lovers
これは、ある恋人達の物語
〜〜〜
そこには、二人の男女が居た
「…」
「…」
片方は顔を赤らめ、片方は仏教面
なんとも両極端な二人である
「…なんでお前そんなに緊張してんの?」
「いやだって…恋人同士で始めてのクリスマスだし…」
だが、男性は溜息をつきながら言う
「っても、毎年一緒に過ごしてるんだから変に構えんなよ」
「で、でも…」
「お前が男の頃から毎年どっかかしらでクリスマスしてるんだからさ…」
「もう!わかってないなぁ!今年は恋人同士で!女の子としては始めてのクリスマスなんだよ!」
そう、女性は元男性…アルプという魔物娘なのだ
―――幼馴染である二人は、ある魔物の助けを借り、今の恋人同士の関係になった
それがお節介だったのか、感謝なのかは男性には未だにわからない
だが…
「そうは言っても、お前どこ行きたい?」
「…えっと、その…」
「ちなラブホとかは無理な、お前の両親やうちの両親に清いお付き合いって言ってる手前な」
「い、言わないよ!」
「…本音は?」
「…興味はあります」
その言葉に軽く溜息をつきながら、男性は言う
「まぁ、俺も興味はありますよ?でもお前が女になった時にせめて高校卒業まで待ちましょうって話になったでしょうが」
「あうちっ!」
男性は女性にチョップをする
「それ以外で行きたい…つかいける場所は?」
「…」
女性は悩みながらも、答えは出ているようなものだ
二人とも学生ゆえお金がない
その為、どこかに旅行にいく事なども難しいのである
「そうなると、毎年恒例の俺の部屋かお前の部屋でのフライドチキン買ってきてゲームやる流れにかカラオケかになる訳ですよ」
「うぅ…色気ないなぁ…」
「お前の身体も色気はないわな」
「ちょ!ひどい!」
そう言いながらポカポカ彼をたたく女性
「とは言ってもだ…俺も金があるわけではない…」
「…また?」
「クリスマス商法…なんて恐ろしいんだ…」
男性は趣味にお金を消費したらしい
しかもこれが毎年恒例なのだ
「まぁ…お前のプレゼント代は残ってるからそれは良いんだ」
「あ、うん…ありがとう」
「だがそれ以外は全て使い果たした」
「…はぁ!?え?嘘でしょ!?」
「財布みるか?」
そう言って、彼は財布を見てた
「…一応あるじゃん」
そこには多いとはいえないが、少なくない金額が残っている
が、彼はあっさり言い放った
「これ全額お前のプレゼント代、よって小銭以外自由に使える金はない」
しかもドヤ顔である
「…あのさ、君バカでしょ?」
「な、なんだとぉ!」
女性は呆れ顔になりながら、男性に言った
「ば、ばかな!?こういえば女性は男性に大切にされてると思って『素敵!』ってなるってネットで聞いた気がするのに!」
「気がするなの!確定情報じゃないの!?」
「そりゃお前今俺が適当に考えたんだから当たり前だろ?」
「だよね!そうだと思ったよ!」
こんなやり取りをしながらふと、女性は思う
(そうだよね…変に構える必要なんてないよね)
こんな何気ないやり取りが、こんな風に自分に接してくれる彼だから、自分は好きになったのだ
(こうやって、ボクを安心させてくれるのも…君を好きになった理由なんだよ?)
そう思いながら、彼の腕に抱きつく
「…ん」
何か察したのだろう、抱きついてきた彼女の手を握る彼
「手がさみぃんだよ、あっためてくれ」
「…しょうがないなぁ」
勿論、半分本当で半分嘘であるのは、彼女が一番知っている
なぜなら、彼の顔は赤くなっていたからだ
普段から、何をするにも面倒そうにしながら、それでも自分を大切にすることにだけは手を抜かない
(ボクが男のときから、君はそうしてくれてたよね)
そんな事を思いながら、彼女は言う
「しょうがないなぁ…今年はボクの部屋でパーティしよう?」
「チキン買ってくれんの?」
「買いません。僕の手作りです」
「うは、学校の連中に知られたら俺リンチに合いますな」
「それどういうことなの…」
「へたな女子より女子力が高いやつが実は女子でした、さらに言えば幼馴染が彼氏でその彼氏は手料理振舞ってもらえますとか非モテが嫉妬の炎に身を委ねるには最高のシチュじゃね?」
「…ごめん、よくわかんない」
「つまりお前は色んな人間にもててるってこった」
そう言いながら、彼は「あぁそうだ」と、言う
「清いお付き合いの関係上両親が当日お前の家にいるか確認したいんだが?」
「…いないよ」
「なら、俺の部屋でやってる体にしとけば…ワンチャンいけるかもな」
「…どこ?」
「ラブホ」
その言葉を聞いて、彼女は顔を赤くして「…バカ」と言いながら彼をポカポカたたき始めた
―――その時の二人は、いつも通り、笑っていた
〜〜〜
―――こんな日常(幸せ)が、いつまでも続きますように
〜〜〜
そこには、二人の男女が居た
「…」
「…」
片方は顔を赤らめ、片方は仏教面
なんとも両極端な二人である
「…なんでお前そんなに緊張してんの?」
「いやだって…恋人同士で始めてのクリスマスだし…」
だが、男性は溜息をつきながら言う
「っても、毎年一緒に過ごしてるんだから変に構えんなよ」
「で、でも…」
「お前が男の頃から毎年どっかかしらでクリスマスしてるんだからさ…」
「もう!わかってないなぁ!今年は恋人同士で!女の子としては始めてのクリスマスなんだよ!」
そう、女性は元男性…アルプという魔物娘なのだ
―――幼馴染である二人は、ある魔物の助けを借り、今の恋人同士の関係になった
それがお節介だったのか、感謝なのかは男性には未だにわからない
だが…
「そうは言っても、お前どこ行きたい?」
「…えっと、その…」
「ちなラブホとかは無理な、お前の両親やうちの両親に清いお付き合いって言ってる手前な」
「い、言わないよ!」
「…本音は?」
「…興味はあります」
その言葉に軽く溜息をつきながら、男性は言う
「まぁ、俺も興味はありますよ?でもお前が女になった時にせめて高校卒業まで待ちましょうって話になったでしょうが」
「あうちっ!」
男性は女性にチョップをする
「それ以外で行きたい…つかいける場所は?」
「…」
女性は悩みながらも、答えは出ているようなものだ
二人とも学生ゆえお金がない
その為、どこかに旅行にいく事なども難しいのである
「そうなると、毎年恒例の俺の部屋かお前の部屋でのフライドチキン買ってきてゲームやる流れにかカラオケかになる訳ですよ」
「うぅ…色気ないなぁ…」
「お前の身体も色気はないわな」
「ちょ!ひどい!」
そう言いながらポカポカ彼をたたく女性
「とは言ってもだ…俺も金があるわけではない…」
「…また?」
「クリスマス商法…なんて恐ろしいんだ…」
男性は趣味にお金を消費したらしい
しかもこれが毎年恒例なのだ
「まぁ…お前のプレゼント代は残ってるからそれは良いんだ」
「あ、うん…ありがとう」
「だがそれ以外は全て使い果たした」
「…はぁ!?え?嘘でしょ!?」
「財布みるか?」
そう言って、彼は財布を見てた
「…一応あるじゃん」
そこには多いとはいえないが、少なくない金額が残っている
が、彼はあっさり言い放った
「これ全額お前のプレゼント代、よって小銭以外自由に使える金はない」
しかもドヤ顔である
「…あのさ、君バカでしょ?」
「な、なんだとぉ!」
女性は呆れ顔になりながら、男性に言った
「ば、ばかな!?こういえば女性は男性に大切にされてると思って『素敵!』ってなるってネットで聞いた気がするのに!」
「気がするなの!確定情報じゃないの!?」
「そりゃお前今俺が適当に考えたんだから当たり前だろ?」
「だよね!そうだと思ったよ!」
こんなやり取りをしながらふと、女性は思う
(そうだよね…変に構える必要なんてないよね)
こんな何気ないやり取りが、こんな風に自分に接してくれる彼だから、自分は好きになったのだ
(こうやって、ボクを安心させてくれるのも…君を好きになった理由なんだよ?)
そう思いながら、彼の腕に抱きつく
「…ん」
何か察したのだろう、抱きついてきた彼女の手を握る彼
「手がさみぃんだよ、あっためてくれ」
「…しょうがないなぁ」
勿論、半分本当で半分嘘であるのは、彼女が一番知っている
なぜなら、彼の顔は赤くなっていたからだ
普段から、何をするにも面倒そうにしながら、それでも自分を大切にすることにだけは手を抜かない
(ボクが男のときから、君はそうしてくれてたよね)
そんな事を思いながら、彼女は言う
「しょうがないなぁ…今年はボクの部屋でパーティしよう?」
「チキン買ってくれんの?」
「買いません。僕の手作りです」
「うは、学校の連中に知られたら俺リンチに合いますな」
「それどういうことなの…」
「へたな女子より女子力が高いやつが実は女子でした、さらに言えば幼馴染が彼氏でその彼氏は手料理振舞ってもらえますとか非モテが嫉妬の炎に身を委ねるには最高のシチュじゃね?」
「…ごめん、よくわかんない」
「つまりお前は色んな人間にもててるってこった」
そう言いながら、彼は「あぁそうだ」と、言う
「清いお付き合いの関係上両親が当日お前の家にいるか確認したいんだが?」
「…いないよ」
「なら、俺の部屋でやってる体にしとけば…ワンチャンいけるかもな」
「…どこ?」
「ラブホ」
その言葉を聞いて、彼女は顔を赤くして「…バカ」と言いながら彼をポカポカたたき始めた
―――その時の二人は、いつも通り、笑っていた
〜〜〜
―――こんな日常(幸せ)が、いつまでも続きますように
15/12/24 00:44更新 / ネームレス
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