4.舞台後の打ち上げみたいな感じ。不謹慎だろ?(ニヤリ
時を少し遡り森の奥でテントを張り避難をした村人達
周囲をナーデリアが感知結界を張り巡らして
近づいて来る者を見張り、その内側を
ナルとグルカが見張りをしていた
「そろそろ教団の者達と戦闘している頃だろうか?」
「遅くても夜にはって言ってたよなぁ?」
「あぁ、向こうの戦力が全く分からないのが心配な所だ」
「ったくよぉ、教団ってのは嫌な連中だぜ」
ふと、村人達に目を向けるナルとグルカ
たき火を中心に皆不安そうな顔をしている
無理も無い事だ、ついさっきまで平和に
暮らしていた所に教団が襲って来た訳だ
それに加えて黒樹という見た事も無い
怪しい魔導師。味方である事は間違いない
しかし、あの黒く冷たい魔力を皆見ていた
あんな魔力は見た事も無い。故に
不安を拭えずにいたのだった。
「託した以上黒樹からの連絡を待つしかないな」
グルカは軽くため息を一つついた。
その時村の方角が強く光始めた
思わず手で影を作ってしまう程の
強烈な光だった
「うわっ!なんだこりゃ?!」
「なんだこの光は!?」
光は直ぐに治まった。少なくとも教団の仕業で
あることは容易に想像できた。間違いなく
教団は村にやって来ている。そして
黒樹は教団の兵士と戦っている。
「へっ・・・本当に戦ってんだなアイツ・・・」
「あぁ、間違いない」
「なら、守らねえとな!」
「そうだな!」
二人は気を引き締めなおした
何も知らぬ者が自分たちの為に戦ってくれている
それだけで十分だった。今自分たちに出来る事
それは村の人々を守る事だと
「もしもし?」
「きゃぁぁぁぁぁ!!」
「うわぁぁぁぁぁ!!」
後ろから急に声を掛けられてしまい
思わず声を上げる二人
周りを見渡すが声をかけた者は居ない
「こっちこっち!」
足元を見ると地面の影から首だけ出した黒樹が居た
「おおおおおお驚かすな不謹慎だぞ!!」
「あーヒックりした・・・・・」
「キャーだって可愛らしいねぇ」
「そんな事より教団はどうなったんだ!」
「全部ふんじばってとっ捕まえといたよ
無論契約通り心身共に五体満足でな」
「本当か!!」
「あぁ、もう戻ってきても大丈夫だぜ」
「どれぐらいの人数だっだんだ?」
「30人ぐらい居たな。あと勇者とか名乗ってたのが居たぜ」
「「勇者!?!?!?」」
「とりあえず全員戻ってきなよ。話は村でしようぜ」
そういうと黒樹は首を引っ込めてしまった
「おい待て!って行ってしまった・・・・」
「・・・・・・トレミックさんに言ってくるぜ」
ナルは村長夫妻にその旨を伝え
とりあえず確認の為に一足先に村に向かい
様子を見てくる事にした
村についてナルはまたもや驚く事になった
辺りの家の中は多少荒らされていたが
全くと言っていいほど被害を受けていなかった
それどころか捕まえたと言っていた
兵士たちが何処にも居なかったのだ
「どうなってんだこりゃ?・・・・・・」
「あれぇ?一人だけかい?」
黒樹が影の中からずるりと姿を現した
「おめーがさっさと引っ込んじまったから
状況が確認出来なかったんだよ!」
「あぁ、そうか。そいつは失敬ぶっこいちまったわな」
「教団の連中はどうしたんだ?」
「何処に置いといて良いのか分からなかったらなぁ
とりあえず影の中にしまってある」
「影の中って・・・・兎に角安全なのが分かったから
皆を呼んでくるぜ」
そう言うとナルは避難所に戻ろうとしたが
それを黒樹は呼び止めた。
「まぁ待ちな、連絡だけならこっからでも出来るさ」
そう言うと黒樹は身体から鎖を出しバケツのような
形に作り上げた
「よし、これかぶれ」
「はぁ?!」
「さっき俺が避難所に首出したろ?他人にやらせるときは
これが一番やりやすいんだ」
「・・・・・・・大丈夫なんだろうなぁ?」
「いいからかぶれっての!」
ナルはおっかなびっくり黒いバケツをかぶった
当然視界は真っ暗でなにも見えない
そして黒樹が呪文を唱え始めた
「『開け、影の小窓』」
僅かにどろりとした感触がナルの顔を襲った後
直ぐに視界が開けた。それは先ほどまでいた避難所だった
「うわっ!本当に首だけ避難所に行ってやがる!!」
「な。大丈夫だし便利だろ?」
「さっきからびっくりさせられっ放しだぜ・・・・
おーい!グルカー!!!」
首だけのナルに呼ばれ、首だけのナルの姿を
見て怪訝な表情をしつつも村が安全になった事が
確認できたグルカは村人全員と共に村へ戻る事にした
戻ってくる間に黒樹は大鍋を火にかけお湯を沸かし始めた
「何やり始めてんだ?」
「ん?大騒ぎになって落ち着いた訳だし
皆腹減ってるだろうからスープでも作ろうかと思ってな」
「へぇ、料理出来んのか」
「料理も魔術薬の調合も基本的には同じさ
腹膨らましてぐっすり寝れば疲れも取れるってモンよ」
「ん?材料はどっから出てきたんだ???」
「教団の連中が持ってた食料だよ。
どうせあいつらには必要無くなる訳だしな」
黒樹は下三日月の様な笑みを浮かべながらそういった
ナルは心の中で強く思った。外道な奴だと。
そうこうしているとナルと村人達が戻って来た
黒樹はスープとパンを振る舞い人々を落ち着かせた
次第に皆から笑顔が戻り始めていた
「しかしたった一人で30人も相手にして
しかも勇者まで捕らえるとは・・・・・・・」
「単純な戦闘能力で言えば俺はペラッペラさ
例えば1対1で戦う時はまず相手をすっ転ばして
そっからボコるのが基本だね」
「うむむ・・・・・正しく外道という訳か」
「本当にえげつねぇ奴・・・・・」
「ケケケケケ、そいつは最高の誉め言葉だよ」
「ともかく村を救って頂いて本当にありがとうございます
ヌーヴ村の村長としてお礼を申し上げます」
「まだ終わってねぇと思うよ?」
「えっ?それはどういう・・・・・・」
黒樹はスープを啜りながら語り始めた
勇者とは剣も魔法も使う上級職になる筈
仮に駆け出しの経験詰みの為に送り込んだとしても
総勢30名もの人数を送り込むのは村の規模を
考えても多すぎる人数であると
しかも肝心の勇者は、術もかなりこなれていて
駆け出しとは言い難い。これは石橋叩き過ぎる
明らかに何か別の事柄で率いていたのではないかと
「推測だが、教団国のお偉いさんはこの森が欲しいんだろうな
だからこの村を奪って前線基地にしたかったんじゃないかな?」
「森を欲しがる?理由はなんだ?」
「さぁ?そこまでは分からねぇ。分からねぇけど何かがある
そうじゃなかったら、1個小隊送ってくる理由がねぇなぁ。
村長さんは何か耳にしたことはないかい?」
「うーん・・・・・・私も妻もこの村に住んで長いですが
その様な話は・・・・・・・・」
「知らないかー、んじゃ連中から聞き出すしかないなぁ。
とりあえず、この世界の事について俺は、何も知らないんだ
今夜はその辺から教えてほしい」
「分かりました、知る限りの事を全てお話しします」
たき火が燃える夜、魔物が住む世に耳を傾ける黒樹であった。
周囲をナーデリアが感知結界を張り巡らして
近づいて来る者を見張り、その内側を
ナルとグルカが見張りをしていた
「そろそろ教団の者達と戦闘している頃だろうか?」
「遅くても夜にはって言ってたよなぁ?」
「あぁ、向こうの戦力が全く分からないのが心配な所だ」
「ったくよぉ、教団ってのは嫌な連中だぜ」
ふと、村人達に目を向けるナルとグルカ
たき火を中心に皆不安そうな顔をしている
無理も無い事だ、ついさっきまで平和に
暮らしていた所に教団が襲って来た訳だ
それに加えて黒樹という見た事も無い
怪しい魔導師。味方である事は間違いない
しかし、あの黒く冷たい魔力を皆見ていた
あんな魔力は見た事も無い。故に
不安を拭えずにいたのだった。
「託した以上黒樹からの連絡を待つしかないな」
グルカは軽くため息を一つついた。
その時村の方角が強く光始めた
思わず手で影を作ってしまう程の
強烈な光だった
「うわっ!なんだこりゃ?!」
「なんだこの光は!?」
光は直ぐに治まった。少なくとも教団の仕業で
あることは容易に想像できた。間違いなく
教団は村にやって来ている。そして
黒樹は教団の兵士と戦っている。
「へっ・・・本当に戦ってんだなアイツ・・・」
「あぁ、間違いない」
「なら、守らねえとな!」
「そうだな!」
二人は気を引き締めなおした
何も知らぬ者が自分たちの為に戦ってくれている
それだけで十分だった。今自分たちに出来る事
それは村の人々を守る事だと
「もしもし?」
「きゃぁぁぁぁぁ!!」
「うわぁぁぁぁぁ!!」
後ろから急に声を掛けられてしまい
思わず声を上げる二人
周りを見渡すが声をかけた者は居ない
「こっちこっち!」
足元を見ると地面の影から首だけ出した黒樹が居た
「おおおおおお驚かすな不謹慎だぞ!!」
「あーヒックりした・・・・・」
「キャーだって可愛らしいねぇ」
「そんな事より教団はどうなったんだ!」
「全部ふんじばってとっ捕まえといたよ
無論契約通り心身共に五体満足でな」
「本当か!!」
「あぁ、もう戻ってきても大丈夫だぜ」
「どれぐらいの人数だっだんだ?」
「30人ぐらい居たな。あと勇者とか名乗ってたのが居たぜ」
「「勇者!?!?!?」」
「とりあえず全員戻ってきなよ。話は村でしようぜ」
そういうと黒樹は首を引っ込めてしまった
「おい待て!って行ってしまった・・・・」
「・・・・・・トレミックさんに言ってくるぜ」
ナルは村長夫妻にその旨を伝え
とりあえず確認の為に一足先に村に向かい
様子を見てくる事にした
村についてナルはまたもや驚く事になった
辺りの家の中は多少荒らされていたが
全くと言っていいほど被害を受けていなかった
それどころか捕まえたと言っていた
兵士たちが何処にも居なかったのだ
「どうなってんだこりゃ?・・・・・・」
「あれぇ?一人だけかい?」
黒樹が影の中からずるりと姿を現した
「おめーがさっさと引っ込んじまったから
状況が確認出来なかったんだよ!」
「あぁ、そうか。そいつは失敬ぶっこいちまったわな」
「教団の連中はどうしたんだ?」
「何処に置いといて良いのか分からなかったらなぁ
とりあえず影の中にしまってある」
「影の中って・・・・兎に角安全なのが分かったから
皆を呼んでくるぜ」
そう言うとナルは避難所に戻ろうとしたが
それを黒樹は呼び止めた。
「まぁ待ちな、連絡だけならこっからでも出来るさ」
そう言うと黒樹は身体から鎖を出しバケツのような
形に作り上げた
「よし、これかぶれ」
「はぁ?!」
「さっき俺が避難所に首出したろ?他人にやらせるときは
これが一番やりやすいんだ」
「・・・・・・・大丈夫なんだろうなぁ?」
「いいからかぶれっての!」
ナルはおっかなびっくり黒いバケツをかぶった
当然視界は真っ暗でなにも見えない
そして黒樹が呪文を唱え始めた
「『開け、影の小窓』」
僅かにどろりとした感触がナルの顔を襲った後
直ぐに視界が開けた。それは先ほどまでいた避難所だった
「うわっ!本当に首だけ避難所に行ってやがる!!」
「な。大丈夫だし便利だろ?」
「さっきからびっくりさせられっ放しだぜ・・・・
おーい!グルカー!!!」
首だけのナルに呼ばれ、首だけのナルの姿を
見て怪訝な表情をしつつも村が安全になった事が
確認できたグルカは村人全員と共に村へ戻る事にした
戻ってくる間に黒樹は大鍋を火にかけお湯を沸かし始めた
「何やり始めてんだ?」
「ん?大騒ぎになって落ち着いた訳だし
皆腹減ってるだろうからスープでも作ろうかと思ってな」
「へぇ、料理出来んのか」
「料理も魔術薬の調合も基本的には同じさ
腹膨らましてぐっすり寝れば疲れも取れるってモンよ」
「ん?材料はどっから出てきたんだ???」
「教団の連中が持ってた食料だよ。
どうせあいつらには必要無くなる訳だしな」
黒樹は下三日月の様な笑みを浮かべながらそういった
ナルは心の中で強く思った。外道な奴だと。
そうこうしているとナルと村人達が戻って来た
黒樹はスープとパンを振る舞い人々を落ち着かせた
次第に皆から笑顔が戻り始めていた
「しかしたった一人で30人も相手にして
しかも勇者まで捕らえるとは・・・・・・・」
「単純な戦闘能力で言えば俺はペラッペラさ
例えば1対1で戦う時はまず相手をすっ転ばして
そっからボコるのが基本だね」
「うむむ・・・・・正しく外道という訳か」
「本当にえげつねぇ奴・・・・・」
「ケケケケケ、そいつは最高の誉め言葉だよ」
「ともかく村を救って頂いて本当にありがとうございます
ヌーヴ村の村長としてお礼を申し上げます」
「まだ終わってねぇと思うよ?」
「えっ?それはどういう・・・・・・」
黒樹はスープを啜りながら語り始めた
勇者とは剣も魔法も使う上級職になる筈
仮に駆け出しの経験詰みの為に送り込んだとしても
総勢30名もの人数を送り込むのは村の規模を
考えても多すぎる人数であると
しかも肝心の勇者は、術もかなりこなれていて
駆け出しとは言い難い。これは石橋叩き過ぎる
明らかに何か別の事柄で率いていたのではないかと
「推測だが、教団国のお偉いさんはこの森が欲しいんだろうな
だからこの村を奪って前線基地にしたかったんじゃないかな?」
「森を欲しがる?理由はなんだ?」
「さぁ?そこまでは分からねぇ。分からねぇけど何かがある
そうじゃなかったら、1個小隊送ってくる理由がねぇなぁ。
村長さんは何か耳にしたことはないかい?」
「うーん・・・・・・私も妻もこの村に住んで長いですが
その様な話は・・・・・・・・」
「知らないかー、んじゃ連中から聞き出すしかないなぁ。
とりあえず、この世界の事について俺は、何も知らないんだ
今夜はその辺から教えてほしい」
「分かりました、知る限りの事を全てお話しします」
たき火が燃える夜、魔物が住む世に耳を傾ける黒樹であった。
18/02/03 08:44更新 / ultra食いしん坊
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