どくっ　どくっ　どくん...

いつもより、少しだけ、ほんの少しだけ
心臓の音が早く聞こえる、
悪いことがあったんじゃない、いつも通りデスクに向かって
仕事をしている、むしろその逆だ、

喜び、感動、嬉しさ、

胸がいっぱいになっている、




朝、詳しいことを部長に話した、
...あの人、満面の笑みになって..俺の肩を揺さぶって、
「やったなあ！やったなあ！！」って、
あの人のあんな顔を見たのは初めてだった、
しかも、会社のみんなに言いふらすもんだから、
ワーワー騒いでしまって..３０分ほど業務停止してしまった、
「電話があったらいつでもすぐ飛んで行っていいよ！」
「よかったら車で送ってやろうか？」
なんだか特別待遇を受けているみたいで..
事務所のおばちゃんなんか涙を流して
「よかったねえ..大切にしなさいよお...」




ああ、大切にするさ、


当たり前だろ













俺と　道子の赤ん坊なんだから












長い冬も少しずつ終わりを迎え、


肌寒さが少し和らいできた頃



いつもの夜、淫行に励む俺と道子、
道子の膣は、俺の竿に、亀頭にねっとりと絡みついてきて....

「いっ...！！ああっ　はああっ！！みっ　ちこおっ////」

「ひあああっ！！///あちゅいいっ！///おちんぽおっ！///」

にゅるんっ　くちゅ　ぐにいっ　こりこりっ

「やあっ！？　ひぐうっ...　ああああんっ！！！//////////」

「えへああっ///どうですかあ！///お尻こりこりされるのおお///」

「いっああ..きもひいいいっ！！////もっとしてえみちこおおっ！！///」

「じゃあ..あん////もっとつよくしちゃいまあっす!!////」

ぐちゅうんっ　ごりごりっ

「ひいんっ！！///あぐ...っああ！/// 　みちこおっでひゃうう！！////」

「はいいっ！///きてえっ！！///こうひゅけひゃふうんっ！！！///」

「あぐっ　！！　っああああああああああああん！！！///」

どびゅうっ　びゅくっ　びゅるるるうっーーーー

「ああっ！！！////あああああーーーーーー.....」


「はあ　はあっ　ああ....」
力なく布団に寝転ぶ俺、そんな俺にしがみつく道子



射精後の気だるさに包まれていた、















そんな時、道子が、





がばっ　ぐぐっ　　　ぐ


「っくうっ！！！っつ　うう....」
突然うずくまり、呻きだした、
かなり焦った、
なんせ道子は魔物、病気にでもなれば、手の施しようがない、
慌てて声をかけた、
「おい！！？　道子？　大丈夫か！？」

でも、道子は笑っていた、とても晴れやかな笑顔、

「こ　こうすけさあん...♪　きたあああ♪」
「え？　何が！？　ちょっとみち」
「あかちゃあん！♪　あっ　あああっ♪」

　　　え？？

「.....や.......っっったああああーーーーーー！！！！！！！！！！」
暗い部屋で思わず叫んでしまった、
胸がはち切れそうな程躍動した　やった！！　やった！



でも、すぐに少しの疑問と不安が湧いた、

「...どうやって　生まれてくるんだ？？」
思わず道子に聞いてしまった
だってそうだろう、魔物と人間は全く違う、
出産のときはどうやって出てくるんだろう　謎である、
「私は..分裂して生まれるんですよお♪」

あ、そうなのか..ってマジかよ！！

ならば次の質問、いつ生まれる？
「えーっと...半日後位でしょうか..」

はっや！！　現時刻、深夜1時、

「な、なら生まれそうだったら電話してくれ！」

「はああーい♪」



まだ喜色満面の愛妻を抱きしめ、


そっと愛の言葉を紡いで、眠りにおちた....














来るか、もうすぐ昼の２時を回る、、





はっ　はっ　はっ　　　　手が震える、












息が、、はやく　な


とぅるるるるるるるる！！！！



きたあっ！！　受話器を千切れそうな勢いで取る、

会社のみんなが一斉にこっちを向く　

「もしもし道子！！？」


「っああああああああんんん！！♪らんらひゃはああ！」


「生まれそうか！？　どうなんだ！！？」


「ひいっああああ！！　はいいいい！！♪」


「まってろっ！！！」


がちゃあんっ！！


一気に会社の玄関に向けて突っ走る、

同僚が扉を開けてくれる　ありがとう！！！

自転車にまたがり　　前進全速！！！！！！！！！！


「うおおおおああーーーーーっ！！！！」


がちっ!　　しゃああああーーーー....


いつも見ている青く　広い空が、

流れる雲たちが、そびえる山脈が、

俺たちのためにあるんだ！　俺たちの　新しい命を待っている！！


そんな風に思える程、俺は　至福感に満たされていた、










「はあっ　はっ　　はあっ」


がちゃっ　どがっつ！！



玄関のドアを開けて、部屋に転がり込む、


「みっちこおお！　」


俺の目に飛び込んできたのは、道子と...



道子の体から、もうすぐ完全に離れようとしている






小さな　小さな　　女の子





俺と、　道子の　　新しい　　　いのち






そっと道子の隣に座り込み、その子の顔を撫でてやる、




「だんな....さまあ..........」






道子が　涙を流しながら抱きついてくる、



出会った時とは違う、温かい　　温もりを帯びた体、



そうっと　道子の頭を撫でて、ひとつ　歌を歌った、






男の子が　夢を見るよ　始発待ちの　駅のホーム

すり減らした　靴と声で　宝探し　みたいに歩くよ

ねえ　いつも　何かが足りないまま

もう　ずっと　時間は止まったまま

今　僕を歩かせた　いつも言えなかった　「サンキュー」

誰かのために願い　走ることで　少しずつ優しくなった声

道に迷うこともあるけど　つながっていたいんだ

誰かのために願い　走る人に　誰かのために願い　生きる人に

すり減らした　靴の分だけ　消えない名前を

泣きたいときに　泣ける強さが

どこかでかならず　僕らを守り続ける



















「...なあ　道子」


「...はい」


「...いままでありがとう」


「...えっ...？」


「これからも　宜しく　な」


「！　....はい！！」





いつも変わらない　いつまでも変わらない

そういうものを　守っていこう





　　　　　　　　　「人相人情」　　　おしまい

■作者メッセージ
こんにちは　酢飯です

(....ふひいー...)
え！？　あ　いや、ため息なんかついてません！！
と　いうことで「人相人情」
これにて完結でございます

挿入歌　
Ｇoing　Ｕnder　Ｇroud 「サンキュー」


それでは皆さん　お体にお気をつけて