今、私と話してる間に元将軍殿と一緒にどこかに行きましたから。」
天使滅ぼす!!
速攻彼女を堕落させてダークエンジェルにしたのちに、自分の過ちを後悔して開して、彼が寝取られる様子をオカズにしてオナニーしてふて寝した。
先日の失態による心の傷が癒えた頃、私は働きづめの城の受付であるダークプリーストと一緒に朝食をとっていた。
「私の対応の評価に10点満点くれたのは旦那様だけですよ...」
「そうかしら?私はあなたの仕事はしっかりやってると思うわよ。」
「お嬢様にそう言ってもらえることが唯一の救いです。」
「何がいけないのかしらねぇー」
彼女はいつもまじめに仕事をしていて私もそれを知って買っているのだけれど...
「どうやら、愛想が悪いらしいです。」
「愛想ねぇー」
「好きなことでも考えたらどうだ?」
「あなた!」「旦那様!」
食後のコーヒーを入れてくれた彼が椅子に腰かけながら提案する。
「はい、コーヒー。」
「ありがとう。」「ありがとうございます。」
「どういたしまして。実は未だに君の好みが良くわかなくってね。」
「確かに。」
彼女も私たちハーレムの一員であるのに仕事以外ではあまり会話をしないから、謎が多いままなのよね....
「そうですね。しいて言うならコーヒーですかね。」
「コーヒー?」
「初めて聞いたわ。」
「あまり、言ってませんでしたから。」
「それじゃあ、俺の入れたものはどうだろうか?」
「私は好きよ。あなたのコーヒー。」
「そうなんですか。ではいただきます。」
彼女は少し冷ました後、カップのコーヒーを一気に飲み干した。まさかの飲み方に私たちは驚くが驚くのはまだ早かった。
「ぷはー!確かにうめぇなこれ!だが好みじゃねー!」
「「え。」」
「俺の好みはもっとこう舌がギュッと縮むような苦みのあるものだ!」
彼女の突然の変貌に開いた口が塞がらない。
「そ、その口調はいったい?」
かろうじて彼が口をパクパクさせ質問し、私も激しく同意して首を縦に振る。
「おっと、いけねー。俺コーヒー飲むと素に戻っちまうんですよ。」
「あ、そっちが素なのね...」
長い付き合いながらも、知らないことがあったとは...
「旦那!!」
「はいっ!」
突然呼ばれて、背筋を伸ばす彼。
「お前の入れるコーヒーには可能性を感じた。」
「あ、ありがとうございます。」
「よ、よかったわね。」
おどおどしながらも、なんとか会話を成立させる。素の性格に戻ったというよりも、人が変わったようである。
「というわけで今から旦那を徹底的に指導する。」
「はい?」
転々と会話が進み話に付いていけない。えっ?このSSいつから料理漫画みたいになってるの?
「あぁん!俺は何度も同じこと言うのと間違うことは大嫌いでよぉ!」
「し、失礼しました。」
あまりの攻撃性に普段めったなことでは動じない彼が動揺してる。申し訳ないけど私は巻き込まれたくないため、黙り込む。
「よし!んじゃ、部屋行くぞ!」
「いや、今日はちょっと彼女と予定があるので...」
まさかのここで魅力的な提案、だけど今は我が身が大事。許してあなた、その代わり後でいっぱいお仕置きしてください。そうすると非常に喜びます。
「いいわよ、また今度にしましょう。あなたのさらにおいしくなったコーヒーが楽しみだわ。」
「まじかよ...」
ひきつった笑顔を張り付け、彼を見送る。
「あ、そうだ。」
まだ何かー
「コーヒー飲んだらションベンしたくなってきた。旦那、部屋着いたら飲め。」
「!?」
健闘祈る、私の愛しい人。
でも、彼とイチャイチャする選択肢を自分で打ち切った自分を恨めしく思って彼の飲尿プレイをオカズにしてオナニーしてふて寝した。
「これは、エロい!実にエロい!」
彼が一人前のバリスタになって戻ってきてから、幾日が過ぎ普段の日常が戻り始めたころ、私のオナニーはめちゃめちゃはかどっていた。ついに彼がほかの女と行為をしているところに遭遇してしまったのだ。彼の部屋の押し入れに隠れて夜這いを仕掛けようとしたら、まさかの私以外の女とハッスルである。突撃しても勘違いだったらどうしようと前回の失敗のトラウマに戸惑っていたら、紛れもなくヤっている。完全に出るタイミングを逃したため絶賛、居守プレイ中である。
くそう、あの脳内お花畑サキュバスめ、縦セタなんぞで誘惑しおって...
うわーあんなに力強くティクビつねって、お乳もげるんじゃないの?
彼の責める部位を自分に投影して、体の隅々までこねくり回す。
これいいぃ、これすきぃ、もっとぉ!!
あーもう、何も考えられない!
ばれたら、大変なことになると興奮した私は前戯だけで絶頂し、一人寂しく押し入れの中で失神した。
あれ私は...そうだ、隠れてオナニーしてその後...そうだ二人は?
恐る恐る押し入れを開けると、二人の規則的な寝息が聞こえてきた。よかった、寝てるみたいだわ。今のうちに撤退しましょ。
...少しぐらい覗いてもばれないわよね...
足音消してベットに近づく、二人ともとても幸せそうな寝顔している。
こんな二人きりの世界を邪魔をするのは無粋よね...
さっきまでそれでオナニーしてた自分が恥ずかしく思い、部屋に戻ってあと一回だけと、彼との野外プレイをオカズにしてオナニーして寝た。
いくら魔物娘といえど惚れた男にために戦わならない時がある。
「今日こそは!今日こそは!イチャイチャするって決めてたのぉ!」
彼の体よりさらに長身な現魔王軍将軍であるドラゴンに言い放つ。
「すまぬが、我が宝は私の性欲を晴らすために借りていくぞ!」
「認めないわ!いきなり帰ってきたと思ったら、何なのよ!」
「どうする我が宝、あの女を我が力をもってねじ伏せるか?」
「身内同士の争いはパスで、さもないともうパンケーキは作らん。」
彼女の腕につかまれてぶら下がっている彼は、もう慣れたの事のように呟く。
「心得た。おい娘!受け取れ!」
「何よこれ?」
てっきり彼を返してくれたのかと思ったら、渡されたのは巨大の麻袋。中には金銀財宝がぎっしりと詰まっていた。にらみつけることで疑問を訴えると、
「これで、我が宝の1時間をもらうぞ。分かっておる、こいつの存在は金ではどうにもならなということは。だからこそだ、本来一族遊んで暮らせる額で1時間だけをもらう。これでどうだ?」
敵ながら見事な作戦だ。ここまでこちらを立てられては、無碍にすることはできない。だが、この程度は容易に切り返せる。問題はその後、戦わずに戦う矛盾しているが彼のためにもやらねばならない。
「この金額で、彼の1時間を買えると本気で思っているの?」
「少々心が痛むがそうだ。」
「この金は好きなように使って構わないのよね?」
「あぁもちろんだ。自由にしろ。」
よし、ここまでくれば私の勝ちだ。おかえり、私の愛する人。
「ならば、この金であなたの宝の1時間を買うわ。」
「え?」
「フハハハ!そう来たか!」
彼は戸惑い、彼女は喜ぶ。
「わかった、わかった私の負けだ。」
「よかったわ、穏便に済ませられて。」
「すまん俺には分からん。説明頼めるか?」
「簡単なことよ。今の会話であなたの価値が変わったの。」
より詳しく解説すると、彼女にとっての価値はこの麻袋一つで、私はそれが変動しないように裏付けをさせる。そして、金を受け取ったのちに彼の時間を買う。そうすれば、彼女がその金でまた彼の時間を買うと言っても、私にとっての彼の価値の裏付けはしていないため、より高い金額を要求することができる。彼女はそれを理解したから負けを認めたのよ。
「まぁ、それでも彼女がそれ以上の金額を出して、私の裏付けをとってきたら負けていたけどね。ほぼ賭けよ。」
「そういうことだ。我が宝よ。」
「なるほど、分からん。」
「まぁ、いいわ。それよりも急ぎましょう。」
「もう限界なのか?」
私は彼の質問には答えず、部屋に放り込み上にまたがる。
彼も借りてきた猫のようにおとなしくなり、私にすべてをゆだねる。
今までの時間を埋めるために彼の体をむさぼ...
「「「「「やっぱ、みんなでヤろう!!」」」」」
「・・・」
「私は魔王の娘!リリムであるぞ!」
先日、とある男性から熱烈なプロポーズを受けてめでたく結婚した。
一夫多妻制として...
「私は魔王の娘!リリムであるぞ!!」
「お...おう、そうだな...」
彼こそが私の夫であり、大柄でサングラスをかけており、いかつい印象を受ける。しかし、実際は面倒見がいい性格で得意料理はパンケーキ、基本エプロンを付けているほどかわいらしいところがある。話によると、夢の中で「魔物娘とハーレムを作りなさい!」と啓示を受けたらしく、単身で魔王城に乗り込んでは出会った子を片っ端から口説いて行ったらしい。いや、行動派過ぎるだろ、並みの勇者よりもすごいのではないか!?最近では「魔界を連れたもの」とか言った二つ名までつけられているらしい。彼の魅力は、まだまだ語り足りないが、今回ばかりは日頃の不満による我慢の限界である。
「もっと私とイチャイチャしろ!ほかの女ばかりかまうな!」
「そうしたいのは、山々なんだが...ほかの子が中々...」
「えぇい、よせ!今はほかの女の話をするではない!」
「す、すまん...どうしたら許してくれるかい?」
「ふん!分かっておるだろうに...」
「...分かった。」
そう一言呟くとおもむろに彼は立ち会があり、私をその見た目とは裏腹にガラス細工が割れないように優しくそっと抱きしめた。
わわわ!!確かにこういうのを期待していたけれど、いきなりだなんて...大丈夫かな、私?にやけてないかな?口臭くないかな?やばいやばい!顔がこんな近くに!
「すまなかったな...」
不器用にボソッと彼はつぶやくと凛々しい顔の整った唇を私の唇に重ね.....
「「「主殿!!本日のお稽古に付き合ってくださいませ!!」」」
まぁ、そうなるわよね!何たって私たちは一夫多妻ですし!一夫多妻ですし!
雰囲気を打ち壊していただいた鎌鼬は私の優秀な部下であり、東の国で培った連携は、武闘、事務のいずれにも素晴らしいものである。ただ、今はその見事な連携を活かして、私と彼がイイ感じなったところになったところで現れては、阻止していく。
「気にするな!!早く続きだ!!」
「いや...でも...」
「「「稽古!!稽古!!稽古!!」」」
こうなってしまっては私の催淫をもってしても、もうだめだ。彼は未だ人としての倫理観は持ち合わせているらしく、他人に見られているときにはこういった行為は一切しない。私もほかの女との行為は見たことはなく、彼なりの気遣いであるのだろうが、実に惜しい。
「もういい!!私から行く!!」
今までの恥じらいをかなぐり捨てて、唇を強引に近づけようとするが、
「すまん!!後で埋め合わせはする!!」
と言って顔を真っ赤にしたのち部屋から出て行ってしまった。
「「「稽古!!稽古!!稽古!!」」」
彼女たちも彼を追いかけて嵐のように去っていった。部屋に残された私はひどく落胆しもう何もする気力もおきず、彼とのキスハメをオカズにオナニーをしてふて寝した。
日は改まり、今日は絶好のイチャイチャ日和。鎌鼬には山ほど仕事を押し付けてきたためしばらくは大丈夫であろう。今日こそ彼をメロメロにして私に溺れさせれ所存である。そうと決まれば、さっそく彼が午前中の家事が終わったであろう時間を見計らって、部屋を訪ねる。
「私は魔王の娘!リリムであるぞ!」
2,3回ノックをしても返事がないため疑問に思う。
この時間はいつもいるはずなのに...!?まさか!?
慌ててドアを開けてもそこに彼の姿はなくただきれいに整えられたベットが横たわっているだけだった。
しまった...時すでに遅し。せめて私の計画の邪魔をしたやつの邪魔をしてやる!!私は城中を駆け回り、ようやくある部屋の前にたどり着いた。
「本当に俺でいいのか...?」
「今さら何言ってんだ。お前とじゃなきゃ無理に決まってんだろ!」
「お姉さんとかいるじゃないか?」
「はぁ!?あいつとしろってか?無茶言うなよ!」
「そういうもんなのか?」
「当たり前だろ!もういいだろ!さっさと始めるぞ!」
ビンゴだ!標的はこの部屋の中にいる。行為が始まったところで勢いよくドアを開けてやれば彼はあまりの恥ずかしさで、そいつと顔を合わせるたびに気まずい空気になり、しばらくは疎遠になるだろう。フハハハハハ!我ながら悪魔のような考えだ。いや私は悪魔だったなぁ!フハハハハハ!と声には出さず笑いをこらえた。
「もうそろそろきつくなってきた。出していいか?」
「まじか、まぁそんな感じだな。あとちょっとだけ我慢してくれないか?」
「善処するが、もしもの時は勘弁してくれ...」
「ったく、しょうがねえな。確かにこれはやばいな。」
「我慢は良くないぞ。」
「どの口が言うか。まぁいい頃合いだ。イクぞ!!」
よし来た!待ってましたといわんばかりにドアを開け突撃する。
「私は魔王の娘!リリムであるぞ!」
「「ファイナルダイナミックスペシャル!!」」
「へ?」
画面越しの敵が派手な爆発とともに吹き飛び4桁のダメージ数が表示される。
逆側を見るとコントローラーを持った彼、酒瓶を持って画面を指さしたままのサテュロスと目が合う。
「「...どうした?」」
「あ...いや...別に...」
残念それはゲームでした!紛らわしいわ!
どうしよう、盗み聞きしてたなんて正直に言えるわけないし...
エッチしてると思って、とかも部屋に入ってきた理由にならないし...
「声うるさかったか?」
「少し熱が入りすぎてたしな。」
「そ、そう!部屋の外まで声漏れてたから...」
「それは申し訳ない。」
「きーつける。」
「そうしてちょうだい。それと、あなた?」
「...なんだ?」
「それ、あとどのくらいかかりそう?終わったら部屋に行きたいのだけれど...」
なんとかごまかせたぜ!やってたのはただのゲームだし、まだ私にもチャンスはあるわ!先に約束を付けてしまえばこっちのものよ!
「わからない。どのくらいだ?」
「そうだなー?」
彼女は私を見てにやりと悪い笑みを浮かべると、え、待ってその顔何?
「全キャラレベル99になるまでだから1日以上だな。」
「「は?」」
彼女はいったい何を言っているのだろうか。彼も初耳だったのか驚いて目を丸めている。
「大丈夫だろ、お前もうインキュバスだしよゆーよゆー。」
「そんなに、できるわけ...」
「おっと、口出しは無用だぜ。俺はこいつにゲームに付き合えって言ったんだ。そしたらこいつは「分かったやろう」って返事したんだ。」
「ぐぬぬぬぬ。」
彼女の正論にぐうの音も出ない。彼も彼で割り切ってしまった。
「まぁ、怒るなって返さないわけじゃないからよ。」
「食事の時には顔出すのよ。」
「分かってるって。」
最後に威張ったように言葉を吐き捨てるも、彼女は生返事で彼と一緒にゲームを再開していた。私はその後、自分の部屋には戻らず、長時間の主が不在と彼の部屋に行き、彼のニオイをオカズにしてオナニーをしてふて寝した。
さらに明くる日、彼はついにゲームの呪縛から解放され、泥に沈むように寝ている。こちとらその間、保健実技女子シングルしかしていなかったため、疲労困憊、遅漏おっぱいである。何言ってんだか。しかし、部屋に行く約束した以上、保健実技男女混合ミックスダブルスにすべく部屋に突る。
予定だった。
彼の部屋の前に一人私の苦手なやつがいなければ...
「おう!なんだ魔王の娘さんじゃないか!」
そこにいたのは先日のサテュロスではなくその姉、ゲームで引きこもりがちな妹とは対照的に、日中は意味もなくただ外をぶらぶらしている。ってたばこの煙をナチュラルに吹きかけるな!口論になると確実に負けるほど口喧嘩が強く、説き伏せられた苦い思い出しか出てこない。なので、ここは...
「悪いけど、魔王の娘はあの人とロマンチックな夜を過ごす約束があるの。あなたもあの人目当てかもしれないけど後にしてちょうだいな。」
「そうか、そりゃこまったな。」
必要以上に会話はせずそそくさとドアノブに手を掛ける。
「そういえば...これは俺の独り言なんだが...」
ギクッ!彼女がこの話し方で始まるときは相手の弱みを握っており、ゆすりをかける時だ。ここで動揺するとさらに餌にされる恐れがあるため、動きを止め話を聞くだけにとどまる。
「鎌鼬のやつが、あんたがいちゃつくためだけの理由で仕事を押し付けられたとか嘆いていたなー。」
「・・・」
「あいつはどう思うだろうなー、自分の嫁が公私混同のまま仕事してるって知ったら、どう思うだろうなー?」
「...あー、そう言えばー仕事があったの思い出したー。」
畜生、まさか鎌鼬の連中、私の意図に気づいていたとは...
唇を強くかみしめながら、未練たらたらにその場を引き返す。
「あっ、そう?ラッキー!独り言いってただけなのになーw」
お前が脅したんだろが...
「まぁ、譲ってもらったお礼に、あいつが作った俺の分のパンケーキ食っていいぞー。」
...本当にお前は苦手だ。
そんな同情には、耳を貸さずただ八つ当たりという名目のもと彼女のパンケーキをおいしく平らげて、彼からの言葉責めをオカズにオナニーしてふて寝した。
「はぁー。」
最後に彼に抱いてもらったのはいつだろうか。1時間前、1日前、1週間前、1年前それすらもわからくなってきてしまっている。
「はぁー。」
もう何度目になるかもわからない、ため息を吐きつつ思いをはせる。
「どうかしたでありますか?」
そんなブルーな私に話しかけるもの好きな人もいたもんだ。いや、彼女はエンジェルか。探求心をつかさどる天使である彼女は、魔界の調査をするために私の作った魔界を選んだらしい。この程度のエンジェルであれば、ほっといても勝手に堕落してダークエンジェルになるだろうから、余計な手出しはしないつもりだ。
「少し、考え事をしていたのよ。」
相手が敵対する存在でも、話せば少しはすっきりすると思い。胸の内をさらけ出した。
「なるほど、魔物でも悩み事があるでありますか。これは新しい発見であります!」
「あなた良くまじめって言われない?」
「天使はみんなこんなものであります。」
「そう...」
「それよりも、続きをお願いします。」
「あなた私の愚痴聞いてて面白い?いつもみたいに同い年のサキュバスのところへ行けばいいじゃない?」
「研究対象は多いほうが良いであります。」
「あっそう。」
話せば話すほど不平不満は出てくるもので、今までたまりにたまったものを私は言葉にして吐き出し続けた。それにしても、この子、とても真剣に聞いてくれるわね。最近一人だったからついつい会話が盛り上がってしまうわ。
「この2人が一緒なんて珍しいな。」
そこへ、彼が食器を洗い終えたのかエプロンで手をふきながら会話に混ざる。
「ねぇ聞いてこの子、すごい真剣に私の話を聞いてくれるから、つい楽しくなっちゃって。」
「そうか。それは良かったな。お前もありがとな。」
「いえいえ、どの話も勉強になるであります。」
「またまたぁ、口がうまいんだからー」
この子と話してるだけで、気分転換となり、新しい話題が次々と出てくる。
「そうそう、久しぶりに誰とも約束してないから、よかったらこの後...」
「それでね!ここからが少し複雑でねー」
「複雑な話は大歓迎であります!」
「どうやら、邪魔したようだな。」
私たちの会話を止めないように気を使って彼は席を外してくれた。
「そう!彼はそういう風に気遣いもできるイイ男なのよー」
「あー、それは分かるであります。」
「でしょでしょ、でも少し引きすぎるのも難点なのよねー」
「いや、でもそれは一つの謙虚さと考えることはできませんか?」
「その発想はなかったわね。」
「あえて、一歩引くことで愛し合ったときの充実感が大きくなるというか...」
「なるほどねー」
彼女は私との会話は発見だというけれど、私も発見の連続である。
「あれ?今日は彼女と愛し合うという話ではなかったのか?」
「そのつもりだったんだかあの雰囲気を壊すわけにはいかなくてな...」
距離感って難しいわね、くっつきすぎてもマンネリ化してしまうし、遠いと不安になるし...
「あー、あれは確かに割って入るのは厳しいな...」
「まぁ、時間の使い方はいくらでもあるからな。」
「それなら、少し私に付き合ってくれないか?」
「あぁ、かまわない。」
「実に君は優しいな。惚れ直してしまうよ。」
「からかうなよ。」
「からかってないさ、私はいつも本気だよ。」
遠くで彼と私と長年の付き合いで元魔王軍将軍のデュラハンが仲睦まじく会話をしているが、天使との会話に夢中になっている私には些細なことではない。
「距離感の話をしたら、彼と近づいてイチャイチャしたくなってきちゃった。」
「それならさっき、彼からのお誘いが来ていましたよ。」
「え!!気づかなかったわ!ちょっと今からヤってくるわ!」
ついに来たかこの時が!今まで長かった暗黒時代に暗黒時代が来るのよ!離れた距離感の分だけうめてもらわなくっちゃ!!この子と話しているといいことだらけだわ!さすが天使!
「それは無理でありますよ?」
「?どうして?」
「たった今、私と話してる間に元将軍殿と一緒にどこかに行きましたから。」
天使滅ぼす!!
速攻彼女を堕落させてダークエンジェルにしたのちに、自分の過ちを後悔して開して、彼が寝取られる様子をオカズにしてオナニーしてふて寝した。
先日の失態による心の傷が癒えた頃、私は働きづめの城の受付であるダークプリーストと一緒に朝食をとっていた。
「私の対応の評価に10点満点くれたのは旦那様だけですよ...」
「そうかしら?私はあなたの仕事はしっかりやってると思うわよ。」
「お嬢様にそう言ってもらえることが唯一の救いです。」
「何がいけないのかしらねぇー」
彼女はいつもまじめに仕事をしていて私もそれを知って買っているのだけれど...
「どうやら、愛想が悪いらしいです。」
「愛想ねぇー」
「好きなことでも考えたらどうだ?」
「あなた!」「旦那様!」
食後のコーヒーを入れてくれた彼が椅子に腰かけながら提案する。
「はい、コーヒー。」
「ありがとう。」「ありがとうございます。」
「どういたしまして。実は未だに君の好みが良くわかなくってね。」
「確かに。」
彼女も私たちハーレムの一員であるのに仕事以外ではあまり会話をしないから、謎が多いままなのよね....
「そうですね。しいて言うならコーヒーですかね。」
「コーヒー?」
「初めて聞いたわ。」
「あまり、言ってませんでしたから。」
「それじゃあ、俺の入れたものはどうだろうか?」
「私は好きよ。あなたのコーヒー。」
「そうなんですか。ではいただきます。」
彼女は少し冷ました後、カップのコーヒーを一気に飲み干した。まさかの飲み方に私たちは驚くが驚くのはまだ早かった。
「ぷはー!確かにうめぇなこれ!だが好みじゃねー!」
「「え。」」
「俺の好みはもっとこう舌がギュッと縮むような苦みのあるものだ!」
彼女の突然の変貌に開いた口が塞がらない。
「そ、その口調はいったい?」
かろうじて彼が口をパクパクさせ質問し、私も激しく同意して首を縦に振る。
「おっと、いけねー。俺コーヒー飲むと素に戻っちまうんですよ。」
「あ、そっちが素なのね...」
長い付き合いながらも、知らないことがあったとは...
「旦那!!」
「はいっ!」
突然呼ばれて、背筋を伸ばす彼。
「お前の入れるコーヒーには可能性を感じた。」
「あ、ありがとうございます。」
「よ、よかったわね。」
おどおどしながらも、なんとか会話を成立させる。素の性格に戻ったというよりも、人が変わったようである。
「というわけで今から旦那を徹底的に指導する。」
「はい?」
転々と会話が進み話に付いていけない。えっ?このSSいつから料理漫画みたいになってるの?
「あぁん!俺は何度も同じこと言うのと間違うことは大嫌いでよぉ!」
「し、失礼しました。」
あまりの攻撃性に普段めったなことでは動じない彼が動揺してる。申し訳ないけど私は巻き込まれたくないため、黙り込む。
「よし!んじゃ、部屋行くぞ!」
「いや、今日はちょっと彼女と予定があるので...」
まさかのここで魅力的な提案、だけど今は我が身が大事。許してあなた、その代わり後でいっぱいお仕置きしてください。そうすると非常に喜びます。
「いいわよ、また今度にしましょう。あなたのさらにおいしくなったコーヒーが楽しみだわ。」
「まじかよ...」
ひきつった笑顔を張り付け、彼を見送る。
「あ、そうだ。」
まだ何かー
「コーヒー飲んだらションベンしたくなってきた。旦那、部屋着いたら飲め。」
「!?」
健闘祈る、私の愛しい人。
でも、彼とイチャイチャする選択肢を自分で打ち切った自分を恨めしく思って彼の飲尿プレイをオカズにしてオナニーしてふて寝した。
「これは、エロい!実にエロい!」
彼が一人前のバリスタになって戻ってきてから、幾日が過ぎ普段の日常が戻り始めたころ、私のオナニーはめちゃめちゃはかどっていた。ついに彼がほかの女と行為をしているところに遭遇してしまったのだ。彼の部屋の押し入れに隠れて夜這いを仕掛けようとしたら、まさかの私以外の女とハッスルである。突撃しても勘違いだったらどうしようと前回の失敗のトラウマに戸惑っていたら、紛れもなくヤっている。完全に出るタイミングを逃したため絶賛、居守プレイ中である。
くそう、あの脳内お花畑サキュバスめ、縦セタなんぞで誘惑しおって...
うわーあんなに力強くティクビつねって、お乳もげるんじゃないの?
彼の責める部位を自分に投影して、体の隅々までこねくり回す。
これいいぃ、これすきぃ、もっとぉ!!
あーもう、何も考えられない!
ばれたら、大変なことになると興奮した私は前戯だけで絶頂し、一人寂しく押し入れの中で失神した。
あれ私は...そうだ、隠れてオナニーしてその後...そうだ二人は?
恐る恐る押し入れを開けると、二人の規則的な寝息が聞こえてきた。よかった、寝てるみたいだわ。今のうちに撤退しましょ。
...少しぐらい覗いてもばれないわよね...
足音消してベットに近づく、二人ともとても幸せそうな寝顔している。
こんな二人きりの世界を邪魔をするのは無粋よね...
さっきまでそれでオナニーしてた自分が恥ずかしく思い、部屋に戻ってあと一回だけと、彼との野外プレイをオカズにしてオナニーして寝た。
いくら魔物娘といえど惚れた男にために戦わならない時がある。
「今日こそは!今日こそは!イチャイチャするって決めてたのぉ!」
彼の体よりさらに長身な現魔王軍将軍であるドラゴンに言い放つ。
「すまぬが、我が宝は私の性欲を晴らすために借りていくぞ!」
「認めないわ!いきなり帰ってきたと思ったら、何なのよ!」
「どうする我が宝、あの女を我が力をもってねじ伏せるか?」
「身内同士の争いはパスで、さもないともうパンケーキは作らん。」
彼女の腕につかまれてぶら下がっている彼は、もう慣れたの事のように呟く。
「心得た。おい娘!受け取れ!」
「何よこれ?」
てっきり彼を返してくれたのかと思ったら、渡されたのは巨大の麻袋。中には金銀財宝がぎっしりと詰まっていた。にらみつけることで疑問を訴えると、
「これで、我が宝の1時間をもらうぞ。分かっておる、こいつの存在は金ではどうにもならなということは。だからこそだ、本来一族遊んで暮らせる額で1時間だけをもらう。これでどうだ?」
敵ながら見事な作戦だ。ここまでこちらを立てられては、無碍にすることはできない。だが、この程度は容易に切り返せる。問題はその後、戦わずに戦う矛盾しているが彼のためにもやらねばならない。
「この金額で、彼の1時間を買えると本気で思っているの?」
「少々心が痛むがそうだ。」
「この金は好きなように使って構わないのよね?」
「あぁもちろんだ。自由にしろ。」
よし、ここまでくれば私の勝ちだ。おかえり、私の愛する人。
「ならば、この金であなたの宝の1時間を買うわ。」
「え?」
「フハハハ!そう来たか!」
彼は戸惑い、彼女は喜ぶ。
「わかった、わかった私の負けだ。」
「よかったわ、穏便に済ませられて。」
「すまん俺には分からん。説明頼めるか?」
「簡単なことよ。今の会話であなたの価値が変わったの。」
より詳しく解説すると、彼女にとっての価値はこの麻袋一つで、私はそれが変動しないように裏付けをさせる。そして、金を受け取ったのちに彼の時間を買う。そうすれば、彼女がその金でまた彼の時間を買うと言っても、私にとっての彼の価値の裏付けはしていないため、より高い金額を要求することができる。彼女はそれを理解したから負けを認めたのよ。
「まぁ、それでも彼女がそれ以上の金額を出して、私の裏付けをとってきたら負けていたけどね。ほぼ賭けよ。」
「そういうことだ。我が宝よ。」
「なるほど、分からん。」
「まぁ、いいわ。それよりも急ぎましょう。」
「もう限界なのか?」
私は彼の質問には答えず、部屋に放り込み上にまたがる。
彼も借りてきた猫のようにおとなしくなり、私にすべてをゆだねる。
今までの時間を埋めるために彼の体をむさぼ...
「「「「「やっぱ、みんなでヤろう!!」」」」」
「・・・」
「私は魔王の娘!リリムであるぞ!」
20/06/27 21:41更新 / 甘党大工さん