ナナシとヤドリギ
「神がそんなに偉いのかい?」
周りを囲まれている状況でその男はそういった。
次々に我らの中から声が上がる
「貴様に語ることなどないわ!」
「神は絶対なのだ!」
「人間の癖に魔物に魅入られた汚らわしいやつめ」
男は少し笑ってこういった。
「神が絶対だと?笑わせてくれるじゃないか。・・久方ぶりに笑ったよ。世界に生み出された程度の奴が絶対? ククッ、プッ、アハハハハハ」
その場に怒りが満ちた。
「何を笑っておる!下郎風情が!!」
男は今度は腹を抱えて笑い始めた。
「下郎?笑っちまうね。神に仕えているあなた方が高尚だと誰が決めたのかね?
神?私の侵入を防げなかった奴がか?」
「ほら吹き野郎が!」
怒りを抑えきれなくなった一人が槍を突き出した瞬間その男の体内から植物のつるが飛び出した。そして槍をもぎ取った。
「なっ!」
「いかんねえ。仮にも聖職者を名乗るものが感情的になっては・・・・ヤドリもういいぞ」
「・・・・・そう・・・・」
男の体内から声がしたかと思うと、つるが槍を放り捨て引っ込んでいった。
「化け物が」
誰かがそういった。
「殺戮者にそんなこと言われる筋合いはないね」
そういって男は消えた。
皆顔が怒りと恐怖で紫になった。
報告書を書こうと思ったのはなぜだろう?
「・・・あれでよかったの?」
「あれくらいがちょうどいいだろう」
男の隣に10代後半くらいの少女が座っていた。もう夜だというのに少女の周りだけが明るい。
「・・・・・ならいいけど・・・気をつけてね。私たちはこの世界では異端なんだから・・・・」
「わかっているさ。そんなことは進入する前からわかっていたことだろう?いまさらとやかく言うことじゃない」
「・・・私はもう・・・」
「いわなくてもわかっているから、もう戻ったらどうだ?長いこと離れていられるほどまだ力が戻っていないだろう?」
「・・・そうね・・そうするわ・・」
そういうが早いか少女は男を背中から抱きしめた。
すると光が消え、少女の体が緑色になった。
そして少しづつ男の体に沈んでいった。
「・・・・・神か・・・・・・・」
そうつぶやいた男の声は闇の中に消えていった。
周りを囲まれている状況でその男はそういった。
次々に我らの中から声が上がる
「貴様に語ることなどないわ!」
「神は絶対なのだ!」
「人間の癖に魔物に魅入られた汚らわしいやつめ」
男は少し笑ってこういった。
「神が絶対だと?笑わせてくれるじゃないか。・・久方ぶりに笑ったよ。世界に生み出された程度の奴が絶対? ククッ、プッ、アハハハハハ」
その場に怒りが満ちた。
「何を笑っておる!下郎風情が!!」
男は今度は腹を抱えて笑い始めた。
「下郎?笑っちまうね。神に仕えているあなた方が高尚だと誰が決めたのかね?
神?私の侵入を防げなかった奴がか?」
「ほら吹き野郎が!」
怒りを抑えきれなくなった一人が槍を突き出した瞬間その男の体内から植物のつるが飛び出した。そして槍をもぎ取った。
「なっ!」
「いかんねえ。仮にも聖職者を名乗るものが感情的になっては・・・・ヤドリもういいぞ」
「・・・・・そう・・・・」
男の体内から声がしたかと思うと、つるが槍を放り捨て引っ込んでいった。
「化け物が」
誰かがそういった。
「殺戮者にそんなこと言われる筋合いはないね」
そういって男は消えた。
皆顔が怒りと恐怖で紫になった。
報告書を書こうと思ったのはなぜだろう?
「・・・あれでよかったの?」
「あれくらいがちょうどいいだろう」
男の隣に10代後半くらいの少女が座っていた。もう夜だというのに少女の周りだけが明るい。
「・・・・・ならいいけど・・・気をつけてね。私たちはこの世界では異端なんだから・・・・」
「わかっているさ。そんなことは進入する前からわかっていたことだろう?いまさらとやかく言うことじゃない」
「・・・私はもう・・・」
「いわなくてもわかっているから、もう戻ったらどうだ?長いこと離れていられるほどまだ力が戻っていないだろう?」
「・・・そうね・・そうするわ・・」
そういうが早いか少女は男を背中から抱きしめた。
すると光が消え、少女の体が緑色になった。
そして少しづつ男の体に沈んでいった。
「・・・・・神か・・・・・・・」
そうつぶやいた男の声は闇の中に消えていった。
10/05/15 18:06更新 / 旅人