連載小説
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下せぬ・・・
「解せぬ・・・」
ルー・レオナール・バフォメットは自身の執務室で悶々としていた。



身体の手入れは怠っておらぬはず。
髪は長く、サラサラで自分でいうのもなんじゃがいい香りじゃ。

しかも兄上の好きなポニーテールじゃ!

角も綺麗に磨いてワックスもかけておるし、手足の毛並みはサラサラで毛の量も多いのでモフモフ感にも自信がある!

全身の肌もしっとりと潤っておるし、シミやクスミなんぞどこにも無い!(ロリボディなので当然)

それにわしは黄色人種では無いので尻には痣みたいなのは無いし、尻の形だって運動して整えておるし。
笑顔だって鏡の前でいっぱい練習して、最高の笑顔が自然に出るようになったのじゃ。

もちろん見えないところも・・・ち、乳首も○○も綺麗なピンク色じゃ!



だというのに兄上は・・・


こんなにも魅力的なわしが
毎日「裸で添い寝しておる」というのに・・・





なんでわしに手を出さんのじゃぁああああ!!!!!







「あの〜、バフォ様? その書類を仕上げていただか無いと私たちの仕事が進まないんですが・・・」





「・・・・・・っギャーーーーー!!!! い、いつからおった!?」
視線を上げるとルーの事務机の向かい側にはキルケがいた。

「ずっと居たじゃ無いですかぁ。ここはバフォ様と私の執務室なんですから。大兄さまのコトばかり考えてないで早く仕事して下さいねぇ。」
キルケの事務机にはルーの承認待ちの書類が山になっている。

「ま、まさか言葉に出しておったか!?」
キルケはルーの手元にある書類に目を落とし

「書類は出来上がっているようですけどぉ。ソレを提出するつもりですか〜?」


ルーの手元にある書類には、さっきルーが考えていたことが全て

しかも感情のこもった文字で
大きく書かれていた。




「・・・・・・ッギャーーーーーー!!!書類がぁあぁぁぁああ!!」

今期の出納帳は全滅だった。





その日の昼過ぎ、あんな事があったというのに意外にも早く仕事が片付いた。
サボらず真面目に仕事すればかなり有能だというのに・・・

「さて〜、バフォ様〜。書類が片付いたら渡すように言われておりました手紙ですぅ〜。」
そう言ってキルケはポケットから一通の封書を取り出した。

「おぉ、誰からなのじゃ?」
受け取った封筒を開封すると差出人の署名が見えた。

「リー様からですよ〜。直接渡されましたが若干怒ってらっしゃるご様子でしたねぇ。」


聴いた瞬間にルーの顔色は真っ青を通り越して真っ白になった。

「な!ななな、なん!?かかかか、かあさ・・・かあ!??」
瞬時に錯乱状態である。

「はい〜、お母様からですよぉ。それよりも早くお読みになった方が良いんじゃないですかぁ?」

「そ、そそ、そうじゃな。読んでみぬことには始まらんからの!」
ルーに母からの呼び出しがあるのは大抵怒られる時だ。
しかも今回はすでに若干怒っているらしい。
最近は見合いの勧めやサバトの近況を尋ねる手紙も来るのでそれに賭けることにした。
若干落ち着いたかに見えるが、手が震えて足もガクガクとなっているので虚勢を張っていることがわかる。



震える手で苦労しながら封筒を開けると








『6月16日 すぐ来い!!』



怒りに任せて書き殴ったかのような、赤黒い血文字で一言だけ書かれていた。
しかも指定された日付は明日。


「ぎゃーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!」
ガクッ

ルーは叫んだ後、失神してしまった。
11/05/20 21:33更新 / ミニたん
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■作者メッセージ
短くて申し訳ありません。
スランプに陥ったっぽいです。

今回投稿した「バフォ様側の話」と「主人公側の話」、「合流後の話」の3つで1つの話になる予定だったんですが、読んでくれてる方をあんまりお待たせするのもどうかと思いこの状態で投稿しました。
今回から第三者視点で書いてみてます。
今までの主人公視点では、主人公が見ていないもをは描けないし、主人公以外の思考も描けませんでしたから。
こうすればもっとバフォ様や他の魔物娘のことも描けるんじゃ無いかと。
あと、心情を顔文字で表現するのもやめました。
どんな表情をしたって書けば済むことですし。

頑張って続きを書きますんで、今後ともよろしくお願いします。

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