連載小説
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ラタトスク 危険度☆☆★★★
 右も左も分からず、かといって立ち止まっている訳にもいかない。
 あなたは周囲を警戒しながら、少しずつ森を散策し始めた。

 魔界の特殊な土壌は、人間界では見られないような植物が生息している。
 不時着したおかげで貴重な光景を見ることが出来たあなたは、少々複雑な気持ちになった。

「お兄さん、こんなところでどうしたの?ひょっとして迷子かな?」

 突然後ろから声をかけられ、身をすくめたあなたは恐る恐る後ろを振り向いた。

 凶暴な猛獣かと思ったそれは、あなたよりも一回りも小さな少女だった。

 ラタトスク。
 獣人系の中でも一際小柄な体格に、体の倍以上の大きさの尻尾を持つ、リスによく似た種族だ。
 彼女達は森の情報屋とも呼ばれ、彼女たちの知らない事など無いと言われる程だ。

「もしよかったら、あたしが出口まで案内してあげようか?」

 まさに渡りに船。
 小さな彼女の背に光明をみたあなたは、一も二もなく彼女について行くことにした。


 だけどちょっとまって。あなた、ひょっとして騙されてない?


 実は近年、ラタトスクに騙されたという被害情報が数多く寄せられています。
 大人しそうな顔をしていますが、彼女も立派な魔物娘。
 しかも、とても意地悪で悪戯が大好き。

 直接人に手を出すような事こそ少ないですが、スライムが入った落とし穴に誘いこんだり、触手が群生する地帯に連れ込んだり、発情したオーク集団の巣穴に案内したりと、あの手この手でエッチな目に遭わせるようです。

 実はそれらも全て彼女達の好意の裏返しなのですが、残念ながらあなたにはトラップに引っかかっている暇などありません。

 ここでは、いかにしてラタトスクの悪戯をかいくぐるか、その方法を伝授していきます。


STEP1 悪戯をしてくるのか探ろう!

 ごく稀に、本当にごく稀にですが、100%の純粋な善意にかられて人を助けるラタトスクも存在します。(彼女達の間では、そんなラタトスクを『ヘタレ』と呼称するようです)
 また、すでにつがいになっていたり、またはこちらが既婚者である場合は悪戯を仕掛けない傾向があります。
 どうやって良いラタトスクと悪いラタトスクを見分けるか。
 そのヒントは、彼女達との雑談の中に隠されています。

 道案内の道中、おしゃべり好きのラタトスク達は親しげにあなたとお話をします。
 その会話の中で、下記のような事を聞かれたかどうかチェックして下さい。

□好きな女性のタイプ   □意中の女性はいるか

□魔物娘をどう思うか  □ぐっとくる女の子の仕草、シチュ

□お風呂では体はどこから洗うか  □運動は好きか

□オナニーは週に何回するか  □エッチの経験はあるか

□性器の長さ、太さ  □好きなおっぱいのカップサイズ


 一つも当てはまらなかった方。
 ラッキー!そのラタトスクはヘタレで間違いありません!
 肘が触れ合っただけでオロオロしてしまう無害な娘なので安心下さい。

 3つ以上チェックが入った方。
 残念!あなたは貞操の危機にさらされています!
 次のステップに進み、適切に対処しましょう。

 10個すべて当てはまった方。
 すでにあなたのビデオ撮影が始まっています。周囲にカメラがないか確認しましょう。
 


STEP2 こちらから攻めてみよう!

 ラタトスク達は悪戯が大好きでSっ気がある反面、こちらが強く出るとひるんでしまいます。

 何事も先手必勝。イタズラされる前にイタズラをしてやりましょう!

 ここでは例文を出しながら説明していきます。

1、まずはこちらの好意を伝える

「でね、この先でとれる木の実がとっても美味しくて……」

《そんな事より、君が好きだ》

「え……ええぇ!?ど、どうしたの!」

《初めて会った時から、すごく可愛いと思っていました》


説:好意を伝える時は、遠回しに言わず、相手の目を見て伝えましょう。
 余りにもベタだと思われがちですが、こういうときこそ直球的表現が大事なのです。
 あなたの積極的なラブコールにより、ラタトスクの顔は真っ赤、声は裏返り、さぞ慌てふためくことでしょう。




2、からかわれても諦めないで!

 しかしラタトスクも防戦一方では終わりません。
 どうにかあなたの心の隙を突こうと、意地悪な言葉をかけてくるでしょう。
 ここが勝負所、けっして彼女の挑発に乗っかってはいけません。
 落ち着いて、淡々とこちらの誠意を伝えていきましょう。

「ふ、ふ〜ん?君、あたしみたいなちっちゃい子が好きなんだ?ひょっとしてロリコン?なんて……」

《小さい子が好きなんじゃない。小さな君が好きなんだ》

「なっ……!!で、でもあたし性格悪いよ!?へそ曲がりだしお喋りうるさいし……」

《構わない、そんな君が好きなんだ》

「なっ、ななななななっ!!」


説:このような感じで、彼女達を徐々にこちらのペースに引き込んでいきましょう。
 最初のうちは饒舌に返してくるでしょうが、あなたが気丈な態度を保ち続ければ負けることはありません。




STEP3 逃げないように捕まえよう!

 媚薬が湧いている泉に連れて行き、なし崩し的に恋仲になろうと算段をたてていたラタトスク。
 しかし、あなたの虚を突くような言動に計画は崩れ去り、どうすればいいとテンパっているようです。

 ここまでくれば後はもう一押しです。

「あ、あたし用事があったんだった!ま、また今度ね!」

 一度体勢を整えようと考えたラタトスクは、クルリと身を翻して離脱しようとします。

 ここがポイント!

 すかさず、彼女の小さな手を握りしめて下さい。
 そして掴んだ手をぐいっと引きよせ、その細い体を抱きしめて上げましょう。

 あなたの情熱的な行動に、押しの弱い彼女達はもうたじたじ。

「ふやぁ……」と空気の抜ける声を出しながら、力なくその体をあなたにゆだねます。

 腰の砕けたラタトスクが地面に寝ころんだら、それは完全降伏の合図。
 これでしばらくの間は、彼女達がからかってくることはないでしょう。

 あとは煮るなり焼くなり×××するなり、あなたの自由です。
 
 彼女達の肉体は、あなたを受け入れる準備を整えているのだから。


※注意!
 
 「窮鼠猫を噛む」という諺のとおり、追いつめられたラタトスク達は何をするか分かりません。からかい過ぎて返り討ちにあわないように気を付けましょう。
18/02/22 19:43更新 / 牛みかん
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■作者メッセージ
読んでいただきありがとうございます。
作者の思い付きで書いている都合上、突然登場人物のいる環境が変化するかもしれません。
ご了承ください。

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