読切小説
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ある火山学者の手紙
 この大学で一番の変人はフローレンスだというのは、院生時代からずっと言われてきたことである。私としては火山を中心に扱う専攻に進めば自分と同じような人間と出会えると思っていたのにがっかりだった。それでも、昨年、私と同じように溶岩の魅力のわかる××くん(学生本人の家族の意思により伏字)と出会えて、後進を育てることにやりがいも感じ始めていたのだが、それもどうでもよくなるような素晴らしいことが起こったのだ。

 大体皆はどうして溶岩の魅力に気づけないのだ。あのどろりと蕩け、艶やかに赤く光り、熱を発する妖艶な溶融物にどうして興奮できないのか。自分が死ぬなら溶岩流に埋もれて死にたいと、同志を見つけるために受け持ちの講義、フィールドワーク、実験と様々な場面で学生たちに語り掛けるのだが、学生からも教員からも気まずそうにされるのは不服であった。しかし、そんな私を火山雷に打たれたような顔、夜中に見る火山弾のようにきらきらとした目で見ていたのが××くんであった。君にも私と同じような素晴らしい出会いをしてほしい。そう思って私の妻とこの石板を鋳造している。



 あれはつい最近、〇〇(安全のため伏字)へ、ついには私の愛の棲み処の入り口となる場所の溶岩湖の調査をしていた時の話だ。夕飯のレトルト食品を食べ終わり、物資の補給と休憩のため麓へと降りた助手と院生たちはちゃんと予定通り帰ってくるだろうかと考えながら、地震計とカメラ、サーモグラフィーの点検を済ませて溶岩湖へ近づいた時のことだった。

詳しいことを話す前に書いておこう。私は一日の終わりには溶岩を眺めながらデカフェのコーヒーを飲むのが好きで、習慣になっていた。幻想的な光景を眺めながら、コーヒーと溶岩の熱に当たり、いつも、いつも「綺麗だなあ」と呟くのだ。そうしてテントでコーヒーを淹れて火口へ戻ったとき、溶岩湖の雰囲気がいつもと違うことに気が付いた。

 周りが暗い中で熱いものを見ると昼間より明るく光って美しいなんてことはよくある。しかし、あのときの光景はそんなもの以上であった。彼女が溶岩湖の真ん中にいたのだ。言い表すに、彼女は全身が溶岩で形作られ、豊かで重そうな、とろりと柔らかそうな乳房と太もも、大きくて気持ちよさそうな手、赤熱する舌、そして蕩けた表情をして現実離れした美しさ、あれはまさに火山の女神が目の前に現れたとしか思えないほどのものであった。あれは人が絵に描けるものでなければ、言葉にすることもできないものだ。

 ただただ息を呑んだ。心を奪われた。こんな陳腐な表現しかできない自分が嫌になるが、彼女の魅力に飲まれて頭がボーっとして、コーヒーカップを落としてしまった。彼女の熱が火口の崖の上にも伝わってきて、全身に熱い何かが渦巻き、血は煮えたぎるようで、息も荒くなり、手足は震え、愚息は固くなっていく。何も考えず、一歩一歩火口へと足を進める。それを見た彼女は蕩けた笑みを私に向ける。これは行かずにいられない。私は呼ばれているのだ。そう思った。そしてついに、私は火口の崖から飛び込んだ。

 空中で時間がゆっくりと進む。溶岩へと真っ逆さまに落ちていく。普通の人には恐ろしかろうが、その時の私は高揚していた。歓喜に満ち溢れていた。彼女から、溶岩の湖から受ける熱が気持ちよくてたまらなかったからだ。落ちていく途中にも興奮は増していく。そして、さらに、その興奮を煽る出来事が起こったのだ。

 湖面のグラグラと暴れる溶岩から次々と女体がその形を結び、数えきれないほどの彼女で覆われてしまったのだ。初めて彼女を見たときは体のところどころに冷え固まった溶岩のようなものが付いていたが、今度は全身が赤く、まるで全裸であった。そんな彼女たちが花嫁の投げたブーケを掴み取ろうとする結婚式の招待客のように、それぞれ私を受け止めようと手を伸ばすのだ。

ドバン……、ぶぐむにゅどろぐぢゅむゆみゅどろとろり。

 そんな音とともに、柔らかくも液体のようであり、それでいて弾力もある不思議な感触が全身を包み込んだ。あれだけの高さから溶岩へ落ちればコンクリートに落ちたような衝撃を受けるはずだが、溶岩は粘性を持ちながらも柔らかく私を受け止めてくれた。私の着ていた服はボッっと音を立てて燃え上がり、溶岩の中で炎の泡となって上って弾ける。そして、私は浮かび上がりながらも裸に剥かれた形となり、そこから遅れて全身に容赦のない、暴力的な熱が襲い掛かった。その熱を受けて先ほどよりも全身の火照りはムラムラと激しくなって、愚息は痛いほどに、何よりも普段の勃起ではありえないほどにまで大きくなってしまう。それに、全身がゾワゾワジュンジュンと気持ちがいい。

 そして、溶岩の水面にまで上がったとき、いきなり前から抱き着かれるような感触があり、接吻を受けた。彼女だ。先ほどよりももっと情に浮かされたような顔で、太陽のように輝くその瞳が私の目の前にあり、熱い舌に口内がくまなくジュージューと焼かれるが、熱が快感に変わるだけで苦痛もない。それは口の中以外の全身も同じで、まるで冬の寒い日に入る温泉のあの気持ちよさを何千倍にもしたような、全身がそれこそ解きほぐされ、蕩けてしまうような感覚で、そこにさらに私の中の性的欲求の炎を大きく煽るようなものもあった。

 とにかく、強く、強く、まさに包み込むようで情熱的な抱擁を受ける。溶岩の乳房が私の胸と合わさって潰れる感触も気持ちがいい。いや、彼女の全身が赤く蕩け、気持ちがいい。私の愚息は彼女のお腹に触れていて、少しその中に沈みこむような形になっていた。そんな状況に耐えられるはずもなく、三日間溜めに溜め込んだ精液が彼女のお腹にぶちまけられてしまう。そうすると依然として私の口内を犯す彼女の目が甘いものを食べたときのような、そんな幸福感と愛に満ちたような笑みをたたえて、そのままわたしを押し倒してしまい、一度キスを切り上げて、彼女の舌と私の舌との間に溶岩の糸が引く。そのあと私を仰向けの姿勢にして私に跨ったまま彼女はむくりと舌なめずりしながら起き上がり、腹に出された私の精を手で取り、口に注いでは恍惚とした表情を浮かべた。

「んはぁっ……♥、お前の精、めっちゃくちゃおいしいなぁっ♥♥♥」

 心地のいい声だった。頭の中に響き渡る澄んだ声。そうしてそのまま、また私の両脇にドクドクムククドロドロと溶岩がそれぞれ凝り集まってまた女性の姿となり、その見た目はその体のどこもかしこもまさに今私に跨っている彼女そのものだった。

「お前の精をしばらく味わっていたいからこっちの体で話をするぜ」

 右の彼女からの言葉で、先ほどの彼女の声と全く同じだ。「こっちの体……?」と聞き返すと、「この溶岩はあたしそのもの。あたしはこの溶岩からいくらでもあたしの体を作り出せるというわけだ。それも自分の腕みたいに自由に動かせるしな。お前もさっき落ちてくるとき見ただろ?」と返された。

「何のことかわからねえって顔してんな。まあ、そんなこと、考えるよりも実際にどんなことかあたしがいっぱい教えてやるからよ。もちろんあたしの体でな」

その言葉と共に、むくりむくりと、溶岩の水面の中から彼女たちが起き上がってくる。それだけではない。自分がその湖面で横たわるように浮かんでいる溶岩、つまりは私の下からも、乳房、お腹、太ももと溶岩で形作られた女体の感触が伝わってくる。みんなすべて、熱く、赤く蕩け、絡まり、混ざり合っているようだ。そして、いよいよ気づいてしまった。ここは溶岩で形作られた女体の湖だったのだ。

 その事実を悟ると、精液を吐き出しきって萎んでいた私の愚息は固く、熱く再び怒張し、周囲のすべての彼女たちがそれを見て、「さすがはあたしの旦那さんだぜ♥」とか、「焦らなくてもたっくさんのあたしの体でお前の全身めちゃくちゃに愛してやるからな♥。覚悟しろよ♥♥♥」とか、「はあぁぁぁあ……♥♥♥、すっげえいい匂い♥♥♥♥♥」とか、皆口々に蕩けきった甘い声で、一つ一つ聞き取れないほどいっぱいに呟く。

「早速下の口に咥えこみてえところだが、まずは精をたっぷり作ってもらわねえとな」

 そう言いながら、私に跨っていた彼女は私の陰嚢をその大きな手で包み込み、揉みしだき始めた。柔らかくもねちっこく、じわじわと睾丸を蒸し焼きにしてその熱が腰を蕩かすような、そんな感覚に襲われ、それを受けて精子がゾワゾワと作られていっているのを感じる。

「まさかこっちのあたしを忘れたわけじゃないよな?」
「乳首がガラ空きだからこっちもいっぱい焼いてやるからな」

 左右の彼女はそう耳元で熱い息を吐きながら私に迫り、その手で私の乳首を包み、捏ね、摘み、揉み始めた。ジュワジュワジュゥーーーージュワァ〜〜〜と音を立てて私の乳首がめちゃくちゃに犯される。その音とともに、乳首が熱を快楽に変換する器官へと作り変えられていくのを感じる。その未知の感覚に「あっ……あぁっ……!」と情けない声を漏らすが、左側から「火口の崖からあたしを見てた時はかっこいいなあ〜って思ってたけど、結構かわいい声で啼くじゃねえか♥」と、右側から「ますますお前のことが好きになってきたぜ」と、そして、左右で同時に「「これからもいっぱいかわいがってやるから、遠慮せずいっぱい喘ぎな♥♥♥」」と。その声と乳首での熱とが結びつき、頭の中で甘い幸福感が広がり、愚息もビクビクと震える。肺の中が燃えるほど熱く、その熱を必死に吐き出そうとすると、それも自然と喘ぎ声となってしまう。そうした中でどんどん精子が溜められていくのを感じる。

「こっちもめちゃくちゃにしてほしそうだな?」

 股の方の彼女はそう言って、左手で陰嚢を揉みつくしながら私の愚息をもう片方の手で撫で、彼女の鼻に寄せる。彼女の手の熱で愚息がさらなる熱を帯びて、まるで炉で鍛えられた鉄のようにさらに固くなっていくのを感じるが、それだけではなく、彼女が大きく愚息の臭いを吸って、「理性飛びそうになるなあ♥♥♥!こんなに濃い匂いのもんぶら下げてこれまで科学者面してあたしを観測してたっていうのか?お前、絶対下心があってあたしのことあんなゴタゴタした機械で見てたよな?これまでも毎晩毎晩火口の崖で『きれいだって』呟きやがって♥。あたしが魔力に当てられてこんな姿になる前から何度も何度も言ってたよな?お前童貞の臭いがプンプンするけど、しっかり精液は何度も何度も抜いてた感じがするよな?一体何をオカズにしてたんだ???」と、目の中で炎をクラクラと燃やしながら私にまくし立ててきた。私は言いよどむ。なぜならずっと、何年も前からここの溶岩をオカズにしてオナニーしていたからだ。

「言え。言わねえとこうだぜ?」

 とびきり熱いものが私の肛門をこじ開けて入ってくる。そのまま、コリコリと直腸の壁を通じて前立腺を焼き、刺激し、犯してきて、その感覚が脊髄から脳まで突きぬけて、軽く叫んでしまう。しかし、そのビリビリとした快楽が頭まで達すると、それは乳首や愚息、陰嚢からの甘い、甘い快楽と混じりあって訳が分からなくなる。

「さあ、言えよ?お前のオカズは何だったんだ?んん?お前人間をオカズにシコってた感じもしねえなあ。一体何を考えながらシコってたんだ?言え。あたしがめちゃくちゃに犯しつくしてやるから正直に言えよ。言え」

 前立腺への刺激が苛烈さを増す。言えない。言うどころの話ではない。横隔膜が攣りそうになるくらいいっぱいに喘ぎ、叫んでいるのだ。紡ぎだす言葉が言葉にならない。そうした、何か言おうとしている私の様子を見て、彼女は前立腺やその他の場所への責めの手を緩めて、「おっと、顔が真っ赤だぜ?気持ち良すぎていうどころの話じゃなかったか?」と笑う。

「……、……ました」
「何だって?聞こえねえよ」
「あなたで……、ここの溶岩で……、自慰を……していました……」
「♥♥♥♥♥!」

 彼女の口角がこれでもかというほど吊り上がり、目も爛爛ときらめき、ゾクゾクと震えあがる。その蕩けた笑みは私に大きな期待と少しの恐怖を抱かせた。それもこれからもたらされるだろう快楽の大きさへの恐怖を。

「許せねえ……♥。許せねえ♥、許せねえ♥、許せねえ♥、許せねえ♥、許せねえ♥!お前、あんなにあたしにお預け食らわせておいて、自分だけは崖の上でめちゃくちゃあたしでシコってたってんのか♥♥♥?!お前だけは許せねえ♥。決めた。お仕置きしてやる。お前がもう二度とそのチンコで無駄撃ちができなくなるように、もうあたしにしか精を注げなくなるように、お前の体にも心にもいっぱいに烙印を押してやる♥♥♥♥♥。お前はあたしのものだって、その精液の一滴♥、精子の一つまであたしのものでそれを無駄にすることはできねえってしっかり教育してやるよ♥♥♥!お前学者ならそうした飲み込みはいいんだろ♥♥♥♥♥?!」

 前立腺がゴリゴリ溶岩で犯される。焼かれる。燃やされる。その快感を受けてただただ叫ぶことしかかなわない。気持ち良すぎておかしくなりそうだ。イきたい。イきたい。イきたい。しかし、彼女は「射精はまだ許さねえ。これまで無駄撃ちしたぶんたっぷり精子作ってもらうからな♥!お前はずっと快楽漬けだ!頭ん中、あたしでいっぱいにしてやるよ♥!脳みそ沸騰するぐらい犯しぬいてやる♥♥♥!」と責めの手を緩めない。ありえないほど気持ちいい。いや、快楽が退いていかないだけで、私はもう既にイっているのかもしれない。そうとすればイきっぱなしか?さらにその快楽を、熱を、そして未知の力を受けて自分がどんどん作り変えられていってしまっているのも感じる。睾丸に、陰嚢にジュンジュンとこれまででは絶対あり得ないほどの精子が溜められていくのを感じる。陰茎からも潮を吹く。その潮も彼女の溶岩の体に触れて一瞬で蒸発する。その臭いで彼女がさらに蕩ける。責めがさらに熱を帯び、激しさを増す。ドライの絶頂が止まらなくなり、頭の中が熱で蕩けていく。そうしてそのまま、どれほど時間がたったかわからない。

 全身の神経、生殖器、消化器、感覚器、筋肉、血から何から肉体のすべての細胞も、自分の心も、睾丸がはちきれそうでたまらない今の状況に対して、射精したい、精液を吐き出したいと渇望する。彼女もずっしりと重くなった陰嚢を手に取って「うはっ♥!すっげえパンパン♥♥♥」と舌なめずりし、その溶岩の唾液が陰嚢に垂れると精子が睾丸の中で暴れ、のたうち回るのを感じる。私はもう息も絶え絶えで、涙目の状態で懇願する、「お願いです……。愚息が、睾丸が弾けそうでたまらないんです……。もうイかせてください……」と。

「だめだ♥」

 そこにすかさず投げられる言葉にさらなる焦らしを覚悟するが、人類の理想を詰め込んだかのような彼女の顔がぎゅっと私の顔に近づけられる。いつになく真面目な様子だ。

「ただ射精したいってだけならダメだ」
「それってどういう……」
「誓え」

 右から別の彼女が耳元で囁いてくる、「お前はあたしが相手だから射精するんだよな?あたしを愛しているからこそ、いっぱい射精したいんだろ?」と。素直な気持ちで答える、「君に包まれてイきたいというのが嘘なら、ここに来たときに毎晩火口で呟いていた言葉もウソになる」と。その言葉に目の前の彼女の顔がわずかに甘く歪む。左からも別の彼女が耳元で囁いてくる、「お前はこれから射精するとき、あたし以外のことは絶対に考えないって誓えるか?」と。私はすこし恥ずかしがりつつも「いとおしすぎて、気持ち良すぎて君のこと以外を考える余裕がない」と、目の前の彼女の顔が笑顔を抑えきれなくなる。最後に問われる、「そ……♥、それじゃあ、これから、いついかなるときもあたしから離れずにずっと一緒にいると……、誓えるか?」と。思ったままのことを快楽に呑まれながらも答える。

「多分君から離れたら寒くて仕方がなくなると思うが」

 彼女たち、正確には彼女一人なのだが、溶岩で形作られた無数の女体、そのすべてがだらしなく蕩け、欲にあらがえないような笑みを浮かべる。そして、目の前の彼女は「決めた……♥。お前はあたしの旦那だ♥。今からどうしようもねえくらいに犯しつくしてやるからな♥♥♥」と迫ってくるが、そこに「待ってくれ!」と制止する。

「そういえば名前を聞いていない」
「名前?んなもんねえぞ。でも、まあ、そういや考えたことなかったな……」
「それじゃ、フラメアと呼ばせてほしい。ラテン語で『燃えるような』という意味の言葉で、女性形だ。君の美しさをよく表している言葉だと思うから」

 そして彼女は「フラメア……、フラメア……♥♥」と何度も噛みしめるようにつぶやき、その瞳から溶岩の雫を一粒流す。そのまましなだれかかり、私に抱き着いてきて、「それじゃ、お前の名前はなんて言うんだよ」と返されたので、「フローレンスだ」と答えた。それにしても、こうして抱き着かれると全身が滾ってしまって仕方がない。

「フローレンス……♥、いい名前じゃねえか!フローレンス、お前はもうあたしのもんだ。ずっとあたしと一緒だ!抜け出せると思うなよ?」
「望むところだ」
「ところでな、フローレンス。あたしな、お前を早くめちゃくちゃにしたいっていう熱い気持ちと、名前を付けてもらってうれしいって気持ちでどうしたらいいか分かんねえんだ」
「そんなの、素直になればいい。思ってるままのことぶつければいい」
「ああ、フローレンス……♥♥♥、お前のことが好きだ。好きで好きで焦がれて♥、あたしは溶岩だけど♥、それでも燃え上がりそうだ♥♥♥!もう我慢できねえ♥!いいか?フローレンス♥♥♥♥♥」
「こちらこそ。フラメア、好きだよ。こちらこそよろしく」

 私が言い終わるのが早かったか、無数の溶岩の女体にとびかかられるのが早かったかは分からないが、ここから私の「初めて」の喪失が始まった。こうして抱き合ったまま、目の前の彼女は私の愚息を彼女の下の方に咥えこむ。その瞬間、下半身が吹っ飛んだかのような感覚を覚えた。溶けてなくなったのか、爆発したのかもわからない。そんな衝撃に戸惑っているとこれまで感じた中で一番大きな熱が愚息から入り込んで、全身を蹂躙していくのを感じた。しかも、今の自分には熱いのが気持ちいいのだ。全身が熱という快楽に塗りつぶされていく。それだけではなく、両足にも別々のフラメアが抱き着いてきて、その乳房で私の太ももをコキ尽くし、横からも下からも彼女たちに抱き着かれ、その体を押し付けられ、上からも覆いかぶさってきて、くまなくフラメアで包まれる。

「てめえ♥、いきなり告白するんじゃねえよ♥♥♥!滾ってちまって、我慢できなくなっちまうだろうが♥。てめえ♥、犯しぬいてやる♥♥♥。あたしの熱で全身たっぷり焼いてやる♥、煮込んでやる♥、燃やしてやる♥、熔かしてやる♥、蕩かしてやる♥♥♥♥♥」

 愚息がめちゃくちゃに締め付けられ、乱暴にぐぢゅぐぢゅぱんぱんと上から犯される。口もまたキスでふさがれ、じゅるじゅると熱いものが流れ込んでくる。そんな彼女を自分も強く抱きかえすが、それを受けて横からも下からもどこからかしこからも抱き着いてくる彼女たちが全身、乳房も太ももも何もかもを強く、より強く押し付けてくる。ああ、幸せな重みだ。今これを書いているときも妻の抱擁を受け交じり合っているわけだが、あの初めての体験を思い出すだけで射精してしまいそうだ。

 そんな肉体的な感覚だけではない。全方面から、「んぁっ……♥♥♥、くっ♥、あぁ♥!好きだ♥!好き♥!くぅうう♥、ふううう♥、んんんん♥♥♥!好き♥!もうどうしようもねえ♥!受け止めろ♥♥♥!」とか、「はあ、はあ、んあああ♥♥♥♥♥!もう離れられねえよ♥。お前、あたしに愛の味を教えやがったんだから♥、んはあぅん♥♥♥、永遠に責任持って一緒に居やがれ♥♥♥」とか、「あっ♥、あっ♥、あっ♥、あっ♥、はあ、はあ、こんな溶岩のあたしも♥、んんんんんぅくう♥♥♥、愛してくれやがるお前を♥、あぁんぅうううう♥♥♥、もうあたしも永遠に離す気にならねえ♥♥♥♥♥」とか、かわいらしく喘ぎながらさまざまに囁かれ、経験にない多幸感に満たされていく。ああ、彼女の無数の女体にどんどん埋もれていっているからか幸せな重みも、熱量も跳ね上がっていく。

「あうんぅ♥♥♥!へへ、あたしのおっぱい、熱くて、重くて、ドロドロしてて、いやらしいだろ♥?あっ♥、んんぅ♥♥♥、こんなおっぱい、お前が望めばいくらでも全身包んでやるからな。ああぁん♥、ほら、ふくらはぎズられるのお♥♥♥、気持ちいいだろ♥?」
「両肩におっぱい押し付けられて♥、んぅあん♥、あたしの太もももお前の太もももめちゃくちゃに絡み合って♥、はぅん♥♥♥!もう何が何だか分かんねえが全部あたしだ♥。はあ、はあ、こんなことしてやれるのはあたししかいねえ♥♥♥!もう♥、お前、あたし以外何も見えてねえだろ♥!それでいい!あたしだけ見てろ♥♥♥!」
「あっ♥、あっ♥、あっ♥、あっ♥、あっ♥!オラオラ♥、お前のおちんちん♥、溶岩マンコに奥まで咥えこまれて大変なことになってるぜ♥♥♥。ぐぅふうぅぅっ♥、深いぃぃ♥♥♥。はあ、はん♥!パンパンに勃起して♥、あたしよりも熱くて♥、んはあっ♥♥、あたしも、これはやべえ♥♥♥!こんなの覚えさせられたら、きゅぅぅううん♥♥♥、もうずっとこうしていたくなっちまうぜ♥♥♥♥♥」

 愛の囁きだけではない。みんながみんな、私の快楽を煽るようなことを言ってくるのだ。しかも、彼女たち自身も快楽に喘ぎながら。私の全身を無数の女体で貪りつくしながら。そうして、彼女たちも私も、快楽の高みを目指していく。

「フラメア……!もう……、イきそうだ!」
「あたしもトんじまいそうだ!んはああああぁぁ♥♥♥♥♥。こんなの耐えられるわけねええ♥♥♥!」

 先に彼女がイった。無数の彼女たちの喘ぎ声と共に、ただでさえ高かった熱がさらに跳ね上がり、私を襲う。もう、彼女たちとの境界も曖昧になるくらいに蕩けつくしてしまう。さらに、彼女の下の口もぎゅぅぅうううっ♥と私の愚息を締め付けてくる。この状況で絶頂を迎えない方がおかしい。堤が決壊したかのように、精液が愚息から溢れ、飛び出して、彼女の中へ注がれる。そのときの彼女の表情の幸せそうなこと。「ああ♥、来たか……♥♥♥。フローレンスの精、あったけえなあ……♥♥♥。もう幸せだ……♥♥♥♥♥」と絶頂の余韻に浸りつつ彼女自身のお腹を撫でている。そんな中で私と言えば、いつまでも、いつまでも、体が全て熔けてなくなるような快楽の中、精を彼女の中に注ぎ続けた。

 それこそどれだけ時間が経ったかも分からないが、自分はあまりの気持ちよさに気を失っていたようだ。彼女の焼けつくような気持ちよさのWフェラチオで目が覚めたときは、いまだに夢を見ているのかと思ってしまった。

「あれっ……、まだ夢を見て……」
「夢じゃねえ。夢で済ますな。あたしとあんな情熱的な契りを交わしたってのに♥」

 私を取り囲む無数の彼女たちが不服そうに膨れるのに、笑いながら「ごめんごめん。現実感がなくて。それこそ本当に夢が叶ってしまって」と返すと、「そういやフローレンスの夢って何だったんだ?」と聞かれた。

「溶岩に埋もれることだ。できれば生きて埋もれたいと思っていたが、そのためなら死んでもいいとさえ思っていた」
「縁起悪いこと言うんじゃねえ。てめえはあたしに永遠に埋もれて過ごすんだろうが。ぜってえに死なせねえかんな♥」

 そんなことを言う彼女があまりにも可愛く思えて頭を撫でてやると、その頬が赤く蕩けるのでつい「そんな顔も可愛いよ。夢が叶ってよかった」と声に出す。

「うるせえ!恥ずかしいんだよ!おめえ、この熱い舌で舐りつくされてえか?!こんのおっぱいに埋もれてえか?!めちゃくちゃに犯してやるからな。仕返しだ!」
「望むところだ」

 そうして私はまた、数えきれないほどの溶岩の女体が絡み合い、蕩けあい、混じりあっているところにとびきりいやらしい音を立てて沈んでいく。そうして二回戦、三回戦、四回戦と彼女にめちゃくちゃに、一方的に犯され続けるのだった。

 さて、この手紙のそもそもの趣旨は××くんにも私と同じように素敵な出会いをしてほしいということだったな。私の妻が溶岩から「ラーヴァゴーレム」と呼ばれる種族に変じたのは「魔力」とかいう未知の力が別の世界から注がれたことによるらしい。私は今から妻とその世界へと移り住もうと思っているが、その前に伝えておく。△△山もここと同じように別世界から魔力の注ぐ火山であるらしく、さらに、そこには地震波による観測で大きなマグマだまりがあることもわかっている。君が切に素敵な妻を求めるならば、きっと道は開けるだろう。それではお別れだ。君も私の後を追って新しい世界へやってくるといい。



【この書簡の原本は玄武岩質の溶岩を型に入れて鋳造して作成された複数枚の石板からなり、麓から戻ってきた助手や研究員、学生がフローレンス教授を探していたところ発見されたものであって、本人の書簡であるか明らかではないものの当大学図書館に所蔵されたものである。なお、彼の受け持ちの学部四回生××は、この書簡を読んだ後、教授が言及した火山△△へと向かい、以降行方不明である】


【後日談】
 ただの荒れ地に溶岩、つまりは我が妻を地平線まで満たし、その真ん中に溶岩でドーム状の巨大な宮殿を築き、その中をさらに妻で満たし、ただただその中で溺れている。ある日は妻の尻をずらっと並べて、一人づつその女陰に精を注いでいったり、とてつもなく熱い何かを授乳されながら全身くまなく絡みつかれて、三日三晩休みなく搾りつくされたこともあった。そして今日も、数えきれないほどの妻たちとの狂宴が始まる……。

「あんっ♥♥♥!要望通り蕩ける溶岩おっぱいで全身包んでやったぜ♥」

 今日は妻の乳房を心行くまで味わおうということで、今は前からも後ろからも横からも、全身幾人もの妻の乳房で包んでもらっている。ああ、愚息が痛いほどに膨れてたまらない。

「へへ♥、ここすんげぇ固くなってんじゃねえか♥♥♥」
「いいぜ♥。お前が望むなら、その顔も、腕も、胸も、背中も、腰も、尻も、太ももも、ふくらはぎも、チンコもぜぇんぶズりつくしてやるからな♥♥♥」
「ああ、そうそう。おっぱいの大きさも何もかも変えられるから気軽になんでも言ってくれ♥」
「もっとも、いつもみてえに気持ち良すぎて何も言えなくなるかもしれねえけどな♥♥♥」
「そんときは大きさも感触も蕩け具合も、お前の反応見ながら変えてやるから安心しろよな♥」

 ああ、今日も妻に容赦なく犯される。その快楽はどれほど大きくなることか。そんな期待を抱き、息も自然と荒くなり、フラメアの乳房に埋もれる愚息からも我慢汁が伝う。その我慢汁を手で取って口へ運び、最高に蕩けた顔をして、妻たちは言うのだ。

「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「愛してるぜ、フローレンス♥♥♥♥♥」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」

 私はもう、この溶岩の海から上がることはできないだろう。
21/06/01 04:24更新 /

■作者メッセージ
私もこうなりたい。

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