連載小説
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前篇
ここは親魔物領の小さな村


村のはずれで3人組がいた
手に持っていたものを見て
「もうこれだけしか無い」

手にしていたのは金貨が一枚、彼女たちの全財産である。
彼女たちは人間ではない魔物娘、セイレーンであった。
しかし、彼女たちはやせ細っており覇気がなく
今にも倒れてしまいそうだった。
「もう………最後だから………3人で………おいしいものを食べよう」
セイレーン3姉妹の長女がこう言い最後になるであろう食事のために
店を探していた。





−−−−レストラン 焔−−−−−−
俺の名前は悠貴この店の店主だ。

といっても俺一人で経営している。

ここの店にはあまり客は来ない。

村のはずれにあるためあまりお客は来ないのだが。

最低限生活していけるほどは稼いでいるつもりだ。

メニューは洋食、ハンバーグやパスタなどがある
どこにでもある普通の洋食店だ。

時間的にはもう昼を過ぎた時間帯だ…俺は暇なためカウンターで
新聞を読んでいる。
いつもハーピーが届けてけれる新聞だ。

今日のトップニュースはなんだろうか。
毎日の日課は欠かせない。

−−−−店の入り口前−−−−

セイレーン3姉妹は洋食店の扉の前に立っていた。

「ここにしよう。」

セイレーンの長女は扉を開け3姉妹は、
洋食店 焔の中へ入っていった。

店に入り3姉妹はカウンター席に座った


「いらっしゃい」
俺はいつものようにあいさつを済ませ水を取りに厨房に向かった。

はじめ見たときは驚いていた。

いや、魔物娘だからではないこの店に魔物娘が来るのは
めずらいしいことではないからだ。

ただ、彼女たちの表情がどことなくこの世の終わりのよう
なうつろな表情だったからだ。

「この………金貨1枚のオムライスを……一つください」

彼女たちはメニューを見て料理を注文した。

「あいよ、ちょっと待っててね」
そういい、俺はにこやかに、彼女たちに水の入ったコップを
カウンターに置き厨房に向かった。

俺は厨房で、フライパンで鶏肉と玉ねぎ、にんじんを炒め
火が通ったところでご飯とケチャップを入れチキンライスを作った。
次に卵を溶き半熟になるように焼いていった。

じゅじゅといい音お出しながらオムライスを作っていった。

料理のいい匂いは厨房を抜け店の中に漂っていた。

「いい匂いだね、お姉ちゃん」
そう3姉妹の三女は涎を垂らしながら待っていた。

「……ごちそうよ……」
「最後の……ごちそうよ」
長女と次女も同様に涎を垂らしながら待っていた。

数分後……

「お待たせ」

俺は、ほかほかのオムライスを3姉妹の前に置いた。
黄金のような卵に真っ赤なケチャップがかけられているだけの
シンプルなオムライスだ。

3姉妹は震えながらスプーンで一口すくい口に運んだ。
これが最後の食事そう思うと涙が出てきた。

オムライスを食べた瞬間何とも言えぬ感覚だった。
おいしかった何か工夫をされたわけでもなく。
ただ単純においしかった。

3姉妹の表情は暗い表情から明るい笑顔になった。

そのあとはただかぶりつくように無性になった食べた。
でも、きっちり3等分にして。

「またお越しください」
俺はそう言い3姉妹からお金を受っとった。

カウンターにあった料理はからできれいに残さず食べていた。
俺はとてもうれしかった。
いつも俺の料理を食べてくれた人は残さず食べて満足して帰っている。
「よかった」
と、俺も笑顔になれる。



−−−−店の外−−−−

「あれが最後だなんて……嫌だよ……」
そう3姉妹の三女は言った

あんなおいしい料理を食べて死ぬなんて嫌だった。

「もっと……もっと……」
次女も一緒だった。
あの、おいしい料理をまた

「最後になんて……させるものですか、有名になって……
いっぱいお金を稼いで……次は!」
長女も同じ、そしてある決意を胸に抱いて。

「一人、一皿、必ず!!」
3姉妹は口の周りにケチャップをつけながらも決意を胸に抱いて
絶対にまた来ると誓いを立ててどこかへと飛び去っていった。

つづく
12/12/13 02:26更新 / 六合
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■作者メッセージ
初めまして、六合と申します。
この作品が処女作です。
誤字脱字などがありましたらすいません。

主人公はしゃべっているようであまりしゃべらず。
セイレーン3姉妹がかなり喋っていました。

かなり短い文章ですが読んで頂きありがとうございます

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