読切小説
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現在修行中
神々にとって人間とは被造物であり格下の存在である。
遊び半分に殺したり苦しめたりすることは許されないが、
多少なりとも理由があれば命を奪う程度のことは容易に認められる。
もちろん教団は『神々は人類を愛している』と教えているのであるが。

町は遠く、街道からも離れたとある森の中。
とても年季の入った小さな教会がある。
建物に朽ちそうな雰囲気はなくしっかりしているが、
外壁にはどれほど昔に建てられたのか…と思わせる色の濃さがあった。

教会周辺の木は切り倒されて平たんになっており、
それなりに運動ができる程度の広さはある。
もちろん森の中という立地において、
数十年から数百年の間放置された場所が平らであるはずがない。
定期的に草木を刈り取り、この環境を維持しようとする者がいるのだ。
その者たちは教会の南側、日当たりのよい場所で剣の訓練をしていた。

一人は男性。
子供と呼ぶには大きすぎるが、大人にはまだまだ遠いという年頃であり、
まさに『少年』と形容するのが最もふさわしいであろう。

その少年と剣の試合を行っているのは一人の少女。
少年よりは少し年齢が低く見えるがその背後には天使の象徴たる白い翼が伸びており、
外見から実年齢が推し量れないことを示している。

そして対峙する二人から少し離れた所に審判役としてもう一人女性がいた。
彼女は少女としての色を残している若さだが、試合っている二人よりも外見年齢が高く、
大人と呼んでもさしつかえないであろう見た目だ。
その女性も白い翼を持っているが、剣を振っている天使よりも翼の数が多く、
知識のある者ならば、より上位の天使であるとすぐに判別するであろう。

彼女は一進一退の互角の戦いを繰り広げる彼らに中断の声をかけようと手を上げる。
少年はそれを視界にとらえ、もう休憩かと少しばかり気を緩ませてしまう。
しかし少女の方はそんな緩みを見逃さず、
『止め』の合図が発せられる前に素早く踏み込んで剣を一閃。
二人が手にした剣には非殺傷の魔法が付与されており、
絶対に相手を傷つけることはない。
胴を深く横薙ぎにされても少年の顔には痛みの欠片も表れない。
しかし彼の顔には苦痛の代わりに『あちゃー』とでも言いそうな表情が浮かんでいた。
その原因は時間ギリギリで敗北を与えてくれた天使にある。

「モゲロ! キチンと合図があるまでは試合は終わってないのよ!
 『戦っている間は何があっても油断するな』って教えたでしょ!」
少年をモゲロと呼んだ天使。彼女は己が勝利したにも関わらず、全く喜ぼうとはしない。
それも当然で、彼女はモゲロを自らよりも強く育てようとしているのだ。
100回戦ったならば100回とも楽勝で終わらせる。
モゲロがそうなることを望んでいる彼女にとっては、己の勝利こそが敗北。
気の緩みを突いて勝利するより、手も足も出ず負かしてくれた方がよっぽど嬉しい。
天使はモゲロに対してさらにダメ出ししようとするが、近寄ってきた審判役の女性によってそれは止められる。

「怒鳴りつけるように言わなくてもいいじゃないエンジェ。
 そんなにしょっちゅう怒っていたら、訓練が嫌になってしまうかもしれないわよ?」
「ルキさまは甘すぎるんです。少しくらいは鞭を与えないと。
 このままじゃ、モゲロはいつまでたっても立派な勇者にはなれませんよ!」
エンジェと呼ばれた少女天使はルキという名の天使に言い返す。
その言葉の中に出てきた『勇者』という単語にモゲロは憧れと申し訳なさの入り混じった複雑な思いを抱いた。
二人の天使がこんな森の奥で隠れるように暮らしているのは自分のためであり、また自分のせいでもあるのだから…と。

勇者というものは大きく分けて先天性と後天性の二種類がある。
後天性というのは普通に生まれ育った後に勇者の力を与えられた者。
先天性というのは勇者として育つべく、生まれる前の魂の段階で力を与えられた者。
モゲロは先天性の勇者であり、
本来ならば二人の天使に誕生を祝福され、教団の希望としての人生を歩むはずった。
しかしモゲロに力を与えた神は何を考えたのか、
モゲロの力を別の勇者に上乗せすると決定したのである。
それを告げられたエンジェとルキは驚き、そして神へと考え直す様に願い出た。

もはやモゲロは生まれ出てしまっている。
彼から勇者の力を取り戻すには殺して取り出すしかない。
しかしモゲロが天使の祝福を受けた赤ん坊だという噂は広がり始めている。
将来の勇者が死んだなどという話は人々を悲しませ不安にさせるだけではないか。

……等々と神を説得しようとした二人であったが、その実は単にモゲロが可愛いだけであった。
彼女らはこの子が産まれたらどんな勇者に育つか、どんな大人に育てようかと幾度も幾度も笑顔で話し合っていたのだ。
生まれた後も姿を隠しては四六時中会いに来てあやしてやったり、世話をしてやったりした。
『勇者の力が必要だから殺せ』などという命令、神の言であっても従えるものではない。
だが神にとってモゲロはもはや不要物の邪魔者。意思を翻したりなどしない。
二人は悩みに悩み…………一つの決断をした。

屋敷の誰も彼も眠っている深夜。
窓から差し込む月明かりに照らされた二人の天使は、赤子用のベッドで眠るモゲロを前にしていた。

「……本当にいいのねエンジェ。全ての責任を私が被ればあなたは天界に帰れるわよ」
「ルキさまこそ帰ってもいいんですよ?
 無能な天使が勝手にバカをやったって言えば、大した罰も与えられないと思いますし」
二人は覚悟のほどを計るように見つめ合うと、同時に軽い笑みを浮かべた。
それは想いを同じくする仲間の笑みであり、大罪の共犯者としての笑みでもあった。

二人が下した決断。
それはモゲロを連れてどこか遠くの場所へ逃げ出すというものであった。
神への反逆行為は非常に重い罪であり、天界へ帰れないどころか、
居場所が知れれば間違いなく処刑人が送られてくるほどのもの。
それでも彼女たちはモゲロの命を奪うことを良しとしなかった。
それほどに小さな赤ん坊のことを愛していたのだ。

(天使二人が人間一人のために天界を追われるなんて前代未聞かしら。
 今の地位に未練がないわけじゃないけど……この子のためなら安い物ね)
(これでわたしもお尋ね者かぁ…。お父さんとお母さんは悲しむかなぁ…。
 ルキさまが一緒に来てくれるのは心強いけど……ううん、弱気になったらダメよエンジェ!)
ルキは一つの深呼吸で、エンジェは軽く左右に首を振ることで全てを吹っ切る。
完璧に覚悟を決めた二人はモゲロを伴うと、窓を開き夜の空へと飛び立っていった。

……なお、彼女らは空前絶後の大罪を犯したと思っているようだが実は違う。
天使が人間に絆されて姿を消してしまうという事件はときおり起こっているのである。
部下が反逆を起こしたという恥を知られたくない神や評価を下げたくない上司が極力隠ぺいしているにすぎない。
また隠れ潜む天使を発見するのは、地上に降りていて人間との距離が近い天使が大半。
たいていの場合同情心などで見逃してしまい、報告が上げられることはまずないのだ。
つまり、彼女らの心配はほとんどが取り越し苦労だったというわけである。

モゲロを連れて逃げた二人は以前から目をつけていた無人の教会に落ち着いた。
森の中だけあって危険な獣や少数の魔物が生息するが、それらを遠ざける結界を張って安全は確保。
家計に関してもルキは魔力を付与する術を使えたので、安物の剣をそこそこ高価な魔法剣に変えて転売する手法で生活に困らない程度の収入は得られた。
彼女らは日々育っていくモゲロと共に幸せで穏やかな日々を過ごしていた。
それが戦闘訓練を施すようになったのは、モゲロ自身が発端である。

二人は仕える神に反逆した身ではあるが、基本の価値観はそのままである。
神々の長として主神を敬ってはいるし、親魔物になったわけでもない。
よってモゲロに読ませる書物も、神の偉大さを説いた絵本や勇者の栄光を語ったおとぎ話がほとんどだった。
それらを読んだ男の子なら誰もが思うように、モゲロも勇者に憧れるようになったのだ。

男子ならば幼いころに確実に口にするだろう言葉『将来は勇者になる!』
普通の家庭ならば両親が優しく笑ってそれでおしまいだろう。
しかしモゲロは自覚こそないものの勇者の力を持っている。
夢物語で終わらせず正真正銘の勇者にもなれるのだ。

エンジェとルキの二人は悩んだ。
できることなら夢を叶えてやりたい。だが自分たち三人は天界のお尋ね者。
その存在が知られたら全員まとめて処刑されてしまうだろう。
二人はモゲロを抜きにして何度も話し合い……結局は夢を叶えさせてやることにした。
といっても破滅を前提にしたものではなく、ある程度の打算の上でである。

「ルキさま。わたしは詳しく知らないのですが、
 多大な功績を挙げた勇者が天界に迎えられた例がありましたよね?」
「ええ、私の方もそれほど知ってるわけじゃないけど、
 確かに過去そういったことは……って、あなたまさか!?」
ハッと気が付いたようにエンジェを見るルキ。エンジェはその視線に不敵な笑みを返す。

「例えば…例えばの話ですよ?
 もしモゲロが魔王を倒して世界を平和にしたとしたらどうでしょう。
 主神さま方がそのような勇者やそれを育てた天使を罪人として処刑するでしょうか?」
「……そんなことまずありえないわね。
 モゲロは確実に天界へ迎え入れられて、伝説の勇者として歴史に名を残すでしょう。
 私たちも無罪放免どころか、相応に評価されて昇進するでしょうね」
そう、エンジェが思いついたのはモゲロに何らかの功績を挙げさせることである。
そうなれば彼の存在は公に認められ、命を奪われるようなこともないだろう。
上手くいけばモゲロの夢が叶えられ、自分たちも天界へ帰還できる。
こうして天使たちはモゲロに勇者としての教育を行うようになったのだ。



「はい、二人ともお疲れさま。今日のお昼はキノコと木の実のパスタだから、
 茹で上がるまでしばらく待っててちょうだいね」
太陽も中天に登り、昼食にちょうど良くなった時刻。
朝から体を動かしていたモゲロとエンジェは疲れた顔で食堂の椅子に腰かけている。
その二人に微笑ましい目を向けながら手際よく食事の準備をするのはルキ。

エンジェより上位の天使であるルキが雑用をするのは不思議かもしれないが、これには事情がある。
端的に言ってしまえば、ルキはモゲロの訓練相手になれないほど強いのだ。
よってモゲロの相手はエンジェが務めることとなり、その間ルキはほとんど暇になってしまう。
訓練で疲労したエンジェに雑用までさせるほどルキは酷くない。
そのため時間も体力も余っている彼女が料理洗濯掃除などを行っているのである。

やがて料理が出来上がるとルキは三人分に取り分けて各々の前に配膳。
全員そろって『いただきます』の後に口へと運ぶ。
皿とフォークが触れ合いカチャカチャと音がする中、エンジェは思い出したようにモゲロへ告げる。

「ああそうそう、午後からは魔法の訓練をするからねモゲロ」
苦手な魔法の訓練と聞き、モゲロは少し気落ちした顔になる。
本人は剣だけでもいいじゃないかと思っているためだ。
しかしエンジェはその考えを許さない。

「本に出てくる勇者みたいになりたいなら魔法は必須よ。
 あなた一番のお気に入り勇者だって魔法戦士じゃない」
一口に勇者といっても剣よりの勇者、魔法よりの勇者といったタイプがある。
剣も魔法も同等に使いこなすには才能を持った上でさらに努力しなければ難しい。
だがそれだけに剣と魔法を両立した者は、数多いる勇者の中でも特に尊敬を集め憧れられる。

「あなたの魔法は剣より数段劣るんだから、特に頑張らないとダメよ。
 いずれはルキさまと魔法勝負で勝てるくらいになってもらわないとなんだから」
中位天使であるルキに魔法で勝つ。
はたしてそんな日が来るのだろうかと弱気になるモゲロ。
エンジェはその弱気さにまた喝を入れようとするが、その前にルキが言葉を放った。

「私に勝てるか心配かしら?
 でもあなたはまだまだ修行中の身なんだから、そう不安に思うことはないわよ。
 それに魔法が苦手でも大成した勇者はいくらでもいるんだから」
モゲロが気落ちしないようにフォローを入れるルキ。
それを見てエンジェは心の中でため息を吐く。

(だからぁ、ルキさまは甘すぎだってばぁ。
 そりゃわたしだってモゲロは可愛いけど、優しくしてばっかじゃダメなんだよぉ)
これはますます自分が厳しくしなければ…とひそかに決意を固めるエンジェ。
そんな内心などいざ知らずモゲロは気を取り直してフォークを口に運ぶのだった。

剣ではエンジェと互角に打ち合えるモゲロだが、魔法ではまるで敵わない。
従って魔法の訓練では試合はせず、ひたすらに指導を受けるという形式になっている。
午前中には動き回って体力を消費し、午後には頭を使って魔力を消費。
夕方には精神も肉体も疲労困憊、食事を摂ったら後は寝るだけ…とはいかない。
夜には夜で第三の訓練が待っているのである。

魔法の明かりが灯された石造りの浴室。
湯船には暖かい温水が満たされ、水面から発される湯気で部屋の中は霞んでいる。
その部屋の中、モゲロとエンジェとルキの三人は一糸まとわぬ姿で汗を流していた。

大人の女性としてメリハリのある肉体を持つルキ。
まだ未成熟ながらも起伏はわかるエンジェの体。
二人の美しい天使の裸体を前にしてモゲロの男性器は硬く勃起している。
普通の男性なら欲情している姿は女性には隠すべきものと考えるが、
モゲロは何の恥ずかしげもなく男性器を二人に見せつける。
エンジェとルキは自らも欲情の色を顔に浮かべると、ヒタリとモゲロに歩み寄って肌を触れ合わせた。

「さあモゲロ、本日最後の訓練よ。出来る限り我慢なさいね?」
言葉とは裏腹にエンジェはモゲロの右手をとり、体液で粘つく股間へと寄せる。
「私とエンジェ、どっちからが良いかしら。あなたの好きな方からでいいわよ?」 
ルキはモゲロの左手を大きな乳房に触れさせ、その熱と柔らかさを存分に伝える。
モゲロは少しだけ迷ったが、エンジェの方へ顔を向けチュッ…と軽くキス。
選ばれなかったルキは僅かだけ残念そうに眉を寄せたが、二人の邪魔にならないようそっと身を放した。

この三人は浴室で何をしているのか。それは魔物の誘惑に対抗するための訓練である。
現在の魔物たちは美しい女性の姿をし、性的な力で男を堕落させ屈服させようとする。
自慢の腕っぷしも肌をさらして交わりを求めてくる魔物には効果が薄い。
もし勇者が堕落させられようものなら、教団の希望は最悪の敵となってしまうのだ。
よって二人の天使はモゲロに誘惑や快楽への耐性をつけさせるべく、
訓練の一環として交わるようになったのである。
効果はそれなりに出ているようで、初めは恥ずかしがって肌を隠してたモゲロも今では堂々と男性器をさらすほどにまでなった。

「そこに寝なさいモゲロ。そろそろおちんちん入れてあげるから」
互いの体をなで回し弄り合っていた二人だが、エンジェは次へ進もうと浴室の床を指す。
言われた通りにモゲロが浴室の床に仰向けに寝ると、
エンジェは腰の上を跨いで『にちゃぁ…』と女性器を指で開いた。
幾度となく繰り返された行為だが、いまだにモゲロの目は美しい色をした肉穴に引きつけられる。

(ああ、モゲロがイヤラシイ視線でわたしのおまんこの中見てる……。
 交わりが気持ちいいのは分かるけど もう少し隠せるようにならないと…)
エンジェは自分自身も女性器の内部を覗かれ興奮しているということを棚に上げると、
心中でモゲロの点数を少し下げる。

「じゃあ…入れるわね。ん……あっ…!」
エンジェは腰を下ろし、薄らと陰毛の生えた肉の割れ目から男性器を膣内に収めていく。
もう慣れているとはいえ小柄な彼女の肉洞はやはり狭く、
男性器は敏感な内壁を押し広げながら奥へ進む。

(うぅっ…もしかしてモゲロのおちんちん、また大きくなったの?
 おまんこギュウギュウで広がっちゃうよぉ!)
最初はそうでもなかったが、二人との交わりを繰り返すうちにモゲロの男性器は肥大化していった。
それに伴い最初は余裕ぶっていたエンジェも、モゲロと同じように我慢を強いられるようになったのである。

「はぁっ…! 全部、入ったわよ…!
 それじゃあ…動いてあげるから、情けない声を、出さないようにねっ…!」
エンジェはそう言うとモゲロの胸板に手を置いて、腰を上下動させ始めた。
狭いを通り越してきつい彼女の女性器は男性器を咥えこんで離そうとせず、
引き抜こうとすると吸いついたビラビラがめくれ、綺麗なピンク色を見せる。
中身が引きずり出されそうな快感にエンジェは奥歯を噛んで嬌声を出すのを堪えた。

(あぅぅっ! モゲロのおちんちんイイっ! この子と交わるの気持ち良すぎっ!
 でもでも、よがっちゃダメよエンジェ! これは訓練なんだからぁっ!)
内心では理性が飛びそうなほどの快感を得ながらも、表に出さない自制心は流石と言えるだろう。
しかしそれも快楽の度合いが強まるにつれて難しくなっていく。
少しでも意識を反らそうとエンジェはモゲロに語り掛けた。

「こらモゲロッ! わたしのおまんこが気持ち良いからってそんなに喘がないっ!
 魔物相手にそんな無様な声出してたら、相手は一気に畳み掛けてくるわよっ!」
(ああっ、畳み掛けたいっ! 早く射精させてこの子の可愛い鳴き声を聞きたいっ!
 もう少し、もう少しだけ我慢したらイっちゃおう!)
もはや魔物とほとんど同じ考えになっているエンジェ。
彼女はその自覚もないままモゲロを絶頂へ導こうと腰を振り膣口で男性器をむさぼる。

「ああんもう、おちんちんがビクビクしてるわよモゲロ!
 もう限界なの? 射精しちゃいそうなの? 全くしょうがない子ね! 
 なら出していいわよ! わたしのおまんこに精液ぶちまけてスッキリしちゃいなさい!」
(来て、来て、出してっ! あなたの精液、お腹パンパンになるぐらい注いでぇっ!)
エンジェの許可を得たことで、ギリギリで留まっていた堤防が決壊する。
モゲロは下から強く腰を突き上げ、根元まで挿入したところで精を解き放った。

「くぅっ…! 勢い…強すぎっ! 奥にビチャビチャ当たってるじゃないっ…!
 あなた、間違えておしっこ出してるんじゃないでしょうねっ!?」
(あっ、あっ、子宮の中まで流れ込んでるっ!
 お腹が熱いっ! 重くなってるよぉっ!)
人並み外れた大量射精の圧力により、モゲロの精液は子宮口をこじ開けその中までも白く汚す。
エンジェはドプドプと子宮に溜まっていく白濁液を心の隅で愛おしく思い、
知らずのうちにそっと腹に手を当てていた。

「はっ…はっ…ふはぁー……。おちんちん…抜かないと……」
エンジェはしばし余韻に浸ると、思い出したように腰を上げて男性器を自らの穴から抜く。
精液と膣液の混じった液体がドロリとこぼれ床に広がるが、そんなこと誰も気にしない。
エンジェはポーッとした声でまだ浸ったままのモゲロに呟く。

「あなたの精液、本当に量が増えたわね……。お腹少し膨らんでるじゃない…」
そういってエンジェが指でなぞった腹はポッコリと膨らんでいた。
それを眺めながら冷静さを取り戻してきたエンジェは自省する。

(はぁ、また夢中になっておまんこの中に出させちゃった……。
 天使と人間じゃいくら子供がデキづらいっていっても、
 毎回こんなに射精されてたら、そのうち本当に妊娠しちゃうよ……んっ)
息を止めてポッコリ膨れた腹に力を込めるエンジェ。
すると子宮内に溜まった精液が開きかけの女性器からボタボタと零れ落ち、浴室の床をさらに汚した。
エンジェはふぅ…と大きく呼吸をすると、寝転がったままのモゲロの背に手を当て起き上がらせる。

「はい、起きた起きた。そのまま寝てたら体が冷えるわよ。
 それに訓練はまだ終わってないんだからね」
そう言ってルキの方へ目を向けるエンジェ。
ルキとも交わらねばならない……いや、ルキとも交われると思い出し、床に手を当てて立ち上がるモゲロ。
エンジェは『自分の番は終わった』とモゲロの背を押して離れる。
そのタイミングを見計らったように、
ルキはベタベタに汚れたモゲロに正面から抱き付いた。
エンジェと違い豊かな大人の乳房が押し付けられ、
僅かばかり萎えかけていた男性器が硬さを取り戻す。

「さあモゲロ、今度は私の番よ。エンジェと違って私のときは我慢しなくていいからね」
エンジェが先に選ばれたことが不服だったのか、
ちょっとだけ言葉にトゲを含ませるルキ。
エンジェの方も少しだけムッとするが、何かを言い返したりはしない。

ルキはキスをするのみならず、汗で濡れた額や頬までペチャペチャ舐め回し、
抱き付いていた腕を放す。
そして湯気が結露した冷たい壁に両手を当てると背を向け、とても白い肌をした尻を突き出した。

「さ、入れていいわよモゲロ。一緒に気持ち良くなりましょうね」
訓練としての色が濃かったエンジェと異なり、ルキは交わりを楽しもうと言う。
これは天使たちの考え方の違いである。
エンジェは快楽への耐性をつけることが重要だと考え、我慢するようにと言う。
だがルキはその逆で、自分たちがモゲロに快楽を与えることで、魔物の誘惑に心動かされないようにしようと考えているのだ。

(……でもそれって、魔物の浮気防止法とほとんど同じですよねルキさま。
 毒を以て毒を制すとはいうけど、本当にいいのかなぁ…?)
ルキの尻を掴んで挿入しようとするモゲロを眺めながら、そんなことを考えるエンジェ。
そんな彼女をよそに、男性器を迎え入れたルキは二対の翼をビクンと硬直させる。

「んんっ…! エンジェとしたのに、あなたのちんぽとても元気ねっ…!
 私のまんこ穴、好きなだけほじくり返していいわよっ…!」
(ああ、私モゲロと交わってる!
 あんなちっちゃな赤ちゃんだったモゲロが、私にちんぽ押し込んでるぅ!)
男女の営みを行うことで深く感じられるモゲロの成長。
それは何度交わろうとも色あせることなく、ルキの心を震わせる。
そして彼女はそれをさらに味わおうと、自ら尻を押し付け男性器を深く飲み込む。

「はぁっ、エンジェも言ってるけどっ、あなたのちんぽ本当に大きくなったわね…!
 昔は小指ほどもなかったのに、今は私のまんこでも狭いくらいだなんてっ…!」
体格が違うだけあって、ルキの膣はエンジェよりも広い。
だがそれも最大限に勃起したモゲロの男性器からすればさして違いはない。
激しく腰を動かせば肉ビラが吸い付いて引き出されてしまうのである。

「ああっ! まんこっ、まんこめくれるっ! あなたのちんぽで裏返っちゃう!
 もっと、もっとしてっ! もっと私で気持ち良くなってぇっ!」
荒い呼吸とともに浴室に反響する嬌声。
翼がなければ天使とは思えないであろう痴態を前に、エンジェにも欲情の火がまた点る。

(ルキさまってば、あんなに卑猥な言葉を口にして乱れちゃって……。
 わたしもたまにはああいう風にしても……)
いつしかエンジェの左手は薄い胸をそっと撫でるようになり、
右手の指はトロトロと床に糸を引く股間へと伸びていた。

(ああモゲロ、モゲロ、本当にあなたが大好きよ。
 許されるなら今にでもあなたの子を孕みたいくらい…!)
エンジェは自らの指をモゲロの男性器と思いながら、クチュクチュと穴を弄る。
交わるのはともかく自慰を見せるのは彼女も恥ずかしいが、
熱中している二人はまるで気づかない。

「んぁっ! モゲロっ、私の可愛いモゲロっ、愛してるわっ!
 あなたのちんぽ汁、孕むぐらいまんこで飲ませてちょうだいっ!」
特別な例を除いて天使と人間の間で子供を作るのは禁忌である。
エンジェが膣内射精を受けた後に自省しているのはそのためだ。
しかしルキは己の中でそれを正当化しており、言葉にして吐き出しさえする。
そしてそれを真似できないエンジェは羨みと妬みの感情をルキに対して抱いてしまう。

(ダメですよぉ、ルキさまぁ! モゲロの赤ちゃん欲しいのは分かるけど、
 それはモゲロが天界に受け入れられてからじゃないとっ!)
交わりよりも弱い快楽の中、エンジェはルキを批難するがそれは声に出せない。
何故なら彼女自身も心の中で強く望んでいるのだから。

(子供まで作っておいて魔物に浮気するなんて、この子なら絶対ないわ!
 私が子供を産んであげれば、誘惑や堕落の問題なんて全て解決するのよっ!)
もはや『それが正しい、それしかない』とルキは思い込んでいる。
禁忌破りさえも大事の前の小事として気に留めない。
交わりに夢中になって膣内射精させてしまうエンジェと違い、
ルキは冷静に状況を把握した上でモゲロの精液を胎内に受けようとする。

「さあ、出しなさいモゲロ! あなたのちんぽ汁を私に注ぎ込むのよ!
 胎児で腹が膨れるぐらいにっ…、出しなさぃっ!」
スラリと引き締まっている腹に力を込めて膣内で搾るルキ。
モゲロはそれに耐えられず本日二度目の射精を行う。
前回からほとんど時間が経っていないにもかかわらず、その量は一度目に劣らなかった。

「んあぁぁっ! ちんぽ汁が来たわっ! ビュービュー出てるっ!
 あぁっ、種付けされるの気持ち良いっ! もう全部流し込んでっ!
 私の子宮をちんぽ汁で一杯にしてぇぇっっ!」
膣内射精を受けたルキは狂ったように嬌声をあげて浴室の中に反響させた。
それを耳にしながら一人慰めていたエンジェも達する。

(ああっ、なんて心地良さそうにしているのモゲロ!
 ルキさまに種付けするのがそんなに良いっていうの!?
 わたしだって…わたしだって孕ませてくれていいのにぃっ!)
指を突っ込んでいる女性器が潮を吹き、物足りない快感がエンジェの脳に染み入る。
その余韻はモゲロとの交わりより圧倒的に早く薄まり、
エンジェの内に自慰の恥ずかしさが戻ってきた。
ぬちゃり…と引き抜いた指には排出しきれなかったモゲロの精液がこびりついており、
彼女はそれを愛おしそうに舌で舐め取り飲み込んだ。

「………んん…っ。ふぅ……。今日も楽しんでくれたかしら? モゲロ」
交わりの狂乱が消え去って普段通りに戻ったルキ。
彼女は優しい微笑みを浮かべてモゲロにそう声をかける。
当然モゲロがそれを否定するはずもなく、いつも通りに肯定の意を返す。
ルキはその返事に満足すると突き出していた尻を戻し、膣から男性器を抜いた。
エンジェの時と同じように開いた膣口から落ちる精液。
それを見てルキは嬉しそうに目を細める。

「うふふ、こんなに出してくれて本当に嬉しいわ。
 あなたがどれほど私を好きかってよく分かるんだもの」
「あのー、ルキさま? 精液の量と愛情は関係ないと思うのですが……」
ついツッコミを入れてしまうエンジェだったが、ルキは自慢げに言い返す。

「そんなことないわ。精液と愛情は比例関係にあるのよ。
 だって、あなたの時よりちょっとだけ多く射精してくれたんだもの」
「む、それは聞き捨てなりませんよルキさま。
 わたしだってモゲロのことはあなたに負けず劣らず大切に思っているんですよ?
 この子はちゃんとそれに見合うだけの愛を返してくれています」
「そうかしら? 私たちの愛の量が同じだとしても、
 あなたは厳しくするから、その分だけ返る愛が目減りしているんじゃないの?」
極端にいえば『おまえは厳しいからモゲロに嫌われているんだよ』という意味の言葉。
薄々不安に感じていた部分を突かれ、エンジェは動揺を浮かべる。

「そっ、そんなことは無い…ハズです。……無いわよねモゲロ?」
真実はどうであれ、本人に直接訊かれて『嫌い』と答えられる人間は少ないだろう。
モゲロはエンジェが望む答えを返して安心させる。

「ほら、モゲロはわたしのことが大好きだって言いました!
 だからわたしたちの愛は同等です! 精液の量なんて関係ないんですよ!」
「んー……それじゃあもう一回して試してみましょうか。
 三回目のあなたより、四回目の私の方が多ければこの論は正しいということになるわ。
 もし逆だったなら、精液と愛情は無関係と認めましょう」
エンジェは『望むところです!』と受けて立つと、すぐ傍のモゲロをギュッと抱きしめて口づけする。

「ん……むっ、ぷぁっ…。いいことモゲロ?
 今回だけは特別にわたしの体を好きにしていいからね。
 あなたがどれだけわたしを愛しているか、ルキさまに見せてあげなさい!」
こんなことを言っている時点で精液と愛情の関係を肯定しているも同然なのだが、
今のエンジェはそこまで考えが回らない。
彼女の頭の中にあるのは、
自分はルキに負けないほど愛されていることを証明したいという思いだけだ。
モゲロはそのことに気づいているが、
『エンジェの体を好きにできる機会なんてそうそう無いし…』と考えて指摘しない。
その代わり彼女が満足し納得できるように頑張ろうと思い、幼さの残る天使の体を弄り始めた。

いつもより長かった浴室での訓練を終えて、そろそろ就寝といった時間。
モゲロが幼いころからの習わしで、彼らは三つのベッドを寄せた寝床で一緒に眠る。
モゲロを中心にして川の字に寝転がった三人はそれぞれが望む未来を夢想していた。

(ZZZ……やった、やったわモゲロ! わたしたちはついに主神さまに認められたのよ!
 もう隠れ潜む必要もない…これで堂々と結婚し愛し合えるわ!
 勇者が世界を平和にして天使と結ばれるだなんて、
 きっと一万年は語り継がれる伝説になるわよ!)
エンジェはモゲロの夢が叶い、伝説の勇者になった光景を夢に見る。
人間どころか神々でさえも諸手を挙げて彼らを祝福し、
勇者を育て支えた彼女は、戦いが終わった後もその伴侶として傍にあり続けるのだ。

(ZZZ……ん? どうしたのモゲロ? また子供が欲しいの?
 全くしょうがない子ねえ、魔王討伐の仲間を家族で固めたいだなんて。
 あ、別に怒ってるわけじゃないから心配しないでね?
 そういえばあの子もいい歳だし、お姉ちゃんみたいに協力してもらいましょうか)
ルキはモゲロの子供を幾人も産み、子沢山の大家族になった光景を夢に見る。
彼女は魔王討伐に備えての戦力増加という建前を利用し、
血の繋がった娘たちとモゲロに近親相姦を行わせ、子を産まさせているのである。
すでに手段が目的と化しているが、家族全員が互いに愛情を持っているため何の問題も起きておらず、それを止める者は誰もいない。

そして二人の天使に挟まれて眠るモゲロが見る夢は、何の変わり映えもない一日の光景。
勇者に憧れどその道は遠く、エンジェやルキと共に訓練をして穏やかに過ごす日々。
心の奥底では『何でもない毎日こそが幸福である』と悟っているのか、
眠っているモゲロは幸せそうな微笑を浮かべた。
15/06/22 21:28更新 / 古い目覚まし

■作者メッセージ
気が向いたときに書きたいように書くのが一番だと再認識しました。


ここまで読んでくださってありがとうございました。

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まろやか投稿小説ぐれーと Ver2.33