第ニ忌憚 妖怪大宴会
西暦2012年1月上旬
新しい年を迎え日本に古来より存在している妖怪達は、毎年12月31日になると全国各地から数え切れない位の妖怪達が集まって大宴会を開くのであったそうな
東西南北から豪華なお節料理を持って来る者、日本各地の銘酒を持って来る者、珍しい食べ物、山海の珍味等が毎年並び食べ放題、飲み放題の宴が一ヶ月も続くのであったそうな
妖怪達の朝昼夜時間関係無く祝いの宴は、酒飲み合戦、大食い競争、一芸披露、歌を歌う者、世間話しながら食べる者等皆好き勝手に騒いでいたそうな
因みに宴会をしている場所は、普段から人間達は近付けない妖無園界と言う謎の場所で毎年行われている
「今年も酒が美味しいぜ!!ウィッヒック・・・お〜いつまみが足りないぞ!ジャンジャン持って来い!!」
「そうだぜ!酒もそろそろ無くなるぞ〜、早く持って来いよ〜」
そう言いながら酒やら食べ物を豪快活勢い良く飲食いしているのは、アカオニとアオオニの二人である
二人の周りには、大量の数え切れない位の酒の樽やらトックリと皿が乱雑に置かれていた
「ウィ〜・・・なあアオよぉ?今年は、良い男見付けたいもんだねぇ〜?去年は最悪な年だったぜ」
「その台詞毎年且つ毎日言ってる気がするがな?さぁな・・・出会いと別れは突然と言いますよ?アカよ・・・ヒック〜」
「チッ確かにそうだがな!最近の若い人間は、酒の飲み方、楽しみ方が全然わかってねぜぇ〜・・・お陰で張り合いのあって飲み方が豪快な野郎が居なくて寂しいねぇ・・・昔は、良かったな〜、今は面白い奴が全然居ないぜ・・・お〜い酒と食べ物まだかよ!早く持って来ねぇと暴れるぞ!!!」
「まあ確かに最近の若い人間で面白くて張り合いのある飲み方をする人間は、居ませんねぇ・・・時代が変わったと言う事でしょうかねぇ、アカ暴れても来ませんよ?気長に待ちましょう」
「がぁああああああああ!!!!早く持って来いよぉ!!!!イライラする!!!」
イライラして今にでも暴れそうなアカオニをアオオニは、何とか押さえ付けていました
アカオニとアオオニから離れている所では、河童、ジョロウグモ、ウシオニ、提灯おばけ達が世間話しながら豪華なお節料理を食べていました
「この松坂牛超美味しいぜ!!!生きてて良かったぁ〜・・・まだあるよなぁ」
「さっきからそればっかだねぇ〜・・・野菜も食べないと体悪くするよ〜、ウシオニ?」
「五月蝿いなぁ〜・・・俺は、肉食だから良いんだよ!お前こそさっきからキュウリとかっぱ巻きばかりじゃねえか?お前こそ肉を食えよ?年に一度しか食えねぇぞ?こんな高級和牛はよぉ〜・・・本当に美味い!!」
「私は、雑食だし・・・肉は嫌いじゃあ無いけどねぇ〜、キュウリにかっぱ巻き美味しいけどなぁ、う〜ん美味♪」
「うふふふ〜、まあまあウシオニはん種族が違うんやから、気にしてたらきりが無いですぇ」
「まあそうだけどよぉ〜・・・俺昔好奇心から生の野菜を食べて腹を壊して以来野菜を見る度にその時の事を思い出して、気分が悪くなるんだよぉ」
「生で食べたんですか!駄目ですよ〜、ウシオニ姉さん?生で野菜食べたら誰だってお腹壊しますよ?ちゃんと火を通すか、炒めないと駄目ですよぉ」
ウシオニは、提灯おばけにそう指摘されえっと言う顔をした、どうやら普段から生で食べ物を食べている様で炒めたり煮たり等の調理を知らない様子である
ジョロウグモ、河童は食べながら調理の基本だよと教えたがウシオニはこう言ったそうな
「そう言われてもなぁ?俺の母さん一度も調理している所見た事無いしなぁ・・・と言うかウシオニ一族は皆新鮮なそのままの肉をその場で食うから焼くとか炒める煮るなんて無いんだよなぁ」
「ウチも肉食ですがちゃんと料理しますぇ?今は料理出来ない男女何て粗大ゴミと人間のある雑誌に書かれておりましたなぁ」
「お前は、普段から人間に化けて旅館経営してるからそう言えんじゃねぇのか?まあ今更料理の勉強なんて興味も無いがなぁ・・・それにしてもこの米沢牛美味すぎるぜ!!おかわり!おーい調理係り肉1000人前追加!」
「まだ食べるのかよ!良くお腹持つなぁ」
「お前だってかっぱ巻き何皿目だよ?俺の事言えねぇぞ?」
「毎年の事ですねぇ〜・・・おほほほほ〜」
「そうだねぇ〜・・・このウサギの漬物美味しいなぁ〜」
河童、ジョロウグモ、ウシオニ、提灯おばけ達は、そんな会話をしながらお節料理を食べていた
さて食事の席から少し離れた所では、舞台上では一芸披露や歌を歌う者が集まっていた
今舞台に立っているのは、ゆきおんなであった・・・どうやら歌を披露するらしい
「では次は、ゆきおんなで雪桜散る頃を歌います、聴いて下さい」
「うぉおおおおおおお!!!!!待ってました!!!ゆっきー!!!!」
「イェーイ!待ってたぞ!!!ゆっきー!!!!」
とこんな感じで集まった妖怪達のテンションはMAXな様である、因みにこのゆきおんな妖怪世界のアイドル的存在らしい
「雪桜が散る頃に〜♪貴方に逢いましたぁあ〜・・・どうしてそんなに悲しく見つめるのですか〜ああああ」
「良いぞ〜〜ゆっきー!!!」
「うぉおおおおお!!!!!俺と結婚してくれ〜〜〜〜〜」
何故か演歌でこの騒ぎである、ある意味人間には理解できない光景である
そしてゆきおんなは、歌い終え舞台を降りましたがアンコールと言う声が起きたのは言うまでもなかったそうな
「えっ〜次は、稲荷で油揚げを恵んでくださいです、聴いて下さい」
「えええ〜・・・下がれ!ババァ!」
「そうだぞ!ゆっきーもう一回!」
そんな野次が飛ぶので稲荷さんは、だんだん表情が変わっていきました、どうらや怒ってる様である
「ソウデスカ?そんなに私は駄目ですか?因みに今ババァと言いましたねぇ?皆さん、覚悟は宜しいでしょうか?」
「あっやばいかも」
「助けて!ママ〜〜〜〜〜〜〜!!!!!」
「お母さん〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!!」
この後舞台の周りが火の海になったのは、言うまでもなかったそうな
因みに死人は出てないとの事であるが皆大火傷で済んだらしい
因みにゆきおんな事ゆっきーさんは、歌い終えると夫が待っている席ではいっアーンを遣っておりました
昨年の冬初めに幼馴染の人間の男の子と結婚していたらしい、殆ど身内で祝ったので野次馬連中は知らなかったりする
因みに旦那さんは特別に招待されているので問題は無いらしい
「何か向こうが騒がしいけど毎年こうなのかい?ゆっきー?」
「うん、毎年こんな感じだよ〜・・・はいっアーン?」
「えっ・・・しょうがないなぁ・・・アーン」
「はいっアーン・・・どう美味しい?」
「うん美味しいよ」
「良かった〜」
只今ラブラブ中なので近付いてはいけない空間が二人を包み込んでおりました
羨ましいぞおい(by作者の心の声
そんな馬鹿騒ぎが行われている宴会場からかなり離れた所にある部屋には、宴会にも参加せずにとある巻物を見ながら何かを組立ている者がおりました
見た目は、若く見えますがどう見ても妖怪ですね
と言うかここに居るのは、皆妖怪ですがね
部屋に居る妖怪は、何やら一生懸命に何か機械を組立ていました、すると廊下をこちらに歩いて来る足音が聞こえました
足音の主は、部屋の前に来るとコンコンッと障子をノックしましたが返事が無いので失礼しますじゃと言うと障子を開け部屋に入りました
障子を開けると沢山の巻物と書物と色んなカラクリと機械が所狭しと置かれていました
部屋の奥に行くと部屋の主は、相変わらず何かを組立ていました
「はぁ〜全くこれだから困ったお方じゃのう、ヤマト様お食事を持って来ましたですじゃ!ヤマト様!」
「うん?何だよ、アカババァかよ・・・大きな声出すなよ、ビックリするだろうが、部品落としたらどうするんだよ」
「そんな事知りませんですじゃ、それよりお食事をお持ちしましたですじゃ」
「もうそんな時間なのか?早いな・・・分かったよ食えばいいんだろうが、もう少しで完成なんだがな」
「兎も角冷めぬ内にお召し上がり下さいですじゃ」
俺の名前は、ヤマトと言う・・・この妖無園界にある宴会会場の屋敷の主だ
因みに全ての妖怪の長で日本の妖怪全てを統率している妖怪王だったりする
父は、初代妖怪王で母は人間の巫女・・・そう俺は半分人間だったりする
年齢は300歳以上だったかな?たぶん
今俺の目の前でお膳を持っているのは、白髪のアカオニのアカババァと言う俺の乳母でもあり料理長でもあり人間界の鬼の長の一人だったりする
年齢は確か1000年以上か数千年だったかな?
因みに出身地は地獄らしい
俺は机の上を片付けお膳を受け取っていただきますと言い食べ始めました
アカババァは、俺が食べてる横で部屋の明かりを点けていた
「今日も俺が嫌いな物が入ってるし・・・食いたくねぇ〜」
「好き嫌いせずにお食べ下さいね・・・全く灯りも点けずに良く・・・」
「それにしても馬鹿騒ぎまだやっているのかよ?良く体持つな〜」
「毎年の事ですじゃ、ヤマト様も参加したらどうですじゃ?」
「俺は、嫌だね!酒嫌いだし騒ぐのも好かん!」
「しかしですじゃ、年始の挨拶してから一度も顔を出さんと言うのは、妖怪の長として問題があるんじゃがのう」
「俺は行かんぞ!勝手に騒いでろ」
「しかしのう・・・」
アカババァが何か言おうとしたその時廊下から声が聞こえてきた
「アカババァ様〜・・・直ぐ来てくれませんか?広間の人達が追加の料理はまだかと言ってるんですが?私達じゃあ手が回りませんので直ぐ来ててください」
この声は確かぬれおなごだな?全く広間の連中はまだ食い足りないのかよ?
「やれやれですじゃのう・・・分かったわい、今行くから待ちなさい・・・ではヤマト様、また後ほど来ますのでのう」
「うむ分かった」
そう言うとアカババァは、ぬれおなごの声が聞こえて来た方に歩いて行った
「やれやれ大変だな〜・・・毎年・・・さて食べ終わったし続けるかな」
そう言うと俺は寄せていた部品を再び組立て始めた、もう直ぐで完成だな
これが完成すれば直ぐに調べる事が出来るしな
「さて後は、これを埋め込めば完成だな」
そう言いながら俺は、作業を進めた
しかし今日は月が綺麗だな〜
ここは、とある地底洞窟である・・・誰かが何かを見付けて喜んでいた
目の前に超巨大な城が鎖でその場にあった
「遂に見付けたぞ!我等が偉大な始祖妖怪達が建造した伝説の移動要塞城その名は・・・妖怪城!!!!今こそ長き封印の眠りから目覚め人間達に復讐する時なり!!目覚めよ、妖怪城よ!忌わしい封印からお前を解放してやろうぞ!!」
そう言うとその者は、巨大な妖怪城を蜘蛛の糸のように何重にも絡まっている鎖の鍵穴に赤黒い邪気が溢れている鍵を差し込んだ
鍵が差し込まれると鎖は、音を立てて鎖は一瞬で外れ消えていった
そして天守閣付近にある一つ目玉が少し動き瞬きをし始めた
「ククククッ遂に妖怪城が長き眠りから目覚めたぞ!しかし妖怪城はまだ目覚めたばかりで妖力はまだまだ回復には時間が掛かるか・・・こうなったら日本各地に封印されている妖怪塔44塔の封印も解かねばならぬな」
ゴゴゴゴゴゴォオオオオオオオオとと言う音が地底洞窟を揺らし始めた
「フフフフ・・・そんなに暴れたいのか?安心しろ、直ぐにでも暴れさせてやるかな・・・だがその前には、お前は妖力を回復せねばならんぞ?分かるな?」
『ヨ・・・ウ・・・リ・・・キ?力・・・腹ヘッタ・・・オオオオ』
「クククッ・・・こうも上手く事が運ぶとはな、これで日本は再び妖怪の国となろうぞ!そうこの妖狂王オロチの理想とする世界にな!あっははははははーーーーー!!!!!!!」
地底洞窟に狂喜の笑い声が響いたが気づく者は誰も居なかったそうな
史上最悪最強最凶と言われた移動要塞城妖怪城は、こうして長き眠りから目覚めたそうな
その頃天神光神社では、
「このお刺身美味しいにゃ〜、幸せにゃ〜ご♪」
「ちょっとネコナ!さっきからお刺身ばかり食べないでよ!ボクらの分
無くなるじゃんかよ!」
「そうですよ!お刺身以外も食べてくださいよ!バランスが悪くなるじゃないですか!」
「そんなの知らないにゃ〜・・・美味しいにゃ〜」
「お前ら毎回本当に元気ねぇ〜・・・私は疲れて食う気力が無いわ〜」
「皆さん相変わらず元気ですねぇ〜・・・私は、まだ手が痛いですよ」
そう言うのは、カラステングの風丸である、私達が巫女服に着替えて売場に参拝客と格闘していたら1時間位したら来たのであった
遅れた理由は簡単である、妖怪大宴会に参加してる親に着替えを届けに行ったら少し捕まり抜け出すのに時間が掛かったらしい
「にゃあああああ!!!!私のお刺身返せえええええええええにゃああああああああああああああ!!!!!!」
「お前のじゃ無いだろうがああああああああ!!!!!鯛のお刺身はボクのものだああああああ!!!!!!」
「フフフフッその隙にサーモンは私がすべて頂く!!!!!」
雪童子の雪、猫又のネコナ、稲荷のイズル三人のお刺身戦争は、激しさを増ししていったそうな
その隣で輪廻と風丸は、会話しながら無視ながら少しずつ食べていたお刺身以外のお節料理を食べていた
「面白いので記念写真でも撮って置こうかな?」
カシャッピと言う音共にデジタルカメラで写真を撮っていた風丸であった
「午後は休もうかな?疲れた〜」
今日も天神光神社は、平和だったそうな・・・今は獣の雄叫びと威嚇が聞こえるが気のせいだろう・・・たぶんね
「フニャアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!!!!!!」
「掛かって来いよおおおおおおお!!!!!!!!」
「望む所よオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!!!!!!」
「お前らいい加減にしなさい!!!一撃必殺天神光奥義破魔矢の連続射ち!!」
ぎゃあああああああああああああああああと叫び声が木霊したそうな
叫び声ですか?いいえ木霊かやまびこですよ・・・うんきっとねと言うか必ずね
その頃妖怪大宴会場では、
「今何か聞こえた様な?気のせいかな?」
「何も聞こえないよ?空耳じゃないの?それよりも今度は、私にアーンしてよ、アナタ♪」
「しょうがないな〜・・・はいっアーン」
「アーンッ・・・うん美味しい♪」
「そうかそれは良かったよ♪」
「もう一回して〜」
「はいっはいっ分かったよ〜」
ゆッきーと旦那さんはまだラブラブ中だったそうな
「様子を見に来たがやはり部屋に戻ろう・・・もう寝よう」
ヤマトは、寝るを選択した
今日も妖怪達は、面白く楽しく生きていたそうな
続く
新しい年を迎え日本に古来より存在している妖怪達は、毎年12月31日になると全国各地から数え切れない位の妖怪達が集まって大宴会を開くのであったそうな
東西南北から豪華なお節料理を持って来る者、日本各地の銘酒を持って来る者、珍しい食べ物、山海の珍味等が毎年並び食べ放題、飲み放題の宴が一ヶ月も続くのであったそうな
妖怪達の朝昼夜時間関係無く祝いの宴は、酒飲み合戦、大食い競争、一芸披露、歌を歌う者、世間話しながら食べる者等皆好き勝手に騒いでいたそうな
因みに宴会をしている場所は、普段から人間達は近付けない妖無園界と言う謎の場所で毎年行われている
「今年も酒が美味しいぜ!!ウィッヒック・・・お〜いつまみが足りないぞ!ジャンジャン持って来い!!」
「そうだぜ!酒もそろそろ無くなるぞ〜、早く持って来いよ〜」
そう言いながら酒やら食べ物を豪快活勢い良く飲食いしているのは、アカオニとアオオニの二人である
二人の周りには、大量の数え切れない位の酒の樽やらトックリと皿が乱雑に置かれていた
「ウィ〜・・・なあアオよぉ?今年は、良い男見付けたいもんだねぇ〜?去年は最悪な年だったぜ」
「その台詞毎年且つ毎日言ってる気がするがな?さぁな・・・出会いと別れは突然と言いますよ?アカよ・・・ヒック〜」
「チッ確かにそうだがな!最近の若い人間は、酒の飲み方、楽しみ方が全然わかってねぜぇ〜・・・お陰で張り合いのあって飲み方が豪快な野郎が居なくて寂しいねぇ・・・昔は、良かったな〜、今は面白い奴が全然居ないぜ・・・お〜い酒と食べ物まだかよ!早く持って来ねぇと暴れるぞ!!!」
「まあ確かに最近の若い人間で面白くて張り合いのある飲み方をする人間は、居ませんねぇ・・・時代が変わったと言う事でしょうかねぇ、アカ暴れても来ませんよ?気長に待ちましょう」
「がぁああああああああ!!!!早く持って来いよぉ!!!!イライラする!!!」
イライラして今にでも暴れそうなアカオニをアオオニは、何とか押さえ付けていました
アカオニとアオオニから離れている所では、河童、ジョロウグモ、ウシオニ、提灯おばけ達が世間話しながら豪華なお節料理を食べていました
「この松坂牛超美味しいぜ!!!生きてて良かったぁ〜・・・まだあるよなぁ」
「さっきからそればっかだねぇ〜・・・野菜も食べないと体悪くするよ〜、ウシオニ?」
「五月蝿いなぁ〜・・・俺は、肉食だから良いんだよ!お前こそさっきからキュウリとかっぱ巻きばかりじゃねえか?お前こそ肉を食えよ?年に一度しか食えねぇぞ?こんな高級和牛はよぉ〜・・・本当に美味い!!」
「私は、雑食だし・・・肉は嫌いじゃあ無いけどねぇ〜、キュウリにかっぱ巻き美味しいけどなぁ、う〜ん美味♪」
「うふふふ〜、まあまあウシオニはん種族が違うんやから、気にしてたらきりが無いですぇ」
「まあそうだけどよぉ〜・・・俺昔好奇心から生の野菜を食べて腹を壊して以来野菜を見る度にその時の事を思い出して、気分が悪くなるんだよぉ」
「生で食べたんですか!駄目ですよ〜、ウシオニ姉さん?生で野菜食べたら誰だってお腹壊しますよ?ちゃんと火を通すか、炒めないと駄目ですよぉ」
ウシオニは、提灯おばけにそう指摘されえっと言う顔をした、どうやら普段から生で食べ物を食べている様で炒めたり煮たり等の調理を知らない様子である
ジョロウグモ、河童は食べながら調理の基本だよと教えたがウシオニはこう言ったそうな
「そう言われてもなぁ?俺の母さん一度も調理している所見た事無いしなぁ・・・と言うかウシオニ一族は皆新鮮なそのままの肉をその場で食うから焼くとか炒める煮るなんて無いんだよなぁ」
「ウチも肉食ですがちゃんと料理しますぇ?今は料理出来ない男女何て粗大ゴミと人間のある雑誌に書かれておりましたなぁ」
「お前は、普段から人間に化けて旅館経営してるからそう言えんじゃねぇのか?まあ今更料理の勉強なんて興味も無いがなぁ・・・それにしてもこの米沢牛美味すぎるぜ!!おかわり!おーい調理係り肉1000人前追加!」
「まだ食べるのかよ!良くお腹持つなぁ」
「お前だってかっぱ巻き何皿目だよ?俺の事言えねぇぞ?」
「毎年の事ですねぇ〜・・・おほほほほ〜」
「そうだねぇ〜・・・このウサギの漬物美味しいなぁ〜」
河童、ジョロウグモ、ウシオニ、提灯おばけ達は、そんな会話をしながらお節料理を食べていた
さて食事の席から少し離れた所では、舞台上では一芸披露や歌を歌う者が集まっていた
今舞台に立っているのは、ゆきおんなであった・・・どうやら歌を披露するらしい
「では次は、ゆきおんなで雪桜散る頃を歌います、聴いて下さい」
「うぉおおおおおおお!!!!!待ってました!!!ゆっきー!!!!」
「イェーイ!待ってたぞ!!!ゆっきー!!!!」
とこんな感じで集まった妖怪達のテンションはMAXな様である、因みにこのゆきおんな妖怪世界のアイドル的存在らしい
「雪桜が散る頃に〜♪貴方に逢いましたぁあ〜・・・どうしてそんなに悲しく見つめるのですか〜ああああ」
「良いぞ〜〜ゆっきー!!!」
「うぉおおおおお!!!!!俺と結婚してくれ〜〜〜〜〜」
何故か演歌でこの騒ぎである、ある意味人間には理解できない光景である
そしてゆきおんなは、歌い終え舞台を降りましたがアンコールと言う声が起きたのは言うまでもなかったそうな
「えっ〜次は、稲荷で油揚げを恵んでくださいです、聴いて下さい」
「えええ〜・・・下がれ!ババァ!」
「そうだぞ!ゆっきーもう一回!」
そんな野次が飛ぶので稲荷さんは、だんだん表情が変わっていきました、どうらや怒ってる様である
「ソウデスカ?そんなに私は駄目ですか?因みに今ババァと言いましたねぇ?皆さん、覚悟は宜しいでしょうか?」
「あっやばいかも」
「助けて!ママ〜〜〜〜〜〜〜!!!!!」
「お母さん〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!!」
この後舞台の周りが火の海になったのは、言うまでもなかったそうな
因みに死人は出てないとの事であるが皆大火傷で済んだらしい
因みにゆきおんな事ゆっきーさんは、歌い終えると夫が待っている席ではいっアーンを遣っておりました
昨年の冬初めに幼馴染の人間の男の子と結婚していたらしい、殆ど身内で祝ったので野次馬連中は知らなかったりする
因みに旦那さんは特別に招待されているので問題は無いらしい
「何か向こうが騒がしいけど毎年こうなのかい?ゆっきー?」
「うん、毎年こんな感じだよ〜・・・はいっアーン?」
「えっ・・・しょうがないなぁ・・・アーン」
「はいっアーン・・・どう美味しい?」
「うん美味しいよ」
「良かった〜」
只今ラブラブ中なので近付いてはいけない空間が二人を包み込んでおりました
羨ましいぞおい(by作者の心の声
そんな馬鹿騒ぎが行われている宴会場からかなり離れた所にある部屋には、宴会にも参加せずにとある巻物を見ながら何かを組立ている者がおりました
見た目は、若く見えますがどう見ても妖怪ですね
と言うかここに居るのは、皆妖怪ですがね
部屋に居る妖怪は、何やら一生懸命に何か機械を組立ていました、すると廊下をこちらに歩いて来る足音が聞こえました
足音の主は、部屋の前に来るとコンコンッと障子をノックしましたが返事が無いので失礼しますじゃと言うと障子を開け部屋に入りました
障子を開けると沢山の巻物と書物と色んなカラクリと機械が所狭しと置かれていました
部屋の奥に行くと部屋の主は、相変わらず何かを組立ていました
「はぁ〜全くこれだから困ったお方じゃのう、ヤマト様お食事を持って来ましたですじゃ!ヤマト様!」
「うん?何だよ、アカババァかよ・・・大きな声出すなよ、ビックリするだろうが、部品落としたらどうするんだよ」
「そんな事知りませんですじゃ、それよりお食事をお持ちしましたですじゃ」
「もうそんな時間なのか?早いな・・・分かったよ食えばいいんだろうが、もう少しで完成なんだがな」
「兎も角冷めぬ内にお召し上がり下さいですじゃ」
俺の名前は、ヤマトと言う・・・この妖無園界にある宴会会場の屋敷の主だ
因みに全ての妖怪の長で日本の妖怪全てを統率している妖怪王だったりする
父は、初代妖怪王で母は人間の巫女・・・そう俺は半分人間だったりする
年齢は300歳以上だったかな?たぶん
今俺の目の前でお膳を持っているのは、白髪のアカオニのアカババァと言う俺の乳母でもあり料理長でもあり人間界の鬼の長の一人だったりする
年齢は確か1000年以上か数千年だったかな?
因みに出身地は地獄らしい
俺は机の上を片付けお膳を受け取っていただきますと言い食べ始めました
アカババァは、俺が食べてる横で部屋の明かりを点けていた
「今日も俺が嫌いな物が入ってるし・・・食いたくねぇ〜」
「好き嫌いせずにお食べ下さいね・・・全く灯りも点けずに良く・・・」
「それにしても馬鹿騒ぎまだやっているのかよ?良く体持つな〜」
「毎年の事ですじゃ、ヤマト様も参加したらどうですじゃ?」
「俺は、嫌だね!酒嫌いだし騒ぐのも好かん!」
「しかしですじゃ、年始の挨拶してから一度も顔を出さんと言うのは、妖怪の長として問題があるんじゃがのう」
「俺は行かんぞ!勝手に騒いでろ」
「しかしのう・・・」
アカババァが何か言おうとしたその時廊下から声が聞こえてきた
「アカババァ様〜・・・直ぐ来てくれませんか?広間の人達が追加の料理はまだかと言ってるんですが?私達じゃあ手が回りませんので直ぐ来ててください」
この声は確かぬれおなごだな?全く広間の連中はまだ食い足りないのかよ?
「やれやれですじゃのう・・・分かったわい、今行くから待ちなさい・・・ではヤマト様、また後ほど来ますのでのう」
「うむ分かった」
そう言うとアカババァは、ぬれおなごの声が聞こえて来た方に歩いて行った
「やれやれ大変だな〜・・・毎年・・・さて食べ終わったし続けるかな」
そう言うと俺は寄せていた部品を再び組立て始めた、もう直ぐで完成だな
これが完成すれば直ぐに調べる事が出来るしな
「さて後は、これを埋め込めば完成だな」
そう言いながら俺は、作業を進めた
しかし今日は月が綺麗だな〜
ここは、とある地底洞窟である・・・誰かが何かを見付けて喜んでいた
目の前に超巨大な城が鎖でその場にあった
「遂に見付けたぞ!我等が偉大な始祖妖怪達が建造した伝説の移動要塞城その名は・・・妖怪城!!!!今こそ長き封印の眠りから目覚め人間達に復讐する時なり!!目覚めよ、妖怪城よ!忌わしい封印からお前を解放してやろうぞ!!」
そう言うとその者は、巨大な妖怪城を蜘蛛の糸のように何重にも絡まっている鎖の鍵穴に赤黒い邪気が溢れている鍵を差し込んだ
鍵が差し込まれると鎖は、音を立てて鎖は一瞬で外れ消えていった
そして天守閣付近にある一つ目玉が少し動き瞬きをし始めた
「ククククッ遂に妖怪城が長き眠りから目覚めたぞ!しかし妖怪城はまだ目覚めたばかりで妖力はまだまだ回復には時間が掛かるか・・・こうなったら日本各地に封印されている妖怪塔44塔の封印も解かねばならぬな」
ゴゴゴゴゴゴォオオオオオオオオとと言う音が地底洞窟を揺らし始めた
「フフフフ・・・そんなに暴れたいのか?安心しろ、直ぐにでも暴れさせてやるかな・・・だがその前には、お前は妖力を回復せねばならんぞ?分かるな?」
『ヨ・・・ウ・・・リ・・・キ?力・・・腹ヘッタ・・・オオオオ』
「クククッ・・・こうも上手く事が運ぶとはな、これで日本は再び妖怪の国となろうぞ!そうこの妖狂王オロチの理想とする世界にな!あっははははははーーーーー!!!!!!!」
地底洞窟に狂喜の笑い声が響いたが気づく者は誰も居なかったそうな
史上最悪最強最凶と言われた移動要塞城妖怪城は、こうして長き眠りから目覚めたそうな
その頃天神光神社では、
「このお刺身美味しいにゃ〜、幸せにゃ〜ご♪」
「ちょっとネコナ!さっきからお刺身ばかり食べないでよ!ボクらの分
無くなるじゃんかよ!」
「そうですよ!お刺身以外も食べてくださいよ!バランスが悪くなるじゃないですか!」
「そんなの知らないにゃ〜・・・美味しいにゃ〜」
「お前ら毎回本当に元気ねぇ〜・・・私は疲れて食う気力が無いわ〜」
「皆さん相変わらず元気ですねぇ〜・・・私は、まだ手が痛いですよ」
そう言うのは、カラステングの風丸である、私達が巫女服に着替えて売場に参拝客と格闘していたら1時間位したら来たのであった
遅れた理由は簡単である、妖怪大宴会に参加してる親に着替えを届けに行ったら少し捕まり抜け出すのに時間が掛かったらしい
「にゃあああああ!!!!私のお刺身返せえええええええええにゃああああああああああああああ!!!!!!」
「お前のじゃ無いだろうがああああああああ!!!!!鯛のお刺身はボクのものだああああああ!!!!!!」
「フフフフッその隙にサーモンは私がすべて頂く!!!!!」
雪童子の雪、猫又のネコナ、稲荷のイズル三人のお刺身戦争は、激しさを増ししていったそうな
その隣で輪廻と風丸は、会話しながら無視ながら少しずつ食べていたお刺身以外のお節料理を食べていた
「面白いので記念写真でも撮って置こうかな?」
カシャッピと言う音共にデジタルカメラで写真を撮っていた風丸であった
「午後は休もうかな?疲れた〜」
今日も天神光神社は、平和だったそうな・・・今は獣の雄叫びと威嚇が聞こえるが気のせいだろう・・・たぶんね
「フニャアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!!!!!!」
「掛かって来いよおおおおおおお!!!!!!!!」
「望む所よオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!!!!!!」
「お前らいい加減にしなさい!!!一撃必殺天神光奥義破魔矢の連続射ち!!」
ぎゃあああああああああああああああああと叫び声が木霊したそうな
叫び声ですか?いいえ木霊かやまびこですよ・・・うんきっとねと言うか必ずね
その頃妖怪大宴会場では、
「今何か聞こえた様な?気のせいかな?」
「何も聞こえないよ?空耳じゃないの?それよりも今度は、私にアーンしてよ、アナタ♪」
「しょうがないな〜・・・はいっアーン」
「アーンッ・・・うん美味しい♪」
「そうかそれは良かったよ♪」
「もう一回して〜」
「はいっはいっ分かったよ〜」
ゆッきーと旦那さんはまだラブラブ中だったそうな
「様子を見に来たがやはり部屋に戻ろう・・・もう寝よう」
ヤマトは、寝るを選択した
今日も妖怪達は、面白く楽しく生きていたそうな
続く
12/03/09 16:52更新 / 光闇竜
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