逃避
「うちゅ……むちゅ……」
「はあはあ……響(ひびき)ちゃんいいよ……」
私が肉棒を口に咥えて、舌で転がすように舐め続けているとお客は私の源氏名を呟いてきた。私は内心では男の肉棒から漂う異臭に嫌悪感を感じていたがそれでも店側の指定した料金を払ってもらっていることからそのことを隠してフェラを続けた
「響ちゃん……上に乗ってくれないかな?」
「いいですよ、沢渡(さわたり)さん」
お客は私のフェラを受けたことでその興奮によっていきり立った肉棒を指差して、私に自らの意思で腰を振るように男は頼むと言う名前の命令をしてきた。お金をもらっている風俗嬢である私がそのことを断れるはずがないことを知りながら
「では、横になってくださいね」
「おぉ……すまないね……」
お客は白々しくそう言って、ベッドに自らの身体を預けて横になった。そして、私はお店に備えられているコンドームを持ってきて
―ビリ―
「では、失礼します」
「ああ……頼むよ……」
「では……」
―シュルシュル―
「おぉぉ……!!」
私は袋から出したゴムをお客の勃起した肉棒に被せた。その際にお客の肉棒はそれに興奮したのか、脈打つかのように動き、肉棒の持ち主もまた興奮を含んだ声を出した
「じゃあ、お体の上に乗らせて頂きます……よろしいでしょうか?」
「ああ……頼むよ」
「はい、では失礼します」
お客に確認にするとお客はもう待ちきれないようですぐに了承した。私はその後にお客の腰の上辺りに自らの腰を持っていき、その場に中腰になった。そして、
「では、挿入させて頂きます」
お客の肉棒を私の膣口へとあてがい
―クチュ―
「ん……」
そのまま、腰をゆっくりと下ろしていき自らの膣内へとお客の肉棒を挿入した。そして、さらに腰を下ろしていき
「んん……!」
完全に肉棒を挿入し終えると私はしばらくしてから
「沢渡さん……動いてもいいでしょうか?」
お客にそう尋ねた。すると、
「ああ、動いてくれ……」
お客は嬉しそうに即座に答えた
「わかりました……では……」
―ユサユサ―
「あん……!」
「おぉ……!!」
私は自分の腰を前後に揺らし始めた。すると、お客は私が与える振動に快楽を感じ始め声を漏らし始めた。私はそれに対しても、身体を売ることで生活費を得る穢れた自分への浅ましさに嫌悪感を抱くが
―パンパン―
「んあ……!んん……!!」
お客を満足させるためにさらなる快楽を与えるために腰の動きを上下に変えた。しかし、同時にそれは私にも快楽をもたらした
「はあ……はあ……んん……!!」
加藤先輩……!!
私は好きでもない、むしろ、自分が最も忌み嫌う女を性欲処理のための道具にしか見ないタイプの男の腰の上で自らの膣にその男の肉棒を加えて腰を振り続けることへの悲しみと怒り、憎しみを消し去りたいがために好きな元上司、いや、かつて好きだったと思いたい元上司のことを思い浮かべた
―パンパン―
「あぁ……んん……!!あん!!」
「いいよ……響ちゃん……気持ちいいよ……」
腰の動きを速めたことでお客はさらに気持ち良さを感じているようだが私はそのことに感じたくない快楽を感じ続け、腰を動かすことだけに集中して動作を続けた
これは自慰なのよ……だから、私はあの人とのセックスを思い浮かべながらこの肉棒(バイブ)を使えばいいのよ……
私は自らの愛を伴わない売春行為を自慰行為に置き換えて、その自慰行為の中で既にいなくなってしまったあの時まで心の底から自分が迷いなく『好き』と言える自信があったかつての勤め先の直属の上司であった人との行為を妄想した。そうしなければ私は今、自分がしている、いや、これからもしなくてはいけないことに耐えられなかった
―パンパン―
「はん……!!はん……!はぁん……!!」
私の元上司であった彼、加藤 優(かとう すぐる)さんは誠実な人だった。少なくとも、私の腰の下で女を買っている男と比べたら本当に善良な人だった。私は半年前までとある企業の秘書課に勤めていた。そもそも、私があの人でなしが多かった企業に入ったのは大学の先輩であった彼があの企業に入ったからだ
―パンパン―
「んあ……んん……!!」
しかし、彼には既に妻がいた。彼は大学の時に当時、交際していた女性である後の妻となる女性を妊娠させてしまったのだ。妻子を得てしまった責任感のある彼は当時、必死になって就職先を探していた、そんな時に彼の大学の先輩であった私の元勤め先の社長は誘いを受けて彼はその会社に入社した
―パンパン―
「あん……あん……!!」
それでも私は彼への想いを捨てることができず、未練たらしく彼を追ってあの企業に入社した、だけど、彼は私が初めて会った時から変わらず誠実でいわゆるデキ婚とは言え、それに対して何の文句を言わず、妻子を愛していたのがわかった。そして、彼は本当に部下思いで部下が失敗をしてもそれを頭ごなしに叱ることはせず、まず、悪いことだけを指摘してから、同じような失敗を繰り返さないように忠告するだけでその後は失敗をどのようにして取り返すか全力でサポートして、それを実行してくれる人でもあった
「はあはあ……響ちゃん……そろそろ……出る……」
お客の声で私は現実に引き戻された。私はその瞬間、浅ましい娼婦の顔になり媚びた声で
「はい……私もイキそうです……ん……!!」
そう言って、お客の男としての虚栄心を満足させようとした。実際は確かに私は多少は快楽を感じていたが自分自身は満足しておらず、これならまだ自慰をしていた方が満足する。しかし、男はそれに気づかず
「そうか……ん……」
勝ち誇ったような顔をしていた。所詮、男とはこう言ったものなのだ。自分の小さな征服欲と優越感を満たすためならば女を平気でそのための道具にする。そして、用が済めば簡単に女を捨てる
そう……あの男のように……
―パンパン―
「ん……あんあん……!!んん……!!」
私はそんな男を見下すために腰の動きを激しくした。それが所詮、負け犬の遠吠えにも劣る見苦しくて醜いことであることを心の中で気づきながらも腰を動かし続けた。私にはそれしかできなかった
どうして……どうしてなんですか……先輩……どうして、私のことを……抱いてくれなかったんですか……!?
私は心の中でかつて想いを寄せていた男性に対して、自分を『女』として抱いてくれなかったことにどうしようもない悔しさと悲しみと憤りを感じた。私は彼が本当に好きだった。それが人の道に外れた『恋』でありながらもそれでも好きだった。そして、私は自分の気持ちを抑えることができず、彼がいなくなる前の一年前のバレンタインの時に
『先輩……私……ずっと、あなたのことが好きだったんです……』
と彼に告白した。そして、
『お願いです……今夜だけでいいんです……私のことを……』
私は彼が妻子ある身であること知りながらも自分を『女』として抱くことを彼に懇願した。それが最低なことであることを理解しながらも私は我慢できなかった。彼と初めて出会ってから10年が経ち、彼が妻子を得てもその想いを未練たらしく捨てることができず、彼と同じ職場で働いた8年間は彼がどれだけ素晴らしい人なのかを私に教え続け、私の彼への想いをさらに深めた。そして、私の気持ちは既に抑え切れるものではなかった。だけど、彼は
『ごめん……貴水(たかみ)さん……それはできない』
それを拒絶した。私はそれに対して
『どうして……なんですか……?』
理由を尋ねてしまった。私はその時、自分がどれだけ最低な女であることを知りながらも彼に理由を聞きたかったのだ。そいて、同時にどうすれば彼に自分を抱いてもらえるかを知りたかった。だけど、彼はそんな私のことを責めることなく
『それは僕には妻もいるし、息子もいる……僕は彼女達を傷つけるようなことをしたくはない……それに……』
優しく諭すように人間として当然のことを言った。そして
『そんなことをしても……君が傷つくだけだよ?だから、僕は君を抱きたくない……たとえ、僕が君が望むことをしないで君が傷ついても……それはできないよ……』
『……っ!?』
彼は私のことを本当に考えてそう言ってくれた。よく考えればわかることだった。彼は本当に誠実だった。7年間も彼と一緒にいればわかることだったのに私はそのことを忘れていた。だけど、私にとっては彼のその優しさが辛かった。今の現状を見ていると。そして、彼はもういない
どうして……どうして………あんな女が……!幸せになって……!?私は……!!
私は彼を裏切ったあの女と自分の過去と現在の状態を考えて比べてしまった。私はあの女に一度も勝ったことが無い。私の好きだった人の子どもを孕み、私の好きだった人に愛されて、私の好きだった人に大切にされたあの女と自分を比べてしまい、余計に自らの惨めさを感じてしまった。あの女は私が欲しかったもの全てを手にしながらそれを捨てたのだ
「うっ……射精る……!!」
―ビュク!!ビュク!!―
「あぁん……んん……!!」
ゴム越しに感じる熱い感触によって、私は生活費を稼ぐために自分の身を売る最低な女である現実を再び戻された
「はあはあ……!響ちゃん……良かったよ……」
お客はそれに満足して私の頬を撫でてきた。私はそれを受けるとすぐに娼婦の顔になり
「そう……ですか……響も嬉しいです……」
少し快楽を感じたこと自分の恋が報われなかったこと、自分の惨めさ、そして、『好きだ』と言いながらもあの人を信じることができなかった後悔で私は涙を流した
「響ちゃんも感じてくれて嬉しいよ……しゃぶってもらってもいいかな?」
お客は私に対して射精したばかりの自らの肉棒を咥えるように言ってきた、つまりは自らの肉棒の周りや尿道に残る精液を私の口で掃除しろと言うことらしい。私はそれを商売として割り切った
「はい、では抜きますね」
―クチュ―
「んん……」
―クポ―
私の膣内から先端が精液によって膨らみ周りが私の愛液で濡れたコンドームが被せられた肉棒が抜かれた。そして、私は
「じゃあ、外しますね」
お客の肉棒に手を伸ばし、自らの愛液でゆっくりと外していきいった
―ぬるぬる―
うっ……
お客の肉棒から放たれてコンドームの先端に溜まっていた精液が私の手に付いた。私はそれに不快感を抱くがもう、何度も経験したことに加え商売でもあるので我慢した。それにこの後に自分がすることを考えるとこの程度で音を上げてはなどいられない。そして、既に自分が穢れていることも自覚してもいたし、今さらだとも思っていた
―ヌポっ―
コンドームを外し終えるとそこには自らの精液とコンドームの潤滑液でぬめり光っている肉棒があった。私はそれを
「うむ……んん……」
自らの舌で舐め続けた。するとお客は
「いいよ……響ちゃん……いいよ……」
射精直後で敏感になっている自らの肉棒を私の舌によって舐められていることに快楽を感じ始め興奮しだした。そして、肉棒の周りを舐め終えると私は彼の肉棒の先端に口を運びそれを
「あむ……はむ……うちゅ……」
口に咥えた
「ちゅる……うちゅ……」
「おぉ……!」
最後に私はお客の尿道に残る精液を吸い取った。もう私は一つの作業としてしか見ていない。お客はそれに気持ち良さを感じていた。私にはどうでもいいことだけど。そして、今日の私の仕事は終わった
「はあはあ……響(ひびき)ちゃんいいよ……」
私が肉棒を口に咥えて、舌で転がすように舐め続けているとお客は私の源氏名を呟いてきた。私は内心では男の肉棒から漂う異臭に嫌悪感を感じていたがそれでも店側の指定した料金を払ってもらっていることからそのことを隠してフェラを続けた
「響ちゃん……上に乗ってくれないかな?」
「いいですよ、沢渡(さわたり)さん」
お客は私のフェラを受けたことでその興奮によっていきり立った肉棒を指差して、私に自らの意思で腰を振るように男は頼むと言う名前の命令をしてきた。お金をもらっている風俗嬢である私がそのことを断れるはずがないことを知りながら
「では、横になってくださいね」
「おぉ……すまないね……」
お客は白々しくそう言って、ベッドに自らの身体を預けて横になった。そして、私はお店に備えられているコンドームを持ってきて
―ビリ―
「では、失礼します」
「ああ……頼むよ……」
「では……」
―シュルシュル―
「おぉぉ……!!」
私は袋から出したゴムをお客の勃起した肉棒に被せた。その際にお客の肉棒はそれに興奮したのか、脈打つかのように動き、肉棒の持ち主もまた興奮を含んだ声を出した
「じゃあ、お体の上に乗らせて頂きます……よろしいでしょうか?」
「ああ……頼むよ」
「はい、では失礼します」
お客に確認にするとお客はもう待ちきれないようですぐに了承した。私はその後にお客の腰の上辺りに自らの腰を持っていき、その場に中腰になった。そして、
「では、挿入させて頂きます」
お客の肉棒を私の膣口へとあてがい
―クチュ―
「ん……」
そのまま、腰をゆっくりと下ろしていき自らの膣内へとお客の肉棒を挿入した。そして、さらに腰を下ろしていき
「んん……!」
完全に肉棒を挿入し終えると私はしばらくしてから
「沢渡さん……動いてもいいでしょうか?」
お客にそう尋ねた。すると、
「ああ、動いてくれ……」
お客は嬉しそうに即座に答えた
「わかりました……では……」
―ユサユサ―
「あん……!」
「おぉ……!!」
私は自分の腰を前後に揺らし始めた。すると、お客は私が与える振動に快楽を感じ始め声を漏らし始めた。私はそれに対しても、身体を売ることで生活費を得る穢れた自分への浅ましさに嫌悪感を抱くが
―パンパン―
「んあ……!んん……!!」
お客を満足させるためにさらなる快楽を与えるために腰の動きを上下に変えた。しかし、同時にそれは私にも快楽をもたらした
「はあ……はあ……んん……!!」
加藤先輩……!!
私は好きでもない、むしろ、自分が最も忌み嫌う女を性欲処理のための道具にしか見ないタイプの男の腰の上で自らの膣にその男の肉棒を加えて腰を振り続けることへの悲しみと怒り、憎しみを消し去りたいがために好きな元上司、いや、かつて好きだったと思いたい元上司のことを思い浮かべた
―パンパン―
「あぁ……んん……!!あん!!」
「いいよ……響ちゃん……気持ちいいよ……」
腰の動きを速めたことでお客はさらに気持ち良さを感じているようだが私はそのことに感じたくない快楽を感じ続け、腰を動かすことだけに集中して動作を続けた
これは自慰なのよ……だから、私はあの人とのセックスを思い浮かべながらこの肉棒(バイブ)を使えばいいのよ……
私は自らの愛を伴わない売春行為を自慰行為に置き換えて、その自慰行為の中で既にいなくなってしまったあの時まで心の底から自分が迷いなく『好き』と言える自信があったかつての勤め先の直属の上司であった人との行為を妄想した。そうしなければ私は今、自分がしている、いや、これからもしなくてはいけないことに耐えられなかった
―パンパン―
「はん……!!はん……!はぁん……!!」
私の元上司であった彼、加藤 優(かとう すぐる)さんは誠実な人だった。少なくとも、私の腰の下で女を買っている男と比べたら本当に善良な人だった。私は半年前までとある企業の秘書課に勤めていた。そもそも、私があの人でなしが多かった企業に入ったのは大学の先輩であった彼があの企業に入ったからだ
―パンパン―
「んあ……んん……!!」
しかし、彼には既に妻がいた。彼は大学の時に当時、交際していた女性である後の妻となる女性を妊娠させてしまったのだ。妻子を得てしまった責任感のある彼は当時、必死になって就職先を探していた、そんな時に彼の大学の先輩であった私の元勤め先の社長は誘いを受けて彼はその会社に入社した
―パンパン―
「あん……あん……!!」
それでも私は彼への想いを捨てることができず、未練たらしく彼を追ってあの企業に入社した、だけど、彼は私が初めて会った時から変わらず誠実でいわゆるデキ婚とは言え、それに対して何の文句を言わず、妻子を愛していたのがわかった。そして、彼は本当に部下思いで部下が失敗をしてもそれを頭ごなしに叱ることはせず、まず、悪いことだけを指摘してから、同じような失敗を繰り返さないように忠告するだけでその後は失敗をどのようにして取り返すか全力でサポートして、それを実行してくれる人でもあった
「はあはあ……響ちゃん……そろそろ……出る……」
お客の声で私は現実に引き戻された。私はその瞬間、浅ましい娼婦の顔になり媚びた声で
「はい……私もイキそうです……ん……!!」
そう言って、お客の男としての虚栄心を満足させようとした。実際は確かに私は多少は快楽を感じていたが自分自身は満足しておらず、これならまだ自慰をしていた方が満足する。しかし、男はそれに気づかず
「そうか……ん……」
勝ち誇ったような顔をしていた。所詮、男とはこう言ったものなのだ。自分の小さな征服欲と優越感を満たすためならば女を平気でそのための道具にする。そして、用が済めば簡単に女を捨てる
そう……あの男のように……
―パンパン―
「ん……あんあん……!!んん……!!」
私はそんな男を見下すために腰の動きを激しくした。それが所詮、負け犬の遠吠えにも劣る見苦しくて醜いことであることを心の中で気づきながらも腰を動かし続けた。私にはそれしかできなかった
どうして……どうしてなんですか……先輩……どうして、私のことを……抱いてくれなかったんですか……!?
私は心の中でかつて想いを寄せていた男性に対して、自分を『女』として抱いてくれなかったことにどうしようもない悔しさと悲しみと憤りを感じた。私は彼が本当に好きだった。それが人の道に外れた『恋』でありながらもそれでも好きだった。そして、私は自分の気持ちを抑えることができず、彼がいなくなる前の一年前のバレンタインの時に
『先輩……私……ずっと、あなたのことが好きだったんです……』
と彼に告白した。そして、
『お願いです……今夜だけでいいんです……私のことを……』
私は彼が妻子ある身であること知りながらも自分を『女』として抱くことを彼に懇願した。それが最低なことであることを理解しながらも私は我慢できなかった。彼と初めて出会ってから10年が経ち、彼が妻子を得てもその想いを未練たらしく捨てることができず、彼と同じ職場で働いた8年間は彼がどれだけ素晴らしい人なのかを私に教え続け、私の彼への想いをさらに深めた。そして、私の気持ちは既に抑え切れるものではなかった。だけど、彼は
『ごめん……貴水(たかみ)さん……それはできない』
それを拒絶した。私はそれに対して
『どうして……なんですか……?』
理由を尋ねてしまった。私はその時、自分がどれだけ最低な女であることを知りながらも彼に理由を聞きたかったのだ。そいて、同時にどうすれば彼に自分を抱いてもらえるかを知りたかった。だけど、彼はそんな私のことを責めることなく
『それは僕には妻もいるし、息子もいる……僕は彼女達を傷つけるようなことをしたくはない……それに……』
優しく諭すように人間として当然のことを言った。そして
『そんなことをしても……君が傷つくだけだよ?だから、僕は君を抱きたくない……たとえ、僕が君が望むことをしないで君が傷ついても……それはできないよ……』
『……っ!?』
彼は私のことを本当に考えてそう言ってくれた。よく考えればわかることだった。彼は本当に誠実だった。7年間も彼と一緒にいればわかることだったのに私はそのことを忘れていた。だけど、私にとっては彼のその優しさが辛かった。今の現状を見ていると。そして、彼はもういない
どうして……どうして………あんな女が……!幸せになって……!?私は……!!
私は彼を裏切ったあの女と自分の過去と現在の状態を考えて比べてしまった。私はあの女に一度も勝ったことが無い。私の好きだった人の子どもを孕み、私の好きだった人に愛されて、私の好きだった人に大切にされたあの女と自分を比べてしまい、余計に自らの惨めさを感じてしまった。あの女は私が欲しかったもの全てを手にしながらそれを捨てたのだ
「うっ……射精る……!!」
―ビュク!!ビュク!!―
「あぁん……んん……!!」
ゴム越しに感じる熱い感触によって、私は生活費を稼ぐために自分の身を売る最低な女である現実を再び戻された
「はあはあ……!響ちゃん……良かったよ……」
お客はそれに満足して私の頬を撫でてきた。私はそれを受けるとすぐに娼婦の顔になり
「そう……ですか……響も嬉しいです……」
少し快楽を感じたこと自分の恋が報われなかったこと、自分の惨めさ、そして、『好きだ』と言いながらもあの人を信じることができなかった後悔で私は涙を流した
「響ちゃんも感じてくれて嬉しいよ……しゃぶってもらってもいいかな?」
お客は私に対して射精したばかりの自らの肉棒を咥えるように言ってきた、つまりは自らの肉棒の周りや尿道に残る精液を私の口で掃除しろと言うことらしい。私はそれを商売として割り切った
「はい、では抜きますね」
―クチュ―
「んん……」
―クポ―
私の膣内から先端が精液によって膨らみ周りが私の愛液で濡れたコンドームが被せられた肉棒が抜かれた。そして、私は
「じゃあ、外しますね」
お客の肉棒に手を伸ばし、自らの愛液でゆっくりと外していきいった
―ぬるぬる―
うっ……
お客の肉棒から放たれてコンドームの先端に溜まっていた精液が私の手に付いた。私はそれに不快感を抱くがもう、何度も経験したことに加え商売でもあるので我慢した。それにこの後に自分がすることを考えるとこの程度で音を上げてはなどいられない。そして、既に自分が穢れていることも自覚してもいたし、今さらだとも思っていた
―ヌポっ―
コンドームを外し終えるとそこには自らの精液とコンドームの潤滑液でぬめり光っている肉棒があった。私はそれを
「うむ……んん……」
自らの舌で舐め続けた。するとお客は
「いいよ……響ちゃん……いいよ……」
射精直後で敏感になっている自らの肉棒を私の舌によって舐められていることに快楽を感じ始め興奮しだした。そして、肉棒の周りを舐め終えると私は彼の肉棒の先端に口を運びそれを
「あむ……はむ……うちゅ……」
口に咥えた
「ちゅる……うちゅ……」
「おぉ……!」
最後に私はお客の尿道に残る精液を吸い取った。もう私は一つの作業としてしか見ていない。お客はそれに気持ち良さを感じていた。私にはどうでもいいことだけど。そして、今日の私の仕事は終わった
14/01/03 16:30更新 / 秩序ある混沌
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