ＳＮＯＷＷＨＩＴＥ ＷＩＴＨ ＳＥＶＥＮ ＤＷＡＲＦ ＧＩＲＬＳ
ﾋ ｭ ｳ ｳ ｳ ｳ ｳ ・・・
・・・ ・・・ ・・・
ﾋ ｮ ｵ ｵ ｵ ｵ ｵ ・・・
” ・・・ ・・・ ・・・ ”
ｺﾞ ｫ ｳ ｳ ｳ ｳ ｳ ・・・
” ・・・！ ・・・ ・・・！ ”
ｻﾞｸ ｻﾞｸ ｻﾞｸ ｻﾞｸ
ｻﾞｸ ｻﾞｸ ｻﾞｸ ｻﾞｸ
”ハイホー、ハイホー！ 仕事、おわり！”
”お風呂にはいろ、ハイホー！ ハイホー！”
ｻﾞｯｸ ｻﾞｯｸ ｶﾞｯﾁｬ ｶﾞｯﾁｬ
”ハイホー、ハイホー！ 今日もがんばった！”
”ごはんを食べよ、ハイホー！ ハイホー！”
ｻﾞｯｸ ｻﾞｯｸ ｻﾞｯｸ・・・
「ハイホー・・・ おやあ？」
「ずいぶんとご立派な旦那だねえ」
「お山のようなおひとだよう」
・・・おじゃましているよ、ドワーフさんたち。
「べつにじゃまじゃあないよ、あっはっは」
「あたしたちの家の前で、何のごようだい？」
「やっぱり、『白雪のお姫様』かい？」
ああ。 俺は西の国の王子。
白雪姫を目覚めさせるためにここにきた。
だからこの山のあるじである、皆さんに挨拶をしに来たんだ。
「あるじなんて立派なもんじゃないよ。前から住んでるってだけさ」
「やっぱりそうかい。 あんたもがんばるねえ、
ほんとかうそかもわからない話なのにさ」
「こんな寒いのに、よくやるよ」
・・・あなたがたも、こんな寒い中、そんなに沢山の石を背負って。
そんなに小さい体で。
「あたしら七人はドワーフさ。寒さだって力仕事だって平気だよ」
「王子さまも力持ちみたいだけど、あたしらだって負けないよ」
「まあ、寒いのはあたしたちでも、参っちゃうことはあるけどね。
だからお風呂が大好きなのさ」
ｷﾞ ｨ ｨ ｨ ・・・
「さ、入りな。 あんたもお風呂つかっておいき、あったかいよ」
「遠慮するんじゃないよ。 どうせ泊るつもりなんだろ？」
「その背中からいい匂いをさせてるもんと、ひきかえにさ」
かたじけない。 では、遠慮なく。
「あはは、ゆっくりしていきな。 ご飯の準備してるからさ」
「せまいからあたしらも一緒に入るよ。 ジロジロ見るんじゃないよ！」
「あっはっは、なに赤くなってるんだい！ そんないいもんじゃないよ！」
・・・ ・・・ ・・・ ・・・
「そんじゃ、がんばんなよ。 足元に気をつけるんだよ！」
「持ってきてくれたお酒、うまかったよ！ また来ておくれ！」
「ごちそう作って待ってるよー！」
ありがとう。 皆さんもどうか、お元気で。
「あんたもなあー！ しっかりやんなよー！」
「しっかりねえー！」
「しっかり、ね・・・」
・・・ ・・・ ・・・ ・・・
「・・・ ・・・ ・・・」
「・・・ ・・・ ・・・」
「・・・ ・・・ ・・・」
ﾋ ｭ ｳ ｳ ｳ ｳ ｳ ｳ ｳ ・・・
「・・・しっかり、やるよ」
「みんな、わかってるね？」
「もちろんだよ」
―――――――――――
ｺﾞ ｵ ｵ ｵ ｵ ｵ ｵ ｵ ｵ ｵ ・・・
・・・まるで、北の果てのようだ。
地吹雪で一歩先も見えん・・・
ﾋﾞ ｭ ｺﾞ ｵ ｵ ｵ ｵ ｵ ｵ ｵ ｵ ・・・
だが、ここまで来たんだ。 あきらめてたまるか！
俺は必ず白雪姫を見つける。 そして・・・
・・・ ｷ ﾗ ｯ 。
！ あれは、まさか？！
ｻﾞｯ ｻﾞｯ ｻﾞｯ ｻﾞｯ ！
間違いない、ひつぎだ、氷のひつぎ！
ほんとうにあった！
ｻﾞｯ ｻﾞｯ ｻﾞｯ ｻﾞ ・・・
・・・おお、なんという美しさだ。
これが、白雪の姫君・・・
ｷﾞ ｷﾞ ｷﾞ ｷﾞ ｷﾞ・・・
俺が、王子となるのか。
熱きくちづけで、姫を目覚めさせる・・・
・・・ ・・・ ・・・ ・・・
それにしても、なんという美しさだ。
雪よりも白く、氷よりもかがやいている。
まるで人形のよう、つくりもののようだ・・・
・・・ ・・・ ・・・ ・・・
人形のよう、つくりもののよう・・・
・・・つくりもの？
・・・ ・・・ ・・・ ｷﾞｼｯ
つくり・・・ もの・・・？
わああっ？！
ボ ゴ ッ ！！
わああああああああああ！
あああああああ・・・
ぁぁぁぁぁ・・・
―――――――――――
・・・ ・・・ ・・・ ・・・
・・・ﾊﾟﾁ ﾊﾟﾁ ﾊﾟﾁ
・・・ ・・・ ん ・・・
ｺﾞ ｫ ｰ ・・・
・・・熱い？ ここは・・・
「おめざめだねえ」
・・・あ、あんたたちは？
「あったかいだろ？」
「かんかんに火、たいてあるからね」
「はだかんぼでも、寒くないはずさ」
・・・はだかんぼ？ わあっ？！
「うふふ、りっぱだねえ」
「すっごい筋肉。それに・・・」
「・・・うふっ。 すてきだよぅ・・・」
み、見るな！ 見ないでくれ！
い、いったい、なぜ・・・？！
「なぜ、って。 きまってるじゃあないか」
「・・・わかるだろ？ ねえ・・・」
「すてき・・・ ちゅ」
・・・うっ！ そ、そういうことか！
あの姫は、やっぱりつくりものだったんだな！？
「うん、そうだよ。よくできてたろ？」
「ついでに言えば、白雪の姫さまのうわさも、あたしたちが流したのさ」
「あんたみたいな、りっぱな王子さまに、来てもらうためにね」
じゃ、じゃあ、これまでに来た男たちは・・・？！
「べつに、何もしてやしないよ」
「ひつぎも人形も隠しておいて、帰ってもらっただけさ」
「・・・ダメ、だったんだよ」
ダ、ダメ？ いったい・・・
「だめだったのさ」
「あたしらも、だれでもいいわけじゃないんだ」
「どうせだったら、すてきな王子さまのほうがいいしさ、それに・・・」
・・・ ﾁ ｭ ｯ 。
う あ っ ？！
「あんたしか、いなかったんだよ」
「あんたが、はじめてだったんだ」
「あんただけだったのさ・・・」
ﾁｭ ﾁｭ ﾁｭｯ 。
・・・や、やめろ！ そんなところ・・・
「・・・くすぐったいかい？」
「これならどうだい？ ん、ちゅ」
「あはは、気持ちいいみたいだねえ」
ﾁｭ ﾁｭ ﾁｭ ﾁｭｯ
･･･ ﾍﾟ ﾛ ｯ ﾍﾟﾛ ﾍﾟﾛ
う、うっ、あっ・・・
「どうだい、気持ちいいだろ？」
「たまんないだろ？ ねえ」
「いいって言ってよう。 もっと、よくしてあげるからさ」
そ、そんな・・・ こと・・・
は、な、せ・・・！
「だめだよ。 はなすもんか。絶対に逃がさないよ」
「その鎖は切れないからね。 いくらあんたが、どれだけ力持ちでもね」
「せっかくの王子さまなんだ。ずっと、あたしたちが、待ってた男なんだ・・・！」
ｸﾁｭ ｸﾁｭ ｸﾁｭ 。
ﾍﾟﾛ ｸﾆｭ ﾑﾆｯ 。
く、うあっ！ ふ・・・ふっ・・・
はあっ？！ あ、あ、あっ！
「おねがいだよう、あたしらのいい人になってちょうだいよう」
「こんなことだって、身の回りのことだって、なんでもするからさ」
「たのむよう、ここにいてくれよう。 あたしたちといっしょに暮らしてよ・・・」
ち・・・ ちが、う・・・
おれ、は・・・
・・・ ・・・ ・・・
・・・ ｺﾞ ・・・
・・・ ん ？
「お願いだよ、お願いだよ・・・」
ｺﾞ ・・・ ｺﾞ ｯ ！
「お願い・・・ えっ？！」
ボ ゴ オ ！！
「きゃああ？！」
「らっ、落盤・・・！」
はっ・・・
はなれるだああああああっ！
ブヂッ ブヂブヂブヂ
ゴ シ ャ ッ ！！
「・・・は、はっ、はあっ・・・」
「な、なに、が・・・」
・・・ ﾐ ｼ ・・・
「う、うわっ・・・？！」
「す、すっごい・・・ 信じらんない・・・」
「あんなに、でっかい、岩を・・・」
はな・・・れる・・・だっ・・・！
ふ ん っ ！
・・・ ズ ズン ！
「・・・ ・・・ ・・・」
「あ、あんた・・・」
・・・すまねかった。
おら、王子でもなんでもねえ。
「え？」
「・・・あんた？」
おらあ、西の国の、ただの百姓だ。
ちょっと力自慢なだけの、いなかもんだ・・・
「・・・ ・・・ ・・・」
「・・・ ・・・ ・・・」
おら、あんたらが探してたような男じゃねんだ。
りっぱな王子さまなんかじゃ・・・。
白雪の姫さ目覚めさせて、できれば連れて帰ろうって。
無理でも名前を売って、なんとか女にもてようってしてただけで・・・
「・・・ ・・・ ・・・」
「・・・ ・・・ ・・・」
・・・うそついて、悪かっただ。
おらあ、帰るだよ・・・
・・・ ｷﾞ ｭ ｯ
え？
「逃がさないって、言ったはずだよ」
ﾜ ﾗ ﾜ ﾗ ﾜ ﾗ ﾜ ﾗ
わっ？！
「逃がすか、逃がすもんか」
「あんた本物だよ。 本物の王子さまだよう」
「あたしらの英雄だ。勇者さまだあ」
そ、そんな。 おら・・・
「・・・いや、だったかい？」
・・・え。
「あんた、あたしらに、ああされて、いやだったかい？」
「あんたさ、逃げようと思ったら、いつでも逃げれたんだろ？」
なんで、逃げなかったのさ・・・」
「ねえ、どうだった？ どうだったんだよう！」
・・・・・・・・・・
「よかったんだろ？ なあ、よかったんだろう？」
「いいじゃあないか、あんたはあたしたちの命の恩人だよう」
「とっても強くって、とってもやさしい、ほんものの王子さまだよう・・・」
・・・でも、おら・・・
・・・おらの、もん・・・
こんなに、ちみっちゃくて・・・
― ﾊﾟ ｸ ｯ 。
ん あ っ ？！
「もあ、もが、もがあ・・・」
「なに言ってるんだい。 これがいいんじゃないか」
「あんたのこれを、あたしたち、ずっと待ってたんだよ」
え、えっ・・・
「ごらんよう」
ｸ ﾊﾟ ｯ 。
「どうだい。 ・・・きれい？！ ば、バカっ！ そうじゃないよ！」
「ちっちゃいだろ？ あたしたちのも、ちみっちゃいだろう・・・？」
「なんだか最近、男の人のって、でかけりゃいいみたいなことになってるじゃないか」
「あたしらのは、こんなに、ちっちゃいのにさ」
・・・ ﾁ ｭ ｸ 。
「サキュバスの連中が変な薬まで売り出してさ」
「子供まで、とんでもない大きさになっちゃってさ・・・」
「あたしら子供には、手ださないけどね。
でもぜったい、あんなの無理なんだよう・・・」
「も、もっ。 も・・・」
・・・ ・・・ ・・・
「ね、だから、お願いだよ」
「お風呂場で見たときから、思ってたんだよ。 あんたしかいないって」
「だから、さ・・・ んあっ！」
・・・あっついだ。
こんなに、びっちょびちょだぁ・・・
「あ、あ、あ。 やだあ、そんなとこ・・・」
「・・・もっ！ んもっ・・・」
「王子さま・・・」
・・・おらで、いいだか？
ほんとに、こんないなかもんで、ええだか？
こんな、ちっちゃいおとこで、ほんとうに・・・
「あっ、あっ、ああっ！ ・・・あんたがいい！ あんたがいいっ！！」
「いいの？！ いいの、ほんとかい！？」
「も、も！ う、もっ・・・？！」
・・・よろしく、たのむだよ。 んっ！
「・・・もっ。 ん、ん・・・ ごくっ、んぐっ」
「あ、あっ！ あっっ！ い、いくっ・・・ んあ！」
「ああ、ああっ・・・ あ、ありが、と・・・」
「うれしい、あたしら、うれしいよう・・・ きゃあ？！」
そんじゃ、遠慮なく、いかせてもらうだよ。
うりゃ！
「あ、ああっ！ あああっ！ これ、これだようっ！
そ、そこ！ そこ！ もっとこすって、こすってえっ！
あ、お、あ・・・ あぁあぁぁぁあーーーーっ！」
すまんな、待たして。 つぎはおめさだ。 おりゃっ！
「す、すごっ・・・ すごい・・・ あああ、いっちゃうぅ、いっちゃふうぅぅ〜っ！！」
「きて！ こんどは、こっち、きてようっ！ ・・・ああーっ！」
「こら！ あたしが先だっ！」
「い、いいよ！ そのまま、そのままきて！ あ、あっ、あ・・・ あっついっ・・・」
「あたしも！ あたしも、おねがいっ！」
「こっちも！ こっち、きてようっ！！」
「も、もう、いっかい・・ もっと、してぇ・・・」
これが、北の山脈一帯にひろがるドワーフの王国の、はじまりの物語だとさ。
めでたしめでたし。
17/10/27 10:17更新 / 一太郎