ユニコーン(真面目だけど異性に興味津々な委員長)
早朝、あなたは日課の仕事をする為に早めに学校に着いた。
教室の扉を開けると、真っ白な魔物娘の先客がいた。
「あ、○○君。おはようございます。花瓶の水替えと黒板の清掃はやっておきましたよ」
純白のケンタウロス種、ユニコーンさん。
魔物娘の中でも非常に希有な存在で、純潔を司る聖なる獣だ。
礼節を尊ぶ真面目な性格から、クラスをまとめる委員長を勤めている。
今日まで自分の貞操が守られているのも、彼女が淫乱な魔物娘達に対して目を光らせているからに他ならない。
そんな彼女への感謝の気持ちも兼ねて、委員長の補佐を自ら立候補したのだった。
「え?手伝ってくれるんですか?それじゃあ……一限目で使う科学室の鍵を一緒に取りに行きませんか?」
快く頷くと、ユニコーンさんと並んで教室を出た。
正直な話、クラス委員長の仕事は彼女一人で間に合っている。
知能、判断力、体力、全てにおいて自分が勝る要素はない。
しかし、そう思った際に「自分は必要ないのでは」というと。
「そんなことありません!○○君がいるだけで百人力です!ぜひ付きっきりで私をサポートして下さい!」
と迫られたので、今もこうして手伝っている。
理由は分からないが、必要とされるのはなんだか嬉しかったし、ユニコーンさんを独占しているみたいで役得な気持ちだ。
クラス委員業務の合間の他愛ないおしゃべりが、この学園生活におけるささやかな幸せだったりする。
「○○君。よ、よかったらこの後お昼ご飯を……あっ」
何か嫌なものを見つけたような声のユニコーンさん。
彼女の視線を追っていくと、一つの集団が闊歩していた。
一人の男子生徒、それを守るかのように固まる女性の魔物の群れ。
いわゆるハーレムというやつだ。
人間社会では中々見れない光景だが、魔物娘学園ならそんなに珍しいものでもない。
その理由は、この学園の男女の比率にある。
学園には魔物娘ばかりで、男子は少ないのだ。
具体的にいえば、人間の男子が1に対し、魔物娘が9くらい。
そのため、一人の男性を複数の魔物娘が奪い合ったり、もしくは仲良くシェアする状況がよく見られる。
「……○○君は、ああいう人たちを見て、どう思いますか?」
思い詰めた表情であなたに尋ねるユニコーンさん。
率直な意見をあげるなら、うらやましいに決まっている。
多人数の女性に好意を抱かれるのももちろんだが、何より公の場で愛し合っているのがうらやましい。
出来ることなら、自分もユニコーンさんとあんな風にいちゃつきたい。
と言おうと思ったが、口を開く前にしゃべり出したのはユニコーンさんだった。
「や、やっぱり不純ですよね!?結婚前の男女が、公衆の面前でイチャイチャしたり、き、キスなんて……うらやま、いやいやけしからんです!!」
今、一瞬うらやましいって言い掛けた気がした。
清楚なイメージの彼女だが、やっぱり恋愛などには興味があるのだろうか。
「う、うらやましくはないですよ!全然!……でも、想い人とああいう風に甘い一時を過ごすのは、ちょっと、ほんのちょっとだけ……興味があります」
頬を赤らめるユニコーンさん。
なんと言うことだ。つまるところ彼女には好きな人がいて、イチャコラしたいということではないか。
いったい誰だ、彼女のハートを奪った不届きモノは。
「で、でも!ものには順序というものがありますから、まずはそうですね、手をつなぐ所から初めて、そこから経験値を積んでいく感じで……」
なるほど、話から察するに、ユニコーンさんはまだそいつと手をつないだ事すらないのか。
ということは、まだまだ自分にもチャンスはあるはず。
いたずら心を刺激されたあなたは、ユニコーンさんの細くしなやかな手を掴んだ。
「ひゃ、ひゃいいいい!?○○君!?こ、これは、えっとその、どうしたんですか!?」
顔を真っ赤にして戸惑うユニコーンさん。
だが、躊躇するわけにはいかない。彼女の指の間に自分の指をはさみこみ、がっちりとつなぎあう。
立派な恋人つなぎ。
「はわ、はわわわわわ……」
ユニコーンさんは絡み合った手を見て、戸惑いを隠せていない。
この反応を見るに、恋人つなぎなど生まれてこの方やったことがないのは明らか。
彼女の手つなぎ処女を奪ったのは、紛れもなく自分ということだ。
名前も知らないライバルに大きくリードして、少しばかりすがすがしい気分になった。
つないでいる手に力を込めたり、ゆるめたりして、ユニコーンさんの手の感触を確認する。
そのたびに彼女は「んっ」とか「あんっ」という小さなあえぎ声を漏らしている。
ユニコーンさんのウブな反応を見ていると、まるで自分たちが指と指でセックスをしているような気がする。
バカみたいだが、そう思うとなんだか興奮している自分がいた。
「……○○君っ!」
ユニコーンさんの叫びにはっと我に返る。
彼女の瞳は潤み、今にも決壊しようとしていた。
しまった。やりすぎた。
ちょっとからかうつもりだったが、彼女の心を傷つけてしまった。
これは完全に嫌われた。
罵倒されても、顔をぶたれても文句はいえない。
きつく目を閉じ、甘んじて罰をうけいれる。
「ふ、不束ものですが、よろしくお願いしますぅ!!」
…………あれ?
紆余曲折あって、ユニコーンさんの手をつないでしまった責任をとることになった。
こうなっては、生涯かけて彼女を幸せにするしかない。
それにしても、本当に自分でよかったのだろうか。
想い人への気持ちは、他の男に手を握られたくらいで忘れられるものではないとおもうのだが。
そう話しても、彼女は不思議そうな顔をして首を傾げるばかりだった。
教室の扉を開けると、真っ白な魔物娘の先客がいた。
「あ、○○君。おはようございます。花瓶の水替えと黒板の清掃はやっておきましたよ」
純白のケンタウロス種、ユニコーンさん。
魔物娘の中でも非常に希有な存在で、純潔を司る聖なる獣だ。
礼節を尊ぶ真面目な性格から、クラスをまとめる委員長を勤めている。
今日まで自分の貞操が守られているのも、彼女が淫乱な魔物娘達に対して目を光らせているからに他ならない。
そんな彼女への感謝の気持ちも兼ねて、委員長の補佐を自ら立候補したのだった。
「え?手伝ってくれるんですか?それじゃあ……一限目で使う科学室の鍵を一緒に取りに行きませんか?」
快く頷くと、ユニコーンさんと並んで教室を出た。
正直な話、クラス委員長の仕事は彼女一人で間に合っている。
知能、判断力、体力、全てにおいて自分が勝る要素はない。
しかし、そう思った際に「自分は必要ないのでは」というと。
「そんなことありません!○○君がいるだけで百人力です!ぜひ付きっきりで私をサポートして下さい!」
と迫られたので、今もこうして手伝っている。
理由は分からないが、必要とされるのはなんだか嬉しかったし、ユニコーンさんを独占しているみたいで役得な気持ちだ。
クラス委員業務の合間の他愛ないおしゃべりが、この学園生活におけるささやかな幸せだったりする。
「○○君。よ、よかったらこの後お昼ご飯を……あっ」
何か嫌なものを見つけたような声のユニコーンさん。
彼女の視線を追っていくと、一つの集団が闊歩していた。
一人の男子生徒、それを守るかのように固まる女性の魔物の群れ。
いわゆるハーレムというやつだ。
人間社会では中々見れない光景だが、魔物娘学園ならそんなに珍しいものでもない。
その理由は、この学園の男女の比率にある。
学園には魔物娘ばかりで、男子は少ないのだ。
具体的にいえば、人間の男子が1に対し、魔物娘が9くらい。
そのため、一人の男性を複数の魔物娘が奪い合ったり、もしくは仲良くシェアする状況がよく見られる。
「……○○君は、ああいう人たちを見て、どう思いますか?」
思い詰めた表情であなたに尋ねるユニコーンさん。
率直な意見をあげるなら、うらやましいに決まっている。
多人数の女性に好意を抱かれるのももちろんだが、何より公の場で愛し合っているのがうらやましい。
出来ることなら、自分もユニコーンさんとあんな風にいちゃつきたい。
と言おうと思ったが、口を開く前にしゃべり出したのはユニコーンさんだった。
「や、やっぱり不純ですよね!?結婚前の男女が、公衆の面前でイチャイチャしたり、き、キスなんて……うらやま、いやいやけしからんです!!」
今、一瞬うらやましいって言い掛けた気がした。
清楚なイメージの彼女だが、やっぱり恋愛などには興味があるのだろうか。
「う、うらやましくはないですよ!全然!……でも、想い人とああいう風に甘い一時を過ごすのは、ちょっと、ほんのちょっとだけ……興味があります」
頬を赤らめるユニコーンさん。
なんと言うことだ。つまるところ彼女には好きな人がいて、イチャコラしたいということではないか。
いったい誰だ、彼女のハートを奪った不届きモノは。
「で、でも!ものには順序というものがありますから、まずはそうですね、手をつなぐ所から初めて、そこから経験値を積んでいく感じで……」
なるほど、話から察するに、ユニコーンさんはまだそいつと手をつないだ事すらないのか。
ということは、まだまだ自分にもチャンスはあるはず。
いたずら心を刺激されたあなたは、ユニコーンさんの細くしなやかな手を掴んだ。
「ひゃ、ひゃいいいい!?○○君!?こ、これは、えっとその、どうしたんですか!?」
顔を真っ赤にして戸惑うユニコーンさん。
だが、躊躇するわけにはいかない。彼女の指の間に自分の指をはさみこみ、がっちりとつなぎあう。
立派な恋人つなぎ。
「はわ、はわわわわわ……」
ユニコーンさんは絡み合った手を見て、戸惑いを隠せていない。
この反応を見るに、恋人つなぎなど生まれてこの方やったことがないのは明らか。
彼女の手つなぎ処女を奪ったのは、紛れもなく自分ということだ。
名前も知らないライバルに大きくリードして、少しばかりすがすがしい気分になった。
つないでいる手に力を込めたり、ゆるめたりして、ユニコーンさんの手の感触を確認する。
そのたびに彼女は「んっ」とか「あんっ」という小さなあえぎ声を漏らしている。
ユニコーンさんのウブな反応を見ていると、まるで自分たちが指と指でセックスをしているような気がする。
バカみたいだが、そう思うとなんだか興奮している自分がいた。
「……○○君っ!」
ユニコーンさんの叫びにはっと我に返る。
彼女の瞳は潤み、今にも決壊しようとしていた。
しまった。やりすぎた。
ちょっとからかうつもりだったが、彼女の心を傷つけてしまった。
これは完全に嫌われた。
罵倒されても、顔をぶたれても文句はいえない。
きつく目を閉じ、甘んじて罰をうけいれる。
「ふ、不束ものですが、よろしくお願いしますぅ!!」
…………あれ?
紆余曲折あって、ユニコーンさんの手をつないでしまった責任をとることになった。
こうなっては、生涯かけて彼女を幸せにするしかない。
それにしても、本当に自分でよかったのだろうか。
想い人への気持ちは、他の男に手を握られたくらいで忘れられるものではないとおもうのだが。
そう話しても、彼女は不思議そうな顔をして首を傾げるばかりだった。
18/07/23 21:19更新 / 牛みかん
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