序章:幕家の夜
荒涼たる草原に、一陣の風が吹き抜ける。
北方の秋は足早に過ぎ去り、既にその風の中には冬の匂いが濃厚だった。
なだらかな丘陵が僅かに水平線を歪ませる他は、遮るものとて何もない平原を、満点の星空が覆っていた。
そして、澄明な大気を通して下界を照らす星々の光を受けて、白い姿をおぼろげに輝かせる、一帖の幕家。
風にはらはらとたなびいて、僅かにできた隙間から、あられもない嬌声が漏れ出した。
「……ぁ、あぁっ、あぁぁぁぁぁぁぁ…………っ!」
腹の下でぶるぶると大きな尻を震わせ、珠の汗を振りまきながら、女が喘ぐ。
焦らしに焦らして、その挙句思い切り肉棒を突き刺したわけではない。
易々と三本の指を飲み込むまでとろかした尻穴をほじくり返したわけでもない。
全身を余すところなく撫でまわした揚句、最後の最後まで放っておかれた乳首を捻りあげられたわけでもない。
ただ、入れられただけ。
自分の分身を、何らの技巧も使うことなく、ただ、入れただけ。
それだけでびくびくと健気に膣を食い締め、だらだらと汗を垂れ流して悶絶する。
その浅ましい、しかし女としてはこれ以上ないほどいじましい反応を見せる腹の下の女に向けて、からかいの言葉を投げかける。
「……入れられただけで気をやったのか。 どうしようもない奴だな、お前は」
「………………っ!」
無様に這いつくばり尻を高々と掲げて俺に捧げる女は、反論もせずに黙りこむ。
だがその身体の反応を見れば、女がどうしようもなく感じてしまっているのは明白だった。
つるり、つるりと滑り落ちる汗は巨大な褐色の尻を妖しくぬめらせ、こちらの劣情を刺激する。
その巨尻が形成した肉の谷間が途切れる尾てい骨の上の尻尾は力なく垂れ下がり、落ちては湧き出る汗を吸って尻肉の上に張り付いている。
無造作に晒された背中も尻同様に濡れ光り、鍛え上げられた筋肉と女らしい脂肪が調和した逞しい腕は、その外見からは思いもよらぬほど力なく震えている。
癖の強い長髪の隙間から覗く厳めしい角、その下にある大きな牛の耳は力なくしおれ、時折ぴくん、ぴくんと小さく痙攣した。
いい女だ。
心底そう思う。
まず、肉付きがいい。
野性を内包する鍛え上げられた肢体の上に、女らしさを振りまくのには十分すぎるほどの脂肪を纏っている。
筋肉しかない岩のごとき硬い体でも、脂肪だけのぐずぐずととろけるような――こちらはそれなりに好みではあるが――柔らかい体でもない。
強く押せば跳ね返すような、そんな弾力に満ちた肉をしている。
腰回りなどは特にいい。
種さえ与えてやれば、いくら子を産んでもどうともなさそうな、そういう肉の付き方をしている。
この肉のたっぷり詰まってぱんぱんに張りつめた尻を好きなようにできるというのは、それだけで嗜虐心をそそるものがあった。
それと、もう一か所。
「うあっ…………!」
女の体を引き起こし、後ろから抱きすくめる。
豊満な肉の感触が手に心地よい。
胎の中に肉を加えこんだまま乱暴に引き上げられても、されるがままに大人しく従う女の姿に、少々愛しさのようなものを覚える。
だが、そんな感情を消し飛ばすような存在が、己の視界の中に飛び込んでくる。
その存在は、とろんとした目つきでこちらを見上げる女の顔越し、髪越しにその姿をちらつかせ、こちらの注意をひきつける。
そんなけしからぬ存在を甚振ってやろうと、腹回りを抱え込んだ手でそっと下半身を愛撫してから、徐々に徐々にその手を女の上半身へと引き上げる。
そして。
「んっ…………」
両の掌の上に、ずっしりと重く、とろけるほど柔らかく、焼けるほど熱いものが乗った。
乳である。
片手では到底扱いきることのできぬほど大きな、爆乳という言葉にふさわしい乳であった。
「んっ、ふっ、んっんっんっ……!」
その爆乳を、下から掌で押し上げるようにして軽く揺すぶってやる。
たったそれだけのことで、女の呼吸は荒くなり、辛抱たまらぬとでも言いたげな甘くかすれた声を上げる。
当然だ。
この女の乳房は、身体のどこよりも敏感だ。
そうなるように躾けてきたし、もともとこの女――否、この女の種族自体が、そうなる素養を多分に持っていた。
ミノタウロス
牛娘妖。
牛と人の間の子のような姿をし、牛と同じように乳を出す魔物だ。
基本的には牛と同様のんびりと寝て過ごしているが、気性は極めて荒く、人間の男を見かければ見境なく襲いかかる。
多くの場合は男の精を奪うためだが、時として群れを成し、あるいは他の魔物と徒党を組んで略奪を働くこともある。
獣としての牛の力をしっかりと受け継いだその腕力は、鬼や龍にも引けを取らない。
だが、その乳は効能多く、人間はなんとかしてそれを利用しようと努めてきた。
その結果、人間に慣れ、人間の中で暮らしてきた牛娘妖が変化して従順になったものが白牛娘妖(ホルスタウロス)と呼ばれる魔物である。
少々前置きが長くなったがつまり、この女――牛娘妖は、もともと乳を出すことを有益として人間に見出された魔物である、ということだ。
そして、淫乱にして奔放である魔物としての性は、ただの獣であったころから受け継いだ性質をさえ、快楽のための道具に変質させた。
すなわち、乳を出すという行為、あるいは乳を出す部位である乳房こそ、牛娘妖にとって最高の快楽を得られる部位となったのである。
……随分とくだくだしくいわでもなことを述べたが、それにも理由がある。
それは。
「あっ、あっあっあっ、あぁんあっあっ、はっ、はぁっはっはっ、はあぁぁぁぁぁぁぁぁ…………っ!」
この、ただ乳房を揺すられるだけで矢も盾もたまらず切なげな吐息を漏らす牛女の痴態に惑わされぬよう、少々冷静になりたかったからだ。
どうしようもなく敏感な、子を育てるための器官としては不相応なほどに過敏な乳を持ったこの女は、たったこの程度の責めですら正体を失って盛り狂う。
畜生の性を受け継いだ淫猥な魔物とはいえ、ここまで来るといっそ哀れですらある。
だが、この淫らさこそ、浅ましさこそが、自分にこの女をこうまで愛おしいと感じさせる理由の一つでもあった。
「――――辛いか?」
乳房を揺する手は止めぬまま、仰け反って肩に乗せられた頭の両端で先ほどまでより激しく跳ねる女の耳に向かって問う。
女は、喘ぎを止めようと必死に努力を重ねながら――無駄な努力ではあったけれども――赤く火照った顔の中で潤む瞳をこちらに向け、こちらをじっと見つめた後――おもむろに、口を開いた。
「つ――――つら、つらいっ、つらいぃぃぃぃぃ…………っ!」
途切れぬ責めに身を焦がしながら、それでもなんとか形を成した言葉で、切々と女は訴える。
「はいってるのがつらい、うごかれないのがつらい、ゆすられるのがつらい、もまれないのがつらい、しぼられないのがつらい――ぜんぶっ、ぜんぶつらいぃぃぃぃぃっ!」
ぼろぼろと涙をこぼし、ひぃひぃとしゃくりあげながら、勝気な釣り目を蕩かせて、女は言う。
「うっ、うごっ、うごい、てっ! ついて、つきまくってぇっ! おまんこっ、ぐちゃぁ、ぐちゃにぃっ、しっ、てぇぇぇっ!
おっぱ、いもぉっ! もんでぇっ、しぼってぇ! ちくびっ、つねってぇぇぇぇぇ!」
あまりと言えばあまりにも露骨な、情欲にまみれた女の懇願。
だが、不快ではない。
むしろ、これが見たかった。
快感と淫欲に溶かし落とされ、ぐちゃぐちゃに崩れたこの顔こそ、見たかった。
だから。
「ふぅん――――そうかい」
これは、褒美だ。
「あっ…………っは、はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
褐色の乳房の先端、ぷっくりと膨らんだ黒褐色の乳輪の先でしこり立った乳首を、思い切りつねりあげる。
その瞬間、女は派手に身体を跳ねさせ、背筋を逸らして絶叫する。
押し潰された乳首から、噴霧のごとく母乳が噴き出した。
「はっ、はっ、おっ! おぉっ! おあっ! ああぁ――――――っ! あぁぁぁぁぁっ、はぁ――――――――っ!」
乳首を捻じりあげられただけで絶命しそうなほど歓喜に染まる女の乳房を、今度は根元から先端へ鷲掴んで扱くようにして揉み絞る。
すると女は、先ほどとは比べ物にならないほどの、目の前が噴き出したそれで白い闇に染まるほどの母乳を噴き出して狂乱した。
「あっ、あぁっあっがっ! あがっ! あああああっ! あ――――――――っ!」
何度も、何度も、何度も何度も何度も何度も、女の乳房を搾乳する。
ぶしぃっ、ぶしぃぃぃぃぃっ……と、およそ人の体から出たものとは思えぬほどの乳を撒き散らしながら、女は悶えた。
「あぁおっ! あおっ! おぅっ! おぉぉっおぉぉぉぉぉぉぉ!」
最早人の叫び声ではなく、獣の咆哮のような声をあげながら、女はひたすら悶絶する。
絶頂に絶頂を重ね、既にその限界を突破した女の膣の中では、自分の陰茎が尋常ならざる動きを示す肉壺にむしゃぶりつかれていた。
貪淫をこととする魔物とはいえ、仮にも人の姿をしたものの膣内とは思えぬ動きで、締め上げ、ねぶり、吸い搾る。
自ら腰を動かさずとも、狂奔する膣の動きと、飛び跳ね、押しつけ、また跳ねる女の絶頂の腰舞で理性が焼き切れるほどの快感が得られた。
「あ゛――――っ! あ゛あ゛あ゛――――っ! しぬっ、しぬぅぅぅっ! あ゛ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
その快感を失わぬよう乳房を嬲れば、狂乱した女の腰と膣が己の分身を食いちぎらんばかりに踊り狂う。
そうして与えられた快感を糧に更に乳房を責め苛めば、搾乳の法悦に死の影すらちらつくほど、女は激しく絶頂した。
絶頂が快楽を呼び、快楽が絶頂を呼ぶ無間地獄。
願わくばいつまでも味わっていたかった地獄ではあったが、やはりそれも限度があった。
「――――…………っ、出るぞっ……!」
腹の底から湧き上がるものに備えて、苦悶する女の体を無理に抱きとめ、己の腕の中に抱え込む。
そして、己の肚から種を吐き出すのに合わせ、思い切り女の乳房を搾りあげた。
刹那。
「――――あおあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!? あ゛っ、あ゛――――――――――――っ!」
待ち焦がれた男の精をたっぷりとその胎の中に飲み込み、入れ替わりに己の精の具現である母乳を噴き散らして、女は悦楽の最後の段を駆けあがり――そして、糸の切れた人形のように崩れ落ちた。
「あ゛っ……おぉぉぉぉ……がっ、はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ……………………」
だらしなく大開になった口から涎を垂れ流し、白目を剥いた目からは涙を噴きこぼして、女は気を失った。
その、人の浅ましさをまさしく具現したかのような表情が、今はたまらなく愛おしく。
「……よかったぞ、シャルカ」
気安く呼ぶなと言われた、この魔性の牛女の名を、耳元でそっと呟いた。
北方の秋は足早に過ぎ去り、既にその風の中には冬の匂いが濃厚だった。
なだらかな丘陵が僅かに水平線を歪ませる他は、遮るものとて何もない平原を、満点の星空が覆っていた。
そして、澄明な大気を通して下界を照らす星々の光を受けて、白い姿をおぼろげに輝かせる、一帖の幕家。
風にはらはらとたなびいて、僅かにできた隙間から、あられもない嬌声が漏れ出した。
「……ぁ、あぁっ、あぁぁぁぁぁぁぁ…………っ!」
腹の下でぶるぶると大きな尻を震わせ、珠の汗を振りまきながら、女が喘ぐ。
焦らしに焦らして、その挙句思い切り肉棒を突き刺したわけではない。
易々と三本の指を飲み込むまでとろかした尻穴をほじくり返したわけでもない。
全身を余すところなく撫でまわした揚句、最後の最後まで放っておかれた乳首を捻りあげられたわけでもない。
ただ、入れられただけ。
自分の分身を、何らの技巧も使うことなく、ただ、入れただけ。
それだけでびくびくと健気に膣を食い締め、だらだらと汗を垂れ流して悶絶する。
その浅ましい、しかし女としてはこれ以上ないほどいじましい反応を見せる腹の下の女に向けて、からかいの言葉を投げかける。
「……入れられただけで気をやったのか。 どうしようもない奴だな、お前は」
「………………っ!」
無様に這いつくばり尻を高々と掲げて俺に捧げる女は、反論もせずに黙りこむ。
だがその身体の反応を見れば、女がどうしようもなく感じてしまっているのは明白だった。
つるり、つるりと滑り落ちる汗は巨大な褐色の尻を妖しくぬめらせ、こちらの劣情を刺激する。
その巨尻が形成した肉の谷間が途切れる尾てい骨の上の尻尾は力なく垂れ下がり、落ちては湧き出る汗を吸って尻肉の上に張り付いている。
無造作に晒された背中も尻同様に濡れ光り、鍛え上げられた筋肉と女らしい脂肪が調和した逞しい腕は、その外見からは思いもよらぬほど力なく震えている。
癖の強い長髪の隙間から覗く厳めしい角、その下にある大きな牛の耳は力なくしおれ、時折ぴくん、ぴくんと小さく痙攣した。
いい女だ。
心底そう思う。
まず、肉付きがいい。
野性を内包する鍛え上げられた肢体の上に、女らしさを振りまくのには十分すぎるほどの脂肪を纏っている。
筋肉しかない岩のごとき硬い体でも、脂肪だけのぐずぐずととろけるような――こちらはそれなりに好みではあるが――柔らかい体でもない。
強く押せば跳ね返すような、そんな弾力に満ちた肉をしている。
腰回りなどは特にいい。
種さえ与えてやれば、いくら子を産んでもどうともなさそうな、そういう肉の付き方をしている。
この肉のたっぷり詰まってぱんぱんに張りつめた尻を好きなようにできるというのは、それだけで嗜虐心をそそるものがあった。
それと、もう一か所。
「うあっ…………!」
女の体を引き起こし、後ろから抱きすくめる。
豊満な肉の感触が手に心地よい。
胎の中に肉を加えこんだまま乱暴に引き上げられても、されるがままに大人しく従う女の姿に、少々愛しさのようなものを覚える。
だが、そんな感情を消し飛ばすような存在が、己の視界の中に飛び込んでくる。
その存在は、とろんとした目つきでこちらを見上げる女の顔越し、髪越しにその姿をちらつかせ、こちらの注意をひきつける。
そんなけしからぬ存在を甚振ってやろうと、腹回りを抱え込んだ手でそっと下半身を愛撫してから、徐々に徐々にその手を女の上半身へと引き上げる。
そして。
「んっ…………」
両の掌の上に、ずっしりと重く、とろけるほど柔らかく、焼けるほど熱いものが乗った。
乳である。
片手では到底扱いきることのできぬほど大きな、爆乳という言葉にふさわしい乳であった。
「んっ、ふっ、んっんっんっ……!」
その爆乳を、下から掌で押し上げるようにして軽く揺すぶってやる。
たったそれだけのことで、女の呼吸は荒くなり、辛抱たまらぬとでも言いたげな甘くかすれた声を上げる。
当然だ。
この女の乳房は、身体のどこよりも敏感だ。
そうなるように躾けてきたし、もともとこの女――否、この女の種族自体が、そうなる素養を多分に持っていた。
ミノタウロス
牛娘妖。
牛と人の間の子のような姿をし、牛と同じように乳を出す魔物だ。
基本的には牛と同様のんびりと寝て過ごしているが、気性は極めて荒く、人間の男を見かければ見境なく襲いかかる。
多くの場合は男の精を奪うためだが、時として群れを成し、あるいは他の魔物と徒党を組んで略奪を働くこともある。
獣としての牛の力をしっかりと受け継いだその腕力は、鬼や龍にも引けを取らない。
だが、その乳は効能多く、人間はなんとかしてそれを利用しようと努めてきた。
その結果、人間に慣れ、人間の中で暮らしてきた牛娘妖が変化して従順になったものが白牛娘妖(ホルスタウロス)と呼ばれる魔物である。
少々前置きが長くなったがつまり、この女――牛娘妖は、もともと乳を出すことを有益として人間に見出された魔物である、ということだ。
そして、淫乱にして奔放である魔物としての性は、ただの獣であったころから受け継いだ性質をさえ、快楽のための道具に変質させた。
すなわち、乳を出すという行為、あるいは乳を出す部位である乳房こそ、牛娘妖にとって最高の快楽を得られる部位となったのである。
……随分とくだくだしくいわでもなことを述べたが、それにも理由がある。
それは。
「あっ、あっあっあっ、あぁんあっあっ、はっ、はぁっはっはっ、はあぁぁぁぁぁぁぁぁ…………っ!」
この、ただ乳房を揺すられるだけで矢も盾もたまらず切なげな吐息を漏らす牛女の痴態に惑わされぬよう、少々冷静になりたかったからだ。
どうしようもなく敏感な、子を育てるための器官としては不相応なほどに過敏な乳を持ったこの女は、たったこの程度の責めですら正体を失って盛り狂う。
畜生の性を受け継いだ淫猥な魔物とはいえ、ここまで来るといっそ哀れですらある。
だが、この淫らさこそ、浅ましさこそが、自分にこの女をこうまで愛おしいと感じさせる理由の一つでもあった。
「――――辛いか?」
乳房を揺する手は止めぬまま、仰け反って肩に乗せられた頭の両端で先ほどまでより激しく跳ねる女の耳に向かって問う。
女は、喘ぎを止めようと必死に努力を重ねながら――無駄な努力ではあったけれども――赤く火照った顔の中で潤む瞳をこちらに向け、こちらをじっと見つめた後――おもむろに、口を開いた。
「つ――――つら、つらいっ、つらいぃぃぃぃぃ…………っ!」
途切れぬ責めに身を焦がしながら、それでもなんとか形を成した言葉で、切々と女は訴える。
「はいってるのがつらい、うごかれないのがつらい、ゆすられるのがつらい、もまれないのがつらい、しぼられないのがつらい――ぜんぶっ、ぜんぶつらいぃぃぃぃぃっ!」
ぼろぼろと涙をこぼし、ひぃひぃとしゃくりあげながら、勝気な釣り目を蕩かせて、女は言う。
「うっ、うごっ、うごい、てっ! ついて、つきまくってぇっ! おまんこっ、ぐちゃぁ、ぐちゃにぃっ、しっ、てぇぇぇっ!
おっぱ、いもぉっ! もんでぇっ、しぼってぇ! ちくびっ、つねってぇぇぇぇぇ!」
あまりと言えばあまりにも露骨な、情欲にまみれた女の懇願。
だが、不快ではない。
むしろ、これが見たかった。
快感と淫欲に溶かし落とされ、ぐちゃぐちゃに崩れたこの顔こそ、見たかった。
だから。
「ふぅん――――そうかい」
これは、褒美だ。
「あっ…………っは、はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
褐色の乳房の先端、ぷっくりと膨らんだ黒褐色の乳輪の先でしこり立った乳首を、思い切りつねりあげる。
その瞬間、女は派手に身体を跳ねさせ、背筋を逸らして絶叫する。
押し潰された乳首から、噴霧のごとく母乳が噴き出した。
「はっ、はっ、おっ! おぉっ! おあっ! ああぁ――――――っ! あぁぁぁぁぁっ、はぁ――――――――っ!」
乳首を捻じりあげられただけで絶命しそうなほど歓喜に染まる女の乳房を、今度は根元から先端へ鷲掴んで扱くようにして揉み絞る。
すると女は、先ほどとは比べ物にならないほどの、目の前が噴き出したそれで白い闇に染まるほどの母乳を噴き出して狂乱した。
「あっ、あぁっあっがっ! あがっ! あああああっ! あ――――――――っ!」
何度も、何度も、何度も何度も何度も何度も、女の乳房を搾乳する。
ぶしぃっ、ぶしぃぃぃぃぃっ……と、およそ人の体から出たものとは思えぬほどの乳を撒き散らしながら、女は悶えた。
「あぁおっ! あおっ! おぅっ! おぉぉっおぉぉぉぉぉぉぉ!」
最早人の叫び声ではなく、獣の咆哮のような声をあげながら、女はひたすら悶絶する。
絶頂に絶頂を重ね、既にその限界を突破した女の膣の中では、自分の陰茎が尋常ならざる動きを示す肉壺にむしゃぶりつかれていた。
貪淫をこととする魔物とはいえ、仮にも人の姿をしたものの膣内とは思えぬ動きで、締め上げ、ねぶり、吸い搾る。
自ら腰を動かさずとも、狂奔する膣の動きと、飛び跳ね、押しつけ、また跳ねる女の絶頂の腰舞で理性が焼き切れるほどの快感が得られた。
「あ゛――――っ! あ゛あ゛あ゛――――っ! しぬっ、しぬぅぅぅっ! あ゛ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
その快感を失わぬよう乳房を嬲れば、狂乱した女の腰と膣が己の分身を食いちぎらんばかりに踊り狂う。
そうして与えられた快感を糧に更に乳房を責め苛めば、搾乳の法悦に死の影すらちらつくほど、女は激しく絶頂した。
絶頂が快楽を呼び、快楽が絶頂を呼ぶ無間地獄。
願わくばいつまでも味わっていたかった地獄ではあったが、やはりそれも限度があった。
「――――…………っ、出るぞっ……!」
腹の底から湧き上がるものに備えて、苦悶する女の体を無理に抱きとめ、己の腕の中に抱え込む。
そして、己の肚から種を吐き出すのに合わせ、思い切り女の乳房を搾りあげた。
刹那。
「――――あおあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!? あ゛っ、あ゛――――――――――――っ!」
待ち焦がれた男の精をたっぷりとその胎の中に飲み込み、入れ替わりに己の精の具現である母乳を噴き散らして、女は悦楽の最後の段を駆けあがり――そして、糸の切れた人形のように崩れ落ちた。
「あ゛っ……おぉぉぉぉ……がっ、はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ……………………」
だらしなく大開になった口から涎を垂れ流し、白目を剥いた目からは涙を噴きこぼして、女は気を失った。
その、人の浅ましさをまさしく具現したかのような表情が、今はたまらなく愛おしく。
「……よかったぞ、シャルカ」
気安く呼ぶなと言われた、この魔性の牛女の名を、耳元でそっと呟いた。
10/11/03 22:07更新 / 弓屋
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