第3話 そして日曜日
朝
変わった変わったと言ったが、実際のところ普段はそんな変わっていない気がする
相変わらず2人は顔を合わせるたびにケンカをする
朝のトレーニングを終えた俺はその光景に安心感すら覚えてしまう
「はぁいダーリン♥お疲れ様ぁ♥特製虜の実ジュースどうぞ♥」
「カッ!そんな甘ったるいモン飲ませたら婿殿のノドが余計渇くだけじゃ!
ささ、婿殿♥よく冷えた水を持ってきたぞえ♥」
「ムーッ!アンタこそ、それさっきお酒混ぜてたヤツじゃない!ダーリンが悪酔いしちゃうわよ!」
コップ片手に言い争う2人を尻目にグイっと水筒の水を飲み干す
そして
水筒を置いて言い争う2人のお尻をグイっと強めに揉みしだく
「ヒィンッ♥」
「ンホォッ♥」
嬌声をあげる2人を引き寄せ耳元にソッと口を近づけた
「2人とも…ケンカしたらダメだって何度も言ったろ?」
「ハ、ハイィ…♥ダーリンごめんなさいぃ…♥」
「す、すまぬ婿殿ぉ…♥お…お尻強いィ…♥」
グニグニと2人のお尻の感覚を堪能しながらも、コップを落さないのは流石だなぁ…とズレた感想を抱くのだった
「アッ♥アッ♥ダーリンそこっ♥お尻の穴ぁん♥♥」
「ホッ♥オホッ♥奥ぅッ♥ほじりッ♥すぎッ♥じゃっ♥♥」
・・・・・・
昼
買い物がしたかったので街に出ることにした
2人が左右から抱きついてきて歩くので柔らかいやら歩きづらいやら…
…警備の仕事?今まで一度たりとも街どころか家の周辺でさえ凶暴な獣なんて近づいたことはないから大丈夫……俺の仕事って…
「ねぇ、ダーリン♥私アクセサリーが見に行きたいの♥」
「ほほう、そうかそうか、ならば1人で行くがいいぞ さ、婿殿♥儂と一緒に酒屋を見に行こうぞ♥」
「ちょっと!ウツロこそ1人でいったらいいじゃない!」
「なにを抜かすか!ひっこんどれファルメア!」
またまたケンカを始める2人にため息をつきながら、俺はポケットに隠し持っていた2つのスイッチをオンにする
「クヒィンッ♥♥」
「オッオォンッ♥♥」
今作動したスイッチは悶え石と呼ばれるマジックアイテムに繋がる物だ
悶え石はその名の通り、魔力を通すと振動する不思議な石で、無線スイッチを付けた簡略版が最近の流行だそうだ
それが今、2人のアソコに入っている
というか俺が入れた
カチカチと振動の強さを調節しながら2人に目を向ける
「2人とも、もしかしてスイッチ入れてほしくてわざとケンカしてない?」
「そ…そんなことぉ…♥あひっ♥」
「こ、これはコヤツのせいでぇ…♥」
「まぁいいけどさ…俺は日用品買ってくるから、2人は2人で行きたいお店行ってきなよ…ソレ付けたままさ」
2人から離れて俺は買いたいものを探しに行く、スイッチはとりあえず切っておこう
「あ、買い物終わったら中央通りの喫茶店で待ち合わせしよう、待ってるからな〜」
「ダ、ダーリン〜♥そんなぁ…♥」
「婿殿…♥すっかり逞しくなられて…♥ンッ♥」
・・・・・・
中央通り喫茶店、テラス席
目当てのモノを買い終わった俺は早々に喫茶店で2人を待っていた
若干値段は高いが魔界の果実を使わないストイックなマスターこだわりのドリンクは「逆に新しい」と人気だ
と、コーヒーを楽しんでいるとにわかに喧騒が広がってきた
どうやら2つの集団が言い争いを始めているようだった
片方は王都親衛隊…といってもこの国に元々そんな組織は無かった
彼女たちはファルメアが連れてきた魔界の精鋭揃いで、この国を支配した後そのまま王都親衛隊を名乗ったのだ
見た目良し、実力高し、街の治安を守ってる、ときてるので国民からはおおいに受け入れられている
もう片方はウツロ衆と名乗る集団だ、その名の通りウツロに従うジパングの魔物がほとんどで構成されている面々だ
自由気ままなウツロに従う彼女たちもまた自由気ままに夫を探している
職人が数多く居るので彼女たちもまた国民からは特に問題なく受け入れられている(金と時間がかかってもいいならウツロ衆!と暗黙の了解ができたほどだ)
「だから!仕事をする際は我が国のギルドを通してくれないと困ると再三注意しているだろう!」
親衛隊の先頭に立つデュラハンが一際耳を引く凛々しい声をあげる
「ハッ!そんなこと知ったこっちゃないね!文句なら仕事のヘタッピなそっちのギルドに言うんだねッ!」
ウツロ衆の先頭に立つ小柄なネコマタがべらんめえ口調でことさら大きく言い返す
「おうおう!あんまやかましいと首の穴から指突っ込んで奥歯ガタガタいわせたろうじゃないかい!」
「やろうと思えばできそうなことを言うんじゃない!ちょっと背筋がゾッとしたぞ!」
ヒートアップを続ける言い争いだが、念のために言わせてもらうと彼女たちは本当に仲が悪いわけじゃない
お互いのトップであるファルメアとウツロが仲が悪いため、お互い「とりあえずケンカしとくかー」くらいのノリでやっているのである
現に、今しがた争っているデュラハンとネコマタは俺の衛兵仲間だったマッケンジー兄弟と結婚している
つまり、彼女らは義姉妹となる…
「大体ねえ!あんた家に帰ったらろくに脱いだ服片付けないくせに偉そうにすんじゃないよっ!」
「んなっ!?ね、義姉さん!家でのことは外に持ち出さない約束だろう!!」
そういえばマッケンジー兄弟がどっちか引っ越したという話は聞いてない、どうやら4人で同居してるようだ
「それなら義姉さんだって普段は『意地でもニャンなんて語尾につけないよ!』とか言ってるくせに!
このまえ義兄さんに『ねぇあなたぁー♥今日はお寿司食べたいニャン♥』って!」
「ニ゛ャ゛ア゛ー!!いつの間に聞いてたんだいあんたはぁ!!」
…なんだこれ…
「あら…親衛隊ともあろうものたちがどうしたというの?」
「姫様!」「姫様!?」「総員整列!!」
と、親衛隊の後ろからファルメアが姿を現した
一瞬のどよめきの後、瞬く間に整列し道を開けた彼女たちを見るといかに高い練度かがうかがえる
「おや…騒がしいと思えば、ぬしら何をしとるんじゃ…」
「親分!」「大将!」「アネさん!」
ウツロ衆も同じく後ろから現れたウツロにざわめきながらも道を開ける
…呼び方に統一感が無いのも彼女たちの自由奔放さを象徴してる…とも言えるはず…
普段の姿からはあまり感じられないが、そういえばあの2人偉いんだったなぁ…
「ウツロ…まぁた貴女のとこなの…あっ」
「ファルメア…ぬしの顔もいい加減見飽き…あっ」
2人は周囲を下がらせ睨みあう…瞬間に喫茶店にいる俺に気が付いたようだ
俺はジェスチャーで「続けて続けて」と促すと、冷や汗をたらしながらも2人は再度向き合った
「と…ともかく!この国で暮らす以上は商工ギルドに所属してもらわなヒィンっ♥」
「ひ、姫様!?」
「な、なんでもないわ…♥なんでもぉん…♥激しッ…♥」
「ふ、ふふ…なんじゃなんじゃ、いきなりどうしたというんホォッン♥」
「た、大将…?」
「し、心配するでない…♥ただのぉ♥しゃっくりじゃァンッ♥」
オフにしていた悶え石を絶妙なタイミングでオンにしてみた
なんというか…自分でもこんなにSの気があったなんてと驚いている
でも、すごく興奮する…
もうちょっと眺めてるのもいいか…
・・・・・・
ビクビクと悶えながらどうにかこうにか口喧嘩をしようとする2人
流石に限界かな?と感じたので連れ出すことにしよう
「2人ともお待たせ、帰ろっか?」
「アッ♥」
「ンッ♥」
何食わぬ顔で肩に手をかけて引き寄せた
「彼は…たしか姫様の夫…」
「あ、親分の旦那さんだ…」
両陣営が俺を怪訝な顔で眺めてくる
…流石に話すと長くなりそうだ…さっさと退散しよう
「ほら!急ぐよ!じゃ、お邪魔しましたー!」
「あっダーリン待って!アァンッ♥」
「婿殿そんなに手を引かれては!クゥンッ♥」
・・・・・・
「もしかしなくても…さっきの姫様とウツロさん…悶え石入れてたよね…」
「姐御だけじゃなくてそっちの姫さんにまでそんな事してるって…」
「「…(かなりスゴイ人だ…)」」
「私も早く夫欲し―…」「ウチの旦那の親戚紹介しよっか?」「あの2人見てたらムラムラしてきたー♥早く帰ろ♥」
親衛隊とウツロ衆、一仕事終えたので解散
ハルトは一目置かれるようになったのだった
・・・・・・
夜
なんとか逃げ切った俺たちは家で一息ついていた
悶え石はもう外してもらったがまだイッてない2人は大分モンモンとしているようだった…
が、その前に俺も先に2人に渡しておく物がある!
その為に日用品を買うなんて名目で外出したんだ、このタイミングしかない…!
あ、前日に買っておけとかツッコまないでくれ…
「あのさ、2人とも…コレ、受け取ってくれないか?」
俺はおもむろに2人に小箱を差し出す
2人は俺からのプレゼントだと大喜びで受け取ってくれた
「ねぇダーリン、開けても良いの?」
「あぁ、どうぞ」
「ふむ…では遠慮なく頂こうぞ」
渡したそれは口紅だ
ファルメアに似合う真っ赤な口紅と
ウツロに似合う薄紫の口紅
指輪を送るような甲斐性のある男でもない俺だが、2人に何か送りたかったんだ
「あー…ほら、今日はさ…3人で過ごすようになって1ヶ月たつからさ…記念日…ってのも変だけどさ…」
さっきまであんなに強気に出れたのに、今は見る影もないと自分でも思う
しどろもどろに話す自分自身を情けなく思いながら、彼女たちはどんな反応をしてるのかチラと見る
見てみると既に2人とも送った口紅を塗ってくれているようだ
気に入ってくれたのか…?
と、次の瞬間俺は2人の魔法か妖術かなにかで引き寄せられた
「「んちゅ〜〜〜〜〜〜♥♥♥」」
2人が左右から頬にキスをしてきたと気が付くのに一瞬遅れた
長い、それでいて深い、愛おしさが込もったキスが身も心も蕩けさせる
「ねぇハルトくん♥口紅を女の子に送るってどういう意味か知ってる…?♥」
「『口紅がなくなるまで塗った唇でキスをする♥』という意味なんじゃぞ旦那様…♥」
「もうダメ♥我慢できないよぅ♥いっぱいいっぱい、キスしよ♥エッチしよ♥」
「おクチでも、おマンコでもたっぷりご奉仕してやろうぞ♥だからいっぱいいっぱいイカせてくだされ♥」
「「夜はこれから…だよ♥/ですぞ♥」」
・・・・・・
「ハルトくんッ♥わらひイグッ♥またイグゥッ♥」
「旦那様ァ…♥儂にもまたおマンコしてくだされ…♥ンッ♥もう我慢できませぬ…♥」
ファルメアに中出しをしながら、指でウツロのアソコを責める
もうどれだけ2人に射精したか数え切れないほどだが、欲望は尽きない…
と、不思議な感覚が身体を襲った
射精後の疲労感が急に抜け、精力が一気にみなぎってきたような、体力が全回復したような…
「ウ、ウソォ…♥ハルトくん…今までインキュバス化してなかったのぉ…♥♥」
「人間のままじゃった…のかや♥つまり今までのは前座…なんじゃな♥♥」
これがインキュバス化…ふと時計を見る、まだ0時を少し過ぎた程度だ…まだまだ楽しめるって事か…
「アハ…♥ウツロ…私たち、イキ死んじゃうかも…♥」
「嬉しそうな顔で何言っておる…♥望むところなんじゃろ…♥儂もじゃがな♥」
夜はこれからだ…
おわり!
18/05/31 22:44更新 / トアル・ドコカ
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