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「うっ・・・うう。。。」 「ふふ、どうしました?・・・これが、イイんですか?」 薄暗い部屋の中、硬めのベッドに横たわる俺とその傍らに腰掛ける女。 「ああっ!く、くすぐったいよ。気持ち、いいなんて、えぁぁ。。。」 「そうですか?そのわりには、この子はビクビク見たいですけど?っじゃ、止めますか?」 ここは某帝都で400年の歴史を誇る歓楽街であり、俺はそこで派手に輝いていた『風呂屋』の一室で裸で寝転んでいた。 当然、隣の女も裸だ。 「や!やめないでくれ!もうイキそうなんだ!」 「では、こっちもしてあげましょうねぇ♪」 「んん!ふぁああああ!!」 女が長い髪を手で束ねて作った髪筆で、俺の両乳首をこそばす。 時には毛先で刺すようにサワサワと、かと思えば強く押し付け毛の中心で包むようにグリグリと、チクチクとした痺れが背骨へそこからガチガチのチ○ポの付け根へと響いていく。 もう限界だ。乳首だけでイクなんて女じゃあるまいし。だが我慢できない。 <ブビュ!ブピュ! ポタタタッ 「ふぐぅ!ふうぅぅ、ふぅぅ。」 「きゃ、いやぁ、多すぎますよ♪ちゅ♥ちゅリュリュルルルぅ♥♥」 腹の上に落ちた精液を音をたてて吸い取る。ヘソの穴を舌でほじくり、陰毛を噛み解しながら咀嚼していく。 だが、女は目を逸らさない。どんなに変態的なプレイであっても決して女は俺から目を逸らさないのだ。 臭いご馳走を平らげた女は、顔を上げると口に絡まった陰毛を歯でこそぎ落としながら口から引き抜いた。 引き抜いたそれを俺の前で揺らす。その向こうから見つめてくる瞳は、長すぎる髪で顔の半分が覆われているので一つしかない。一つしかなくてもその大きく切れのある眼光は、俺を釘付けにするには十分だ。 「ごちそうさまでした♥でも、まだぜんぜんゲンキですね♪次はどこでイキますか?」 わかっている癖に意地悪な女だ。男が最も出したい場所なんて一つしかないだろうが。 ここは珍しくそれが許容されている。 「もちろん!膣内でだしッ」 ピピピッピピピッピピピッ> 安物の時計から安物のアラーム音が聞こえる。 夢の終わりを告げる鐘の音は、その安っぽさも相まって実にイラついた。 いっそ叩き壊してやろうかと乱暴に小さな机の上の時計を掴むが、やんわり太ももに乗せられた女の手と髪が俺を制する。 「時間きちゃいましたね。」 「また、本番出来なかった。」 「残念ですね。でも、足の裏や脇の下をくすぐられただけでイッてた頃より随分進歩しましたよ♪」 「帰りたくない。まだ、君と居たい。」 ガキのような我が侭を女にぶつける俺は何とも滑稽に見えるだろうに。それでも女の髪の間から見る優しいまなざしは途絶えない。 「でもうち、延長料金高いですよ?」 「知ってる。」 「お給料日前ですよね?」 「・・・。」 女はスッとベッドから立ち上がると着物風なドレスを下着も着けずに着ると、俺の右手を優しく取り、立つように促した。 俺はそれを拒めない。女とはあくまでも仕事の付き合いなのだ。この優しい手も、柔らかな髪も、甘い汗の匂いに満たされたこの部屋も、すべては金を出しているから味わえるもの。 金の切れ目が縁の切れ目、女とはそれだけの関係。しかし、諦め切れない俺は通い続ける日々。 「そんな顔しないでください。直に会えるじゃないですか。」 「ああ。そうだね。」 悶々とする気持ち。女の優しさは金の力によるものだと思いつつも、自分だけに向けているものだと思いたい葛藤。 気付いているのか?その答えは出ない。 俺は女に手伝われながら服を着ると女に誘われながら部屋を出た。 「じゃ、下までお送りします。」 手を繋いでエレベーターを待つ俺たち。他にも時間がきた客がいるのか、はたまたこれからお楽しみなのか、エレベーターは途中でよく止まり一向に来ない。 俺はその間に扉に反射した女の姿をまじまじと堪能することにした。 女にしては結構な高身長。少し白めで健康的な肌を輝かせる大きな鞠が二つ、カップはよく解からんが頭二つ分にくびれのあるモデル体型だから相当なものだろう。すらっとドレスの合わせ目から伸びた足は決して細くは無いが、指の埋もれるムチ度合いと張りの両立により色気が香り立つ。 そして、何よりも特徴的なのはその髪。和風ドレスは後ろからはおり着物のように帯で留めるデザインだが、女はそれを肩の下まではだけているため、乳首の寸前まで露出している。しかも、帯も細いためきっちりと締められておらず、合わせ目がダルダル、割れ目まで見えているはずなのにその全てを髪が隠し通している。 後ろ髪の長さは女のふくらはぎまで達している。普通、これほどまでに長いとどこかで膨らんだり、枝毛が飛び出したりして毛の塊のようになり、特に彼女のように顔の半分を隠すようなストレートの髪型にしていてはホラー映画のメイクと間違われ、不気味がられるはずだ。 だが、女にその雰囲気は無い。それを可能にしているのが、キラキラと輝く黒の塗りの美しさと滑らかさだ。女の髪は、女にぴったりと寄り添うようにしなやかに垂れ、それでいて水で濡れているわけではないので張り付くわけでもなくさらさらと良く動く。 胸に張り付く髪は胸の形そのままをあらわし、乳首の形や下乳の形までよく解かる。脚に絡む髪はまるで長い長い羽織物が絡まっているかのように太ももを隠すが、その厚みは一切感じられないのでペイントと言い張れるくらいだ。 いやらしい目つきを存分に飛ばしていると、鏡面の向こうの女がこちらに小首をかしげて微笑みかけた。 気付かれていた。 「私の身体、お気に召しましたか?」 丁度よくエレベーターの扉が開いた。 俺はその質問に行動で答えた。 女の腕を強引に引っ張り、エレベーターの壁に叩きつけるとその上に密着し、動きを奪った。 そして、唇も。 「い、痛!ッんぅんぶっ!!」 「んちゅ、じゅる、ちゅ、がまんできねぇよ。もっと、もっと!」 「んぶ!んんぅ、んく、ちゅりゅぅ♥」 瞳を閉じて、苦しそうな女だったが、次第に目を半開きにしてとろんとしてきた。その目はやはり俺を見つめ続けている。 さらにエスカレートし、髪の上から女の乳を揉みしだき、髪を指に絡めてから指をマ○コに突き入れてやった。 「ン♥ップ、は、はぁああぁぁ♥んぶ♥」 「やわらけぇ、あったけぇよぉ。」 「は、ひ♥ああ♥いれてぇ、わたしも、がまん、がまんぁああ♥」 女は片足を上げて俺の腰へと絡ませる。そして、張り詰めた俺のテントを愛液でびしょびしょにしやがった。 俺は常連だぞ。ここでやっちまっても問題ないはずだ。 女もそれを望んでる。大丈夫だ、やれる! ベルトに手をかけた時、肩を誰かに叩かれた。 ぽんぽん> 「お客様、お帰りですよ♪」 「あ?んあっ!?」 見れば、いつの間にかエレベーターは1階まで降りており、後ろにはタヌキ顔の女店員がニコニコにしながら立っていた。 こう言う店で乱暴・狼藉行為をすると怖いお兄さんに連れて行かれる。 俺は慌てて女を放し、店員に弁解しようとした。 「ま、待て、違うんだ。これはちょっとしたプレイの一環で・・・。」 「はぁはぁ、ん、はぁ。」 「ほ〜?プレイの一環?んな、追加料金でも頂きましょか?」 「い、いや、それはだな。」 「まぁ、うちらとしては、貰うもん貰ってまっから、店の娘と何しようが勝手ですんがね、時間外言うんやったら話は別でっせ。それは弁えてもらわなぁ、な?」 「ああ、以後気をつけます・・・。済みませんでした。」 その後、女はエレベーターの中から手を振って俺を見送り、俺自身はそのまま女店員に引き連れられて受付まで来た。 「ほな、椿ちゃん100分プレイで17000円ですよって。」 「いつも思うが、後払いなんだな。しかも、かなり安い。こんなんで店やっていけてるのか?」 俺だって男だ。他にも幾つかの店に入ったことはあるが、風呂屋にしろなんにしろ、ここまで安い店は見たことが無い。普通はこれの倍だ。しかも、ここはかなり立地がいい。他の店が入ってないところからしてテナント料も半端じゃないだろうに。 「まぁ、ここはほとんど一族経営みたいなもんでっから、従業員はあたしとクイーンスライムの二人だけでしてな。経費は食事代と税金だけみたいなもんなんですわぁ。」 「他の店が黙ってないだろう?」 「ここに来るのは、自分で言うのもなんでっけど、他の店を出禁にされたような特殊な趣味の方が多いんですわ。謂わば、隙間産業なんで見逃されとう感じでっかな。」 「そんなもんなのか?」 「・・・それ以外にもいろいろやらせてもうてますが、お兄さん、うちらの業界に入りたいんか?」 「・・・。」 裏家業なんて真っ平ごめんだ。俺はさっさと金を払い、玄関のマットを踏んだ。 「まいどありぃ〜♪いってらっしゃいませぇ〜♪」 「・・・。」 「?どないしました?忘れもんでっか?」 「・・・。」 ここに立つといつも気分が滅入る。夢から覚めたときの様な感覚。とてつもない虚無感、孤独感、それらが寒気として俺の脇を通り過ぎていく。そして、その度に俺の魂が風化していくイメージだけが頭に残る。 この寒さを何とか出来るなら、あの暖かさをもう一度得られるなら、犯罪だろうと何だろうと出来る気がする。 だから俺は通い続ける。 俺は 中毒になっていたんだ。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 「お前は何をやっとるんだぁー!!」 「申し訳ありません!」「すみませんしたー。」 あれから数日。給料日の朝だというのに、俺は開口一番、部下と共に叱られていた。 「何なんだこの資料は!?何十箇所も誤字脱字をしやがって!こんな資料を会議に出して私がどれだけ恥をかいたと思っているんだ!」 「申し訳ありません。すべて私の責任です。」「したー。」 「だから言ったんだ!手直しなど必要ない、時間も無いんだからこのまま出せ、と言ったのに!だいたい、どうやったらあの短時間であの完成されていた資料がここまで酷いものになるんだ!?どうやったのか教えて欲しいくらいだ!」 「少し数値を追加しただけだったのですが、それが原因で文章が幾つかズレ、その修正をした際になったものかと。」 「いいわけするな!!」 「はい!申し訳ありません!」「せんしたー。」 「まったく!明日の朝までにちゃんとした資料を作り直して来い!他部署やクライアントには、私が直々に渡しに行く。」 「はい。本当に申し訳ありませんでした。どうか、よろしくお願いします。」「しまーす。」 まぁ、この会話を聞けば解かるだろうが、大事な会議資料に蛇足を加えた結果、大失態をやらかしてしまったというわけだ。部下が。 だが、当然責任は俺にある。最終確認でその資料を確認し、印まで押したのだからな。 後悔しても仕方が無い。次にこいつからデータを貰った時はもっと目を皿にして見ればいいだけの話だ。 しかし、このままにするわけにもいかない。俺は、部下に注意とやり直しを伝えるために部下の席へと詰め寄った。 「やれやれ、お前のパソコンどうなってるんだ?誤字脱字どころか文字化けすらあったぞ。」 そう話しかけるが、こいつは先ほどのことなどまったく意に介していないかのように飄々としていた。 「えー?僕の所為ですかー?僕のほうでは山口さんに渡すまでは正常でしたよ。ほら、これバックアップですけど。」 そう言って自分のパソコンをモニタを俺のほうに見せる。確かに、目だった誤字脱字は無い。しかし、俺のほうでは編集は一切していない。どう言うことなのだろうか? 「どうッスか、山口さん?」 「確かにな。だが、俺のほうでは何もしていないぞ?」 「さぁ?それは知りませんけど、とにかく僕の所為じゃないんで。あと、僕、今日は用事があって残業できませんから。」 「はぁ!?お前ちょっと待て。誰の所為とかじゃなくてお前が担当の仕事だろうが!ほっぽり出す気か!」 「えー?僕は自分の所為じゃないって証拠出しましたけど山口さんはどうなんッスか?山口さんのパソコンにウイルスでも入ってんじゃないッスか?」 「それは後で見てみるが、それとこれとは話が別だろうが!」 「ッチ。はいはい、わかりましたよ。でも、データのやり取りはしないでくださいね。感染したら厄介なことになるんで。」 その後、奴はまったく手の付けられていないバックアップデータを焼いたDVDのみ残し、俺がトイレに行っている間に定時でバックレやがった。 「で、結局俺が直していると。クソ、なんで俺が。」 ウイルスチェックをかけても何も出てこなかった。何が原因かわからない以上、あいつの判断は妥当なのかも知れん。だが、仕事を放棄することも無いだろうに。 そうイライラしながら編集していると、モニタに妙な影が走った。 「なんだ?」 よく目を凝らすと、モニタには無数の細い髪が静電気で張り付いていた。 これの所為で文字を見間違えたか?そう言えば、あいつには何もしていないと言ったが2・3箇所誤字があったから直したような記憶もある。それにパソコンのほうも良く見るとファンに髪の毛と埃がぎっしりだ。とすると・・・。 俺は直にモニタを綺麗にふき取った。 これじゃあ、あいつにも強く言えない。フラストレーションが溜まっていくのを感じた。
15/01/25 01:26 up
特車2課
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