リリラリルリリラ
ある日のこと。
いつものように師匠に言いつけられた薬草採取をしていたら、ふと甘い匂いを感じた。
今まで嗅いだ憶えのない甘くて強い香り。
森の奥でこれほどの香気を放つとはいったい何物なのか。
自分は好奇心を刺激され、香りが濃くなる方へと足を向けてしまった。
言いつけられた仕事を放り出すことになるが、急ぎでもないし問題ないだろう。
頭がボウッ…としてきそうな甘い香り。
それに導かれて歩いていると、木々の向こうに空き地らしきものが見えてきた。
香りはそちらから漂ってきている気がする。
歩みを進めてその方へ近づくと、人の会話らしきものが聞こえてきた。
「ふふっ…リリのおまんこはキツキツだね。
これなら男の人なんて一発で落ちちゃうよ」
「そういうリラのおっぱいも素敵な肌触りじゃない。
一度触れたら手を離せなくなるわよきっと」
性的な単語が含まれた言葉を交わす声はどちらも女性の物。
微かに聞こえる水音は色々と『弄っている』のだろうか。
こういう場面に出くわしたらそっと立ち去るのがマナーなんだろうけど、
女性経験のない若人である自分は欲望と好奇心を抑え切れなかった。
ギリギリまで近づき、木の陰からこっそり空き地を覗き込んでしまう。
大人数人が入れそうなほど巨大な花。
そこに湛えられた液体は琥珀色の蜜で、これが香りの発生源だと分かる。
だがそれだけなら驚きはしない。
腿の半ばまで蜜に浸かっている二人の女性。
彼女らの髪は花びらのような薄紫で、肌は若葉のような薄緑だった。
明らかに人間でない二人は互いに肉体を弄り合っている。
「ねえリラぁ、あなたの指も悪くないけど、
わたしやっぱり男の人のおちんちんが欲しいわあ」
「ボクもリリと同じだよ。若い男におちんぽを入れてほしいさ。
でもこの辺にいないんだからしょうがないだろう?」
リラと呼ばれた目つきの鋭い女が、リリという名らしき相方をなだめる。
事情はよく分からないが、どうも二人は男性を求めているらしい。
もし自分が出ていけば、彼女たちは受け入れてくれるだろうか?
一度そう考えたら覗き見では我慢できなくなり、木の陰から姿を現してしまった。
二人は空き地に踏み込んできた自分に揃って目を向けた。
文字通り人間の物ではない美しい顔に喜びが浮かぶ。
リラは立ったまま、リリは白い花弁に腰かけて片手を差し伸べる。
その身ぶりに受け入れられたと安心し、自分は巨大な花へと近づく。
肺の中が蜜の香りで溺れそうになるほど接近すると、リラが話しかけてきた。
「察するにボクたちの戯れを覗いてたんだねキミ。
遠慮しないで、すぐに出てきくれても良かったのにさ」
『鈍いなあ』とクスクス笑いを漏らすリラ。
とても女性的な体つきなのに、その笑い方で一瞬美少年のように思えた。
「あなたはわたし達と交わってくれるのよね? だから来てくれたんでしょう?
なら入ってもらえるかしら。一緒に気持ち良くなりましょう?」
リリの方はそう言うと首元の花から溢れる蜜をすくい、べったりと乳房に塗りたくった。
琥珀の液体が緑の膨らみを覆い、とがった先端から糸を引く光景。
それにゴクリとつばを飲んでしまう。
自分はもうこの場の雰囲気に完全に飲まれていた。
緑色の彼女たちの正体は何なのか。なぜ男性との交わりを求めているのか。
そんなことは頭の中から完全に抜け落ち、
二人と共に快楽を味わいたいということしか残っていない。
自分は二人の熱い視線を受けながら手早く服を脱いだ。
白い花弁をまたぎ、浴槽に入るように蜜の中へ足を踏み入れる。
そのときに見えた二人の足は足首から先が底に繋がっていたが、
泥中から足を引き抜くように膝を上げると五指を備えたつま先が現れた。
そして二人は両足を自由にすると、前後から挟むようにこちらに抱きついてきた。
色は異様だが二人の肉体は熱を持っていてとても柔らかい。
彼女らは白い花から零れる蜜をこちらの体にすり込むように撫でつけてくる。
粘性が高い蜜は人肌の温かさを持っていて、肌に触れても不快ではない。
それどころか塗られた場所が敏感になり、二人の肌の滑らかさをより強く感じられる。
リラはうなじ、背中、腰裏、尻。リリは首筋、胸、腹。
彼女たちは前後を分担して塗っていったが、股間までくると二人して男性器に塗り付けた。
蜜でヌルヌルする二人の手が男性器を弄り撫でまわす感触。
女性との交わりを控え、かつてないほどに興奮していた自分が我慢できるわけもなく、
美しくへそが窪んだリリの腹に精液を飛び散らせてしまう。
彼女の体を汚して機嫌を損ねないかと少し思ったが、
リリは嬉しそうに蜜と精液を混ぜ合わせて口元へ運んだ。
「ん……美味しい…。あなたの精液はとても濃くて良い味わいだわ…」
高級ワインを口にしたような陶然とした表情で呟くリリ。
リラはそんな彼女に突然口づけをすると、口内を貪るように舌を蠢かせた。
「んむっ、ボクにも…分けてよ、精液っ…。リリだけなんて、ずるいじゃないかっ…」
「あぷっ…。わたしに、かけたんだから…わたしのよっ…」
美しい顔立ちの二人はこちらの肩越しに激しくキスを交わす。
一見愛し合っているように見えるが、実際は精液を奪い合っているのだ。
自分の精液を味わおうと舌をからめ合い奪い合う二人の姿。
それを目にして男性器が萎えるはずがない。
彼女らへの欲情はより燃え上がり、
自分は前にいるリリを花弁のイスへと押し付けるように座らせる。
リリはこちらの意図を即座に読み取り、股を開いてこちらが割り込みやすいようにした。
そして自分の肩の上にあるリラの顔へ、勝ち誇ったように告げる。
「ほらねリラ、この人は先にわたしと交わりたいのよ。
次はリラに譲ってあげるから、邪魔はしないで」
「……ただリリが前にいたってだけじゃないか。
向きが逆ならボクの方を先に相手してくれたよきっと」
少しすねたように言うリラ。彼女の言葉は正しい。
二人とも最高の美女なのだから、交わるのはどちらからでも構わないと自分は思う。
それに片方と交わったらもう一方にも手を出すだろうし、順番はあまり気にしなくて良いだろう。
自分は腰を少し下げてリリの穴に男性器の先端をあてがう。
彼女の体は股間もどろりとした蜜にまみれていてとても淫猥だ。
そのまま蜜で濡れた男性器を押し込むと、リリは甲高く鳴いた。
「ひゃぁんっ! おちんちん…入ってるっ!
すごいよ、これぇ…っ! リラの指とっ、全然……違うっ…!」
さっきの話からしてリリも男性経験はないのだろう。
男性器を初めて挿入されてリリは快感に詰まった声を出す。
だが初体験なのはこっちも同じ。
処女だからなのか、それとも人外だからなのか、
彼女の膣は自分のモノをきつく咥えこみ、過去最高の快感を与えてきた。
一度先に射精していなければ、挿入して数秒で暴発していたかもしれない。
「どうだい、リリのおまんこはキツキツで良いだろう?
でも腰を動かすともっと気持ち良くなれるよ。
さ、ボクも手伝ってあげるから、リリのお腹の中を引っかき回しちゃおう」
リラは脇の下から両腕を回し、こちらの背中に抱きついた。
立派な二つの乳房が背に押し当てられ、ブニャリと潰れるのが分かる。
そして彼女は自分を通してリリを犯すように腰を振り出した。
「あっ…、あっ…! 本物のおちんちんで…エグられるの、良いっ…!
これが、本当のまぐわいなのねっ…! んぁっ…!」
いつの間にかベッドのように広がっていた白い花弁。
そこに背をあずけるリリは快感にとろけた表情でよがる。
両目はすっかり潤み、空気を求めて開かれた口からは舌が突き出されている。
その痴態を見下ろしながら腰を動かすリラが耳元で囁いてきた。
「ねえ、リリの乱れっぷりを見て凄いと思わないかい?
キミのおちんぽ一つでリリはこうなっちゃったんだよ?」
ひそひそと話すリラだが、言葉ではそれに返せない。
男性器に纏わり締めつけてくるリリの膣内。
熱と潤いを伴った刺激に、目も眩みそうな快感を自分も受け続けているからだ。
だがリラは返答も受けずに話を続ける。
「リリはもうキミ以外の男性は愛せない体になったんだ。
もうどれほど立派な男が誘惑したって、心にさざ波一つ起こらない。
リリがキスをするのはキミだけ。リリが痴態をさらすのはキミだけ。
リリにとっての“男性”は世界にキミ一人だけなんだ。
だから、世界で唯一の男としてリリを悦ばせてやってくれよ」
リラは催眠をかけるように、どれほど自分が重要な存在かを囁く。
自分はリリにとって唯一の異性。だからこそ彼女は全身全霊で愛してくれる。
それを理解したら彼女がとても愛おしく感じられた。
そして世界にたった一人の男性として、彼女を身籠らせてやりたくなった。
リラの動くペースから外れ、自分の意思で腰を叩き付ける。
「なに…これっ! 急に、激しくっ…!」
腰のリズムが変わったことにリリは戸惑いの様子。
しかしこちらの意思をすぐに理解したようだ。
「分かるわっ…! わたしを孕ませたいのね? 孕ませてくれるのねっ!?
ああ、来てくれたのがあなたで本当に良かった! もう絶対放さないからっ!」
リリは開いた両足でこちらの腰をガシッと挟み、両腕でしがみ付いてきた。
最初と同じように自分は二人の間でサンドイッチにされる。
しかし今回押し付けられたリリの体はその時とは比べ物にならない熱さだ。
熱い肌は汗と蜜の混合液に塗れ、蜜とは微妙に違う香りを発散する。
淫らな香水を纏ったリリは、しがみ付いた状態でも腰を動かす。
女性器をかき回すジュプジュプという音はテンポが非常に速くなり、
それに釣られるように射精感は強まっていく。
「もうすぐ…! もうすぐよね!? 精液がおちんちんから出るのは!
全部わたしのおまんこに注ぎ込んでちょうだい!
あなたの種を植え付けてっ! わたしをっ……妊娠させてぇっ!」
絶頂に達したのか、リリの体が大きく震え、膣内が一気に男性器を搾る。
神であっても耐えられるとは思えない快感を受け、快感の堰が破れる。
「くうぅっ! 熱いの…広がってるっ! おちんちんが精液撒き散らしてるわっ!
もっと…もっと種付けしてっ! わたしのお腹っ、膨らませてぇっ!」
ビクンビクンと脈動しながら精液を放出する男性器。
リリは白く濁った体液を一滴残らず飲み込むかのように胎内で受け止めてくれた。
「んぁ……好きよっ…。愛してるわ…あなたぁ……」
絶頂の快感が緩んでくると、しがみ付いたままリリは口づけをしてきた。
それもチュッという軽いものでなく、唾液にまみれた深いものだ。
ついさっき自分の精液を味わっていた口だが、何故か汚いとは感じない。
それどころかとても甘く感じ、ずっと舌をからめていたいとさえ思えてしまう。
しかし背後にいるもう一人の女性はそこまで気が長くはないようだった。
「リリとイチャつくのは結構なんだけど、ボクの相手もしてくれないかなあ…」
少し寂しそうな声色で言うリラ。
膣内射精の快感ですっかり意識の外だったが、
その発言で背中に抱きついている肉体の感触が戻ってくる。
そしてリリも腰に絡めた足を解いて、咥えこんでいた男性器を放した。
「もっと繋がっていたかったけど……次はリラの番って約束したものね。
ねえあなた、リラにもおちんちんを入れてあげてもらえる?」
こちらの背に回した腕をリリは名残惜しそうに下ろす。
密着していた彼女の肉体が離れ、肌の熱さが遠のいた。
自分も名残惜しくなり、リリに顔を寄せて軽くキスをしてしまう。
リリは嬉しそうに微笑み、それに満足した自分は改めて背後のリラに向き直る。
自分とリリの交わりに半ば参加していた彼女はすでにでき上がっていて、
口から吐き出す息は熱くねっとりとしていた。
リラは立ったまま股間に右手を伸ばすと、指を入れてぐぱぁ…と開いて見せつける。
そこはおあずけを受けた犬のようにダラダラと体液をたらし、蜜を薄めていた。
「キミとリリの交尾を手伝ってたら、こんなになっちゃった。
休まなくてもあと一度くらい大丈夫だよね? 早くおちんぽ欲しいんだ…」
もはや痴女としか思えない言葉と態度で誘うリラ。
それを前にして疲労感など感じていられない。
自分はリラの尻を掴んで持ち上げると立ったまま挿入した。
男性器はリラ自身の体重で根元まで突き刺さり、彼女はビクンと背をのけ反らせる。
「ひぎっ! お、おちんぽっ! おちんぽがっ、根元までっ!
こっ、こんな太くて…硬かっただなんてっ…!」
リラは達する直前のリリと同じように両手足を使って抱きついてくる。
リリによく似ているけれど少し違う彼女の顔が至近距離に近づき、
青紫の瞳からポロポロと涙の粒が零れ落ちた。
もしかして苦痛なのかと思ったが、そんなわけないと考え直す。
「ご…ごめん泣いちゃって……。でも、気持ち良いんだキミのおちんぽ…。
リリがあんなに乱れちゃったのも納得だよ……」
リラはスン…と鼻をすすって、涙を引っ込めた。
自分は男性的な言葉使いの彼女が涙を流したことを意外だと思いながら腰を上下に動す。
するとリラはまた涙を流して、快感に満ちた声をあげた。
「んぁぁっ! いいっ! おちんぽ動くの気持ちいいっ!
キミと交尾するの良すぎだよぉっ! もっとおまんこ引っかき回してぇっ!」
快感を声に変えて放出しないと耐えられない。
涙で潤み目尻が下がったリラの目はそう語るかのようでとても可愛らしい。
そんな可愛い彼女と交わっていることに幸福感と劣情が湧いてくる。
「はひっ…はひっ…! 分かってると、思うけどっ…ボクも、孕ませていいんだからねっ!
ボクとリリは『根っこが同じ』だから、ボクにとっても、男はキミしかいないんだ……!」
その言葉で床に繋がっていた二人の足を思い出す。
二人は別々の人格を持っているようだが、二つで一つの存在なのか。
「そうだよっ…! ボクとリリは二人で交尾のまねごとしてたけど、
結局は自慰と一緒なんだっ…! だから、キミが来てくれて…本当に嬉しいんだよっ!」
リラは心底からの好意を伝えると、背に回していた右手を離して胸の膨らみを握った。
薄緑の肌の先端に濃い緑色をした乳首を持つ彼女の乳房。
彼女は己を慰めるようにそれをこねくり回す。
「見てごらんよ、ボクのこの体っ…!」
言い切ると同時にリラは強く乳房を握りしめる。
すると硬く尖った緑の乳首からビュルッと液体が噴き出し、彼女の手とこちらの胸にかかった。
一瞬母乳かと思ったが、その液体は琥珀色で粘性がある。
「えへへ…ボクのおっぱいは蜜が出るんだよ。リリはできないボクだけの特技なんだ」
少し自慢げに笑うリラ。
男性的な彼女が乳首から蜜を噴き出すというのはどこか倒錯的だが、
そのアンバランスさが逆に魅力的に感じる。
「…でもね、やっぱり蜜じゃ物足りないんだ。ボクは真っ白の母乳を出したい。
赤ちゃんが飲んでくれるミルクを出したいんだよ」
リラはそう言うと、蜜に濡れた右手をこちらの背に回して掴まり直した。
そして顔のすぐ傍で熱い吐息と共に言葉を放つ。
「ボクはいくらでもキミと交尾してあげる、いつでも好きな時に気持ち良くしてあげる。
だからボクを孕ませて…! キミの子供を産ませて欲しいんだっ…!」
リリと違い確固とした意思を持って子供が欲しいと告げるリラ。
男として……いや、生物のオスとしてそれに応えないわけにはいかない。
自分は了承の意を伝えると止めていた上下運動を再開する。
望みが受け入れられたリラも歓喜にあふれた顔で腰を動かし始めた。
「ああっ、素敵だよっ! キミはなんて素敵な人なんだっ!
これからもずっと愛してあげるからね! ボクの体を全部使ってっ!」
己の肉体全てをもって愛し続けるとリラは誓う。
ここまで愛されるだなんて、自分はなんて幸せ者なのだろう。
肉体的な快感と精神的な幸福感が一体となり、
それは精液へと形を変えて彼女へ放たれようと男性器の中を進んでいく。
リラはそれを感じ取ったのか、涙を流しながら焦れるように叫ぶ。
「早く…早く出して! 早くおちんぽから精液出してっ!
キミの子種でおっぱいからミルク出る体にしてぇっ!」
リラの腰がバツンと強く叩きつけられ、男性器が奥深くまで飲み込まれる。
先端が女性器の『行き止まり』を破り、ガパッと厚い肉に咥えられた。
子宮口にしゃぶられた快感は膣と全く質が違っていて、その不意打ちに自分は精液を解き放つ。
「ひぃっ! おちんぽが子宮の中で射精してるぅっ! ぜっ、絶対孕むよこれぇっ!
ああ…種付けされるの気持ち良いっ…! ママにされるの気持ち良いよぉっ!」
子宮に直接射精されたリラは涙どころか、よだれや蜜まで垂れ流して絶頂を迎える。
彼女の体液が塗りたくられた蜜と混ざり合い、とても甘ったるい香りが立ち込めた。
「はっ……はっ……はぁ…っ。好きっ…大好きだよぉ……んむ…っ」
リリと同じ体勢で達したリラはその後もやはり同じだった。
抱き付いたまま口づけを求めてくるのだ。
満足するまでそれに応えてやるとリラは両手足を離して解放してくれた。
すると膝からカクンと力が抜け、尻餅をつくように蜜の湯船に浸かってしまう。
どうやら今の自分の精力と体力では三連続が限界らしい。
しかし人外の二人はまだまだ元気なようで、
ザブリと肩まで蜜に浸かるとそれぞれ片腕に抱きついてきた。
これが文字通りの『両手に花』という慣用句か。
「お疲れさま。休んだらまたしましょうね」
リリは両腕を使ってこちらの左腕にしがみ付くように抱きつく。
二の腕が胸の谷間に挟まれ、とても柔らかい感触を与えてくる。
「ボクたちの体は交尾すればするほど具合が良くなっていくんだ。
絶対にキミを飽きさせたりなんかしないよ」
リラは寄り添って歩く時のように左腕をこちらの右腕に絡ませた。
左の乳房をギュッと強く押し付け、蜜よりも高い熱を肌で伝えてくる。
こんな美女二人に挟まれては『もう出たくないな…』と思ってしまう。
しかし自分は薬草の採取という目的があってこの森に来たのだ。
名残惜しくとも言いつけを果たして帰らなければならない。
そう二人に伝えるとリリは別れ話を切り出された恋人のような声を出した。
「そんな! わたし達を置いていくのっ!?」
顔を悲しみに歪め、縋りつくように左腕を強く抱きしめるリリ。
二度と来ないわけじゃないのに大げさな…と思うが、
そんな顔をされると罪悪感が胸に浮かび、ここに残ってしまいたくなる。
「…………」
オーバーに反応するリリに対して、
リラの方は無言で視線を宙に這わせ何かを考えている。
そして考えがまとまったのか、顔を真っ直ぐ向けて自分に問いかけてきた。
「キミはどうしても帰らないといけないのかい?
例えば幼い兄弟が待っているとか、病気の親が寝床に伏せっているとか」
物語によくありそうな状況設定をリラは口にするが、生憎と自分にそんな家族はいない。
いるのは些細なことで怒鳴って拳骨を落とす師匠だけだ。
「なら帰らなくて良いじゃない。怖いお師匠さんのこと好きじゃないんでしょう?
だったらわたし達とずっと楽しく過ごしましょうよ」
好機と見たのか、リリは『一緒に暮らそう』と誘惑する。
そうできたらこの上なく幸福だろうが、
未熟な自分が生きていくためには師匠の元で働いて食わせてもらうしかないのだ。
「じゃあ代わりにボクたちが食べさせてあげるよ。それならいいだろう?」
リラは問題解決とでも言わんばかりの顔でそう提案する。
「ここから遠い所になるんだけど、この蜜は高く売れるんだ。
ボクたち三人が暮らしていくぐらい十分に稼げる。これで万事解決、問題ないよね」
「そうよねリラ! わたし達が食べさせてあげればいいのよね!」
反対するどころか一緒になって『自分たちが養う』と口にするリリ。
男として女性に養われるのはどうかと思うが、二人が望んでいるなら良いのだろうか。
まあ最初は世話になったとしても、後できちんと働いて返せばいいか。
自分はそう割り切ると、彼女たちと共に生きることを告げる。
「ありがとう! そう言ってくれて本当に嬉しいわ!」
「ボクたちを選んでくれてありがとう。ボクも嬉しいよ」
リリは感極まったのか、チュッチュッチュッと頬にキスの雨を降らせる。
リラは長く一度だけチュゥッと唇を頬に押し付けた。
その行為が治まるとリラは右手を蜜から上げて、サッと軽く手を振る。
すると咲いていた花がつぼみに戻るように白い花弁が閉じていった。
何が起こるのかと少し不安になったが、リラがやることなら大丈夫だろう。
やがて花弁は完全に閉じ、蜜の湯船はテントの中のような雰囲気になる。
「次にこの花が開いた時は“別世界”さ。
なにも危なくはないから、あまり驚かないでくれよ?」
リラはイタズラっ子のように軽く笑う。
「わたし達みたいのなのが沢山いるけど、目移りしたらダメよ?
あなたはわたしとリラだけの男なんだから」
リリは浮気するなと釘を刺す。
たぶんしないとは思うが、心配されるほど美女が多い場所なのだろうか。
自分の想像もつかない未知の世界。白い花弁が開いた先にはそれが広がっている。
まるで物語で読んだ冒険者のようだな…なんて考えながらその時を自分は待った。
いつものように師匠に言いつけられた薬草採取をしていたら、ふと甘い匂いを感じた。
今まで嗅いだ憶えのない甘くて強い香り。
森の奥でこれほどの香気を放つとはいったい何物なのか。
自分は好奇心を刺激され、香りが濃くなる方へと足を向けてしまった。
言いつけられた仕事を放り出すことになるが、急ぎでもないし問題ないだろう。
頭がボウッ…としてきそうな甘い香り。
それに導かれて歩いていると、木々の向こうに空き地らしきものが見えてきた。
香りはそちらから漂ってきている気がする。
歩みを進めてその方へ近づくと、人の会話らしきものが聞こえてきた。
「ふふっ…リリのおまんこはキツキツだね。
これなら男の人なんて一発で落ちちゃうよ」
「そういうリラのおっぱいも素敵な肌触りじゃない。
一度触れたら手を離せなくなるわよきっと」
性的な単語が含まれた言葉を交わす声はどちらも女性の物。
微かに聞こえる水音は色々と『弄っている』のだろうか。
こういう場面に出くわしたらそっと立ち去るのがマナーなんだろうけど、
女性経験のない若人である自分は欲望と好奇心を抑え切れなかった。
ギリギリまで近づき、木の陰からこっそり空き地を覗き込んでしまう。
大人数人が入れそうなほど巨大な花。
そこに湛えられた液体は琥珀色の蜜で、これが香りの発生源だと分かる。
だがそれだけなら驚きはしない。
腿の半ばまで蜜に浸かっている二人の女性。
彼女らの髪は花びらのような薄紫で、肌は若葉のような薄緑だった。
明らかに人間でない二人は互いに肉体を弄り合っている。
「ねえリラぁ、あなたの指も悪くないけど、
わたしやっぱり男の人のおちんちんが欲しいわあ」
「ボクもリリと同じだよ。若い男におちんぽを入れてほしいさ。
でもこの辺にいないんだからしょうがないだろう?」
リラと呼ばれた目つきの鋭い女が、リリという名らしき相方をなだめる。
事情はよく分からないが、どうも二人は男性を求めているらしい。
もし自分が出ていけば、彼女たちは受け入れてくれるだろうか?
一度そう考えたら覗き見では我慢できなくなり、木の陰から姿を現してしまった。
二人は空き地に踏み込んできた自分に揃って目を向けた。
文字通り人間の物ではない美しい顔に喜びが浮かぶ。
リラは立ったまま、リリは白い花弁に腰かけて片手を差し伸べる。
その身ぶりに受け入れられたと安心し、自分は巨大な花へと近づく。
肺の中が蜜の香りで溺れそうになるほど接近すると、リラが話しかけてきた。
「察するにボクたちの戯れを覗いてたんだねキミ。
遠慮しないで、すぐに出てきくれても良かったのにさ」
『鈍いなあ』とクスクス笑いを漏らすリラ。
とても女性的な体つきなのに、その笑い方で一瞬美少年のように思えた。
「あなたはわたし達と交わってくれるのよね? だから来てくれたんでしょう?
なら入ってもらえるかしら。一緒に気持ち良くなりましょう?」
リリの方はそう言うと首元の花から溢れる蜜をすくい、べったりと乳房に塗りたくった。
琥珀の液体が緑の膨らみを覆い、とがった先端から糸を引く光景。
それにゴクリとつばを飲んでしまう。
自分はもうこの場の雰囲気に完全に飲まれていた。
緑色の彼女たちの正体は何なのか。なぜ男性との交わりを求めているのか。
そんなことは頭の中から完全に抜け落ち、
二人と共に快楽を味わいたいということしか残っていない。
自分は二人の熱い視線を受けながら手早く服を脱いだ。
白い花弁をまたぎ、浴槽に入るように蜜の中へ足を踏み入れる。
そのときに見えた二人の足は足首から先が底に繋がっていたが、
泥中から足を引き抜くように膝を上げると五指を備えたつま先が現れた。
そして二人は両足を自由にすると、前後から挟むようにこちらに抱きついてきた。
色は異様だが二人の肉体は熱を持っていてとても柔らかい。
彼女らは白い花から零れる蜜をこちらの体にすり込むように撫でつけてくる。
粘性が高い蜜は人肌の温かさを持っていて、肌に触れても不快ではない。
それどころか塗られた場所が敏感になり、二人の肌の滑らかさをより強く感じられる。
リラはうなじ、背中、腰裏、尻。リリは首筋、胸、腹。
彼女たちは前後を分担して塗っていったが、股間までくると二人して男性器に塗り付けた。
蜜でヌルヌルする二人の手が男性器を弄り撫でまわす感触。
女性との交わりを控え、かつてないほどに興奮していた自分が我慢できるわけもなく、
美しくへそが窪んだリリの腹に精液を飛び散らせてしまう。
彼女の体を汚して機嫌を損ねないかと少し思ったが、
リリは嬉しそうに蜜と精液を混ぜ合わせて口元へ運んだ。
「ん……美味しい…。あなたの精液はとても濃くて良い味わいだわ…」
高級ワインを口にしたような陶然とした表情で呟くリリ。
リラはそんな彼女に突然口づけをすると、口内を貪るように舌を蠢かせた。
「んむっ、ボクにも…分けてよ、精液っ…。リリだけなんて、ずるいじゃないかっ…」
「あぷっ…。わたしに、かけたんだから…わたしのよっ…」
美しい顔立ちの二人はこちらの肩越しに激しくキスを交わす。
一見愛し合っているように見えるが、実際は精液を奪い合っているのだ。
自分の精液を味わおうと舌をからめ合い奪い合う二人の姿。
それを目にして男性器が萎えるはずがない。
彼女らへの欲情はより燃え上がり、
自分は前にいるリリを花弁のイスへと押し付けるように座らせる。
リリはこちらの意図を即座に読み取り、股を開いてこちらが割り込みやすいようにした。
そして自分の肩の上にあるリラの顔へ、勝ち誇ったように告げる。
「ほらねリラ、この人は先にわたしと交わりたいのよ。
次はリラに譲ってあげるから、邪魔はしないで」
「……ただリリが前にいたってだけじゃないか。
向きが逆ならボクの方を先に相手してくれたよきっと」
少しすねたように言うリラ。彼女の言葉は正しい。
二人とも最高の美女なのだから、交わるのはどちらからでも構わないと自分は思う。
それに片方と交わったらもう一方にも手を出すだろうし、順番はあまり気にしなくて良いだろう。
自分は腰を少し下げてリリの穴に男性器の先端をあてがう。
彼女の体は股間もどろりとした蜜にまみれていてとても淫猥だ。
そのまま蜜で濡れた男性器を押し込むと、リリは甲高く鳴いた。
「ひゃぁんっ! おちんちん…入ってるっ!
すごいよ、これぇ…っ! リラの指とっ、全然……違うっ…!」
さっきの話からしてリリも男性経験はないのだろう。
男性器を初めて挿入されてリリは快感に詰まった声を出す。
だが初体験なのはこっちも同じ。
処女だからなのか、それとも人外だからなのか、
彼女の膣は自分のモノをきつく咥えこみ、過去最高の快感を与えてきた。
一度先に射精していなければ、挿入して数秒で暴発していたかもしれない。
「どうだい、リリのおまんこはキツキツで良いだろう?
でも腰を動かすともっと気持ち良くなれるよ。
さ、ボクも手伝ってあげるから、リリのお腹の中を引っかき回しちゃおう」
リラは脇の下から両腕を回し、こちらの背中に抱きついた。
立派な二つの乳房が背に押し当てられ、ブニャリと潰れるのが分かる。
そして彼女は自分を通してリリを犯すように腰を振り出した。
「あっ…、あっ…! 本物のおちんちんで…エグられるの、良いっ…!
これが、本当のまぐわいなのねっ…! んぁっ…!」
いつの間にかベッドのように広がっていた白い花弁。
そこに背をあずけるリリは快感にとろけた表情でよがる。
両目はすっかり潤み、空気を求めて開かれた口からは舌が突き出されている。
その痴態を見下ろしながら腰を動かすリラが耳元で囁いてきた。
「ねえ、リリの乱れっぷりを見て凄いと思わないかい?
キミのおちんぽ一つでリリはこうなっちゃったんだよ?」
ひそひそと話すリラだが、言葉ではそれに返せない。
男性器に纏わり締めつけてくるリリの膣内。
熱と潤いを伴った刺激に、目も眩みそうな快感を自分も受け続けているからだ。
だがリラは返答も受けずに話を続ける。
「リリはもうキミ以外の男性は愛せない体になったんだ。
もうどれほど立派な男が誘惑したって、心にさざ波一つ起こらない。
リリがキスをするのはキミだけ。リリが痴態をさらすのはキミだけ。
リリにとっての“男性”は世界にキミ一人だけなんだ。
だから、世界で唯一の男としてリリを悦ばせてやってくれよ」
リラは催眠をかけるように、どれほど自分が重要な存在かを囁く。
自分はリリにとって唯一の異性。だからこそ彼女は全身全霊で愛してくれる。
それを理解したら彼女がとても愛おしく感じられた。
そして世界にたった一人の男性として、彼女を身籠らせてやりたくなった。
リラの動くペースから外れ、自分の意思で腰を叩き付ける。
「なに…これっ! 急に、激しくっ…!」
腰のリズムが変わったことにリリは戸惑いの様子。
しかしこちらの意思をすぐに理解したようだ。
「分かるわっ…! わたしを孕ませたいのね? 孕ませてくれるのねっ!?
ああ、来てくれたのがあなたで本当に良かった! もう絶対放さないからっ!」
リリは開いた両足でこちらの腰をガシッと挟み、両腕でしがみ付いてきた。
最初と同じように自分は二人の間でサンドイッチにされる。
しかし今回押し付けられたリリの体はその時とは比べ物にならない熱さだ。
熱い肌は汗と蜜の混合液に塗れ、蜜とは微妙に違う香りを発散する。
淫らな香水を纏ったリリは、しがみ付いた状態でも腰を動かす。
女性器をかき回すジュプジュプという音はテンポが非常に速くなり、
それに釣られるように射精感は強まっていく。
「もうすぐ…! もうすぐよね!? 精液がおちんちんから出るのは!
全部わたしのおまんこに注ぎ込んでちょうだい!
あなたの種を植え付けてっ! わたしをっ……妊娠させてぇっ!」
絶頂に達したのか、リリの体が大きく震え、膣内が一気に男性器を搾る。
神であっても耐えられるとは思えない快感を受け、快感の堰が破れる。
「くうぅっ! 熱いの…広がってるっ! おちんちんが精液撒き散らしてるわっ!
もっと…もっと種付けしてっ! わたしのお腹っ、膨らませてぇっ!」
ビクンビクンと脈動しながら精液を放出する男性器。
リリは白く濁った体液を一滴残らず飲み込むかのように胎内で受け止めてくれた。
「んぁ……好きよっ…。愛してるわ…あなたぁ……」
絶頂の快感が緩んでくると、しがみ付いたままリリは口づけをしてきた。
それもチュッという軽いものでなく、唾液にまみれた深いものだ。
ついさっき自分の精液を味わっていた口だが、何故か汚いとは感じない。
それどころかとても甘く感じ、ずっと舌をからめていたいとさえ思えてしまう。
しかし背後にいるもう一人の女性はそこまで気が長くはないようだった。
「リリとイチャつくのは結構なんだけど、ボクの相手もしてくれないかなあ…」
少し寂しそうな声色で言うリラ。
膣内射精の快感ですっかり意識の外だったが、
その発言で背中に抱きついている肉体の感触が戻ってくる。
そしてリリも腰に絡めた足を解いて、咥えこんでいた男性器を放した。
「もっと繋がっていたかったけど……次はリラの番って約束したものね。
ねえあなた、リラにもおちんちんを入れてあげてもらえる?」
こちらの背に回した腕をリリは名残惜しそうに下ろす。
密着していた彼女の肉体が離れ、肌の熱さが遠のいた。
自分も名残惜しくなり、リリに顔を寄せて軽くキスをしてしまう。
リリは嬉しそうに微笑み、それに満足した自分は改めて背後のリラに向き直る。
自分とリリの交わりに半ば参加していた彼女はすでにでき上がっていて、
口から吐き出す息は熱くねっとりとしていた。
リラは立ったまま股間に右手を伸ばすと、指を入れてぐぱぁ…と開いて見せつける。
そこはおあずけを受けた犬のようにダラダラと体液をたらし、蜜を薄めていた。
「キミとリリの交尾を手伝ってたら、こんなになっちゃった。
休まなくてもあと一度くらい大丈夫だよね? 早くおちんぽ欲しいんだ…」
もはや痴女としか思えない言葉と態度で誘うリラ。
それを前にして疲労感など感じていられない。
自分はリラの尻を掴んで持ち上げると立ったまま挿入した。
男性器はリラ自身の体重で根元まで突き刺さり、彼女はビクンと背をのけ反らせる。
「ひぎっ! お、おちんぽっ! おちんぽがっ、根元までっ!
こっ、こんな太くて…硬かっただなんてっ…!」
リラは達する直前のリリと同じように両手足を使って抱きついてくる。
リリによく似ているけれど少し違う彼女の顔が至近距離に近づき、
青紫の瞳からポロポロと涙の粒が零れ落ちた。
もしかして苦痛なのかと思ったが、そんなわけないと考え直す。
「ご…ごめん泣いちゃって……。でも、気持ち良いんだキミのおちんぽ…。
リリがあんなに乱れちゃったのも納得だよ……」
リラはスン…と鼻をすすって、涙を引っ込めた。
自分は男性的な言葉使いの彼女が涙を流したことを意外だと思いながら腰を上下に動す。
するとリラはまた涙を流して、快感に満ちた声をあげた。
「んぁぁっ! いいっ! おちんぽ動くの気持ちいいっ!
キミと交尾するの良すぎだよぉっ! もっとおまんこ引っかき回してぇっ!」
快感を声に変えて放出しないと耐えられない。
涙で潤み目尻が下がったリラの目はそう語るかのようでとても可愛らしい。
そんな可愛い彼女と交わっていることに幸福感と劣情が湧いてくる。
「はひっ…はひっ…! 分かってると、思うけどっ…ボクも、孕ませていいんだからねっ!
ボクとリリは『根っこが同じ』だから、ボクにとっても、男はキミしかいないんだ……!」
その言葉で床に繋がっていた二人の足を思い出す。
二人は別々の人格を持っているようだが、二つで一つの存在なのか。
「そうだよっ…! ボクとリリは二人で交尾のまねごとしてたけど、
結局は自慰と一緒なんだっ…! だから、キミが来てくれて…本当に嬉しいんだよっ!」
リラは心底からの好意を伝えると、背に回していた右手を離して胸の膨らみを握った。
薄緑の肌の先端に濃い緑色をした乳首を持つ彼女の乳房。
彼女は己を慰めるようにそれをこねくり回す。
「見てごらんよ、ボクのこの体っ…!」
言い切ると同時にリラは強く乳房を握りしめる。
すると硬く尖った緑の乳首からビュルッと液体が噴き出し、彼女の手とこちらの胸にかかった。
一瞬母乳かと思ったが、その液体は琥珀色で粘性がある。
「えへへ…ボクのおっぱいは蜜が出るんだよ。リリはできないボクだけの特技なんだ」
少し自慢げに笑うリラ。
男性的な彼女が乳首から蜜を噴き出すというのはどこか倒錯的だが、
そのアンバランスさが逆に魅力的に感じる。
「…でもね、やっぱり蜜じゃ物足りないんだ。ボクは真っ白の母乳を出したい。
赤ちゃんが飲んでくれるミルクを出したいんだよ」
リラはそう言うと、蜜に濡れた右手をこちらの背に回して掴まり直した。
そして顔のすぐ傍で熱い吐息と共に言葉を放つ。
「ボクはいくらでもキミと交尾してあげる、いつでも好きな時に気持ち良くしてあげる。
だからボクを孕ませて…! キミの子供を産ませて欲しいんだっ…!」
リリと違い確固とした意思を持って子供が欲しいと告げるリラ。
男として……いや、生物のオスとしてそれに応えないわけにはいかない。
自分は了承の意を伝えると止めていた上下運動を再開する。
望みが受け入れられたリラも歓喜にあふれた顔で腰を動かし始めた。
「ああっ、素敵だよっ! キミはなんて素敵な人なんだっ!
これからもずっと愛してあげるからね! ボクの体を全部使ってっ!」
己の肉体全てをもって愛し続けるとリラは誓う。
ここまで愛されるだなんて、自分はなんて幸せ者なのだろう。
肉体的な快感と精神的な幸福感が一体となり、
それは精液へと形を変えて彼女へ放たれようと男性器の中を進んでいく。
リラはそれを感じ取ったのか、涙を流しながら焦れるように叫ぶ。
「早く…早く出して! 早くおちんぽから精液出してっ!
キミの子種でおっぱいからミルク出る体にしてぇっ!」
リラの腰がバツンと強く叩きつけられ、男性器が奥深くまで飲み込まれる。
先端が女性器の『行き止まり』を破り、ガパッと厚い肉に咥えられた。
子宮口にしゃぶられた快感は膣と全く質が違っていて、その不意打ちに自分は精液を解き放つ。
「ひぃっ! おちんぽが子宮の中で射精してるぅっ! ぜっ、絶対孕むよこれぇっ!
ああ…種付けされるの気持ち良いっ…! ママにされるの気持ち良いよぉっ!」
子宮に直接射精されたリラは涙どころか、よだれや蜜まで垂れ流して絶頂を迎える。
彼女の体液が塗りたくられた蜜と混ざり合い、とても甘ったるい香りが立ち込めた。
「はっ……はっ……はぁ…っ。好きっ…大好きだよぉ……んむ…っ」
リリと同じ体勢で達したリラはその後もやはり同じだった。
抱き付いたまま口づけを求めてくるのだ。
満足するまでそれに応えてやるとリラは両手足を離して解放してくれた。
すると膝からカクンと力が抜け、尻餅をつくように蜜の湯船に浸かってしまう。
どうやら今の自分の精力と体力では三連続が限界らしい。
しかし人外の二人はまだまだ元気なようで、
ザブリと肩まで蜜に浸かるとそれぞれ片腕に抱きついてきた。
これが文字通りの『両手に花』という慣用句か。
「お疲れさま。休んだらまたしましょうね」
リリは両腕を使ってこちらの左腕にしがみ付くように抱きつく。
二の腕が胸の谷間に挟まれ、とても柔らかい感触を与えてくる。
「ボクたちの体は交尾すればするほど具合が良くなっていくんだ。
絶対にキミを飽きさせたりなんかしないよ」
リラは寄り添って歩く時のように左腕をこちらの右腕に絡ませた。
左の乳房をギュッと強く押し付け、蜜よりも高い熱を肌で伝えてくる。
こんな美女二人に挟まれては『もう出たくないな…』と思ってしまう。
しかし自分は薬草の採取という目的があってこの森に来たのだ。
名残惜しくとも言いつけを果たして帰らなければならない。
そう二人に伝えるとリリは別れ話を切り出された恋人のような声を出した。
「そんな! わたし達を置いていくのっ!?」
顔を悲しみに歪め、縋りつくように左腕を強く抱きしめるリリ。
二度と来ないわけじゃないのに大げさな…と思うが、
そんな顔をされると罪悪感が胸に浮かび、ここに残ってしまいたくなる。
「…………」
オーバーに反応するリリに対して、
リラの方は無言で視線を宙に這わせ何かを考えている。
そして考えがまとまったのか、顔を真っ直ぐ向けて自分に問いかけてきた。
「キミはどうしても帰らないといけないのかい?
例えば幼い兄弟が待っているとか、病気の親が寝床に伏せっているとか」
物語によくありそうな状況設定をリラは口にするが、生憎と自分にそんな家族はいない。
いるのは些細なことで怒鳴って拳骨を落とす師匠だけだ。
「なら帰らなくて良いじゃない。怖いお師匠さんのこと好きじゃないんでしょう?
だったらわたし達とずっと楽しく過ごしましょうよ」
好機と見たのか、リリは『一緒に暮らそう』と誘惑する。
そうできたらこの上なく幸福だろうが、
未熟な自分が生きていくためには師匠の元で働いて食わせてもらうしかないのだ。
「じゃあ代わりにボクたちが食べさせてあげるよ。それならいいだろう?」
リラは問題解決とでも言わんばかりの顔でそう提案する。
「ここから遠い所になるんだけど、この蜜は高く売れるんだ。
ボクたち三人が暮らしていくぐらい十分に稼げる。これで万事解決、問題ないよね」
「そうよねリラ! わたし達が食べさせてあげればいいのよね!」
反対するどころか一緒になって『自分たちが養う』と口にするリリ。
男として女性に養われるのはどうかと思うが、二人が望んでいるなら良いのだろうか。
まあ最初は世話になったとしても、後できちんと働いて返せばいいか。
自分はそう割り切ると、彼女たちと共に生きることを告げる。
「ありがとう! そう言ってくれて本当に嬉しいわ!」
「ボクたちを選んでくれてありがとう。ボクも嬉しいよ」
リリは感極まったのか、チュッチュッチュッと頬にキスの雨を降らせる。
リラは長く一度だけチュゥッと唇を頬に押し付けた。
その行為が治まるとリラは右手を蜜から上げて、サッと軽く手を振る。
すると咲いていた花がつぼみに戻るように白い花弁が閉じていった。
何が起こるのかと少し不安になったが、リラがやることなら大丈夫だろう。
やがて花弁は完全に閉じ、蜜の湯船はテントの中のような雰囲気になる。
「次にこの花が開いた時は“別世界”さ。
なにも危なくはないから、あまり驚かないでくれよ?」
リラはイタズラっ子のように軽く笑う。
「わたし達みたいのなのが沢山いるけど、目移りしたらダメよ?
あなたはわたしとリラだけの男なんだから」
リリは浮気するなと釘を刺す。
たぶんしないとは思うが、心配されるほど美女が多い場所なのだろうか。
自分の想像もつかない未知の世界。白い花弁が開いた先にはそれが広がっている。
まるで物語で読んだ冒険者のようだな…なんて考えながらその時を自分は待った。
14/06/21 12:24更新 / 古い目覚まし