セクション5
「ドーモ。デジタルスクイレルです。」「ドーモ、デジタルスクイレル=サン。デボーチャリーです。」二人のマモノがアイサツを交わした!マモノ?然り、デジタルスクイレルは、人間ではない!
マサキは改めて<電脳栗鼠>、いやデジタルスクイレルの姿を認めた。驚くべき姿であった。彼の視界には、アイサツの瞬間に二名の頭上に名前が出現したように映った。(マサカ、マモノだったなんてな…)
しかし、青年は不思議と受け入れていた。小柄な女は、栗色の髪をポニーテールにし、人間の耳のあるところでなく、登頂部にリスめいた耳朶があった。服は、ノースリーブのチュニック、ホットパンツ。足元はニーソックスのように見えたが、髪と同じ色の獣じみた足である。そして、背中には、ポニーテールを数倍にしたかのような巨大な尻尾が、大きな存在感を放っている
「カワイイだ…」その声は、すぐさま風圧に掻き消された。両者のオジギ姿勢が解かれると、栗色とワインレッドの風が交錯した!
「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」
マモノ達は残像を残しながら、数十合打ち合った。その余波で周りの書類棚や信楽焼の狸が破壊され、ホコリが重力を感じさせぬように中空に浮いていた。マサキには、この攻防が永遠めいて感じられた。
しかし!「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」ワインレッドの残像が栗色の方を捉えた!「イヤーッ!」「ンアーッ!」そして、青年打ち合いの結果を見ることになった。
(ソンナ、相棒まで…)デジタルスクイレルは、デボーチャリーにより羽交い締めにあい、苦悶の表情を浮かべていた…「ウフフ♡アナタ全然強くないわネ。まあ、ラタトスクにしては良くやった方?」「クウーッ」
マサキは絶望した。デジタルスクイレルはマモノだった。だがそれは敵も同じ、マモノであれば負けないわけではなかったのだ…青年はへたり込み、相棒の運命をただ指を咥えて見ているしかないのか!?
(チゲェだろ?こんなとき、シロイズキンならどうした?ヨーカイがどれだけ強かろうと、カタナを収め、されるがままだったか?)マサキは自問自答した。「ンアーッ」涙を浮かべ息も絶え絶えの、デジタルスクイレルと視線を交えた。(なにより、相棒を、クノイチネズミを見捨てたことがあるか!)
マサキの身体は動いていた。カタナはその手にない、反応速度も単純な腕力でも敵わない。「ソンナコトシルカ、イヤーッ!」男は、拳を固めてマモノに殴りかかった!
「ウフフ、ゴメンネ♡こっちのアカチャンを無視しちゃってェ」デボーチャリーは当然のように、不意打ちに気づいていた。「イヤーッ!」彼女は片腕をデジタルスクイレルから離し、虚空より角笛を生み出す!(また、お得意のテジナを出してきやがって!だが、これで片腕だけになった…)
マサキは、突進を加速させながら、ヤバレカバレではなかった。「相棒!2:15-19ヤンゾ!」「ッ!」一体、青年は何を言っているのか!?
(何かする気ネ…?人間アカチャンはほんとカワイイ♡)「だって、何をしても無駄なんですものネ、イヤーッ!」ブオオーン!デボーチャリーは角笛を勢いよく吹いた!そしてワインめいた匂いのするスモッグが、角笛のベル部分より湧き出す!「お眠りよ、オボロ・ジツ!」
おお、超自然の霧が視界を遮る。だがマサキは足を止めない。「ヌウウーッ」霧を突破して、只管にデボーチャリーに向かう!
「霧を吸わずに来れても、この一撃はどうかしらね?スウゥゥウ…!」マモノは、逆に角笛から空気を吸い始めた!ドローンを破壊せしめた、空気圧縮のワザを再び撃ち出すつもりである!アブナイ!
「ウオオーッ」(アカチャン、今度こそお眠りよッ!)「イヤ「オラアアアッ!」エッ!?」いかなる事態か?なんと、別方向から鉄パイプを持った暴漢が現れたのだ!こちらは数歩もない、一方マサキはまだ間合いにはいない!困惑しながらも、デボーチャリーは闖入者を排除する!
「イヤーッ!」ブオオーン!暴漢を吹き飛ばすべく放たれた空気弾は、しかしその胴をすり抜けてしまった。「何なの…」「余所見するなよ、イヤーッ!」「ンアーッ」マサキの攻撃は初めてマモノに有効打を与えた!しかし、デボーチャリーは横に転がりながら、廊下へと吹き飛ばされた!
「グウウ…」拘束を離れたデジタルスクイレルは、床に投げ出される。しかし、そこへマサキが間に合い、彼女を抱きかかえた。
二人の視線が交錯する。どちらともなく赤面し、そして青年は意を決して抱き締めた。二人の身体は密着し、少女のポニーテールの先端が愛する人の髪にかかり、勢いからその上に尻尾が重なる。
「2:15-19、やっぱりわかってくれたか。」「全く、君の趣味に合わせるのも大変だったんだヨ?」「でもちゃんと履修してくれたんだ?」「好きな人の好きなものは知りたいじゃないか。」
2:15-19、これはなにかの符牒であろうか?これはすなわち、「シロイズキン第二シーズン:15話-カット19」を指していた。
要約すれば、相棒のクノイチネズミが敵ヨーカイに捕まり、シロイズキン絶体絶命のシーンである。このときは、クノイチネズミとのアイコンタクトで、マボロシ・ニンポを使った不意打ちで難を逃れたのだ。
マサキとデジタルスクイレルは、このシーンを暗号にした。マサキを陽動にし、拘束が緩まったタイミングでハッカーは生体無線LANを起動、すぐさまドローンにハッキングをかけた。そして、以前に使ったプロジェクター映像で見事にデボーチャリーに隙を作ることができたのである!
二人は抱き合っていたが、まだ難は去っていない。一撃は浅く、デボーチャリーを倒しきれてはいないだろう。「キミには助けられた…せっかく良いところを見せたかったけど、結局ワタシだけでは…ゴメン」「キニスンナヨ!オレもキミにアイツから助けられた。貸し借りなしだ」マサキは笑った。
「それにあのときのアンブッシュ、クノイチネズミみたいにカッコよかったぜ、ベイブ。」「バカッ!♡」二人は頬をすり合わせた、マサキはデジタルスクイレルの感触を確かめた。バストは平坦であった。
その時である!「アカチャアァァァン!」廊下から、あり得べからざる情欲と熱を含んだ叫びが響く!「マズイ!」「どうするッ!?」窮地を脱する方策はあるのか!?
「イヤーッ!」「?!ッ」デジタルスクイレルは、ドローンの方に手を翳すと、そこには01で構成されたトンネルが浮かんだ!「キミもテジナが使えるのか!?」「いいから入るぞ!」
マサキは、01トンネルを見て二の足を踏む。「AAARHHH!」廊下からの声が近づく!「ヤバレカバレだ!」二人はトンネルに飛び込む!
10010101セクション6へ続く
マサキは改めて<電脳栗鼠>、いやデジタルスクイレルの姿を認めた。驚くべき姿であった。彼の視界には、アイサツの瞬間に二名の頭上に名前が出現したように映った。(マサカ、マモノだったなんてな…)
しかし、青年は不思議と受け入れていた。小柄な女は、栗色の髪をポニーテールにし、人間の耳のあるところでなく、登頂部にリスめいた耳朶があった。服は、ノースリーブのチュニック、ホットパンツ。足元はニーソックスのように見えたが、髪と同じ色の獣じみた足である。そして、背中には、ポニーテールを数倍にしたかのような巨大な尻尾が、大きな存在感を放っている
「カワイイだ…」その声は、すぐさま風圧に掻き消された。両者のオジギ姿勢が解かれると、栗色とワインレッドの風が交錯した!
「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」
マモノ達は残像を残しながら、数十合打ち合った。その余波で周りの書類棚や信楽焼の狸が破壊され、ホコリが重力を感じさせぬように中空に浮いていた。マサキには、この攻防が永遠めいて感じられた。
しかし!「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」ワインレッドの残像が栗色の方を捉えた!「イヤーッ!」「ンアーッ!」そして、青年打ち合いの結果を見ることになった。
(ソンナ、相棒まで…)デジタルスクイレルは、デボーチャリーにより羽交い締めにあい、苦悶の表情を浮かべていた…「ウフフ♡アナタ全然強くないわネ。まあ、ラタトスクにしては良くやった方?」「クウーッ」
マサキは絶望した。デジタルスクイレルはマモノだった。だがそれは敵も同じ、マモノであれば負けないわけではなかったのだ…青年はへたり込み、相棒の運命をただ指を咥えて見ているしかないのか!?
(チゲェだろ?こんなとき、シロイズキンならどうした?ヨーカイがどれだけ強かろうと、カタナを収め、されるがままだったか?)マサキは自問自答した。「ンアーッ」涙を浮かべ息も絶え絶えの、デジタルスクイレルと視線を交えた。(なにより、相棒を、クノイチネズミを見捨てたことがあるか!)
マサキの身体は動いていた。カタナはその手にない、反応速度も単純な腕力でも敵わない。「ソンナコトシルカ、イヤーッ!」男は、拳を固めてマモノに殴りかかった!
「ウフフ、ゴメンネ♡こっちのアカチャンを無視しちゃってェ」デボーチャリーは当然のように、不意打ちに気づいていた。「イヤーッ!」彼女は片腕をデジタルスクイレルから離し、虚空より角笛を生み出す!(また、お得意のテジナを出してきやがって!だが、これで片腕だけになった…)
マサキは、突進を加速させながら、ヤバレカバレではなかった。「相棒!2:15-19ヤンゾ!」「ッ!」一体、青年は何を言っているのか!?
(何かする気ネ…?人間アカチャンはほんとカワイイ♡)「だって、何をしても無駄なんですものネ、イヤーッ!」ブオオーン!デボーチャリーは角笛を勢いよく吹いた!そしてワインめいた匂いのするスモッグが、角笛のベル部分より湧き出す!「お眠りよ、オボロ・ジツ!」
おお、超自然の霧が視界を遮る。だがマサキは足を止めない。「ヌウウーッ」霧を突破して、只管にデボーチャリーに向かう!
「霧を吸わずに来れても、この一撃はどうかしらね?スウゥゥウ…!」マモノは、逆に角笛から空気を吸い始めた!ドローンを破壊せしめた、空気圧縮のワザを再び撃ち出すつもりである!アブナイ!
「ウオオーッ」(アカチャン、今度こそお眠りよッ!)「イヤ「オラアアアッ!」エッ!?」いかなる事態か?なんと、別方向から鉄パイプを持った暴漢が現れたのだ!こちらは数歩もない、一方マサキはまだ間合いにはいない!困惑しながらも、デボーチャリーは闖入者を排除する!
「イヤーッ!」ブオオーン!暴漢を吹き飛ばすべく放たれた空気弾は、しかしその胴をすり抜けてしまった。「何なの…」「余所見するなよ、イヤーッ!」「ンアーッ」マサキの攻撃は初めてマモノに有効打を与えた!しかし、デボーチャリーは横に転がりながら、廊下へと吹き飛ばされた!
「グウウ…」拘束を離れたデジタルスクイレルは、床に投げ出される。しかし、そこへマサキが間に合い、彼女を抱きかかえた。
二人の視線が交錯する。どちらともなく赤面し、そして青年は意を決して抱き締めた。二人の身体は密着し、少女のポニーテールの先端が愛する人の髪にかかり、勢いからその上に尻尾が重なる。
「2:15-19、やっぱりわかってくれたか。」「全く、君の趣味に合わせるのも大変だったんだヨ?」「でもちゃんと履修してくれたんだ?」「好きな人の好きなものは知りたいじゃないか。」
2:15-19、これはなにかの符牒であろうか?これはすなわち、「シロイズキン第二シーズン:15話-カット19」を指していた。
要約すれば、相棒のクノイチネズミが敵ヨーカイに捕まり、シロイズキン絶体絶命のシーンである。このときは、クノイチネズミとのアイコンタクトで、マボロシ・ニンポを使った不意打ちで難を逃れたのだ。
マサキとデジタルスクイレルは、このシーンを暗号にした。マサキを陽動にし、拘束が緩まったタイミングでハッカーは生体無線LANを起動、すぐさまドローンにハッキングをかけた。そして、以前に使ったプロジェクター映像で見事にデボーチャリーに隙を作ることができたのである!
二人は抱き合っていたが、まだ難は去っていない。一撃は浅く、デボーチャリーを倒しきれてはいないだろう。「キミには助けられた…せっかく良いところを見せたかったけど、結局ワタシだけでは…ゴメン」「キニスンナヨ!オレもキミにアイツから助けられた。貸し借りなしだ」マサキは笑った。
「それにあのときのアンブッシュ、クノイチネズミみたいにカッコよかったぜ、ベイブ。」「バカッ!♡」二人は頬をすり合わせた、マサキはデジタルスクイレルの感触を確かめた。バストは平坦であった。
その時である!「アカチャアァァァン!」廊下から、あり得べからざる情欲と熱を含んだ叫びが響く!「マズイ!」「どうするッ!?」窮地を脱する方策はあるのか!?
「イヤーッ!」「?!ッ」デジタルスクイレルは、ドローンの方に手を翳すと、そこには01で構成されたトンネルが浮かんだ!「キミもテジナが使えるのか!?」「いいから入るぞ!」
マサキは、01トンネルを見て二の足を踏む。「AAARHHH!」廊下からの声が近づく!「ヤバレカバレだ!」二人はトンネルに飛び込む!
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24/05/11 19:26更新 / ズオテン
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