読切小説
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リトル・リトル・マーメイド
 海では海水浴客がごった返し、市民プールでは所狭しと人や魔物が押し合いへし合う季節。世間は夏真っ盛りである。
 そんな気候の中、とある家の前のビニールプールにて。
 仰向けになり、プールの縁にもたれて日光浴をしているのは、大きなお腹を抱えた妊婦……もとい、マーメイド。時折、プールの水から照り返る陽の光を眩しがるしぐさを見せる。
「うっ……」
 突然、彼女は薄桃色の魚の尾をびちびちと地面にたたきつけ始めた。時たま苦しそうにうめき声を上げ、両手で潰れそうなくらいにビニールプールの縁を握りしめて、踏ん張っている様子であった。
「うーん、うーん……あなた、あなたーっ!」
 このまま一人で痛みと格闘できない、と判断した彼女は、精一杯声を張り上げて夫を呼ぶ。数分経たぬうちに、夫である英祐が飛んできた。
「どうしたの、エリス?」
「そろそろ……生まれるっ……。あなた。エリスが卵を産むところ、しっかり見ててくださいね」
 エリスと呼ばれたマーメイドの一言で状況を理解した英祐が、突然服を脱ぎ始める。その様子を見たエリスは疑問を隠し得ず、おずおずと聞いた。
「あの、英祐? 何してるんです?」
「いや……君と一緒に水浴びしたいだけさ」
 半ばはぐらかすように答える英祐。服を脱ぐだけ脱いで、水着さえもつけようとしない英祐に、エリスは少しばかり不安を隠せなかった。
「どうしてもビニールプールでやりたいことがあるんだ」
「やりたいこと?」
 やりたいことがあると言う英祐に対し、エリスは頭に疑問符を浮かべる。
「いいから、いいから」
 強引にエリスを押し切って、全裸の英祐もいっしょにプールへと入った。すると、陣痛が来たのか、エリスは呼吸法を使い始めた。
「ひ、ひ、ふー……」
 痛みに耐えるエリスが尾ひれをしきりに振るい、水飛沫をたてる。放たれた水飛沫は光を浴び、虹を作った。
「ひ、ひ、ふー……」
 本能に刻み込まれたかのごとく、呼吸法を用いて痛みを軽減しようとする。すると、透き通った薄桃色の球体が、桃色の秘所から顔を出した。しかし、彼女の秘所から球体は動こうとせず、そのまま居座ろうとしていた。
「ひ、ひ……ひゃあああん♪」
 痛みと快楽が混じった声でエリスが叫ぶと、水中に球体――卵が産み落された。しかし、エリスの呼吸はまだ荒く、表情も苦悶の色が残っていた。
「どうしたの、エリス?」
「まだ、まだ……残って……ます」
 英祐が心配そうに聞くと、エリスは息苦しそうに答える。そして、彼女は再び、お産の痛みを軽減するための呼吸法を使い始めた。
「ひ、ひ、ふー……、ひ、ひ、ふー……」
 エリスが呼吸をするたび、まだ太い腹が上下する。
「たまご、たまごぉ……」
 エリスが顔をゆがめると、先程よりも秘所が大きく開き、二個目の卵が腹から水へと転がり落ちる。二個目の卵を産み終えたエリスの腹は元のように細くなっていくも、大きく開いた秘所が閉じる気配はない。彼女の腹の上から転がり落ちて浮かぶ卵を見て、英祐はとんでもないことを口にした。
「なんていうんだろう……ぶっかけたいっ!」
「精をかける必要なんてありませんよ。とっくに受精していますから」
 渋るエリスに対し、英祐は懇願する。
「お願い! どうしても魚の受精プレイをやってみたかったんだ。君が産んだ卵にぶっかけたいんだっ!」
「もう、英祐の変態さんはしょうがないですねぇ……」
 やれやれ、といった様子で根負けしたエリスは承諾する。産まれたばかりの二個の卵を胸の上に置かれた後、逸物が向けられ、それをいつもの貝殻水着ではなく、ピンク色のビキニをつけた胸で挟むエリス。胸で逸物をこするたび、逸物が震える。
 数十秒も経たないうちに、英祐のモノは爆発し、すでに受精している卵に精がかかる。水鉄砲のごとく飛び出した英祐の精は卵ばかりでなく、エリスの白い肌やビニールプールに張られた水をも白く染めていった。
「あぁん……っ! 白く……白く……!」
 白く染め上げられていくエリスは興奮し、顔を赤らめていく。射精が止まった後、エリスと卵はあられもない姿をさらしていた。
「まだ、足りない……次は君にぶっかけたい」
 しかし、エリスを登り詰めさせた英祐は満足していない様子だった。今度は左手ひとつでエリスの水着を強引に剥ぎ、その水着で逸物をしごき始めた。エリスの熱と感触がたっぷり詰まった水着が、英祐の興奮を加速させる。空いた右手ではエリスの左胸をわしづかみにし、握りつぶさん勢いで荒々しく揉みしだく。すると、エリスの乳首から白い液体が飛び出した。
「これは……」
 白い液体を見た英祐は、右手でそれに触れてひと嘗めする。甘い感触が、彼の口内いっぱいに広がった。水着をもっている左手のしごきをいったん止めて、エリスの乳首にむしゃぶりつく。
「らめぇ! すわないれぇ!」
 突然乳首を攻められたエリスは、思考回路がショートし、よがり狂うだけという様相を現す。
「あぁん……赤ちゃんのためのミルク、英祐に飲まれてるぅ……! らめぇ!」
「ちゅぱ……そうかい……。なら、もっと飲んであげよう! あ、ついでに路線変更だ」
 エリスがイキ狂って絶叫を上げると、英祐が乳首から口を離し、牛の乳搾りの要領で絞り出し、さらに多くのミルクを飲み下していく。その間にも、エリスはイキにイキまくり、吸われるたびに更にミルクを産出していった。
「いくっ、いくいくいくぅ!」
 エリスが絶頂に達すると、彼女の乳房が洪水のようにミルクを吐き出す。最初はその量に驚いた英祐だったが、少しずつ飲み下し、射乳が止まると乳首から口を離し、頬に含んだミルクを一気に飲み下した。
「もう飲まないの?」
「飲みすぎると、赤ちゃんの分がなくなるからな」
 エリスのミルクを飲んだことで、英祐は満足げな表情を浮かべており、彼のモノは臨戦態勢になっていた。すると英祐は、止めていた左手で再びしごき始める。
「出るっ……!」
 三擦り半でエリスから剥ぎ取った水着でしごいていた逸物が爆発を起こす。まずは水着に一発、その後すべての精をエリスの身体に捧げた。
「さてと、美味しいミルクをご馳走してくれた君に……俺のミルクをご馳走してあげるよ!」
 エリスにぶっかけた英祐だが、モノはまだまだ硬さを失っていない。次なるプランを試すべく、エリスの眼前にギンギンにいきり立った逸物を差し出した。
「さあ、エリス。くわえるんだ」
「はひぃ……」
 英祐がエリスにモノをくわえさせると、先程はぎ取った水着をエリスの目の上に置き、目隠し代わりとした。
「はぁ、あはぁ……英祐の匂いぃ……」
 エリスは、目隠しにされた水着から英祐の精の香りを堪能する。破らんばかりに突き上げてられていくと、彼女は徐々に押し上げられていく。
「ちゅぱちゅぱちゅっちゅっ……おいひぃほぉ、えいふうほ……」
 最初はされるがままのエリスだったが、逸物にこびりついた精を偶然なめとると、もっと欲しいと言わんばかりに英祐のモノを舌でしごき始める。突然の攻めに英祐は対応できず、数秒もたずに口の中で大爆発した。
「おい、エリス。不意打ちはなしだろう?」
「ちゅる……ちゅる……ごくん。英祐の、おいしかったよぉ……」
 不平を漏らしながらもまんざらでもない表情を浮かべる英祐に対し、エリスは先程の英祐と同じように、精を頬いっぱいに含み、満足げな表情を浮かべている。時々喉に引っかかりながらも、勢いよく精を飲み下していく。精を飲み下すたびに甘美な香りが口いっぱいに広がり、彼女は余韻に浸っていた。

「はひぃ……もう満足しましたか?」
 先程のミルクプレイの後、水着を剥いでもらい視界を取り戻したエリス。水着の上からパイズリで卵と体にぶっかけられ、水着を使って自身に存分にぶっかけられ、さらにはミルクまで飲まされて疲労困憊しきっているエリスは、英祐に加減を聞いてみる。
「いや、まだ足りないっ……次は君の中に出したいっ」
「もう、しょうがないですねぇ……」
 しかし、それでもまだ満足していない英祐がうそぶくと、エリスがそれに応えた。彼は嬉々としてエリスを抱きしめた後、だらしなく開いたままの秘所に逸物を突っ込んだ。そのまま左側に半回転し、体位を反転させて荒々しく突き上げる。
 突き上げるたび、射精感が高まる英祐に対し、エリスの方も精を渇望して子宮が疼く。
「あんっ! また卵ができちゃうっ!」
 エリスの言葉を聞いた英祐の腰は、さらに加速する。激しく突き上げられているエリスは、嬌声と絶叫を繰り返すばかり。
「あんっ、あはんっ……。お願いっ、英祐っ。私を、エリスをまたママにしてぇーっ!」
 エリスの叫びと同時に、彼女の膣が小刻みに奥へと英祐の逸物を導き、射精を促す。すると、一瞬にして英祐の逸物がエリスの子宮で大爆発を起こし、精を放つ。子宮が子種のたっぷり詰まった白濁で充填されるたび、エリスの表情が緩んでくる。
 すでに三発も爆発を起こしているのに、英祐の射精は留まるところを知らない。彼のモノは爆発が止んだ後も、鉄砲水のごとく精を射出し続けた。エリスを孕ませて、また魚の受精プレイを楽しみたいと言わんばかりに。
「あひぃ、エリス、また卵できちゃうよぉ……。卵つくりたいよぉ……」
 エリスがうわごとのように叫ぶと、意識が途切れたかのように四肢を投げ出す。下に位置する英祐にも彼女の重みが伝わる。二人は身体をさらに四分の一回転させ、体側を下にして抱き合う形となった。

 二人がエリスの子宮の中で新たな命が結ばれる余韻に浸っていると、いつもの間にか陽が傾いていた。
「もう、派手に出しちゃって。また卵ができたらぶっかけるつもりですか?」
 怒りとも微笑とも取れない表情で、エリスは軽口をたたく。彼女の秘所からは、卵と結ばれることのなかった精が大量に漏れ出ており、また辺りは濃い精の匂いが立ちこめており、事の激しさを物語っていた。
「もちろん、そのつもりだよ」
 悪びれる様子もなく、応える英祐。彼はすっかり、魚の受精プレイのとりこになってしまったようで、エリスの胎内で新たなる命が結ばれるのを心待ちにしている。
「変態さんなあなた。これからも、よろしくお願いいたします」
 白濁に塗れた卵――エリスを小さくしたようなマーメイドの子が眠っている卵――を抱えあげ、自身も白く染まったエリスはほっこりと微笑を浮かべる。そして、生まれ来るであろう娘を待ち望みながら、彼女は白濁に塗れたプールの中で、そのまま深い眠りへと落ちていった。
 その様子を見て、英祐はエリスを抱き寄せる。彼の腕の中では、桃色の卵を抱えた母親が静かな寝息を立てている。その様子を見て、彼は優しい微笑を浮かべていた。
12/07/25 14:39更新 / 緑の

■作者メッセージ
こんばんは、緑の姫君です。
魚の産卵と放精の映像が頭で流れるたび、勃起してしまう……ので、このSSを思いついてしまいました(殴
そして、やっと魔物娘好きとなった原点であるマーメイドさんのSSを書けましたっ!

この作品も某所で行われたSS大会での作品のリファイン版です。なお、この作品はタイトルが似ている某作品とは全く関係がございませんのであしからず。

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