住民たち①
ここは、関東某地にある閑静な街。自然豊かな緑に囲まれている。
よくいえば自然豊かな田舎
悪く言えばなんにもないベットタウン
そんな街にそのアパートはある
築25年、階段の横には昔懐かし、共同ボットントイレ
さすがにそのままではまずいと思ったのか各部屋の内装は、トイレ付ユニットバスがついてはいるがいささか古さが目立つ
こちらとあちらとの穴が繋がって早３ヶ月
思えばいろいろなすったもんだがあったものだ
俺は加瀬晃
魔界移住計画全権大使ことメアリー様とサキュバスのレナちゃんに骨抜きにされ、しぶしぶながらではあったが
魔界移住計画-日本支部の責任者なんてモノをやっている
犯罪臭がぷんぷんしていたのでできれば遠慮したかったのだが
『異世界の人間共が決めた法律など知らん！治外法権じゃ！！』
この一言でどうでも良くなった
それにしても最近、ネット上にひそかに作っておいた人材募集ページには閲覧者が増えている
世の中不景気、人の心も荒んで来る。嫌な世の中になったもんだ
『人の心に隙ができればできるほど、我等は仕事がしやすくなるのじゃ。さぁ四の五の言ってないでもっと多くの人間どもを取り込む案を出すのじゃ！！』
そう言われて、魔法陣と音声情報などを加工してHPを作りうｐした。
俺のしたことはここまで。閲覧者の転送はバフォ様が、呼び込みはレナちゃんがしている
しかし、俺の部屋にひっきりなしに移住申請者が飛び込んでくるのだからたまらない。プライベートも何もあったもんじゃない
俺も一応は会社員。社会人はそうそう仕事を休めない
かといって留守にしたら、彼女たちが何をしでかすか分かったものじゃない
苦しい胸の内をバフォ様に提言したら、
『確かにこの部屋だけでは、手狭じゃのう。この建物すべてを我が物とし、前線基地…いや、大使館としてくれようぞ！！』
という運びになった。
----------------------------------------------------
その日、202号室にて、作戦会議が開かれていた
「バフォ様、本当にこのアパートを大使館にするんですか？」
「もちろんじゃ。アキラよ、いいかげん腹を括れ。われ等はもはや共同体ぞ？“いんたーねっと”とか言う媒体を使って希望者をあちらに送った時点でお主も我等と同じ“犯罪者”じゃ」
「アキ！送っていった人たちみんな喜んであっち行ったわよ？」
「・・・それは分かっているよ。みんないい顔していたもんな。しかし、このアパートすべてとなると住民すべてを何らかの方法で追い出さなくてはいけないだろ？それにここの大家もいるし・・・」
「そんなこと簡単じゃ！ここの住民すべて魔界送りにしてやれば問題はない！」
「そんな無茶な！」
「無茶ではないわ。その大家とか言う者を丸め込んで送ってやればここのすべては獲ったも同然じゃ！！」
「・・・あのおばはん相手にするんですか？勘弁してくださいよ～」
「やろうと思えばなんとかなるものじゃ！というかなんとかするのが日本支部責任者のお主の役割じゃ！」
ピンポーン
ドンドンドン！！
『加瀬ちゃん？加瀬ちゃん！いるの？ちょっと大家からのお知らせよ！出てきなさい！！』
「・・・なんてタイミングだ・・・」
『あくまでシラを切る気なら家捜ししちゃうわよ？いないのならやっぱり家捜しね！！オーヤの特権マスターキー！！』
「！！はいはいはいはい！！いますよ！今開けますよ！！」
ガチャ
「あーらやーぱり居たのね。今日はお仕事休み？サボりはいけないわよ？風邪？なら私が添い寝してあげる！！」
「謹んでお断りを述べます！」
「つれないわね～。まぁいいわそれよりも最近、加瀬ちゃんのこの部屋！ドタバタうるさいって下の吉野さんが言っていたわよ？
性欲でも発散させているの？それなら私をよんでちょうだい！！どんな要求も聞いちゃうわ！！」
「下の吉野さんには後で謝っておきます。他に用がないのでしたら、調子も良くないんでこれで失礼します」
「・・・そう？じゃよろしくね！・・・あらもうこんな時間！！カンドラが始まっちゃう！！ぺッ！私のペッ！！待っててね～♪」
バタン！
「どんな要求も聞いちゃうそうじゃな」
「聞いていたんですか？勘弁してくださいよ～」
そう、あの大家もう50以上なのにあんな感じで迫ってくるからおっかない。一昔前に流行ったオバタリアンみたいな顔しているのがよけい気持ちが悪い
101号室に住んでいて、時々こうして寄ってくる。本人としては軽いスキンシップのつもりなんだろうが正直うっとうしい
「アキはあんな年増がいいの？」
「レナちゃん！この世には言っていい事と悪いことがあるんだよ？なんであんなしわしわのババアを相手にしなけりゃいけないんだ！！俺はもうこのっ！！乳一筋さ！」
「きゃん！いきなり揉まないで！」
「あーお前ら仲がいいのは結構じゃが、話を元に戻すぞい！あの大家じゃが、あんなのは昔の自分が懐かしく、今の自分は悲劇のヒロイン気取りのボケナスじゃろう？じゃったら事は簡単じゃ！」
「どうするのですか？」
「一時的に若返らせる！そうしてあやつの感情が一気に跳ね上がったところで若返りを解いて普段の自分に逆戻り！大いにプライドを切り裂いた所で、一言言うてやれば後はもうこちらの言うとおりぞ？」
「まったくもって鬼ですね・・・ちなみになんて言うのですか？」
「そんなの知れたこと“魔界に来れば永遠の若さと美が手に入るぞ”とな！！」
その後行われたこの作戦・・・
ある日、若い女性がいきなり言葉巧みに俺に近づいてきてデートしようという。正直、何かの勧誘か、デート商法か何かだと思ったのだが、まぁたまには部屋の二人以外の他の人と遊んでも罰は当たらないよなぁと踏んでホイホイと付いて行ったのだが、デート後感情高まりキスを・・・というところで彼女はオバタリアンに・・・
目の前で急激に皴になって背も縮んでいく女、ホラーだ！
大家は大怪獣の雄たけびのような泣き声を上げながら去っていった
おかげで俺はひどいトラウマが出来てしまった。その後、三日三晩うなされることとなった
『わしらを差し置いて遊びにいこうとした報いじゃ！！』とバフォ様
『他の女に手を出すなんて許せない』とレナちゃん
まったくついていない。大家対策作戦は聞いていたのに何故気づかなかったのか・・・
その後、何をどうやったのか分からないが大家がいきなり訪ねてきて、俺に土地の権利書やアパートのものなどを託してバフォ様を呼び出し向こうに旅立っていった
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201号室には夜の仕事をしている矢口さんがいる
夜になるといつも違う女の子がアパートまで車で迎えに来る。“勝手に迎えに来るんだ”と言っていたがやはりホストはもてるのかな？
今日も夕飯の買出しから戻ってきたところでばったり会った
「加瀬っち。最近女の子連れ込んでる？珍しいね」
「分かりますか？」
「そりゃもちろん！で？どんな女の子？美人？」
「そりゃもう。俺好みの子ですよ」
「じゃあ、…おっぱいのでかい子か。やるねぇ」
「へへへ。でも矢口さんなら選り取りみどりでしょう？」
「あー俺さ。彼女達をお客としか見てないからさ。お金落としてくれる？だから恋愛とかそんな関係にはならないよ」
「シビアですね」
「あーうん。そうだろうね。でもああいうところに来るお客さんて、みんな自分を認めてほしくて来てるわけじゃん？それが分かっているからこっちもどんどん褒めて煽てる。必要なら真っ向から否定して疑問をぶつけて納得したフリをする。そんな感じだよ」
「俺には無理ですね」
「慣れだよ。いつも言ってるじゃん？慣れって。やってればそのうちコツとか分かるものだよ。所詮、金の切れ目が縁の切れ目な世界」
「まったくもってダーティな世界ですね」
「そうだねー。だから俺は本当に好きになった子とかいないんだよね。ドラマとかで愛がどうとか言うテーマのものとかあるけど俺にはよく分からないな」
「そのうち、いい人が見つかりますよ。世の中これだけ人がいるんですから」
「ありがとよ加瀬っち、そうだ！今の女の子とは違うタイプの子と遊びたいんだったらいつでも紹介するよ～？」
“プップ～～！！”そのとき車のクラクションが聞こえた
「ありがとうございます。では気をつけて！」
「おー！んじゃ行きますかね～」
「ようやく帰ってきおったか。アキラ！」
家に帰るとすぐにお出迎えがあった
「客じゃ」
部屋に入ると黒っぽい服を着た人がいた。なにか修道服に似ているのだが何か色っぽい
「…ってシスター？シスターが魔界に行きたいんですか？」
「お初にお目にかかります。私、ダークプリーストのシアンと申します。以後お見知りおきを！さてこの度伺いましたのは、魔界移住計画は魔界の他、妖精郷、万魔殿（パンデモニウム）どこへでも送るとなっておりますが確かですね？」
「確かじゃ。われ等は教会連中の裏を掻いてこの計画を実行したのじゃ。希望者が行きたいといえばどこでも送る予定じゃ」
「それを聞いて安心いたしました。我が神もお喜びになるでしょう。早速ですがそこの貴方！時の止まった世界で永遠の愛を確かめ合ってみませんか？」
「はぁ？！俺ですか？いえいえ結構です」
「私では不満であると？これでも神に仕える身。永遠に貴方を愛して差し上げますよ？」
「いえ！滅相もない！！それに俺にはもう愛を囁きあえる人がおりますので他の人を愛してあげてください」
「そう…ですか残念ですわ。私達は愛を知らない子羊達を救いたいのです。いつでも門戸を開けておりますので気軽に入ってくださいませ」
「ありがとうございます」
さすがはシスター。その気にさせる。しかし、我が家には“家族”と言えるのが二人もできてしまった。まだまだこの世に未練がある
「ところでアキラよ、買出しにしては遅かったの」
「はぁ。お隣の矢口さんに会ったんです」
「どんな奴じゃ」
「夜の仕事、ホストをやっています。でも少し不幸な人です」
「不幸とな？」
「はい。仕事柄か、女の子を金づるとしか見えなくなっていて、愛とはなんなのか自分でも分からなくなっていると言っていました」
「いけませんわ！！ぜひともお会いして本当の愛がなんなのか知っていただかなくてはなりません！！」
「うぉ！シアンさんやる気ですね。でも今日は無理ですよ？今頃、仕事中だから会えるのは朝か昼になってしまいますよ？」
「構いません！この隣の部屋の方ですね？」
「はぃ。201号室・矢口さんです」
「わかりましたわ」
そういうと、彼女は部屋を出て行った
・・・朝
バタン！『うお！！誰だアンタは？』
という声が隣から聞こえてきた
朝・201号室
「あんのババァ！しこたま飲ませやがって、お得意の客じゃなかったら断っていた所だ！！オエッ！あー気分悪ー」
「お帰りなさいませ」
「うお！！誰だアンタは？つーか不法侵入だ！」
「私はシスター・シアン。悩める子羊たちを慰める使命を持つもの」
「新手の勧誘かよ？結構です！俺は仏教なんです！！」
「貴方は愛を知らないもしくは信じられないのですね」
「誰だ？そんなこと言ったやつは？店のやつか？まさか俺の客だったやつなのか？」
「矢口様？そんな貴方を私お救いしとうございます！！」
「そんな？！なんでいきなり抱きついて？・・・ちょっ！むぐっ！！」
いきなり抱きつかれ口を奪われる
「ハアッ…ハアッ…さあ矢口様？めくるめく愛の世界へご案内いたしますわ？」
「この俺が受けにまわっ？！ってああああーーーーーー」
まったく朝だというのに隣はえらく盛り上がっているみたいだった。聞き耳たてているわけではないの激しく聞こえる
「なんだか隣、盛り上がっているね？・・・ねぇアキ？なんかわたしもしたくなって来ちゃった？」
「レナちゃん。昨日の夜あんだけしたのに？」
「だめ？」
「・・・ダメじゃ・・・ない！」
ガバッと抱きついたそのとき落雷のように声が響いた
「たわけ！朝っぱらから何をしておるか！！」
「バ、バフォ様？帰っていたんですか？」
「人が仕事をして帰ってきたというのにお前達は・・・！！」
「だってレナお隣のあれ聞いてたら我慢できなくなっちゃうよ」
「・・・昨日のダークプリーストか・・・隣の男・・・堕ちたな」
「・・・結局、彼を癒せる人はこちら側のヒトではなくあちら側のヒトだったなんて…矢口さんお幸せに！（合掌）」
後日、矢口さんはなんだか熱に浮かされたような？呆けた様な表情をして挨拶もそこそこにシスターシアンとパンデモニウムとかいう所に旅立っていった
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その日、バフォ様のサバトにいつも出席しているという魔女がやってきた
なんでも最近サバトにバフォ様があまり出席されないのでどんな仕事をしているのか見学に来たらしい
「こんにちはメアリー様。ご機嫌麗しゅう」
「うむ。久しいのう。最近のサバトはどうじゃ？楽しゅうやっておるか？」
「はい。しかし、やはりメアリー様がいないとなにか盛り上がりに欠けていて…」
「いかんな。仕方がない！時々様子を見に行くとするか」
「ところでメアリー様？こちらの方は？」
「ああこの世界で厄介になっておるアキラじゃ」
「はい。そうですか。メアリー様がご厄介になっております。今後とも良しなに」
「いいえこちらこそ。魔女さんですかこちらこそよろしく!」
「気安く呼ばないでくださいませ」
「…はぁ？」
「いえなんでもありませんわ」
「さて、ちと外に出てくるぞ？」
「いってらっしゃいませ」
「いってらっしゃい」
バタン
「さて、アキラ様とかおっしゃいましたね」
「はい。何か？」
「テメーがしっかりしないからメアリー様がサバトに参加できねぇんじゃねえか！ああん？」
「・・・は？」
「テメーこっち側の責任者なんだろうが？だったら黙ってバンバン拉致って送り込めばいいんだよ！」
「・・・っ・・・そんな無茶な。無理に拉致ったら俺は犯罪者じゃないか」
「そんなテメーの都合なんか知ったこったねえ！仕事のできねえブタなんかに用はねえ！魔界に拉致って行ってやるからデビルバグの相手でもしていやがれ！！」
「ってなんなんだ？アンタは？」
「アンタ～？ブタが私をアンタ呼ばわりか～？っくっははは！！上等じゃねえかッ！この＃＄％＆が！！」
バタン
「アキラよ。冷蔵庫にプリンはないか？ないなら買ってきてくれ」
「プリンですか？確かなかったですね。しょうがない。では行ってきます」
「私のもお願いしますわ」
「は～いよ」
「・・・（キッ！！）」
まったくおっかないねぇ。しかしなんだあの豹変ようは？バフォ様の前では猫かぶり、俺の前では・・・あれが自なのかな？
プリンを買ってくると例の魔女がいなくなっていた
「あれ？魔女さんは？」
「ああ、あやつならイジメがいのありそうな奴の臭いがするとかいって隣に行ったようじゃぞ？」
「隣？203号室？・・・しかし、なんなんですか？すごい表裏のありますね」
「あやつの生まれた家はとても躾の厳しい家柄じゃったらしいのじゃ。言いたいことも自身の胸の内に必死に溜め込みいつも涙を呑むそんな毎日だったようじゃな・・・」
「それで？」
「ある日、森の中を移動中に、泣いているあやつに出会ってのう、わしは一目で魔女の資質を見出したのじゃ。そうして胸の内を何でも話せるようにしたらあのような娘になってしまったのじゃ」
「まったく激しい人だ」
「じゃがサバトの間は本当に良い声で啼くぞ？今度おぬしも参加せんか？」
「結構ですよ。サバトなんて命がいくらあっても足りないんじゃないですか？」
「まったくおぬしは冒険するということを知らぬ男よな」
一方、203号室・・・
ここには夜間バイトをしながら趣味に勤しんでいるフリーターが住んでいた
どうやらなにか作っているらしい
「・・・よっしゃ！魔法少女リースのフィギュア完成！！・・・いやー自分で造ったやつだけど非常にいい出来だ！これならコミケとかにも出品できそうだ！！」
「今回のはかわいくできたなぁ～。うん、いいね！」
自分で作ったものを自画自賛していると声が聞こえてきた
『・・・そんな腐ったような目で見るんじゃないわよ！！』
「・・・えっ？」
『どこ見てるのよ！ココよココ！！』
「・・・えっ？・・・えええーーーフィギュアが！リースちゃんが動いている！！」
『なに驚いているのよ？このブタが！！それとあたしはリースなんて名じゃ・・・』
「リースちゃんはそんな汚い言葉使いはしないんだぞ？」
『アンタにこの私の何が分かるって言うのよ！このブタが！ブタって呼んで何が悪いのよ！そんな贅肉ぶよぶよの体して！気色悪いったらありゃしない！！』
「確かに僕は太っているけど・・・っていうかなんなんだよ！」
『ふふん！私がココに来たのはアンタを下僕にするためよ！！』
「・・・僕がリースちゃんの下僕？」
『そうよ？ありがたく思いなさい？嫌とは言わせない！お前に拒否権はないのよ！』
「はい！僕はリースちゃんの下僕です。なんでもおっしゃってください！」
『そうそう！お前は下僕・・・って！！コホン！物分りのいいブタだこと、褒美に私の真実を見せてやろう！！』
パァァァァァ！！
まばゆい光が辺りを覆い、それが治まると・・・
「・・・なっ！リースちゃんが実物大になった！・・・かわゆい！！」
「私の力を持ってすれば簡単よ！（コスプレなんてどうかと思うけど下僕ができると思えば安いもの！）さて！ブタ！！裸になりなさい！」
「えっな、何故？」
「口答えする気？脱げって言ってんだろうがこのブタァァ！！」
パシィィィン！！
持っていた棒？ステッキ？で尻を叩く
「はっはいぃぃぃ」
「・・・さーて！なにしてほしい？」
「・・・えっ？・・・あ・・・」
「今、お前はいけないこと考えたわね？」
「そんな滅相もない」
「じゃあなんでお前のココはそんなに勃っているんだ？」
「あっ、いやなんでもないです」
「わたしといやらしいことしたくて我慢できないのか？」
「リースちゃんそんなとこ触らないで」
「様を付けろよブタァァ！！」
「ヒィィ。リース様怒らないでください」
「いやらしいこと考えるだけでそんだけ汁が出ているんだものな！このド変態が！！そうだブタ！私のここを見ろ！」
「・・・あっ？！なんでパンツ着けてない？」
「うれしいか？うれしいだろ？触れたいか？触れたいのか？アアン？」
「・・・うぅぅリース様触れさせてください」
「ダメだ！お前はそのまま地べたを這っていろ」
「そんな殺生な！なにとぞ！」
「いけないブタにはこうしてやる！！」
「ってあああああーーーーーーーー」
魔女と首輪を括り付けられた203号室の住民がバフォ様を訪ねてきた
「メアリー様、今度のサバト待ってますわ」
「うむ。わしも楽しみにしておるぞ？」
「では、失礼します。行くぞこのドＭが！ってうれしそうな顔してんじゃないわよ！！」
「はい！リース様！僕はリース様の下僕です！！どこへでもお供します」
そうして203号室は空き家になった
よくいえば自然豊かな田舎
悪く言えばなんにもないベットタウン
そんな街にそのアパートはある
築25年、階段の横には昔懐かし、共同ボットントイレ
さすがにそのままではまずいと思ったのか各部屋の内装は、トイレ付ユニットバスがついてはいるがいささか古さが目立つ
こちらとあちらとの穴が繋がって早３ヶ月
思えばいろいろなすったもんだがあったものだ
俺は加瀬晃
魔界移住計画全権大使ことメアリー様とサキュバスのレナちゃんに骨抜きにされ、しぶしぶながらではあったが
魔界移住計画-日本支部の責任者なんてモノをやっている
犯罪臭がぷんぷんしていたのでできれば遠慮したかったのだが
『異世界の人間共が決めた法律など知らん！治外法権じゃ！！』
この一言でどうでも良くなった
それにしても最近、ネット上にひそかに作っておいた人材募集ページには閲覧者が増えている
世の中不景気、人の心も荒んで来る。嫌な世の中になったもんだ
『人の心に隙ができればできるほど、我等は仕事がしやすくなるのじゃ。さぁ四の五の言ってないでもっと多くの人間どもを取り込む案を出すのじゃ！！』
そう言われて、魔法陣と音声情報などを加工してHPを作りうｐした。
俺のしたことはここまで。閲覧者の転送はバフォ様が、呼び込みはレナちゃんがしている
しかし、俺の部屋にひっきりなしに移住申請者が飛び込んでくるのだからたまらない。プライベートも何もあったもんじゃない
俺も一応は会社員。社会人はそうそう仕事を休めない
かといって留守にしたら、彼女たちが何をしでかすか分かったものじゃない
苦しい胸の内をバフォ様に提言したら、
『確かにこの部屋だけでは、手狭じゃのう。この建物すべてを我が物とし、前線基地…いや、大使館としてくれようぞ！！』
という運びになった。
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その日、202号室にて、作戦会議が開かれていた
「バフォ様、本当にこのアパートを大使館にするんですか？」
「もちろんじゃ。アキラよ、いいかげん腹を括れ。われ等はもはや共同体ぞ？“いんたーねっと”とか言う媒体を使って希望者をあちらに送った時点でお主も我等と同じ“犯罪者”じゃ」
「アキ！送っていった人たちみんな喜んであっち行ったわよ？」
「・・・それは分かっているよ。みんないい顔していたもんな。しかし、このアパートすべてとなると住民すべてを何らかの方法で追い出さなくてはいけないだろ？それにここの大家もいるし・・・」
「そんなこと簡単じゃ！ここの住民すべて魔界送りにしてやれば問題はない！」
「そんな無茶な！」
「無茶ではないわ。その大家とか言う者を丸め込んで送ってやればここのすべては獲ったも同然じゃ！！」
「・・・あのおばはん相手にするんですか？勘弁してくださいよ～」
「やろうと思えばなんとかなるものじゃ！というかなんとかするのが日本支部責任者のお主の役割じゃ！」
ピンポーン
ドンドンドン！！
『加瀬ちゃん？加瀬ちゃん！いるの？ちょっと大家からのお知らせよ！出てきなさい！！』
「・・・なんてタイミングだ・・・」
『あくまでシラを切る気なら家捜ししちゃうわよ？いないのならやっぱり家捜しね！！オーヤの特権マスターキー！！』
「！！はいはいはいはい！！いますよ！今開けますよ！！」
ガチャ
「あーらやーぱり居たのね。今日はお仕事休み？サボりはいけないわよ？風邪？なら私が添い寝してあげる！！」
「謹んでお断りを述べます！」
「つれないわね～。まぁいいわそれよりも最近、加瀬ちゃんのこの部屋！ドタバタうるさいって下の吉野さんが言っていたわよ？
性欲でも発散させているの？それなら私をよんでちょうだい！！どんな要求も聞いちゃうわ！！」
「下の吉野さんには後で謝っておきます。他に用がないのでしたら、調子も良くないんでこれで失礼します」
「・・・そう？じゃよろしくね！・・・あらもうこんな時間！！カンドラが始まっちゃう！！ぺッ！私のペッ！！待っててね～♪」
バタン！
「どんな要求も聞いちゃうそうじゃな」
「聞いていたんですか？勘弁してくださいよ～」
そう、あの大家もう50以上なのにあんな感じで迫ってくるからおっかない。一昔前に流行ったオバタリアンみたいな顔しているのがよけい気持ちが悪い
101号室に住んでいて、時々こうして寄ってくる。本人としては軽いスキンシップのつもりなんだろうが正直うっとうしい
「アキはあんな年増がいいの？」
「レナちゃん！この世には言っていい事と悪いことがあるんだよ？なんであんなしわしわのババアを相手にしなけりゃいけないんだ！！俺はもうこのっ！！乳一筋さ！」
「きゃん！いきなり揉まないで！」
「あーお前ら仲がいいのは結構じゃが、話を元に戻すぞい！あの大家じゃが、あんなのは昔の自分が懐かしく、今の自分は悲劇のヒロイン気取りのボケナスじゃろう？じゃったら事は簡単じゃ！」
「どうするのですか？」
「一時的に若返らせる！そうしてあやつの感情が一気に跳ね上がったところで若返りを解いて普段の自分に逆戻り！大いにプライドを切り裂いた所で、一言言うてやれば後はもうこちらの言うとおりぞ？」
「まったくもって鬼ですね・・・ちなみになんて言うのですか？」
「そんなの知れたこと“魔界に来れば永遠の若さと美が手に入るぞ”とな！！」
その後行われたこの作戦・・・
ある日、若い女性がいきなり言葉巧みに俺に近づいてきてデートしようという。正直、何かの勧誘か、デート商法か何かだと思ったのだが、まぁたまには部屋の二人以外の他の人と遊んでも罰は当たらないよなぁと踏んでホイホイと付いて行ったのだが、デート後感情高まりキスを・・・というところで彼女はオバタリアンに・・・
目の前で急激に皴になって背も縮んでいく女、ホラーだ！
大家は大怪獣の雄たけびのような泣き声を上げながら去っていった
おかげで俺はひどいトラウマが出来てしまった。その後、三日三晩うなされることとなった
『わしらを差し置いて遊びにいこうとした報いじゃ！！』とバフォ様
『他の女に手を出すなんて許せない』とレナちゃん
まったくついていない。大家対策作戦は聞いていたのに何故気づかなかったのか・・・
その後、何をどうやったのか分からないが大家がいきなり訪ねてきて、俺に土地の権利書やアパートのものなどを託してバフォ様を呼び出し向こうに旅立っていった
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201号室には夜の仕事をしている矢口さんがいる
夜になるといつも違う女の子がアパートまで車で迎えに来る。“勝手に迎えに来るんだ”と言っていたがやはりホストはもてるのかな？
今日も夕飯の買出しから戻ってきたところでばったり会った
「加瀬っち。最近女の子連れ込んでる？珍しいね」
「分かりますか？」
「そりゃもちろん！で？どんな女の子？美人？」
「そりゃもう。俺好みの子ですよ」
「じゃあ、…おっぱいのでかい子か。やるねぇ」
「へへへ。でも矢口さんなら選り取りみどりでしょう？」
「あー俺さ。彼女達をお客としか見てないからさ。お金落としてくれる？だから恋愛とかそんな関係にはならないよ」
「シビアですね」
「あーうん。そうだろうね。でもああいうところに来るお客さんて、みんな自分を認めてほしくて来てるわけじゃん？それが分かっているからこっちもどんどん褒めて煽てる。必要なら真っ向から否定して疑問をぶつけて納得したフリをする。そんな感じだよ」
「俺には無理ですね」
「慣れだよ。いつも言ってるじゃん？慣れって。やってればそのうちコツとか分かるものだよ。所詮、金の切れ目が縁の切れ目な世界」
「まったくもってダーティな世界ですね」
「そうだねー。だから俺は本当に好きになった子とかいないんだよね。ドラマとかで愛がどうとか言うテーマのものとかあるけど俺にはよく分からないな」
「そのうち、いい人が見つかりますよ。世の中これだけ人がいるんですから」
「ありがとよ加瀬っち、そうだ！今の女の子とは違うタイプの子と遊びたいんだったらいつでも紹介するよ～？」
“プップ～～！！”そのとき車のクラクションが聞こえた
「ありがとうございます。では気をつけて！」
「おー！んじゃ行きますかね～」
「ようやく帰ってきおったか。アキラ！」
家に帰るとすぐにお出迎えがあった
「客じゃ」
部屋に入ると黒っぽい服を着た人がいた。なにか修道服に似ているのだが何か色っぽい
「…ってシスター？シスターが魔界に行きたいんですか？」
「お初にお目にかかります。私、ダークプリーストのシアンと申します。以後お見知りおきを！さてこの度伺いましたのは、魔界移住計画は魔界の他、妖精郷、万魔殿（パンデモニウム）どこへでも送るとなっておりますが確かですね？」
「確かじゃ。われ等は教会連中の裏を掻いてこの計画を実行したのじゃ。希望者が行きたいといえばどこでも送る予定じゃ」
「それを聞いて安心いたしました。我が神もお喜びになるでしょう。早速ですがそこの貴方！時の止まった世界で永遠の愛を確かめ合ってみませんか？」
「はぁ？！俺ですか？いえいえ結構です」
「私では不満であると？これでも神に仕える身。永遠に貴方を愛して差し上げますよ？」
「いえ！滅相もない！！それに俺にはもう愛を囁きあえる人がおりますので他の人を愛してあげてください」
「そう…ですか残念ですわ。私達は愛を知らない子羊達を救いたいのです。いつでも門戸を開けておりますので気軽に入ってくださいませ」
「ありがとうございます」
さすがはシスター。その気にさせる。しかし、我が家には“家族”と言えるのが二人もできてしまった。まだまだこの世に未練がある
「ところでアキラよ、買出しにしては遅かったの」
「はぁ。お隣の矢口さんに会ったんです」
「どんな奴じゃ」
「夜の仕事、ホストをやっています。でも少し不幸な人です」
「不幸とな？」
「はい。仕事柄か、女の子を金づるとしか見えなくなっていて、愛とはなんなのか自分でも分からなくなっていると言っていました」
「いけませんわ！！ぜひともお会いして本当の愛がなんなのか知っていただかなくてはなりません！！」
「うぉ！シアンさんやる気ですね。でも今日は無理ですよ？今頃、仕事中だから会えるのは朝か昼になってしまいますよ？」
「構いません！この隣の部屋の方ですね？」
「はぃ。201号室・矢口さんです」
「わかりましたわ」
そういうと、彼女は部屋を出て行った
・・・朝
バタン！『うお！！誰だアンタは？』
という声が隣から聞こえてきた
朝・201号室
「あんのババァ！しこたま飲ませやがって、お得意の客じゃなかったら断っていた所だ！！オエッ！あー気分悪ー」
「お帰りなさいませ」
「うお！！誰だアンタは？つーか不法侵入だ！」
「私はシスター・シアン。悩める子羊たちを慰める使命を持つもの」
「新手の勧誘かよ？結構です！俺は仏教なんです！！」
「貴方は愛を知らないもしくは信じられないのですね」
「誰だ？そんなこと言ったやつは？店のやつか？まさか俺の客だったやつなのか？」
「矢口様？そんな貴方を私お救いしとうございます！！」
「そんな？！なんでいきなり抱きついて？・・・ちょっ！むぐっ！！」
いきなり抱きつかれ口を奪われる
「ハアッ…ハアッ…さあ矢口様？めくるめく愛の世界へご案内いたしますわ？」
「この俺が受けにまわっ？！ってああああーーーーーー」
まったく朝だというのに隣はえらく盛り上がっているみたいだった。聞き耳たてているわけではないの激しく聞こえる
「なんだか隣、盛り上がっているね？・・・ねぇアキ？なんかわたしもしたくなって来ちゃった？」
「レナちゃん。昨日の夜あんだけしたのに？」
「だめ？」
「・・・ダメじゃ・・・ない！」
ガバッと抱きついたそのとき落雷のように声が響いた
「たわけ！朝っぱらから何をしておるか！！」
「バ、バフォ様？帰っていたんですか？」
「人が仕事をして帰ってきたというのにお前達は・・・！！」
「だってレナお隣のあれ聞いてたら我慢できなくなっちゃうよ」
「・・・昨日のダークプリーストか・・・隣の男・・・堕ちたな」
「・・・結局、彼を癒せる人はこちら側のヒトではなくあちら側のヒトだったなんて…矢口さんお幸せに！（合掌）」
後日、矢口さんはなんだか熱に浮かされたような？呆けた様な表情をして挨拶もそこそこにシスターシアンとパンデモニウムとかいう所に旅立っていった
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その日、バフォ様のサバトにいつも出席しているという魔女がやってきた
なんでも最近サバトにバフォ様があまり出席されないのでどんな仕事をしているのか見学に来たらしい
「こんにちはメアリー様。ご機嫌麗しゅう」
「うむ。久しいのう。最近のサバトはどうじゃ？楽しゅうやっておるか？」
「はい。しかし、やはりメアリー様がいないとなにか盛り上がりに欠けていて…」
「いかんな。仕方がない！時々様子を見に行くとするか」
「ところでメアリー様？こちらの方は？」
「ああこの世界で厄介になっておるアキラじゃ」
「はい。そうですか。メアリー様がご厄介になっております。今後とも良しなに」
「いいえこちらこそ。魔女さんですかこちらこそよろしく!」
「気安く呼ばないでくださいませ」
「…はぁ？」
「いえなんでもありませんわ」
「さて、ちと外に出てくるぞ？」
「いってらっしゃいませ」
「いってらっしゃい」
バタン
「さて、アキラ様とかおっしゃいましたね」
「はい。何か？」
「テメーがしっかりしないからメアリー様がサバトに参加できねぇんじゃねえか！ああん？」
「・・・は？」
「テメーこっち側の責任者なんだろうが？だったら黙ってバンバン拉致って送り込めばいいんだよ！」
「・・・っ・・・そんな無茶な。無理に拉致ったら俺は犯罪者じゃないか」
「そんなテメーの都合なんか知ったこったねえ！仕事のできねえブタなんかに用はねえ！魔界に拉致って行ってやるからデビルバグの相手でもしていやがれ！！」
「ってなんなんだ？アンタは？」
「アンタ～？ブタが私をアンタ呼ばわりか～？っくっははは！！上等じゃねえかッ！この＃＄％＆が！！」
バタン
「アキラよ。冷蔵庫にプリンはないか？ないなら買ってきてくれ」
「プリンですか？確かなかったですね。しょうがない。では行ってきます」
「私のもお願いしますわ」
「は～いよ」
「・・・（キッ！！）」
まったくおっかないねぇ。しかしなんだあの豹変ようは？バフォ様の前では猫かぶり、俺の前では・・・あれが自なのかな？
プリンを買ってくると例の魔女がいなくなっていた
「あれ？魔女さんは？」
「ああ、あやつならイジメがいのありそうな奴の臭いがするとかいって隣に行ったようじゃぞ？」
「隣？203号室？・・・しかし、なんなんですか？すごい表裏のありますね」
「あやつの生まれた家はとても躾の厳しい家柄じゃったらしいのじゃ。言いたいことも自身の胸の内に必死に溜め込みいつも涙を呑むそんな毎日だったようじゃな・・・」
「それで？」
「ある日、森の中を移動中に、泣いているあやつに出会ってのう、わしは一目で魔女の資質を見出したのじゃ。そうして胸の内を何でも話せるようにしたらあのような娘になってしまったのじゃ」
「まったく激しい人だ」
「じゃがサバトの間は本当に良い声で啼くぞ？今度おぬしも参加せんか？」
「結構ですよ。サバトなんて命がいくらあっても足りないんじゃないですか？」
「まったくおぬしは冒険するということを知らぬ男よな」
一方、203号室・・・
ここには夜間バイトをしながら趣味に勤しんでいるフリーターが住んでいた
どうやらなにか作っているらしい
「・・・よっしゃ！魔法少女リースのフィギュア完成！！・・・いやー自分で造ったやつだけど非常にいい出来だ！これならコミケとかにも出品できそうだ！！」
「今回のはかわいくできたなぁ～。うん、いいね！」
自分で作ったものを自画自賛していると声が聞こえてきた
『・・・そんな腐ったような目で見るんじゃないわよ！！』
「・・・えっ？」
『どこ見てるのよ！ココよココ！！』
「・・・えっ？・・・えええーーーフィギュアが！リースちゃんが動いている！！」
『なに驚いているのよ？このブタが！！それとあたしはリースなんて名じゃ・・・』
「リースちゃんはそんな汚い言葉使いはしないんだぞ？」
『アンタにこの私の何が分かるって言うのよ！このブタが！ブタって呼んで何が悪いのよ！そんな贅肉ぶよぶよの体して！気色悪いったらありゃしない！！』
「確かに僕は太っているけど・・・っていうかなんなんだよ！」
『ふふん！私がココに来たのはアンタを下僕にするためよ！！』
「・・・僕がリースちゃんの下僕？」
『そうよ？ありがたく思いなさい？嫌とは言わせない！お前に拒否権はないのよ！』
「はい！僕はリースちゃんの下僕です。なんでもおっしゃってください！」
『そうそう！お前は下僕・・・って！！コホン！物分りのいいブタだこと、褒美に私の真実を見せてやろう！！』
パァァァァァ！！
まばゆい光が辺りを覆い、それが治まると・・・
「・・・なっ！リースちゃんが実物大になった！・・・かわゆい！！」
「私の力を持ってすれば簡単よ！（コスプレなんてどうかと思うけど下僕ができると思えば安いもの！）さて！ブタ！！裸になりなさい！」
「えっな、何故？」
「口答えする気？脱げって言ってんだろうがこのブタァァ！！」
パシィィィン！！
持っていた棒？ステッキ？で尻を叩く
「はっはいぃぃぃ」
「・・・さーて！なにしてほしい？」
「・・・えっ？・・・あ・・・」
「今、お前はいけないこと考えたわね？」
「そんな滅相もない」
「じゃあなんでお前のココはそんなに勃っているんだ？」
「あっ、いやなんでもないです」
「わたしといやらしいことしたくて我慢できないのか？」
「リースちゃんそんなとこ触らないで」
「様を付けろよブタァァ！！」
「ヒィィ。リース様怒らないでください」
「いやらしいこと考えるだけでそんだけ汁が出ているんだものな！このド変態が！！そうだブタ！私のここを見ろ！」
「・・・あっ？！なんでパンツ着けてない？」
「うれしいか？うれしいだろ？触れたいか？触れたいのか？アアン？」
「・・・うぅぅリース様触れさせてください」
「ダメだ！お前はそのまま地べたを這っていろ」
「そんな殺生な！なにとぞ！」
「いけないブタにはこうしてやる！！」
「ってあああああーーーーーーーー」
魔女と首輪を括り付けられた203号室の住民がバフォ様を訪ねてきた
「メアリー様、今度のサバト待ってますわ」
「うむ。わしも楽しみにしておるぞ？」
「では、失礼します。行くぞこのドＭが！ってうれしそうな顔してんじゃないわよ！！」
「はい！リース様！僕はリース様の下僕です！！どこへでもお供します」
そうして203号室は空き家になった
10/06/14 23:00更新 / 茶の頃
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