0話:とあるカフェ
「いいから酒をだせよマスター」
「残念ながらここはカフェなんだ、お酒は置いてないんだ、すまないね」
「バーみたいな店構えなのにか?」
「空き店舗になっていたバーを買い取ってこの店にしたんだ、中々お洒落だろう?」
二人が会話している店内には他に人が見えない、おそらく人気が無いのだろう。
「ハッ、もの好きなこって。俺が客として来なかったらとっくに潰れてるんじゃねえの?」
「まあ否定はしないけどね。……一応お客さんはくるんだよ?」
そんな会話を広げているのはマスターと俺。
一応言っておこう、人間。フリーの傭兵みたいな仕事してる。
歳は24を過ぎてから数えてない。
名前はカラムで通ってる。
「ところで何か飲まないのかい?」
話しかけてきているこいつは店のマスター。
名前を聞いたことがあるが答えてくれなかった。
特に興味も無かったのでマスターと呼んでいる、別にそういう関係じゃない。
「だから酒をだせよ」
さっきは客として来ている、と言ったが俺はあまりコーヒーとかいうものが好きじゃない。黄色いあいつが好きなのだ。
「……、人の趣味にとやかく言う気は無いけど、尿はどうかとおもうよ?」
「ちげえよ!ビールだよ!てか人の心を読むな!」
「はは、冗談冗談」
そういいながら黒い飲み物を差し出される
「はい、ワインコーヒー。一応アルコールは入ってるけど、これでいいかい?」
「ワインコーヒーとを出せるならワインを出せばいいじゃねえか…」
文句を言いながらも飲む、うむ、旨い。
「ああ、今日も平和だ…」
そんなことをつぶやいて、格好つけてみる俺。
ふと扉のほうに目を向けると、誰かが立っていた。
「あのう……、ここはカフェ……?で間違いないでしょか?」
「ああ、はいそうですよ。ようこそいらっしゃい」
この人物、いや魔物はダークプリーストのステンシル。
この町にある教会の一員だ。
……ダークプリーストなのに普通に仕事してるのかって突っ込みは俺にするな。
「あら、カラムさん。ごきげんよう。」
「ああ……」
背筋が寒くなる。
こいつは事あるごとに俺を攫おうとするから油断なら無い。
きっとここに来たのもそれが目的に違いない。
「なにかお勧めはあります?」
「飲みやすいハウスブレンドなどはどうですか?」
「じゃあそれで」
にっこり微笑みながら注文をするステンシル。
……普通にしてれば美人でいい奴なんだよなこいつ。
「どうぞ」
「ありがとう」
コーヒーを差し出すマスター、受け取るステンシル。
ううむ絵になる。
「あらおいしい」
「ありがとうございます」
こっちを見てくるステンシル
「……なんだよ」
「あなたは何を飲んでるのかと思って」
「ああ、ワインコーヒーって奴だ。酒が飲みたくてマスターに頼んだ」
「あら、それじゃ酔ってしまうと大変ね」
「馬鹿いえ、こんな酒じゃない飲み物なんかで酔うかよ」
そう言いながら一気に飲み干す
「……ふぅ、マスターいくらだ?」
「すでにもらっていますよ」
「なんだって?そいつはどういう……」
足元がふらふらし、意識がまどろんで来る。
「なあマスター、これなんか入ってたか?」
「ええ、ステンシルさんに頼まれて」
「……なんてこった」
飲み物に警戒しなかった自分を責めながら意識は完全に落ちた。
「ふふ、ありがとうマスター。この人全然つれないから困ってたのよ」
「いえいえ、女性の頼みを聞くのは当然ですよ」
「お会計はここにおいて置きますね、私はこの人をつれて帰って楽しむことにするわ♪」
「ま、程ほどにしてやってください」
店を出て行くカラムとステンシル。
カラムには悪い事をしたがあんな美人と付き合わない男が悪い。
そんな事を思いながら食器を片付ける。
その日、教会から男のうめき声と女の喜ぶ声が聞こえてくる怪奇現象があったがマスターは気にしないことにした。
本日の売り上げ
・1000ワーズ(ワインコーヒー600、ハウスブレンド400)
※ワーズ…この町でのお金の単位
「残念ながらここはカフェなんだ、お酒は置いてないんだ、すまないね」
「バーみたいな店構えなのにか?」
「空き店舗になっていたバーを買い取ってこの店にしたんだ、中々お洒落だろう?」
二人が会話している店内には他に人が見えない、おそらく人気が無いのだろう。
「ハッ、もの好きなこって。俺が客として来なかったらとっくに潰れてるんじゃねえの?」
「まあ否定はしないけどね。……一応お客さんはくるんだよ?」
そんな会話を広げているのはマスターと俺。
一応言っておこう、人間。フリーの傭兵みたいな仕事してる。
歳は24を過ぎてから数えてない。
名前はカラムで通ってる。
「ところで何か飲まないのかい?」
話しかけてきているこいつは店のマスター。
名前を聞いたことがあるが答えてくれなかった。
特に興味も無かったのでマスターと呼んでいる、別にそういう関係じゃない。
「だから酒をだせよ」
さっきは客として来ている、と言ったが俺はあまりコーヒーとかいうものが好きじゃない。黄色いあいつが好きなのだ。
「……、人の趣味にとやかく言う気は無いけど、尿はどうかとおもうよ?」
「ちげえよ!ビールだよ!てか人の心を読むな!」
「はは、冗談冗談」
そういいながら黒い飲み物を差し出される
「はい、ワインコーヒー。一応アルコールは入ってるけど、これでいいかい?」
「ワインコーヒーとを出せるならワインを出せばいいじゃねえか…」
文句を言いながらも飲む、うむ、旨い。
「ああ、今日も平和だ…」
そんなことをつぶやいて、格好つけてみる俺。
ふと扉のほうに目を向けると、誰かが立っていた。
「あのう……、ここはカフェ……?で間違いないでしょか?」
「ああ、はいそうですよ。ようこそいらっしゃい」
この人物、いや魔物はダークプリーストのステンシル。
この町にある教会の一員だ。
……ダークプリーストなのに普通に仕事してるのかって突っ込みは俺にするな。
「あら、カラムさん。ごきげんよう。」
「ああ……」
背筋が寒くなる。
こいつは事あるごとに俺を攫おうとするから油断なら無い。
きっとここに来たのもそれが目的に違いない。
「なにかお勧めはあります?」
「飲みやすいハウスブレンドなどはどうですか?」
「じゃあそれで」
にっこり微笑みながら注文をするステンシル。
……普通にしてれば美人でいい奴なんだよなこいつ。
「どうぞ」
「ありがとう」
コーヒーを差し出すマスター、受け取るステンシル。
ううむ絵になる。
「あらおいしい」
「ありがとうございます」
こっちを見てくるステンシル
「……なんだよ」
「あなたは何を飲んでるのかと思って」
「ああ、ワインコーヒーって奴だ。酒が飲みたくてマスターに頼んだ」
「あら、それじゃ酔ってしまうと大変ね」
「馬鹿いえ、こんな酒じゃない飲み物なんかで酔うかよ」
そう言いながら一気に飲み干す
「……ふぅ、マスターいくらだ?」
「すでにもらっていますよ」
「なんだって?そいつはどういう……」
足元がふらふらし、意識がまどろんで来る。
「なあマスター、これなんか入ってたか?」
「ええ、ステンシルさんに頼まれて」
「……なんてこった」
飲み物に警戒しなかった自分を責めながら意識は完全に落ちた。
「ふふ、ありがとうマスター。この人全然つれないから困ってたのよ」
「いえいえ、女性の頼みを聞くのは当然ですよ」
「お会計はここにおいて置きますね、私はこの人をつれて帰って楽しむことにするわ♪」
「ま、程ほどにしてやってください」
店を出て行くカラムとステンシル。
カラムには悪い事をしたがあんな美人と付き合わない男が悪い。
そんな事を思いながら食器を片付ける。
その日、教会から男のうめき声と女の喜ぶ声が聞こえてくる怪奇現象があったがマスターは気にしないことにした。
本日の売り上げ
・1000ワーズ(ワインコーヒー600、ハウスブレンド400)
※ワーズ…この町でのお金の単位
11/12/11 13:39更新 / ミササギ