56ページ:ゴブリン・ホブゴブリン
本日も快晴、絶好の旅日和であるな!
今日の我輩は凄く機嫌が良いである!快晴もそうだが、ついに完成したであるからな!

「…のぅ琴音、輝は何故あんなに嬉しそうなのじゃ?」
「昨日作ってた薬が完成したみたいですよ?どんな物かは私も分かりませんが…」

そう!魔力の侵食を抑える薬がついに完成したのである!
味を大幅に薄めつつ、効果を維持することに成功したため凄く飲みやすくなったである!
やはり我輩は天才であるな!天も我輩を祝福しているであろう!

…うわっぷ!鳥の糞がっ!?



さて…あほな事をやってないでさっさと進もう…

「…今度は凄く落ち込んでますね。」
「鳥の糞が直撃したみたいよ?」
「うわぁ…そりゃ災難やな…まぁ、輝はんの表情がコロコロ変わるんは見てて飽きへんけどな。」

皆酷いである…仕舞いにゃ泣くぞ…
…だがまぁ調子に乗り過ぎてたのは事実だ、天罰が下ったのだと思って清く諦めよう。

しかし暇だな…襲撃の一つや二つないものか…

「あっ…輝はん、この辺強盗が出るみたいやから気ぃつけてな?」
「強盗か…五人程度までならぎりぎり何とか出来ると思うが…」
「むぅ…何とか争わずにすませれんかの?」
「出来ると思うわよ?金目の物を全部渡して私達全員が強盗の雌奴隷になれば争わずに済むわ。」
「輝、殺めぬ程度にバッサリやって構わんぞ。」
「目が笑ってない…普段温厚な人ほど怒らせると怖いって言いますけどこれは…」
「…リシェルも人の事は…」
「師匠、何か言いましたか?」
「何でもないですごめんなさい謝るので限界まで搾り取るのは勘弁してください。」
「…最近輝様がどんどんヘタレっぽくなってるのですが…」
「たぶん気のせい…やないな。」

流石にこの前のように搾り取られるのは勘弁である…父上と母上が川の向こうで苦笑いしていたのが見えたであるし…

…目を覚ました時に号泣しながら謝ってきたリシェルが可愛かったから快く許したけどな!

「…輝ちゃん、どうやらお客さんが来た見たいよ?」

アレクシアの指差した方を見ると、木の陰から何者かが此方の様子を伺っているのが見えた。
雰囲気からして仲良くお話しましょう何て感じではないな、明らかに我輩達を獲物として見ている視線を感じるである。
相手がどう出てくるか分からないから動きようがないな…一応戦える準備はしておくか…

「…………」
「輝様がいつも以上に真剣な表情になってますね…」
「せっかくギャグキャラとしての道が見えてきたのに…どんな輝ちゃんも可愛いからいいけど。」
「…我輩の扱いとはいったい…うごごごご…」
「えっ?何所にでもいる主役っぽく振舞うけどドジ踏んで台無しにしてまう脇役やないん?」
「なるほど、皆が我輩をどう思ってるのかよぉぉぉく分かったである!」
「あー…師匠が拗ねてしまいました…」
「拗ねてなんていないである!」

…我輩ってそんなに脇役っぽいだろうか…やる事成す事大体がしょうもないことだと言うのは自覚しているが…

なんて考えていると、横の茂みから何かが飛び出して我輩を押し倒してきた。
考え事に集中していたのもあって反応が遅れてしまい、押し倒されると同時に刀を落としてしまった。

くっ…ギリギリ届かない位置に転がっていってしまった…

「捕まえた!」
「輝ちゃん!?」
「ふーん…中々可愛いじゃん、良いのを捕まえたね。」
「これならリーダーも満足するね!あわよくば私達も…うへへ…」
「…もうそれでもいいや…何も考えたくないである…」
「輝はん!?言い過ぎた事は謝るから戻ってきて!」
「他の魔物が!?しかもおっぱいでかい!」
「あ、でも一人だけおっぱい小さいや。」
「そこの貴方、ちょっと此方へ…」
「やめろー!死にたくなーい!」
「やっぱり今回もダメだったよ…あいつは言葉を選ばないからな…」
「次の彼女は上手くやってくれるでしょー。」

…何だこれ…



暫くして双方落ち着き、普通の話し合いが始まった。
彼女達…ゴブリン達は、我輩を住居に持ち帰って子作りしたいと主張しているな…上位の魔物を見ても怯まない辺り流石と言うかなんと言うか…
琴音達は弄り過ぎたと反省しつつ、戻ってきてと涙目になりながら我輩に抱きついてくる…

…流石に弄り過ぎたな…気にしているとはいえ、皆に悪意がないというのは我輩はよく知っているし。

「うぅ…私達よりおっぱい大きいからっていい気になるなー!」
「リーダーは凄いんだぞ!おっきくてふわふわでいい匂いなんだぞ!」
「コトネサマハビニュウコトネサマハビニュウコトネサマハビニュウ…」
「…琴音はん、あのゴブリンにいったい何したん?」
「ちょっと教育を…」

名も知らぬゴブリン…胸の話題に触れなければ元気に笑えるままでいれただろうに…
我輩ですら胸の話をすると搾り取られるからな…そんなに気になるのだろうか?
大きな胸とか小さな胸とかよりも、好きな者の胸と言う事の方が重要だと言うのに…

「うー…皆置いて行かないでよー…」
「あっ、リーダー!」

ゴブリン達の視線の先に目を向けると、彼女達によく似た魔物がフラフラしながら立っていた…泥塗れになっている所からどこかで転んだのだろうか?
見た目は一部を除いてゴブリンと同じ…その一部と言うのは胸の部分だな…圧倒的な戦闘力だ…
確か…ホブゴブリンだったか?体の一部が極端に肥大化したゴブリンの突然変異種だったと思うが…

「ふふん!リーダーはおっぱいが凄く大きいんだぞ!お前達には勝てないだろ!」
「うーん…悔しいけど胸の大きさでは歯が立たないわね…」
「私も胸は大きい方ではないので…」
「…あかん、戦闘力が違い過ぎる…」
「くっ…!」
「ははは!圧倒的ではないか我等がリーダーは!」

確かにあの大きさに敵う相手はそうそういないだろうが…それでも上には上がいると言うことを知ってもらった方がいいな。

「桜花。」
「うむ…お主等、わっちのこれが見えるかの?」
「えっ…で、でかい!?」
「嘘だ…不敗を守り抜いてきたリーダーのおっぱいよりも大きい!」
「っ!そうよ!こっちには桜花ちゃんがいたわ!」
「流石の最終兵器やでぇ…突然変異種相手でも何ともあらへんな!」
「此方の勝ちですね…師匠は返してもらいますよ?」
「うーん…残念だけど仕方が無いねー…」

…このまま黙っていれば無事に抜けられそうだが、何だか彼女達が可愛そうになってきたである…
…後で搾り取られるだろうな…はぁ…

「…今日一日くらいは貴殿等と過ごしても問題はないだろう。」
「えっ?いいの?」
「急ぐ旅でもない、お邪魔して良いかな?」
「やった!男の人だ!」
「家族が増やせるよー♪」
「やったねリーダー!」
「おいやめろ、その言い方は嫌な予感しかしない。」
「今日は野宿しなくて済みそうね。」
「そうであるな…ただし、桜花と琴音以外は今夜はお預けだ。」
「あ、輝はん…言い過ぎたんは謝るから勘弁してやー…」
「自業自得ですね…師匠、明日はちゃんとしてくださいますよね?」
「流石に連続でお預けはしない、後が怖いであるし…」

何故琴音と桜花にはお預けをしないか…桜花は言わなくても十分なくらい役に立ってくれたであるし、琴音はいろいろと弄られてかわいそうだったから…

…そうだ、豊胸マッサージとやらを試してみるか…昔、酒場で偶々聞いた程度だから正しく出来るかわからんが…

「それじゃあ私達の家に案内するよ!」
「あっ、工芸品とか鉱石とか持ってるか?持ってるんやったらそれなりの値段で買い取るで?」
「おー!お前達って行商人だったのか!」
「弥生さんはそうですね…と言っても、私はあまり詳しくは知りませんが…」
「よかったー、お薬とかなくなりそうだったんですよー。」
「薬かぁ…在庫大丈夫やろか…」
「簡単な物なら材料があれば何とかなるぞ。」
「輝ちゃんって本当にいろいろ出来るわね…それと二人とも、早くしないと置いて行っちゃうわよ?」

琴音と桜花が何やら気の影で話をしているのが見えるが…こっそりと聞いて…

「桜花様が輝様を拘束して、私が裸に剥く…そしてそのまま輝様を挟んで…ですね?」
「うむ、輝が油断した所を暗がりに引き込んで一気に…じゃ。」

…前言撤回、二人もお預け対象に追加だ。



〜今日の観察記録〜

種族:ゴブリン
鬼亜人型の魔物で、子供の様な見た目だが立派な成体である。
性格は見た目相応に子供っぽくいたずら好きだが、巨大な武器を軽々と振り回す事が出来る強い力がある。
彼女達は複数で旅人を襲うこともあり、相手が男性だった場合はその場で犯された挙句、荷物と一緒に彼女達の集落へと連れさらわれてしまう事もあるので注意してほしい。

種族:ホブゴブリン
上記のゴブリンの突然変異種で、体の一部分…具体的には胸が極端に肥大化した者らしい。
ゴブリンと比べると動きが鈍く、胸に栄養をとられているのか頭の回転も速くはない。
しかし、ゴブリンをはるかに超える怪力を持っており、捕まってしまったら簡単には逃げ出せないだろう。

秘密道具紹介はお休みだ。
紹介出来るほど完成しているものがないと言うのが理由だ…すまん。
もう少しで完成させれる物があるが…次項までに完成するだろうか…
13/02/21 21:47 up
ゴブリン可愛いホブゴブリン可愛い

ワ、ワタシハロリコンジャナイアルヨ?
白い黒猫
DL