俺得物語フィフス
それは、満月の綺麗な夜の事だった
「あぁ〜…どーしよ」
今の時刻、午前2時付近
ケータイの電池も切れ、挙句―――
「方角はあってると思ったんだが…」
俺は道に迷っていた
・・・
事の始まりは、よくある話だ
知人の家に行って、帰り道をなんとなくで進んだ
結果、どことも知らない住宅地にでてしまい、迷っている
「笑えねー…」
などと言いながら、実際は乾いた笑いが先程から絶えず出ている
まぁ、今晩は月も綺麗だし、幸いにも明日が仕事とかそういう事もない
が、ただでさえ生活リズムが崩れているのだからそろそろ改善したいと思っている
そんな事を考えながら自転車を漕いでいると、ふと、小さな公園が見えてきた
ブランコとか、滑り台とか懐かしい物を見ていると、奥の方に人影が見えた
こんな時間に人が居ることに、普通なら不審がるのだが―――
生憎、最早深夜テンションの俺には、そんな事気にならなかった
・・・
そこにいたのは、若い女性だった
顔が俯いていて、おきているのか寝ているのかは解らない
だが、その服装から、かなりの色気は出ていた
スラっと伸びた足、くびれた腰、大きすぎず形のいい胸―――
正直、かなり問題があると思う
まず、深夜にこんなところで無防備にしていたら間違いなく襲われるだろう
次に、まだそこまで冷えてない夜だとしても、この薄着は風邪を引きかねない
以上のことから、俺は声を掛けておこうと思った
「あの、大丈夫ですか?」
声を掛けるが、返事はない
「あの…」
「…へ?」
頭が上にあがり、顔が見えた
―――そこには、綺麗とも可愛いともとれる、美人がいた
「こ、ここだと風邪引きますよ?」
つい、裏返った声で話した感じになったが仕方ない
イメージしてほしい
目の前に、絶世の美女もしくはアイドル級に可愛い人が居るのだ
驚きもするだろう
「…心配してくれてありがとう」
声も透き通っていて、綺麗だと思う
「けど、見ず知らずの人に心配される筋合いないから」
が、かなりツッケンしてるようだ
「…そう、ですね」
「なに?なんか用でもあったの?」
…なんでいちいち人の神経逆なでするような言い方をするのだろうか
「いや、ここでいたら危険だなぁとおもt「別に関係ないでしょ?」
人が喋ってるのを遮り、更には勝手にイライラオーラを振りまくこの女性は、一体何なんだろう
…と、考えているが、実際眠っていたのを起こされて不快なのだろう
そう思うようにして、俺は言った
「そうでしたね。…安眠の邪魔したみたいですみません。…では」
少し懐かしい雰囲気を味わいたかったが仕方ない
そう思って帰ろうとした時―――
「誰も、そんな事言ってない」
後ろから声を掛けられた
「別に迷惑とか言ってない」
あれだけ態度で不快感を出しておいて、何を言ってるのだろうか
そう思いながらも、自分の明日の朝の事を思い、帰ろうとするが―――
「女の子を置いて帰るんだ」
後ろから、半分近く脅迫なのか良く解らない言葉を掛けられる
「…あのさ、どうしたいの?」
流石の俺もかなりイライラしながら返す
「さっきからやたら態度悪く返してきて、今度はなに?…俺帰って寝たいんだけど」
言いながら振り返って、俺は目を疑った
先程の女性から―――
「ん?どうしたの?」
角と、羽と、尻尾が生えていたのだから
・・・
「サキュバス…」
「そ、人外なの」
目の前にいたのは、実はサキュバスでした
なんて、今日日はやらない事が目の前で起きていた
「しっかし…貴方何者?」
怪訝そうに見ながら、彼女は言う
「私、一応抑えてるとはいえ、魅了の魔法掛かってると思うんだけど…貴方ホモ?」
「ちげーよ。あんだけ態度悪けりゃ魅了も解けるよ」
そう返すと、目をパチクリしながら、彼女は笑って言う
「そんな優しいもんじゃないよ!…魅了の魔法はね、相手を骨抜きにしちゃうんだから」
その笑い顔は、確かに可愛い
が、元の性格がわかった以上、それ以外には浮かばない
「…そのお陰で、嫌なこともあるんだけど、さ」
その言葉の瞬間、表情が一気に暗くなる
「…まぁ、男の精がないと生きてけないから仕方ないんだけど、さ…」
「…それ、俺に言って解決するかい?」
「愚痴くらい聞いてよ。…お礼に口でしてあげるから」
無理矢理笑う彼女を見て、俺はいってしまった
「無理して、嫌々する位なら、してほしくない。俺だってボランティアで出来ることと出来ないことがある」
口から出てくるのは、昔から思っていた理想
「そっちは命関わってるから、仕方なくかもだけど、こっちは嫌々している女の子見てまで欲情できねーよ。AV見てるわけじゃないし」
「…そっか」
と、彼女から偽りの笑みが消えて―――
「なら、さ」
本当の笑顔が―――
「もし、私が貴方を好いたら、してくれる?」
戻った気がした
「…その笑顔は反則です」
「貴方用だからね」
笑いながら、腕を絡ませてきて、言う
「それじゃ、帰りましょっか」
「…ついてくる気?」
俺はつい嫌そうに聞いてしまう
「…毎朝ご飯作ってあげるのと、エッチしてあげるから、ね?」
そういう可愛らしい笑顔の彼女に、俺は負けた
「なら、お願いするよ」
「ん、わかった」
嬉しそうにする彼女
彼女を乗せて、俺は自転車を漕ぐ
さて、家に帰ろうか
「あぁ〜…どーしよ」
今の時刻、午前2時付近
ケータイの電池も切れ、挙句―――
「方角はあってると思ったんだが…」
俺は道に迷っていた
・・・
事の始まりは、よくある話だ
知人の家に行って、帰り道をなんとなくで進んだ
結果、どことも知らない住宅地にでてしまい、迷っている
「笑えねー…」
などと言いながら、実際は乾いた笑いが先程から絶えず出ている
まぁ、今晩は月も綺麗だし、幸いにも明日が仕事とかそういう事もない
が、ただでさえ生活リズムが崩れているのだからそろそろ改善したいと思っている
そんな事を考えながら自転車を漕いでいると、ふと、小さな公園が見えてきた
ブランコとか、滑り台とか懐かしい物を見ていると、奥の方に人影が見えた
こんな時間に人が居ることに、普通なら不審がるのだが―――
生憎、最早深夜テンションの俺には、そんな事気にならなかった
・・・
そこにいたのは、若い女性だった
顔が俯いていて、おきているのか寝ているのかは解らない
だが、その服装から、かなりの色気は出ていた
スラっと伸びた足、くびれた腰、大きすぎず形のいい胸―――
正直、かなり問題があると思う
まず、深夜にこんなところで無防備にしていたら間違いなく襲われるだろう
次に、まだそこまで冷えてない夜だとしても、この薄着は風邪を引きかねない
以上のことから、俺は声を掛けておこうと思った
「あの、大丈夫ですか?」
声を掛けるが、返事はない
「あの…」
「…へ?」
頭が上にあがり、顔が見えた
―――そこには、綺麗とも可愛いともとれる、美人がいた
「こ、ここだと風邪引きますよ?」
つい、裏返った声で話した感じになったが仕方ない
イメージしてほしい
目の前に、絶世の美女もしくはアイドル級に可愛い人が居るのだ
驚きもするだろう
「…心配してくれてありがとう」
声も透き通っていて、綺麗だと思う
「けど、見ず知らずの人に心配される筋合いないから」
が、かなりツッケンしてるようだ
「…そう、ですね」
「なに?なんか用でもあったの?」
…なんでいちいち人の神経逆なでするような言い方をするのだろうか
「いや、ここでいたら危険だなぁとおもt「別に関係ないでしょ?」
人が喋ってるのを遮り、更には勝手にイライラオーラを振りまくこの女性は、一体何なんだろう
…と、考えているが、実際眠っていたのを起こされて不快なのだろう
そう思うようにして、俺は言った
「そうでしたね。…安眠の邪魔したみたいですみません。…では」
少し懐かしい雰囲気を味わいたかったが仕方ない
そう思って帰ろうとした時―――
「誰も、そんな事言ってない」
後ろから声を掛けられた
「別に迷惑とか言ってない」
あれだけ態度で不快感を出しておいて、何を言ってるのだろうか
そう思いながらも、自分の明日の朝の事を思い、帰ろうとするが―――
「女の子を置いて帰るんだ」
後ろから、半分近く脅迫なのか良く解らない言葉を掛けられる
「…あのさ、どうしたいの?」
流石の俺もかなりイライラしながら返す
「さっきからやたら態度悪く返してきて、今度はなに?…俺帰って寝たいんだけど」
言いながら振り返って、俺は目を疑った
先程の女性から―――
「ん?どうしたの?」
角と、羽と、尻尾が生えていたのだから
・・・
「サキュバス…」
「そ、人外なの」
目の前にいたのは、実はサキュバスでした
なんて、今日日はやらない事が目の前で起きていた
「しっかし…貴方何者?」
怪訝そうに見ながら、彼女は言う
「私、一応抑えてるとはいえ、魅了の魔法掛かってると思うんだけど…貴方ホモ?」
「ちげーよ。あんだけ態度悪けりゃ魅了も解けるよ」
そう返すと、目をパチクリしながら、彼女は笑って言う
「そんな優しいもんじゃないよ!…魅了の魔法はね、相手を骨抜きにしちゃうんだから」
その笑い顔は、確かに可愛い
が、元の性格がわかった以上、それ以外には浮かばない
「…そのお陰で、嫌なこともあるんだけど、さ」
その言葉の瞬間、表情が一気に暗くなる
「…まぁ、男の精がないと生きてけないから仕方ないんだけど、さ…」
「…それ、俺に言って解決するかい?」
「愚痴くらい聞いてよ。…お礼に口でしてあげるから」
無理矢理笑う彼女を見て、俺はいってしまった
「無理して、嫌々する位なら、してほしくない。俺だってボランティアで出来ることと出来ないことがある」
口から出てくるのは、昔から思っていた理想
「そっちは命関わってるから、仕方なくかもだけど、こっちは嫌々している女の子見てまで欲情できねーよ。AV見てるわけじゃないし」
「…そっか」
と、彼女から偽りの笑みが消えて―――
「なら、さ」
本当の笑顔が―――
「もし、私が貴方を好いたら、してくれる?」
戻った気がした
「…その笑顔は反則です」
「貴方用だからね」
笑いながら、腕を絡ませてきて、言う
「それじゃ、帰りましょっか」
「…ついてくる気?」
俺はつい嫌そうに聞いてしまう
「…毎朝ご飯作ってあげるのと、エッチしてあげるから、ね?」
そういう可愛らしい笑顔の彼女に、俺は負けた
「なら、お願いするよ」
「ん、わかった」
嬉しそうにする彼女
彼女を乗せて、俺は自転車を漕ぐ
さて、家に帰ろうか
11/10/31 14:35更新 / ネームレス