人助けは誰のために
別に、自分がいい人だとは思わない。
ただ、気づいてしまうんだ、人が困っていると。
なんとなく困っている人がいると気になってしまい
「何か手伝えますか?」と話しかけてしまう。
お節介といわれることは少ない。大体ありがとうといってもらえる。
嫌な気持ちにはならないが時々自分ばかりと思うときもある。
そして魔物も同じように助けてしまうのは魔物も嫌いじゃないからだろう。
別に俺はいい奴ではない。
人間は好きだ。
あまり人里には降りれないが降りたときは人間のために悪人は懲らしめる。
自分のやっていることが自己満足なのはわかっているが……
やめるつもりは無い。
なぜなら私は、人間が好きだから。というのは嘘ではないんだけど、
正確には昔助けてくれた人間への恩返し……なんだよね。
昔のことだから顔も覚えてないけど……なんせ10年前の話だし
3年前まで山にこもって人里に下りれなかったし……
「おばあちゃん、いつも言ってるだろ重たいもの運ぶときは誰か呼べって」
もう何十回目かの文句を言いながらいつもどおり俺はおばあちゃんから荷物の半ば無理やり持つ。
「おぉ……すまないねぇいつもいつも」
口ではこういってるが実のとこ最近は俺が来るのを待っている節がある。内心このばばぁがと思わなくも無いが口には出さない。
「まったく、息子さんとかいないのかよ…」
「息子かい?息子ならとある国で女王様の旦那になってるって何度も言ってるじゃないかい」
このばばぁが……嘘もそろそろ止めろと思うし反魔物領に女王はいないのだ。
おばあちゃんの頭がおかしいと思うしかない。
ここは端っこの反魔物領、別名魔物の口。
この村からちょっと行ったらすぐに親魔物領の魔界である。
なので教団の騎士様が村中にいる。だから魔物に侵略されない。
まぁ人がいなくなるのは頻繁だけど。
そして俺はしがない何でも屋である。
そりゃあ昔は勇者様とか言われてたがおめおめと逃げてきた軟弱者だ。
いまでは、人より剣がうまいのと人が困っていると黒いもやがかかるので分かるというくらいだ。
「ありがとう、本当にいつもいつもすまないね」
「そう思うなら次からは俺じゃない奴に頼んでくれ……」
このおばあさんはある意味俺の常連である。支払いは現物だが……
「そうだね……ふふっ次手伝ってもらったときにいい物をあげるよ」
「おいおい、次も手伝うの決定かよ……」
「その時になったらあんたがきっと必要なものさね」
そういうとばばぁは笑いながら「次も頼むよー」といって手を振ってきた。
俺は一つため息を付くと村はずれの家から村の自分の家に向けて歩き出した。
帰り道、妙に村が騒がしかった。なんでも村の中で人が魔物に襲われたらしい。
3年ほど前から時々そうゆうことがあったがついにボロを出したらしい。
まぁ襲われた奴が横暴していた騎士や村人を脅していた勇者だったんで被害者は悪人ばかりなのだが……
騎士様にとってはいい点数稼ぎなのだろう、村で暇していた騎士が躍起になって探している。
まぁ俺には関係ないので家に帰らせてもらおう。
俺の家は村の端っこにある。
あのおばあちゃんの家とは真逆なのだが村が狭いのでそこまで遠くは無い。
鍵を開け家に入ると……家の中がめちゃくちゃだった。
明かりをつけようとしたら、何者かに押し倒された。
「静かにしろ、大声を出すな……」
口を押さえられているので声が出せない顔を縦に振って意思表示をする。
「ぷはぁ……そんなに警戒しなくてもいい、教団に差し出したりしないから」
口が自由になったのでとりあいず相手の警戒を緩めようとする。嘘は言ってない表立ってはしてないが魔物だって助けているし。
そう言って相手を見ると倒れていた。よく見ると全身傷だらけで息をするのがやっとという感じだ。
ハーピー種の亜種なのだろうか羽は黒いのでブラックハーピーぽいがそれにしては着ている服の露出が少ない……っと観察してる場合じゃない手当てを……服は…ちょっとはだけさせるか…
ドンドン…ドンドン…
戸が叩かれる音で目が覚めた。
元々の疲れプラス手当て疲れでそのまま寝てしまっていたようだ。
眠い目をこすりながら戸を開けると、
「変な物音や影を見なかったか」と騎士様に聞かれた。
「すいません仕事疲れで寝ていたもので……」と頭を下げると、
いやこんなに夜分にすまなかった……と言って騎士様は去っていった。
部屋に戻るとベッドの上で彼女が「いいのか?」と問いかけてきた。
「別に俺は教団の人間でもないしな。」と答え、俺はソファで寝るからと言って部屋を出る。
明け方こっそりと外に出ればすぐに村から出れるからどうにかなるだろうと思い俺は再度眠りに落ちた。
トントン……
包丁がリズム良く音を立てている……
自分以外の誰かの存在に気づき飛び起きるが、ソファの上だったので落ちた。
「大丈夫?」黒髪の女がそう話しかけてきた。
「誰?」俺の正直な疑問だった。
「あぁ……私だよ」ぽむっと言う音とともに彼女の腕と足が鳥のそれに変わった。
「出て行かなかったのか?」
「私いると迷惑……か……」
「いや明け方のほうが人通りが少ないから騒ぎにならず逃げれるかと…」
昨日の寝る前に考えたことを言う。
「大丈夫、大丈夫、昨日は怪我しすぎて集中できなかったけど貴方のおかげでだいぶ落ち着いた……ほら」
と言うと先ほどの人間に戻った。良く見ると全身包帯だらけだが。
「カラステングを舐めないで頂戴、恩は返すものよ」
なるほどそのために朝食を作っていたのか…しかし、
「けが人に料理をさせては俺の良心が泣く」
無理やりソファに寝かしつけ、料理を変わる
「わわっ……おいっ……何をする」
「けが人は大人しく寝てろ」
ご飯に味噌汁、焼き魚……一人の朝食じゃ作らないほどちゃんとした和食だな
普段だったら卵かけご飯とか納豆とかで軽く済ませてしまう所だが…
「ふっ…人に飯を作るのは久しぶりだな…」
思いのほかワクワクしている自分がいた。
恩返しにと朝食を作っていたら彼に取られてしまった…
昨日は暗くて気づかなかったが、この男は私のマル秘命の恩人候補に入っていた。性格とかモロモロ調べた結果だ。
10年前の彼を忘れたわけではないが…何せ手がかりがない…。
唯一の手がかりといったら、キスの味だろうか…。
はっ私はなにを…。
10年前、私は不注意で川に落ちてしまった…。
…そして彼に助けられたのだ…キス…といっても人工呼吸のつもりのようだったが、彼も小さくてキスして息を入れられてただけだったが…息苦しくて目を覚ました瞬間、大天狗様が探しにきて下さって…。
そして大天狗様は私が人間に襲われてると思って彼を…吹き飛ばしてしまったのです…。
彼は大きな木に背中を打ちぐったりとしているのを見ながら私は大天狗様に連れ帰られたのだ…。
それから7年私は修行し3年前山を降りたのだ…。
「おーいできたぞ〜?」
彼女はソファの上で思い出に浸っているようだったので呼んでみる。
「あっあぁ…すまないちょっとボーっとしていた」
「別にかまわないが…」
その後は当たり障りのない雑談をして朝食を終えた。
「んで、どうするんだ?」
食器を片付けながら俺は尋ねる。
「恩返しができるまでここにいる」
…プライドが高いんだか…しかもここに居座ることで迷惑をかけてることに気付かないとは…バカだ。
まぁかまわないけどな…。
彼女が俺に返さなければならない恩は溜まる一方でなかなか無くならなかった。2日、3日…1週間経った。
「怪我も完璧に治ったし…何でもやってやるぞ」
「しかし、家事は俺の方がうまいしなぁ」
「…そっそうだな……」
「むしろ料理意外は足手まといだしな」
「…めっ面目ない……」
…最近彼女を軽く虐めるのが楽しくなってきた…秘密だがな。
1週間も経ったから村も元に戻っている。
俺の家に嫁さんが来たとか変な噂が流れているが…村の連中がうまく秘密にしてるようで騎士までは伝わってない…買い物行くとうるさいがな…。
「ずっ図々しいと我ながら思うのだが、1つお願いを聞いてもらえないだろうか」
「んっなんだ?よっぽど無茶じゃなければかまわないぞ?」
「そっその…私と…きっきっきキスをしてくれないだろうか?」
「なるほど…って何でキス?」
「確認だ…まぁ違っていてもやることは変わらないのだが…」
確認だ…の後がブツブツと言っていてよく聞き取れなかったが
「まぁ…かまわねぇよ…お前美人だしな」
とちょっとおどけて見ると…
ぽんっいう音が聞こえるくらい彼女は真っ赤になってしまった。
あれっ…そんな反応されるとこっちまで緊張…
「でっでは行くぞ…」
彼女はそう言うと俺の首に手を回してきて徐々に顔を近づけて来る。
…なんで俺が受身なんだろ…男なのに。
…こうゆう時は目を瞑るんだったんだろうか…いやしかし私が目を瞑ったらうまくキスが出来ない…というか私からキスって…痴女か?私は痴女か?
落ち着け私…たとえ彼が10年前の彼じゃなくても…やってしまおうと決めたのではないか…彼の気持ちはわからないが
そう確認だ…コレはただの確認…でもキス…。
………
あと少しという所で彼女が止まっている…生殺しか?
魔物からのキスを受け入れてる時点でこちらの気持ちもバレてると思ってたのだが…妙なところで弱気だなこいつ…
…幸い近くにソファあるし…こっちからやるか…。
っ…んむっ…んんっ
と少しで触れるというところで『本当にいいのか?』と躊躇していたら、彼からしてきた…少々強く歯がコツンとぶつかったがやわらかくて…熱い…唇が
ただ唇と唇をくっつけているだけなのに唇…いやもう顔全体が熱い…というか今私はどんな顔をしているのだろう…気持ちよすぎてとろけそうだ。
「かわいい…」
「へっ?」
「美人だとは思ってたけどかわいいな」
「えっ…私がか・・・///」
唇が離れて一瞬寂しいと思ったが彼がそんなことを言ったのでそんな気持ちは消えてしまった。
「かわいいだなんて…///言われるとうれしいものだな…」
「あぁ…すごくかわいい…」
あぁ彼が時々見せる意地悪な微笑を浮かべている…
きっと彼は意地悪なことを言う…私の答えは…。
「さて、キスは終わったなその確認ってのはどうだったよ?」
「ちょっと意地悪すぎやしないか?キミ?」
理性が勝った…危なかった…。
腕の中で彼女が喚いているが無視だ…今は落ち着くほうが…っ
んちゅー…
「意地悪だなキミは…私だって我慢の限界ってのがあるんだ…」
俺の上でマウントポジションを取った彼女はそう言うと身に着けた服を脱ぎ裸になった
「いや…そのだな…まだ出会って1週間であってな…」
自分でもなに言ってんだかわかんなくなってきたぞ?
「キミのこれが固くなって私がやる気なのだからいいではないか」
…あっれーなんか無駄にかっこいいな…ドキドキするじゃないか…
「何も言わないならやってしまうぞ?…私はもう我慢できない」
そう言って俺のベルトを外しだした。
彼女は魔物特有の性欲で染まった瞳をしていた(勇者時代何度か見た瞳だ)
以前見たときは恐怖しか感じなかったが今はなんとも愛おしい…
そう思ったら体が勝手に動いていた。
利き手彼女の頬に触れ首の後ろまで手を回し抱き寄せる、近づいてきた唇に唇を当てながら体を起こすそして
「知らないからな…」といって彼女の秘所に肉棒を押し当てる。
彼女の秘所はすでに湿っており進入は容易であったが破瓜の血が彼がはじめての男であることが窺われた。
「俺がはじめてでよかったのか?」
「キミこそ私がはじめてで不満はないのか?」
「こんなかわいくて美人に不満なんてないよ」
「私はキミを前から調べて……あっ…」
「なるほど…時々なんで知ってるんだって事があったがそうゆうことか」
「嫌いになっただろうか…(ウルッ)」
「そんなことはないよ…動いていい?」
「それはよかった…どっどうぞ…///」
「…そろそろ…抜かないと…」
「なっ中でかまわない…そちらに覚悟があるなら…」
さっきまで声を上げていたのにそんなことを言ってくる彼女がとても愛おしい…覚悟?もちろんあるさ
「でっでる…」
「んっ…あっ…あちゅい…わたひもいっちゅあう…」
そう言うと彼女が全身を震わせながら抱きついてくる。
「…もう離れないからな…覚悟しろよ」
そう言って彼女は微笑んだ……
「ってなんというものを残しているんだ!!」
「いやぁ…若いときって色々やってるものだねー」
ママは原稿用紙の束をつかみながらそう言ってくる、
パパは愛想笑いをママに向ける。
「若いとき?私の心理描写が真実に迫っている!5回目の結婚記念日のときに話した内容だろこれは…」
「あぁそうだったね…まぁいいじゃないか」
なおもパパは愛想笑いを続ける。
「それでだ…なんで娘に「馴れ初めってどうだったの?」って聞かれてポンと出す?恥ずかしくないのか?」
「恥ずかしいけど…お前の恥ずかしい顔がみたい方が勝っちゃった」
パパは実に楽しそうにいい笑顔をしている…ママも顔が真っ赤だ…
あぁ夜が騒がしそうだ…
次は弟がほしいかな…妹でもいいけど…。
ただ、気づいてしまうんだ、人が困っていると。
なんとなく困っている人がいると気になってしまい
「何か手伝えますか?」と話しかけてしまう。
お節介といわれることは少ない。大体ありがとうといってもらえる。
嫌な気持ちにはならないが時々自分ばかりと思うときもある。
そして魔物も同じように助けてしまうのは魔物も嫌いじゃないからだろう。
別に俺はいい奴ではない。
人間は好きだ。
あまり人里には降りれないが降りたときは人間のために悪人は懲らしめる。
自分のやっていることが自己満足なのはわかっているが……
やめるつもりは無い。
なぜなら私は、人間が好きだから。というのは嘘ではないんだけど、
正確には昔助けてくれた人間への恩返し……なんだよね。
昔のことだから顔も覚えてないけど……なんせ10年前の話だし
3年前まで山にこもって人里に下りれなかったし……
「おばあちゃん、いつも言ってるだろ重たいもの運ぶときは誰か呼べって」
もう何十回目かの文句を言いながらいつもどおり俺はおばあちゃんから荷物の半ば無理やり持つ。
「おぉ……すまないねぇいつもいつも」
口ではこういってるが実のとこ最近は俺が来るのを待っている節がある。内心このばばぁがと思わなくも無いが口には出さない。
「まったく、息子さんとかいないのかよ…」
「息子かい?息子ならとある国で女王様の旦那になってるって何度も言ってるじゃないかい」
このばばぁが……嘘もそろそろ止めろと思うし反魔物領に女王はいないのだ。
おばあちゃんの頭がおかしいと思うしかない。
ここは端っこの反魔物領、別名魔物の口。
この村からちょっと行ったらすぐに親魔物領の魔界である。
なので教団の騎士様が村中にいる。だから魔物に侵略されない。
まぁ人がいなくなるのは頻繁だけど。
そして俺はしがない何でも屋である。
そりゃあ昔は勇者様とか言われてたがおめおめと逃げてきた軟弱者だ。
いまでは、人より剣がうまいのと人が困っていると黒いもやがかかるので分かるというくらいだ。
「ありがとう、本当にいつもいつもすまないね」
「そう思うなら次からは俺じゃない奴に頼んでくれ……」
このおばあさんはある意味俺の常連である。支払いは現物だが……
「そうだね……ふふっ次手伝ってもらったときにいい物をあげるよ」
「おいおい、次も手伝うの決定かよ……」
「その時になったらあんたがきっと必要なものさね」
そういうとばばぁは笑いながら「次も頼むよー」といって手を振ってきた。
俺は一つため息を付くと村はずれの家から村の自分の家に向けて歩き出した。
帰り道、妙に村が騒がしかった。なんでも村の中で人が魔物に襲われたらしい。
3年ほど前から時々そうゆうことがあったがついにボロを出したらしい。
まぁ襲われた奴が横暴していた騎士や村人を脅していた勇者だったんで被害者は悪人ばかりなのだが……
騎士様にとってはいい点数稼ぎなのだろう、村で暇していた騎士が躍起になって探している。
まぁ俺には関係ないので家に帰らせてもらおう。
俺の家は村の端っこにある。
あのおばあちゃんの家とは真逆なのだが村が狭いのでそこまで遠くは無い。
鍵を開け家に入ると……家の中がめちゃくちゃだった。
明かりをつけようとしたら、何者かに押し倒された。
「静かにしろ、大声を出すな……」
口を押さえられているので声が出せない顔を縦に振って意思表示をする。
「ぷはぁ……そんなに警戒しなくてもいい、教団に差し出したりしないから」
口が自由になったのでとりあいず相手の警戒を緩めようとする。嘘は言ってない表立ってはしてないが魔物だって助けているし。
そう言って相手を見ると倒れていた。よく見ると全身傷だらけで息をするのがやっとという感じだ。
ハーピー種の亜種なのだろうか羽は黒いのでブラックハーピーぽいがそれにしては着ている服の露出が少ない……っと観察してる場合じゃない手当てを……服は…ちょっとはだけさせるか…
ドンドン…ドンドン…
戸が叩かれる音で目が覚めた。
元々の疲れプラス手当て疲れでそのまま寝てしまっていたようだ。
眠い目をこすりながら戸を開けると、
「変な物音や影を見なかったか」と騎士様に聞かれた。
「すいません仕事疲れで寝ていたもので……」と頭を下げると、
いやこんなに夜分にすまなかった……と言って騎士様は去っていった。
部屋に戻るとベッドの上で彼女が「いいのか?」と問いかけてきた。
「別に俺は教団の人間でもないしな。」と答え、俺はソファで寝るからと言って部屋を出る。
明け方こっそりと外に出ればすぐに村から出れるからどうにかなるだろうと思い俺は再度眠りに落ちた。
トントン……
包丁がリズム良く音を立てている……
自分以外の誰かの存在に気づき飛び起きるが、ソファの上だったので落ちた。
「大丈夫?」黒髪の女がそう話しかけてきた。
「誰?」俺の正直な疑問だった。
「あぁ……私だよ」ぽむっと言う音とともに彼女の腕と足が鳥のそれに変わった。
「出て行かなかったのか?」
「私いると迷惑……か……」
「いや明け方のほうが人通りが少ないから騒ぎにならず逃げれるかと…」
昨日の寝る前に考えたことを言う。
「大丈夫、大丈夫、昨日は怪我しすぎて集中できなかったけど貴方のおかげでだいぶ落ち着いた……ほら」
と言うと先ほどの人間に戻った。良く見ると全身包帯だらけだが。
「カラステングを舐めないで頂戴、恩は返すものよ」
なるほどそのために朝食を作っていたのか…しかし、
「けが人に料理をさせては俺の良心が泣く」
無理やりソファに寝かしつけ、料理を変わる
「わわっ……おいっ……何をする」
「けが人は大人しく寝てろ」
ご飯に味噌汁、焼き魚……一人の朝食じゃ作らないほどちゃんとした和食だな
普段だったら卵かけご飯とか納豆とかで軽く済ませてしまう所だが…
「ふっ…人に飯を作るのは久しぶりだな…」
思いのほかワクワクしている自分がいた。
恩返しにと朝食を作っていたら彼に取られてしまった…
昨日は暗くて気づかなかったが、この男は私のマル秘命の恩人候補に入っていた。性格とかモロモロ調べた結果だ。
10年前の彼を忘れたわけではないが…何せ手がかりがない…。
唯一の手がかりといったら、キスの味だろうか…。
はっ私はなにを…。
10年前、私は不注意で川に落ちてしまった…。
…そして彼に助けられたのだ…キス…といっても人工呼吸のつもりのようだったが、彼も小さくてキスして息を入れられてただけだったが…息苦しくて目を覚ました瞬間、大天狗様が探しにきて下さって…。
そして大天狗様は私が人間に襲われてると思って彼を…吹き飛ばしてしまったのです…。
彼は大きな木に背中を打ちぐったりとしているのを見ながら私は大天狗様に連れ帰られたのだ…。
それから7年私は修行し3年前山を降りたのだ…。
「おーいできたぞ〜?」
彼女はソファの上で思い出に浸っているようだったので呼んでみる。
「あっあぁ…すまないちょっとボーっとしていた」
「別にかまわないが…」
その後は当たり障りのない雑談をして朝食を終えた。
「んで、どうするんだ?」
食器を片付けながら俺は尋ねる。
「恩返しができるまでここにいる」
…プライドが高いんだか…しかもここに居座ることで迷惑をかけてることに気付かないとは…バカだ。
まぁかまわないけどな…。
彼女が俺に返さなければならない恩は溜まる一方でなかなか無くならなかった。2日、3日…1週間経った。
「怪我も完璧に治ったし…何でもやってやるぞ」
「しかし、家事は俺の方がうまいしなぁ」
「…そっそうだな……」
「むしろ料理意外は足手まといだしな」
「…めっ面目ない……」
…最近彼女を軽く虐めるのが楽しくなってきた…秘密だがな。
1週間も経ったから村も元に戻っている。
俺の家に嫁さんが来たとか変な噂が流れているが…村の連中がうまく秘密にしてるようで騎士までは伝わってない…買い物行くとうるさいがな…。
「ずっ図々しいと我ながら思うのだが、1つお願いを聞いてもらえないだろうか」
「んっなんだ?よっぽど無茶じゃなければかまわないぞ?」
「そっその…私と…きっきっきキスをしてくれないだろうか?」
「なるほど…って何でキス?」
「確認だ…まぁ違っていてもやることは変わらないのだが…」
確認だ…の後がブツブツと言っていてよく聞き取れなかったが
「まぁ…かまわねぇよ…お前美人だしな」
とちょっとおどけて見ると…
ぽんっいう音が聞こえるくらい彼女は真っ赤になってしまった。
あれっ…そんな反応されるとこっちまで緊張…
「でっでは行くぞ…」
彼女はそう言うと俺の首に手を回してきて徐々に顔を近づけて来る。
…なんで俺が受身なんだろ…男なのに。
…こうゆう時は目を瞑るんだったんだろうか…いやしかし私が目を瞑ったらうまくキスが出来ない…というか私からキスって…痴女か?私は痴女か?
落ち着け私…たとえ彼が10年前の彼じゃなくても…やってしまおうと決めたのではないか…彼の気持ちはわからないが
そう確認だ…コレはただの確認…でもキス…。
………
あと少しという所で彼女が止まっている…生殺しか?
魔物からのキスを受け入れてる時点でこちらの気持ちもバレてると思ってたのだが…妙なところで弱気だなこいつ…
…幸い近くにソファあるし…こっちからやるか…。
っ…んむっ…んんっ
と少しで触れるというところで『本当にいいのか?』と躊躇していたら、彼からしてきた…少々強く歯がコツンとぶつかったがやわらかくて…熱い…唇が
ただ唇と唇をくっつけているだけなのに唇…いやもう顔全体が熱い…というか今私はどんな顔をしているのだろう…気持ちよすぎてとろけそうだ。
「かわいい…」
「へっ?」
「美人だとは思ってたけどかわいいな」
「えっ…私がか・・・///」
唇が離れて一瞬寂しいと思ったが彼がそんなことを言ったのでそんな気持ちは消えてしまった。
「かわいいだなんて…///言われるとうれしいものだな…」
「あぁ…すごくかわいい…」
あぁ彼が時々見せる意地悪な微笑を浮かべている…
きっと彼は意地悪なことを言う…私の答えは…。
「さて、キスは終わったなその確認ってのはどうだったよ?」
「ちょっと意地悪すぎやしないか?キミ?」
理性が勝った…危なかった…。
腕の中で彼女が喚いているが無視だ…今は落ち着くほうが…っ
んちゅー…
「意地悪だなキミは…私だって我慢の限界ってのがあるんだ…」
俺の上でマウントポジションを取った彼女はそう言うと身に着けた服を脱ぎ裸になった
「いや…そのだな…まだ出会って1週間であってな…」
自分でもなに言ってんだかわかんなくなってきたぞ?
「キミのこれが固くなって私がやる気なのだからいいではないか」
…あっれーなんか無駄にかっこいいな…ドキドキするじゃないか…
「何も言わないならやってしまうぞ?…私はもう我慢できない」
そう言って俺のベルトを外しだした。
彼女は魔物特有の性欲で染まった瞳をしていた(勇者時代何度か見た瞳だ)
以前見たときは恐怖しか感じなかったが今はなんとも愛おしい…
そう思ったら体が勝手に動いていた。
利き手彼女の頬に触れ首の後ろまで手を回し抱き寄せる、近づいてきた唇に唇を当てながら体を起こすそして
「知らないからな…」といって彼女の秘所に肉棒を押し当てる。
彼女の秘所はすでに湿っており進入は容易であったが破瓜の血が彼がはじめての男であることが窺われた。
「俺がはじめてでよかったのか?」
「キミこそ私がはじめてで不満はないのか?」
「こんなかわいくて美人に不満なんてないよ」
「私はキミを前から調べて……あっ…」
「なるほど…時々なんで知ってるんだって事があったがそうゆうことか」
「嫌いになっただろうか…(ウルッ)」
「そんなことはないよ…動いていい?」
「それはよかった…どっどうぞ…///」
「…そろそろ…抜かないと…」
「なっ中でかまわない…そちらに覚悟があるなら…」
さっきまで声を上げていたのにそんなことを言ってくる彼女がとても愛おしい…覚悟?もちろんあるさ
「でっでる…」
「んっ…あっ…あちゅい…わたひもいっちゅあう…」
そう言うと彼女が全身を震わせながら抱きついてくる。
「…もう離れないからな…覚悟しろよ」
そう言って彼女は微笑んだ……
「ってなんというものを残しているんだ!!」
「いやぁ…若いときって色々やってるものだねー」
ママは原稿用紙の束をつかみながらそう言ってくる、
パパは愛想笑いをママに向ける。
「若いとき?私の心理描写が真実に迫っている!5回目の結婚記念日のときに話した内容だろこれは…」
「あぁそうだったね…まぁいいじゃないか」
なおもパパは愛想笑いを続ける。
「それでだ…なんで娘に「馴れ初めってどうだったの?」って聞かれてポンと出す?恥ずかしくないのか?」
「恥ずかしいけど…お前の恥ずかしい顔がみたい方が勝っちゃった」
パパは実に楽しそうにいい笑顔をしている…ママも顔が真っ赤だ…
あぁ夜が騒がしそうだ…
次は弟がほしいかな…妹でもいいけど…。
12/05/13 22:14更新 / 三月うさぎ