読切小説
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堕ちた姉弟
「うええええん」
小さい男の子が泣いている。
「泣くなリアンお父さんとお母さんは死んでしまったが私がいる。
お前にはつらい思いは絶対させない」
姉さん?
「本当?」
ああこれは
「本当だ」
僕の記憶
「じゃあお姉ちゃんは僕とずっと一緒にいてくれる?」
僕の姉さんの記憶
「当たり前だ」
そう言って抱きしめてくれた
僕の愛しい姉さんの記憶。

「おかえりなさいメリアお姉ちゃん」
記憶の中の姉さんはいつも凛々しかった。そして優しかった。
「ただいまリアン」
僕のことを第一に考えているたった一人の肉親
「お姉ちゃんご飯ができているよ。今日はお姉ちゃんの大好きなはちみつ料理だよ」
そんな姉さんを僕は愛していた。いや今も愛している。
「ありがとうリアン。リアンがいて私は幸せよ」

ある日姉さんに剣術を教えてもらおうとしたことがある。
「姉さん僕にも剣の振り方教えて」
「なぜ剣の振り方など知りたいんだ?」
「僕も大きくなったら姉さんと同じ魔物狩人になるんだ」
そう言うと姉さんは
「駄目だ。いいかリアン魔物狩人にはなるな」
とすごく悲しそうな顔をしていた。
「どうして?」
「お前にはしっかりと勉強し立派な大人になって欲しいんだ。だから魔物狩人にならない
でくれ」
「・・・うん分かった」
「よしいい子だ」
そうやって姉さんは頭を撫でてくれた。


「お姉ちゃん。はいこれ遠征でお腹が空いたら食べてね。あとこれ」
「これは?」
「お守りだよお姉ちゃん。お姉ちゃんのことを思って作ったんだ」
「ありがとうリアン。寂しい思いをさせることになってすまないな」
「いいんだお姉ちゃん。お姉ちゃんは絶対に帰ってくるんでしょ。それにこの遠征が終わ
ったら
お姉ちゃんとずっと一緒に入れるんでしょ」
「・・・本当にありがとう。リアン。私にはもったいない弟だ」
「そんなことないよお姉ちゃん。僕はお姉ちゃんの弟に生まれてすごく幸せだよ」
「いいわね〜姉弟愛って。私もリアンちゃんみたいな弟が欲しかったわ〜」
「茶化すな。それでは行ってくる。土産でも楽しみにして待っててくれ」
「いってらっしゃい〜」


懐かしい夢を見た。僕がまだ幼くて働けなかった時の夢だ。
あのあと姉さんは遠征に出かけそして帰って来なかった。後で聞いた話だがあの遠征はほ
とんど死にに行くようなものだったという。
そうまでしてでもお金が必要だった。貧しさから抜け出すには。
周りの人は姉さんはもう死んだと言う。だが姉さんは死んでない、死んでるはずがない。
そう思い、僕も姉さんと同じ魔物狩人になった。
姉さんを探すために旅に出よう。そう決心した。だがそのためには襲いかかる魔物たちか
ら身を守る必要がある。
またお金も必要だ。その二つを満たせるから魔物狩人になった。
僕も姉さんと同じ血をひいているからか姉さんと並ぶもしくはそれ以上とも称させる魔物
狩人にまでなれた。
だけどもそれは同時に姉さんに対しての裏切りを意味していた。姉さんは僕に魔物狩人に
なるなと常々言っていた。
幼い僕にはその意味がわからなかったけども姉さんと同じ魔物狩人になって分かった。
姉さんは僕に危険な職についてほしくなかったのだ。魔物に殺されたというならまだマシ、
人によっては魔物に食われて死体もないだとか
奴隷にされたという話まである、職に。
だがこの職についたお陰で姉さんがどれだけ僕のことを愛してくれてたかまた実感するこ
とができた。
姉さんはそこまでの危険を冒してまで僕を養ってくれたのだ。そんな姉さんが死んだなん
て僕は信じられない。
もし教会の奴らが言うように神がいるというならばあそこまで慈悲深い姉さんを死なせは
しないはずだ。
「よし」
そう思っているうちに旅立ちの準備が終わった。いよいよ明日から姉さんを探す旅に出る
ことができる。
「姉さん待っててね」
そうつぶやき僕は明日に備えてベッドで眠った。
姉さんのお陰で住むことができたこの家とはしばらく会えなくなる。
そう思うと寂しくなったが、姉さんがいない生活はもっと寂しいのだと自分に言い聞かせ
ながら僕の意識は闇に沈んだ。



「本当ですか!?」
「本当だとも。確か4年前大規模な賞金稼ぎの集団がきてなあ。誰も行ったきり帰ってこない森に向かって
全員戻って来なかったんだよ」
姉さんの足取りを追ってはや半年やっと姉さんの手がかりをつかめた。
「その森はどこですか」
「お前さん行くつもりか?いい家族愛だがやめといたほうがいい。お前も死ぬだけだその集団みたいに」
「姉さんは死んでなんかない!!」
そう僕は怒鳴りつけた。宿屋の主人は呆れたような顔をしている
「失礼しました。声を張り上げて」
「まあ森に行って死んでも自業自得だからな。俺を恨まないでくれよ」
そう言って主人は森への行き方を教えてくれた。
「ありがとうございます」
「しかし初めて見たよ。武器を持たない賞金稼ぎなんて」
「しっかりとあるじゃないですか。この長い棒が」
「それは武器とは言えねえだろ。武器と言うには最低限刃が付いているか棘がついていねえと」
「いい武器なんだけどなあ。あっ僕はこれで失礼します」
そう言って僕は自分の部屋に戻った。明日からその森へ向かおう。姉さん待っててね。もうすぐ
姉さんに会えるから。


(すごく深いなあ)
かなり森の奥まで来たが、この森が帰らずの森だの死の森だの言われている理由の一端がわかった。
とにかく木が生い茂っているのである。そのせいで陽の光が地上へあまり届かなくて薄暗い。
そして何よりも目印となるものがない。なので僕は木に傷をつけて目印とした。
(しかし見つからないなあ)
そう見つからないのである。姉さんたちの集団が通った後が。
あの集団はプロの集団だ。こんな鬱蒼と茂った森で目印を付けないはずがない。
そう思って集団が通った後を探しているのだが傷ひとつも見当たらない
(姉さんの通ったルートと違うところから入っちゃったかなあ)
また僕はもうひとつ気になることがあった。それは
(魔物が全然いないな)
これだけ深い森なら魔物がいてもおかしくない。むしろいなければおかしいのだが
一匹もいない。
そう思っていると・・・
(人の声?)
人の声それも女の人の声が聞こえてきた。僕はすぐに身構える。
こんな深い森で人がいるとは思えない。遭難者の可能性もあるが人型の魔物の可能性が高いだろう。
そして女の人の集団の声、僕にはどんな魔物がいるのかおおよその目星はついていた。
集団で襲われたら個人の僕には勝ち目がないだろう。そう思い見つからないように歩いて行った。
すると
(やはり思ったとおりだった)
サキュバスの集落についた。サキュバスらしい露出度の高い格好をした女の人やそもそも服を着てないもの。
服は着ているが大切なところを隠せてないものまでいた。
(幻覚はどうにか出来るだろうけど戦いたくないなあ)
サキュバスの幻覚はサキュバスに欲情するものにかかりやすい。
つまりたいていの男はサキュバスには弱い。そして最近はサキュバスがよく出没するので魔物狩人は女が多かったりする。
また幻覚をどうにかしたところでサキュバスは空を飛べる上に身体能力も人間より高い。そして魔力もある。
戦ったところで勝機は薄いだろう。本来なら無視すべきことだ。だが僕にはサキュバスの里に行かないといけない理由があった。
(あんまり考えたくないけど姉さんがいるかもしれない)
あんまり表沙汰にはなっていないがサキュバスは人間を淫魔に変える能力がある。僕がこのことを知ったのは運が良かったこともあるからだろう。
このことが表沙汰になるとサキュバスを殺すときに人間かもしれないという戸惑いや殺したあとの罪悪感があるから表沙汰にならないのだろう。
まあもともと知性ある魔物は殺さないがモットーの僕には関係ないが。
(姉さんはいないかな〜)
そうサキュバスの集落を観察してみた。するとあることに気がついた。
(あれはダークエルフ?)
どうやらサキュバス以外の魔物もこの集落に入るみたいだ。
またそれ以外にも見たことのない女の魔物がいた。
戦ったことはないが背中に羽が生えてることから飛行能力があるのだろう。
それだけで厄介だ。
それから集落を一回りしてみたが姉さんの面影がある魔物はいなかった。
建物の中は見ていないので魔物たちが寝静まった時に見て回ろうそう思いいったん集落をあとにした。


(いないな)
建物の中を見て回ったが姉さんの姿は見当たらなかった。
(喜ぶべきか悲しむべきか)
姉さんの姿はなかった。だがそれは姉さんに会えなかったことを意味する。
僕は姉さんがどんな姿になろうと受け入れるつもりでいた。たとえ姉さんが教会に見つかったら殺される、
忌むべきものとされる魔物になろうと生きているだけで嬉しい。そう思っていた。
今まで考えないようにしていたが姉さんの死というものが脳裏によぎる。
(姉さんは生きている。生きているんだ。姉さんみたいな強い人が死ぬはずがない)
そう思い僕は弱い考えを吹き飛ばした。
(姉さんはいなかったしこの集落にはもう用はないな。しかしすごい技術だなあ)
見まわってみて分かったがどうやらこの集落は植物をうまく扱っているらしい。
植物がドアになっており通行人が来たら植物がみるみる引いていき通れるようになるなど
上げていけばきりがない。
(危ない橋を渡ったなあ。こんな未知の技術だ。僕の知らない感知技術があるに違いない。
それに引っかからなかったのは運が良かったか)
そう思っていると
「ただいま〜って誰もいないかあっと・・・」
個々の家の主であろう人が帰ってきた。
幸い今僕は二階にいる。このままやり過ごせば「あらあらあら、男の匂いがするわね。私好みの匂いだわ〜
しかも・・・」
最後のセリフは聞こえなかったがどうやら見つかってしまったらしい。
こうなったら残された選択肢はひとつしかない。
僕は意を決っして階段を飛び降りしたに行き、そしてそのまま頭を殴ろうとして・・・
目を疑った。
「えっ!?」
「お久しぶり〜」
髪の色や服などが変わっていてもこの雰囲気でわかる。この人は姉さんの同僚だ。名前は確かえっと
「ヤツデよヤツデひどいわ〜忘れるなんて」
「お、お久しぶりです」
そうごまかすために言ったあとに慌ててすぐ構える。
たとえ知っている人でも今はサキュバス。しかも住居まで構えている。
これは完全に思考までサキュバスになってるとしか考えられない。
「あらあらあら。私の知っているリアンくんはそこまで殺気だってなかったのに〜
もしかして私嫌われちゃってる〜?」
「ヤツデさんは雰囲気が変わっていませんね。僕をそんな目で見ていること以外には」
そうヤツデさんは記憶の中の雰囲気とは全く変わっていない。そのほんわかしたおっとりとした雰囲気。
まさしくヤツデさんだ。だがその目は完全にサキュバスのものだ。僕を雄として、性的に見る目。
「あらあらあら〜私は変わってないわよ〜ず〜っっと昔からあなたを婿にしたいと思っていたのだから〜」
「嬉しい言葉ですが、それより質問があります」
「なにかしら〜?」
「姉さんはどこですか?」
姉さんの同僚がサキュバスになったのだ。と言うことは僕が見落としただけで姉さんも・・・
「知りたい〜?でもどうしよっかな〜リアンくんメリアちゃん一筋だもの。
教えたら私なんかほっぽり出してメリアちゃんのところに行っちゃうしな〜」
「ならっ」
僕は素早く跳びかかり足を棒で払おうとする。
「きゃっ=」
しかしヤツデさんはそれを難なく跳んで後ろに下がり避けた。
「ここで力づくで屈服させ、はいてもらうだけです。僕がこの4年間のうちで
身につけたうちの一つには相手を自白させる魔法なんてものもあるんですよ」
「ひどいわ〜リっくん私を力づくで屈服させるだなんて、そんな言葉を言うようになって
お姉ちゃん悲しいわ〜」
そう言いながらもヤツデさんは指をこっちに向けそして
「え〜い」
魔法を飛ばしてきた。姉さんは肉体派だったがこの人は魔法派。
おっとりした雰囲気からはわかりづらいが魔物狩人をしながら仕事で出会った魔法が出来る人に片っ端から
教えをこい、魔法をモノにした努力家だ。
僕の両親が死んでからは僕の面倒をよく見てくれた恩人だ。
本当は戦いたくない。だけどこのままではこの人に押し倒され犯されてしまうだろう。
僕はヤツデさんの魔法を気にせずにそのまま突っ込んだ。
「ふんっ」
恩人を棒で殴るのは少し気がひけたので素手で急所である顎を殴った。
このまま脳が揺れ意識を失うだろう、そう思っていた。
だがそれが甘かった。
「いったいわ〜。でも驚いた。そこまで高等な耐魔術防壁を使えるなんて〜
魔術技術じゃもう私は勝てないわね〜」                                                                             
「なんで僕がエンチャントしたことになっているんですか?もしかして他の人がエンチャントしたのかもしれませんよ?」
「だってリアンちゃん貧乏じゃない〜」
地味にぐさっときた。確かにエンチャントしてもらう金なんてないけれども
だがしかし僕は同時に後悔した。確かに目の前にいる人は僕の恩人だ。だけども今は敵。
それを理解していなかったために相手が人間よりも身体能力が高いサキュバスだとうことを忘れ、
倒しそこねた。僕は棒を改めて握りしめ、構えた。
「武器が棒ってリアンちゃんらしいわね〜。魔物と言えども殺したくないっていう優しさ。
お姉ちゃんますます惚れちゃうわ〜。そして他の人にそれを指摘されたらじわじわと殴り殺すためです。
とでもいったのかしらね〜」
図星だ。そもそも知性のない魔物なら話が通じないから追い払うといったこともできない。
だけども知性のある魔物なら言ってどこか遠くへ行ってもらうことができる。
だけどもそれは偽善だ。人間の利益のために魔物に不利益を被ってもらう。
その不利益を少し減らしただけだ。魔物のことを考えたら僕は人間に喧嘩でも売ったほうがいいのだろう。
だけでもそれはできない。一個人の僕には、なんの力もない僕にはできない。
「でもこれで殴られると痛いですよ」
「そうね〜だからお姉ちゃん本気出しちゃう」
そう言ってヤツデさんは後ろに引きそして・・・
「ここに男がいるわよ〜それもまだあどけなさを残しているけど凛々しい男が〜」
そう大声で叫んだ。
「ええええええ」
「本気だすっていったじゃない〜。もうリアンちゃんって強いんだもの。
私が街へ行ったら噂で聞くくらいに」
「ヤツデさんって狡猾なんですね」
「や〜ね〜人聞きの悪い。賢く生きているだけよ。だけどもまあ驚いたわ〜
あの噂の人がリアンくんだなんて。魔術狩人の腕ではもうかなわないわね〜」
「もうヤツデさんは魔術狩人じゃないんでしょう?」
「そうねもうあんな人間のエゴに付き合わされる職業じゃないわね」
「・・・」
そう言い合っているうちに魔物たちが集まってくるのがわかる。
このままじゃ不利だ。そう思い僕は二階へ上がった。
「二階に逃げたわよ〜」
そうヤツデさんは叫ぶ。
僕を絶対に逃さず捕まえるために。
「逃げれないわよ〜」
ヤツデさんが僕を追ってきてそう言う。
「僕が噂になる所以を見せてあげますよ!!」
そう言い僕は懐から札を取り出す。
そして屋根に貼り付けしゃがみこんだ。
轟音が鳴り響き屋根に穴が開く。
「新築なのに〜」
といっているヤツデさんを尻目に僕は穴から屋根の上へ飛び移る。
こんな時のために靴に重力低下のエンチャントをつけててよかった。
そして屋根から大きく跳び5mは離れている他の家の屋根に飛び移る。
その時に女の子の黄色い歓声が上がった。
そして僕は御札を貼りつけた蛙を使い移動したように見せかけた。幻覚の魔術だ。
おそらく不自然な動きからそう長くは騙せないだろう。だがそれでいい。
僕はそのまま詠唱を開始した。
しばらくするとこれ違う〜本物どこーという声が聞こえる。
僕が見つかるのも時間の問題だろう。そして屋根の上に乗っている僕を捕まえるためにサキュバスは翼を使い飛ぶだろう。
「もう逃げられないわよ〜」
ヤツデさんが僕を一番に見つけた。おそらく探知の魔法でも使ったのだろう。
「これだけのサキュバスから逃げられると思わないことね〜」
周りを見渡せば20人ぐらいサキュバスがいた。確かにこれでは正攻法では逃げられないだろう。
ヤツデさんは僕を絶対に捕まえられると思っているからか余裕綽々だ。
そして次の瞬間
雷が飛んでいるサキュバスたちに落ちた。
威力を下げてあるから魔力消費が少なくすんだ。それでも大量のサキュバスを落とすために使った魔力は尋常ではなく
もはや魔法は使えないだろう。でもこれで逃げられる・・・そう思った時だった。
「久々に男が来たって聞いたから飛んでみればとんだ暴れ馬ね。でも暴れ馬って制御できたら名馬っていうのがセオリーよね」
「!!」
声が聞こえてきた方向を見ると長身のサキュバスが立っていた。
ドーニャ様だという声が聞こえてきた。
この気迫、この威圧感。おそらくこの人がここの女王なのだろう。
人間社会と違って魔物たちは気質が荒いためボスになろうとすると強さも重要だ。
(まずい!もうろくな魔術は使えない)
魔術が使えないのであれば僕はもはや飛んでいるサキュバスに対抗する術はない。
そうなればあとはこちらの攻撃の届かない上空から攻撃されスタミナが切れたところで捕獲されるであろう。
(だがそれでもそれでも僕はここで捕まるわけにはいかない。姉さんに会うまでは)
僕は棒を構え、目で相手を威嚇する。
「気に入ったわあなた。外見もよし高等魔術を使える程の知能もある。そして何よりも・・・」
そうドーニャと言われた女性は一呼吸おきそして
「あの女と同じその折れない心が気に入ったわ!!」
そういい襲いかかってきた。
物理的にはありえない速度おそらく魔法を使っているのだろう。
しかし直線的だこれなら難なく避けられる。
そう瞬時に判断して避けた。
だが
「!!」
「甘いわ」
迫りくるしっぽを避けることはできなかった。
(しっぽを攻撃に使うサキュバスなんて初めてだ!)
サキュバスのしっぽは確かによく動くが犬の尻尾のようなものであるはずだ。
それを攻撃に使うものなど僕は今まであったことがない。
そのまま僕の体は地面へ落ちた。
受け身を何とかとれたもののそれでもダメージは大きい。
だがすぐに体勢を建てなおさなければ次の攻撃をまともに食らってしまう。
体がすぐに反応して起き上がる。その刹那・・・
ドーニャは僕の目の前に立った。
僕が次の攻撃に備えて身構える。そして次の瞬間
「空からチクチク攻めても面白く無いし決闘にしてあげるわ」
そう言った。
「えっ」
「聞こえなかったの決闘よ決闘。一対一の地面について魔法も使わずに勝負してあげるわ」
「・・・」
本来ならここで何かふっかけたいところだがこっちはとても不利な状況だ。
それが少しは有利になるならそれに乗るしかない。
もちろん決闘に見せかけての不意打ちには警戒する。
「分かりましたその決闘で僕が勝ったら」
「もちろん逃がしてあげるわ」
僕が言い終わる前にそう言い切る。だが僕の要求はそうじゃない
「姉さんにあわせてください」
「姉さん?」
「おそらくあなたがさっき言っていた女性が僕の姉さんでしょう。
その人にあわせてください。そのあとは僕を好きにしてもらって構わないです。
ただ姉さんには手を出さないでください」
そう言うと
「ふふふふっあははは はははははっははは」
ドーニャは笑い出した。
「何がおかしいのですか?」
「いやっははははまさかあの女の弟とは姉弟揃って私の好みだ。
お前たちみたいな強情なやつを」
屈服させるのが私は好きなんだあああああああああ
そう強く言い放った。そこにはさっきのような気品あふれる感じはなく、
強い本性を感じた。そのまま僕に向かって突っ込んき、僕の右のこめかみに向かって左の拳が飛んでくる。
すかさず僕はドーニャの左肘に棒を当て腕を止める。
そして棒の反対側をそのままドーニャの頭に当てようとする。
しかしドーニャはそれを見透かしていたのか棒が勢いに乗る前に手で止められてしまった。
間髪入れずにそのまま前に出て右足をドーニャの左足の踵に当て躓かせようとするも足を引かれてしまい、当たらなかった。
(この人武術の心得がある)
基本的に魔物は自分の能力でゴリ押しをしようとするので武術の心得がないことが多い。
だがこのサキュバスは違う。自分に慢心して決闘を挑んだわけではなく本当に勝機があるようだ。
僕は一旦距離をおこうと離れようとした時にドーニャが右足を僕の左足にかけようとしていた。
間を置かずに左足を上げドーニャの右足を避ける。
そしてそのまま後ろに下がった。
「武器は使わなくていいんですか?」
「身体能力に差があるからな。武器を使うのはフェアじゃないだろう」
そう軽口を叩いたが僕は内心焦っていた。
(この人は武術の達人だ・・・。僕はこの人に勝つことができるのか
いや駄目だこんな弱気になってどうする。こんなんじゃ姉さんに顔向けできない
絶対に勝つ。なんとしてでも絶対に勝つ)
まず喉に向けて棒を突き出す。
それを避けられたら今度は肝臓や腎臓みぞおちなど次々とついていく。
だがそれらはことごとく避けられた。
「はあはあはあ」
少しずつだが僕のスタミナは削られていっている。こっちはもともと戦う前から
動きまくっていた。それに人間の僕のほうがスタミナは低い。
決闘になったところでとても不利な状況だったのが不利な状況になっただけだ。
「う〜んそろそろ終わりかしら」
「何を言っているんです?僕はまだやれますよ」
「そう?なら」
そう言って今度はドーニャが殴りかかってきた。
顔面への攻撃を頭を動かしよけつつ棒と腕でしっかりドーニャの手を固定する。
そしてドーニャへ跳びかかり上腕部を足で固定する。
(決まった!!)
しかしトーニャは動じることなく
「えい」
力技で関節技から逃れた。
「ぐはっ」
僕は地面にたたきつけられる。
そのままドーニャがとどめの一撃を下そうと殴りかかってくる。
その攻撃を棒でそらそうとするも間に合わないと思い棒でガードする形になった。
だがドーニャは
棒を拳で折りそのまま僕のみぞおちに拳がめり込んだ。
「勝負ありってところね」
「まだ・・・まだ僕は」
「そんな事を言うお口は塞ぎましょうね〜」
そう言ってドーニャは僕のファーストキスを奪った。
「んんー」
「んむれろちゅぱれろれろ」
ドーニャの舌が入ってきて僕の舌を味わうように舐めまわす。
僕は必死で舌を返そうとするがそれが結果的にはドーニャの
舌を舐めることになった。
ドーニャは口の中のありとあらゆる所を蹂躙したあとやっと口を離してくれた。
「もうあなたは私に抵抗できない。あっけない幕切れだったわね。
最後は種族の違いから来る身体能力の差で終わった。
「くっ」
僕は悔しくて涙が出た。やっとここまで来たのにこんなところで負けるなんて。
姉さんを迎えに来たのに結局は自分の無力さを痛感することになるなんて。
僕が幼い時と同じ、自分の無力さで結局は姉さんを破滅させた。
「ぞくぞくするわ、その涙。せっかくここまで来たのに心半ばで負けた悔しさ、
私にファーストキスを奪われた屈辱・・・そういう涙すごくいいわ。
特に強情なあなただからね」
そう嘲笑いながらもドーニャは僕の股間へと手を伸ばした。
「しかしあなたなんで私に欲情しないのかしらね。ここまでしたら
普通の男は欲情して堕ちるのに」
「さあね。自惚れているだけじゃないんですか」
「あらまだそんな口を叩けるなんて驚きだわ」
そう言いながら笑うこの人はまさしく悪魔に見えた。
「まあ人間の身でここまで来たんだもの。私も悪魔じゃないわ。
お姉さんに会わせてあげる」
「本当ですか!?」
「あなた本当にお姉さんのことになると目が輝くわね・・・
ふふっこれは面白いことになりそう。ああでもあなた負けた身分だし〜
頼むべき態度っていうものがあるわよね。とりあえず裸になって土下座してお願いしてくれたら
いいわ」
そう嬉しそうに言い終わった。
屈辱だ。裸になって土下座してお願いするなんてそんなことは並大抵のことではできない。
だがそうしなければ姉さんに会えない。やっと姉さんに会えるチャンスができたのにそれを不意にしてしまう訳にはいかない。
僕は服に手をかけ脱いでいき一糸纏わない姿になった。そして手を地面につき頭を下げそして
「お願いします。姉さんにあわせてください」
そういった。
「あははは本当にしちゃったんだ。ここまでシスコンの子なんて見たことはないわ。
まあいいわ。お望み通り連れて行ってあげる」
そう言い終わるとドーニャは僕を抱きしめ飛んだ。
しばらくすると花畑が見えてくる。遙か上空にいるのになぜかひとつひとつの花がはっきりと見える。
そしてだんだんその花が大きくなっていき、ついには人一人分より一周大きいぐらいの大きさになった。
「ついたわ」
「大きな花ですね。こんな花は見たことがない」
「だって私が作ったんだもの」
そして一呼吸置くとドーニャは喋り出した。
「知っているかしら?狩猟よりも農業の方が食料は大量に生産できるの」
「それがなんの関係があるのですか?」
「まあ話は最後まで聞きなさい。今までサキュバスは狩猟によって食料を得てきた。
だけどそれじゃあ非効率。人間に狩られる危険性も増すわ。
そこで私は農業によって食料を生産できるようにした。
こうやってね」
そう言うとドーニャはつたを握った。すると何やら白い液体が出てきた。
「人間の精とほとんど同じ成分よ。まあ味はまだまだまずいから改良の余地があるけど」
「そうやって食料が大量生産できるようになりそのぶんサキュバスの数を増やすこともできるということですか」
「ご名答。ただそれだけじゃあまだ足りないのよね」
「?」
「私達サキュバスは生殖能力が低いの。それに配偶者であるインキュバスは希少。だからサキュバスから生まれた淫魔なんてほとんどいないわ。
まあだから人間の女をサキュバスに変えることでそれを補っているのでしょうけど、それでもかなりサキュバスを生み出すのは面倒なの」
だんだん嫌な予感がしてきた。
「だからこの花たちにはもうひとつ役目があるの」
そう言うとドーニャは花を叩く。すると閉じていた花がだんだん開いていく。その中には・・・
「サキュバスを生み出すという役目がね」
「姉さん!?」
姉さんがいた。服をつけておらず全裸で蜜みたいなもので濡れている。
目は焦点があっておらずそこに意思は感じられない。
口はだらしなく開きよだれが垂れている。
僕の知っている凛々しい姉さんはそこにはいなかった。
さらに僕の知っている姉さんはあそこまでおしりと胸に肉がついていなかった。
引き締まった戦士の体は男をいやらしく誘う女の体になっていた。
「あらあら私では勃たなかったのにここをこんなにして」
そう言ってドーニャは僕の勃起したペニスを握ってきた。
「なるほどね。あんなにサキュバスに誘惑されて劣情を抱かなかったのは
あなたが姉でしか勃起しない変態だったからね」
「や、やめろ」
僕は拒絶の意を示す。だがドーニャはやめるどころかむしろ激しく手を上下に動かしてきた。
そして目の前には姉さんのあられもない姿がある。
僕は情けないことに快感を感じていた。
「姉をオカズに手コキされる気分はどうかしら?まったく理性が強いのかと思えばなんてことはない。
血の繋がった姉でしか勃たないド変態だなんて。幻滅するわ」
「くぅっ」
図星過ぎて何も言い返せない。そうしている間も僕のペニスは快感で震え始めた。
「もうすぐ出そうなの?出しちゃいなさい。姉をオカズに、お姉さんに見られながら情けなく精液を出しちゃいなさい」
「くはぁ」
ドーニャは最後の仕上げとばかりに手を激しく動かす。ペニスの先から根本まで大きくそして激しくすられ
「はぁあああああ」
「出た出た出た〜んっ美味しい。やっぱり天然物に限るわね〜。あなたの精液今まで私が食べた中でも五本の指に入るわ。」
「はあはあ」
出してしまった。姉さんのみだらの姿を見て勃起して出してしまった。
ドーニャは出したものを口に運び味わっているようだった。
「リアン?」
力を感じられない声が聞こえてきた。
「姉さん?そうだよ僕だよリアンだよ」
姉さんが僕に気がついてくれたようだ。
「驚いたわね。まだ人を認識できる知性が残っていたなんて」
「あなたは姉さんに何をしたんですか!」
一体この人は姉さんに何をしたんだろう。あんな精神の強い姉さんがこんな風になるなんて
「サキュバスになるには快楽を受け入れる必要があるわ。それを拒絶し続けたのよねこの女。
まあお陰で性的興奮に苛まれてもイクことができない状態が続いたわけ。
それが何年も続いたからこの有様よ。まあでもそれも今日で終わりね」
「どういうことだ?」
「こういうことよ」
そう言ってドーニャは僕を蹴飛ばし、僕は姉さんに抱きつく形になってしまった。
「姉さんごめん!大丈夫?」
「リアンのにおいだあ リアン」
姉さんはそう言ったあと僕を強く抱きしめそして
「んんむんんんん」
キスをしてきた。
姉さんの舌はとても柔らかい。その舌が僕の口の中を自由自在に動き回る。
姉さんの唾液がすごく甘く感じる。僕はもっと姉さんの唾液を味わおうと
今度は自分の舌を姉さんの口の中に入れた。
暖かくて唾液で濡れている。その感触がたまらなくて僕は姉さんの口の中を味わった。
体が芯から熱くなってきた。僕のペニスも膨らみ姉さんに挿入する準備が整っている。
しかしここで欲望のまま姉さんを犯していいだろうか。姉さんは今はまともな判断ができない状態だ。
そんな状態の姉さんが良いといってもそれはいわば酩酊状態の人の良いだ。そんな状態の人を犯せない。
そう僕は思って、姉さんから離れようとした。だがしかし力が入らない。まるで姉さんに力を吸い取られたみたいだ。
そうしているうちに姉さんは女性器を僕の男性器に擦りつけてきた。
「っ姉さん駄目だ。僕たちは姉弟なんだからこんなことは」
「リアンリアンリアンリアン リアンのおちんちんすごくきもちいいよ はやくおねえちゃんのおまんこにいれて
ぴゅーってして。おねえちゃんもうがまんできない」
そう言って姉さんは愛液で濡れた性器を更に激しく擦りつけてきた。愛液で濡れて滑りが良くなりそれが僕のペニスを刺激する。これが姉さんの膣だとどれだけ気持ちいいのだろうかそういう邪念がよぎった。でも僕には今の姉さんを犯すことができない。そう思っていると
「もうがまんできないよ。リアン」
そう言って姉さんは回転し僕と位置が入れ替わり、そして僕のペニスを掴むと亀頭を膣口
にあて・・・そのまま腰を下ろした。
「ああっはいってきた。リアンのおちんちんすごくいいよ。わかる?おねえちゃんのなかおしのけて、おねえちゃんのおくまできてるの。わたしいままでずーっとリアンのおちんちんほしくてたまらなかったの。」
「はあ姉さん」
姉さんと位置を入れ替えたせいで僕の体にも大量の蜜がついてきた。その蜜のせいで僕の理性はじょじょに蝕まれていった。
気持ちいい。もっと突きあげたい。姉さんに気持ちよくなってほしい。姉さんの膣《なか》に出したい。そういう気持ちがどんどん溢れてくる。
姉さんに中出し・・・それは姉弟では禁忌なこと。だけどもそれをしたい。姉さんもそれを求めている。ならなんの問題があるのだろうか。僕は姉さんが求めることなら拒む理由はない。僕は体を起こし姉さんを抱きしめそしてキスをする。そろそろ限界が近い。僕は腰を大きく振りそして一番奥近くまで腰を打ち付けたあとに
「んんんんきたあ。リアンのあついせいえききたあ。おねえちゃんのなかにぴゅぴゅーってあかちゃんじるきちゃった」
射精した。だけどもまだ収まらない。もっと姉さんの膣《なか》にだしたい。姉さんにずっと抱いてきた僕の思いをぶちまけたい。そう思い僕はそのまま姉さんを押し倒し抽送を開始する。
「あんっ、ああんぁ」
「姉さん!僕は姉さんのことがずっと大好きだったんだ。愛している。姉さんと結婚したいとすら思っていたんだ。でも姉さんとは姉弟だからできないってずっと思いを押し殺していたんだ。」
「ああっうれしい。リアンがそんなことをおもっていたなんておねえちゃんうれしいよ」
「でももうそんなの関係ない僕は姉さんのことを愛している。だから姉さんをこのまま孕ませるね」
「うれしいの。おねえちゃんもずーっとリアンのことだいすきだったの。だからかねもちにいいよられてもこたわったの。ごめんねわるいおねえちゃんで。ああっおねえちゃんをはらませてー」
思いの丈を姉さんにぶつけた。嬉しい、姉さんも同じ気持ちだったんだ。
「嬉しいよ姉さん。僕は姉さんのものだからね」
「うんわたしもリアンのものだから」
僕は姉さんの唇に自分の唇を重ねて抱きしめる。姉さんも同じ気持なのか僕を抱きしめてきた。姉さんの柔らかい胸があたって気持ちがいい。肌もすべすべだ。
精液が尿道を通るのがわかる。そろそろ限界だ。僕は姉さんにおもいっきり抱きつきそして中に出した。
「姉さんっ」
「リアンんんん」
僕と姉さんはしばらく抱きつき乱れた息を整えていた。するとそれを見ていたドーニャが
「ふふふ、いい姉弟愛だったわ。ここまで美しい姉弟愛を見たことはないわ。お礼をしなくちゃいけないわね。そうねあなたも私たちの仲間にしてあげる。ここまでの素質があるなら成功するでしょうし」
そう言い終わるとドーニャはぱちっと指を鳴らす。するとだんだん花が閉じてきた。僕は
本能で理解した。このまま抵抗しなければ僕はインキュバスになるのだろう。そして快楽を受け入れた姉さんはサキュバスになる。淫魔になれば人間の道徳に従うこともなくなる。
そうすれば姉さんを思う存分愛す事ができる。
僕はそのまま受け入れることにした。姉さんもそれは同じだろう。なら淫魔になるまで人間のままでする最後のセックスを楽しむとしよう。僕はまた腰を動かし始めた。




「んん」
「んっおはようリアン」
「おはよ〜リアンちゃん」
寝ぼけた目で自分の足の方を見るとそこにはヤツデさんと姉さんが僕の陰茎を胸ではさんでいた。姉さんとヤツデさんが胸を押し付け合い胸がつぶれるさまはすごく淫靡だ。
「おはよう姉さん、ヤツデさん」
もはやこれは日課だ。姉さんとヤツデさんは
こうやって僕を起こす。あのあと姉さんと僕は淫魔になり今やすっかりサキュバスの社会に溶け込んでいる。ただ残念なことに姉さんの口調は前に戻ってしまった。いやこれもいいんだけどあの時の口調ももう一回やってほしいな〜と思い姉さんに頼んでみたが姉さんにやるかバカと一蹴されてしまった。ただ顔を赤くしていたので照れくさいのだろう。
そういう可愛いところも大好きだ。あと姉さんはサキュバスにしては独占欲が強く僕を独り占めしようとするので他のサキュバスと問題になった。今は一応僕の精液を搾り取りそれを上げることで一旦収まっているがそのうちセックスを求められるだろう。ちなみにヤツデさんは特別だそうだ。
「ん?どうしたそんなにジロジロ見て」
そう思っていると無意識に姉さんの方を見ていたのかそう言われた。ちょっとからかってみよう
「いや、姉さんは今日も相変わらず美しいなあと」
「なっお前はいつもそうやって私をからかう」
「いいな〜メリアちゃんはそうやっていつもリアンちゃんの心を独占するんだから〜もっと私も見てよリアンちゃん」
「ごめんごめんヤツデさん」
「ふん私はリアン一筋だから当然だ」
「なによ〜私がリアンちゃん以外に浮気したみたいな言い方して」
「実際そうだろう?」
「まあまあ」
ヤツデさんと姉さんは基本的に仲がいいのだが僕のこととなるとよく喧嘩をする。
ちなみに姉さんが言っているのは植物が作ったものとはいえ精液を僕が来るまで摂取していたことを言っている。別に僕はそこまできにしていないのだが姉さんは僕以外の精液を
摂取したくなくて抵抗していたそうだから看過できないんだろう。姉さんは勘違いされがちだけど内面はすごく可愛いのだ。
「んっリアンのおちんちんはいつ舐めても美味しいな」
「あっずる〜い私も舐める〜」
そう言って二人に僕のおちんちんをなめられる。人間だった頃はおっぱいに埋もれてしまう大きさだったおちんちんがインキュバスに
なってから大きくなり、おっぱいから少しはみ出るようになった。その先っぽがなめられてすごく気持ちがよくカウパーが出てきた。
「んんっれろれろちゅぱちゅぱちゅぱ」
という淫靡な音が鳴り響く。二人からなめられて僕はもう限界が近づいてきた。
「んっ出るよ姉さんヤツデさん」
「んぷはぁ」
「きゃっ」
二人は僕が精液を出すと可愛い声を上げた。
「んんいつ飲んでも美味しいわ〜リアンちゃんの精液。もうこのサキュバスたらし〜」
そうヤツデさんは僕をおちょくる。ちなみにドーニャさんは僕の精液の味を再現できるように植物の研究を進めている。どうやら僕の精液はサキュバスたちの好みらしい。人間だった頃も女の子たちに言い寄られていたなあ。
今度一回姉さんにそのことを話してみて嫉妬してもらおうかな。
「リアン、お前今変なこと考えてなかったか」
さすが姉さんこういうことには鋭い。
「いや姉さんの腹筋って魅力的だなあ思ってただけだよ」
「なっ腹筋ってそんなところ見て魅力的ってお前ってやつは〜」
姉さんは慌ててそう返す。こういう慌てっぷりは見ていて面白い。ヤツデさんがいつも姉さんをからかっていた理由がわかった気がする。ちなみにあのあと姉さんは体が訛ったからと言ってトレーニングをしたおかげでお腹が少し割れている。前に少し触ったが手を押し返す感触はなかなか良かった。
「リアンちゃんったら誰に似たのかしらね〜
私分からないわあ」
そう棒読みでヤツデさんが言った。
姉さんはぎらりとヤツデさんを睨んだあと、
抵抗しても無駄だと思ったのかそのまま視線をこっちに向けてきた。
「それはそうとこれで終わりではないだろう?
絶倫のお前のことだ。まだ続きがしたいだろう」
姉さんはそう言うと僕の顔に自分の顔を近づけてきて軽くキスをした。
「うん、してほしいなあ」
「あっずる〜い」
「こういうのは早い者勝ちんっだ。」
姉さんは腰をおろし、僕の勃起したそれを自分の蜜壷に入れた。姉さんの膣は僕のものをぎゅっと離すまいと抱きついてくる。
なんというか姉さんは本当に一途で純情だ。
姉さんは腰を上下に振り僕に快楽を与えてくる。愛液で濡れて僕のペニスが光っているのがいやらしい。
「ずる〜い。じゃあ私はこうするわ」
「ひゃん」
そう言ってヤツデさんは結合部を舐め始めた。
姉さんの蜜壷の感触とヤツデさんの舌の感触がたまらない。そろそろ射精しそうだ。
僕は姉さんに抱きつき姉さんの胸や肌の感触を楽しむ。
「姉さん、そろそろ出そうだ」
「んんっ、リアン」
お互い激しく動きあい快楽の渦に巻き込もうとする。姉さんの膣が一層キツく締まりそして僕は
「姉さんっっ」
「ああああっリアンん」
白い濁流を姉さんの膣に注ぎ込んだ。
「はぁはあ」
姉さんと僕はお互い息を荒くした。姉さんも言ったのか膣が痙攣しているのがよく分かる。
そのたびに僕の肉棒がしめられ心地が良い。
「あ〜いいなリアンちゃんの精液膣に出してもらって」
そう言いながらヤツデさんは結合部から溢れでた精液と愛液を混ざったものを舐める。
前々から思っていたんだけどこの人レズの気があるんじゃないだろうか。人間の時は僕を
性的対象として見ていたらしい。それも僕がまだ小さい時だ。それを聞かされた時にショタコンじゃないかと言ったが、好きだった人がたまたま小さかっただけと返された。ヤツデさんの内面は結構恐ろしい気がする。
「それじゃあ次は私ね〜」
「駄目だ。リアンは私のものなんだ」
「ずる〜い独り占めはだめだよ〜」
また姉さんとヤツデさんが喧嘩し始めた。
二人の愛している女性から求められる毎日。
幸せだ。インキュバスになってよかったと思う。僕はこの幸せな日々を守っていく。これまでもこれからも・・・



12/05/20 08:21更新 / エルダーヤング

■作者メッセージ
魔物娘ものを初投稿です。まだ拙いところが目立つと思いますが、よろしければ
お読みください。また誤字・脱字やその他おかしな所があれば指摘していただけると幸いです

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