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少女ククリは反抗したいお年頃

「ただいま」
 仕事が終わり、くたびれた身体を無理矢理部屋の中へと引きずり込む。
 しんどい。心身が崩れ去ってしまいそうだ……
 へたり、と靴も脱がず玄関に倒れ込む。もう歩きたくない。
 仕事、仕事………明日も明後日も………そう考えると生きる意味も見失いかけてくる。
 ──そんな僕に追い打ちをかけるように。

「こんなところで寝転がんないでよね……邪魔」

 中学生くらいに成長したククリが、僕に冷たい言葉を浴びせてくる。
「……………はぁい、わかりましたぁ」
 「それ」が始まったのは一週間ほど前のことだった。


「ただいま〜」
「おかえりー!パパ、ぎゅ〜♥」
 それまではこうやって玄関で抱きついてきたりしたのが………
「ただいま〜」
「………………」
 ある日を境に、態度が急変したのだ。
「…………く、ククリ、ただいま」
「聞こえてる」
「………ぎゅ〜は?」
「は?」
 その時のゴミを見るような目は忘れられない。小一時間頭を抱えて落ち込んだのだ。
 というかえんえんと泣いた。情けない限りだが子供みたく泣きじゃくった。
 これは、恐らく反抗期というものだろう。そうに違いない───


「あ、部屋に行く前にさ、明日友達と遊ぶからお金ちょうだい」
「………」
 ついこの間まではラブラブしてたのに……今ではATM扱い。
 この構図は傍から見れば援交にしか見えないだろう。
「………はい。渡す代わりに誰と遊ぶかだけは教えて」
「…………アパートの子達」
 一瞬、ムッとしたが一応は教えてくれた。
「そう、なら楽しんでおいで」
 僕はフラフラと自分の部屋へと帰る。ククリが自分の部屋に移り、完全に僕専用となった。
「……………………」
 ベッドに寝転がる。
 虚しい。
「はぁ……………」
 なんだか広く感じる、それも嫌な感じの広さだ。
 これが成長、大人への階段………それなら受け入れるしかないのだろうか。
 祝福すべきなのだろうか……?
 しかし、それでも寂しくて侘しい。
「……………いつもこのベッドで襲われてたんだよなぁ…………」
 睡眠妨害である『朝エッチ』も今となっては遠い思い出のようだ。
「あ、やべ」
 思い出してつい眠れるアレを呼び覚ましてしまった。
 しみじみとした空気が台無しである。
「不本意だけども………久々にするかなぁ……」
 これも男の性だ。最近ククリともシてないし、溜まっているのだ。
 仕方がない。


『あぅ♥あっ♥きゃうっ♥』
 暗闇にぼんやりと浮かぶ白。その幼い肢体はその色に似合わず真っ赤に火照っている。
 彼女の身体がピクリと跳ねる度に鱗粉が舞ってチラチラと光る。
『ぱぱぁ……あぅ♥気持ちいいよぉ……♥』
 彼女の性器が、僕を離さない。
『はぁ♥はぁ♥ほしいのぉ♥ぱぱの赤ちゃんほしいのぉぉ♥』
 足を僕の身体に絡め、肉棒を自らの最奥に導く。
 瞬間───

 ビュクッ!

『あっ♥あああっ♥ぱぱのどろどろのせーえき♥』
 肉棒を引き抜くと、収まりきらなかった精液がどろりと漏れ出す。
『はぁ♥はぁ♥なかであかちゃん作ろうってがんばってるんだよね♥?……えへへ♥』
 垂れる白濁液を指で掬い、口に運ぶ。
『ぴちゅ、ちゅ…………どろどろでぇ♥こくてぇ♥おいしい♥────



 ガチャリ
「パパ、話があるんだけど───」
「───ククリっ!」
 部屋にククリが入ってくるのと、射精のタイミングが奇遇にも重なってしまった。
「…………………」
「…………………」
 あぁ、まずい。
 非常にまず──

「キモイ!さっさと出てって!」


「────で、追い出されました」
「うん………大変だったね………」
 やはり相談役といえば大家さんしかいないわけで、こうやって彼女の部屋に来ていることはごく自然なことなのである。
「できればこんな時間に来るのはやめてほしいんだけどなぁ」
「すいません」
 が、やはり大家さんしかいないんです!
「娘関連なら雪村さんに相談すればいいじゃないの」
「雪村さんちは途中から来たとはいえ、本物の家族じゃないですか」
 血がつながってる、いないってやっぱり重要なのだ。血のつながっていない家族なんて、正直理想でしかない。
「だからその、この問題は話しづらいといいますか………」
「………………一応聞くけどさ、血がつながっていないからククリちゃんを愛せないってことはないよね?」
「はい……いや、どうなんでしょう」
「?」
 愛する………そう、僕はククリを愛している。
「……そうなんですけども……それはきっと恋人としてで」
 父親として、ではないのだ。
「ふぅ〜ん」
「あんまりはっきりとは言えないんですけども、その、恋人だと平等な立場、父親としてなら少し上の立場から……愛するものだと思うんです」
 うぅん、なんか傲慢な言い方になってしまった。だがこうとしか言いようがない気がする。
 恋愛と寵愛……これもニュアンスでしかないが。
「言いたいことはわかる………つまり、ククリちゃんとは平等の立ち位置で、恋愛をしちゃってるわけなのね?」
「はい」
 親子愛を抱いたことは、多分一度もないのだ。
「だからむざむざと追い出されちゃってるわけか……」
「……………」
「でもね、一つ言わせてちょうだい」

「この有り様で対等、なんて言えないわよね?」


『聞けば君、全然セックスの主導権取れてないみたいじゃない』
『ここはいっちょ寝込みでも襲って「自分だってヤるときはヤるんだぞ」くらいの意気込み見せなきゃダメよ』
『……………あ、やべ、ククリちゃん寝るまで君をここに置いとかなきゃ駄目なのか』
 というわけで、ガチ深夜まで待機し、ククリが寝るであろう時刻にこっそりと部屋に帰ってきた。
「すー──────くー──────」
 部屋の鍵を硬貨で(アパートの部屋鍵は外側のところになんか溝がついてる)開け、布団で眠るククリに近づく。
「…………寝てるときはさすがに大人しいもんだな……」
 可愛い。
 だけれども、これもきっと。
 父親としての「可愛い」ではないのだ。

『多分ね、あの子も色々と困ってるのよ。成長が急で、精神も不安定なのよ、きっと……』
『今ククリちゃんに必要なのは、父親とか恋人とかどうでもいい』
『そんな垣根を越えた「愛」がほしいだけなのよ』

 大家さんはそうも言っていた。
 わかる。理解できるのだ。
 でも、ククリは。

 僕を「父親」と呼ばなかったことなんてないのだ。

「そりぁ、父親になりたくもなっちゃうよ」
 だけれども、このままじゃあ。
 僕は彼女の「誰か」にすらなれなくなってしまう。
 そんな気がするのだ。
「くー──────」
「ごめんよ、ククリ」
 彼女の額に、軽くキスをした。
「んっ────パパぁ」
 僕は、聞かない。
 今だけでも聞かないことにした。その僕を縛り付ける言葉を。
「ククリ」
 布団をめくり、彼女を半裸に剥き、秘部に指を侵入させる。
「ん♥」
 かすかに、動いた。
 起きるかもしれない、そんな考えは捨て、僕は彼女を悦ばせることに専念する。
「ぁ♥っ♥っ♥」
 くぐもった喘ぎが漏れる──
「──あれ?」
 あれだけククリと交わっておいてこんなことを言うのもなんだが………
 女の子ってこんなに早く濡れるものだったっけ?
 くちゅ、ちゅっ
 すぐに粘液が溢れ出してくる。
「ぁっ♥んくっ♥」
 感度も、なんだか不自然なほど高い気もするのだが………
「……………」
 いったんやめて放置してみる。
「─────♥────♥」
「……………」
 僕はさっさとククリの服を戻して部屋から出ようと───
「そこまでして逃げるか普通!」
「やっぱ起きてたか」
「うっ!」
 演技かよ。
 バレないとでも思っていたのだろうか。
「はぁ…………」
「いったいどうしてこんな回りくどいことを」
 こうなると大家さんもグルっぽいな。けっこう綿密に組まれた計画のようだ。
「だって…………最近、全然シてくれないし……」
「え?」
 そうだったっけ…………?一応毎日欠かさずシているような気がするが。
「だって、前までは一日三回とかシてくれてたのに………今じゃあ一回だけだよ?」
「…………」
 今だから言えることだけれども、一日三回は異常だと思う。
「ごめん、最近仕事が忙しくてなかなかそういうテンションになれなかったんだよ」
 きっと、疲れてたら気持ちよくできないだろうし、少し回数を減らしてはいた。
 それが、彼女の不満の種だったのか……
「わたしも、そうやって納得しようと思ったよ………けどさぁ」

「パパのこと好きだから………もっとしたいって、もっと愛してほしいって………ぐすっ」

 今までためていたものが、限界を超えて溢れている。そんな涙の流し方だった。
「わたしも、ひくっ、こんな自分勝手なわたしが、っ、きらいになってきて……もうわけわかんなくって、すんっ」
 大家さんも言っていたとおり、ククリの成長はかなり早い。精神の成長も同様なのだろう。彼女は今、密度の濃い時間を過ごしているのだ。
 求めるものの量も、多くなっているのかもしれない。
「ごめんなさい………ずっと辛かったの………でもその辛さをパパに押しつけるだなんて……最低だよね」
 そして、多分ククリはついていけてないのだ。自分の成長に。
 早く歩きすぎて、足がもつれてしまっているんだろう。
 これは彼女の内面のお話なのだ。
「ククリ………それは違うんだ」
 でも、それでも。
「最低なのは僕の方だ」
 たとえ父親であろうと、恋人であろうと。
「愛してあげられなくてごめんね」
 彼女に心から寄り添ってあげないと駄目なんだ。
 僕はぎゅっとククリを抱きしめる。
 ほのかに、鱗粉が鼻をくすぐる。かすかにククリのいい匂いがする。
「………ごめんなさい」
「ごめんね」
 一晩中泣くククリを。
 僕はずっと抱き締めていた。


 空が明けるころになって、ククリは泣き止んだ。
「ぐすっ…………パパ、これからはちゃんと我慢するから………今日はパパがリードして」

「わたしを抱いてくれないかな?」

「そうすれば、多分満足できるから」
 ピロピロと触角が動く。嬉しいときの癖だ。
 彼女の中で雑多なものの整理がついたのだろう。彼女はやはり今日も成長したのだろう。
「わかったよ」
 僕もできるだけ余裕をもって生活する。できるだけククリのそばでククリを愛してあげる。
 そうしよう。


「パパぁ………♥あっ♥あっ♥はいってきてるぅ♥」

「パパのおちんぽ♥やっぱり太くて……気持ちいいなぁ♥」

「いいよ、動いて」

「ぁん♥ぁっ♥ゃぅ♥せっくす♥きもちいいっ♥」

「はっ♥ぅ♥あ♥ずうずうしいお願いだけれどもっ♥」

「はぁ♥はぁ♥ずっと、パパはククリのパパでいてね♥」

「ぅやぁん♥ぅ♥パパ、ちゅーして♥」

「んっ♥ちゅっ♥ちゅ♥」

「ぷはっ………パパ♥好き♥」

「これからも生意気言うかもしれないけど、わたしはパパのことが大好きです」

「ずっと、そばにいてね♥」

「? パパ、もう出ちゃいそうなの♥?」

「いいよ♥わたしの膣内にびゅっびゅってパパのあつぅいせーえき出して♥」

「わたしを妊娠させるくらいの特濃子種ミルク……出して♥」

「ぁっ♥─────────っ♥すごい♥いっぱいでてるぅ♥」

「子宮の中♥ぱんぱんだよぉ♥」

「はぁ♥はぁ♥もしも子供ができたら──」

「その子のことも、同じように愛してあげてね♥」

16/07/26 23:29 鯖の味噌煮

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少女編は、あと二回続きます。
少女の定義によりますけども。
[エロ魔物娘図鑑・SS投稿所]
まろやか投稿小説ぐれーと Ver2.33