ギャンブルってのは怖いもんさ
大富豪が一瞬で宿無しになるし、貧乏人が首をくくることだってあるんだからな

俺か？俺は常に勝つ方さ、勝てばこの世は天国ってね
イカサマ？馬鹿言うなよ、たまにしかしないし、バレるようなヘマはしない

魔界だなんだと言ってもギャンブルの快楽は忘れられない物さ
俺みたいな賭け事でしか飯を食えないヤツにはありがたいことに
合法非合法お構いなしにカジノだ賭博場だなんてある

まぁ…景品のほとんどが虜の果実とか大人のオモチャとか
高級ラブホの宿泊券(転送魔法のサービス付き)なんてモンばっかだが…
それでも換金できないわけじゃない

あぁ、そういや自己紹介してなかったな…俺はダニー・コール
まぁ好きに呼んでくれ

不満があるとすれば、女を抱けない事だな…
どうも魔物娘ってのは一度抱くと夫婦にされちまうらしい
知り合いのバクチ打ちが、たまたまいった娼館でそのままゴールイン…
とは流石に笑えなかった

そん時の御祝儀は俺への借金をチャラにすることで手打ちにしてやった

いや…訂正する、不満は「あった」だな
なにも娼館なんか行くことはなかったんだ…



・・・・・・


夜も少々過ぎたころ、人気の少ない郊外に構える俺の家に客が訪れる

悔しさをにじませるような顔つきでゆっくりと戸を開けて入ってきたのは
丸い耳に毛並みのいい尻尾、大荷物をしょった魔物娘
刑部狸の「キユリ」だ

「よぉ、キユリ、今日は早かったな…そんなに俺に抱かれるのが待ちきれなかったか？」

「ア、アホぬかせ！たまたま商売が早く終わっただけや！」

俺はクツクツと笑いながらキユリを奥へとまねき入れる

肩を抱き寄せるとキユリはビクッと震え赤くなった顔を隠すように俯いていた




さて、おっぱじめる前に俺とキユリのなれそめをすこし話すとしよう

アレは、もう一月くらい前の事だったか…


・・・・・・


最近よく使うカジノで稼いでる時だった、それなりに儲けたんで今日は帰ろうと思ってたところに、因縁をつけてくる女がいた

「あんたが最近噂の絶対負けないとかいう勝負師かいな？
　胡散臭いな〜…自分絶対イカサマやろ！」

まぁ言うまでもなくそれがキユリだった


キユリは最近この辺で商売を始めたばかりの商人で
このカジノはよく来ると言っていた

見た感じ金があるとは言い難い服装をしていたが
そういうヤツほどギャンブルにハマっちまうもんだ

(余談だがこの街のカジノは特にドレスコードは無かった
最低限隠せていればＯＫだそうだ)

あれよあれよと俺はキユリと勝負することになっていた

「ア、アレ…？嘘や、こんなはずやないのに…」

弱すぎた、駆け引きもへったくれもない
ビギナーズラックだけで来たんだろうと思わせる弱さだった

「も、もういっかいや！別のゲームで勝負しぃ！」

最初は少しばかりの金を賭けた
次は懐が痛くなる金を賭けた
次は持ってる金をすべて賭けた

バカが良くやる失敗だ


「う…うぅ〜〜〜…ッ！」

「おい、この辺にしておきな、賭けってのは払うもんがあるからやるんだ」


「…まだやッ！」

キユリが勢いよく机に何かを叩きつける

それは『デーモンの契約書』と呼ばれるマジックアイテムだった

いわく「ソコに書きこまれた内容を決して破ることが出来なくなる」
と言う代物であり
デーモンの契約と同じような内容に使うものが多い事からこの名前がついている
しかし、その内容は誰でも簡単にどんな物でも作れてしまい
一度契約が交わされると絶対に書き換えられない…らしい

噂は聞いていたが、実際に見るのは初めてだ


キユリはペンを取り出すとスラスラと白紙の契約書に文字を書いていく

―私、キユリは彼、ダニー・コールとの勝負にて、１０００万Ｇを賭けます―

書き終わった内容をドヤ顔をしながら見せつけてくるバカに
俺は呆れと興味を抱いた

１０００万Ｇ分の貸しをコイツに作るのは面白いかもしれない、と…

「面白れぇ…負けたらオレに１０００万の借金が出来ちまうぞ？」

「それはウチのセリフやドサンピン！
　ウチに負けたらあんたが１０００万Ｇ払うんやで！」


・・・・・・


「あ…あれ？ウチの…負け…？」


まぁ、当然の結果だった
奇跡の大逆転だとか、必死でやれば勝てるとか…
そんな少年漫画みたいな事はそうそう起こらない

ましてや初心者に負けるような舐めた勝負を俺はしない

「さて…１０００万Ｇか
　お前が持ってる商品全部売っても足りるとは思えねぇな…
　
　となると、後は一つだよなぁ？」

相手はうぶな生娘相手でも無けりゃ、俺だって童貞のお坊ちゃんじゃない

「フ、フン！体でもなんでも払ったるわ！
　ウチにメロメロになってまうなや！？」

どこまでも口の減らない女だが…流石は魔物娘、そそる身体をしてやがる

キャラでもないが期待に胸を膨らませている自分に薄ら笑いがこぼれた


・・・・・・

〜現在〜


「で…あんなに息巻いてたのにまったく借金は減ってねぇな？なぁキユリよぉ」

「うっさいわ…！
　このわけわからん条件さえ無かったら…
　ウチかてとっくに返済し終わってるわ！」


そう、ただ何度か抱いて、はい終わりなんてのは面白くない

かといって結婚なんざする気は無い

だから俺は返済方法に少し趣向を凝らすことにした


ルールは簡単、俺が１回射精すれば借金を１００Ｇ帳消し

ただしキユリが１回イけば１００Ｇ追加

玩具や道具を使ったりするさいはソレに応じた値段を設定して減額

基本的に毎日来ること

時間は朝日が昇るまで



「簡単じゃねぇか、お前がイかなきゃいいんだろうがよ…」

クツクツと嘲笑いながら俺は昨日のキユリを思い浮かべる

「あぁ…！そりゃ無理か…
　俺が１発出すまでに何回イったかってもんだったよなぁ…！」

わざと耳元で煽りたてる
赤い顔をさらに赤らめる姿にこちらも興奮が高まっていく


「〜〜〜〜〜ッ♥
　わざわざあんなマジックアイテムもってきといてよく言うわ…！」


あんなもんとは数ヶ月前にどっかの富豪にギャンブルの支払いに頂いた
「絶頂カウンター(正式名称は知らん)」の事だ

文字通りイった回数をカウントするもんらしい
俺とキユリの２人分しっかり毎日カウントさせてる

なんでもジャバウォックの為だかなんだかに作られたらしいが…

まあつまらん話を長々しても飽きる頃合いだ…そろそろ、始めるとしようか…


・・・・・・


「ホォッ♥オホッ♥んッホォッ♥♥♥」

ブシャァッ、とキユリが潮を吹くとカウンターがまた一つ増えた

キユリのマンコをほぐしていた手がびしょ濡れになっちまった

「オラ、前戯だけでもうイったのか、ほんっとに早漏マンコだなお前はよぉ…」

「…う…うるひゃい…あんたが手なんか縛るからやろ…」

両手首を布で縛られ、上半身をベッドに突っ伏した体勢でキユリが言い返してくる

「ハッ！『縛ったら５００Ｇマケてやる』
　って言ったらホイホイ乗ってきたんじゃねぇか
　で、これで２回目だぞオイ…？あと３回で意味なくなっちまうぞ」

「〜〜ッ♥」

顔を枕に埋めてフーッフーッと荒い息を吐いている

耐えてやると言う意思表示のつもりなんだろう


その隙に俺はズボンを脱ぐと
とうに勃起したチンコをキユリのマンコに挿れてやった

「あ…♥ンオォォ〜〜〜♥♥♥
　い、いきにゃり奥までチンポキたぁぁ♥♥♥」

キユリの数字が３に増える

「オッ♥オッ♥オッ♥オッ♥
　そこダメやぁ♥奥のトコ、カリで引っかかんといてぇ♥
　アッ♥アァンッ♥
　挿れたままぁ♥グリグリィ♥
　弱いからっ♥それ弱いからぁっ♥」

数字が４に増える

「アッ♥アッ♥チンポッ♥速くなってきたッ♥
　それイヤッ♥チンポイく時の動きイヤやぁッ♥」

「イくッ♥またイクッ♥
　中出しされてイッくぅぅぅぅ♥♥♥」

５に増えた数字の隣の枠がようやく１になる


「フゥーッ…よかったなぁ、これで一回分は伸びたぜ…」

「ア…♥アハァ…♥」

薄ら笑いを浮かべながら、俺はキユリが持ってきた荷物をあさる

魔界で商売する刑部狸は、当然色んな「道具」を持っている

それをキユリ自身に試させてやるんだ、しかも借金を減らしながらだ
感謝されこそすれ文句を言われる筋合いはない

と、そこで面白い物を見つけた…


「ほぉー…記録水晶とは、高価なモン持ってるじゃねぇか…
　…オイ、コレいくらだ？」

「ハァ…♥ハァ…？な…そんなん何に使うつもりや…？」


記録水晶は文字通り周囲の空間の音と映像を記録するマジックアイテム

それを今どう使うかなんてわかりきってるだろう

「撮るんだよ…お前の顔の真ん前に置いて
　お前がイくとこを一部始終残しとくんだよ」

「………ッ♥」

「で、そいつを見ながらお前とヤるんだよ
　録画と同じタイミングでイけるようにするのもいいかもなぁ」

羞恥心をさらに煽るために耳元でねっとりと言い聞かせてやる
キユリの顔がさらに赤くなったように見えた


「………Ｇや」


荒い息をつきながらボソボソとなにか聞こえる

「あ？なんつったキユリ？」


「ご…５０００Ｇや…それで１回使わせたる…って言うたんや…♥」


「ほぉ…流石に値が張るな…でもいいのかよ？」

「な…何がや…？」


「今夜、５０回イッたら、タダになっちまうんだぜ…？」

「〜〜〜〜ッッッ♥♥♥」

キユリの数字が６になるのが横目に見えた


・・・・・・

『ア〜〜〜ッ♥♥♥イく♥イッてまう♥』

『ア、アカン♥ソコッ♥お尻ッ♥
　アカン、アカ…おほぉん♥』

『イッたぁ♥もうお尻で何回もイッたからぁ♥かんにんしてぇ♥♥♥』

『…っ♥…へぇぁ…？数字…？ごじゅう、ごぉ♥…５５やぁ…♥』

『おぉん♥あっ♥あっ♥あっ♥イく♥ダメやのにぃ♥タダになってまうのにぃ♥
　今日もタダアクメしてまうぅッ♥』

『んぅっ♥もうダメっ♥これ以上イッたらぁ♥また借金増えてまうっ♥かんにんっ♥かんにんしてぇ♥』

『イくっ♥イくイくイく♥イっくぅっ♥』



すっかり日が昇り、鳥の鳴き声がする中オレは録画した映像を眺めていた

キユリは気絶してるのか、映像を見ないようにしてるのか、枕につっぷして動こうとしない

まぁ魔物娘なのだから体力的な心配はいらんだろう

俺もインキュバスにはとっくの昔になっているので問題は無い

昨日届いていた手紙を開きながら、今日はどこで賭けるかと、今夜はどうやってキユリを犯すかを考えていくとしようか…



・・・・・・

Sideキユリ


あぁ〜〜〜〜♥

今日もむっっっちゃ気持ちよかった〜〜〜〜〜♥


ダニーはウチが借金のため嫌々犯されてて、でも快楽には逆らえなくて…とか思ってるんやろうなぁ

まぁ快楽に逆らえへんってのは間違ってへんけど♥



ぶっちゃけ、今この状況は全部ウチの思惑通りやねん

１ヶ月前どころか３ヶ月前からウチはダニーに目を付けとった

でも、まともな方法じゃダニーに言い寄るのは無理めやってのはリサーチの結果わかっとった

そこで思いついたのがこの「ドキッ♥借金ウチの体で返済大作戦」だったんや！


いやー大変やったでぇ…
知り合いに頼んでわざと負けて絶頂カウンターをダニーに渡してもらったり

ボロい服着たり、デーモンの契約書を買うたり、色んなセックス用アイテム準備したリ…♥

特に今日の記録水晶は完璧にウチの想定通りやったな！

ここまでイカせてもらえるなんてドＭ冥利に尽き…え？なんや？


あ、そかそか、言い忘れとった、ウチＭやねん♥

普通の刑部狸は借金とか契約とか使うて男を手玉に取るもんやけど
ウチ昔っから逆にいいようにされたいって思っとったんや

もうな♥ダニーはひとめ見た時からビビッと来たんや♥

あ、この男なら絶対ウチのこと満足させてくれるわ、てな感じやなぁ♥


ってありゃ？ダニー手紙呼んでニヤニヤしとる…まさか浮気！？

「なんや…なんのお手紙やのん…？」

「あ？知り合いからだよ
　なんでもギャンブルで稼いだ金で嫁さんと旅館始めたんだとよ…
　花がよく咲いて温泉なんかもあるとか書いてやがる…

　だがふざけやがって、６泊７日で１０００万Ｇとか誰が泊まるってんだ…
　まして、こっからだと往復するだけでさらに金がかかる…割引もしやがらねぇ…
　…あの野郎…」


「…それ、えぇなぁ！」

「はぁ？話聞いてたのかお前…自分の借金返してから…」

「ちょい待ち…ホイ！」

ウチはかばんの隠しポケットから出した財布をダニーに手渡した

中身はだいたい１０００万は入っとるはずや

…お♥目を白黒させてるダニーも珍しゅうて可愛えなぁ♥


あ、せやせや、ウチな、実は金持ちやねん

今手持ちはアレくらいやけど、別に店に帰ればいくらでもあるんやわ

それこそ借金なんて５、６回返したって全然お釣りくるぐらいや

「キユリ…てめぇ俺を騙し…」

「あ、ちょい待ち…ホイ、裏と表どっちや？」

「はぁ…？裏…いや、待て待て…！」

「じゃあウチ表な〜」

ウチがやったのはコイントスや
わかるやろ？コイン投げて手で隠してどっちか当てるヤツや

ダニーが答えたのを聞くとウチはパッと隠した手をどける

「…裏やな♥…これで契約書の内容はまた履行されるっちゅうことや…♥」

「…あぁー…つまりそういうことかよ…クソッ、してやられたぜ…！」

さっすがウチの見込んだギャンブラー、ウチの思惑全部わかってもうたみたいやな♥


「ハァ…俺ともあろうもんがついに年貢の納め時ってやつか…」

ため息をつきながらダニーはウチのあごをクイッと持ち上げてきよった♥


「とりあえずは…向こう行ったら覚悟しろよドＭ狸…
　今日なんか比べ物にならねぇほどイかせてやる…！」

「アハ…♥やれるもんならやってみぃ…♥」


視界の端でウチの数字がまた1つ増えたのが見えた…♥

■作者メッセージ
この後メチャクチャ(ry

はい、いつもの拙作です
ハートマークも大盤振る舞いしました()
肩透かしを受けた方、申し訳ございません(^U^)
彼女はギャンブルは得意ではないですが演技派です


余談：キユリが最後にやったコイントスの仕掛け
裏に表の、表に裏の絵柄のシールが貼ってあり、手触りでどっちが表裏かわかる
後はダニーが言った答えに沿うようにシールを剥がしたり剥がさなかったりする
知り合いに頼んで作ってもらった負け用即席イカサマ