連載小説
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終幕(真)
「「「お世話になりました!」」」
「いや、こちらこそ、楽しい時間を過ごさせてもらったよ。
 また、この町に来たときは、一人の友人としてまた一緒に飲もう。」

降臨祭、最終日の翌日。
帝都へ出発するというソフィアさんを見送りに、俺達三人が町の端まで来ていた。その三人というのは、俺とイルファ、そしてドッペルである。
ノイシェはあまりにも気持よさそうに眠っていたのでおいてきた。
もっとも、帰ったら、なぜ起こしてくれなかったのか、と文句を言われるされるのだろうが。
ちなみに、レイノルズおじさんは日が開けると共にシュトレンゼハイム城に襲撃に行った。イヴールがどうなったのかは、知る由もない。

「ちょっと、この三人で話したいことがあるんですが、いいですか…?」

急にドッペルがそう切り出した。
非常に真剣そうな顔をしていて、無下に断るわけにもいかない。いかないのだが…

「いや、それは構わないがな。だが、どこも開いてる店なんて無いぞ?うちに帰ったらノイシェがいて、それどころじゃないし。」
「ええ。解ってます。」
「じゃあどうするつもりなんだよ。」
「あぁ、なるほど。ドッペルさんが何を考えてるか、わかったわ。」
「俺一人だけ頭が悪いみたいじゃないか。
 で、なんなんだよ。」
「つまり、うちにいけばいいじゃない。そういう事よね、ドッペルさん?」

確かに、今はローゼンベルトの家には誰もいないが…

「その通りです、イルファさん。もし、ノイシェにバレたとしても、着替えを取りに行っていた、と言いわけが出来ますし。」

実に簡潔、かつ理にかなった理由である。
そうまで言われては従わざるをえない。

「あぁ。わかったよ。
 だが、イルファはいいのか?」
「ええ。なんだか深刻そうな表情だし、ね。」

そしてしばし、ソフィアさんの容姿とか、あの狐面の裏の素顔なんかについて差し障りの無い話題を話しているうちに、
ローゼンベルトの家に、ついたのだった。

「あー…じゃあ二人は、着替えを用意してもらえるか?
 その間に、お茶でもいれておくから。」
「…そう、ね。そうしましょうか。
 私も着替えたいし。あ、もちろん覗いたら怒るわよ?」

目が笑ってない笑顔。怖すぎる。
シュトレンゼハイム城でドッペルに対しても思ったが、やっぱり怒らせないほうがいいようだ。

湯を沸かし、カップとポットを温め、茶葉を入れ、沸騰したてのお湯を入れる。
やり慣れた単純作業。
ただ、イルファの家で行うのは久しぶりだった。
もう何ヶ月前だろうか。
最後にこの家でお茶を御馳走になったときはイルファがいれてくれていた気がする。
…と、ちょうどお茶を入れ終わるとほぼ同時に、女性陣二人が戻ってきた。

「あ、ちゃんと私が教えたとおりにいれてくれてるんだ。」
「当然だ。俺は、これ以外にうまいお茶の入れ方を知らないからな。
 …で、ドッペル。話、ってなんだ?」

皆で席につき、お茶を飲んで一息つく。
そしてドッペルが、おずおずと話し始めた。

「それは…私の、特殊能力に、関するものです。」
「特殊能力…?」
「ええ。最初に、ルベルには聞いたわよね。
 イルファがどうなっても、愛せるか、って。」
「ああ。聞かれたな。」
「そのこととか、レイノルズおじさんに聞かれた治癒能力とかに関することなんだけど。」

そういえばあの時、回復魔術じゃなくって特殊能力で治療した、みたいなことを言ってたっけ。

「その能力、っていうのは、私とイルファさんを同じものにする能力、なんです。」
「…?すでに、ほとんど同じじゃないか。
 だからこそのドッペルゲンガーじゃないのか?」

そうなはずだ。
イルファに、俺に理想がいくらか上乗せされているだけで、ほぼ完全に、イルファなはずだ。
…もっとも、俺の中でのイルファと、現実の彼女とのギャップがそれほど大きくなければ、の話だが。

「ルベル?今なにか失礼なこと、考えなかったかしら?」

再びの笑ってない笑顔。
イルファさん、目が座ってるんですが。

「そ…そんなことは、ないぞ。」
「分かりやすい嘘ね。何年幼馴染をやっていると思ってるのかしら。
 まぁ、そんなどうでもいいことはおいておいて、どういう事なの、ドッペルさん?」
「逆…なのよ。」
「逆?」
「ええ。私が、イルファさんに近づくのではなくて、イルファさんを私に近づける。
 最終的には、イルファさんもドッペルゲンガーになってしまう…そんな、能力なの。」
「なんてこった…じゃああの、魔力線で繋がってる、とか言ってたのは?」
「それも本当よ。
 私とイルファさんはとても強い魔力で結びついているわ。
 そして、そこから流れる魔力でまずは外見…受けていた傷が修復された、というわけ。
 だから今度は…」
「内面、性格やら、種族やらが変貌する…ってことか。」
「ええ。そういうこと。だから、私は…
 イルファさんが決定的に変わってしまう前に、この町を去ろうと思うわ。」
「なっ…!」

当然といえば、当然の選択。
だが俺は、それを受け入れることは、出来るはずもなかった。

「なんでだよ!何も、お前が去らなくたっていいだろう!
 その…魔力線、だっけ?それを切るとか何とかして、いられるようには出来ないのかよ!」
「無理よ。
 イルファさんと、ルベルの恋仲が破局しない限りは。
 …それにね、ルベル。あなたとあっていた私は、私じゃない。
 イルファさんを模しただけの紛い物。だから…」
「そんな…そんな、悲しいこというなよ。
 イルファ…イルファは、どう思うんだ?」
「そうね…私をドッペルゲンガーにしたくないなら、妥当…というか、唯一の選択肢に思えるわね。
 でも、私はなっても構わないわよ?相手の理想の姿になれる。素晴らしいことじゃない。」
「勝手なこと言わないで!
 あなたは、なったことがないからわからないのよ!」
「ええ、そうね。わからないわ。
 なにか辛いことでもあるのかしら?」
「辛いこと!?それはあるに決まってるじゃない!
 私たちは…私たちは……!」

涙を零すドッペル。
なぜ、あそこまで言えるのだろう。
俺でさえわかるような悲しいあり方。
それをイルファが気づかないはずはないのに。


「なぁ、イルファ、そのへんで…」
「ルベルは黙ってて。
 甘ったれないで。いい?全く辛くない行き方なんて無いの。
 人間だって、皆いろんな辛さを抱えて生きている。
 それにね、ドッペルさん。そんなに辛くて、苦しくて。だったらどうして生きているのかしら?」
「え…?」
「たとえどんなに今が辛くても、苦しくても、今日を生きて、明日へと向かう。その理由は、何?」
「それは…」
「私には、わかる気がするわ。
 本当は、しあわせになりたいんでしょう?
 心から愛せる男の人と出会って、穏やかな日々を過ごし、そしてともに死ぬ。
 そんな女の子ならほとんどが夢見る幸せの形。それを、求めているんじゃないの…?」
「…そのとおり…です。…でも、私には…ここで、幸せになる権利なんて…」
「幸せになる権利?どういう事かしら、それ。」
「ですから、その、私のせいで、イルファさんが…」
「あぁ、そういうことね。
 そういえばずっと、私のせいで…って言ってたわね。
 そんな無駄な罪悪感なんて、捨てちゃいなさい。これはルベル、あなたにも言っているのよ?」
「気づいていたのか…」
「当然よ。さっきも言ったけれど、何年幼馴染をやっていると思ってるのかしら?
 それにほら、終わりよければ全てよし、って言うじゃない。結果として、ドッペルさんのおかげで傷は治ったんだし、ノイシェも返ってこれたんだから気にしないの。
 それでも罪悪感を背負いたい、って言うなら、そうね…その分、私のことを幸せにしてもらおうかしら?」

…やっぱり、イルファには敵わない。
俺が罪悪感を捨てられないことまで見抜いた上で、赦してくれるのだ。

「いい、ドッペルさん。あなたには幸せになる権利は十分あるわ。
 ルベルを完全にあげるのはさすがに駄目だけど…そうね。共有する、くらいなら構わないわよ?」
「イルファさん……そういう事なら…そうですね。ちょっと、二人っきりで話させてもらってもいいですか?」
「ええ。いいわよ。そういう事だからルベル、ちょっと外に出ていてもらえるかしら?」

逆らえるはずもない。
それに、一番の被害者であるはずのイルファにこんなにも気遣われてしまったことが恥ずかしくて、顔をちょっと、顔を合わせづらかったからちょうどいい。

家の外に出て、朝の清々しい空気をいっぱいに吸って、気分を改める。
ふと町を眺めると、降臨祭直後の町は、未だ完全に覚醒してはいないようで、いつものこの時間に比べるとずいぶんとのんびりとしたものだ。

すると程なくして、ドアが開かれ、結論が告げられた。
イルファによって告げられた結論は実に簡素なもので、あと一週間だけ、ドッペルはこの町に滞在し、その期間で自身の【幸せの形】を見つけられなかったら去る、というものだった。
俺はもちろん抗議したのだが、二人の中では完全に固まってしまっているらしく、取り付く島もなかった。

その日からの一週間は特にこれといったこともなく過ぎ去ってしまった。
ただ、ノイシェがちゃんといることと、毎日のように夕飯をイルファの家で、四人で食べるようになったこと以外は、降臨祭以前と変わらない日常。
ドッペルのために何かをしなくては、という焦燥感に苛まれつつも、何をすればいいのかすらわからないもどかしさ。
そんなモノに苦しんでいる間に、あっという間に滞在最終日の夜を、迎えてしまったのだった。

やけに早い夕飯をイルファの家で食べた後、いつもと同じようにドッペルと家に帰ってきたのだが、様子がおかしい。
帰ってきてからという物、貸している部屋に閉じこもったきり、出てこないのだ。
やはり、去るのは辛いのだろう。何とかしてやれないものだろうか…と悩んでいると、自室のドアが、叩かれた。
間違いなく、ドッペルだろう。そして、今日のこの時間にくる要件なんて決まっている。

「ああ、開いてるから、入ってくれて構わないよ。」

開かれるドア。
そして…………誰?

そこには、不安そうな顔をした一人の少女が立っていた。

「えー…っと…君は、誰?」
「わ、私、は、ドッペル…です。」

そう名乗る少女。
はて、さっきまではイルファの姿だったはずだが…まさか、

「いやいやいや。まてまてまて。
 たしかにとんでもなくかわいい姿だとは思う。だが、俺の理想はそこまで急な変革を起こしちゃいないと思うぞ?
 第一アレだ。そんな姿、これまで思い描いたこともな…」
「こ、これが! これが、私の本当の姿、なんです」
「だからきっと何かのまちが…って、今、なんて言った?ほんとうの、姿?」
「はい。その…今日みたいな、月のない夜は、魔力を失って、ほんとうの姿になっちゃうんです。」

…なるほど。
ちょっと安心した。こんな姿のドッペルをイルファに見られた日にはどうなるか。想像するだけで恐ろしい。
それはそうと、

「なんだ、可愛いじゃないか、ほんとうの姿。」
「え…?本当……ですか?」
「ああ、嘘偽り全くない、正真正銘の本音だ。
 うん、そうだな。イルファに出会ってなかったら、ぜひとも彼氏にして欲しいくらいだ。」
「まぁ、そのことは夜が開ければはっきりしますから、いいんですが…その、ルベルさん、お願いが、あるんですが。」
「ん?なんだい?
 やっぱり、もう少しこの町にいたくなった、とか?」
「いえ、そうじゃ、無いです。
 ただ…その…もし、ルベルさんさえよければ、私を…その…抱いて、もらえないでしょうか?」
「抱いて、って…その、ハグの方で?」
「いえ、セックスの方で、お願いしたいんですけど。」

何ということだ。
若干潤んだ目で上目遣いなんかで見られたらもう。それだけで、あの晩以来一回も出していない息子がいきり立つというか、実に抗いがたい誘いというか。
だけど…

「あー…申し訳ないんだが、駄目だ。
 一回目は、やっぱりイルファとするべきかな、って…」

そう。
あの幼馴染様を裏切ることは、できない。
だが、そんな最後の防波堤を目の前の少女は意図も簡単に破ってくれたのだった。

「あ、イルファさんからは、許可を、いただいてます。
 なんでも、【その分幸せにしてくれるなら構わない】だそうで。」

またそのフレーズか。万能選手だな、おい。
だが…まぁ、そこまで言われてしまってるんなら、彼女の懇願と、自分の欲求に従わざるをえない。
というか、ここまで言われてなにもしないなんて、二人に対して失礼だ。

「…わかったよ。俺でいいなら、喜んで、相手をさせてもらおう。」
「はい!」

そう言って、ベットの上へと飛び乗るドッペル。

「じゃあ…まずは、キス、してくれる…?」

正直、卑怯だと思う。
思うので、ここからはなんとか主導権をとってやろうと思う。

ちゅ…

まずは一回。ソフトなキス。

ん…ちゅ…くちゅ…
「!?」

二回目。今度は、舌を入れるディープなキス。
いきなりの舌の侵入に驚いたようで、ビクっとするドッペル。可愛い。

「ちゅ…ぷはぁ…もう、酷いじゃないですか、いきなり入れるなんて。」

すねて見せるドッペル。だが、そんな態度はもう、俺の気持ちを、行動を、加速させるだけのものに過ぎなかった。

「え、ルベルさん…ちょ、待って、まだ、下は…!」

ドッペルの意見を無視して、押し倒す。
そして、スラリとした太ももの間に顔を潜り込ませ、彼女の秘所を舌でなめる。

「んっ…ん…んあ…っ」

ちょっと舐めるだけで敏感に反応してくれるドッペル。
俺も、最初は適当に、ただ漫然となめているだけだったが、徐々にコツや、ドッペルの感じ易い箇所をつかみ、そこを重点的に攻めるようにする。

「あ…ふぁあっ!?
 いや…もう…もう、やめて、ください…」

割と真剣そうな訴え。
つい調子に乗りすぎてしまったかと不安に思い、尋ねてみる。

「あ…悪い。ちょっと強くしすぎたか?それとも、気持ちよくなかったか?」
「いえ…えっと、そういうわけじゃなくて…その、私だけ先にイッちゃいそうで、嫌だった、というか。せっかくなら、ルベルさんの…その、おちんちんをいれて、ほしいなぁ、と思って…」
「わかった。ただ、激しくなっちゃうかもしれないが…大丈夫か?」
「はい。大丈夫…だと、思います。
 だから…おちんちん、ください。私、もう…」

頬を赤らめて回答するドッペル。
俺に残された最後の理性が崩れる。
ああもう!可愛いんだから!

体制を変え、一気に突き立てる。
何かを破ってしまったような気もするが、もう気に掛ける余裕もない。
ただひたすら、猿のように腰を振り続ける。

「や、そんな、急に激し…っ
 もう、私…私…っ!」
「あぁ。俺も、もう限界だ。だから…一緒に…!」
「あ、ん、あぁ、もう、もう…ダメ…あぁー!」

結局。
あの後、二回。合計すると、三回もいたしてしまった。
終わったあとは、二人でそのまま一緒に眠り、朝を、迎えた。
何の変哲もないように見える朝。
ドッペルとの別れとなる朝。
このあとどうするのか、という問をドッペルにしよう、と思って彼女を見た瞬間、驚いた。
昨夜の少女の姿のままだったのだ。

「…あれ?ドッペル?」
「はい?どうしました?」
「いや、月のない夜だから、一時的に本来の姿だったんじゃないのか?」
「え?あ、ほんとだ!この姿のまま、いられたんですね…良かった…」
「一人感動しているところ悪いが、どんな事情なのか説明してもらえるか?」
「…あ、はい。えっと、そのことなんですが、実は私、イルファさんにだけ、話したことがあるんです。」
「ほう。」
「つまり…ですね。私の本当の姿を見せて、その…もしも、男の方が本当の私を真に、愛してくださったら。私たちは変身能力を失うんです。」

なんと恥ずかしい設定。
だけど、その能力が失われた、ってことは…

「ってことは、イルファとの同一化現象は!?もう、起こらない、ってことか!?」
「えぇ、そのとおりです。
 そしてこれが、イルファさんと話した私の幸せの形、です。私は自信がなかったんですけどね。イルファさんは大丈夫、って言ってくださって。
 こんな私ですけど、それでも、一緒にいてもらえますか…?」

…そう、なのか。
相手の理想を映し出すドッペルゲンガーが、本当の姿で愛してもらえたなら。
それは確かに、幸せの形と言えるのかもしれない。

「あぁ、当然だ。俺は、お前のことも愛してしまったんだからな。」
「ありがとうございます!
 それでは…その、改めて、宜しくお願いしますね、ルベルさん。」
「こちらこそ、よろしく頼む。
 えー…と、そうだな。今度こそ、仮の名前じゃなくてちゃんとした名前で読んでやらないとな。本当の名前は、あるのか?」
「…いいえ。ありません。あったとしても、忘れてしまったんだと、思います…」
「なるほどな。だったら、俺がつけてやろう。
 だが…うーん…どうするべきかなぁ。」

なんと。この年にして名付け親になるなんて。
そうだなぁ…

「…アウラ、なんてのはどうだ?」
「アウラ…ですか?」
「あぁ。さして深い意図があるわけじゃないんだがな。
 お前を見ていたら、なんとなく。こんな感じの名前がいいんじゃないかな、と思って。
 だが…うん。やっぱりちゃんと付けたほうがいいよな。うん、そうだ。
 そうなったら、イルファと、レイノルズおじさんに相談しないと…」
「いえ、私、その名前でいいです。いえ、その名前がいいです。」
「そう…か?無理は、しなくていいんだぞ?」
「してません!
 ただ、ルベルさんが真剣に考えてくれた名前なので…」

なんともまぁ、嬉しいことを言ってくれる。

「…そっか。じゃあ今日から、お前はアウラ。アウラ・カドゥームだ。」
「はい!
 ……て、えぇ!?結婚、するんですか?そんな、いきなり…」
「いや、そうじゃなくって。
 ほら、姓もないだろ?だから、」
「アウラ・カドゥーム…ねぇ?
 ずいぶんと楽しい夜を過ごしたようねぇ。ルベル。」
「ルベルお兄ちゃん…その女の人、誰?返事によっては…」
「えっ?」

悪寒が走る。
この聴きなれたようでいて、かつて聞いたことがないほどの温度をしている声は…

二人の悪魔が、部屋の入口に仁王立ちしていた。

「ええっと、ノイシェ?この人は、こんな姿だが実はドッペルで、その、なんというか、色々あって姿が変わった、というか。
 って言うかイルファ!お前はドッペルに許可だしたんじゃなかったのか!」
「だからといって、朝まで同衾した上に、結婚を誘っていい理由にはならないのよ。わかるかしら?」
「いや、その、別に結婚の申請をしていたわけではないというか…
 わ、わかった!俺が悪かった!だから、落ち着け。クールになるんだ。そして話し合いでの解決を…!?」

…どうやら、ずいぶんと賑やかな日常が待ち受けているようだ。

「あら、明後日のほうを見るなんて、ずいぶん余裕があるのね、ルベル?」

………とりあえず、この彼女様とその妹君を何とかして落ち着かせないことには、その日常を享受することも出来なそうだった。
11/04/26 02:00更新 / 榊の樹
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■作者メッセージ
かくして、物語は幕を下ろす。

偽物だった魔物に、本物の居場所が見つかったことによって。

彼らはこのあと、いくつものことに悩み、それを乗り越えて生きて行くのだろう。

だがそれは、ここで語られるべき事柄ではない。

だからここでは。この魔法の言葉を持って締めくくりとしよう。

「彼らは末永く、幸せに暮らしましたとさ。」



ポポポポー…ゲフンゲフン。
ってなわけで、初SS、投稿完了です!
ここまで読んでくださった皆様、本当にありがとうございます!
感想等いただけますとほんとうに嬉しいです。

えーっと、なんといますか、正直、出来としましては不満点が残る結果になってしまいました。
処女作だからー、と言い訳をするつもりは無いのですが、構成が甘いとか、説明口調が多いとか、ご都合展開が多いだとか、エロがダメダメとか、冗長というか、くどいというか。
とにかく、めんどくさい文になってしまった気がします。
おまけに、切る場所を間違えてしまったのか最後だけ妙に長いですし。
サブタイトルとか、メッセージ欄を考えすぎた結果、空回してこうなっちゃった、って言うのもあるんですけどね!
なんとか気づける限りは次のSSや、そのまた次のSSなどで、随時直していこうとは思うのですが…

ではまた、次のSSでお会いできたら、お会いしましょう。

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