11ページ:稲荷・ネコマタ・提灯おばけ
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「まったく…何故あの程度の事で怒るのかが理解出来んである。」
DL
同じ布団で寝る事の何がいけないのだろうか…何か好からぬ事があるわけでもないだろうに… …まぁ、独り身の男ゆえに好からぬ事を想像してしまうのは仕方がないと思うが… 「琴音に近づくな…か…」 よほど頭にきていたのか、琴音と話すどころか会うことすら禁じてきたである。 大事にしたい気持ちは分からないでもないが… 「厄介になってる身であれこれ言うのもあれであるからな…」 結局、我輩が五代目の息子であるという明確な証拠は見つからなかった。 寿命を超えて生きているという時点で、常人の理解の域を超えるであるからな… せめて、我輩の名が入った物が五代目の遺品から見つかればいいのだが…そんなに都合よく見つかるものでもないだろう… …ん?誰か来たであるな。 「やっほー、遊びに来たよー♪」 「お邪魔します。」 「お前達か…」 入ってきたのは、先日の一件以来ここで女中として働いているネコマタ殿と提灯おばけ殿だった。 こんな時にいったいどうしたのであろうか…? 「二人とも、仕事はどうしたであるか?」 「こっそりサボったよ!むふんっ!」 「ネコマタちゃん…そこで得意げになっちゃ駄目だから…」 「楽しんでいるようであるな。」 「輝様からも何か言ってやってくださいよー…」 「うむ…楽しむのもいいが、やることはしっかりとな?」 「わかった…じゃあはじめようか。」 「う、うん…」 そう言うと、いきなり我輩を押し倒した。 そのままネコマタ殿に押さえつけられ、提灯おばけ殿に服を脱がされて行く… 「い、いきなり何をするであるか!?」 「私達…本当は諦め切れなかったんです…」 「どうしても、あきらんにご主人様になって欲しかったの…」 一瞬、後ろへと視線を向ける二人… 「でも…今日、当主様との話を聞いてしまってその時に気づいてしまったんです…輝様が、琴音様を心から好いているのを…」 「私達にはこれ位しか出来ないけど…絶対に幸せになってよね!」 そう言うと、入り口の方へと歩み寄り、襖をあける二人… そこには、頬を赤らめた琴音さんが立っていました。 …………… 「ぬぉっ!?こ、琴音!?」 「輝様…」 「私達が当主様を止めている間に早く!」 「ことちゃん!あきらん!ファイトッ♪」 琴音が入ったのを確認すると、襖を閉めてどこかへと行ってしまった… 残されたのは、全裸に剥かれた我輩と息の荒い琴音だけ… 「輝様、彼女達の気持ちを無駄にするわけにはいきません、今すぐ交わりましょう。」 「ま、待つである!こういうのはもっと時間をかけて…」 「八代目から言われました…輝様に近づくなと言ったから安心しろと…そして、いずれはここから追い出すとも…」 …まあ、当然の対応であろうな… 誰でも、身元の分からない男を大切に面倒を見てきた娘に近づけさせたくないであろうからな… 「私にも輝様にも時間が無いのです…輝様が私の初めてを貰って下されば、何が真実なのか八代目も分かってくれるはずです。」 「琴音…」 「輝様…私の守り続けてきたもの…貰っていただけますか?」 琴音の言葉に、目から熱いものが零れるのを感じた… …女性にこの様なことを言わせるなんて…我ながら酷い男であるな… 「こんな所でも要領が悪いな我輩は…」 「私達らしくていいじゃないですか、どんな輝様でも私は大好きですよ。」 「……琴音」 「…はい。」 「…琴音の初めてを…貰っていいであるか?」 「…はい!」 「えぇい!邪魔をするな!」 「いくら雇い主様でも、ここを通すわけにはいきません!」 「愛する二人を引き裂くなんてさせないよ!」 「どこの馬の骨とも分からん奴に大事な大事な琴音を汚されてたまるか!」 「くっ…輝様…琴音様…お急ぎ下さい…」 「いくら私達でも…そろそろ限界かも…」 「輝様…もう我慢出来ません…いれますよ?」 「…本当にいいであるか?」 「何か不味い事でもあるのですか?」 「…我輩は、生涯琴音だけを愛することは出来ないかもしれないである…だから…」 「それならば、私が一番だと言って貰えるように頑張ればいいだけです。」 「琴音…不束者だが、よろしく頼むである。」 「輝様、それは私の台詞ですよ…ふふっ。」 琴音が、我輩の一物を手に取り自らの秘所にあてがう。 我輩の目を見つめる琴音を優しく撫でると、可愛らしい笑みを返し、一気に腰を沈めた。 その直後… 「琴音っ!!」 勢い良く襖を開け、八代目が部屋へと飛び込んで来た。 後を追うように、ネコマタ殿と提灯おばけ殿も入ってくる。 「あぁ…輝様…やっとひとつに…」 「琴音…待たせてすまなかったな…痛くないか?」 「とても痛いです…ですが、それ以上にとても嬉しいです。」 「間に合わなかった…くそっ!!」 琴音が我輩の方に倒れこみ、ぎゅっと抱きついて来た。 幸せに包まれる我輩達とは裏腹に、八代目は悔しそうに拳を壁に叩き付ける。 彼の怒りは、我輩ではなく時間を稼いでくれた二人へと向けられた。 「何故邪魔をした!お前達が邪魔をしなければ琴音を守れた!」 「琴音様の気持ちを無視した保護なんて拷問でしかありませんよ?」 「私達は、ことちゃんが幸せになれるように手伝っただけだよ。」 何かを話しているようだが、我輩は今それどころではない。 妖怪という事もあるが、女性の中とはこんなにも気持ちがいいものなのか…気を抜いたらすぐに出してしまいそうだ… 「ふふっ、もう出してしまいそうなのですか?」 「…情けない話だがその通りである…」 「私と一緒ですね。」 「えっ?どういうことであるか?」 「少しの痛みがした後…輝様のが最奥に当たった時に、一人で慰めていた時とは比べ物にならない気持ち良さを感じました…」 琴音も感じてくれてたのか…なんだか嬉しいであるな… しかし…今動かしたら、琴音に負担がかかるかもしれないであるな… 「琴音、体を起こせるであるか?」 「私はもっと抱きついていたいのですが…」 「すまん…だが、我輩も琴音を気持ち良くしてやりたいのである。」 「輝様…そういう事なら喜んで…」 琴音が上体を起こすのと同時に、我輩も少し起き上がる。 手が届く位置まで体を起こし、昔とさほど変わらない小振りな胸に手を伸ばした。 「あっ!…輝様……私、胸大きくないですよ?」 「大きさは関係ないである…琴音の胸だから、揉みたいのである。」 「そんな…恥ずかしいです……んっ!……ふぅ…っ!」 反応が良いであるな、我輩も揉み甲斐があるというものである。 乳頭を軽く摘んでやると、我輩の一物がきつく締め付けられた。 「くふぅっ!!……っ!!…ふぁぁ……」 「…大丈夫であるか?」 「んっ…あたまが…まっしろになって……あきらさまぁ…」 再び我輩の胸に倒れ込んでくると、先程よりも強く抱きつき、深く口付けてくる。 口の中に入り込んでくる琴音の舌に我輩の舌を絡ませ、空いた手で琴音の背中をさする。 不意に、琴音が腰を振り立ててきた。 「んむっ!?」 「んっ…ちゅぷ……んんぅ!…」 入れているだけでも果てそうになっていた一物に、更なる刺激が与えられる。 必死に琴音にしがみつき、果てぬように耐えるが…琴音の中の締め付けが、激しい腰使いと相まって容赦無く我輩を射精へと導いて行く。 経験の無い我輩が、妖怪の与える快楽に耐えられるはずなど無かった。 「んんんーーっ!!」 より一層強く締め付けられた瞬間、我輩は琴音の中へと射精してしまった。 琴音の中が、残った分を絞り出すかのように蠢き、更なる射精を促してくる。 射精の心地良さと、琴音を愛おしく思う気持ちが、胸一杯に広がっていく… 「んっ…輝様ので……一杯になってしまいました…」 「琴音…」 我輩に微笑みかける琴音の顔は、昔と変わらない大好きな琴音の顔だった。 あぁ…安心したらなんだか眠くなって… もっと琴音の顔を見ていたいのに… 眠気に耐え切れず、我輩の意識は闇へと落ちていった… 「輝様…いつまでも……お側に居させて下さいね…」 「……私は、お前をこの家に居させたくない。」 「…この家から去れ…と?」 「…琴音にまで手を出したのだ…相手が誰であろうと、琴音に手を出す奴を置いておきたくは無い。」 「そうか…世話になったであるな。」 「…こんな事さえなければ、上手くやって行けたかも知れなかったのだがな…」 「三つほど頼みがある。」 「…なんだ?」 「一つ、あの二人を攻めないでやってくれ…良かれと思ってやっただけなのだ…」 「分かった、あの二人は変わらず私達で面倒を見よう。」 「二つ、丸腰で旅は辛いから何か道連れになるものが欲しいである。」 「倉庫から持っていくといい、たいした物は無いと思うがな。」 「三つ、琴音に我輩を追い出したことは、少しの間秘密にしておいて欲しいである。」 「どれくらいの間だ?」 「四日間秘密にしてもらえれば良い…四日後には大陸へ行く。」 「…分かった……出る前にもう一度来てくれ…」 「うむ…」 確かこの辺に…………ああ、あったあった。 父上の刀…いつ見ても見事であるな…数刻前に作られたかの様な輝きである… 正当な後継者に託すと言われていた刀であるが…埃を被ってたし、持って行っても大丈夫だろう。 …おっ?弓まであるな……ジパングでは見かけない弓だが…まあいいであるか。 「…我輩の名前が入った物は…見当たらないであるな…」 少し期待してたであるが…まあ仕方ないだろう。 我輩の私物を探すのは諦めて、もう少し何か無いか探すであるか… 「と言う訳で、これ等の物を持って行くである」 「…そんな刀があったとは知らなかったが…まあいい、好きにしてくれ。」 「すまんな…」 八代目は門の前まで見送りに来てくれた。 いろいろ不安な所はあったが…彼が、琴音を守ってくれる事を願うであるか。 「…琴音の事…頼んだぞ。」 「…………」 「では…さらばである!」 門を押し開け、勇ましく旅立ち…… 「…えっと、ここに行くにはどうしたら…」 「…ここをこう行って、ここはこうで…」 …何時もながら、何とも不安な出だしであるなぁ… 〜今日の観察記録〜 種族:稲荷 稲荷には、妖狐と同じくふさふさとした毛に蔽われた尻尾があり、その本数に比例して強さが増すと言われている。 この二種の大まかな違いは魔力とやらの放出の仕方だとかで、妖狐は周囲に放出し、稲荷は夫に向けて放出するらしい。 冬場はあの尻尾はありがたいが…夏場は辛そうであるなぁ… 種族:ネコマタ 彼女達は猫の姿で男性に近づき、自らを飼わせる事で夫に相応しいかどうかを見極めるらしい。 彼女達曰く、自らを可愛がってくれ、愛情を注いでくれる優しい人がいいのだとか。 そうしている内に彼女達が耐え切れなくなると、本来の姿に戻って愛おしい男の上に跨り、甘えてじゃれて交わるのである。 種族:提灯おばけ 彼女達が行動する上で最も重要になる部分は『自らを使ってもらう』と言う事である。 そして、彼女達の灯火の燃料となる物は、人間の男性の精液である。 この両方が出来る深夜の散歩は、スリルはあるが病み付きになってしまうほどのものなのだとか… |