「…いくらなんでも無謀であったか…」

我輩は今、小船に乗って海の上を移動中である。
もちろん、今どこら辺にいるのかは分からない。

「やはり、勢い任せで海に出るもんじゃないであるな…」

故郷を出る当日…つまり今日の事であるな…港町で大陸行きの船がを探していたのだが出ておらず、半ば強引に廃棄寸前の小船を貰って海へと飛び出した。
しばらくして大陸がどっちにあるのか分からない事に気づいたが、その頃には故郷の大地もどこにあるか分からないと言う状況になってしまっていた…

「こんな時はどうすればいいのか……ん？」

何かがぶつかったかの様な小さな揺れを感じ、慌てて周囲を見渡す。
ちょっとぶつかっただけで大破しそうなボロ船であるからな…何であろうと気が抜けないである…
海上には怪しい物はない…と言う事は下か。
水面を覗き込むと、長い物…と言うか魔物であるかこれは？とにかく何かがあったである。
蛇の様な下半身だが、赤い毛の様な物が生えている…手も頑丈そうな鱗と鋭い爪が生えているである。
我輩が今までに見た事のない魔物であるな…なんと言う魔物なのだろうか…とりあえず引き上げよう。

見た目は幼く見えるのだが…なんと言うか……大きいであるな…

「……ハッ！いかんいかん、何を考えている我輩、いくらなんでも無許可で触るのはいけない。」

あと少しで触れるという所で我に返り、中途半端に伸ばしていた手を引っ込める。
触る前にやる事があるだろう我輩…何故真っ先に触ろうとした…

「大丈夫であるかー？おーい？」

声をかける…反応無し。軽く揺する…反応無し。

…え？もしかして既にお亡くなりになってる…？

「……海に返した方が良さそうであるな…流石に死んだ魔物は研究材料にしたくないである…」

海へ戻そうとした瞬間、魔物の目が開き、視線が合う。
生きていたであるか…よかったである…

……何も悪い事など考えてないであるぞ？ただちょっとだけ恩を着せて胸を触ったり出来ないかなとかそんな事は考えてないである。

「…む？お主は誰じゃ？そしてここは？」
「我輩は鉄輝、ここは海の上に浮かんでるボロ船の上である。」

目が覚めたら見知らぬ場所にいて見知らぬ男の顔が目の前にある…そんな状況でも平静でいれるとは…

大物だと警戒するべきか単純だと軽く見るべきか…

「海？わっちは川で昼寝をしていたはずなのじゃが…」
「流されに流されて川から海まで出てしまったのであろうが…気づかないものなのであるか？水質とかいろいろと。」
「心地良い夢を見ていたからな…わっちが寝ている間に変な事をしてないじゃろうな？」
「し、してないであるぞ！…何であるかその目は？我輩を疑っているのであるか？」
「…まあよい、陸はどっちにあるか知ってるか？」
「知ってたらこんな所にいないである。」

荷物が増えてしまったであるな…しかし、関わったからには最後まで面倒を見るのが男と言うものであろう。

…ジパングの場所を知っている人物に押し付けるまでであるがな。

「しかし…どうしたものか…」

我輩の目的地に行けば少しは何とかなりそうであるが…目印なんて無いであるからな…
最悪、渦潮を見かけたら飛び込むと言う手もある…が、できる限りそれは避けたいである…
道案内をしてくれそうな魔物を待つという手もあるが、そんな幸運なんて滅多に…

その時、水中から何かが出てきた。

「ぷはぁ！…あれ？貴方はこの前の…？」

…今日はついてるであるな。
水の中から飛び出してきたのは、以前我輩を連れ去ろうとしたシー・ビショップだった。
こんな幸運に恵まれるとは…やはり、日頃の行いが良いからであるな。

「こんな所で何をしているんですか？」
「遭難と言う名の海の散歩である。」
「行き先を教えて下されば案内しますよ？」

おぉ…何と献身的な子なのだろうか…我輩の荒んだ心が癒されていくのを感じるである。

まぁ、何時も通り用が済んだらさようならってなるのであるが…

「カリュブディス殿の巣を探していてな…」
「えっと…その子ってこんな感じです？」

そう言って一枚の絵を見せてくる。
その絵には、シー・ビショップ殿とカリュブディスが描かれていた。
……ふむ、このカリュブディスで間違い無いであるな。

…なんで水に浸かっても何とも無いのかは気にしない方向で行こう、魔物の技術力は世界一ィィィィィィ！なのだろうきっと。

「うむ、このカリュブディスで間違い無いである…それにしても、見事な絵であるな…」
「リャナンシーに描いて貰ったんですよ、私達の友情の証として。」

友情の証か、いい物であるな。
友達と言うものを我輩は持っていないであるからな…羨ましい限りである。

「それで、そのカリュブディス殿の巣はどこであるか？」
「ここの真下ですよ。」

………なんだって？

「すまん、良く聞こえなかったからもう一回言って貰えないであるか？」
「ですから、貴方の船の下が彼女の巣がある場所です。」

聞き間違いではなかったか…と言う事は、我輩は彼女の巣穴の真上で彼女の巣穴を探していたと言うことなのか。
地図も無しに寸分狂わず辿り着いた事を喜ぶべきか着いてる事に気づかず悩んでいた事に嘆くべきか…悩むである…

…そう言えば、どうやって彼女の巣穴に入ればいいのであろうか…相当深かった気がするであるが。

「ちょっと待っててくださいね。」
「あっ…行ってしまったか…」

シー・ビショップ殿が潜って行ったが…我輩はどうすればいいのだろう…
素直に待ってるのが良いとは思うのだが…その…我輩何だか嫌な予感がするである…
待つこと少し、我輩の乗っている船が不自然に回り始めた。
規模は小さいが渦潮のようであるな、確かにこれなら確実である。

しかし…これで二度目であるか…今度のは仕方が無いとしても、どうにも慣れんであるな…

「な、なんじゃ！？」
「確実に船が壊れるであるな…はぁ…」

その直後に船が壊れ、破片が直撃して意識が遠くなって行った。
この展開も二度目である…ぐふっ…



「で、入った早々に抱き付かれている訳であるが。」
「カリュブディスちゃん！そこは私の席ですよ！」
「私のだよ！いくら友達でもこればかりは譲れないからね！」

意識が戻った時、我輩はカリュブディス殿とシー・ビショップ殿に取り合いをされていた。
正体不明の魔物の視線が痛いである…

「まさか本当に遊びに来てくれるなんて思って無かったよ。」
「我輩はこう見えても守れる約束は守る男であるぞ？」
「遊ぶって言っても、お話をするくらいしか出来ないですけどね。」
「ここに来たのも何かの縁じゃろう、わっちも何か話すかの。」
「そう言えば、まだ自己紹介をしていませんでしたね…」

シー・ビショップ殿の一言から、互いに自己紹介をし合う流れになった。
そう言えば、この二人には名を名乗ってなかったであるな…我輩とした事がうっかりしていたである。

「我輩は鉄輝、いずれ世界に名を轟かせる事になるであろう男である！」
「鉄輝…まさか、あの変態で有名な鉄輝さんですか！？」
「んなっ！？変態とは失礼な！我輩はノーマルである！」

ただ、女性の胸と魔物の生態に興味があるだけの普通の人間である！

後、今「お前みたいな人間がいるか！」って思った者は後でデビルバグの巣に行くように。

「えっと…私はシー・ビショップです、この子はカリュブディスちゃん。」
「よ、よろしくお願いします。」

やや緊張しているのか、声が少しだけ高くなっている。
何故緊張する必要があるのだろうか？

「ふむ…わっちの名は桜花、種族は言わなくても分かるじゃろう？」
「あー…すまん、我輩は分からないであるのだが…」
「わっちの美しい体を見ても分からぬのか？」
「…うむ。」
「はぁ…余程の田舎者のようじゃな…」

…が、我慢しろ我輩…知らなかった我輩にも非があるのだ…

「わっちは龍、水神と崇め称えられる偉大なる者じゃ！」

龍？聞いた事はある気がするが…

「わかったか？」
「うーむ…すまぬ、いまいちピンとこない…」
「わ　か　っ　た　か　？」
「いだだだだっ！分かった！分かったから！」

我輩の返答に納得がいかなかったらしく、彼女の下半身で思いっきり締め上げられた。
骨が軋む様な音と激しい痛みが我輩の下半身から発せられ、有無を言わさずに理解させられてしまった。

「まったく、龍に会えるなんて幸運は滅多に無い事なのじゃぞ？もう少しありがたく思わんか。」
「ひ、非常に光栄である…それよりも、早く離れてほしいのであるが…」
「嫌じゃ、巻き付き心地が良いから離れたくない。」

そう言って更に強く抱きついてくる。
さっきよりも締め付けは緩くなったが、抜け出すどころか動かす事も出来ない。
くっ…女性に手を上げるのは不本意だが、このままでは確実にお持ち帰りされてしまう…
ほんの少しだけ力を入れて彼女の下半身を叩く。

「ふっ…その程度ではびくともせんぞ？それどころか、程好い刺激で心地良い位じゃ。」

そんな声が聞こえてきたが、構わずに2回3回と叩く。
が、彼女は痛がるどころか、気持ち良さそうな表情で我輩に抱きついてくる。

その時、手が滑って彼女の尻の近くを叩いてしまった。

「ひあああぁぁぁ！！？」

突然彼女が絶叫し、締め付けが一層強くなった。
えっ？ひょっとして尻が弱いのであるか？

「ククク…形勢逆転であるな…」
「はぁ…はぁ…ま、待って…そこは…」
「嫌である♪」

再度彼女の尻に触れると、鱗の感触が違う部分に指が触れた。
その瞬間、声にならない悲鳴をあげ、締め付けがより一層強くなる。

「ふむ…ここがいいのであるか？」
「いやぁ…いやなはずなのに……体が勝手に…♪」

先程までの生意気さはどこへ行ったのか…

…何だか苛めたくなってきたであるな…ククク…

「ふむ、嫌なら止めるであるか。」
「…えっ！？な、なんで？」
「桜花殿は嫌なのであろう？我輩は嫌がる事をしない主義なのでな。」
「あっ……で、でも…」

目は潤み、物欲しそうに我輩の目を見つめてくる。
彼女の秘所は服越しからでも分かるほどに濡れ、我輩の服にも染みを作っている。

「殺生じゃ…何でもするから…もっと…」
「ふむ……何でも…と言ったであるな？」
「うむ…じゃから…」
「おねだりをしたら考えんでもないであるぞ。」

我輩の言葉を聞いた瞬間、恨めしそうに我輩を睨み付けて来る。
もし、状況が違っていたら我輩ですら怯え竦む事になったであろうが…今の彼女なら全然怖くないであるな。
むしろ、自分の本心を押し殺して、少しでも抵抗しようとしているところが可愛らしく見えてくるである。

「うぐぐ…は、恥ずかしくて…そんな事…」
「そうであるか、なら止めるであるか…」
「っ！ま、まって！言う！言うから…もう少しだけ待って…」

桜花殿が、目に涙を溜め、我輩にしがみ付いて小さく震えている。
我が儘な娘を調教して素直にさせる…何度やってもいいものであるなぁ…

まぁ、言う事を聞かない程度が我輩には調度良いのかも知れんであるが。

「わ、わっちを…さわ…触って…ください…」
「どこをであるか？」
「……逆鱗…を…」
「ふむ…まあいいであるか、あんまり焦らすのもかわいそうであるからな。」

彼女の逆鱗…と思われる部分に再度触れる。
すると、悲鳴に近い声をあげ、我輩に強く抱きついてくる。
彼女の頭をそっと撫でると、桜花殿はその豊満な胸を我輩の顔に押し付け、胸元をはだけさせた。
遠慮無く彼女の胸に吸い付き、もう片方の手でその感触を楽しむ。

「んんっ！わ、わっち…おかしくなって…あぁっ！」

さらに強く胸が押し付けられる…少し息が苦しいであるが、凄く気持ち良いである…
しかし…逆鱗とはこんなに凄い物なのであるか…魔物である彼女がこんなにも悶えるほどなのだから相当な物なのだろう…

さて…我輩は十分楽しんだし、そろそろ終わらせるであるか。

「だめぇ！わっちもう……ふああぁぁぁぁぁぁぁぁ！」

突然骨が軋むほど締め付けられ、誤って少し強く噛んでしまった。
その瞬間さらに強く締め付けられ、上半身も息が出来ないほど強く抱き締められる。
しばらく彼女がびくんびくんと痙攣しているのが伝わってきていたが、収まると同時に我輩を抱き締めたまま意識を失ってしまった…

しかも。

「むぐぅ…何だかあったかい……うおわぁ！？」

全身の力が抜けた為か、桜花殿が失禁してしまったようだ。
一人では抜け出すことも出来ず、我輩の下半身が彼女の尿によってべたべたにされてしまう…

「…随分とお楽しみでしたね。」
「…いいなぁ…」

そういえばいたであるな…恥ずかしい所を見られてしまったである…

…ついでに頼んでみるか。

「シー・ビショップ殿、彼女をジパングまで送ってもらえないであるか？」
「いいですけど…こんな可愛い子、いいんですか？」
「可愛いが、少し幼すぎるである…この先を知るのはまだ早いであるよ。」

カリュブディス殿に引っ張って貰い、何とか抜け出すことが出来た。
あーあ…酷い有様である…

「それじゃあ私はこれで…次は私にもしてくださいね。」

桜花殿を連れ、この場を後にするシー・ビショップ殿。

残されたのは、我輩とカリュブディス殿だけ…

「…私にも…してくださいますよね？」
「……す、少しだけであるぞ？」

そう言うと、彼女が嬉しそうに我輩に抱きつき、深く唇を重ねてきた。
大陸へ辿り着くのはまだ後になりそうである。



〜今日の観察記録〜

種族：カリュブディス
彼女達は食える物は何でも食べるとてもお利口な魔物である。
好き嫌いは無いが、男性の精液は特に好んで食べるらしい。
彼女達の夫になった者は、穴と言う穴全てに精液を注ぎ込まなければならないだろう。

種族：シー・ビショップ
彼女達は儀式を行う事で、人間の男性を海で生活できる体に作り変える事ができる。
人間の男性が海で溺れていて、手遅れになる寸前だった場合は、自らが魔力を注ぎ込み儀式を行う事で助けようとするらしい。
ちなみに、儀式をするには魔力を注ぎ込む必要があるために交わる事になるのだが、儀式終了まで彼女達はすっと夫婦の営みを見ているのだとか…

種族：龍
ジパングに生息するらしい魔物で、ドラゴン属の魔物らしい。
水神と崇められる程の高位の存在だが、正確は非常に温厚で献身的…らしい。
もっと情報を載せたいであるが…我輩の知識不足でどうにも出来ん…すまない。