6.棺の中から・・・
「行くぞ!せーの!!」
「いよ!」
「ひけー!!」
「よーし!!」
ここはとある土蔵・・・
中には二人の男。この二人は、中を物色しているようであった
梁に掛けた小さな提灯の明かりを頼りに、土蔵の奥深くにあったものを引き摺りながらも通路へと引き出そうとしていた
「よーし!少し持ち上げて下にコロ噛ませんぞ!一二の三で持ち上げろ!」
「へい!」
「いーちぃ…にぃー…さん!ひっぱれ!さぶ!」
「へいっ!」
掛け声と共に僅かにそれは上がった。さぶと呼ばれた男がすばやく下に棒を噛ませた
「あにぃ!こいつはなんなんだろう?」
「あん?さぁなぁ…だが、お宝に違いあるめぇ!」
わずかな明かりに照らし出されたそれは大体、縦5尺横3尺高さ3尺ほどの大きさの箱
赤に黄色水色といった色とりどりの模様が描かれてる
鳥のような模様や人を象ったような模様などさまざまな絵が描かれ、上の蓋には人の顔のような絵が描かれていた
「あにぃ・・・なんだかこれ棺桶なんじゃ・・・」
「バカヤロウ!薬屋なんだから棺桶の一つや二つぐらいあるだろうが!」
「でも、なんだってこんな奥の隅に?」
「そんなの知ったこったねぇ!なかに何があろうと、何かしらのお宝に違いあるめぇ!土蔵の一番奥に隠すようにあったんだぜ?」
「そりゃぁそうだけど・・・」
「まさか、おめ?死体にでも怯えてんじゃあるめぇな?さぶ!」
「そりゃないですぜ!あにぃ!」
「とにかくだ!これがなんであれ、運び出しちまえばこっちのモンよ!あとは関係ねぇ!なにもなければ捨てちまえばいいことよ!」
「へい!」
その箱は、予想に反して軽かった
しかし、中に何かが入っているのは間違いなく、何かがある音は確かにしていた
「あにぃ!こんな箱街中で担いでいたら怪しまれますぜ?」
「バカヤロ!途中に舟があったろうが!あれに乗せていくんだよ!もっと頭を使え!頭を!!」
とある街のはずれにある薬屋
ここはその家の裏手にある土蔵
この二人は、賊であった
しかし、国中を股に掛けるような盗賊ではなく、俗に言うこそ泥の類
今日入った土蔵もたまたま、家人が鍵を閉めるのを忘れたようで中に入れたに過ぎなかった
二人は、薬の調合に使われる道具の類、ガラクタと言える品々しかないように思った
事実、この土蔵はガラクタ置き場として使われているようであった
その中の一番奥手…使われない箪笥や棚の影に隠すように置かれていたこの箱を見つけるや否や、真っ先に運び出したわけだった
「よし!行くぞ!」
「へい!」
二人は、箱を手にするとひた走りに走る
月は出ておらず、星の明かりでわずかに足元が見える道を行く
途中の川沿いまで来ると、舟を拝借して積み込むと彼らの住処へと漕ぎ出した
街外れの雑木林にあるあばら家
そこが彼らの住処だった
盗んできた物をここで一旦確認して、質屋などで古物として売っぱらう
そうして、今まで暮らしてきた
夜が明ける前に住処へと戻ると、二人はさっそく箱を開けてみることにした
しかし、いざ箱に手を出そうとした時、とある物を見て困惑した
「あ…あにぃ…これ…」
「あ…ああ」
二人が見て困惑したもの・・・
それは・・・
“お札”だった
蓋の端に沿って、何かが封印されているとひと目見ただけで分かるようになっていた
何が書かれているかは、長い年月が経っているのだろう。薄れ消えかかっている
くねくねと見たこともない達筆で書かれた綴り
「あにぃ…どうしやすかい?」
「えーい!ままよ!!」
と、ビリビリと破り捨てていくあにぃと呼ばれた男
一番下の札には薄くなってしまっていたが、何とか読める字があった
“・・・木乃伊・・・難く・・・封印・・・”
「木…乃…伊?なんだぁ?こりゃぁ?」
「さぁなぁ…なんであれ、封印されるようなモンならお宝の一つや二つ入ってんだろう!おいさぶ!釘抜き持って来い!蓋開けんぞ!」
「…へい」
苦労の末、蓋を開けるとさらしのような布でぐるぐる巻きにされた何かが入っていた
「さらしでぐるぐる巻きにされてんのは、形から言って死体か」
「あにぃ…」
「めんどくせぇ!後で、どっかの寺にでも放り込んでおけ!寺にでも置いとけばそんなモンがゴロゴロしてらぁな!一つや二つ増えたって気付かねぇだろ!」
「へい!」
強引に中の物をひっくり返して何が入っているのか確認する
さらしで覆われたモノには目もくれず、箱の底にあったものだけを探す
大量に積もった埃を取り除くと、中からは副葬品と思われるものが入っていた
杖のようなもの
丸い何かの金属片
石のような小さなもの
土器のようなもの…
それらを探し出して、ボロで拭いてやると黄金色したものが出てきた
「あにぃ!こっこれ!」
「おう!やっと出てきやがったか!」
満面の笑顔を見せる二人
ボロで磨いてやるとやはりそれらは金で出来ていた
小指の先くらいの大きさで真ん中に穴が開いている
首にかけたものか、腕にかけたものか…
大きさの違うものもあった。指くらいの穴…おそらく指輪であろう
見たこともない青い石がはめ込まれているものもあった
髪に飾るようなものまで
「あにぃ!いくらで売れやすかねぇ?!」
「これだけのもんだぁ!久しぶりの大金になんだろうよ!」
喝采をあげて、二人は探した
夜が明け、日も高くなった頃
あにぃは、お宝を手に住処を後にした
さぶには死体の片付けを命じて…
「うし!久しぶりの大金よ!これだけありゃ、しばらく女郎屋に入り浸っていられるな!」
握り締めた大金に笑いが止まらない
「さぶの奴には…こんだけで十分だろう!」
大金の半分…いや、その半分にも満たない金を頭陀袋に入れてやる
「俺は奴の兄貴ぶんよ!文句は言わせねぇ!」
鼻歌交じりに帰路に着いた
あにぃがあばら家に帰ってくると、さぶは女を連れ込んでヤっていた
土間にはさらしのような細長い布切れが転がっていた
「…もっと…もっとちょうだい…もっとぉ…」
「ああ!くれてやる!もっとくれてやるとも!!」
黒い髪、褐色の肌…それだけみれば普通の女。けれども、異様なのは所々さらしを巻いていた事だ
棺桶から出した、あれもさらしで巻かれていた…ならば?こいつは!?
「おめぇ…一体何してんだ?」
貪るように互いにやりあっていた
そんな姿に、あにぃは唖然とした
「あにぃ!見てわかんないんで?女でさぁ」
「おめぇ!なにしてるか分かっているんだろうな!」
「なにって?ナニでさぁ!」
「あ…ああ!いいっいいのっ!もっとぉ…もっとぉ♪いろいろさわってぇ…♪」
「へへっへへへ…ここがいいんだな?ここなんだな?」
「おめぇ!化けモン相手になにやってんだ!!」
「化けモン?」
「そいつは化けモンよ!見てわかんねぇのか!」
「化けモン…でも、上等な女じゃないですかい!こんなに感度もいいし」
「ああっ♪…ひゃぅっ♪」
「化けモンに上等もなにもねぇ!さっさとやめろ!!」
「あにぃにはわからねぇ!…あ…ああっ…っく!!」
「ああっ♪イイッ♪でたっ!でた…」
黒髪の女は、満足そうにさぶに抱きついている
「おめぇがそんなにも馬鹿だったとはな!」
気持ちよさそうな顔をして女に抱きつくさぶ。だが、あにぃを見て不満そうな声を上げた
「あにぃはいつも上等な女郎屋に行けやすが、俺はそうはいかねぇ!抱ける女と来たら、夜鷹か伏玉といった女しか抱けねぇ!でもこいつは違う!褐色の肌、異国の出を思わせる高い鼻。肌をさわればこんなにも感じてくれる。普通なら、異国のこんな別嬪を俺なんかが抱けるはずもねぇ。こいつは、俺を…俺だけを求めてくれる!だから、俺もこいつをはなさねぇ!」
「勝手にしろい!この莫迦が!そんなに化けモンがいいなら、いつまでも猿みてぇにまぐわってりゃいいんだ!!俺は行くぜ!こんな莫迦と化けモンと一緒にいられるかってんだ!」
「ねぇ♪…もっと…もっとぉ…お願い…!」
「へっへへへ。まだ足んねぇのかい。いいぜ?」
あばら家を出て行こうとするあにぃ…
懐から頭陀袋を取り出すと
「ちっ!さぶ!!こいつぁおめぇの取り分だぁ!」
脇に放った
ペッ!っとそこにあったものに唾を吐きかける
そんな時…
ガシッ!!
あにぃは、がっちりと足を掴まれた
「?!!」
「あにぃ…言い忘れてやしたが、棺桶から出してやったのはこいつだけじゃなくてもう一人いたんで」
「なにぃ?」
見れば、動き出したのは唾を吐きかけたものだった
さらしのような布が解けて手が伸びている
「離せ!化けモンが!!」
振り解こうとしてもがっちりと掴まれていて解けない
あにぃは、ゲシゲシと踏みつけて解こうとするが足を掴む手はだんだんと力強くなっていく
そうこうしている間に、倒れこんでしまったあにぃ…
「うわぁ!」
ガチャン!
尻餅をついたあにぃの懐から金が落ちた…
「あにぃ…その金…」
「こっこいつは…」
「俺のぶんと中身が随分と違うようで?」
「…こいつは俺の取り分よ!なんて言ったって俺はおまえの兄貴分だからなぁ!」
「…あにぃ。今までもそんな事してたんで?」
「…。そんなこたぁどうでもいい!助けてくれ!!」
言い合っている間に這いずってくる女…
足を…着物を…
ずりずりと…
軽蔑するような顔をしてさぶが言った
「…そんなせこい手を使っていた奴は俺のあにぃじゃねぇ!そのまま、その女に喰われちまえ!」
「さぶてめぇ!!」
『・・・ちょうだい』
「え?」
『あなたの…ちょうだい』
「うわっ!何を!!」
『…渇くの!渇いて…渇いて…仕方がないのよぉ!』
着物を剥いでイチモツを探り当てると、勢いよく舐め始めた
「やめろ!やめろぉぉぉ!!こん化けモンがぁぁぁ!!……ああ!うわぁ!!」
それから、どのくらい時間が経ったのか・・・
「おねがい・・・もっとぉ・・・もっとよぉ・・・」
「・・・うぁぁぁ!も・・・もう勘弁してくれぇぇぇ!」
「まだ・・・まだ足りないの〜!」
「うううっ…くっ!うぁっ!!」
「ああっいいの!いいの〜〜♪」
「うあぁぁぁ!たったすけ・・・」
口では嫌がりながらもがっちりと抱きしめて、精を放つあにぃ…
「へっ!あにぃだってそいつがいいんじゃねぇか」
「もっとぉ〜〜〜♪もっとぉ〜〜〜♪♪」
「おっと、いけねぇ!へへへ!いい子だぁ〜!もっと楽しもうぜ!」
「♪♪〜〜〜」
その後、彼らがどうなったのかは誰もわからない・・・
「いよ!」
「ひけー!!」
「よーし!!」
ここはとある土蔵・・・
中には二人の男。この二人は、中を物色しているようであった
梁に掛けた小さな提灯の明かりを頼りに、土蔵の奥深くにあったものを引き摺りながらも通路へと引き出そうとしていた
「よーし!少し持ち上げて下にコロ噛ませんぞ!一二の三で持ち上げろ!」
「へい!」
「いーちぃ…にぃー…さん!ひっぱれ!さぶ!」
「へいっ!」
掛け声と共に僅かにそれは上がった。さぶと呼ばれた男がすばやく下に棒を噛ませた
「あにぃ!こいつはなんなんだろう?」
「あん?さぁなぁ…だが、お宝に違いあるめぇ!」
わずかな明かりに照らし出されたそれは大体、縦5尺横3尺高さ3尺ほどの大きさの箱
赤に黄色水色といった色とりどりの模様が描かれてる
鳥のような模様や人を象ったような模様などさまざまな絵が描かれ、上の蓋には人の顔のような絵が描かれていた
「あにぃ・・・なんだかこれ棺桶なんじゃ・・・」
「バカヤロウ!薬屋なんだから棺桶の一つや二つぐらいあるだろうが!」
「でも、なんだってこんな奥の隅に?」
「そんなの知ったこったねぇ!なかに何があろうと、何かしらのお宝に違いあるめぇ!土蔵の一番奥に隠すようにあったんだぜ?」
「そりゃぁそうだけど・・・」
「まさか、おめ?死体にでも怯えてんじゃあるめぇな?さぶ!」
「そりゃないですぜ!あにぃ!」
「とにかくだ!これがなんであれ、運び出しちまえばこっちのモンよ!あとは関係ねぇ!なにもなければ捨てちまえばいいことよ!」
「へい!」
その箱は、予想に反して軽かった
しかし、中に何かが入っているのは間違いなく、何かがある音は確かにしていた
「あにぃ!こんな箱街中で担いでいたら怪しまれますぜ?」
「バカヤロ!途中に舟があったろうが!あれに乗せていくんだよ!もっと頭を使え!頭を!!」
とある街のはずれにある薬屋
ここはその家の裏手にある土蔵
この二人は、賊であった
しかし、国中を股に掛けるような盗賊ではなく、俗に言うこそ泥の類
今日入った土蔵もたまたま、家人が鍵を閉めるのを忘れたようで中に入れたに過ぎなかった
二人は、薬の調合に使われる道具の類、ガラクタと言える品々しかないように思った
事実、この土蔵はガラクタ置き場として使われているようであった
その中の一番奥手…使われない箪笥や棚の影に隠すように置かれていたこの箱を見つけるや否や、真っ先に運び出したわけだった
「よし!行くぞ!」
「へい!」
二人は、箱を手にするとひた走りに走る
月は出ておらず、星の明かりでわずかに足元が見える道を行く
途中の川沿いまで来ると、舟を拝借して積み込むと彼らの住処へと漕ぎ出した
街外れの雑木林にあるあばら家
そこが彼らの住処だった
盗んできた物をここで一旦確認して、質屋などで古物として売っぱらう
そうして、今まで暮らしてきた
夜が明ける前に住処へと戻ると、二人はさっそく箱を開けてみることにした
しかし、いざ箱に手を出そうとした時、とある物を見て困惑した
「あ…あにぃ…これ…」
「あ…ああ」
二人が見て困惑したもの・・・
それは・・・
“お札”だった
蓋の端に沿って、何かが封印されているとひと目見ただけで分かるようになっていた
何が書かれているかは、長い年月が経っているのだろう。薄れ消えかかっている
くねくねと見たこともない達筆で書かれた綴り
「あにぃ…どうしやすかい?」
「えーい!ままよ!!」
と、ビリビリと破り捨てていくあにぃと呼ばれた男
一番下の札には薄くなってしまっていたが、何とか読める字があった
“・・・木乃伊・・・難く・・・封印・・・”
「木…乃…伊?なんだぁ?こりゃぁ?」
「さぁなぁ…なんであれ、封印されるようなモンならお宝の一つや二つ入ってんだろう!おいさぶ!釘抜き持って来い!蓋開けんぞ!」
「…へい」
苦労の末、蓋を開けるとさらしのような布でぐるぐる巻きにされた何かが入っていた
「さらしでぐるぐる巻きにされてんのは、形から言って死体か」
「あにぃ…」
「めんどくせぇ!後で、どっかの寺にでも放り込んでおけ!寺にでも置いとけばそんなモンがゴロゴロしてらぁな!一つや二つ増えたって気付かねぇだろ!」
「へい!」
強引に中の物をひっくり返して何が入っているのか確認する
さらしで覆われたモノには目もくれず、箱の底にあったものだけを探す
大量に積もった埃を取り除くと、中からは副葬品と思われるものが入っていた
杖のようなもの
丸い何かの金属片
石のような小さなもの
土器のようなもの…
それらを探し出して、ボロで拭いてやると黄金色したものが出てきた
「あにぃ!こっこれ!」
「おう!やっと出てきやがったか!」
満面の笑顔を見せる二人
ボロで磨いてやるとやはりそれらは金で出来ていた
小指の先くらいの大きさで真ん中に穴が開いている
首にかけたものか、腕にかけたものか…
大きさの違うものもあった。指くらいの穴…おそらく指輪であろう
見たこともない青い石がはめ込まれているものもあった
髪に飾るようなものまで
「あにぃ!いくらで売れやすかねぇ?!」
「これだけのもんだぁ!久しぶりの大金になんだろうよ!」
喝采をあげて、二人は探した
夜が明け、日も高くなった頃
あにぃは、お宝を手に住処を後にした
さぶには死体の片付けを命じて…
「うし!久しぶりの大金よ!これだけありゃ、しばらく女郎屋に入り浸っていられるな!」
握り締めた大金に笑いが止まらない
「さぶの奴には…こんだけで十分だろう!」
大金の半分…いや、その半分にも満たない金を頭陀袋に入れてやる
「俺は奴の兄貴ぶんよ!文句は言わせねぇ!」
鼻歌交じりに帰路に着いた
あにぃがあばら家に帰ってくると、さぶは女を連れ込んでヤっていた
土間にはさらしのような細長い布切れが転がっていた
「…もっと…もっとちょうだい…もっとぉ…」
「ああ!くれてやる!もっとくれてやるとも!!」
黒い髪、褐色の肌…それだけみれば普通の女。けれども、異様なのは所々さらしを巻いていた事だ
棺桶から出した、あれもさらしで巻かれていた…ならば?こいつは!?
「おめぇ…一体何してんだ?」
貪るように互いにやりあっていた
そんな姿に、あにぃは唖然とした
「あにぃ!見てわかんないんで?女でさぁ」
「おめぇ!なにしてるか分かっているんだろうな!」
「なにって?ナニでさぁ!」
「あ…ああ!いいっいいのっ!もっとぉ…もっとぉ♪いろいろさわってぇ…♪」
「へへっへへへ…ここがいいんだな?ここなんだな?」
「おめぇ!化けモン相手になにやってんだ!!」
「化けモン?」
「そいつは化けモンよ!見てわかんねぇのか!」
「化けモン…でも、上等な女じゃないですかい!こんなに感度もいいし」
「ああっ♪…ひゃぅっ♪」
「化けモンに上等もなにもねぇ!さっさとやめろ!!」
「あにぃにはわからねぇ!…あ…ああっ…っく!!」
「ああっ♪イイッ♪でたっ!でた…」
黒髪の女は、満足そうにさぶに抱きついている
「おめぇがそんなにも馬鹿だったとはな!」
気持ちよさそうな顔をして女に抱きつくさぶ。だが、あにぃを見て不満そうな声を上げた
「あにぃはいつも上等な女郎屋に行けやすが、俺はそうはいかねぇ!抱ける女と来たら、夜鷹か伏玉といった女しか抱けねぇ!でもこいつは違う!褐色の肌、異国の出を思わせる高い鼻。肌をさわればこんなにも感じてくれる。普通なら、異国のこんな別嬪を俺なんかが抱けるはずもねぇ。こいつは、俺を…俺だけを求めてくれる!だから、俺もこいつをはなさねぇ!」
「勝手にしろい!この莫迦が!そんなに化けモンがいいなら、いつまでも猿みてぇにまぐわってりゃいいんだ!!俺は行くぜ!こんな莫迦と化けモンと一緒にいられるかってんだ!」
「ねぇ♪…もっと…もっとぉ…お願い…!」
「へっへへへ。まだ足んねぇのかい。いいぜ?」
あばら家を出て行こうとするあにぃ…
懐から頭陀袋を取り出すと
「ちっ!さぶ!!こいつぁおめぇの取り分だぁ!」
脇に放った
ペッ!っとそこにあったものに唾を吐きかける
そんな時…
ガシッ!!
あにぃは、がっちりと足を掴まれた
「?!!」
「あにぃ…言い忘れてやしたが、棺桶から出してやったのはこいつだけじゃなくてもう一人いたんで」
「なにぃ?」
見れば、動き出したのは唾を吐きかけたものだった
さらしのような布が解けて手が伸びている
「離せ!化けモンが!!」
振り解こうとしてもがっちりと掴まれていて解けない
あにぃは、ゲシゲシと踏みつけて解こうとするが足を掴む手はだんだんと力強くなっていく
そうこうしている間に、倒れこんでしまったあにぃ…
「うわぁ!」
ガチャン!
尻餅をついたあにぃの懐から金が落ちた…
「あにぃ…その金…」
「こっこいつは…」
「俺のぶんと中身が随分と違うようで?」
「…こいつは俺の取り分よ!なんて言ったって俺はおまえの兄貴分だからなぁ!」
「…あにぃ。今までもそんな事してたんで?」
「…。そんなこたぁどうでもいい!助けてくれ!!」
言い合っている間に這いずってくる女…
足を…着物を…
ずりずりと…
軽蔑するような顔をしてさぶが言った
「…そんなせこい手を使っていた奴は俺のあにぃじゃねぇ!そのまま、その女に喰われちまえ!」
「さぶてめぇ!!」
『・・・ちょうだい』
「え?」
『あなたの…ちょうだい』
「うわっ!何を!!」
『…渇くの!渇いて…渇いて…仕方がないのよぉ!』
着物を剥いでイチモツを探り当てると、勢いよく舐め始めた
「やめろ!やめろぉぉぉ!!こん化けモンがぁぁぁ!!……ああ!うわぁ!!」
それから、どのくらい時間が経ったのか・・・
「おねがい・・・もっとぉ・・・もっとよぉ・・・」
「・・・うぁぁぁ!も・・・もう勘弁してくれぇぇぇ!」
「まだ・・・まだ足りないの〜!」
「うううっ…くっ!うぁっ!!」
「ああっいいの!いいの〜〜♪」
「うあぁぁぁ!たったすけ・・・」
口では嫌がりながらもがっちりと抱きしめて、精を放つあにぃ…
「へっ!あにぃだってそいつがいいんじゃねぇか」
「もっとぉ〜〜〜♪もっとぉ〜〜〜♪♪」
「おっと、いけねぇ!へへへ!いい子だぁ〜!もっと楽しもうぜ!」
「♪♪〜〜〜」
その後、彼らがどうなったのかは誰もわからない・・・
11/05/03 00:29更新 / 茶の頃
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